美容健康の『納豆入門』 ~5年間食べ続けたからわかった効果~

著者:納豆好き子

田舎でフリーライターとして活動している健康おたく。最近はアンチエイジングを研究中、食で若返る方法を日々模索しています。趣味は料理と瞑想と寝ること。楽しく読めて伝わる文章を目指しています。

電子書籍、好評発売中!!

納豆でダイエット ~5年間食べ続けた実体験に基づく美容健康~
著:畑中みどり 価格:680円(税込) スマホでも読めます!

 

このWebonでは、実際に納豆を5年間食べ続けた筆者の経験をもとに、納豆の健康効果についてお伝えいたします。

「ダイエットに効く」「肌年齢によい」「便秘改善によい」などと巷で囁かれる納豆の健康情報について、自身の経験を基に解説していきます。

また、より健康効果をアップさせる食べ方や、毎日美味しく食べるための納豆健康レシピも紹介いたします!

 

そんなダメダメな私が始めたのが、子どもの頃から好きだった納豆を1日1パック食べる「納豆ダイエット」でした。これといった難しいルールは無いので、やり方は簡単。

「夕食の前に納豆を食べる」か「間食で納豆を食べる」、それだけです。(中略)

たったそれだけですが、3ヶ月で6キロ痩せることが出来ました。

~第1章納豆はダイエットに効く! 【実際に痩せた食べ方】より~

 

はじめに

5年間納豆を食べたからこそわかる健康効果とともに、筆者が考える納豆の素晴らしさをお伝えいたします!

はじめに ~5年間納豆を食べ続けた私が伝えたい、納豆の素晴らしさ~

 

第1章 納豆の健康効果

あらゆるダイエットに挑戦した筆者でしたが、なかなか上手くいかず最後に辿りついたのが「納豆」でした。ここでは、納豆を食べ続けたことで起きた体の変化を「便秘」「ダイエット」「生理」の3項目に分けてお伝えします!

納豆は便秘に効く! 【5年間食べ続けた結果】

納豆はダイエットに効く! 【実際に痩せた食べ方】

納豆は生理中のイライラに効く! 【PMSの改善にも効果あり】

 

第2章 納豆の美容効果

納豆は健康だけでなく美容にも良いのです!美容液のようにお金もかからず、食べるだけで驚きの効果を得ることができます。筆者の実体験と納豆に隠された美容成分を知ればきっとあなたも納豆を食べ続けたくなるはず!

納豆で美肌! 【美肌に効く3つの成分】

納豆でアンチエイジング! 【ポリアミンは最強成分】

納豆はニキビに効く! 【体験談と3つの効果】

 

第3章 納豆の効果的な食べ方

「納豆は朝食べるより夜がおすすめ」「賞味期限ぎりぎりの方がおすすめ」だったりと、納豆には健康効果を高める効果的な食べ方があるのです。これを読めば明日から食べる納豆がパワーアップ!

納豆の効果的な食べ方① 【ご飯が冷めてから】

納豆の効果的な食べ方② 【夜納豆が効果的】

納豆の効果的な食べ方③ 【賞味期限ぎりぎり】

納豆の効果的な食べ方④ 【納豆+卵なら「卵は過熱」】

 

第4章 おすすめ納豆

納豆はどれも同じだと思っていませんか?もちろんどの納豆も健康・美容に良いのですが納豆はそれぞれに特徴があるのです。

ここでは著者がおすすめする納豆、それもスーパーで手軽に買える納豆を厳選してご紹介いたします!

スーパーで買えるおすすめ納豆4選!

 

第5章 ちょい足しレシピ

納豆をさらに美容健康効果を高めるレシピを紹介します。また、効果を高めるだけでなく美味しく食べられるレシピばかりなので、美容健康に良くさらに美味しく食べられる一石二鳥のレシピ特集となっております。これであなたも納豆マスター!

おすすめ納豆ちょい足しレシピ4選 【キムチ納豆】

おすすめ納豆ちょい足しレシピ4選 【アボカド納豆】

おすすめ納豆ちょい足しレシピ4選 【オクラ納豆】

おすすめ納豆ちょい足しレシピ4選 【長芋納豆】

 

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました!納豆へ感謝の思いを込めた筆者の文章、最後まで是非お読みください!

おわりに ~高い美容液よりも納豆~

 



スポンサーリンク

邦楽ロックおすすめバンド23選 【人気バンド編】

Webon紹介目次著者
邦楽ロックが大好きな筆者が邦楽ロックの基礎知識やおすすめのバンドなどを解説!

邦楽ロック入門 ~近年注目のおすすめバンドを聴こう~はこちらから!

著者:寺井まさき

めまぐるしい人生を駆け抜けられたのは「邦楽ロック」に救われてから。その魅力を一人でも多くの人に伝えたい。あなたなりの感じ方で邦楽ロックを楽しみ、好きになってもらえたら嬉しいです!お問い合わせはこちらから

『邦楽ロック入門』目次へ  (全12ページ)

 

スポンサーリンク



 

先程のページでは邦楽ロックのおすすめの曲を紹介しました。

ここからは4ページにわたって近年の邦楽ロックの魅力がわかるおすすめのバンド23選を【人気バンド】【ガールズバンド】【エモいバンド】【ボーカロイド】とジャンル別に分けて紹介いたします。

このページでは人気の邦楽ロックバンドを紹介します。知ることでさらに邦楽ロックにはまっていただければと思います。

 

1 My Hair is Bad

 

バンド名 My Hair is Bad(マイヘアーイズバッド)
結成年 2008年
メンバー 椎木知仁(ボーカル/ギター)
山本大樹(ベース/コーラス)
山田淳(ドラムス)
備考 バンド名の由来は、結成当時にメンバーの山本が範馬刃牙(格闘マンガのグラップラー刃牙の主人公)のような髪型で「My Hair is Bad?」と言っていたのがきっかけ。

 

「My Hair is Bad」。とても覚えやすいバンド名ですよね(笑)

私もはじめて聞いた時は「何だそのバンド名(笑)」と思いました!

 

▼My Hair is Badのライブの様子

 

作詞作曲をつとめるボーカルの椎木知仁(しいき ともみ)が「その時思っていることや感じていること」を自らが弾くギターの旋律に乗せて語ることが「熱い」と評判です。

また「歌詞が女々しい」ことでも有名です。そのため男性だけでなく若い女性からも評価が高いバンドです。

ボーカルの椎木知仁は「作詞をしているというより、その時ごとに感じた気持ちを日記のようなイメージで歌にして歌っている」とのことです。どうりでまっすぐな女々しさがあるわけですね(笑)

代表曲には『真赤』という曲があります。

 

▼『真赤』MV

 

<ブラジャーのホックを外す時

だけ心の中まで分かった気がした>

 

こんな歌いだしで曲が始まります!びっくりしますよね!イヤホンで聴くことをおすすめします!

 彼女と別れた男の心情を「熱く」そして「女々しく」歌っている1曲です。

 

2 sumika

 

バンド名 sumika(すみか)
結成年 2013年
メンバー 片岡健太(ボーカル/ギター)
黒田隼之介(ギター/コーラス)
荒井智之(ドラムス)
小川貴之(キーボード/コーラス)
備考 アニメ映画『君の膵臓をたべたい』の主題歌。テレビアニメ『ヲタクに恋は難しい』のオープニングを手掛ける。『フィクション』はYouTubeで1200万再生を超える。

 

sumikaはとてもポップで、誰からも好かれる「アンパンマン」のようなイメージのバンドです。キーボードのサウンドが特徴的で「明るい曲」は「ポップで明るい気分」に、「落ち着いた曲」は「しっとりと和やかな気持ち」になれる曲が多いです。

 

▼sumikaのライブの様子

 

「楽しめる曲」というものがモットーにあり、どんな年齢の観客でも置いてけぼりになることなく楽しめる「サーカス」のようなライブを行うバンドです。代表曲に『「伝言歌」』という曲があります。

 

 

これは大切な人に感謝の気持ちを伝える曲で、私が大好きなライブで盛り上がる曲です。

 

<伝えたい全部あなたに

全部伝えてこの言葉よ迷わないように

伝えたい今の私の半分以上が

あなたで出来ていたと気付いたから>

 

「大切な人に感謝の気持ちを伝えていますか?」という、人として大切なことを教えてくれる、そんな印象的な歌詞です。

 

3 マカロニえんぴつ

 

バンド名 マカロニえんぴつ
結成年 2012年
メンバー はっとり(ギター/ボーカル)
高野 賢也(ベース)
田辺 由明(ギター)
長谷川 大喜(キーボード)
備考 2012年にはっとりを中心に結成。メンバーは全員洗足学園音楽大学出身。

 

マカロニえんぴつは先述した2つのバンドよりはまだ少しマイナーです。

 

▼「マカロニえんぴつ」のライブの様子

 

先日ライブに行った私はこの目と耳でライブを楽しみ、そして確信しました。このバンドは今後絶対人気が出る!!!特徴は何と言ってもその「エモさ」。

「エモい」とは簡単に言うと「感情ではうまく表現できないけどいい!」という感情です。つまりは「うまく表現できないけど、なんか心にグッとくるんだよな」という気持ちです。

今邦楽ロック界で人気のバンドは「エモさ」を持っているバンドが非常に多いです。「マカロニえんぴつ」はエモさを特に持っているバンドの一つと言えます。

 

エモさを持ったバンドの解説は第3章にて!(現在は第2章)
 

 

ボーカル・はっとりのエモーショナルな声と、ちょっと女々しくてセンチメンタルな部分が垣間見える歌詞、そしてキーボードの多彩な音色で彩られたバンドサウンドが多くの若い女性を虜にしているバンドです。

『鳴らせ』という曲があり、これはライブで盛り上がる定番曲です。

▼『鳴らせ』MV

 

MVがなんといってもエモいです!そしてはっとり(ギター&ボーカル)のビジュアルが濃い!(笑)

そんな見た目とは相まってピアノの繊細な音が心地よい一曲です。

 

その他注目人気バンド

これはボックスのタイトルです。
注目すべき邦楽ロックのバンドは他にもたくさんいます。下記は、2019年も注目のアーティストをWebon編集部がピックアップしてお伝えします。

4 Yogee New Waves(ヨギーニューウェーブス)

]2013年に結成したバンドです。「新世代のシティポップバンド」として注目されています。近年のシティポップのブームを牽引するバンドのひとつです。シティポップとは「都会的で洗練された音楽」と言えるような日本特有の音楽のジャンルで1980年代に流行しました。シティポップ再評価の動きと共に、このバンドに注目してみてください。

 

5 King Gnu(キングヌー)

King Gnuは2017年に東京藝術大学出身の常田大希(つねた だいき)を中心に結成された4人組バンド。数々の大型フェスに出演し、独自のセンスが光る「トーキョー・ニュー・ミクスチャー」と称されるサウンドが注目を浴びています。

 

6 ズーカラデル

2015年に結成されたスリーピースバンド(3人組のバンド)。タワーレコードがブレイクするアーティストを発掘する「タワレコメン」で2018年の邦楽1位に輝く。代表曲は「アニー」。

 

7 THE ORAL CIGARETTES(ジ・オーラル・シガレッツ)

2010年結成。2018年にリリースされたアルバム『Kisses and Kills』はオリコン初登場1位を獲得しました。「BKW(番狂わせ)」を掲げ、アグレッシブなライブパフォーマンスがロック界で大きな注目を集めています。

 

以上私がおすすめする、今の邦楽ロックを代表するバンドでした。 

興味を持ってくれた方はぜひ聴いてみてください!考えるのではなく感じてください。そして音楽を全身で味わってください!

次のページではおすすめのガールズバンドを紹介します。

 

『邦楽ロック入門』目次へ  (全12ページ)

 

スポンサーリンク



 

目次著者

初心者におすすめの邦楽ロック12選 【喜怒哀楽】

Webon紹介目次著者
邦楽ロックが大好きな筆者が邦楽ロックの基礎知識やおすすめのバンドなどを解説!

邦楽ロック入門 ~近年注目のおすすめバンドを聴こう~はこちらから!

著者:寺井まさき

めまぐるしい人生を駆け抜けられたのは「邦楽ロック」に救われてから。その魅力を一人でも多くの人に伝えたい。あなたなりの感じ方で邦楽ロックを楽しみ、好きになってもらえたら嬉しいです!お問い合わせはこちらから

『邦楽ロック入門』目次へ  (全12ページ)

 

この章(第2章)ではおすすめの曲・バンドを3ページにわたって紹介いたします。

このページではおすすめの邦楽ロックを【喜怒哀楽】の感情別に分けて紹介いたします。

「嬉しい時は【喜】の曲」「哀しい時は【哀】の曲」という風にその時の感情に合わせておすすめの曲を聴いてみてくださいませ。

 

【喜】 ~嬉しい気持ちをさらに高める曲~

 

【喜】ではあなたが嬉しいことがあった時、その気持をさらに大きいものにしてくれる曲を紹介します。

どれも明るくアップテンポな曲なので、少し落ち込んだ時も元気になり「またこれから頑張ろう!」と前向きな気持ちへと切り替えることのできることでしょう。

 

 

1 WANIMA 『シグナル』

 

WANIMAの『シグナル』はメロディーがとてもリズミカルで、歌詞に前向きなメッセージ性があって、とても元気の出る曲です。

 

“初心者におすすめの邦楽ロック12選 【喜怒哀楽】” の続きを読む

【邦楽ロックの歴史】を簡単にわかりやすく解説

Webon紹介目次著者
邦楽ロックが大好きな筆者が邦楽ロックの基礎知識やおすすめのバンドなどを解説!

邦楽ロック入門 ~近年注目のおすすめバンドを聴こう~はこちらから!

著者:寺井まさき

めまぐるしい人生を駆け抜けられたのは「邦楽ロック」に救われてから。その魅力を一人でも多くの人に伝えたい。あなたなりの感じ方で邦楽ロックを楽しみ、好きになってもらえたら嬉しいです!お問い合わせはこちらから

『邦楽ロック入門』目次へ  (全12ページ)

 

スポンサーリンク



 

この章(第1章)では4ページにわたって「邦楽ロックの基礎知識」についてお伝えしております。

このページでは邦楽ロックの歴史についてわかりやすくお伝えします。 時系列に沿って、要点をまとめてお伝えいたします。

 

邦楽ロックの歴史 

1970年代

 

世界的に有名なロックバンド「ビートルズ」は、1960年代から70年代初頭にかけて日本でも爆発的に人気が出ました。

 

ビートルズ(The Beatles)
1957年から活動し1960年代から70年代に世界的に活躍したイギリスの4人組ロックバンド。代表曲に「Let It Be」など多数。

▼ビートルズ

 

その人気と相まって日本でも「ロック(Rock)」という概念が市民権を得るようになりました。

 

しかし、この頃の日本は演歌や歌謡曲が音楽の中心で「ロックといえば、ビートルズを代表する海外のもの」と認識されていました。

 

【編集部コラム】1970年代初頭に日本のロック界に影響を及ぼした「はっぴぃえんど」
1969年~1972年に活動した「はっぴぃえんど」というバンドは「日本語ロックの原点」と表現されることがあります。

ロックが海外のものと思われていた日本で、最初に日本語でロックを歌い始めたのが「はっぴぃえんど」だと言われています。

「はっぴぃえんど」はこの頃に活躍した「ティン・パン・アレー」と共に日本の音楽界に大きな影響を与えました。80年代にはこの系譜のアーティストが多数活躍しました。

▼はぴぃえんどの代表曲「風をあつめて」

▼ティン・パン・アレーの曲

ちなみに最近のアーティストでは「never young beach」が、はっぴぃえんどから影響を受けたとして話題となっています。

 

【編集部コラム】1970年代初期~中期「キャロル」の登場

1972年~1975年に活動した「キャロル」は現在のロックシーンに大きな影響を及ぼし、「伝説のバンド」と称されています。矢沢永吉、ジョニー大倉を擁する同バンドは「英語まじりの日本語の歌詞によるロック」によって大きなインパクトを与えて支持を獲得しました。1973年に発売された『ファンキー・モンキー・ベイビー』は当時のロックバンドとしては異例のヒットである30万枚を売り上げ、日本のロックの地位を確立しました。

 

1980年代

 

1980年代になると海外のロックバンドの影響を受け、日本でも様々なロックバンドが登場します。それらのバンドの特徴は

「海外バンドの単なる模倣ではなく、日本国内で変わらず愛されるサウンド(歌謡曲など)を取り入れている」

 というところにありました。

「海外のもの」としての認識されていた「ロック」が、日本独自の文化と融合しながら「日本のもの」として認識されるようになっていきました。1980年代は邦楽ロックにとって重要な時期であったといえます。

 

1980年代に活躍した邦楽ロックバンド

・RCサクセション

「RCサクセション」は1980年1月に発売した「雨上がりの夜空に」の発売記念コンサートで、渋谷のライブハウス「屋根裏」の観客動員数記録を塗り替えて話題になり、ブレイクに至りました。

同バンドは「King of Rock」と称され、現在の日本のライブパフォーマンスのスタイルの確立に大きな影響を与えました。音楽のみならず個性的なファッションも若者に影響を与え、ボーカルの忌野がステージで言う「愛し合っているかい?」という言葉は流行語になりました。1980年代を席巻したバンドです。

・BOØWY(ボーイ)

 

1981年結成(1989年解散)。代表曲に「Marionette (マリオネット)」「B・BLUE(ビー・ブルー)」など。

スタイリッシュなファッションや逆立てたヘアースタイルなど個性的なビジュアルが支持を獲得しました。社会現象となる程の人気で、『BOØWY以前』『BOØWY以後』で日本のロックを分けて語られるほどのインパクトを残しました。

同バンドのボーカルの氷室京介の「音楽を辞めようと思った時にRCサクセションのライブを観て辞めるのを踏みとどまった」という有名な逸話があります。

 

・THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)

1985年結成のバンド。代表曲に「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」など。パンクロック(1970年代半ばにアメリカで誕生した過激で攻撃的なロック)に乗せてストレートなメッセージ性のある歌詞を歌い、若者の絶大な支持を獲得しました。

1990年代の終盤から、1990年代の前半にかけてバンドブームが起きますが「THE BLUE HEARTS」「ユニコーン」「JUN SKY WALKER(S)」「THE BOOM」は「バンド四天王」と称されました。

 

▼その他80年代活躍したアーティスト

X JAPAN/PRINCESS PRINCESS/REBECCA/BUCK-TICK/ZIGGY/佐野元春/聖飢魔II/ユニコーン

 

1990年代

 

1990年代の後半から日本ではロックバンドブームが起きて、ヒットチャートに多くのロックバンドが名を連ねるようになりました。

同時に「ビジュアル系ブーム」や「メロコアブーム」など、邦楽ロックが様々なジャンルに細分化していったのもこの時期です。

 

ビジュアル系ブーム

ビジュアル系バンドとは「ファッションなどの視覚的表現で世界観を表現するバンド」のこと。

ビジュアル系の元祖と言えばX JAPAN(1989年に「X」でデビューし1992年に改名)。1989年にリリースされた「紅」は1989年日本有線大賞の最優秀新人賞受賞曲に選ばれました。髪型やファッションを真似る人が現れ社会現象となるほどのムーブメントを巻き起こしました。

その後、ビジュアル系バンドは数多くデビューし「SHAZNA」「MALICE MIZER」「La’cryma Christi」「FANATIC◇CRISIS」は「ヴィジュアル系四天王」と称されました。

メロコアブーム

「メロコア」はパンクロックという音楽のジャンルの一つ。日本のメロコアブームの火付け役は「Hi-STANDARD」というバンド。1993年にリリースのアルバム「MAKING THE ROAD」は、国内外合わせて100万枚の売上を突破しました。

▼Hi-STANDARDの代表曲『Stay Gold』

 

▼1990年代に活躍したアーティスト

B’z/Mr.Children/シャ乱Q/スピッツ/JUDY AND MARY/THE YELLOW MONKEY/エレファントカシマシ/ウルフルズ/GLAY/L’Arc〜en〜Ciel

 

2000年代以降

 

2000年代は「青春パンク」など時期ごとに流行があり、その影響を受けたバンドが若者を中心に流行を起こしているというのが現在までの主な流れです。

 

青春パンク
パンクロックで「青春」がテーマとなっているような歌のジャンル。175R・ロードオブメジャー・ガガガSP・GOING STEADY・銀杏BOYZなどが登場し、中高生を中心に流行した。

▼2002年にリリースされ90万枚を突破したロードオブメジャーの『大切なもの』

 

 

邦楽ロックとハロウィン

 

邦楽ロックの誕生は「ハロウィン」が日本で流行した過程と似ているように感じます。

 

昔はハロウィンというイベントは日本にはなく、海外の行事でした。ハロウィンは元々は宗教的な意味合いが強い、厳(おごそ)かな行事であったそうです。

そんな中、日本で代表的なアミューズメントパークの一つ東京ディズニーランドを筆頭に各地でハロウィンにまつわるイベントが開催され始めました。

驚くことに日本人はそれをすぐに受けいれました。しかしあくまでもそれは「海外のもの」として当時の日本人は受け入れていました。

それが時が経つにつ入れ、だんだんとハロウィンに関するイベントが開催される地域が拡大していき、近年のSNSブームも相まって、若い世代を中心にハロウィンは拡大していきました。

おかげで今では「ハロウィン」という名の下、各地でコスプレイベントが開催されたり、若者が原宿で騒ぐというものも今じゃ秋の風物詩になりつつあります。

 

『はじめは「海外のもの」という認識で日本にやってきたものが、何かをきっかけに人々に広まり、それがいつのまにか定着し、今では日本風に改良され人々に親しまれている。』

という点は、海外から伝わってきたロックが、邦楽ロックとして日本に広まった過程と似ていると思います。

 

海外から輸入されたものが、日本人に認知され、いつのまにか日本風に改良された文化として親しまれるようになったということは「邦楽ロック」の歴史を理解するポイントです。

ここでは、邦楽ロックの歴史について年代別で紹介したと共に、具体的な例を用いて噛み砕いて説明しました。

歴史を知らなくても、邦楽ロックを楽しむことができます。ただ歴史を知ればより邦楽ロックに対する理解も増し、より楽しいものになるのではないかと思います。

 

 

次のページでは邦楽ロックの国内外からの評価をご紹介します。どのような見方を邦楽ロックがされているかを知る事で、より邦楽ロックというものを知る事ができるでしょう。

『邦楽ロック入門』目次へ  (全12ページ)

 

スポンサーリンク



 

目次著者

一人飲みの楽しみ方初心者入門

著者:遠山彩里

現在はフリーのプランナー兼ライターとして活動。フードコーディネーターの資格を取得のため勉強中。趣味は料理と映画鑑賞、特技は一人飲み。一人でどんなお店にでも入れるため、取材も積極的に行う24歳。お問い合わせはこちらから

 

特技が「一人飲み」という一人飲みが大好きな著者による「一人飲みの楽しみ方初心者入門」! 一人飲みのメリット や 一人飲みでおすすめのお店 までこれを読めば一人飲みにすぐ出かけたくなる事間違い無しです!

まだ一人飲み未体験の方も既に一人飲みの楽しさに気が付いている方も一度目を通しておいて損は無いでしょう!

 

~~そこでここでは“一人飲みしてみたいけどどうしたらいいの?”“どういうお店を選んだらいいの?”と迷える女性、男性に役立つ一人飲み攻略方法を徹底的にご紹介いたします!

これを読み終わる頃には、すぐにでも気になるお店に行ってみたくなること間違いなしです♪~~

はじめに ~こんなにも楽しい一人飲み!~」より

 

はじめに

近年注目される一人飲み。憧れているだけではもったいないと、著者が一人飲みの方法をゼロから解説していきます!誰でも最初は勇気がいるものです!でも踏み出せば変わります!

はじめに ~こんなにも楽しい一人飲み!~

 

第1章 一人飲みのイメージ

一人飲みをしたことが無い方は「一人飲み」に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?どんな事もやってみなければ分かりません。一人飲みの本当の姿を知り、一人飲みをしに街へ繰り出しましょう!

一人飲みとは

 

第2章 一人飲みのメリット

一人飲みをした事が無い方も多くいると思いますが、一人飲みには多くのメリットがあります。一人飲みの一歩を踏み出してみると新たなお酒との付き合い方が見えてきますよ!

一人飲みのメリット5選

 

第3章 一人飲みの方法

一人飲みは最初は勇気がいるものです。ですが事前に一人飲みの流れを知っておけば怖さも多少は和らぐはずです。ここではお店選びから人との接し方までを解説していきます。基本パターンを押さえて、そこから自分なりにアレンジしてみてください!

一人飲みの方法 ~これを知っておけばOK!~

 

第4章 一人飲みにおすすめのお店

一人飲みにおすすめできるお店を全国から厳選して4店舗おすすめしています!お近くのお店を訪れて、1人飲みライフをスタートしてみてはいかがでしょうか!実際に訪れた著者の感想もありますのでどのように一人飲みを楽しむかの参考にしていただければと思います!

一人飲みにおすすめのお店4選 【東京・大阪・博多・北海道】

 

ブラックメタルとノワール文学の関係

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

 

第4章では小説以外で見る事ができるノワール作品について紹介しています。

人間の心の闇を描くための手段は文学だけに留まらず、絵画や彫刻といった美術の分野でも、人間の暗部を題材にした作品が数多く存在しています。それは音楽においても例外ではありません。

第1章で述べた通り(現在のページは第4章)、「ノワール(Noir)」という言葉はフランス語で「黒」を意味します。そして奇遇にも、人間の暗部を描いた音楽の中に、同じくを意味する言葉を冠したジャンルが存在します。

「ブラックメタル」と呼ばれるそれらの音楽はヘヴィメタルのサブジャンル(そのジャンルの下位に位置するジャンル)のひとつで、より過激に先鋭化していくヘヴィメタルの進化の過程の中で、先祖返りをするかのように誕生しました。

 

すこし強引な導入となってしまいましたが、このページでは番外的にノワール文学の音楽版ともいうべきブラックメタルについてご紹介していきます。

“ブラックメタルとノワール文学の関係” の続きを読む

おすすめノワールコミック(まんが)傑作5選

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

 

第4章では小説以外で見る事ができるノワール作品について紹介しています。

このページでは、ノワール文学の影響を色濃く表した「グラフィック・ノヴェル/漫画作品」をご紹介していきます。

 

グラフィック・ノヴェル
グラフィック・ノヴェルとは多くの場合、ストーリーが長く複雑で本の厚みがある形式のアメリカン・コミックを指す。

 

1 ウォッチメン(アラン・ムーア、デイヴ・ギボンズ)

タイトル(原題) ウォッチメン(Watchmen)
著者 アラン・ムーア、デイヴ・ギボンズ(Alan Moore, Dave Gibbons)
発表年 1986年~
著者出身国 イギリス

 

本作「ウォッチメン」は、優れたSF作品に贈られるヒューゴー賞や、アメリカで最も権威ある漫画賞であるアイズナー賞を受賞した、アメリカン・コミックを代表する作品のひとつです。

冷戦下のアメリカを舞台に「ヒーローが実在したらどうなるか」というSFを描いており、ヒーローたちの力でベトナム戦争にアメリカが勝利していたり、ウォーターゲート事件がもみ消されているなど、歴史の改変を大きな主題として扱っています。

 

ウォーターゲート事件
1972年にニクソン大統領の再選を目指したアメリカ共和党の大統領再選委員会が、ワシントンDCにあるウォーターゲートビル内の民主党本部に盗聴器をしかけようとした事件。

 

本作の主人公であるロールシャッハ(中折れ帽にトレンチコートを着こみ、目的のためなら拷問や殺人も厭わないキャラクター)が古典的なハードボイルド小説のパロディともいうべき造形である点や、

冷戦下の不安が通奏低音(つうそうていおん:表面には現れないが継続的に影響を与えているという意味)的に全編を暗く覆っている点など、スーパーヒーローを題材としていながらも、きわめてノワール的な作品であるといえます。

 

▼ロールシャッハ

 

また本作は、フランスを代表するノワール作家のひとり、ジャン=パトリック・マンシェット(Jean-Patrick Manchette)によってフランス語に翻訳されました。

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

2 シン・シティ(フランク・ミラー)

タイトル(原題) シン・シティ(Sin City)
著者 フランク・ミラー(Frank Miller)
発表年 1991年~
著者出身国 アメリカ

 

本作「シン・シティ」は、「ウォッチメン」と並ぶアメリカン・コミックの金字塔「バットマン:ダークナイト・リターンズ(Batman: The Dark Knight Returns)」の作者フランク・ミラーによるノワール・コミックです。

 

▼バットマン:ダークナイト・リターンズ(コミック)

 

ベイスン・シティという腐敗した街を舞台に、己の信念に殉じる男たちの生きざまを描いた群像劇で、豪華なカラーリングが施されることの多いアメリカン・コミックには珍しく、全編のほとんどが白黒の荒々しい筆致で描かれています。

一つ前で紹介した「ウォッチメン」同様、映画化されており、原画の質感を忠実に再現した映像美は、原作ファンの間でも高く評価されています。

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

3 ヒットマン(ガース・エニス、ジョン・マクレア)

タイトル(原題) ヒットマン(Hitman)
著者 ガース・エニス、ジョン・マクレア(Garth Ennis, John McCrea)
発表年 1996年~
著者出身国 イギリス

 

本作「ヒットマン」は、バットマンシリーズで知られる架空の犯罪都市「ゴッサム・シティ」を舞台にしたアメリカン・コミックです。

バットマンやスーパーマン、グリーン・ランタンといったDCコミックス(アメリカの漫画の出版社)のキャラクターが顔を出すなど、先ほど紹介した「シン・シティ」と比較して荒唐無稽なストーリーが多く、アメコミに馴染みの薄い方には少々とっつきにくいかもしれません。

一方で、凄腕の殺し屋やマフィアとの抗争を描いた、血と硝煙(しょうえん)の匂いが立ちこめる純度の高いハードボイルドなエピソードもあり、ノワールファンなら読んで損はない作品です。

本作「ヒットマン」の著者、ガース・エニスからの「ウォッチメン」に対する回答ともいうべき問題作「ザ・ボーイズ(The Boys)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

4 ジョーカー(ブライアン・アザレロ、リー・ベルメホ)

タイトル(原題) ジョーカー(Joker)
著者 ブライアン・アザレロ、リー・ベルメホ(Brian Azzarello, Lee Bermejo)
発表年 2011年(日本語訳初版)
著者出身国 アメリカ

▼ジョーカー

 

本作「ジョーカー」は、バットマンシリーズのヴィラン(「悪役」の総称のようなもの)、ジョーカーに憧れる街のちんぴら「ジョニー・フロスト」の視点から、悪逆の限りを尽くすジョーカーの姿を描いたノワール・コミックです。

ワニ肌の怪物キラー・クロックを黒人ギャングのボスとして描くなど、バットマンファンにはお馴染みのヴィランを現実的に置き換える工夫がなされており、シリーズに馴染みのない方でも充分に楽しめる作品となっています。

 

▼キラー・クロック

 

犯罪者の視点からバットマンを描くことで、彼の異常性を浮き彫りにすることにも成功しており、バットマンファンなら絶対に見逃せない一冊です。

また、本作「ジョーカー」の著者であるブライアン・アザレロは、影響を受けた作家として、ジム・トンプスン(Jim Thompson)とデイヴィッド・グーディス(David Goodis)の名を挙げています。

 

ジム・トンプスンについては第3章で紹介!(現在第4章) ジム・トンプスンについては第3章で紹介!(現在第4章)

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

5 高3限定(梶本レイカ)

タイトル 高3限定(こうさんげんてい)
著者 梶本レイカ(かじもと れいか)
発表年 2012年
著者出身国 日本

 

本作「高3限定」は、とある男子校を舞台に教師と生徒の恋愛を描いたBL作品です――

と言うと拒絶反応を起こされる方も少なくないかもしれませんが、本作で描かれている凄惨な暴力と人間の底知れない心の闇は、名作と評されるノワール作品の数々と比較しても、なんら劣ることはありません。

作者は他にも、現在連載中(2018年時点)のサイコ・サスペンス「悪魔を憐れむ歌」や、

▼悪魔を憐れむ歌

アメリカを舞台に混血の警察官とギャングの愛憎劇を描いた「ミ・ディアブロ」、

▼ミ・ディアブロ

実際に起きた北海道警察の汚職事件をモチーフに刑事とヤクザの転落を描いた「コオリオニ

▼コオリオニ

など、ノワール要素の色濃い漫画作品を発表していますので、併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

次のページでは音楽の一ジャンルである「ブラックメタル」に潜んでいるノワールについて紹介します。

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



スポンサーリンク

 

目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

おすすめフィルム・ノワール傑作5選

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

 

このページから第4章。第4章からは小説以外で見る事ができるノワール作品について紹介していきます。

第1章で述べているように、ノワール文学(ノワール小説)を原作に犯罪映画である「フィルム・ノワール」が作られているなど、フィルム・ノワールとノワール文学は切っても離せない関係にあります。

それは現代においても変わりなく、およそ70年もの長きにわたりノワール文学を原作に数えきれないほどのフィルム・ノワールが製作されてきました。

 

フィルム・ノワール

フィルム・ノワールは犯罪映画の一群を指す用語第1章で紹介したダシール・ハメットの同名小説を原作とした映画「マルタの鷹(The Maltese Falcon)」などがその先駆けとされる。

 

このページでは、ノワール文学(小説)を原作とするフィルム・ノワールの傑作を、例によって著者の独断と偏見で選出し、みなさんにご紹介していきます。

 

1 「現金に体を張れ」スタンリー・キューブリック監督(1956年)

【原作:逃走と死と / ライオネル・ホワイト(Clean Break / Lionel White)】

▼原作「逃走と死と」

 

本作「現金に体を張れ」は、当時のアメリカを代表する犯罪小説家ライオネル・ホワイトの小説「逃走と死と」を、ジム・トンプスンが脚本化したフィルム・ノワールです。

 

ジム・トンプスン

1906-1977。暗黒小説の巨匠として高い評価を得る。他にスタンリー・キューブリック監督の『突撃』の脚本も手がけている。

 

現金強奪計画の顛末(てんまつ)を時系列を入れ替えて明かしていくその手法は、当時の映画としては斬新なものでした。ホワイト、トンプスン、キューブリックという類い稀なる三つの才能が生みだした、映画史に残る名作です。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

2 「」ジャック・ベッケル監督(1960年)

【原作:穴 / ジョゼ・ジョヴァンニ(Le Trou / Jose Giavanni)】

 

本作「穴」は、著者の実体験を下敷きにした脱獄映画。

著者が獄中で書いた処女小説を原作としています。無駄のない筋書きを無駄のない演出で魅せる本作の緊迫感には凄まじいものがあり、脱獄を題材としたすべての映画の最高峰に君臨する不朽の名作です。

また、主要人物のひとりに実際の脱獄犯を起用することで、作品に圧倒的なリアリティと緊張感をもたらすことに成功しています。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

3 「組織」ジョン・フリン監督(1973年)

【原作:犯罪組織 / リチャード・スターク(The Outfit / Richard Stark)】

▼原作:犯罪組織

▼原作著者:リチャード・スターク

by I, Dinkley CC 表示-継承 3.0

 

本作「組織」は、兄を殺された男がかつての相棒とともに犯罪組織に復讐する様を描いたフィルム・ノワールで、<悪党パーカー>シリーズの三作目を原作としています。

 

『悪党パーカー』シリーズについて

『悪党パーカー』シリーズはリチャード・スターク(本名:ドナルド・E・ウェストレイク)の代表作。現在シリーズの中から20作品が翻訳されて刊行されている。

 

また、著者自身が脚本を務めているため、「殺しの分け前/ポイントブランク」「汚れた七人」「スレイグラウンド」「ペイバック」「PARKER/パーカー」といった同シリーズの小説を原作とする映画と比較して、原作小説の雰囲気をもっとも忠実に再現している作品であるといえます。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

4 「L.A.大捜査線/狼たちの街」ウィリアム・フリードキン監督(1985年)

【原作:LA捜査線 / ジェラルド・ペティヴィッチ(To Live and Die in L.A. / Gerald Petievich)】

▼原作:LA捜査線

 

本作「L.A.大捜査線」は、手段を選ばない非合法な捜査で偽札作りの犯人を追い詰めていく財務省特別調査員の姿を描いたアクション映画です。

厳密にいうとフィルム・ノワールではないのですが、原作が素晴らしいノワール小説であるということで、こちらにご紹介させていただきます。

映画化をするにあたり著者と監督が共同で脚本を大きくアレンジしましたが、原作小説と映画版どちらも甲乙つけがたい素晴らしい出来となっていますので、原作も併せて読んでいただくことを強くおすすめします。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

5 「大菩薩峠」岡本喜八監督(1966年)

【原作:大菩薩峠 / 中里介山】

▼原作:大菩薩峠

 

本作「大菩薩峠」は、1913年から1941年にわたって連載された未完の大作「大菩薩峠」を原作とした時代劇映画です。

大衆小説の先駆と評される原作小説は、決してノワール文学に分類されるものではありませんが、剣の強さのみを求める主人公「机竜之介」のアンチ・ヒーロー的な造形は、後のノワール作品に通ずるものがあります。

 

大衆小説とは

「芸術性」よりもストーリーなどの「娯楽性」を重視した小説の総称。

 

また、仲代達也演じる机竜之介の狂気が全編にわたって溢れる本作は頽廃的(たいはいてき:気風などがくずれて不健全である様)な空気を色濃く纏っており、フィルム・ノワールの名作と呼ぶに相応しい作品です。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

以上、著者がおすすめするフィルム・ノワール5選でした。次のページではノワール要素を見ることができるコミックについて紹介していきます。

 



スポンサーリンク

 

目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

ノワール小説おすすめ傑作20選 【一般市民編】

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

このページでは、法の番人でもアウトローでも探偵でもない、平凡に生きる一般市民を主人公に据えたノワール作品をご紹介しています。

 

11 転落の道標(ケント・ハリントン)

タイトル(原題) 転落の道標(Dark Ride)
著者 ケント・ハリントン(Kent Harrington)
発表年 2001年
著者出身国 アメリカ

※発表年は以下、基本日本語訳初版

 

アメリカの人気ミステリ作家マイクル・コナリー(Michael Connelly)が本作「転落の道標」を「ジム・トンプスンをクエンティン・タランティーノ的に解釈した作品」と評したことからもわかるように、本書はトンプスンの系譜に連なるきわめて優れたノワール作品です。

 

ジム・トンプスン

1906-1977。暗黒小説の巨匠として高い評価を得る。スタンリー・キューブリック監督の『突撃』の脚本も手がけている。

クエンティン・タランティーノ

監督二作目『パルプ・フィクション』でパルム・ドール(最優秀作品賞)米アカデミー賞脚本賞も受賞。「暴力シーンの多用」「意味のない会話が長々と続く」「自身の好きな作品へのオマージュ」などが作品・演出の特徴。

by Gage Skidmore CC 表示-継承 3.0

 

本作の翌年に発表された著者の第二長編「死者の日(Dia de los Muertos)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 カリフォルニアの地方都市で、市長として長年権勢を誇った父親を持つジミーは、自らも大学時代はスポーツの花形選手であり、輝かしい将来を確実視されていた。

しかし父親亡きあと、今は保険代理店のしがない外交員として冴えない日々を過ごしている。

ジミーの鬱積のはけ口は、代理店経営者の妻イヴとの、覚醒剤を伴ったSMセックスだった。

やがてイヴに殺人をそそのかされたジミーは、後戻りできない暗黒の道を突き進んでいく。

人間の持つ悪の部分を容赦なく突き詰めて描いたノワール小説の傑作。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

12 キスしたいのはおまえだけ(マキシム・ジャクボヴスキー)

タイトル(原題) キスしたいのはおまえだけ(It’s You that I Want to Kiss)
著者 マキシム・ジャクボヴスキー(Maxim Jakubowski)
発表年 2002年
著者出身国 アメリカ

 

本作「キスしたいのはおまえだけ」は、ミステリ評論家・アンソロジスト(詩人)・映画評論家としても知られる著者の、邦訳されている唯一の長編小説です(2018年時点)。

仄暗い(ほろぐらい)エロティシズムが全編をとおして色濃く漂っており、「エロティック・ノワール」と呼ぶに相応しいただれた雰囲気を醸しています。

また、英国在住の作家13人がロンドンを舞台に書き下ろした犯罪小説を収めたアンソロジー(詩撰)「ロンドン・ノワール(London Noir)」に、著者の短編作品「チャリング・クロス街71-73(71-73 Charing Cross Road)」が収録されていますので、そちらも併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼ロンドン・ノワール

 

以下、「Book」データベースより引用。

 辛い過去を背負ったジェイク、売春婦に身をやつしたアン。二人が巡り会ったのは悪魔の所業なのか?

組織のブツを横領したアンのせいで、ジェイクは逃走劇の道連れに。

“組織”の執拗な追跡、不貞を繰り返すアンに対する嫉妬、そして絶望。苦しい現実から逃れるように互いを貪りあう二人は知っていた、破滅が彼らを待ち受けていることを…。

アメリカを全力疾走する恋人たちの姿をダイナミックに描いた愛と絶望の物語。

“エロティック・スリラーの帝王”による待望の長編、ついに刊行。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

13 上司と娼婦を殺したぼくの場合(ジェイソン・スター)

タイトル(原題) 上司と娼婦を殺したぼくの場合(Cold Caller)
著者 ジェイソン・スター(Jason Starr)
発表年 1999年
著者出身国 アメリカ

 

本作「上司と娼婦を殺したぼくの場合」は、ニューヨークで働くごく普通の会社員を主人公に据えたノワール作品です。

著者の実体験が少なからず反映されているようで、都会に生きる社会人の悲哀を自虐気味に描いています。

当Webon第2章の「アメリカのノワール文学と代表的作家」のページ(現在第3章)でもご紹介しましたアメリカの犯罪小説家エドワード・バンカー(Edward Bunker)も、本書を

「タフでクールでエレガント……会社社会を舞台にした必読の犯罪小説!」

と絶賛しています。

▼エドワード・バンカー

 

2002年の文庫化にあたり「あんな上司は死ねばいい」と改題されました。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 ニューヨークの広告代理店の副部長職を追われ、アルバイトの電話営業をはじめて2年、ビル・モスの会社人生はすこしずつくるいはじめていた。

「ちょっと!すみませんけど」―たいていの日だったらなにも言わなかっただろうが、その朝の彼は違った。

出勤時の地下鉄で車両の奥に移動しようとした時にかけたちょっとした言葉と身振りを痴漢に間違われ、ついには同乗していた男に強烈な拳を見舞われることに。

そんな誰にでも起こりうる出来事が、彼の人生を破綻へと導いていく。

懲りないビジネスマンのリストラ・ミステリー。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

14 斧(ドナルド・E・ウェストレイク)

タイトル(原題) 斧(The Ax)
著者 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Edwin Westlake)
発表年 1997年
著者出身国 アメリカ

 

本作「斧」は、会社を解雇された男が再就職のために悪事に手を染めていく様を描いた犯罪小説で、ウェストレイクらしい一筋縄ではいかない筆致(ひっち:文章などの書きぶり)で読者に恐怖と黒い笑いを催させます。

 

ドナルド・E・ウェストレイク

ミステリ界の巨匠。生き生きとした文体とセリフが特徴。ペンネームはリチャード・スターク他、複数。

by I, Dinkley CC 表示-継承 3.0

 

パルプ・マガジン系のノワールが好きな方には手放しでおすすめできる傑作です。

 

パルプ・マガジン

1900~1950年頃にアメリカで広く流通していた大衆娯楽雑誌の総称。粗悪なパルプ紙を使用していたことからそう呼ばれた。
ハードボイルドだけでなくホラーやSFなど、さまざまなジャンル小説の発展を大きく促した。代表的なものに、ウィアード・テイルズ、アメイジング・ストーリーズ、ダイム・ディテクティヴなどがある

 

以下、「Book」データベースより引用。

 わたしは今、人を殺そうとしている。再就職のライバルとなる元同業者6人を皆殺しにする。

この苦境を脱する手は他にないのだ―

リストラで失職したビジネスマンが打った乾坤一擲の大博打は、やがて彼の中の“殺人者”を目覚めさせてゆく。ハイスミスやトンプスンに比肩する戦慄のノワール。

ミステリの名匠の新たなる代表作。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

15 殺人の代償(ハリイ・ホイッティントン)

タイトル(原題) 殺人の代償(Web of Murder)
著者 ハリイ・ホイッティントン(Harry Whittington)
発表年 2003年
著者出身国 アメリカ

 

ハリイ・ホイッティントンは猛烈な多作ぶりで知られ、12もの名義を使い分けながら200以上の作品を遺しました。

1958年に出版された本作「殺人の代償」は、当時の犯罪小説の魅力を凝縮したような優れたノワール作品です。

※2003年は日本語訳初版

ペーパーバック(ソフトカバー)の発展に大きく寄与したとして、アメリカのみならずフランスでも高い人気を誇っている著者ですが、日本語に翻訳されている作品は本書ただ一冊(2018年時点)であり、他作品の翻訳が待たれます。

 

以下、「Book」データベースより引用。

妻の資産のおかげで、弁護士として地位を築いたチャーリーだが、冷淡な妻が次第に重荷になっていた。

しかし、秘書ローラとはげしい恋に落ち、人生の軌道は狂いだす。

妻との別れ話はもつれ、ついにチャーリーは殺人を決意。緻密で巧妙な計画を進める彼を、驚くべき事態が襲う!

その瞬間、みずから作りあげた殺人計画が、自分を縛る罠と化した―

ひりひりするスリルと、予想外の結末へ一気に突き進むサスペンス。

「ペイパーバックの王者」と称される著者の傑作犯罪小説登場。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

次のページではおすすめノワール小説「探偵編」をご紹介。

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



スポンサーリンク

 

目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

ノワール小説おすすめ傑作20選 【探偵編】

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

このページでは、ハードボイルド小説の代名詞ともいうべき探偵稼業に従事する人物を主人公に据えたノワール作品をご紹介しています。

 

16 チェシャ・ムーン(ロバート・フェリーニョ)

タイトル(原題) チェシャ・ムーン(Cheshire Moon)
著者 ロバート・フェリーニョ(Robert Ferrigno)
発表年 1993年
著者出身国 アメリカ

※以下同様、基本的に発表年は日本語訳初版

 

本作「チェシャ・ムーン」は、1990年代のLA(ロサンゼルス)を舞台に、ピューリッツァー賞候補にも選ばれた元新聞記者クィンと日系の女性カメラマン「ジェン・タカムラ」が友人を殺した犯人を追う姿を描いたハードボイルド小説です。

エルモア・レナード(Elmore John Leonard Jr.)を思わせる魅力的な人物造形と軽妙な会話劇が、本書をハードボイルドとして非凡な作品へと押し上げています。

 

エルモア・レナードアメリカを代表する犯罪作家。男臭さを感じられる表現や饒舌な語り口は多くの読者に愛されていると言われる。

▼エルモア・レナード

by Peabody Awards – FlickrPeabodys_CM_0382 CC BY 2.0

 

シリーズ続編「ダンスは死の招き(Dead Man’s Dance)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼ダンスは死の招き

 

以下、「Book」データベースより引用。

 『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ全米各紙誌絶讃の、鬼才の問題作。不吉な猫の口の形の月の下で奇怪な事件が続く。

探訪記者クィンとワサビ色の眼をした女性カメラマン=ジェン・タカムラの友人アンディーの死体が空港脇の車の中で発見され、往年ハリウッド・スターの身辺に“謎”が。

傑作ハードボイルド。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

17 快楽通りの悪魔(デイヴィッド・フルマー)

タイトル(原題) 快楽通りの悪魔(Chasing the Devil’s Tail)
著者 デイヴィッド・フルマー(David Fulmer)
発表年 2004年
著者出身国 アメリカ

 

本作「快楽通りの悪魔」は、20世紀初頭ニューオーリンズの赤線地帯「ストーリーヴィル」を舞台に、白い肌の下に黒人の血が流れる警官あがりの私立探偵「ヴァレンティン・サンシール」が連続殺人事件の犯人を追う様を描いた作品です。

 

赤線地帯

売春が公認された地区。ストーリーヴィルは1897年から1917から米国のニューオーリンズに設置されていた。

 

実在のジャズ・ミュージシャンが登場するなど音楽に関する描写も多く、ミステリファンのみならず音楽ファンにもおすすめの一冊です。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 人種差別さめやらぬ1907年のニューオーリンズ。

外見は白人ながら黒人の血を引く異端の私立探偵ヴァレンティンは、娼婦ばかりを狙った猟奇殺人事件に巻き込まれる。

現場には黒い薔薇が遺され、被害者全員が死の直前に彼の親友のコルネット奏者バディと会っていた…。

複雑に絡み合うプロットと渇いたノスタルジーで、アメリカ私立探偵作家クラブ賞に輝いた、歴史ノワールの逸品。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

18 悪徳の街(フランク・レナード)

タイトル(原題) 悪徳の街(Box100)
著者 フランク・レナード(Frank Leonard)
発表年
著者出身国

 

本作「悪徳の街」は、セミプロ野球選手やスポーツ記者など、数えきれないほどの職を転々とした末に探偵稼業に流れ着いた「ロス・フランクリン」という主人公が、卑しき街に巣くう巨悪を追う様を描いた社会派のハードボイルド小説です。

 

ハードボイルド小説について詳しくは第1章で!(現在第3章)

 

長らくニューヨーク市でソーシャルワーカーを務めた著者ならではの視点で、1970年代のニューヨークの福祉制度の歪みに鋭く迫っています。

 

以下、カバー袖より引用。

 ロス・フランクリンの27番目の職業は探偵稼業だった。ニューヨーク市調査局ボックス100課の特別調査員である。

ボックス100課は、市政に関する市民の苦情受けつけ窓口である。

大半は「隣室の女のひとり言がうるさい」とか、「アパートにゴキブリがいっぱいいるから何とかしてほしい」といった類のものである。

だが中には、「生活保護を受けている隣りの女が、扶助料切手をなくしたとごまかし、再交付を受けている」といった犯罪の匂いのするものもある。

ロス・フランクリンの初仕事が、この小切手詐欺事件の調査だった。調査に取り掛かった彼は、やがて貧困の街に巣くう非情な悪の正体を知る――。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

19 マザーレス・ブルックリン(ジョナサン・レセム)

タイトル(原題) マザーレス・ブルックリン(Motherless Brooklyn)
著者 ジョナサン・レセム(Jonathan Lethem)
発表年 2000年
著者出身国 アメリカ

 

本作「マザーレス・ブルックリン」は、トゥーレット症候群(チック症)を患う若き探偵ライオネル・エスログが、探偵事務所のボスを殺した犯人に復讐するべく、仲間たちとともに犯人を追跡する様を描いた作品。

言葉遊びに満ちた異様ともいえる文体が、本書を唯一無二の個性的な作品へと昇華させています。

 

邦訳版が出版された2000年時点で既にエドワード・ノートン製作/主演による映画化が決定していましたが、長い製作期間を経て2019年に公開を予定しています(2018年時点)。

 

以下、Googleブックスより引用

 フランク・ミナは、ぼくらの兄貴で、父で、恩人で、ボスだった。孤児院暮らしのぼくらを雇い、稼がせ、成長させ、大人にしてくれた。

そんなミナが、ゴミ箱のなかで血にまみれ…

無免許探偵のぼくらは、殺されたミナのため、奥さんのため、仕事のため、ぼくらのため、町へ出る!

言葉の魔術師の異名を取る著者が魅力を全開させた、超個性脈ハードボイルド。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

20 殺しの匂う街( マーク・サヴェージ)

タイトル(原題) 殺しの匂う街(Scratch)
著者 マーク・サヴェージ(Marc Savage)
発表年 2000年
著者出身国 アメリカ

 

本作「殺しの匂う街」は、ニューヨークはクイーンズで探偵稼業を営む私立探偵レイ・ソマーの生きざまを描いたハードボイルド小説です。

1990年代に書かれたとは思えない古典的で筋金入りのハードボイルドを味わうことができます。

また、本作に登場するマフィアのドン「ジョー・スコセージ」を主人公に据えたスピンオフ作品も発表されていますが、残念ながら未だ邦訳は予定されていません(2018年時点)。

 

以下、「Book」データベースより引用。

駐車場で車を修理していた男は、いきなり立ちあがると、ショットガンをかまえた。そして、私立探偵レイ・ソマーの目のまえで、親友の息子サリーに銃弾を浴びせかけた。

無残な最期をとげたサリーは、大学を卒業したばかりで、父親のあとを継いで弁護士になろうとしていた。そんな前途有望な若者が、なぜ殺されなければならないのか?

怒りに燃えたソマーは、自分で犯人をつかまえようと独自の調査にのりだした。

サリーの車で発見されたコカインは、何を意味しているのか?殺される直前にサリーがもちこんできた娘の失踪事件は、今回の殺人事件と関係があるのか?そして、娘の行方は?

娘の姿を捜査し求めて街にくりだしたソマーは、路地裏で何者かに襲われ、意識をうしなった。

そして、気がついてみると、そばには死体が…。

退廃と暴力の街ニューヨークで生まれ育った男が、死と隣りあわせの調査に執念を燃やす本格ハードボイルド。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

以上、おすすめノワール小説でした!次のページから第4章です。第4章では映画など他メディアに潜んでいるノワール要素をご紹介。ノワール小説が好きな方や興味がある方はきっと面白いでしょう!

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



スポンサーリンク

 

目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)