【邦楽ロックの歴史】を簡単にわかりやすく解説

Webon紹介目次著者
邦楽ロックが大好きな筆者が邦楽ロックの基礎知識やおすすめのバンドなどを解説!

邦楽ロック入門 ~近年注目のおすすめバンドを聴こう~はこちらから!

著者:寺井まさき

めまぐるしい人生を駆け抜けられたのは「邦楽ロック」に救われてから。その魅力を一人でも多くの人に伝えたい。あなたなりの感じ方で邦楽ロックを楽しみ、好きになってもらえたら嬉しいです!お問い合わせはこちらから

『邦楽ロック入門』目次へ  (全12ページ)

 

スポンサーリンク



 

この章(第1章)では4ページにわたって「邦楽ロックの基礎知識」についてお伝えしております。

このページでは邦楽ロックの歴史についてわかりやすくお伝えします。 時系列に沿って、要点をまとめてお伝えいたします。

 

邦楽ロックの歴史 

1970年代

 

世界的に有名なロックバンド「ビートルズ」は、1960年代から70年代初頭にかけて日本でも爆発的に人気が出ました。

 

ビートルズ(The Beatles)
1957年から活動し1960年代から70年代に世界的に活躍したイギリスの4人組ロックバンド。代表曲に「Let It Be」など多数。

▼ビートルズ

 

その人気と相まって日本でも「ロック(Rock)」という概念が市民権を得るようになりました。

 

しかし、この頃の日本は演歌や歌謡曲が音楽の中心で「ロックといえば、ビートルズを代表する海外のもの」と認識されていました。

 

【編集部コラム】1970年代初頭に日本のロック界に影響を及ぼした「はっぴぃえんど」
1969年~1972年に活動した「はっぴぃえんど」というバンドは「日本語ロックの原点」と表現されることがあります。

ロックが海外のものと思われていた日本で、最初に日本語でロックを歌い始めたのが「はっぴぃえんど」だと言われています。

「はっぴぃえんど」はこの頃に活躍した「ティン・パン・アレー」と共に日本の音楽界に大きな影響を与えました。80年代にはこの系譜のアーティストが多数活躍しました。

▼はぴぃえんどの代表曲「風をあつめて」

▼ティン・パン・アレーの曲

ちなみに最近のアーティストでは「never young beach」が、はっぴぃえんどから影響を受けたとして話題となっています。

 

【編集部コラム】1970年代初期~中期「キャロル」の登場

1972年~1975年に活動した「キャロル」は現在のロックシーンに大きな影響を及ぼし、「伝説のバンド」と称されています。矢沢永吉、ジョニー大倉を擁する同バンドは「英語まじりの日本語の歌詞によるロック」によって大きなインパクトを与えて支持を獲得しました。1973年に発売された『ファンキー・モンキー・ベイビー』は当時のロックバンドとしては異例のヒットである30万枚を売り上げ、日本のロックの地位を確立しました。

 

1980年代

 

1980年代になると海外のロックバンドの影響を受け、日本でも様々なロックバンドが登場します。それらのバンドの特徴は

「海外バンドの単なる模倣ではなく、日本国内で変わらず愛されるサウンド(歌謡曲など)を取り入れている」

 というところにありました。

「海外のもの」としての認識されていた「ロック」が、日本独自の文化と融合しながら「日本のもの」として認識されるようになっていきました。1980年代は邦楽ロックにとって重要な時期であったといえます。

 

1980年代に活躍した邦楽ロックバンド

・RCサクセション

「RCサクセション」は1980年1月に発売した「雨上がりの夜空に」の発売記念コンサートで、渋谷のライブハウス「屋根裏」の観客動員数記録を塗り替えて話題になり、ブレイクに至りました。

同バンドは「King of Rock」と称され、現在の日本のライブパフォーマンスのスタイルの確立に大きな影響を与えました。音楽のみならず個性的なファッションも若者に影響を与え、ボーカルの忌野がステージで言う「愛し合っているかい?」という言葉は流行語になりました。1980年代を席巻したバンドです。

・BOØWY(ボーイ)

 

1981年結成(1989年解散)。代表曲に「Marionette (マリオネット)」「B・BLUE(ビー・ブルー)」など。

スタイリッシュなファッションや逆立てたヘアースタイルなど個性的なビジュアルが支持を獲得しました。社会現象となる程の人気で、『BOØWY以前』『BOØWY以後』で日本のロックを分けて語られるほどのインパクトを残しました。

スポンサーリンク

同バンドのボーカルの氷室京介の「音楽を辞めようと思った時にRCサクセションのライブを観て辞めるのを踏みとどまった」という有名な逸話があります。

 

・THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)

1985年結成のバンド。代表曲に「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」など。パンクロック(1970年代半ばにアメリカで誕生した過激で攻撃的なロック)に乗せてストレートなメッセージ性のある歌詞を歌い、若者の絶大な支持を獲得しました。

1990年代の終盤から、1990年代の前半にかけてバンドブームが起きますが「THE BLUE HEARTS」「ユニコーン」「JUN SKY WALKER(S)」「THE BOOM」は「バンド四天王」と称されました。

 

▼その他80年代活躍したアーティスト

X JAPAN/PRINCESS PRINCESS/REBECCA/BUCK-TICK/ZIGGY/佐野元春/聖飢魔II/ユニコーン

 

1990年代

 

1990年代の後半から日本ではロックバンドブームが起きて、ヒットチャートに多くのロックバンドが名を連ねるようになりました。

同時に「ビジュアル系ブーム」や「メロコアブーム」など、邦楽ロックが様々なジャンルに細分化していったのもこの時期です。

 

ビジュアル系ブーム

ビジュアル系バンドとは「ファッションなどの視覚的表現で世界観を表現するバンド」のこと。

ビジュアル系の元祖と言えばX JAPAN(1989年に「X」でデビューし1992年に改名)。1989年にリリースされた「紅」は1989年日本有線大賞の最優秀新人賞受賞曲に選ばれました。髪型やファッションを真似る人が現れ社会現象となるほどのムーブメントを巻き起こしました。

その後、ビジュアル系バンドは数多くデビューし「SHAZNA」「MALICE MIZER」「La’cryma Christi」「FANATIC◇CRISIS」は「ヴィジュアル系四天王」と称されました。

メロコアブーム

「メロコア」はパンクロックという音楽のジャンルの一つ。日本のメロコアブームの火付け役は「Hi-STANDARD」というバンド。1993年にリリースのアルバム「MAKING THE ROAD」は、国内外合わせて100万枚の売上を突破しました。

▼Hi-STANDARDの代表曲『Stay Gold』

 

▼1990年代に活躍したアーティスト

B’z/Mr.Children/シャ乱Q/スピッツ/JUDY AND MARY/THE YELLOW MONKEY/エレファントカシマシ/ウルフルズ/GLAY/L’Arc〜en〜Ciel

 

2000年代以降

 

2000年代は「青春パンク」など時期ごとに流行があり、その影響を受けたバンドが若者を中心に流行を起こしているというのが現在までの主な流れです。

 

青春パンク
パンクロックで「青春」がテーマとなっているような歌のジャンル。175R・ロードオブメジャー・ガガガSP・GOING STEADY・銀杏BOYZなどが登場し、中高生を中心に流行した。

▼2002年にリリースされ90万枚を突破したロードオブメジャーの『大切なもの』

 

 

邦楽ロックとハロウィン

 

邦楽ロックの誕生は「ハロウィン」が日本で流行した過程と似ているように感じます。

 

昔はハロウィンというイベントは日本にはなく、海外の行事でした。ハロウィンは元々は宗教的な意味合いが強い、厳(おごそ)かな行事であったそうです。

そんな中、日本で代表的なアミューズメントパークの一つ東京ディズニーランドを筆頭に各地でハロウィンにまつわるイベントが開催され始めました。

驚くことに日本人はそれをすぐに受けいれました。しかしあくまでもそれは「海外のもの」として当時の日本人は受け入れていました。

それが時が経つにつ入れ、だんだんとハロウィンに関するイベントが開催される地域が拡大していき、近年のSNSブームも相まって、若い世代を中心にハロウィンは拡大していきました。

おかげで今では「ハロウィン」という名の下、各地でコスプレイベントが開催されたり、若者が原宿で騒ぐというものも今じゃ秋の風物詩になりつつあります。

 

『はじめは「海外のもの」という認識で日本にやってきたものが、何かをきっかけに人々に広まり、それがいつのまにか定着し、今では日本風に改良され人々に親しまれている。』

という点は、海外から伝わってきたロックが、邦楽ロックとして日本に広まった過程と似ていると思います。

 

海外から輸入されたものが、日本人に認知され、いつのまにか日本風に改良された文化として親しまれるようになったということは「邦楽ロック」の歴史を理解するポイントです。

ここでは、邦楽ロックの歴史について年代別で紹介したと共に、具体的な例を用いて噛み砕いて説明しました。

歴史を知らなくても、邦楽ロックを楽しむことができます。ただ歴史を知ればより邦楽ロックに対する理解も増し、より楽しいものになるのではないかと思います。

 

 

次のページでは邦楽ロックの国内外からの評価をご紹介します。どのような見方を邦楽ロックがされているかを知る事で、より邦楽ロックというものを知る事ができるでしょう。

『邦楽ロック入門』目次へ  (全12ページ)

 

スポンサーリンク



 

目次著者