ノワール小説おすすめ傑作20選 【探偵編】

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ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

このページでは、ハードボイルド小説の代名詞ともいうべき探偵稼業に従事する人物を主人公に据えたノワール作品をご紹介しています。

 

16 チェシャ・ムーン(ロバート・フェリーニョ)

タイトル(原題) チェシャ・ムーン(Cheshire Moon)
著者 ロバート・フェリーニョ(Robert Ferrigno)
発表年 1993年
著者出身国 アメリカ

※以下同様、基本的に発表年は日本語訳初版

 

本作「チェシャ・ムーン」は、1990年代のLA(ロサンゼルス)を舞台に、ピューリッツァー賞候補にも選ばれた元新聞記者クィンと日系の女性カメラマン「ジェン・タカムラ」が友人を殺した犯人を追う姿を描いたハードボイルド小説です。

エルモア・レナード(Elmore John Leonard Jr.)を思わせる魅力的な人物造形と軽妙な会話劇が、本書をハードボイルドとして非凡な作品へと押し上げています。

 

エルモア・レナードアメリカを代表する犯罪作家。男臭さを感じられる表現や饒舌な語り口は多くの読者に愛されていると言われる。

▼エルモア・レナード

by Peabody Awards – FlickrPeabodys_CM_0382 CC BY 2.0

 

シリーズ続編「ダンスは死の招き(Dead Man’s Dance)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼ダンスは死の招き

 

以下、「Book」データベースより引用。

 『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ全米各紙誌絶讃の、鬼才の問題作。不吉な猫の口の形の月の下で奇怪な事件が続く。

探訪記者クィンとワサビ色の眼をした女性カメラマン=ジェン・タカムラの友人アンディーの死体が空港脇の車の中で発見され、往年ハリウッド・スターの身辺に“謎”が。

傑作ハードボイルド。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

17 快楽通りの悪魔(デイヴィッド・フルマー)

タイトル(原題) 快楽通りの悪魔(Chasing the Devil’s Tail)
著者 デイヴィッド・フルマー(David Fulmer)
発表年 2004年
著者出身国 アメリカ

 

本作「快楽通りの悪魔」は、20世紀初頭ニューオーリンズの赤線地帯「ストーリーヴィル」を舞台に、白い肌の下に黒人の血が流れる警官あがりの私立探偵「ヴァレンティン・サンシール」が連続殺人事件の犯人を追う様を描いた作品です。

 

赤線地帯

売春が公認された地区。ストーリーヴィルは1897年から1917から米国のニューオーリンズに設置されていた。

 

実在のジャズ・ミュージシャンが登場するなど音楽に関する描写も多く、ミステリファンのみならず音楽ファンにもおすすめの一冊です。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 人種差別さめやらぬ1907年のニューオーリンズ。

外見は白人ながら黒人の血を引く異端の私立探偵ヴァレンティンは、娼婦ばかりを狙った猟奇殺人事件に巻き込まれる。

現場には黒い薔薇が遺され、被害者全員が死の直前に彼の親友のコルネット奏者バディと会っていた…。

複雑に絡み合うプロットと渇いたノスタルジーで、アメリカ私立探偵作家クラブ賞に輝いた、歴史ノワールの逸品。

 

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18 悪徳の街(フランク・レナード)

タイトル(原題) 悪徳の街(Box100)
著者 フランク・レナード(Frank Leonard)
発表年
著者出身国

 

本作「悪徳の街」は、セミプロ野球選手やスポーツ記者など、数えきれないほどの職を転々とした末に探偵稼業に流れ着いた「ロス・フランクリン」という主人公が、卑しき街に巣くう巨悪を追う様を描いた社会派のハードボイルド小説です。

 

ハードボイルド小説について詳しくは第1章で!(現在第3章)

 

長らくニューヨーク市でソーシャルワーカーを務めた著者ならではの視点で、1970年代のニューヨークの福祉制度の歪みに鋭く迫っています。

 

以下、カバー袖より引用。

 ロス・フランクリンの27番目の職業は探偵稼業だった。ニューヨーク市調査局ボックス100課の特別調査員である。

ボックス100課は、市政に関する市民の苦情受けつけ窓口である。

大半は「隣室の女のひとり言がうるさい」とか、「アパートにゴキブリがいっぱいいるから何とかしてほしい」といった類のものである。

だが中には、「生活保護を受けている隣りの女が、扶助料切手をなくしたとごまかし、再交付を受けている」といった犯罪の匂いのするものもある。

ロス・フランクリンの初仕事が、この小切手詐欺事件の調査だった。調査に取り掛かった彼は、やがて貧困の街に巣くう非情な悪の正体を知る――。

 

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19 マザーレス・ブルックリン(ジョナサン・レセム)

タイトル(原題) マザーレス・ブルックリン(Motherless Brooklyn)
著者 ジョナサン・レセム(Jonathan Lethem)
発表年 2000年
著者出身国 アメリカ

 

本作「マザーレス・ブルックリン」は、トゥーレット症候群(チック症)を患う若き探偵ライオネル・エスログが、探偵事務所のボスを殺した犯人に復讐するべく、仲間たちとともに犯人を追跡する様を描いた作品。

言葉遊びに満ちた異様ともいえる文体が、本書を唯一無二の個性的な作品へと昇華させています。

 

邦訳版が出版された2000年時点で既にエドワード・ノートン製作/主演による映画化が決定していましたが、長い製作期間を経て2019年に公開を予定しています(2018年時点)。

 

以下、Googleブックスより引用

 フランク・ミナは、ぼくらの兄貴で、父で、恩人で、ボスだった。孤児院暮らしのぼくらを雇い、稼がせ、成長させ、大人にしてくれた。

そんなミナが、ゴミ箱のなかで血にまみれ…

無免許探偵のぼくらは、殺されたミナのため、奥さんのため、仕事のため、ぼくらのため、町へ出る!

言葉の魔術師の異名を取る著者が魅力を全開させた、超個性脈ハードボイルド。

 

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20 殺しの匂う街( マーク・サヴェージ)

タイトル(原題) 殺しの匂う街(Scratch)
著者 マーク・サヴェージ(Marc Savage)
発表年 2000年
著者出身国 アメリカ

 

本作「殺しの匂う街」は、ニューヨークはクイーンズで探偵稼業を営む私立探偵レイ・ソマーの生きざまを描いたハードボイルド小説です。

1990年代に書かれたとは思えない古典的で筋金入りのハードボイルドを味わうことができます。

また、本作に登場するマフィアのドン「ジョー・スコセージ」を主人公に据えたスピンオフ作品も発表されていますが、残念ながら未だ邦訳は予定されていません(2018年時点)。

 

以下、「Book」データベースより引用。

駐車場で車を修理していた男は、いきなり立ちあがると、ショットガンをかまえた。そして、私立探偵レイ・ソマーの目のまえで、親友の息子サリーに銃弾を浴びせかけた。

無残な最期をとげたサリーは、大学を卒業したばかりで、父親のあとを継いで弁護士になろうとしていた。そんな前途有望な若者が、なぜ殺されなければならないのか?

怒りに燃えたソマーは、自分で犯人をつかまえようと独自の調査にのりだした。

サリーの車で発見されたコカインは、何を意味しているのか?殺される直前にサリーがもちこんできた娘の失踪事件は、今回の殺人事件と関係があるのか?そして、娘の行方は?

娘の姿を捜査し求めて街にくりだしたソマーは、路地裏で何者かに襲われ、意識をうしなった。

そして、気がついてみると、そばには死体が…。

退廃と暴力の街ニューヨークで生まれ育った男が、死と隣りあわせの調査に執念を燃やす本格ハードボイルド。

 

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以上、おすすめノワール小説でした!次のページから第4章です。第4章では映画など他メディアに潜んでいるノワール要素をご紹介。ノワール小説が好きな方や興味がある方はきっと面白いでしょう!

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北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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