ブラックメタルとノワール文学の関係

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ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

 

第4章では小説以外で見る事ができるノワール作品について紹介しています。

人間の心の闇を描くための手段は文学だけに留まらず、絵画や彫刻といった美術の分野でも、人間の暗部を題材にした作品が数多く存在しています。それは音楽においても例外ではありません。

第1章で述べた通り(現在のページは第4章)、「ノワール(Noir)」という言葉はフランス語で「黒」を意味します。そして奇遇にも、人間の暗部を描いた音楽の中に、同じくを意味する言葉を冠したジャンルが存在します。

「ブラックメタル」と呼ばれるそれらの音楽はヘヴィメタルのサブジャンル(そのジャンルの下位に位置するジャンル)のひとつで、より過激に先鋭化していくヘヴィメタルの進化の過程の中で、先祖返りをするかのように誕生しました。

 

すこし強引な導入となってしまいましたが、このページでは番外的にノワール文学の音楽版ともいうべきブラックメタルについてご紹介していきます。

ブラックメタルの隆盛

 

ブラックメタルは90年代初頭のノルウェーにおいて隆盛を誇り、反キリスト思想が強く掲げられました。

 

 

ノルウェーにおけるブラックメタル・シーンは、「MAYHEM(メイヘム)」のギタリストEuronymous(ユーロニモス)が経営するレコードショップを中心に形成されました。

後にインナーサークル(Inner Circle)と呼ばれることになるその集団も、はじめはヘヴィメタルを愛する若者たちの集まりにすぎませんでした。

 

インナーサークル
1990年代前半のノルウェーのブラックメタルバンドとその関係者を指した言葉。

▼MAYHEM(メイヘム)の演奏

 

しかし1992年、BURZUM(バーズム)として活動していたVarg Vikernes(ヴァルグ・ヴィーケネス)が礼拝堂に放火した廉(かど:理由という意)で逮捕されると、インナーサークルの活動は過激化の一途を辿り、犯罪集団の色彩を強めていきます。

その後、EMPEROR(エンペラー)の元ドラマーFaust(ファウスト)が、彼に性行為を迫った同性愛者の男性を殺害するなど、ブラックメタル界隈で逮捕者が続出する事態となりました。

 

そして翌年、Varg Vikernes(ヴァルグ・ヴィーケネス)がインナーサークルを牽引していたEuronymous(ユーロニモス:先述)をナイフで刺殺して逮捕されると、彼らが起こした事件は次々に明るみに出ることとなり、インナーサークルは解体。

一躍、ノルウェー中のメディアを賑わす存在となりました。

 

Euronymous(ユーロニモス)の補足
Euronymous(ユーロニモス)がレコードショップを開業する以前の事。当時MAYHEM(メイヘム)のヴォーカリストだったDead(デッド)が拳銃自殺の現場をEuronymous(ユーロニモス)が発見するという出来事が起きています。

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彼はそのとき、現場に散らばっていた頭蓋骨の破片を回収してネックレスに加工し、友人たちに配るといった奇行に及んでいます。また、Euronymous(ユーロニモス)がこのときに撮影したDead(デッド)の死体の写真は、後にブートレグ盤のジャケットとして使用されました。

 

ブラックメタルとノワール文学

 

これら一連のノワール文学も真っ青な血なまぐさい事件の詳細は、

「ブラック・メタルの血塗られた歴史」

「ブラック・メタル サタニック・カルトの30年史」

「魔獣の鋼鉄黙示録 ヘビーメタル全史」

など、さまざまな書籍で取り扱われていますので、興味のある方は是非ご一読ください。

 

彼らの音楽は世界中のへヴィメタルバンドに影響を与え、今ではヘヴィメタルのみならず、さまざまな音楽の中にブラックメタルの要素を見て取ることができるまでに伝播しています。

また、ノワール文学の本場フランスも優れたブラックメタルバンドの産地であり、インナーサークル事件の同時期、MUTIILATIONやVLAD TEPES(ヴラド・ツェペシュ)、BELKETREといったバンドを中心に、Les Légions Noires(レ・レジオーン・ノワール)と呼ばれるシーンを形成していました。

フレンチ・ブラックメタル・シーンの最重要バンドMUTIILATIONの1stアルバム「Vampires of Black Imperial Blood」は、著者がもっとも愛聴しているCDのひとつでもあります。

 

▼Vampires of Black Imperial Blood

 

ブラックメタルを聴きながらノワール文学を読めば、どこまでも暗い気分に浸れること間違いなしです!

 

 

以上、國谷正明氏の紹介するノワール文学(ノワール小説)入門でした!いかがでしたでしょうか?ノワール文学・ノワール小説をまだ読んだ事が無い方にも魅力が伝わったと思います。

コンテンツの中で紹介されているノワール作品を楽しんだ後にまたこの國谷氏の紹介を読めば違う楽しみ方ができるのではないでしょうか!

 



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著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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