ノワール小説おすすめ傑作20選 【一般市民編】

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

このページでは、法の番人でもアウトローでも探偵でもない、平凡に生きる一般市民を主人公に据えたノワール作品をご紹介しています。

 

11 転落の道標(ケント・ハリントン)

タイトル(原題) 転落の道標(Dark Ride)
著者 ケント・ハリントン(Kent Harrington)
発表年 2001年
著者出身国 アメリカ

※発表年は以下、基本日本語訳初版

 

アメリカの人気ミステリ作家マイクル・コナリー(Michael Connelly)が本作「転落の道標」を「ジム・トンプスンをクエンティン・タランティーノ的に解釈した作品」と評したことからもわかるように、本書はトンプスンの系譜に連なるきわめて優れたノワール作品です。

 

ジム・トンプスン

1906-1977。暗黒小説の巨匠として高い評価を得る。スタンリー・キューブリック監督の『突撃』の脚本も手がけている。

クエンティン・タランティーノ

監督二作目『パルプ・フィクション』でパルム・ドール(最優秀作品賞)米アカデミー賞脚本賞も受賞。「暴力シーンの多用」「意味のない会話が長々と続く」「自身の好きな作品へのオマージュ」などが作品・演出の特徴。

by Gage Skidmore CC 表示-継承 3.0

 

本作の翌年に発表された著者の第二長編「死者の日(Dia de los Muertos)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 カリフォルニアの地方都市で、市長として長年権勢を誇った父親を持つジミーは、自らも大学時代はスポーツの花形選手であり、輝かしい将来を確実視されていた。

しかし父親亡きあと、今は保険代理店のしがない外交員として冴えない日々を過ごしている。

ジミーの鬱積のはけ口は、代理店経営者の妻イヴとの、覚醒剤を伴ったSMセックスだった。

やがてイヴに殺人をそそのかされたジミーは、後戻りできない暗黒の道を突き進んでいく。

人間の持つ悪の部分を容赦なく突き詰めて描いたノワール小説の傑作。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

12 キスしたいのはおまえだけ(マキシム・ジャクボヴスキー)

タイトル(原題) キスしたいのはおまえだけ(It’s You that I Want to Kiss)
著者 マキシム・ジャクボヴスキー(Maxim Jakubowski)
発表年 2002年
著者出身国 アメリカ

 

本作「キスしたいのはおまえだけ」は、ミステリ評論家・アンソロジスト(詩人)・映画評論家としても知られる著者の、邦訳されている唯一の長編小説です(2018年時点)。

仄暗い(ほろぐらい)エロティシズムが全編をとおして色濃く漂っており、「エロティック・ノワール」と呼ぶに相応しいただれた雰囲気を醸しています。

また、英国在住の作家13人がロンドンを舞台に書き下ろした犯罪小説を収めたアンソロジー(詩撰)「ロンドン・ノワール(London Noir)」に、著者の短編作品「チャリング・クロス街71-73(71-73 Charing Cross Road)」が収録されていますので、そちらも併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼ロンドン・ノワール

 

以下、「Book」データベースより引用。

 辛い過去を背負ったジェイク、売春婦に身をやつしたアン。二人が巡り会ったのは悪魔の所業なのか?

組織のブツを横領したアンのせいで、ジェイクは逃走劇の道連れに。

“組織”の執拗な追跡、不貞を繰り返すアンに対する嫉妬、そして絶望。苦しい現実から逃れるように互いを貪りあう二人は知っていた、破滅が彼らを待ち受けていることを…。

アメリカを全力疾走する恋人たちの姿をダイナミックに描いた愛と絶望の物語。

“エロティック・スリラーの帝王”による待望の長編、ついに刊行。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

13 上司と娼婦を殺したぼくの場合(ジェイソン・スター)

タイトル(原題) 上司と娼婦を殺したぼくの場合(Cold Caller)
著者 ジェイソン・スター(Jason Starr)
発表年 1999年
著者出身国 アメリカ

 

本作「上司と娼婦を殺したぼくの場合」は、ニューヨークで働くごく普通の会社員を主人公に据えたノワール作品です。

著者の実体験が少なからず反映されているようで、都会に生きる社会人の悲哀を自虐気味に描いています。

当Webon第2章の「アメリカのノワール文学と代表的作家」のページ(現在第3章)でもご紹介しましたアメリカの犯罪小説家エドワード・バンカー(Edward Bunker)も、本書を

「タフでクールでエレガント……会社社会を舞台にした必読の犯罪小説!」

と絶賛しています。

▼エドワード・バンカー

 

2002年の文庫化にあたり「あんな上司は死ねばいい」と改題されました。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 ニューヨークの広告代理店の副部長職を追われ、アルバイトの電話営業をはじめて2年、ビル・モスの会社人生はすこしずつくるいはじめていた。

「ちょっと!すみませんけど」―たいていの日だったらなにも言わなかっただろうが、その朝の彼は違った。

出勤時の地下鉄で車両の奥に移動しようとした時にかけたちょっとした言葉と身振りを痴漢に間違われ、ついには同乗していた男に強烈な拳を見舞われることに。

そんな誰にでも起こりうる出来事が、彼の人生を破綻へと導いていく。

懲りないビジネスマンのリストラ・ミステリー。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

14 斧(ドナルド・E・ウェストレイク)

タイトル(原題) 斧(The Ax)
著者 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Edwin Westlake)
発表年 1997年
著者出身国 アメリカ

 

本作「斧」は、会社を解雇された男が再就職のために悪事に手を染めていく様を描いた犯罪小説で、ウェストレイクらしい一筋縄ではいかない筆致(ひっち:文章などの書きぶり)で読者に恐怖と黒い笑いを催させます。

 

ドナルド・E・ウェストレイク

ミステリ界の巨匠。生き生きとした文体とセリフが特徴。ペンネームはリチャード・スターク他、複数。

by I, Dinkley CC 表示-継承 3.0

 

パルプ・マガジン系のノワールが好きな方には手放しでおすすめできる傑作です。

 

パルプ・マガジン

1900~1950年頃にアメリカで広く流通していた大衆娯楽雑誌の総称。粗悪なパルプ紙を使用していたことからそう呼ばれた。
ハードボイルドだけでなくホラーやSFなど、さまざまなジャンル小説の発展を大きく促した。代表的なものに、ウィアード・テイルズ、アメイジング・ストーリーズ、ダイム・ディテクティヴなどがある

 

以下、「Book」データベースより引用。

 わたしは今、人を殺そうとしている。再就職のライバルとなる元同業者6人を皆殺しにする。

この苦境を脱する手は他にないのだ―

リストラで失職したビジネスマンが打った乾坤一擲の大博打は、やがて彼の中の“殺人者”を目覚めさせてゆく。ハイスミスやトンプスンに比肩する戦慄のノワール。

ミステリの名匠の新たなる代表作。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

15 殺人の代償(ハリイ・ホイッティントン)

タイトル(原題) 殺人の代償(Web of Murder)
著者 ハリイ・ホイッティントン(Harry Whittington)
発表年 2003年
著者出身国 アメリカ

 

ハリイ・ホイッティントンは猛烈な多作ぶりで知られ、12もの名義を使い分けながら200以上の作品を遺しました。

1958年に出版された本作「殺人の代償」は、当時の犯罪小説の魅力を凝縮したような優れたノワール作品です。

※2003年は日本語訳初版

ペーパーバック(ソフトカバー)の発展に大きく寄与したとして、アメリカのみならずフランスでも高い人気を誇っている著者ですが、日本語に翻訳されている作品は本書ただ一冊(2018年時点)であり、他作品の翻訳が待たれます。

 

以下、「Book」データベースより引用。

妻の資産のおかげで、弁護士として地位を築いたチャーリーだが、冷淡な妻が次第に重荷になっていた。

しかし、秘書ローラとはげしい恋に落ち、人生の軌道は狂いだす。

妻との別れ話はもつれ、ついにチャーリーは殺人を決意。緻密で巧妙な計画を進める彼を、驚くべき事態が襲う!

その瞬間、みずから作りあげた殺人計画が、自分を縛る罠と化した―

ひりひりするスリルと、予想外の結末へ一気に突き進むサスペンス。

「ペイパーバックの王者」と称される著者の傑作犯罪小説登場。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

次のページではおすすめノワール小説「探偵編」をご紹介。

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



スポンサーリンク

 

目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

ノワール小説おすすめ傑作20選 【警察編】

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

このページから第3章です。第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

有名どころからマイナーな作品まで、筆者の独断と偏見で選出しておりますので、中には入手困難なものもあるかもしれませんが、みなさんの素敵な読書体験の手助けとなれば幸いです。

 

このページでは、警察官や保安官といった法の番人を主人公に据えたノワール作品をご紹介します。

 

1 自殺の丘 (ジェイムズ・エルロイ)

タイトル(原題) 自殺の丘(Suicide Hill)
著者 ジェイムズ・エルロイ(James Ellroy)
発表年 1986年
著者出身国 アメリカ合衆国

 

本作「自殺の丘」は「血まみれの月(Blood on the Moon)」「ホプキンズの夜(Because the Night)」に続く、ロイド・ホプキンズ三部作の最終章にあたります。

ロス市警強盗殺人課の部長刑事ロイド・ホプキンズを主人公に据えたこのシリーズでは、すべてを失いながらも狂気じみた執念で犯人を追い詰めていくホプキンズの姿が生々しい筆致で描かれています。

ストーリー上の繋がりが強いので、一作目から順に読んでいただくことをおすすめします。

 

▼ロイド・ホプキンズ シリーズ

発表年 タイトル
1作目 1983年 「血まみれの月」

2作目 1984年 「ホプキンズの夜」

3作目 1986年 「自殺の丘」

 

以下、「Book」データベースより引用。

ロス市内で3人組による銀行強盗事件が続けざまに起きた。

犯人は各銀行を入念に下調べし、不倫進行中の支店長に狙いをつけると、その愛人を人質にとるという手口だった…。

停職処分中のロス市警部長刑事ロイド・ホプキンズは上司に呼ばれ、処分がとけると同時にこの強盗事件の担当を命じられた。ただし、職場はFBIロサンジェルス支部銀行強盗課への出向だった。

調査を開始したホプキンズは、犯人たちに“知性”を嗅ぎ取った。

と同時に彼はこの一件が自分の最後の仕事になると思っていた。市警の上層部が彼を切りたがっていたのだ。そして、市警内の宿敵である上司との最終的対決も予感していた。

『血まみれの月』『ホプキンズの夜』に続くホプキンズ・シリーズ第3弾。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

2 血と暴力の国 (コーマック・マッカーシー)

タイトル(原題) 血と暴力の国(No Country for Old Man)
著者 コーマック・マッカーシー(Cormac McCarthy)
発表年 2005年
著者出身国 アメリカ合衆国

 

本作「血と暴力の国」は、全米批評家協会賞や全米図書館賞、ピューリッツァー賞を受賞するなど、現代のアメリカ文学界を代表する作家として名高いコーマック・マッカーシーが著した犯罪小説です。

純文学(娯楽性よりも芸術性に重きを置いた文芸のジャンル)系の作家というイメージが強いマッカーシーですが、本書の他にも「チャイルド・オブ・ゴッド(Child of God)」や「ブラッド・メリディアン(Blood Meridian)」といった作品において、人間の暗部を容赦なく描ききっています。

 

▼チャイルド・オブ・ゴッド

▼ブラッド・メリディアン

 

本作は、老保安官「ベル」ベトナム帰還兵「モス」冷酷な殺人者「シュガー」という三人の登場人物の視点で進行しますが、老保安官ベルが実質的な主人公であると解釈し、こちらのページにてご紹介させていただきます。

 

以下、「Book」データベースより引用。

ヴェトナム帰還兵のモスは、メキシコ国境近くで、撃たれた車両と男たちを発見する。麻薬密売人の銃撃戦があったのだ。

車には莫大な現金が残されていた。モスは覚悟を迫られる。

金を持ち出せば、すべてが変わるだろう…モスを追って、危険な殺人者が動きだす。

彼のあとには無残な死体が転がる。この非情な殺戮を追う老保安官ベル。

突然の血と暴力に染まるフロンティアに、ベルは、そしてモスは、何を見るのか―

“国境三部作”以来の沈黙を破り、新ピューリッツァー賞作家が放つ、鮮烈な犯罪小説。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

3 鬼警部アイアンサイド (ジム・トンプスン)

タイトル(原題) 鬼警部アイアンサイド(Ironside)
著者 ジム・トンプスン(Jim Thompson)
発表年 1967年
著者出身国 アメリカ合衆国

 

本作「鬼警部アイアンサイド」は、1967年から1975年にかけてアメリカで放映されていた刑事ドラマ「鬼警部アイアンサイド」のノヴェライズ(映画やドラマなどを小説化すること)です。

テレビドラマの設定に準拠しながらも、ジム・トンプスンらしい要素が随所に現れており、ノワール色は薄いながらもトンプスンファンには堪らない警察小説となっています。

 

ジム・トンプスン

1906-1977。暗黒小説の巨匠として高い評価を得る。スタンリー・キューブリック監督の『突撃』の脚本も手がけている。

 

以下、「Book」データベースより引用。

何者かが放った一発の銃弾がサンフランシスコ市警察の敏腕刑事ロバート・アイアンサイドから下半身の自由を奪ってしまった。

だがその手腕を見込んだ警察は、彼を顧問として迎え、手足となる三人の部下を与える。車椅子を駆り、卑劣な犯罪との闘いの日々は続く…

謎めいた脅迫事件、有力者の息子が起こした轢き逃げ事件、そしてアイアンサイドの部下マークが関わる傷害致死事件。

鬼警部を窮地に追いこむ事件の連続、その背後でほくそ笑む黒幕とは?人気TVシリーズをもとにノワールの巨匠が書き下ろしたオリジナル・ストーリー、ついに登場。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

4 タルタロスの審問官(フランク・ティリエ)

タイトル(原題) タルタロスの審問官(Train D’enfer pour Ange Rouge)
著者 フランク・ティリエ(Franck Thilliez)
発表年 2007年
著者出身国 フランス

 

「タルタロスの審問官」はフランス人作家フランク・ティリエによるミステリ小説です。

トマス・ハリス(William Thomas Harris III)が著したサイコ・サスペンスの名作「羊たちの沈黙(The Silence of the Lamb)」を彷彿とさせる残酷な描写が強く目を引きますが、一方で古き良きロマン・ノワールの香りも色濃く漂っています。

 

羊たちの沈黙

精神科医ハンニバル・レクターという猟奇的な殺人を犯していく物語。殺害した人の臓器・肉を食べることから「人食いハンニバル」とも呼ばれる。

 

続編となる「七匹の蛾が鳴く(Deuils de miel)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼七匹の蛾が鳴く

 

以下、「Book」データベースより引用。

パリ警視庁警視シャルコの妻が誘拐された。シャルコは必死に愛する妻の行方を追うが、杳として知れない。

そんなとき、ある女性の惨殺死体が発見される。ロープで緊縛された上、皮膚をフックにかけて宙づりにされ、さらには眼球をくりぬかれた見るも無惨な死体。

そして明くる日、捜査の担当となったシャルコの元に、「気に入ってくれたかい?」と題されたメールが届き…。

ノワールの新星が描く、奈落よりも深い闇の世界。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

5 フィルス(アーヴィン・ウェルシュ)

タイトル(原題) フィルス(Filth)
著者 アーヴィン・ウェルシュ(Irvine Welsh)
発表年 1998年
著者出身国 イギリス

 

本作は、映画と原作小説がともに大ヒットを記録した処女作「トレインスポッティング(Trainspotting)」の著者アーヴィン・ウェルシュによる三作目の長編にあたります。

 

処女作 「トレインスポッティング」

第2作目長編 「マラボゥストーク」

 

実験的な作風で文学界に衝撃を与え続けてきたウェルシュの作品の中でも、本書は特に下劣で実験的な作品であるといえます。

ノワールはおろか警察小説の枠に収まらない前衛的な小説であるため、読み手を大きく選びますが、ノワール文学の可能性を力づくで押し広げた問題作として、無視することのできない一冊です。

 

以下、「Book」データベースより引用。

人生はゲーム、勝者はただひとり、それはおれ。

哲学的サナダムシを腹に宿した無敵のスコットランド人刑事ブルース・ロバートソンは、警部補に昇進するため、同僚刑事たちを陥れる裏工作に余念がない。

そこに殺人事件が発生するが、捜査は難航。果たして真犯人の正体は。

ロバートソンは昇進レースを勝ち抜き、妻子を取り戻せるのか。凍てつく十二月のエディンバラを舞台に繰り広げられる、前代未聞の極悪警察ミステリー。

鬼才アーヴィン・ウェルシュの代表作にして、英国で55万部突破の大ベストセラー。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

次のページでは著者がおすすめする「裏社会」がテーマになったノワール小説をご紹介していきます。

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



スポンサーリンク

 

目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

日本のノワール文学と代表的作家

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

 

日本のノワール文学

 

日本のノワールもまたフランス同様、アメリカのハードボイルド小説が邦訳されたことをきっかけに発展しました。

 

アメリカのハードボイルド小説が世界に広まっていった経緯は第1章で解説!(現在第2章)

 

日本ノワールに影響を与えた作家

結城昌治(ゆうき しょうじ)

 

日本ハードボイルドの第一人者ともいえる人物が、結城昌治(ゆうき しょうじ)です。

結城昌治(本名:田村幸雄)は、1927年生まれのミステリ作家です。

彼は早稲田大学法律科を卒業後、東京地方検察庁に就職。事務官を務めますが、就職後まもなく肺結核を患い、数年にわたって療養生活を余儀なくされます。

入院中に執筆した小説が「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の短編コンテストに入選。その後、東京地方検察庁を退職し、ミステリ小説家としての道を歩んでいきます。

 

エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン
1941年にアメリカで創刊したミステリ小説誌。フランス・オーストラリア・日本などでも各国版の「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」が発売された。

▼復刻 エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン〈No.1‐3〉

 

「ゴメスの名はゴメス」「夜の終わる時」「暗い落日」など傑作ハードボイルド小説を数多く執筆し、1970年に上梓した短編集「軍旗はためく下に」で直木賞を受賞しました。

同作は深作欣二監督によって映画化されており、戦争映画の名作として根強い人気を誇っています。

 

深作欣二
映画監督・脚本家。千葉真一の初主演作品となる『風来坊探偵 赤い谷の惨劇』で監督デビューした。代表作に「仁義なき戦い」シリーズ・「バトルロワイアル」など。

▼深作欣二氏

▼ゴメスの名はゴメス(画像クリックで書籍詳細へ)

▼夜の終わる時(画像クリックで書籍詳細へ)

▼暗い落日(画像クリックで書籍詳細へ)

▼小説「軍旗はためく下に」(画像クリックで書籍詳細へ)

▼映画「軍旗はためく下に」(画像クリックで作品詳細へ)

 

梁石日(ヤン・ソギル 通名:梁川正雄)

 

梁石日(ヤン・ソギル 通名:梁川正雄)は、1936年生まれのノワール作家です。

在日朝鮮人二世として大阪に生まれた彼は、定時制高校在学中に挑戦文学者/詩人の金時鐘(キム・シジョン)に出会い、詩の世界に没頭します。

その後、事業の失敗を機に大阪を出奔(しゅっぽん)し、仙台へ移り住んだのち、上京してタクシードライバーとして勤務。

スナックで酒を飲みながら語っていたタクシー客とのやりとりが、偶然その場に居合わせた出版編集者の目に留まり、1981年に編集者の勧めで執筆した「タクシー狂躁曲」でデビュー。

 

 

その後も、「夜の河を渡れ」「夜を賭けて」「カオス」など上質なノワール作品を数多く執筆しています。

山本周五郎賞にも選ばれた彼の代表作「血と骨」は、ビートたけし主演で映画化し、大きな話題を呼びました。

 

山本周五郎賞
新潮社の開催する文学賞。2018年受賞作は「ゲームの王国」(著:小川哲)。2018年の選考委員に石田衣良など。

▼夜の河を渡れ(画像クリックで書籍詳細へ)

▼夜を賭けて(画像クリックで書籍詳細へ)

▼カオス(画像クリックで書籍詳細へ)

▼小説「血と骨」(画像クリックで書籍詳細へ)

▼映画「血と骨」(画像クリックでDVD詳細へ)

 

溝口敦(みぞぐち あつし)

 

溝口敦(みぞぐち あつし)は、1942年生まれのジャーナリスト/作家です。

早稲田大学経済学部を卒業後、雑誌編集者や広告代理店勤務を経て、フリーランスのジャーナリストとして活躍。

日本における組織犯罪問題の第一人者として、20代半ばからおよそ半世紀以上にわたって暴力団を取材し続けています。

 

 

ジャーナリストとして数多くのノンフィクション作品を上梓している他、「民暴の帝王」「武闘の帝王」「修羅の帝王」「錬金の帝王」など、長年の取材活動に裏打ちされた臨場感溢れるノワール小説の執筆を手掛けています。

 

▼民暴の帝王(画像クリックで書籍詳細へ)

▼武闘の帝王(画像クリックで書籍詳細へ)

▼修羅の帝王(画像クリックで書籍詳細へ)

▼錬金の帝王(画像クリックで書籍詳細へ)

 

小川勝己(おがわ かつみ)

 

小川勝己(おがわ かつみ)は、1965年生まれのミステリ作家です。2000年、「葬列」で横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。

 

横溝正史ミステリ大賞
株式会社KADOKAWA主催・テレビ東京協賛により行われている新人文学賞。探偵小説作家の横溝正史にちなんでミステリ作家を発掘するために開催された。2017年大賞は受賞者該当なし。

 

▼葬列(画像クリックで書籍詳細へ)

 

3、4歳の頃には既に物語を書いていたと語っており、影響を受けた作家としてジム・トンプスンと横溝正史の名を挙げています。

 

ジム・トンプスン
1906-1977。暗黒小説の巨匠として高い評価を得る。スタンリー・キューブリック監督の『突撃』の脚本も手がけている。

ジム・トンプスンは第3章で紹介!(現在第2章) ジム・トンプスンは第3章で紹介!(現在第2章)
横溝正史
推理小説家。「金田一耕助」主役の探偵小説シリーズ(八つ墓村 (角川文庫)など)で有名。

▼横溝正史

 

また、へヴィメタルのファンであることを公言しており、二作目の長編小説「彼岸の奴隷」において日本のへヴィメタルバンド『DEAD END』のヴォーカリストMorrie氏のソロ作の楽曲からタイトルを引用しているだけでなく、作中の重要な場面でも歌詞を引用するなど、激しい傾倒ぶりを示しています。

 

▼彼岸の奴隷(画像クリックで書籍詳細へ)

▼バンド「DEAD END」のヴォーカリスト「Morrie」氏

 

ジム・トンプスンやジェイムズ・エルロイがみせた狂気の模倣ともいうべき「彼岸の奴隷」は、日本ノワール史に残る傑作のひとつといえます。

 

ジェイムズ・エルロイ
(1948-)アメリカの小説家。ロス市警強盗殺人課の部長刑事「ロイド・ホプキンズ」を主人公に据えたこのシリーズで有名。

▼ジェイムズ・エルロイ

by Amadalvarez CC 表示-継承 4.0

ジェイムズ・エルロイは第3章で紹介!(現在第2章) ジェイムズ・エルロイは第3章で紹介!(現在第2章)

 

 

中村文則(なかむら ふみのり)

by CurryTime7-24 CC 表示-継承 3.0

 

また芥川賞や大江健三郎賞を受賞し、誰もが認める実力派作家である中村文則(なかむら ふみのり)が、ノワール文学の分野に貢献した作家に贈られるデイヴィッド・グーディス賞を2014年に日本人として初めて受賞するという快挙を成し遂げています。

 

▼中村文則の代表作「教団X」(画像クリックで書籍詳細へ)

デイヴィッド・グーディス賞
アメリカの文学賞。優れた犯罪小説家に贈られる。中村文則はノワール小説に貢献したとして贈られた。

 

次のページでは各国のノワール文学の特徴と代表的作家を紹介。様々な国のノワール小説に触れればきっとノワール小説をより楽しむことができるはずです。

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



スポンサーリンク

 

目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

ノワール文学とは④ 【ノワール文学の現在】

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)

 

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

 

ノワール文学の現在

 

前のページで解説をしましたが、アメリカで誕生したハードボイルド小説がフランスに渡ってロマン・ノワールを生み、ベトナム戦争の落とした暗い影がハードボイルド小説をノワール小説へと変容させました。

 

ロマン・ノワールとは
フランスでの英米ハードボイルド小説の流入を機に書かれたフランスのミステリ小説。

 

フランスで評価されるアメリカ小説家

 

ベトナム戦争によりハードボイルド小説がノワール小説へと変容していく間にも、アメリカでは才能豊かな作家たちが「ブラックマスク」という雑誌をはじめとする『パルプ・マガジン』上で、現代のノワールにも匹敵するドス黒い作品を数多く発表しています。

彼らの多くはアメリカ国内よりも、むしろフランスにおいてより高い支持を得ました。

 

パルプ・マガジン
1900~1950年頃にアメリカで広く流通していた大衆娯楽雑誌の総称。粗悪なパルプ紙を使用していたことからそう呼ばれた。
ハードボイルドだけでなくホラーやSFなど、さまざまなジャンル小説の発展を大きく促した。代表的なものに、ウィアード・テイルズ、アメイジング・ストーリーズ、ダイム・ディテクティヴなどがある。

 

人間の心の闇を冷徹な態度で見据えたそれらの作品は、現在の価値観で言うところの「王道ハードボイルド小説」が蔓延る(はびこる)当時のミステリ界の中で強すぎる異彩を放っていました。

それが故に、本国アメリカでは長らく陽の目を浴びることはありませんでした。

フランスの読者が彼らの作品を高く支持したのは、彼らの作品が自然主義文学を生んだフランス文学の素因を強く内包していたからに他なりません。

 

自然主義文学
物事を美化せず、現実をありのままに描写しようとする立場から描かれた文学作品の総称。19世紀後半のフランスにおいて、小説家エミール・ゾラ(Émile François Zola)によって定義された。

日本の代表的な作家に、島崎藤村、田山花袋、永山荷風らがいる。

 

その代表的な作家のひとりがジム・トンプスン(James Meyers “Jim” Thompson)です。

 

▼ジムトンプソンの作品例「取るに足りない殺人」

 

彼こそフランスで最も高い評価を得たアメリカの犯罪小説家といっても過言ではないでしょう。

彼の晩年には著作のほとんどが絶版となっていましたが、死後10年近くが経ってようやく本国でも再評価の動きが起こりました。

現在では、最高のノワール作家として世界中のミステリファンからその功績を讃えられています。

 

他にも

フィルム・ノワール(ノワール映画)の名作として知られる「狼は天使の匂い(Black Friday)」「ピアニストを撃て(Down There)」の原作者である『デイヴィッド・グーディス(David Loeb Goodis)』

 

 

その多作ぶりから同業者たちに「オリジナル・ペーパーバック開拓者の王様」と呼ばれた『ハリィ・ホイッティントン(Harry Whittington)』

30以上の著作が「セリ・ノワール」から出版されている『デイ・キーン(Day Keene)』

 

セリ・ノワールとは
1945年に初めて刊行された英米のハードボイルド小説専門の叢書(そうしょ:シリーズという意味)。第一弾はピーター・チェイニー「この男危険につき(This Man Is Dangerous)」など。

 

史上最高の犯罪小説家との呼び声も高い『チャールズ・ウィルフォード(Charles Ray Willeford)』

など、錚々たる顔ぶれが筆を競っていました。

彼らの手によって数多くの名作がノワール文学史に刻まれ、今も後進の作家たちに多大なる影響を与えています。

 

ここに紹介した作家を含めたノワール小説のおすすめ作品は第3章で解説!(現在第1章) ここに紹介した作家を含めたノワール小説のおすすめ作品は第3章で解説!(現在第1章)

 

1980年代のノワール文学

 

そして1980年代に入ると、ある作家の登場によってノワール文学は大きく躍進することになります。

ジェイムズ・エルロイ(Lee Earle “James” Ellroy)という名のその作家は、比較的オーソドックスな探偵小説でデビューします。

 

▼ジェイムズ・エルロイ

by Amadalvarez CC 表示-継承 4.0

 

しかし著作を重ねるごとに独自性と暗黒度を強めていき、七作目にあたる「ブラック・ダリア(The Black Dahlia)」において、ついにその才能を横溢させました。

 

▼ブラック・ダリア

 

常軌を逸した執念で警察内部の巨悪を追う様を描いた、「ブラック・ダリア」に始まる「暗黒のL.A.」四部作と、アメリカ現代史の暗部を抉る「アンダーワールドUSA」三部作は、ノワールの枠を超えたアメリカ文学の名作として、世界中の読者に深い衝撃を与えました。

 

▼アンダーワールドUSA

エルロイからの影響を公言している作家に、「ハリー・ボッシュ」シリーズで知られるマイクル・コナリー(Michael Connelly)の他、我が国を代表するノワール作家である馳星周、東京在住のイギリス人ノワール作家デイヴィッド・ピース(David Peace)らがいます。

 

▼ハリー・ボッシュシリーズ第1弾『ナイトホークス』

▼マイクルコナリー

by Mark Coggins from San Francisco – Michael Connelly Uploaded by tripsspace CC 表示 2.0

 

馳星周(はせせいしゅう)
日本の代表的現代ノワール小説作家。代表作に「不夜城」など。
デイヴィッド・ピース(David Peace)
犯罪小説を主に執筆する日本在住のイギリス人小説家。代表作に「GB84」など。

by Krimidoedel Dr. Jost Hindersmann CC 表示-継承 3.0

 

その後も、彼らの影響を受けた作家たちが国内外で数えきれないほどの作品を著し、ノワールは今や一大ジャンルを形成するに至りました。

その範囲は小説だけにとどまらず、グラフィックノベルや漫画、TVドラマやアニメなど、さまざまな媒体の中にノワールの香りを嗅ぎとることができます。

 

以上、ノワール文学の誕生から現在までを解説してきました。続いては第2章、各国のノワール文学がどのようなものか、そして代表的な作家を紹介していきます。まずはアメリカからです。

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



スポンサーリンク

 

目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷)