六代目 三遊亭圓生 【おすすめ落語名人9選】

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落語は誰が聴いてもわかりやすく面白い芸能です。落語の基本的な知識や初心者におすすめの演目の紹介、実際に落語を楽しむ方法などを通じて落語(特に古典)の魅力についてお伝えします。

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著者:ミドケン

落語が大好きなフリーライター。10年程前に落語にはまって以来、ほぼ毎日落語を聴いている。お問い合わせはこちらから

 

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この第4章では9ページにわたって落語名人を紹介しております。

このページでは「人情系の噺の第一人者」と言われる三遊亭圓生さんを紹介します。

 

▼おすすめ落語名人9選!それぞれのページで詳しく紹介!

 

六代目三遊亭圓生とは

名前 六代目三遊亭圓生(ろくだいめ さんゆうてい えんしょう)
本名 山﨑 松尾
生年月日 1900年(明治33年)9月3日/没年 1979年(昭和54年)
弟子 ・5代目三遊亭圓楽(日本テレビ「笑点」の司会を務める)
昭和の代表的な落語名人の1人であり「人情系の噺の第一人者」と称される。皇居に招かれて宮中で落語を演じた初めての落語家。文化庁芸術祭大賞や芸術選奨文部大臣賞受賞、勲四等瑞宝章など華々しい受賞歴がある。テレビ・ドラマ・CMにも数多く出演し、ハウス食品の豆腐のCMに出演した際に発した「バカウマ」という言葉が話題となる。

 

略歴

 

大阪で生まれた圓生さんは、母親とともに東京に出て「子供義太夫(=義太夫をやる子供)」として寄席に出演します。

10歳頃に落語家に転身し「橘家圓童(たちばなや えんどう)」と名乗ります。

1920年(大正9年)「五代目橘家圓好」で真打昇進。

 

1941年(昭和16年)に「六代目三遊亭圓生(さんゆうてい えんしょう)」を襲名。

終戦直前、前のページで紹介した五代目古今亭志ん生(ここんて しんしょう)とともに、旧満州に慰問興行をするために渡りますが終戦となったため帰国できなくなり、約2年ほど満州で過ごします。

1947年(昭和22年)に寄席に復帰し、この頃から人気が出始め数々の賞を受賞します。

1965年(昭和40年)からは落語協会会長を7年近く務めました。

 

1978年(昭和53年)「落語協会分裂騒動」を引き起こし、その結果弟子を連れて落語協会を脱退してしまいます。

「落語協会分裂騒動」は実力に関係なく二つ目昇進から10年以上経てば真打に昇進できるという「大量真打昇進制度」に反対したことがきっかけとなって起こった騒動で、脱退後は新協会・落語三遊協会を設立します。

芸に厳しい圓生さんだからこそ、真打昇進への考え方も厳しかったのだろうと思われます。

 

六代目三遊亭圓生のココがすごい!

① 芸の鬼

 

圓生さんは芸の虫・芸の鬼と言われていたほど芸については厳しい人だったようで、いつでもどこでも落語の稽古をしていたそうです。

仕事のない日も机に向かって一日中、何かを読んだり書いたりしていたそうで、博覧強記(はくらんきょうき:物事を広く知っていること)の人であったといわれています。

稽古だけでなく、とにかく勉強熱心な人だったのだろうと思われます。

 

② 群を抜くネタ数の多さとクオリティ

 

持ちネタの多彩さ、そのクオリティの高さとともに「他の追随を許さない」といわれる圓生さん。

「軽い”滑稽噺”」から「色気たっぷりの”廓噺(くるわばなし)”」「鳴り物が入る”音曲噺”」そして「泣かせる”人情噺”」まで、様々な噺を口演しそのどれもが超一流だったといわれています。

圓生さんは落語の登場人物それぞれに愛情を注ぎ、練り上げていくことに並々ならぬエネルギーを持っていたそうです。

役者が役作りを行うように、丁寧に人物像を作り上げていく作業を最も意識的に行い、それぞれをいかにもそれらしく描写することで高い評価を受けていった人なのだろうと思います。

 

③ 落語家初の宮中御前口演

 

1973年(昭和48年)圓生さんは落語家として初めて宮中(きゅうちゅう)へ招かれて「御前口演」を行った人です。

初代三遊亭圓朝(さんゆうてい えんちょう)が明治天皇の御前で落語を披露したそうですが、宮中、いわゆる皇居に招かれて落語をやったのは圓生さんが初めてだそうです。

 

▼初代三遊亭圓朝については前ページで詳しく紹介!

 

ちなみに昭和天皇両陛下の御前で披露したのは「御神酒徳利(おみきどっくり)」です。

また、圓生さんは、亡くなる半年前の1979年(昭和54年)3月には、歌舞伎座で落語家として始めての独演会を開催して大成功をおさめています。

 

御神酒徳利(おみきどっくり)のあらすじ
旅籠(はたご=今で言うホテルのようなところ)で使用人の善六が掃除している時。善六はその家の家宝の御神酒徳利(=神前に供える徳利)を盗まれないように水瓶の中に沈めておいた。しかし善六はそのことを忘れてしまい、大事な御神酒徳利がなくなったと大騒ぎになる。

 

▼六代目三遊亭圓生「御神酒徳利」収録作品:六代目 三遊亭圓生 名演集 1 お神酒徳利/二十四孝

 

④ 人物描写と人情噺の第一人者

 

圓生さんの魅力は人物描写の巧みさと、それを活かした人情噺のうまさにあります。

人情系の噺の第一人者といわれる圓生さんは「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」「牡丹燈籠(ぼたんどうろう)」「乳房榎(ちぶさえのき)」(いずれも初代三遊亭圓朝の作品)などを得意としていました。

ちなみに「牡丹灯籠」は、圓生さんの演目で私が特に好きな演目です。大袈裟な演出やむちゃくちゃな展開、余計なギャクなど、特別なことをやらずに安心して聴ける語り口が好きです。

 

▼「牡丹燈籠」収録作品:圓生百席(46)

 

また、圓生さんは芸の主眼を人物描写においており、登場人物の性格や感情の表現が無類にうまい人だったようです。

人物描写のうまさを感じれる演目は「死神」です。全体を通して死神のなんとも言えない不気味さが素晴らしいです

 

▼「死神」収録作品:六代目 三遊亭圓生(4)花筏/やかん/死神

 

⑤ 集大成のレコード

 

圓生さんは速記本(=落語や講談などが文字に起こされている刊行物)の「圓生全集」を出していました。

「『圓生全集』のレコード版を作りたい」というレコード会社からの要請を受け「三遊亭圓生 人情噺集成」と数ある持ちネタの中から自ら100席を選んだ「圓生百席」を6年間かけて作り上げました。

これらは高座(=演芸を演じる場所、またそこで演じること)をそのまま録音したものなどではなく、歌手の人がやっているようにスタジオで録音して作ったものでした。

芸事に妥協しない圓生さんは「とにかく最上のものを残したい」という強い思いで臨み、徹底的にこだわり抜いて完成させたといいます。

落語のレコードとしては最大級の規模(2つの作品集を合わせてLP115枚)で、価格も破格の高さでしたが、かなりの売り上げがあったそうで、これを真似て似たようなレコードを作る落語家が続出したといいます。

制作を始めたのは圓生さんが70歳を超えてからだったそうですが、編集にもすべて立ち合い、一文字もおろそかにせず、すべての噺を聴いて自分の芸を確かめたというからその熱量たるや驚くほかありません。

こうして完成した圓生さんの録音は、「最大至高の古典」といっても過言ではないでしょう。

 

筆者おすすめ作品

 

⚫圓生百席(55)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~1「宗悦(そうえつ)殺し」~2「深見新五郎」

 

⚫圓生百席(23)品川心中(上・下)/死神

 

次のページでは落語界初の人間国宝となった「五代目柳家小さん(やなぎや こさん)」さんの紹介をします。

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五代目 古今亭志ん生 【おすすめ落語名人9選】

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この第4章では9ページにわたって落語名人を紹介しております。

このページでは「酔って高座に上がっても面白い」と言われる「古今亭志ん生」を紹介します。

 

▼おすすめ落語名人9選!それぞれのページで詳しく紹介!

 

五代目古今亭志ん生とは

名前 五代目古今亭志ん生(ごだいめ ここんていしんしょう)
本名 美濃部 孝蔵(みのべ こうぞう)
生年月日 1890年(明治23年)6月5日/1973年(昭和48年)
家族 長男は十代目金原亭馬生(きんげんてい ばしょう)、次男は三代目古今亭志ん朝(ここんてい しんちょう)
弟子 ・10代目金原亭馬生(落語協会副会長を務める)
3代目古今亭志ん朝
戦後の東京落語界を代表する落語家の1人に数えられる。プロ野球選手の王貞治や長嶋茂雄と並ぶほどの人気があったと言われている。芸風は「天衣無縫(てんいむほう:技巧のあとがなく自然で美しいこと。天真爛漫の意)」と称される。

孫に女優の池波志乃であるが2019年にNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』で古今亭志ん生の妻役を演じる。ちなみに、同ドラマにおいて古今亭志ん生の役をビートたけしが演じる。ビートたけしは志ん生のことを「最も尊敬する落語家」と語っている。

 

略歴

 

東京・神田生まれの生粋の江戸っ子である志ん生さんは、子供の頃から父親に連れられて寄席通いをしていました。

11歳の時、素行が悪いため小学校を退学となり、奉公(お手伝いさん)に出されますがなかなかひとつのところに勤め続けることができず奉公先を転々とします。

そして酒や博打に手を出し家出して放蕩生活(ほうとうせいかつ)を続け、二度と実家へは戻らず親や兄弟の死に目にも会っていないとのことです。

 

放蕩生活を送っていた頃から芸事に関心を持つようになり、素人やセミプロの芸人集団に出入りするようになります。

1907年頃に三遊亭圓盛(さんゆうてい えんせい)に弟子入りし、三遊亭盛朝(せいちょう)を名乗り志ん生さんの落語家人生がスタートします。

そして1921年(大正10年)金原亭馬きん(きんばらてい ばきん)で真打昇進。1924年には講釈師に転向しますが、2年で落語家に復帰しています。

 

「講釈師」とは
日本の伝統芸能である「講談」を職業にする人。講談は、張り扇で釈台(=小さな机)ををパパンと叩きながら、歴史にちなんだ読み物を面白おかしく読んで聞かせる芸。

 

その後、何度も師匠と名前を変えながら、1939年(昭和14年)に「五代目古今亭志ん生」を襲名。

1957年(昭和32年)には8代目桂文楽(かつら ぶんらく)の後任として、4代目落語協会会長に就任します。

 

▼8代目桂文楽

 

五代目古今亭志ん生のココがすごい!

① 八方破れの芸風が50代で開花

 

志ん生さんは50代で人気が出た遅咲きの落語家です。

若い頃の志ん生さんは他の落語家からの評価もそれほど高いものではなく「喋りがうまくない」「人間描写がいい加減」「高座の出来不出来の波が激しい」などの評判もあったようです。

そのため志ん生さんの芸風は「八方破れ(=すきだらけに見える様子)の芸風」と言われていました。

しかし、通称「なめくじ長屋」と呼ばれるなめくじが出るジメジメとした貧乏長屋に住み、大好きなお酒を飲みながら放蕩無頼(ほうとうぶらい:勝手気ままに振舞って素行が悪い)の生活を続ける中で培った軽妙洒脱(けいみょうしゃだつ:軽やかでおしゃれ)な語り口が受け入れられるようになり、50歳を過ぎて花開いたのです。

 

② 温かみのあるリアルな人間描写

 

志ん生さんの落語の大きな魅力のひとつは「リアルな描写力」です。

それはただ「演技力がある」というレベルの話ではありません。

落語の登場人物の多くが持つ「やりきれなさ」「絶望感」「ひもじさ」などが自然と伝わってくるのです。

 

「やりきれなさ」「絶望感」「ひもじさ」が伝わってくる演目

⚫文七元結(ぶんしち もっとい)

該当シーン1:働かずに借金を作るばかりの亭主を抱えているうえに、娘のお久がいなくなって泣いている女房のお兼。

該当シーン2:50両の大金をすられた長兵衛が身投げしようとする場面 。

▼収録作品:NHK落語名人選100 23 五代目 古今亭志ん生 「文七元結」

 

それは志ん生さん自身が「貧乏で借金まみれの生活を送ったこと」や「戦争中に満州に慰問に出たまま帰国できなくなって2年弱という期間を現地で過ごした」ことなど、様々な経験を経ているがゆえのものだと思います。

そうした経験が登場人物に反映されているからこそ、自然とリアルな「人間味」が出てくるのではないでしょうか。

 

特に「お酒が飲みたくしょうがない感じ」は天下一品です。

志ん生さんは「あ~」とか「う~」とか、声にならない声が絶妙で「あ~~」と軽くうめくような声をあげながらお酒を飲むしぐさは「本当に美味しそうなお酒だなぁ」と思わせてくれます。

聴き手の想像力を刺激する描写力のすごさは、神の領域といってもいいでしょう。

 

▼「お酒が飲みたくてしょうがない感じ」が堪能できる演目「親子酒」収録作品

⚫昭和の名人~古典落語名演集 五代目古今亭志ん生 二十一

 

③ そこにいるだけで面白い

 

志ん生さんはもはや「面白い」や「うまい」といった次元を越え、はるかその上をいっている人なのではないかと思います。

私は実際に生で志ん生さんの落語を観たわけではありませんが、高座に出てきただけでお客さんが「志ん生が出てきた!」と沸くような存在だったんじゃないかと思うのです。

落語の世界では「客は作品ではなく演者を聴きにくる」といわれることがありますが、志ん生さんはその最たる人で、座布団の上に座るまでに志ん生さんの世界が出来上がってしまう。そんな人ではなかったか、と思えてなりません。

 

④ 多すぎる改名

 

志ん生さんは何度も「師匠」と「名前」を変えていることでも有名です。

志ん生さんの若い頃についてはほとんど記録が残っておらず、本人の記憶も曖昧ですが、16回ほど改名しているそうです。

その目的は「借金取りから逃れることと、一向に芽が出ない状況を打開する願いを込めてのことだった」と言われています。

 

⑤ 酔って高座に上がる

 

お酒がとにかく大好きな志ん生さんは、お酒に関する様々なエピソードがありますが、酒に酔って高座に上がったことが何度かあるそうです。

1958年の「東横落語会」では酒に酔って大幅に遅刻をしたうえに、赤い顔のまま高座に上がり怪しい呂律で落語をやったといいます。

噺はあちこちに飛んでばらばらに乱れたけれど、その様子が滑稽極まりなくお客さんは爆笑し、その日一番の拍手を浴びたそうです。

高座でそのまま寝てしまうこともあったそうですが「寝ている姿も面白い」といわれていたそうで、高座で寝ても客が笑って許してくれる落語家は志ん生さんくらいではないでしょうか。

 

ますます味が出てくる晩年の志ん生さん

 

志ん生さんは1961年(昭和36年)末に脳出血で倒れ、翌年に高座復帰します。

それからの高座は以前の型破りな芸風がなりを潜め、ここを境に五代目志ん生の「病前」「病後」とも呼ばれるようになりました。

若いときの志ん生さんはしゃべりのスピードがかなり早いですが、晩年の志ん生さんはスピードが落ち、滑舌も悪く、間も少し長くなっています。

ただ、これが独特の味わいを醸し出しており、これはこれで「うまい芸だな」と思わせるものがあります。

 

志ん生の十八番

 

次のページで紹介する六代目三遊亭圓生(さんゆうてい えんしょう)と並び、戦後東京落語界の中では持ちネタの多さでも知られる志ん生さん。

「抜け雀」「二階ぞめき」「居残り佐平次」など十八番を挙げればキリがありませんが、中でも「火焔太鼓」は「志ん生の火焔太鼓か、火焔太鼓の志ん生か」といわれるほど、志ん生さんならではの絶品の一席です。

「火焔太鼓」では、女房に怒られたり呆れられたりする甚兵衛さんですが、女房に対するすっとぼけた返しが絶妙に面白いです。

打っても響かず、飄々としてつかみどころのない人物を演(や)らせたら志ん生さんの右に出るものはいません。その人物像を特に楽しめるのが「火焔太鼓」です。

 

▼筆者おすすめ作品

⚫古今亭志ん生 名演大全集 1[CD]

1. 火焔太鼓
2. 黄金餅
3. 後生うなぎ
4. どどいつ、小唄

 

次のページでは「人情系の噺の第一人者」と言われる三遊亭圓生さんを紹介します。

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初代 三遊亭圓朝 【おすすめ落語名人9選】

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この第4章では9人の落語の名人を紹介いたします。

落語は同じ演目でも演じる落語家が違えば全く違ったものになります。

「マクラが長い落語家」「蕎麦をすする動作は落語会随一」「酒を飲んで高座に上がっても面白い」など落語の名人はそれぞれ違った魅力があるので、ぜひ気になる落語家を見つけて実際に観ていただきたいです。

このページでは「初代三遊亭圓朝」を紹介します。

 

▼おすすめ落語名人9選!それぞれのページで詳しく紹介!

 

初代三遊亭圓朝とは

名前 初代三遊亭圓朝(しょだい さんゆうていえんちょう)
本名 出淵 次郎吉(いずぶち じろきち)
生年月日 1839(天保10年)5月13日/没年1900年(明治33年)

 

初代三遊亭圓朝はそれまでの落語は芝居噺(しばいばなし:背景画や道具を用いて芝居のように見せる噺)が人気でした。

圓朝は道具を使う噺を弟子に譲り現在のような「扇子1本を使う喋り」を中心とした「素噺(すばなし)」というスタイルを確立し、それまでの落語の常識を変えました。これにより「近代落語の祖」と言われるようになりました。

 

略歴

 

のちに「近代落語の祖」と言われる大スター・初代三遊亭圓朝は天保10年(1839年)、江戸・湯島に落語家の初代橘屋圓太郎(しょだい たちばなや えんたろう)の息子として生まれました。

父親の影響もあり「落語家になりたい」と言った次郎吉少年でしたが、母親と兄に反対され、商家(=商人の家)に奉公(=住み込みで主人に仕えること)することになります。

絵師の歌川国芳(うたがわ くによし)に弟子入りして絵の修行をするなどしていましたが、結局は落語家になりました。

 

▼歌川国芳の自画像

 

9歳で父親の師匠である二代目三遊亭圓生に弟子入り。

安政2年(1855年)圓朝を名乗り、真打昇進を果たしました。

 

真打
落語家の階級の中で最も上。師匠と呼ばれるようになり、弟子を取ることができるようになる。

 

おもしろおかしい滑稽噺より、弟子入り先の三遊派のお家芸である芝居噺(背景画や道具を用いて芝居のように見せる噺)や怪談噺(幽霊、化物、死神などを扱う噺)で独自の世界を構築して人気を得ました。

そして、のちに扇子一本で演じる素噺(すばなし)に転向しました。

 

三遊亭圓朝のココがすごい!

① 多くの演目を創作

 

圓朝は多くの落語を創作したことでも知られています。

「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」「怪談牡丹燈籠」「塩原多助一代記」など長編の怪談噺、人情噺(=オチのない人情を主題とした噺)を多く創作しました。

笑いの多い噺ではない「文芸的」ともいえる作品群を創作し、それらを巧みな話術・表現力で口演しました。

 

② 師匠から嫉妬される

 

圓朝が落語の創作を始めるようになったきっかけは「圧倒的に落語が巧かった圓朝に嫉妬した師匠・三遊亭圓生からの嫌がらせ」であったといいます。

具体的にいうと、圓朝が高座でやろうとする演目を先に師匠がやってしまい、圓朝が演じる演目をなくしたのです。

このことから圓朝は他の落語家が演じられない演目を作ろうと決意し創作落語をたくさん生み出したのです。

 

③ 三題噺から名作を生む

 

初代三笑亭可楽(さんしょうてい からく)が始めたとされる「三題噺」というものがあります。これはお客さんからお題を3つもらい、それを使った落語をその場で作って演じるというものです。

落語の名作「芝浜(しばはま)」は圓朝が三題噺で作った演目といわれています。(『笹飾り』『増上寺の鐘』『革財布』という3つのお題で作られたと言われています)

また、今日でも多くの落語家に演じられている「鰍沢(かじかざわ)」も圓朝が三題噺で作った演目です。(こちらは『卵酒』『鉄砲』『毒消しの護符』」という3つのお題で作られたと言われています。)

 

落語の名作「芝浜」のあらすじ
腕はいいのに酒ばかり飲んでぜんぜん働かない魚屋の勝五郎。

ある日大金を拾ったことをいいことに、仲間を集めて酒を飲んで寝てしまう。翌日妻から「昨日の酒代どするのか?」と聞かれ「拾った金で払えばいいだろ」と言うと「そんな金はない、夢でも見たのでは?」と妻に言われる。

勝五郎は自分の情けなさを恥じて、真面目に仕事をするようになる。しかし、拾った金は実はあって、それは妻の「とある思い」からだった・・・。

▼芝浜の結末は第2章にて!(現在第4章)

 

▼筆者おすすめ「芝浜」収録作品:談志CD大全 21世紀BOX

▼筆者おすすめ「芝浜」収録作品:NHK落語名人選(11) 六代目 三遊亭円生 三年目・鰍沢)

 

④ 言文一致運動に影響を与える

 

落語の口演(公演)を速記し、出版したものを「速記本」といいます。

明治政府は国会を開設するにあたり、速記者(=省略した記号を用いて発言を素早く記録する人)を養成する必要に迫られ、見習いの速記者たちは寄席に通って当時を代表する随一の落語家である圓朝の口演を速記して練習しました。

速記本の第一号は圓朝の「怪談 牡丹燈籠(ぼたんどうろう)」でした。

これをきっかけに圓朝の落語以外の速記本にも人気が出て、速記本ブームが起こり、これにより明治以降の文学界の言文一致運動に大きな影響を与えました。

 

言文一致運動とは
明治時代のはじめの頃は、文章で使う「書き言葉」と日常生活で使う「話し言葉」は一致しておらず、文章を理解できるのは一部の知識階級だけでした。

時代とともに、読み書きをする人たちが増えて、その状況を不便に思う人たちが増えていきました。「言文一致運動」は、そんな不便な状況を打破するために「書き言葉」を「話し言葉」に近づけようとする文筆家が行った運動のことを指します。

 

ちなみに二葉亭四迷(ふたばてい しめい)の『浮雲(うきぐも)』は圓朝の速記本(圓朝の落語を写したもの)に影響を受けて書かれたといわれています。

 

二葉亭四迷

小説家、翻訳家。「日本の近代小説の開祖」と呼ばれる。代表作は「浮雲」。

▼二葉亭四迷『浮雲』明治20年頃に発表

 

 

⑤ 歌舞伎になり教科書に採用される

 

圓朝の創作した「塩原多助一代記(しおばら たすけ いちだいき)」と「怪談 牡丹燈籠(ぼたんどうろう)」は歌舞伎化され、明治25年に東京歌舞伎座にて初めて演じられました。この舞台は五代目尾上菊五郎(おのえ きくごろう)が主演を務め大評判となりました。

また「塩原多助一代記」は勤勉がテーマで、教科書にも採用されました。

 

五代目尾上菊五郎

1844年生まれ、明治時代に活躍した歌舞伎役者。

 

▼筆者おすすめ「塩原多助一代記」収録作品:泣ける落語「塩原多助一代記~青春の別れ~」「幾代餅の由来」

 

▼筆者おすすめ「怪談牡丹燈籠」収録作品:五代目 古今亭志ん生(11)牡丹灯籠~刀屋/牡丹灯籠~お札はがし

 

三遊亭圓朝のおすすめ作品

 

三遊亭圓朝は大昔の落語家なので、その落語を録音で聴くことはできません。

けれど書籍・電子書籍では楽しむことができるので、ぜひ圓朝落語を読んで楽しんでみてください。

 

●『三遊亭円朝全集 42作品』

 

初代三遊亭圓朝の42作品を1冊に収録した作品集です。電子書籍では目次から目当ての作品に移動することができます。

 

次のページでは「五代目古今亭志ん生(ここんてい しんしょう)」を紹介します。志ん生さんは「酔って高座に上がっても面白い」と言われる名人なのです。

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クラシックコンサートの種類

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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楽天チケット

 

前の章(第1章)では、クラシックコンサートの楽しみ方について解説してきましたが、このページからは第2章「クラシックコンサートの種類」をご紹介していきます。

クラシックコンサートには様々な種類があります。各々のクラシックコンサートの特徴について知り、自分のお気に入りのクラシックコンサートを探すのに役立てていただきたく思います。

 

▼コンサートの種類一覧

種類 特徴 チケット参考価格
個人リサイタル ・もっともよく見かける。演奏者自身がプロデュース
・演奏者のモチベーションが高く質の高い演奏を期待できる
・手軽さが魅力
1000円~
ガラコンサート ・コンクールの上位入賞者だけを招待して開催されるためレベルが高い
・実力者の演奏をたくさん聴ける
例『ピティナ宝塚支部がお贈りする音楽の祭典 夢のガラコンサート』5000円
交響楽団によるコンサート ・オーケストラのコンサート
・定期演奏会に繰り返し足を運ぶだけで多くの曲について知ることができる
例「NHK交響楽団の定期公演」2019年1月11日:自由一般1500円、S 一般8800円
野外コンサート ・野外のと特設ステージで演奏を行う 例『イープラス presents STAND UP! CLASSIC FESTIVAL 2018』1日券スタンディング9800円
コンクール ・競技会。結果を予想して楽しむこともできる。 例『2018ピティナ・ピアノコンペティション全国決勝』一般2000円
アニメ・映画 ・「けものフレンズ」「スターウォーズ」の音楽をクラシックアレンジしたコンサート。シネマコンサートでは、名作映画を生演奏付きで楽しめる 例『けものフレンズ×東京フィルハーモニー交響楽団「もりのおんがくかい」』:A席6480円、S席8640円

 

個人リサイタル

 

クラシックコンサートの中でも、もっともよく見かけるのが個人リサイタル形式のコンサートです。オーケストラが大人数で演奏するのに対して、リサイタルとは主に1人の演奏者のみによって行われます。

 

 

この個人リサイタル形式のコンサートは、演奏者自身がコンサートホールを借りてプロデュ―スしている場合がほとんどです。(ただし例外として、大規模なコンサートホールが著名な演奏家を招くという場合もあります。)

このような演奏者自身がプロデュースしているコンサートの場合、そのコンサートを足掛かりにして自らの評価を高めようという狙いもあるようです。

そのため、あまり知名度が高くないコンサートであっても演奏者がとても高いモチベーションでコンサートに臨んでいるため非常に質の高い演奏を期待することができるでしょう。

また、駆け出しの演奏家の場合、まだ実績が少ないためにチケットの値段も1000円など安いことが多いため、手軽さも魅力であると言えます。

 

一方、コンサートホールが著名な演奏家を招待する場合は、値段が高くなってしまうのがネックですが、それに値するだけの演奏をしてくれるのは間違いありません。

少々値が張るにしても、トップレヴェルの演奏家が来日する機会を逃したくないという人にはお勧めです。

 

チケットの価格 1000円~
チケットの探し方 規模が大きくないものがほとんどなので、お住まいの周辺のホール、市役所などに置いてあるコンサートに関するパンフレットを探す。

 

▼個人リサイタルの例

 

ガラコンサート

 

クラシック音楽のコンクール(競技会)は日本でもたくさんあります。そんなコンクールなどで、上位入賞者だけを招待して開かれるレベルの高いコンサートというのがあります。

それが「ガラコンサート」と呼ばれるコンサートです。

 

 

ガラコンサートでは実力者の演奏をたくさん聴くことができるので、きっと聴き応えがあるはずです。また、コンクールと違い審査もなく演奏者の方も伸び伸びと演奏できるため、この機会に難曲に挑戦する演奏者の姿を観ることができます。

 

筆者おすすめガラ・コンサート

 

⚫PTNA(ピティナ)ピアノコンクールガラコンサート

PTNA(ピティナ)はピアノを中心とする音楽指導者の団体です。PTNAが主宰するピアノコンペティション(ピアノ競技会)では予選参加者が3万人を超えます。PTNAピアノコンクールのガラコンサートでは、ピアノコンペティションを勝ち抜いた入賞者が一同に介するコンサートです。

 

チケットの価格 3000円~
チケットの探し方 PTNA公式サイト

 

交響楽団によるコンサート

▲交響楽団によるコンサートの映像

 

「交響楽団によるコンサート」とは、簡単に言えばオーケストラによるコンサートのことです。

 

 

オーケストラのコンサートは「定期演奏会」と称して年に数回コンサートを行っている場合が多いです。

年に数回も開催されているので、自分の予定と演奏会の日程が重なってしまっても日程の調整が効きますので、気軽に足を運ぶことができます。

また、演目も当然その時その時で変わってくるために、定期演奏会に繰り返し足を運ぶだけでもかなり多くの曲について知ることができることでしょう。

 

▼交響楽団の例(各楽団の定期演奏会の情報は公式サイトに掲載されています)

楽団名 特徴 ホール
札幌交響楽団
公式サイト
北海道唯一のプロオーケストラ。透明感あるサウンドとパワフルな表現が特徴。 札幌コンサートホールKitara
仙台フィルハーモニー管弦楽団
公式サイト
毎年開催される「サマーフェスティバル」は夏の風物詩となっている。 日立システムズホール仙台コンサートホール
山形交響楽団
公式サイト
オーケストラの自主レーベルとしては日本初となるCDレーベル『YSO live』を立ち上げる。 山形テルサ
群馬交響楽団
公式サイト
1955年には同楽団を制作された映画「ここに泉あり」が公開された。 群馬音楽センター
NHK交響楽団
公式サイト
日本を代表するオーケストラ。 NHKホール/サントリーホール
日本フィルハーモニー交響楽団
公式サイト
1962年には世界初のシベリウス交響曲全集(渡邉曉雄指揮)を録音。世界的指揮者も相次いで客演。 サントリーホール
名古屋フィルハーモニー交響楽団
公式サイト
中部・東海を代表するオーケストラ。 愛知県芸術劇場コンサートホール
九州交響楽団
公式サイト
福岡県を中心に九州各地で年間約130回の演奏活動を行っている。 アクロス福岡シンフォニーホール

 

筆者おすすめ交響楽団のコンサート

 

⚫NHK交響楽団の定期演奏会

NHK交響楽団は1926年に結成された交響楽団です。日本最初のプロオーケストラと言われ、日本を代表するオーケストラです。

近年は定期公演は年間54回行われ、全国各地で約120回のコンサートを開きました。NHK交響楽団の定期公演はテレビ、ラジオで無料で聴くこともできます。(放送予定は公式ホームページにて)

 

▼NHK交響楽団のイメージ

 

チケットの価格 1500円~
チケットの探し方 NHK交響楽団公式ホームページ

 

野外コンサート

 

クラシックコンサートというと「コンサートホールで行われる」と思っている方は多いのではないでしょうか。確かに実際、日本でのクラシックコンサートというのはコンサートホールで行われる場合がほとんどです。

しかし、海外、特にクラシック音楽と関係の深いヨーロッパの国では野外に特設ステージを設営してそこで演奏を行うということもあります。

コンサートホールのような音響効果は期待できませんが、ヨーロッパの国を訪れた時には検討してみてもよいかもしれません。

また、日本でも単発的に開催される場合あります。2018年9月には横浜赤レンガ倉庫にてコンサートが開催されておりました。

(横浜赤レンガ倉庫のコンサートの詳細:https://corp.eplus.jp/press-release/detail/20180417.html

 

コンクール

 

コンクールとは言わば「競技会」のことです。中学生になると、コンクールの成果がその後の演奏家人生に直結するため、挑戦する方は皆必死です。

結果を予想することで、より一層楽しく聴くことができるでしょう。コンクールについては次のページで詳しく解説いたします。

 

【編集部コラム】アニメ・映画のクラシックコンサート

 

近年、映画やアニメとコラボレーションしたクラシックコンサートのイベントが増加しています。

2017年7月にはアニメ「けものフレンズ」と東京フィルハーモニー交響楽団がコラボしたクラシックイベント「もりのおんがくかい」が行われました。他にも「セーラームーン」「マクロスF」などアニメやゲームの楽曲をクラシックアレンジしたコンサートも開催されました。

▼アニメ「けものフレンズ」

 

また、2018年夏には映画「スターウォーズ」のシネマコンサートが話題になりました。シネマコンサートでは、コンサートホールのステージに設置されたスクリーンで名作映画が上映されて、劇中の音楽をその場でオーケストラが生演奏を行います。近年注目のエンターテイメントです。

▼シネマ・コンサートの例

 

「ホーム・アローン」「タイタニック」「ジュラシック・パーク」など様々な名作映画のシネマ・コンサートが上演されています。お気に入りのアニメや映画のクラシックコンサートが実施されていないかを調べて、足を運んでみるのもよいのではないでしょうか。

 

今回ご紹介した各々のクラシックコンサートの特徴を参考にし、ぜひ自分に合ったコンサートを見つけてください。

次のページではコンクールについて解説します。コンクールには自由曲部門と課題曲部門があり、それぞれ異なる魅力があるのです。

『クラシックコンサート初心者入門』目次へ  (全13ページ)

 

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海外のおすすめクラシックコンサート3選

Webon紹介目次著者
クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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この第2章では、クラシックコンサートの種類についてお伝えしてきましたが、最後に海外のクラシックコンサートを紹介します。

海外まで足を延ばさないといけないため、初めてのクラシックコンサートとしてはハードルが高いでしょう。ただ、ここで紹介するコンサートはいずれも日本とは少し異なった雰囲気を感じることができるコンサートですので、いつかぜひ足を運んでいただければと思います。

 

1 ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート


photo by Gryffindor
▲ウィーン楽友協会(ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの会場)

名称 ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート
日時 1月1日正午
料金 35ユーロ~1090ユーロ
(日本円で約4400円~13万7800円※変動有)
開催国/都市 オーストラリア/ウィーン
会場 ウィーン楽友協会

 

海外のクラシックコンサートの中でも、一年の始まりを告げるコンサートを「ニューイヤーコンサート」と言います。

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは、は世界を代表する管弦楽団(オーケストラ)である「ウィーンフィルハーモニー管弦楽団」によって開かれるコンサートです。

指揮者として毎年大御所が招かれることでも話題になります。ちなみに2002年には初めて小澤征爾(おざわせいじ:世界を代表する日本人指揮者)氏が招かれました。

 

▼小澤征爾氏

 

このコンサートは第二次世界大戦の頃から始まり、約80年の歴史を誇っています。そのため、伝統が重んじられているコンサートです。

このコンサートは曲目も非常に練られていて、毎年シュトラウス協会の重鎮やシュトラウス研究家が議論に議論を重ねます。そして、ヨハンシュトラウス2世などシュトラウス一家の楽曲を中心としたプログラムが組まれます。

 

ヨハンシュトラウス2世
ヨハン・シュトラウス2世は、オーストラリアのウィーンで19世紀に活躍した指揮者・作曲家であり、産業革命期の市民階級に熱狂的に支持された。「美しき青きドナウ」などの有名なワルツの曲を生み出し。ヨーロッパで広く知られている。ちなみにシュトラウス協会はシュトラウスの楽曲などを普及する活動を行う協会。

 

このコンサートはどこをとっても素晴らしいのですが、特にアンコールでは「美しき青きドナウ」「ラデツキー行進曲」が演奏されるのが毎年の恒例となっています。

この2曲は紅白歌合戦の「蛍の光」と同じように、伝統として受け継がれ続けています。

 

▼美しき青きドナウ(※このコンサートの音源ではありません)

▼ラデツキー行進曲(※このコンサートの音源ではありません)

 

特にラデツキー行進曲はお客さんの手拍子に合わせて演奏されるため、ホール全体が普段のクラシック音楽の演奏会では感じることのできない一体感に包まれます。

手拍子をクラシックコンサートで行うのは、他のメジャーなコンサートでは他に例を見ない珍しいことです。

 

また、このコンサートでは、曲にちなんだユーモアあふれる演出というのも名物になっています。

もともと打楽器パートから始まった文化であるために、現在でも打楽器パートが中心となってユーモアな演出がなされています。

 

演出の例
・打楽器奏者の1人が、ブタ飼いのショパンの格好に扮装し豚を抱えて登場する。
・鍛冶屋の親方に扮装して飲み食いしつつ演奏
・山賊に扮装して演奏中に金品を楽員から盗む
・工事現場の作業員の格好をして爆破装置のスイッチを押す

 

最近では「シャンパン・ポルカ」という曲の演奏中に打楽器奏者たちが実際にシャンパンを開けて乾杯を交わす場面がありました。

何をしでかすかわからない打楽器パートには要注目です。

 

▼シャンパン・ポルカ(※このコンサートの音源ではありません)

 

▼ウィーン旅行参考(外部リンク)

楽天トラベル(ウィーン)

 

2 ザルツブルグ音楽祭


photo by Optimale CC 表示-継承 3.0

▲祝祭大劇場(メイン会場)

名称 ザルツブルグ音楽祭
開催時期 7月中旬から8月末
料金 30ユーロ~250ユーロ
(日本円約3700円~31600円※変動有)
開催国/都市 オーストラリア/ザルツブルグ
会場 ・祝祭大劇場
・モーツァルテウム
・ハウス・フェア・モーツァルト
・フェルゼンライトシューレ

 

海外のクラシックコンサートとして有名なものの一つが、ザルツブルグ音楽祭です。

オーストラリアにあるザルツブルグと言えば、モーツァルトの出生地としてクラシックファンにとってはおなじみの土地です。

7月中旬から8月末にかけての5週間、世界中から名だたるオーケストラ・指揮者・オペラ歌手・劇団が一堂に会します。

音楽祭が開催されている期間中は、ザルツブルグの町の中ではあらゆる場所でクラシックコンサートが開かれています。

壮麗なホールでのクラシックコンサートが開催されているのはもちろん、町の至る所でアマチュアのオーケストラ、演奏家がストリートミュージシャンのような形で活動しているため、とても音楽を身近に感じることができるでしょう。

 

また、クラシック音楽とは異なるのですが、ザルツブルグのミラベル庭園はあの「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地としても非常に有名です。

 

サウンド・オブ・ミュージック
1965年に公開され世界的に大ヒットしたアメリカ映画。世界で最も有名なミュージカル映画と言っても過言ではない。

▼ミラベル庭園

「ミラベル庭園」は別Webon「世界の絶景111選」でも紹介しています!興味のある方はご覧ください!

 

ミラベル庭園のバラのアーチの前ではアマチュアのオーケストラ・ビッグバンドがクラシックやジャズの演奏をしています。

 

▼バラのアーチ


photo by Avanova

 

運が良ければ、サウンドオブミュージックメドレーも聴くことができるので、そちらの方も要チェックです。

 

▼ザルツブルグ旅行参考(外部リンク)

楽天トラベル(ザルツブルグ)

 

3 ラヴァンナ音楽祭


photo by Herbert Frank
▲ラヴァンナの町並み

名称 ラヴェンナ音楽祭
開催時期 5月~7月
料金 10ユーロ~100ユーロ(約1200円~12600円※変動有)
開催国/都市 イタリア/ラヴァンナ
会場 パラッツォ・マウロ・アンドレなど

 

ラヴァンナ音楽祭は1990年から開催されているヨーロッパの中で最も権威のある音楽祭に数えられます。

この音楽祭ではクラシック音楽だけではなく、オペラ・ダンス・演劇・映画など様々なプログラムがあります。世界遺産に登録されているラヴァンナを取り巻く、歴史的建造物を含む様々な場所が会場になります。

 

▼ラヴァンナ旅行参考(外部リンク)

エクスペディア(ラヴァンナ)

 

さて、今回は海外のクラシックコンサートについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ザルツブルグ、ウィーンはいずれもクラシック音楽の歴史を語るうえでは欠かすことのできない町です。

そんなクラシック音楽の聖地で、ぜひ本場の空気を味わってみてください。

 

さて、この第2章ではクラシックコンサートの種類について解説してきましたが、次の章(第3章)からは実際の「鑑賞方法」についてお伝えします。

次のページではまずは「選び方」について解説いたします。これを読めば自分が行きたいコンサートがきっと見つかることでしょう。

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クラシックコンサートの楽しみ方① 【5つの注目ポイント】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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クラシックコンサートでは、楽しむための注目ポイントが5つあります。

注目ポイントを知ることで、どこの目を配ればいいかがわかるようになることでしょう。それにより、クラシックコンサートがより楽しくなるだけでなく「通」に近づくことができるかと思います。

 

ポイント① 臨場感

 

クラシックコンサートの一番の魅力は「臨場感」にあります。

クラシックコンサートでは基本的にスピーカーやマイクを使用することがないので「生の音」を聴くことができます。

生の音に触れ、その迫力に圧倒されてクラシック音楽の楽しさに目覚める人も多くいると言われています。

また、コンサートでは「演奏者によって音が生み出される現場に居合わせること」ができます。音が紡がれていく「まさにその時」に立ち会うことで感じられる空気感を感じられるのはコンサートの魅力のひとつと言えるでしょう。

 

【編集部コラム①】静寂も楽しめる
クラシックは静寂の中で奏でられます。そのため、コンサートホールも静寂を実現するために様々な工夫がされており、コンサートホールだからこその静けさを感じるのも楽しみ方の一つだと言えるでしょう。

また、指揮者が指揮棒を振り上げた時の一瞬の静寂も、クラシック好きの方のたまらない瞬間であると言われています。

クラシックコンサートに足を運んだ際にはこの「静寂」も合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

ポイント② 表情と動き

 

演奏にじっくりと聞き入るのもよいのですが、せっかくコンサートに来たのであれば、演奏を聴くことだけにとらわれず、演奏者の表情などにも注目してみましょう。

クラシック音楽の演奏家というのは、自分の演奏に入り込むあまり、暗い雰囲気の曲だと神妙な面持ちになるなど、自分の弾いている曲の曲調に合わせて表情が変化する人というのも少なくありません。

また、体の使い方というのも奏者によって異なります。ピアノだとやや前かがみになって演奏する方、非常にリラックスした姿勢で演奏する方と実に様々。体の動きや姿勢に着目してみるのも興味深いかと思います。 

 

▼演奏中の表情が豊かで、時折前かがみになって演奏するピアニストの例

 

ポイント③ アンコール

 

アンコールは「演奏の素晴らしさを称えるとともに、さらに何かを演奏することを促すコール」のことです。

クラシックコンサートでは観客が「アンコール!アンコール!」と叫ぶことはありません。しかし、プログラムに書かれた曲目を全て演奏し終え、お客さんへのあいさつを済ませた後に「アンコール」のコーナーが必ず設けられます

これはオーケストラのコンサートでもピアニストやヴァイオリニストなどのコンサートでも変わりません。

 

この「アンコール」では、その奏者が自分の技術をアピールするために、とっておきの曲を数曲演奏してくれます。

どんな曲を演奏するかというのは事前に知らされることはないので、まさしくお楽しみです。演奏者によってはその時の気分で何を弾くかを決めるという人もいるようです。

ちなみに演奏されたか曲目は、終演後にロビーに貼り出されていたりします。曲名が気になった方はぜひともチェックしてみてください。

 

 

ポイント④ コンサートホール

 

コンサートホールにも注目です。

コンサートホールと一口に言ってもその姿というのは様々です。

音楽という芸術が生み出される場所であるため、外観・内装ともに、そのデザインというのは意匠を凝らしたものが多いのです。是非、到着したら観察してみてください。

 

▼東京文化会館:1961年にオープン。建築家である故・前川國男氏の代表作。巨大客船のような外観をしている。


photo by Wei-Te Wong

 

また、コンサートホールは席によって聴こえ方が異なります。その理由を知ると、コンサートホールは興味深いものだとわかるかと思います。

▼座る席によって生まれる楽しみ方の違い

席の位置 特徴
中央列の真ん中 最も音がよく聴こえるように作られていることが多く、最も良い席とされている。チケット代も高い。
最前列 ステージの高さより頭が低い位置にあるため、音が頭の上を抜けてしまう場合もある。指揮者の表情や演奏者の息遣いなどを感じることができる。
左側の席 ピアノリサイタルにおいて「ピアニストの演奏している手を見たい」という理由で左側に座る方もいる。
後方の席 チケット代が安く設定されている場合が多い。会場全体を見渡せて、お客さんの熱気も感じることができる。

 

【編集部コラム②】『サントリーホール』紹介

サントリーホールは「世界一美しい響き」をコンセプトに設計され、1986年にオープンしました。日本で初のヴィンヤード形式(客席が「ぶとう畑」のように段々畑のような形に分割されている)を導入しました。客席はヴィンヤード形式にちなんで「ぶどう柄」のデザインが施されています。座る時にデザインに注目してみてください。

国内外のアーティストに高い評価を誇るサントリーホール。イスや壁面には、ウイスキー樽に使用される「オーク材」という木を使用しています。高級感漂う内装、そして暖かみのある響きが特徴の会場になっています。

一際目を引くのがホールの正面で輝きを放つ巨大なパイプオルガン。

▼写真中央上にあるのが、パイプオルガン


photo by takaaki nishioka Some rights reserved

パイプオルガンに使用されているパイプは5898本と、その数は世界でも最大級となっております。

また、ステージ上部あたりには「音響反射板」というものがあります。音響反射板があることで、ステージ上の響きを客席の方に反射することができます。サントリーホールの場合は音響反射板の高さを調整することができるため、最適な音響効果を得ることができます。

このようなホールの特徴を知って注目してみると、さらにクラシックコンサートを楽しめることができるでしょう。

 

【編集部コラム③】東京オペラシティーコンサートホール紹介
東京オペラシティコンサートールは1997年9月にオープンしました。天窓から自然光が溢れており、温かく心が落ち着く空間が提供されています。

当Webon筆者めーぷる様によれば「東京オペラシティホールでは、天井が三角形になっており、それによって音が点から降ってくるような不思議な感覚を楽しむことができます」とのことです。コンサートホールによる音の違いを是非、感じてみてください。


 

ポイント⑤ オーケストラの独特な拍手

 

最後に、クラシックコンサートで見かけるちょっと変わった光景を紹介します。

オーケストラのコンサートでは、指揮者やコンサートマスターが登場する時は、お客さんとオーケストラの団員の方が拍手で迎えるのが慣例となっています。

【編集部コラム④】コンサートマスターについて
コンサートマスターは、客席から見て指揮者の左側に座るヴァイオリン奏者であり、指揮者とオーケストラの橋渡し的な存在です。

コンサートマスターは「オーケストラの代表」的な役割を担います。なぜ、ヴァイオリン奏者の方がそのような役割を担っているのでしょうか。

それは、ヴァイオリン奏者が演奏者全員から見えやすく合図をしやすい位置にいることがひとつの理由です。また、かつて指揮者がいなかった時代に指揮役を兼ねていたのがヴァイオリン奏者だったことの名残りからなのではないかと言われています。

ちなみに、演奏前にはコンサートマスターがリードして、オーケストラは楽器のチューニングを行います。コンサートマスターが席に座るとチューニングが終了します。このチューニングをしている姿もコンサートの見所のひとつだと言われています。是非、注目してみてください。

 

指揮者とコンサートマスターが登場し拍手で迎える時には、団員の方にも注目してみましょう。観客が拍手をすると同時に、手の代わりに足をバタバタさせて拍手の代わりにしている団員もいるはずです。

これは、楽器を持っているために手がふさがっているために、手の代わりに足を使って歓迎しているのです。初めて見る方には少々変わった光景かと思います。

 

さて、今回はクラシックコンサートにおける注目ポイントについてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

クラシックコンサートでは「生の音」を聞くことができるのも大きな魅力ですが、それ以外にも注目すべきポイントがいろいろとあるということが分かったのではないでしょうか。

 

さて、このページではコンサートの魅力のひとつとして『音が紡がれていく「まさにその時」に立ち会うことで感じられる空気感に立ち会える』ということを挙げましたが、これはバンドのライブにも言える魅力だと思います。

「クラシックコンサート」と「バンドのライブ」とは、同じ人前で音楽を演奏するものです。

次のページでは、両者の違いをお伝えします。それにより、クラシックコンサートの楽しみ方がさらにわかるかと思います。

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バス釣りのコツ④ 【プレッシャー】

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バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

バス釣り初心者入門はこちらから!

著者:お魚店長

バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから

 

『バス釣り初心者入門』目次へ  (全15ページ)

 

この第4章では、これから始められる方や、まだブラックバスを1度も釣ったことがない方のために、釣るために押さえておきたい4つのコツ「季節・天候・時間」「ルアーの使い分け」「根掛かり」「プレッシャー」を4ページにわたって解説します。

前のページでは「根掛かり」についてでしたが、このページでは最後に「プレッシャー」について解説します。

 

プレッシャーとは

 

ブラックバスという魚は「こんなルアーにも食いついてくるの?」というくらい好奇心旺盛な一面がある一方で、少しでも物音を立てるとすぐに物陰に隠れてしまうほど臆病で警戒心の強い魚です。

1つの釣り場に数多くの釣り人が集中するバスフィッシングでは、あちらこちらでルアーが水面上を行き交い、それだけで魚に与える心理的影響は計り知れないものがあるでしょう。

このように、常に何らかの物理的・外的要因が原因で、過度に魚にストレスを与えてしまうことを「プレッシャー」と言います。

 

プレッシャーを与えると、魚のルアーに対する反応が急激に悪くなったりします。

ブラックバスは非常に警戒心の強い魚なので、うまく釣るにはこの魚に掛かる「プレッシャー」を常に考えて行動する必要があります。

プレッシャーを考慮に入れた上で、どうやったらブラックバスを釣ることができるのでしょうか。

やはり基本はプレッシャーのかからない、または少ないポイントを攻めていく以外に方法はないと思います。

 

プレッシャーがかからないポイント

 

小さな釣り場なんかですと、釣り人が数メートル間隔でルアーを投げている為、それだけ魚に与える人的プレッシャーも大きくなり、自然と釣れにくくなってしまうことがよくあるのです。

このようなプレッシャーの高い日本の釣り場で、ブラックバスを釣ることについてはバスプロ(バス釣りのプロ)でさえ思い悩むところではあるかと思います。

ただ、プレッシャーの少ないところは確かに存在するのです。

 

他の釣り人が少ないポイントというのは「あまり知られていない未知なるポイント」であったり「ルアーを極端に投げにくい場所」であったりして人が入る機会が少ない場所です。

そういったところには、プレッシャーが低くてスレていない(ルアーによく反応する)魚が多くいる傾向があります。このような場所は、どんなルアーを投げても比較的よく反応し釣れてくれるので、初心者にはとっておきの場所と言えるでしょう。

ちなみに、他の釣り人が少ないポイントは、歩いて探したり車で移動して探したりします。

 

平日や早朝の方が釣れる確率が高い

 

また、釣り人の少ない平日、早朝や夕方といったフィーディングタイム(=魚が食事する時間帯)は、人も少ないため魚へのプレッシャーが少ないです。

その上、ブラックバスが果敢にエサを追う時間帯であるため、日中に釣りをするよりは、はるかに釣れる確率が高くなります。

「早起きは三文の徳」と言いますが、朝早くにフィールドを訪れ、すがすがしい空気に包まれながらの釣りはとても気持ちのいいものです!

加えて初めてのブラックバスが早朝から釣れてしまったとしたら「今日はいったい、何匹釣れるのだろう?」と心の底から喜んで疑問に思うことでしょう。

特に魚の活性が高い夏場の早朝などに限っては、トップウォータールアー(=水面で動かして使うルアー)などで水面で食わせるダイナミックな釣りを満喫できるのでおすすめです。

 

以上のような考え方を参考に、是非プレッシャーの低いブラックバスを狙ってみてください!

 

まとめ

 

最後にブラックバスは、どのようなシチュエーションが1番釣りやすいのかをまとめて締めたいと思います。

 

▼一番釣れやすいシュチェーション

①いつが1番釣りやすいの?→6~9月くらいの夏の時期の
②釣れる天候は?→曇りか雨の日の
③時間は?→フィーディングタイムである早朝か夕方に
④どんなルアーで?→ソフトルアー若しくはハードルアーで
⑤どんなふうに?→根掛かりを駆使しながら
⑥どんな場所で?→プレッシャーが少なく釣り人の居ないところで
⑦どんなことをしながら?→時にはスピナーベイトを投げながら

釣るのが1番良く釣れるのではないかと思います。

 

かなりアバウトですが、このタイミングをヒントに、ご自身の「最も釣れる」と確信できる秘密の場所を見つけてみてください。

最後になりますが、バスアングラーの聖地と言われる、関東を代表するビッグレイク「霞ケ浦(茨城県)」では、毎年様々な大会が開かれています。

▼霞ケ浦

 

そのため多くの釣り人がこの湖を訪れますが、それでも広大なフィールドのかいあってか、ここのブラックバスは比較的簡単に釣りあげることが可能です。

まだ「1度も釣ったことがない」という方は、是非この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

1人でも多くの方がバス釣りという世界を知り、日本中にプロスポーツとして知れ渡るのを切に願います。

 

『バス釣り初心者入門』目次へ  (全15ページ)

 

 

バス釣りのコツ③ 【根掛かり】

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バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

バス釣り初心者入門はこちらから!

著者:お魚店長

バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから

 

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この第4章では、これからバス釣りを始められる方や、まだブラックバスを1度も釣ったことがない方のために、釣るために押さえておきたい4つのコツ「季節・天候・時間」「ルアーの使い分け」「根掛かり」「プレッシャー」を4ページにわたって解説します。

前のページは「ルアーの使い分け」についてでしたが、このページでは「根掛かり」について解説します。

根掛かりはピンチではなく、実はチャンスなのです!

 

根掛かりとは

 

根掛かり(ねがかり)とは、釣り針やルアーが水中にある障害物に引っかかってしまうことを言います。

障害物の中でも最も多いのは水草・藻などの水生植物だと思います。あとは沈下物のタイヤや自転車・靴・傘といった人工的に遺棄されたもの、岩や枯れ木・倒木など様々…。

根掛かりは頻繁に起きます。また、根掛かりかと思ったら魚が食いついていることがあったりします。その辺りの感覚は実際にバス釣りをやってみないとわからない点です。

 

筆者が今まで、根掛かりが原因で釣り上げてしまったものの中には、ミッキーマウスのぬいぐるみなんてものもありましたよ!

▼ミッキーマウスのぬいぐるみ

 

「外そうとして釣り竿を動かすとより障害物にフックが刺さってしまって抜けない」なんてこともある根掛かり。一見ピンチに思える根掛かりですが、最大のチャンスとも言えるのです!

何を隠そう、ミッキーマウスのぬいぐるみですら、ブラックバスにとっては居心地のいい障害物になる時があるんですね。

 

根掛かりはチャンス

 

根掛かりを最大限に活かすのもバス釣りの大事なポイントです。

ルアーをキャスト(=目標を目掛けてルアーを放つこと)し手元に回収するまでは、水中にある瓦礫や水草といった障害物に引っかかるトラブルを回避することが必要となります。

しかし、実はこのタイミングの多くが魚を釣る為のチャンスであり、きっかけであったりもします。

先にも述べましたが、ブラックバスという魚は障害物の周りに潜んでいることが多く、そこへルアー等の何らかの生命感溢れる物体が近づくと、異常に興味を示す習性があります。

「根掛かりを外している最中のルアーの動作」というのもまた、障害物周りにいる魚の好奇心を刺激するものであり、時としてアタリに結びつく最大のチャンスであったりするのです。

 

 

アタリの現れ方

 

ここまで「根掛かりは魚を釣るチャンス」とお伝えしてきましたが、実際にどんな風にアタリとして現れるのでしょうか?

その多くは、ルアーが根などに引っかかって外そうとしている最中に突如として現れます。

ライン(糸)をピンと張ったり、緩めたりして竿先を動かし、様々なアクションを繰り出していると急に「ガツン」というアタリが手元に来たり「コツッ」という小さな違和感があったりと明らかに生命感っぽい何かが感じ取れます。

 

これが魚からの「魚信(ぎょしん)」というもので、このような違和感を感じたら、すぐに今まで行っていた動作を止めてしばらく様子を見てみましょう。

食い気のある魚ですと、そのままルアーを咥えて竿先ごと持って行ってしまう(=竿が引き込まれる)事が多いです。

ポイントは、アタリ後5~10秒ほど放置するのが重要です。

 

アタリがない時

 

「根掛かりなどで引っかかったら必ずしもアタリが来る」という訳ではありません。アタリがない場合は、またルアーを回収し新しいポイントへ再度キャストしなおしてください。

根掛かりは頻繁に起こり、根掛かりするところにバスがいついています。

そのため、この一連の動作である「キャスト」→「引っかかる」→「根掛かりを外すためにルアーを動かす」→「またキャストしなおす」という繰り返しが、ブラックバスに近づくための最大の手段と言えます。

 

「根掛かりを早くはずしてすぐにキャストしなおしたい!」とはやる気持ちもありますが「引っかかるポイントに魚は居る!」という事を強く意識し、キャストし続けて下さい。

逆に根がかりせず、水中の地形の変化(地形の変化:障害物があったり底に段差があったりすること)が感じられない場所というのは、魚が居る可能性は低いです。

そのようなポイントは、早めに見切りを付けて新しい場所を探す様にしましょう!

 

根掛かりの外し方

 

根掛かりしてしまうと、実に「イラッ」ときてしまい、無理にルアーを外そうとして竿を思い切りバタバタと動かしてしまう方を多く見かけるのですが、これはあまり得策とは言えません。

引っかかった場所の近くにもしも魚が居た場合、この様な激しい動作をしてしまうとせっかくの魚が逃げてしまい、みすみすチャンスを逃してしまうことになりかねません。

 

万が一根掛かりをしてしまった場合は、竿先でチョンチョンと持ち上げ、ルアーをほぐす様に優しく外してあげると、案外すぐに外れたりします。

さらに軽く外してあげることにより、外れた瞬間のバイト(アタリ)も期待できます。ブラックバスは、不規則なルアーの動きに弱く、思わず食いついてしまう事が多々あるのです。

根掛かりを逆にチャンスに変えることができれば、どんどん釣れるようになると思いますよ!

 

次のページでは「プレッシャー」について解説いたします。魚にプレッシャーがかかってしまうと、警戒心が強くなってなかなか釣れなくなってしまいます。プレッシャーの低いバスの狙い方を知れば、より釣りやすくなることでしょう。

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クラシックコンサートの選び方 【鑑賞方法①】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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ここまではクラシックコンサートの「楽しみ方」「種類」についてお伝えしてきましたが、この第3章では「鑑賞方法」について5ページにわたって解説いたします。

ただ最初は「鑑賞したい」と思ってネットで調べても「演奏家が誰だかよくわからないし、曲目を見ても知らない曲ばかりだ……。」とピンと来ない方が多いかもしれません。

そこでこのページでは、コンサートの選び方について解説します。きっと皆さんに合ったコンサートが見つかることでしょう。

 

行きたいコンサートの選び方

 

まずコンサートを選ぶ上で、なんとなく自分が行きたいコンサートというのをイメージしましょう。

といっても「初心者だからわかるわけない!」と思う部分もあるかもしれません。ただ、本当に漠然とでいいのです。

例えば「ピアノが聴きたい!」だとか「よくわかんないけど、とりあえず有名人の演奏を聴いてみたい!」「お金ないから、安くてそこそこのコンサートないかなあ……?」といったような感じで構いません。

それだけでもだいぶ候補を絞ることができるはずです。「なんとなく」というレヴェルで全く構わないので、まずはここから始めてみましょう。

 

▼選び方一覧

重視したいこと 特徴
チケットの安さ チケット代が安い。演奏家のモチベーションが非常に高いことが多く、案外クオリティーの高い演奏を聴くことができる。
とにかく有名な人の演奏が聴きたい チケット代は高い。世界トップレヴェルの演奏を聴くことができる。
コンサートの種類から比較して選びたい 「ガラコンサート」「野外コンサート」「アニメ・映画」など種類は様々なものがあり、自分の興味関心に合ったコンサートを楽しむことができる。

 

1 チケットの安さで選ぶ

 

初めてなので満足できるかわからないし、まずはチケットが安いコンサートからはじめてみたい方もいらっしゃることでしょう。

そんな方には、駆け出しの演奏家による個人リサイタルがおすすめです。

個人リサイタルとは、オーケストラと違い基本的には1人の演奏家によって行われます。

 

 

駆け出しの演奏家はとにかくたくさんのお客さんに集まってもらう必要があるため、チケットも安いことが多いのです。

第2章のこちらのページでもお伝えしましたが、個人リサイタルの場合演奏家のモチベーションが非常に高いことが多く、案外クオリティーの高い演奏を聴くことができるということも少なくありません。

チケットの探し方は、規模が大きくないものがほとんどなので、お住まい周辺のホール、市役所などに置いてあるコンサートに関するパンフレットを探すのがよいでしょう。

 

▼市役所に置いてあるパンフレットの例

 

個人リサイタルの解説は第2章(現在、第3章)にて!

 

2 著名な演奏家で選ぶ

 

駆け出しの演奏家の方ではなくて、とにかく有名な方の演奏が聴きたいという方もいるかと思います、

そもそもクラシック音楽初心者の場合「著名な演奏家」と言われても誰がいるか分からないことが多いのではないでしょうか。

そのような場合、まずネットで「ピアニスト 来日」「クラシック 来日予定」などで検索するのが手っ取り早いでしょう。

 

 

そうすると、著名な演奏家の来日予定が出てくるはずです。

そこに名前が出てくる演奏家というのは世界レヴェルで活躍している音楽家がほとんどでしょう。

その中から地理的・日程的に都合が良いものを選ぶことによって、あまり演奏家についてご存知でないという方でも簡単に世界トップレヴェルの演奏会を探すことができるでしょう。

 

▼著名な演奏家の例

名前 役割 備考
パーヴォ・ヤルヴィ 指揮者 1962年エストニア生まれ男性。世界で最も活躍している指揮者の一人に数えられる。グラミー賞を受賞。
ボリス・ベレゾフスキー ピアノ 1969年旧ソ連モスクワ生まれ男性。チャイコフスキー・コンクールにて優勝。来日頻度も高い。
ラン・ラン ピアノ 1928年中国生まれ男性。アメリカの雑誌「タイム」の「世界で最も影響力のある100人」に選出される。
イザベル・ファウスト ヴァイオリン 1972年ドイツ生まれ女性。世界有数の実力派ヴィア庵にスト。レオポルト・モーツァルト国際コンクール第1位
ヒラリー・ハーン ヴァイオリン 1979年アメリカ生まれ女性。3度グラミー賞を受賞するる。

 

より楽しむために

 

お近くのホールや市役所にいくと、クラシックコンサートのパンフレットが置いてあることが少なくないです。そのパンフレットなどの宣伝にはたいてい曲目だけでなく、演奏者のプロフィールも記載されていることが多いです。

このプロフィールも、コンサートを選ぶ際には注目してみるとよいでしょう。

「コンクールでの受賞歴」「経歴」などが記載されているため、その演奏者がどのような人なのかを知る手がかりを得ることができます。

「海外で音楽を学んでいる方」「国際コンクールと名の付くもので入賞している方」はかなりの実力の持ち主であると言えるでしょう。

 

▼プロフィールのイメージ

【編集部コラム】プロフィールの見方
プロフィールを見てみると「○○大学首席」と記載されていることが多いです。「トップで卒業している人が多いのだなー」と思うかもしれませんが、これは必ずしもトップの成績を取ったという訳ではなく、実技が優秀だった場合は全員を首席とする大学もあるそうです。

また「○○を師事」というのもよく記載されております。これは幼い頃からレッスンをしてくれた先生など、一定の期間指導していたいだいた先生の名前を書くのが一般的だそうです。ただ、何回かレッスンを受けただけでも敬意を表して記載することもあるそうです。

プロフィールを見た時には、是非注目してみたください。

 

また、最近ではSNSを通じて営業している音楽家も徐々に増えています。その演奏者のSNSを確認することで、その演奏者の人柄を知るのも有効な方法です。

SNSは演奏者の名前で検索してみると見つかるかと思います。パンフレットなどに記載されていて気になった演奏家の方の名前で検索してみるのもよいでしょう。

演奏者に対して興味を持つことができれば、自然とその人の演奏を聴きたくなるのではないでしょうか。

▼演奏家の方のSNSの例

3 コンサートの種類で選ぶ

 

クラシックコンサートには様々な種類のコンサートがあります。「個人リサイタル」「ガラコンサート」「交響楽団のコンサート」「野外コンサート」「アニメ・映画のコンサート」などなど。

これらの特徴を比較して、興味を持ったクラシックコンサートに足を運ぶのもよいでしょう。

 

▼クラシックコンサートの種類一覧

種類 特徴 チケット参考価格
個人リサイタル ・もっともよく見かける。演奏者自身がプロデュース
・演奏者のモチベーションが高く質の高い演奏を期待できる
・手軽さが魅力
1000円~
ガラコンサート ・コンクールの上位入賞者だけを招待して開催されるためレベルが高い
・実力者の演奏をたくさん聴ける
『ピティナ宝塚支部がお贈りする音楽の祭典 夢のガラコンサート』5000円
交響楽団によるコンサート ・オーケストラのコンサート
・定期演奏会に繰り返し足を運ぶだけで多くの曲について知ることができる
「NHK交響楽団の定期公演」2019年1月11日:自由一般1500円、S 一般8800円
野外コンサート ・野外のと特設ステージで演奏を行う 『イープラス presents STAND UP! CLASSIC FESTIVAL 2018』1日券スタンディング9800円
アニメ・映画 ・「けものフレンズ」「スターウォーズ」の音楽をクラシックアレンジしたコンサート。シネマコンサートでは、名作映画を生演奏付きで楽しめる 『けものフレンズ×東京フィルハーモニー交響楽団「もりのおんがくかい」』:A席6480円、S席8640円

 

コンサート情報入手方法

 

自分に合ったクラシックコンサートを選ぶには、どこでいつコンサートをやっているのか知る必要があるでしょう。下記に、コンサート情報の入手方法を記載いたします。

「自分の興味により合ったものが観たい」「家から近い方がいい」など、自分の重視することに合わせて情報を入手してみてください。

 

入手経路 重視すること 入手方法
チケットサービス ・自分の興味に合っている 「チケットぴあ」「イープラス」などのチケットサービスで探す。
参考:チケットぴあ
交響楽団などのホームページ ・近所がいい 各楽団のホームページの多くには、コンサート情報が記載されています。
参考:東京交響楽団公式HP
コンサートホールのホームページ ・近所がいい 「サントリーホール」「東京文化会館」などの日本の主要なコンサートホールのホームページには公演スケジュールが記載されています。
参考:サントリーホール
市役所 ・近所がいい お近くの市役所には、その地域で開催されるコンサートのチラシなどが置いてある場合があります。
SNS ・自分の興味に合っている
・人重視
アーティストや音楽事務所のfacebookやtwitterで、公演情報を発信していることがあります。
コンサートに行った時にもらうチラシ ・自分の興味に合っている コンサートに足を運ぶと、入り口で大量のチラシをもらうかと思います。出演アーティストが出ているコンサートだったり、その公演と近い系統の情報が多く手に入ります。

 

さて、今回はクラシックコンサートを選び方についてお伝えしてきました。

実際に観たい公演が決まったら、続いては事前準備について知っておく必要があるでしょう。事前準備をしておけば、よりクラシックコンサートを楽しむことができるのです。

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クラシックコンサートの事前準備 【鑑賞方法②】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

『クラシックコンサート初心者入門』目次へ  (全13ページ)

 

楽天チケット

 

この章では5ページにわたって鑑賞方法について解説しています。

前ページでは「クラシックコンサートの選び方」についてお伝えしました。

クラシックコンサートは事前準備することによって、より楽しむことができるようになります。このページでは、そんな「事前準備」について解説します。

 

4つの事前準備

 

クラシックコンサートをより楽しむためにしておいた方がよい4つの事前準備があります。4つの事前準備についてこのページで詳しく解説します。

 

▼事前準備一覧

準備 ポイント
① 曲目を知る パンフレットやHPで曲のプログラムが記載。曲の背景を知ることで聴こえ方が変わる。
② 作曲家を知る 作曲家がどんな人か知ることで、曲のイメージを掴むことができる。エピソードに注目するとより楽しめる。
③ 演奏者のプロフィールに注目 演奏者や楽団の活動、受賞歴などを知るとコンサートに対するモチベーションが上がる。
④ Youtubeで聴く ながらでもいいので聴いておく。実際に聴いた曲をコンサートで聴くと、嬉しい気持ちになる人も多い。

 

① 曲の背景を知る

 

クラシックコンサートのパンフレットは、見てすぐにわかるように演奏される曲のプログラムが記載されていることでしょう。

まずはその曲目について自分で少し調べてみるとよいです。

その曲がどのような背景を持っているのかということについて知ることで、きっと曲の聴こえ方が変わってくるはずです。背景を知れば、コンサート中の演奏を聴きつつ、頭の中でその曲の具体的なイメージを描くことができるようになることでしょう。

 

プログラム入手方法
パンフレットに限らず、ホームページなどでも曲目を確認することができます。曲目が載っているホームページの例⇒群馬交響楽団HP

 

曲の背景については別Webon「クラシック初心者入門」で解説しております!

 

② 作曲家を知る

 

クラシックコンサートのプログラムに記載された曲について知ることができたら、それらの曲の作曲家についても調べてみるとよいでしょう。

その作曲家はどのようなジャンル(古典派、ロマン派、近現代など)の曲を残しているのか、どの年代に生きていた人なのか、どのような性格だったのか、どのような生活をしていたのか……と調べてみると、どのような人がその曲を書いたのかをイメージすることができるでしょう。

クラシック音楽の作曲家というのは個性豊かな人が多く、とんでもエピソードを持っている作曲家というのも少なくありません。

そういったエピソードにも注目してみると、より楽しめるかと思います。

 

▼個性豊かなクラシックの作曲家の例

作曲家 エピソード
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
【詳しい解説は別Webon
幼いころから音楽の才能を如何なく発揮し、国王の前で演奏会を行うなど早くからその名声を手にした。5歳の時に初めての作品を制作する。
フレデリック・フランソワ・ショパン
【詳しい解説は別Webon
8歳でコンサートを開く。自然に触れ合うことを好んで、そこで育まれた豊かな感性を活かして、響きの美しさというものを追求した作曲家。ピアノ詩人と呼ばれる。
フランツ・リスト
【詳しい解説は別Webon
10歳の頃にはすでに自分でコンサートを開き、10代でベートーヴェンから絶賛。ファンが「リストの入った浴槽に入っていた水ですら欲しがった」などたくさんの伝説が残されている。
セルゲイ・ラフマニノフ
【詳しい解説は別Webon
手が大きいうえ柔軟性も極めて高かったため、ドから1オクターブ上のソまで(約37センチ)届いたという伝説の持ち主。生前は評価が大きく二分され、死後評価された作品も多い。

 

③ 演奏者のプロフィールに注目

 

コンサートのプログラムに記載されている曲とその作曲家について調べたら、今度は演奏者(楽団)のプロフィールについても見てみましょう。

その演奏者(楽団)が普段どのような活動をしているかを知ることができるはずです。

オーケストラであれば、世界中を飛び回っているような楽団もあれば、定期演奏会を中心に活動している楽団もあるはずです。

また、ピアニストなどの場合は、今までのコンクールの受賞歴やどこの国の人に指導を受けてきたのか、などの経歴も記載されているはずです。

 

▼プロフィールのイメージ

プロフィールの見方についてはひとつ前のページで詳しく解説!

 

実際の演奏者のプロフィールについて知ることで、自然と演奏者に対して親しみも湧き、コンサートに対するモチベーションも上がってくるかと思います。

 

▼定期演奏を行なっている交響楽団。公式サイトにプロフィール記載。

楽団名 特徴 ホール
札幌交響楽団
公式サイト
北海道唯一のプロオーケストラ。透明感あるサウンドとパワフルな表現が特徴。 札幌コンサートホールKitara
仙台フィルハーモニー管弦楽団
公式サイト
毎年開催される「サマーフェスティバル」は夏の風物詩となっている。 日立システムズホール仙台コンサートホール
山形交響楽団
公式サイト
オーケストラの自主レーベルとしては日本初となるCDレーベル『YSO live』を立ち上げる。 山形テルサ
群馬交響楽団
公式サイト
1955年には同楽団を制作された映画「ここに泉あり」が公開された。 群馬音楽センター
NHK交響楽団
公式サイト
日本を代表するオーケストラ。 NHKホール/サントリーホール
日本フィルハーモニー交響楽団
公式サイト
1962年には世界初のシベリウス交響曲全集(渡邉曉雄指揮)を録音。世界的指揮者も相次いで客演。 サントリーホール
名古屋フィルハーモニー交響楽団
公式サイト
中部・東海を代表するオーケストラ。 愛知県芸術劇場コンサートホール
九州交響楽団
公式サイト
福岡県を中心に九州各地で年間約130回の演奏活動を行っている。 アクロス福岡シンフォニーホール

 

また、最近ではSNSを通じて活動状況を発信している演奏者(楽団)も少なくありません。したがって、SNSのアカウントがないか調べてみるのもおすすめです。

ステージの上では見ることのできない姿を見ることができるかもしれません。

 

楽団や演奏者のSNSを見つける方法!
パンフレットに書いてある楽団の名前をTwitterで検索してみましょう。そうすると、簡単に楽団を発見することができます。出演者の方の名前を入力してみても、案外ヒットするので試しに検索してみるのもよいと思います。

▼楽団のSNSの例

 

④ YouTubeで聴く

 

Youtubeでどのような曲なのか実際に聴いてみるのもよいでしょう。Youtubeだと無料で手軽に聴けるのでおすすめなのです。

別に深く考えながら聴かなくても「ながら」で聴くだけでも全然構いません。実際に聴いた記憶がある曲をコンサートで耳にすると、不思議と嬉しい気持ちになるという人も多いです。

きっとより興味を持ってコンサートでの演奏を楽しむことができるかと思います。

 

▼筆者おすすめYoutubeチャンネル

 

【編集部コラム】クラシックコンサートで最もよい席は?

クラシックの事前準備として行うべきなのが「チケットの購入」であり、その際の席選びは重要なのです。

クラシックコンサートで最も良い席は、中央列の真ん中に近いところと言われています。ホールによって異なるものの、最も音がよく聴こえるように作られていることが多いため、最も良い席とされているのです。

「では他の席はだめなのか」というと、そうではなく違った楽しみ方ができるのです。

最前列ですと、会場にもよりますがステージの高さよりも客席が低い位置にあるため、音が頭の上を抜けてしまうと言われています。ただし、指揮者の表情や演奏者の息遣いなど、CDではなかなかできない楽しみ方をすることができます。

また、ピアノリサイタルにおいて「ピアニストの演奏している手を見たい」という理由で左側に座る方もいるそうです。

 

「良い席」とされている中央列の真ん中あたりは、チケット代が高く設定されているケースが多いようです。一方で座席後方はチケットが安く設定されている場合が多いようです。後方の座席だからと言って、音が悪いという訳ではなくバランスよく音が聴こえる場合もあるそう。後方の座席は会場全体を見渡せる席なので、演奏者だけでなくお客さんの熱気なども感じることができるでしょう。

 

中央列の真ん中などの良い席は高いので「とりあえず安い値段で観てみたい!」など自分の目的に合わせて、お気に入りの席を選んでみてはいかがでしょうか。

 

さて、事前準備については以上になります。

コンサート当日に知っておけばより楽しむことができる知識については、第1章の以下のページで解説しておりますので、こちらも事前にチェックしておくとよいでしょう。

 

このページでは、クラシックコンサートをより楽しむための4つの事前準備についてお伝えしました。事前準備をして臨めば、よりコンサートを堪能することができるはずです。ぜひ参考になさってください。

次のページでは会場での「マナー」についてお伝えします。複雑なマナーなどはありませんので、クラシックコンサートの敷居は高いというイメージを払拭していただければと思います。

『クラシックコンサート初心者入門』目次へ  (全13ページ)

 

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