はじめに ~クラシックコンサートの敷居は高くない~

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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クラシックコンサートの敷居は高くない


photo by Antonio Castagna

 

「皆様はクラシック音楽のコンサートに行ったことがありますか?」「普段から定期的に足を運んでいる方はいらっしゃいますか?」

このような質問をすると私の経験上多くの人から「クラシック音楽のコンサートは行かないなあ……。」という回答が返ってきます。

クラシック音楽のコンサートが大好きな私からすると大変心苦しいのですが、これが現状です。

しかも、クラシック音楽に親しみがないなら、コンサートに行かないのも理解できるところですが「クラシック音楽は聴くけれども、わざわざコンサートにまで足を運ぶ気にはならない」という人も一定数いるのです。

 

おそらく足を運ぶ気にならないのは「クラシックコンサートの敷居が高い」と考えているのが要因だと私は思っております。

しかし、クラシックコンサートは決して敷居の高いイベントではなく、クラシック初心者の方も楽しむことができるのです。クラシックが好きならば是非、会場に足を運んでコンサートならではの楽しみを知っていただきたいのです。

このWebonでは、クラシックのコンサートの魅力、選び方、楽しみ方、鑑賞方法などについて詳しくご説明いたしします。

きっと。敷居が高いように感じていたクラシックコンサートのイメージが代わり、さらに魅力を知ることで「ぜひ行ってみたいな」と感じることができるはずです。

 

【編集部コラム】クラシック音楽は難しくない!身近にあるクラシック!
そもそも「クラシック音楽」自体が敷居が高いと思っている方もいるかと思います。ただ、クラシック音楽は生活のあらゆるシーンで耳にする身近な音楽なのです。

ショパンの「バラード1番」は平昌オリンピックで、フィギュアスケートの羽生結弦選手が使用しておりました。

▼ショパン「バラード1番」

バッハ「トッカータとフーガ」は、テレビ番組などで何かで失敗したシーンに流れるBGMです。

▼バッハ「トッカータとフーガ」

チャイコフスキーの「くるみ割り人形」はとても有名なので、誰しも一度は聴いたことがあると思います。

▼チャイコフスキー「くるみ割り人形」

以上のように、クラシックは日常生活で耳にすることのある身近な存在です。より詳しくクラシックについて知りたい方は、このWebonと同じ著者のめーぷる氏が手掛ける「クラシック音楽初心者入門」をご覧くださいませ。

 

私の想い

 

私は現在、国立大学の医学部に通っていますが、以前はプロのピアニストを目指していました。

私は幼少期からピアノとヴァイオリンを習っていました。小学生の頃くらいには将来プロの音楽家になることを意識し始め、一生懸命に打ち込んできました。

高校3年生の夏頃までずっと、プロのピアニストを目指して練習に励み、実績を積むために数多くのコンクールに出場しました。

 

しかし、その後私は進路について悩みます。音楽の世界は華やかである反面、生活できるレヴェルまで到達するのは難しく、きわめてシビアな世界であるということに気づいたのです。そして、受験の道を選び大学生になりました。

結果的にプロにはならなかったとはいえ、長年クラシック音楽に関わってきたからこそ、お伝えしたいことがたくさんあるのです。やはりそれも、私が現在もクラシック音楽を愛してやまないからなのでしょう。

クラシック音楽の初心者の方に、私の学んできたことを少しでも皆様に還元することができれば幸いです。そして、クラシック音楽が皆さんにとってより身近な存在になることを願っています。

 

さて、次のページではクラシックコンサートの楽しみ方についてお伝えします。初心者の方も。きっと興味がわいて実際に足を運びたくなることでしょう!

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クラシックコンサートの終演後 【鑑賞方法④】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

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国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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この第3章では鑑賞方法について5ページにわたって解説しております。このページはその4ページ目です。ここではコンサート鑑賞の「終演後」について解説をしていきます。

クラシックコンサートは、実はコンサートが終わってからも楽しむことができるのです。事前に終演後の4つ楽しみ方を知って、よりコンサート鑑賞を充実したものにしましょう。

 

① グッズ

 

有名アーティストのライブ会場に行くと、そのアーティストの写真入りのうちわなど、そのアーティストにちなんだ、ありとあらゆるグッズが販売されていることがあるでしょう。

例えばジャニーズなどもその一つです。

▼ジャニーズのアイドル「嵐」のうちわの例

クラシックコンサートの会場でも同じように演奏者にちなんだグッズが売っていることがあります。

さすがにうちわは売っていませんが、その演奏者の出しているCD、写真入りのクリアファイルなどのグッズが売られていることがあります。

その品揃えは演奏者の知名度によるところも大きいのですが、世界的に有名な演奏家であると、グッズを買い求める人で列ができることも少なくありません。

 

 

ここでしか手に入らないグッズも少なくないために、コアなファンは「その機会を逃したくない」ということなのでしょう。

実際、私が通っていたピアノ教室の生徒の中にも、コンサートを通して手に入れた著名な演奏家の写真とサイン入りのクリアファイルの中に楽譜のコピーを入れて持ち歩いている方がいました。

演奏家を目指して練習に励む人にとってはモチベーションにもなり得るようです。

 

② サイン会

 

演奏家によってはコンサート後にサイン会を開く方もいらっしゃいます。

特に駆け出しの演奏家の場合は自分の知名度を上げることが非常に重要になってきますので、サイン会を開く方も多いようです。

したがって、コンサートに行かれる際はサイン会が開かれる場合に備えて色紙とペンも持参しておくとよいでしょう。

 

【編集部コラム】サイン会の例
「世界まるごとクラシック 2018」では終演後には作曲家青島広志氏のサイン会が開催されて、行列ができたそうです。


(引用元:http://www.sekai-marugoto.com/)

 

ちなみに昔は楽屋(=出演者の控室)まで出向いてサインをもらいに行く文化もあったようですが、現在では楽屋のセキュリティ上、警備員に呼び止められてしまうことも少なくありません。

そうでなくとも、決して好ましいと言える行動ではありませんので、避けたほうが無難でしょう。

 

③ アンコールの曲目

 

クラシックコンサートではプログラムに記載されている曲の演奏がすべて終わった後に、演奏家が自分の得意な曲を披露する「アンコール」があります。

ここで演奏された曲名がロビーなどに張り出されているはずです。気になる曲があったのであれば、ぜひチェックしてみるとよいでしょう。

 

④ 感想を言い合う

 

もしも誰かと一緒にコンサートを聴きに行った場合、その感想を突き合わせてみるのも有意義です。

「初心者だから、批評なんてできないよ……。」

そう思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、決して高度な内容でなくても、他の人の感想を聞いて、自分の感想と比べてみるというのは、新たな気付きをもたらしてくれることでしょう。

例えば「1楽章、なんかCDで聴いた時よりもゆっくりだったね。」とか「チェロの前に座っていたおじさん、すごく迫力があったよね。」といったような感想でも構いません。

 

 

きっと、感想を述べあっているうちに、お互いに注目しているポイントが異なっていることがわかるでしょう。ここがポイントなのです。

クラシックコンサートでは、ついつい「音楽を聴くことに夢中になって他のポイントにまで目が届かない」という状況に陥りがちです。

もちろん、聴くことも大切なのですが「演奏者の様子」など、コンサートだからこそ気づきを得るポイントもたくさんあるのです。

他の人の感想を聞いて「今回はそういう部分はあまり見てなかったなあ。次はそこにも注目してみよう。」と思うことができれば「コンサートを楽しむスキル」はぐんぐんアップしていくはずです。

 

さて、今回はクラシックコンサートが終わった後について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。ぜひ、これらのポイントにも留意して、思い出に残るコンサートにしましょう。

次のページではクラシックコンサートの「客層」についてお伝えします。どんなお客さんが来ているか知っておけば、よりコンサートに足を運びやすくなることでしょう。

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クラシックコンサートのコンクール

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

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前ページでは、クラシックコンサートの種類についてお伝えしましたが、このページでは「コンクール」について詳しく解説します。

コンクールとはクラシック音楽の演奏家を目指すにあたって避けて通ることのできない、いわば「競技会」のようなものです。コンクールを観に行くというのもクラシック音楽を楽しむ方法としておすすめです。

 

クラシック音楽のコンクールとは

 

クラシック音楽のコンクールと言うと、あまり馴染みがないという方も多いでしょう。

クラシック音楽のコンクールでは、ピアノやフルート・ヴァイオリンなどの各々の部門でその技量を競います。

特に中学生以上になると、コンクールの成果がその後の演奏家のキャリアに直結するため、コンクールに挑戦する方は皆必死です。

基本的には数名の審査員がそれぞれの演奏の出来に応じた点数をつけ、それらを統合した評価によって、順位を付ける、もしくは次のステージ(本選、全国大会など)に進む権利を与えるかどうかを決めるのが一般的です。

 

▼コンクールの様子

 

楽しみ方

 

一般的なコンクールだと、演奏から数時間後に結果が貼り出されます。

その結果を予想して自分でも採点してみると、より一層楽しく聴くことができるでしょう。必ずしも審査員が出した結果が一番正しいとは限りません。

初心者だからと遠慮することなく各演奏を自分の中で評価することによって、それぞれの違いにも、より注意深くなることができるはずです。

 

自由曲部門と課題曲部門

 

クラシック音楽のコンクールには「自由曲部門が設けられているコンクール」と「課題曲部門が設けられているコンクール」もしくは「両方が設けられているコンクール」があります。

自由曲部門というのは「基本的に制限時間が決められていて、演奏者がその制限時間を使って自分が自由に選んだ曲を演奏してアピールする形式」です。

一方、課題曲部門というのは「コンクールの運営側が指定した課題曲を演奏する形式」になります。

 

 

自由曲部門の魅力

 

自由曲部門の場合、演奏者が自由に曲を選ぶことができるため、演奏者によって曲目も異なってきます。

したがって、様々な曲を楽しみたいという方におすすめです。

自由曲部門の場合、特に高校生部門ではクラシックの名曲(ショパンなど)をプログラムにチョイスする人も多いです。したがって、自分が知っている曲が演奏されることもあるでしょう。

また、自分が知らない曲が演奏されても、多くの曲を聴くことができるために、クラシック音楽の曲を色々と知る機会にもなるでしょう。

 

部門 特徴 魅力
自由曲部門 自分が選んだ曲を演奏する 色んな曲が聴けるので、様々な曲を楽しみたい人におすすめ。

 

課題曲部門の魅力

 

課題曲部門の場合、演奏者はコンクールの運営側から指定された曲の中から選んで演奏します。したがって、複数の演奏者が同じ曲を弾くことになります。

このため、課題曲部門では演奏者によって、同じ曲でも表現の仕方がずいぶん違うことを実感することでしょう。

テンポ、間の取り方など演奏者によって特徴があるはずです。

こういった違いに敏感になることによって「クラシック音楽を聴く耳」がどんどん養われていくはずです。

 

部門 特徴 魅力
課題曲部門 運営側が指定した曲を演奏する 同じ曲が演奏されるので、表現の違いを感じられクラシック音楽を聴く「耳」が養われる。

 

▼代表的なコンクールPTNA(課題曲)の様子

 

▼特徴と魅力一覧

部門 特徴 魅力
自由曲部門 自分が選んだ曲を演奏する 色んな曲が聴けるので、様々な曲を楽しみたい人におすすめ。
課題曲部門 運営側が指定した曲を演奏する 同じ曲が演奏されるので、表現の違いを感じられクラシック音楽を聴く「耳」が養われる。

 

代表的なコンクール

 

日本で代表的なコンクールとしては

「PTNA(ピアノ)」

「日本クラシック音楽コンクール」

「全日本学生音楽コンクール」

が挙げられます。

 

代表的コンクール 特徴 自由曲or課題曲
PTNA(ピティナ) ピアノコンクールのみですが、レヴェルは日本クラシック音楽コンクールよりもやや高いです。YouTubeで演奏の模様を積極的に配信しています。 課題曲
日本クラシック音楽コンクール 各楽器部門に分かれています。全日本学生音楽コンクールの次に規模の大きいコンクールです。 自由曲
全日本学生音楽コンクール 学生コンクールの中ではレヴェルが一番高く、規模も最大級。決勝はテレビ中継されます。 課題曲/全国大会では自由曲演奏可能

▼チケット情報

PTNA(ホームページ) 開催時期5月下旬~8月下旬
日本クラシック音楽コンクール(ホームページ) 開催時期7月下旬~12月
全日本学生音楽コンクール(ホームページ) 開催時期8月下旬~12月上旬

※開催時期は2018年を参考にしています。

 

もちろん、これら以外にもたくさんのコンクールが開催されていますが、まずは自分の近所でこの3つのコンクールが開かれていないかチェックしてみるとよいでしょう。

お近くのホールや市役所などにパンフレットが置いてあることが少なくないので、それを探してみる、もしくは地域名を含めて検索することによって調べることができます。

コンクールは、普通のコンサートとは一味違った観点でクラシック音楽を楽しむことができます。予約なしで無料で観れることも少なくないので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

次のページでは、海外のクラシックのコンサートを紹介します。なかなか足を運ぶハードルは高いですが、日本とは違った雰囲気を感じることができます。

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クラシックコンサートの客層 【鑑賞方法⑤】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

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クラシックコンサートに普段足を運ばない方は「一体どんな人が来ているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

このページではクラシックコンサートの客層について紹介します。クラシックコンサートの雰囲気をつかむのに役立つかと思います。

 

1 楽器を習う子供とその親

 

クラシックコンサートで良く見かけるのが、親子連れで来ている家族です。

このような家族の場合、子供が楽器を習っている場合が多いようです。楽器を習っている子供にとって、コンサートでプロの演奏を目の前にすることは、何よりモチベーションにつながります。

「将来、自分もこんなふうになりたい!」

と思うことで、普段の練習にもより一生懸命取り組むことができるでしょう。

 

また、親に楽器の経験があり、親が子供にも習わせたいと考えている場合もあるようです。

子供向けのプログラムが組まれたコンサートに連れていくことで、音楽に対して楽しいイメージをもってもらい「音楽を習うきっかけづくりにしたい」と考えているのでしょう。

実際、私が通っていたピアノ教室でもコンサートがきっかけでピアノを始めた男の子がいました。好奇心旺盛な子供にとっては刺激的な体験となりうるのでしょう。

 

2 音楽家を目指す学生

 

コンサートには意外と若い人もいるのです。

若い人の場合は、単に趣味としてコンサートに来ているだけでなく「将来は音楽家になる」と決心している音高生・音大生(音楽高校・音楽大学の生徒)である可能性があります。

私も音大志望だった頃はその一人でした。

 

音高生・音大生にとって、クラシックコンサートに足を運ぶことはモチベーションアップにつながります。それだけでなく、プロの演奏を見て自分の演奏の参考にしようとしていることが多いようです。

多くのプロの演奏を聴くことで、自分の演奏を多角的に見つめ直すことができるのです。

 

3 クラシックの教育関係者

 

クラシックコンサートに足を運ぶ人の中には、講師の方など、クラシック音楽の教育に携わる人もいます。

自分の生徒がコンクールで演奏する曲がプログラムに含まれているコンサートに足を運び、自らの指導に役立てようとしている場合もよくあります。

また、コンサートに出演する方から直々にお誘いを受け、コンサートに足を運ぶという場合も少なくないようです。

 

4 クラシック好きのお年寄り

 

クラシックコンサートに足を運ぶ人の中にはクラシック音楽が好きなお年寄りも少なくありません。

若いうちはポップな音楽をよく聴く人が多いですが、年を重ねてくると、そのようなテンションが高めの曲から、クラシック音楽のような落ち着いた音楽にシフトしていく人が少なくないようです。

コンサートに行く理由として、まだまだYouTubeを日常的に利用するお年寄りがそれほど多いわけではないことも挙げられるのかもしれません。

 

クラシックコンサートというのは、趣味で楽しんでいるような人から、本格的にクラシック音楽に取り組んでいる人まで、幅広い層が楽しんでいます。

クラシック音楽に詳しくなくても楽しめるイベントなので、気負う必要など全くないのです。

以上、このWebonではクラシックコンサートの楽しみ方や鑑賞方法などをお伝えしてきました。敷板が高くないことが伝わり、実際に会場に足を運んでいただければ幸いです。

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クラシックコンサートの楽しみ方② 【バンドライブとの違い】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

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クラシックコンサートでは「臨場感」や「リアルな音」が得られますが、それはバンドのライブなどでも同じです。しかし、クラシック音楽のコンサートというのはバンドのライブとは一線を画しているところがあります。

このページでは、バンドのライブと比較することでクラシックコンサートならではの楽しみ方を明らかにしていきます。

 

バンドのライブとの相違点

 

「ライブ」というと、一般的にはバンドのリサイタルをイメージする方が多いことでしょう。

しかし「ライブ」とはもともと英語で「生」という意味です。従って「クラシックコンサートも一種のライブである」ということが言えます。

前のページでコンサートの魅力は「音楽が生み出されるまさにその場に立ち会うことができる事である」とお伝えしましたが、バンドのライブもここは共通です。

両者の大きな違いは「お客さんと演者が一体になって盛り上がるかどうか」だと言えると思います。

 

 

一般的なバンドのライブというのは、ファンたちが、そのバンドオリジナルのうちわやタオル等のファングッズを持って一緒に盛り上がるというイメージだと思います。

ボーカルの人とファンが一緒に歌うこともできますし、音楽に合わせてジャンプするなど体を動かすことも可能です。

 

しかし、クラシックコンサートというのはそのようなイベントとは性質を異にしています。

クラシックコンサートでは観客は自分の席にじっと座って演奏を聴くことに集中しなければなりません。また、演奏が終わった後の拍手を除くと、演奏に対するレスポンスをコンサート中に見せるということはマナー違反になってしまいます。

したがって、クラシックコンサートというのはライブのように、演奏者とファンが一体となって作り上げられるものではありません。

クラシックコンサートでは観客はじっと座って演奏を聴くこと、集中することが求められるのです。

 

クラシックコンサートならではの魅力


photo by Quincena Musical

 

さて、クラシックコンサートではなぜ、観客はじっと座って演奏を聴くことに集中することが求められるのでしょうか。

クラシックコンサートにおいては音楽を作り上げるのは演奏者だけです。

クラシックコンサートは「作曲者のメッセージを汲み取った演奏者がそれを表現する場」なのです。演奏者が汲み取ったメッセージを表現するプロセスには、観客が介入する余地がありません。

観客に求められることは「演奏者が表現したものをありのままに受け取ろうとする姿勢」なのです。

そのように聞くと、バンドのライブが好きだという方などからすると、なんだか物足りないような気がしてしまうかもしれません。

しかし、クラシックコンサートでは「演奏者が表現したものをありのままに受け取ろうとする姿勢を求められること」にこそ魅力があると言えます。

 

ライブの場合は基本的に「盛り上がること」に主眼を置いており、音楽そのものの質というのはそこまで問われません。観客が最も盛り上がることができる形へ自在に変化していくわけです。

しかし、クラシックコンサートというのはどちらかというと美術館鑑賞のようなもので「受け取ったものに対して鑑賞者がどのような感じ方をするのかということ」に主眼が置かれています。

そのため、演奏者は音の一つ一つに細やかな気配りをし、演奏の質を保証する必要があるのです。

バンドにもこのような要素がない訳ではないですが、クラシック音楽ではそこにより重きが置かれているのです。

 

 

ぜひ、実際にコンサートに足を運ぶ際は、一つ一つの音に耳を傾けて演奏者の内に秘める感情の揺れ動き・自らの作品に対する解釈の発露を感じ取ってみてくださいませ。きっとそのような楽しみ方は、バンドのライブではなかなかできないものなのではないかと思います。

 

さて、今回はクラシックコンサートの魅力をバンドと比較してみてきましたが、次のページではCDやYouTubeと比較することで、さらにクラシックコンサートの魅力を明らかにしていきましょう。

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寄席の基礎知識 【寄席の鑑賞方法①】

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落語は誰が聴いてもわかりやすく面白い芸能です。落語の基本的な知識や初心者におすすめの演目の紹介、実際に落語を楽しむ方法などを通じて落語(特に古典)の魅力についてお伝えします。

落語初心者入門はこちらから!

著者:ミドケン

落語が大好きなフリーライター。10年程前に落語にはまって以来、ほぼ毎日落語を聴いている。お問い合わせはこちらから

 

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落語には様々な鑑賞方法があると思いますが、その中でも生で落語を鑑賞することができる「寄席」はおすすめです。

この第3章では寄席の鑑賞方法について3ページにわたって解説しております。【基礎知識】【東京のおすすめスポット】【おすすめ落語家】について知れば、実際に足を運びたくなることでしょう。

 

寄席とは

 

寄席(よせ)とは、落語や講談などの演芸を魅せるための劇場のことを言います。また、基本的には「寄席」とは小屋そのものを指しますが、興行自体を指すこともあります。

 

開催日

 

基本的に寄席は毎日やっています

昼と夜の2部制が基本で、「昼の部」は正午前から始まり、「夜の部」は午後5時前くらいから始まることが多いです。

ほとんどの寄席が入れ替え制ではないので、ずっと中にいて一日中たっぷり落語を楽しむことができます。

 

 

お正月は通常より多くの演者が出る「顔見せ興行」というのがあり、そのときは一日三部構成になることがあります。

落語を聴ける場所は、地域寄席やホール落語(「~会館」や「~ホール」など、通常は演芸を上演しない場所でやる落語)など、寄席以外にもあり、居酒屋や蕎麦屋、小学校などでやることもあります。

 

プログラム内容


▲プログラム

 

寄席のプログラムは、上席(毎月1日~10日)、中席(毎月11日~20日)、下席(毎月21日~30日)で内容が変わります。

初めて行くときは、好きな落語家や知っている落語家が出演するときに行くのが良いでしょう。

誰がどの演目をやるかについては、残念ながら事前に知ることはできません。

他の落語家と演目がかぶらないように、出番を待っている間にネタを決めるからです。

 

チケットの買い方

 

寄席のチケットは基本的に予約・前売りはなく、当日券(自由席)だけです。

寄席の入り口には木戸(券売所)があり、ここで木戸銭(入場料)を支払ってから寄席に入ります。

 

【編集者コラム】なぜ入場料を「木戸銭」と言う?
寄席の入り口のことを木戸と言います。その木戸をくぐって入場することから「木戸銭」と呼ばれる、と言われています

 

特別興行でない限り、木戸銭は2500円~3000円程度が相場です。

この金額で一日中楽しめると考えたら安いものですね!

 

 

寄席で会場に入るまでの流れ
①まずは木戸(入り口)でチケットを買います。

②入り口でチケットを渡す。半券とプログラムをもらい入場することができます。

③席は基本的には自由席 。好きな席に座りましょう。

 

マナー

 

マナーと言っても特別なことは何もありません。

普通に席に座って観るだけです。もちろん携帯電話の電源を切ったり、本番中は私語をしないなど最低限のマナーは守らなければいけませんが。

基本的に客席の出入りも自由ですが、他の方の観劇の邪魔にならないように、ひとつの演目が終わった直後(演芸と演芸の間)にするようにしましょう。

もちろん寄席にドレスコードなんてものはないので服装は自由です。

ただ「着物割引」などをやっている寄席もあるので、慣れてきたらチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。

 

【Webon編集部男性の声】飲食OKの演芸場

コンサートや舞台に足を運ぶと、飲食が禁止されているところが多いでしょう。しかし、演芸場によっては、飲食がOKな場合もあるのです。私も友人と浅草演芸ホールに足を運んだ際に、お酒とを飲みながら落語を満喫しました。

そのまま聴いても落語は面白いですが、ほろ酔いで観る落語はまた違う贅沢な楽しみがあります。飲食は自由とはいえ、音を立てすぎると周囲の迷惑になってしまうので、おつまみは「乾き物」がおすすめです。

途中で甘い物が欲しい時もありますので「グミ」も噛んだ時に音が鳴らないので重宝します。

 

落語以外も楽しめる

 

寄席に出演する芸人は落語家だけではありません。

色物(いろもの)と呼ばれる、漫才や漫談、コント、マジック、紙切り、腹話術など、いろいろなジャンルの芸人が登場するので、とってもお得です。

まさに寄席は「芸の博覧会」と言えますね。

 

 

親子で楽しめる「親子寄席」

 

寄席はさまざまな年代の方が集まるところです。子供を連れた家族もよく見かけます。

ただし、あまり小さなお子さんだと途中で泣き出したり騒いだりして、他のお客さんの迷惑になることもあるので注意が必要です。

そもそも未就学児は基本的に寄席に入場できません

地域寄席や行政が主催する公演などでは、親子で本物の落語を楽しめる「親子寄席」が催されることもあるので、そのような機会を利用して子供と一緒に落語を楽しんでみるのも良いでしょう。

 

以上、寄席の鑑賞方法でした。

寄席に入るハードルが高くないことが伝わったのではないかと思います。次のページでは「都内おすすめ落語スポット」を紹介します。お酒を飲みながら落語を観られる場所があるなど、知れば知るほど実際に足を運びたくなるかと思います。

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【落語作品が数多く聴ける。無料体験あり】

 

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著者:ミドケン

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人気のおすすめ落語家4選 【寄席の鑑賞方法③】

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落語は誰が聴いてもわかりやすく面白い芸能です。落語の基本的な知識や初心者におすすめの演目の紹介、実際に落語を楽しむ方法などを通じて落語(特に古典)の魅力についてお伝えします。

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この第3章では【基礎知識】【東京のおすすめスポット】【おすすめ落語家】と3ページにわたって寄席の鑑賞方法をお伝えしております。

このページでは人気と実力を兼ね備えた、いま人気の落語家を4人紹介します!

実際に寄席に落語を観に行くなら、ぜひこの人たちを観てほしいと思います。

 

1 春風亭一之輔(しゅんぷうてい いちのすけ)

生年月日 1978年1月28日
所属 落語協会
ジャンル 古典落語
師匠 春風亭一朝

 

一之輔さんは、今最も人気のある落語家と言ってもいいかと思います。

「NHK新人演芸大賞落語部門大賞」や「文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞」など数々の賞を受賞し、若手の頃から頭角を現した一之輔さんは、2012年に21人抜きの抜擢で真打昇進を果たしました。

滑稽噺から人情噺まで200以上の持ちネタがあり、年間900席もの高座をこなす超売れっ子です。

 

熊さん(=熊五郎。様々な落語に登場するキャクターであり、乱暴者な性格)や与太郎(=落語の代表的な登場人物で、楽天的で呑気な性格)など、古典落語に出てくる人たちを現代風に変え、現代の人にもわかりやすい内容にして演じることでも知られています。

自分のことを「ひねくれもの」と言っている一之輔さんですが、人物描写にもそこがよく現れているような気がします。

 

 

一之輔さんの得意演目である「初天神」に出てくる子供の憎たらしさが私は大好きです。

「初天神」は一之輔さんの出演する寄席や独演会に行くと聴けるかもしれませんが、何を演じるか当日までわからないことが多いです。そのため、確実に聴くならCDです。「初天神」は下記CDに収録されています。

 

▼「初天神」が収録されてるCD:春風亭一之輔

 

おすすめ作品

芝浜とシバハマ【CD】

 

三遊亭圓朝(さんゆうてい えんちょう)が創作した古典落語の名作「芝浜」に一之輔さんが挑んでいます。

寄席のスタンダードナンバーである「代脈(だいみゃく)」収録した、進化が止まらない一之輔さんの魅力がぎっしり詰まった豪華二枚組です。

 

2 柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)

生年月日 1963年11月30日
所属 落語協会
ジャンル 古典落語&新作落語
師匠 柳家さん喬

 

古典落語と新作落語、どちらも自在に演じ分ける喬太郎さん。

 

▼古典落語と新作落語の違いは第1章で解説(現在は第3章)

 

柳家喬太郎さんは、独自の世界観で楽しませてくれる爆笑必至の新作落語が最高です。

喬太郎さんは落語家になる前は大手書店のサラリーマンだったということもあり、サラリーマンの悲哀や、スポットライトが当たらないような人や趣味などを題材にしたネタを得意としています。

 

古典落語にも定評があり、喬太郎さんならではの解釈や演出を加え、「喬太郎の古典」にしてしまうところがあります。

表情や所作が抜群におもしろいので、生の寄席や動画で観るとより楽しめる落語家です。

大のウルトラマン好きであり、ウルトラマンをテーマにした落語会を開催したり、江戸川乱歩の作品を落語風に演じたりするなど、落語をさまざまな角度から見せてくれるエンターテイナーであることも喬太郎さんの魅力です。

 

 

おすすめ作品

 

柳家喬太郎 名演集1 寿限無/子ほめ/松竹梅 【CD】

誰でも知っている古典落語「寿限無」と古典のメジャー作品「子ほめ」「松竹梅」が収録されています。定番落語とメジャー作品がバランスよく入っているので、初心者の方におすすめです。

 

定番古典落語「寿限無」の噺の内容は第2章で解説!(現在は第3章)

 

3 立川志らく(たてかわ しらく)

生年月日 1963年8月16日
所属 落語立川流
ジャンル 古典落語&シネマ落語
師匠 立川談志

 

2017年上半期のブレイクタレント部門1位にランクインし、今やすっかりテレビでもお馴染みの人となっている志らくさん。

師匠の7代目立川談志さんの影響かどうかはわかりませんが、そのひねくれ方、毒の強さは一級品です。

 

▼7代目立川談志さん

 

90年代には仲間の落語家たちと「“超”放送禁止落語界」と銘打った、差別用語連発の演目を披露する寄席を開催したというのだから驚きますね。

 

志らくさんは古典落語を演じる落語家ですが、真打昇進後に「シネマ落語」を開拓。

これは、ローマの休日を「吉原の休日」、タクシードライバーを「人力車」など、有名な映画の舞台を江戸時代に変えて演じるというもので、映画監督や映画評論家としても活躍する志らくさんならではの、エンターテイメント性あふれる落語です。

シネマ落語は定期的に公演が行われているので、古典落語がどうしてもとっつきにくいという方は、まずシネマ落語を聴いてみるのもありだと思います。

 

▼シネマ落語の参考情報

おすすめ作品

 

⚫志らく 第五集「青菜」「粗忽長屋」「品川心中 上下」 【DVD】

 

落語DVD 初の自身解説の副音声が入っています。

噺の解釈や演出の狙いから、自身へのダメだしまで、さまざまなことを落語と同時進行で解説。自身による立川志らく批評が楽しめる貴重な作品集です。

 

4 桃月庵白酒(とうげつあん はくしゅ)

生年月日 1968年12月26日
所属 落語協会
ジャンル 古典落語
師匠 五街道雲助

▼まくらを披露する桃月庵白酒さん

 

よく声が通り、聴き心地の良さが抜群の落語家です。

子供や酔っぱらい、泥棒、花魁(おいらん)まで、リアリティ溢れる人物描写が非常にわかりやすく、噺の筋がわからない人(落語初心者で噺を理解するのが難しい人)でも理解しやすいと思います。

丸顔でふっくらとした愛嬌のある風貌ですが、マクラ(演目に入るまえの小話)では、ちょっと毒っ気のある話を繰り広げるのも特徴。

そのギャップと舌鋒鋭い(ぜっぽうするどい:弁舌が鋭い)本格的な落語で聴く者を圧倒します。

地味な演目でも楽しく聴かせる天才、そんな白酒さんの、新感覚爆笑古典は必見です!

 

おすすめ作品

 

⚫毎日新聞落語会 桃月庵白酒3「らくだ」「死神」【Amazon Music Unlimited&CD】

この先いったいどうなるのかとハラハラドキドキさせられる「らくだ」と、ひと癖もふた癖ある死神の言動が面白い「死神」。

白酒流にアレンジされた古典落語の名作を存分に楽しめます。

 

以上、落語初心者でも楽しめるおすすめの落語家さん4選でした。

次のページは自宅での落語鑑賞方法についてお伝えします。落語は生の醍醐味を感じていただきたいですが、アプリやストリーミングを活用すれば自宅でも楽しむことができるのです。

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【落語作品が数多く聴ける。無料体験あり】

 

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著者:ミドケン

落語が大好きなフリーライター。10年程前に落語にはまって以来、ほぼ毎日落語を聴いている。お問い合わせはこちらから

東京のおすすめ落語スポット7選 【寄席の鑑賞方法②】

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落語は誰が聴いてもわかりやすく面白い芸能です。落語の基本的な知識や初心者におすすめの演目の紹介、実際に落語を楽しむ方法などを通じて落語(特に古典)の魅力についてお伝えします。

落語初心者入門はこちらから!

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落語の一番の醍醐味は、寄席などでプロの落語家の高座(落語の公演)を観ることです。

この第3章では【基礎知識】【東京のおすすめスポット】【おすすめ落語家】と3ページにわたって寄席の鑑賞方法をお伝えしております。

このページでは東京都内のおすすめ落語スポットを紹介しますので、ぜひ足を運んで生の落語を楽しんでみてください!

 

落語定席

 

1年365日、毎日落語を聴くことができる演芸場のことを「落語定席(らくごじょうせき)」と言います。

東京には定席が4つしかありません。

以下に東京の4つの定席である「浅草演芸ホール」「鈴本演芸場」「新宿末廣亭」「池袋演芸場」を紹介します。

演芸場ごとに演目や出演する演者の違いは、ほとんどありません。

私は明確な使い分けは特になく、その時の気分であったりその演芸場の近くに行ったついでに行く、といった感じです。

 

【編集部コラム】ほろ酔いで見る落語
以下で紹介する定席は全て飲食オーケーです。また「浅草演芸ホール」「鈴本演芸場」に関してはアルコールを飲みながら落語を観ることができます。アルコールを飲みながら、ほろ酔い状態で落語を観て笑っている瞬間は著しく幸福度が高いです。おつまみには音が出て迷惑にならないように「乾き物」がおすすめです。

 

浅草演芸ホール

 

東京オリンピックが開催された昭和39(1964)年に「浅草フランス座」を増築してつくられた演芸場です。

東京にある寄席の中で国内外の観光客が最もたくさん訪れ、活気のある寄席で連日賑わっています。

売店では、弁当や飲み物、お菓子などを販売しており飲食しながら落語を楽しむこともできます。(お酒を飲むのもOKです)

浅草演芸ホールや落語芸術協会のオリジナルグッズや、人気番組『笑点』のグッズも販売しているので、記念にそれらのグッズを買ってみるのも楽しいと思います。

 

また、浅草園芸ホールは初心者におすすめの演芸場です。

浅草という場所柄、最も古き良き演芸場の雰囲気を味わうことができます。街全体も楽しい雰囲気ですので初心者の方も気軽に足を運びやすいと思います。

 

詳細(料金・時間・場所)
演芸場 浅草演芸ホール
料金 大人:2800円(3000円)
学生:2300円(2500円)
子供(4歳以上):1500円(1500円)
※()は特別興行の価格。また、団体割引もございます。以下の料金は夜割18:00~、19:00~
大人:2300円、1800円
学生:1800円、1500円
子供:1300円、1300円
公演時間 昼の部:11時40分~16時30分
夜の部:16時40分~21時00分
定休日 年中無休
公式ホームーページ http://www.asakusaengei.com/ticket/#ticket1
電話番号 03-3841-6545
所在地 ・東京都台東区浅草1-43-12 (六区ブロードウエイ 商店街中央)
・浅草駅から徒歩5分
飲食 可能(アルコールもOK)

 

鈴本演芸場


photo by User:Kentin  CC 表示-継承 3.0

 

鈴本演芸場は、東京の落語定席で最も歴史のある演芸場で、母体となった「軍談席本牧亭」という講釈場が誕生したのが安政4年(1857)です。

開席160年以上という伝統ある演芸場は独自の雰囲気を醸し出しており、そこで聴く落語は何とも言えない極上の味わいがあります。

 

詳細(料金・時間・場所)
演芸場 鈴本演芸場
料金 一般:2800円
学生:2500円(中学生以上、24歳まで・要学生証提示)
子供:1500円(未就学児はご入場不可、小学生のみ)
公演時間 昼の部:12時開場、12時30分開演~16時30分終演
夜の部:17時開場、17時30分開演~20時40分終演
※昼夜完全入替制
定休日 12月29日~31日
公式ホームページ http://www.rakugo.or.jp/annai.html
電話番号 03-3834-5906
所在地 ・東京都台東区上野2-7-12
・JR御徒町駅北口より徒歩5分/JR上野不忍口より徒歩10分
飲食 可能(アルコールもOK)

 

新宿末廣亭

 

居酒屋やバーが軒を連ねる新宿三丁目に佇む江戸情緒たっぷりの建築物。それが新宿末廣亭です。

1897年に創業した「堀江亭」を1910年に浪曲師・末広亭清風が買い取って「末廣亭」と改名したのが始まりです。

当時は明治通りに面した繁華街にありましたが戦争で焼失し、昭和21年に現在の場所に再建されました。末廣亭は現存する最古の木造建築の寄席でもあります。

 

毎週土曜の夜に開催されている若手の落語家による「深夜寄席」も人気です。通常の興行の木戸銭(入場料)は3,000円ですが、こちらは1,000円という手ごろな価格で落語を楽しむことができます。

仕事帰りにふらりと訪れてみるのも良し、寄席が終わったあとに飲みに行くのも良し。いろいろな楽しみ方ができる演芸場です。友達と行くにはおすすめです。

 

詳細(料金・時間・場所)
演芸場 新宿末広亭(新宿末廣亭)
料金 一般:3000円
シニア(65歳~):2700円
学生:2500円
小学生:2200円
友の会会員:2500円
平日一般三十名以上:2700円
公演時間 昼の部:12:00~16:30
夜の部:17:00~21:00
入場可能時間:11:00~19:45
定休日 12月30日、31日
公式ホームページ http://www.suehirotei.com/guide.html
電話番号 03-3351-2974
所在地 ・東京都新宿区新宿3丁目6
・地下鉄丸ノ内線・新宿線新宿三丁目駅より徒歩1分
飲食 可能(アルコールNG)

 

池袋演芸場

 

1951年創業の池袋演芸場。1990年から改築による約3年の休業を挟んで、1993年から再開。

会場が地下に移されたことによって唯一地下にある定席になりました。

また、全て桟敷席(ざじきせき:一段高く作られた板の間の席)でしたが、改装により椅子席に生まれ変わりました。

池袋演芸場は他の定席と比べて木戸銭の安さが特徴です。

 

▼料金比較表(特別料金や割引き除く)

演芸場 料金
池袋演芸場 一般:2500円
学生:2000円
子供:1500円
浅草演芸ホール 大人:2800円
学生:2300円
子供:1500円
鈴本演芸場 一般:2800円
学生:2500円
子供:1500円
新宿末広亭 一般:3000円
学生:2500円
小学生:2200円

 

また、浴衣&着物割引、学生服割引、シルバー割引などの各種割引もあります。

演者の持ち時間が長いことも池袋演芸場の大きな特徴です。出演者を絞ることでひとりひとりの持ち時間を長く設定しているそうです。

好きな落語家の噺をたっぷり聴きたいという人にはぴったりの寄席です。

 

詳細(料金・時間・場所)
演芸場 池袋演芸場
料金 ●1日~20日
一般:2500円
学生:2000円
子供:1500円
<特別割引>
○浴衣&着物割引:2000円
○学生服割引(中学生・高校生対象):1500円
○シルバー割引:65歳以上2000円(証明書提示)
○親子割引:子供料金が1000円になる。●21日~30日
・昼の部
一般/学生:2000円
子供:1500円
・夜の部
日毎に料金が変わる
○親子割引:子供料金が1000円になる
公演時間 ・上席(1日~10日)
昼の部:12時開場/12時30分開演
夜の部:17時開演/終演20時30分
※特別興行を除き、昼夜入替えなし
・中席(11日~20日)
昼の部:12時開場/12時30分開演
夜の部:17時開演/終演20時30分
※特別興行を除き、昼夜入替えなし
・下席(21日~30日)
昼の部:13時30分開場/14時開演
夜の部:17時30分開場/18時開演/20時30分終演
※昼夜入替えあり
定休日 12月29日~31日
公式ホームページ http://www.ike-en.com/index2.html
電話番号 03-3971-4545
所在地 ・JR池袋駅西口から徒歩3分
飲食 可能(アルコールNG)

 

筆者に聴きました!演芸場の疑問

デートで寄席を使うのはあり?

 

Q. デートで寄席を使うのはありでしょうか?また、もし行くとしたら付き合う前の方がおすすめでしょうか?

A. デートで寄席はありだと思います。タイミングも付き合う前でも後でもかまいません。

ただ気をつけたいのが「演目や演者によって初心者にはわかりにくい場合がある」ということです。

対処法の1つとしては林家たい平(はやしや たいへい)さんや柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)さんなど、初心者にもわかりやすい落語をやっている人の独演会(落語会)に行くという手があります。

 

▼林家たい平さん

▼柳家喬太郎さん

 

もう1つの対処法はある程度演目の知識を頭に入れてから行くという楽しみ方です。

あるいは古典落語ではなく「新作落語」を演じる落語家の落語会に行くのもありです。新作落語ならコントを観ている感で知識なしで楽しめ、とてもわかりやすいです。

特に落語初心者同士のカップルであれば新作落語を観に行くのはおすすめです。

 

おすすめの席は?

 

Q. それぞれの演芸場でおすすめの席位置はありますでしょうか?また、前・真ん中・後ろで違いはあるのでしょうか?前の方の席だと笑わなかったら落語家さんからいじられそうな気がするのですが・・・。

A. それぞれの演芸場のおすすめの席位置というのはありませんが、共通しているのは、前のほうの席であればより落語家の息遣いを感じられるのでおすすめです。

細かい表情も見やすいです。ただ前の席だといじられる可能性はありますので、それが嫌な人は避けたほうがいいでしょう(ほとんどいじられることはないですが)。

笑う笑わないというのは個人の自由なので、どの席であっても違いはありません。

 

初心者におすすめの落語スポット3選

 

仕事帰りや用事のついでにふらっと立ち寄りやすいおすすめの落語スポットを紹介します。

 

1 らくごカフェ

 

古本街として有名な神田神保町にある、神田古書センターの5階に位置するのが「らくごカフェ」です。

日中はカフェとして営業していますが、夜は落語会が開催されています。

出演者はベテランから若手落語家まで多彩。

客席が約50席と小じんまりした作りなので、落語家との距離が近く、その臨場感がクセになりますよ!

 

名称 らくごカフェ
料金 ・1200円~2500円程度(落語のチケット)
・コーヒー500円
時間 ・月曜~土曜日の11時~18時はカフェタイム
定休日 ホームページ要確認
公式ホームページ https://rakugocafe.exblog.jp/
問い合わせ メール:rakugocafe@hotmail.co.jp
電話:03-6268-9818
所在地 ・東京都千代田区神田神保町2-3 神田古書センター 5F
・都営三田線・都営新宿線・半蔵門線神保町駅A6出口より徒歩1分

 

2 渋谷らくご


(引用元:渋谷らくご公式ホームページ

 

「渋谷らくご」は、渋谷区にある映画館・ユーロスペース内にあるライブホールの「ユーロライブ」で開催されている落語会です。

初心者でも気軽に立ち寄れる落語会を目指し、お笑い芸人のサンキュータツオさんを運営者として起用して、2014年11月にスタートしました。

渋谷という場所柄もあり、客層は女子率が高いので、女性でも気軽に落語を観に行ける落語新スポットです。

 

名称 渋谷らくご
料金 1000円~2500円程度
時間 要確認
定休日 要確認
公式ホームページ http://eurolive.jp/shibuya-rakugo/
電話番号 0120-240-540
所在地 ・渋谷区円山町1-5 KINOHAUS
・渋谷駅より徒歩約10分

 

3 そらまち亭


(引用:そらまち亭公式ホームページ

 

スカイツリーのお膝元・東京ソラマチの7階にある、美味しい料理と楽しい落語が楽しめる居酒屋です。

店内に設置された高座で、ねぎし三平堂(初代・林家三平が遺した品々を展示している資料館)プロデュースの落語や漫才などの演芸を楽しむことができます。

どの席からも演芸が観られるようにテレビモニターが設置されているので、お酒や料理と一緒に、まるでスポーツバーのように演芸を楽しめます。

 

名称 そらまち亭
料金 1000円~5000円
時間 営業時間/11:00-23:00
寄席スケジュール/18:30~(約30分間)
定休日 年中無休
公式ホームページ http://solamachitei.jp/
電話番号 03-5809-7047
所在地 ・東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン ソラマチ7F
・東武スカイツリーライン とうきょうスカイツリー駅すぐ

 

以上、東京都内の落語が365日観られる寄席と初心者おすすめスポットでした。

次のページではおすすめの落語家を紹介します。どの落語家さんを観るか迷った時に是非、参考にしてみてください。

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著者:ミドケン

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落語が題材の映画・ドラマ3選 【自宅で落語鑑賞②】

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落語は誰が聴いてもわかりやすく面白い芸能です。落語の基本的な知識や初心者におすすめの演目の紹介、実際に落語を楽しむ方法などを通じて落語(特に古典)の魅力についてお伝えします。

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落語の楽しみ方は、落語そのものを観る・聴くだけではありません。

映画や小説など、落語を題材にした作品を観たり読んだりすることで落語の世界に触れるというのも、落語の楽しみ方のひとつです。

このページでは落語を題材にしたおすすめのエンタメ作品を紹介するので、ぜひ手に取ってみてください!

以下で紹介する作品は古典落語の知識が一切なくても楽しめる作品となっております。

 

おすすめの落語を題材にした作品3選

1 しゃべれどもしゃべれども

タイトル しゃべれども しゃべれども
公開年月 2007年5月26日
上映時間 109分
監督/脚本 平山秀幸/奥寺佐渡子
出演 国分太一/香里奈/松重豊/森永悠希/八千草薫/伊東四朗/など

「しゃべれどもしゃべれども」は佐藤多佳子さんの同名小説が原作。

 

▼小説「しゃべれどもしゃべれども」(画像クリックで商品詳細へ)

TOKIOの国分太一さん主演で映画化され、2007年に公開されて話題になりました。

 

あらすじ

 

主人公は東京の下町に住み古典落語を愛する、二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)。

 

▼写真右が国分太一、写真左は十河五月役の香里奈

 

落語家として伸び悩んでいた彼のもとに「落語を習いたい」「話し方を教えてもらいたい」という3人がやって来る。

口下手で無愛想な・十河五月(香里奈)、勝気ゆえにクラスになじめず大阪から引っ越してきた少年・村林優(森永悠希)、コワモテの元プロ野球選手・湯河原太一(松重豊)。

▼湯河原太一役の松重豊

 

クセのある生徒ばかりで顔を合わせると3人は言い争いが絶えず、肝心の落語も一向に覚えられない。

落語指南がうまくいかないうえに、片思いしていた女性が結婚することを知ってショックを受ける主人公三つ葉。

 

そこで「自分は落語が好きだ」と再認識した三つ葉は、師匠の十八番である古典落語の演目「火焔太鼓(かえんだいこ)」への挑戦を決意する。

徐々に落語を話せるようになっていく生徒たちと、「火焔太鼓」の成功(=上手く喋りきるのはもちろんですが、師匠の真似事ではなく、自分ならではの「火焔太鼓」を演じるということ)を目指す三つ葉。果たしてそれぞれの思いは伝わるのか・・・。

 

みどころ

 

まさに落語の登場人物のような、一癖も二癖もある人たちの奮闘が、心にグッとくる感動をもたらします。

 

落語好きから見た国分太一さんの落語

 

当ページで紹介する作品の中で、最もプロの落語家に近い落語を演じている俳優が国分さんだと思います。正直、その上手さに驚きました。

笑わせてやろうという気負いがなく、その張りのある声と端正な語り口が光る「火焔太鼓」は思わず聴き入ってしまいます。

前半の下手に演じる落語と、クライマックスの「火焔太鼓」のレベルの落差に注目です。最後の「火焔太鼓」は圧巻の一言です。

 

 

2 ねぼけ

(引用元:http://neboke.info/)

タイトル ねぼけ
公開年月 2015年9月5日
上映時間 111分
監督・脚本 壱岐紀仁
出演 友部康志/村上真希/入船亭扇遊/大竹佳那/秋山勇次/など

▲予告編

 

「ねぼけ」は、クラウドファンディングの成功によって完成した映画です。

2017年にモントリオール世界映画祭で絶賛され、現地でアンコール上映を果たすほど話題となった映画です。

 

あらすじ

 

酒や女にうつつを抜かす、うだつのあがらない落語家・三語郎(友部康志)。

落語に本気になれず、自堕落な日々を送る三五郎は、当然稼ぎもない。

 

健気に三五郎を支える恋人の真海は三五郎との結婚を願っているが、二人の気持ちはすれ違うばかりでうまくいかない。

師匠である点雲も心配して叱咤激励するが三語郎には届かず、逃げまくったあげくに弟分の彼女にまで手を出してしまう。

 

何もかも思い通りにいかないことに苛立ちを募らせた三五郎は真海に当たってしまい、あまりのショックに真海は三語郎の前から忽然と姿を消してしまう。

失って初めて真海の存在の大切さに気づき、覚悟を決めて彼女の故郷へ向かう。

 

そして三五郎は神話の伝わる海辺で真海の秘められた過去を初めて知ることになる・・・。

 

みどころ

 

観ていて三語楼のあまりのダメ人間ぶりに腹が立ったのですが、その姿がどこか自分と重なり胸が締めつけられました。

人間は誰もがダメな部分を抱えながら必死で生きていて、周りの人に迷惑をかけてしまってどうしようもないんだけれど「それはそれで良し」という優しい落語の世界観に癒される作品。

「ねぼけ」は師匠役の入船亭扇遊さんの落語が見せ場なので、主役の友部さんによる落語の見せ場は特にありません。

ただ友部さんの愛嬌のあるしぐさや表情は抜群で、滑稽噺をやらせたらプロの落語家も顔負けの落語を披露するのではないかと思いました。

 

3 タイガー&ドラゴン

タイトル タイガー&ドラゴン
放送時間 金曜日22:00~22:54
放送期間 2005年4月15日~6月24日(全11回)
脚本 宮藤官九郎
出演 長瀬智也/岡田准一/西田敏行/銀粉蝶/安部サダヨ/など

 ※以上は2005年に放映された連続ドラマの詳細

 

『タイガー&ドラゴン』は、TOKIOの長瀬智也さんとV6の岡田准一さん主演のテレビドラマで、脚本はクドカンこと宮藤官九郎さんが担当。

ヤクザ兼落語家の男と元天才落語家の男。超個性的な2人を中心に展開する人情コメディの傑作です。

 

あらすじ

 

ヤクザの山崎虎児(長瀬智也)は子供の頃に両親が借金苦で自殺したことで「笑い」を忘れてしまった。

 

▼写真左、山崎虎児役の長瀬智也。写真右、谷中竜二役の岡田准一

 

ある日虎児は、浅草で落語家・林屋亭どん兵衛(西田敏行)の高座を偶然聴いて感動し、弟子入りを志願する。

 

▼林屋亭どん兵衛役の西田敏行

 

虎児が所属する組の組長から400万円の借金をしていたどん兵衛は虎児が落語の演目をひとつ習得するごとに10万円の授業料をもらい、それを「返済金」として虎児に支払うという奇妙な契約を交わす。

 

 

落語家とヤクザという二足のわらじを履く生活を始めた虎児だが、とにかく笑いの才能がなくてどうにもならない。

 

そんなとき、かつて落語の天才と呼ばれたどん兵衛の次男・谷中竜二(岡田准一)と出会う。

竜二はとある事件がきっかけで落語家を廃業し、今は裏原宿で売れない洋服店「ドラゴンソーダ」を経営しているが落語の腕は衰えていない・・・。

 

みどころ

 

どん兵衛が寄席の高座で演じる落語の演目と、リアルの話がうまくリンクするという構成が実に秀逸で落語のおもしろさとドラマとしてのおもしろさの両方を味わえる作品です。

落語をモチーフにした作品の中では、個人的には『タイガー&ドラゴン』が一番おすすめの作品です!

タイガー&ドラゴンは古典落語を好きになれる内容だと思います!

 

落語好きから見た長瀬智也さんと岡田准一さんの落語

 

岡田さんの落語は普通ですが、長瀬さんの落語はヤクザという役柄もありますが迫力が圧倒的です。長瀬さんならではの「眼ヂカラ」で、登場人物それぞれにパワーが宿り、子供を演じても女性を演じても、長瀬さんの独特の男らしさが反映されているところが非常に興味深くて面白いです。

決して器用な落語ではありませんが、落語界に生きる人々が実にイキイキと描写されているところは必見だと思います。プロの落語家でもなかなかこの迫力は出せないのではないでしょうか。

 

 

この第3章では落語の鑑賞方法についてお伝えしてきました。寄席で生の醍醐味を感じていただきたいですが、まずは気軽に自宅で楽しんでみてはどうでしょうか。

次のページから第4章です。第4章では落語の名人を紹介します。

落語は同じ演目でも演じ手によって全く違うものに見えます。ぜひ、お気に入りの名人の方を見つけてみてください。

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クラシックコンサートの楽しみ方③ 【CD・YouTubeとの比較】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

『クラシックコンサート初心者入門』目次へ  (全13ページ)

 

楽天チケット

 

コンサートに行かなくてもOK?

 

前のページまで2ページに渡りクラシックコンサートの楽しみ方について解説してきました。

ただ、まだ会場に足を運んだことがない方は「別にコンサートに行かなくても、CDでもクラシック音楽は聴けるし、YouTubeなら映像付きで楽しむこともできるんじゃない?」と考える方もいるのではないでしょうか。

もしそうであれば、そのご指摘は「ごもっともである」と言えます。

実際、クラシック音楽を楽しむ方法について「どれが正解である」ということは断言することはできません。その人の趣味嗜好などが関わってくる部分が少なからずあるからです。

ただし、クラシックコンサートの会場でしか体験できない楽しみや魅力があるのです。

 

ということで、今回はクラシックの主要な楽しみ方である

「CD」「YouTube」「クラシックコンサート」

の楽しみ方を比較し、クラシックコンサートの魅力について迫っていくことにしましょう。

 

クラシックの楽しみ方比較

1 CD

まず、CDによるクラシック音楽の楽しみ方について見ていきましょう。

CDというのは映像が提供されないため、流れている音楽に対して、聴覚を集中させることができます。

したがって「音楽そのものに対してもっとも真正面から取り組むことのできる楽しみ方」であると言えます。

 

また、当たり前のことですが、CDは一度購入すれば何回でもそのコンテンツを楽しむことができます。1回きりのコンサートとは対照的です。

同じ演奏を何度も聴くことによって、毎回新たな発見をすることができるのもCDの魅力であると言えるのです。

 

 

【編集部コラム①】CDはコレクションの楽しみもある
CDは「コレクション」する楽しみがあります。

私の友人の父親はクラシックやジャズがとても好きです。膨大な数のCDやレコードが収納された棚に囲まれた部屋で、お気に入りの作品を選んで聴いている様子はとても幸せそうに見えます。このような楽しみ方は、コンサートホールやYouTubeでも堪能することのできないCDならではのクラシックの楽しみ方だと思います。

また、コレクションを充実させるため、サイン付きCDを手に入れるという方法もあると思います。クラシックの世界では演奏者によるCDのサイン会が開かれることがあります。2016年6月にチェロの妖精「Nana」が紀尾井ホールでのコンサート後にCDのサイン会を行いました。こうしたイベントに足を運んでみるのも、また一興なのではないでしょうか。

 

おすすめCD

 

基本的に「Deutsche Grammophon(ドイツグラモフォン) 」から出ているCDはおすすめです。

Deutsche Grammophonは、1898年に創設した世界で最も歴史のあるクラシック音楽レーベルです。規模の大きい会社で、また非常に音質が高いので、初心者にもおすすめできます。

▼【おすすめCD】ショパン:ワルツ集(画像クリックで商品詳細へ)

発売日 2016年9月7日
収録時間 61分
演奏者 アリス=紗良・オット
備考 アリス=紗良・オットは1988年生まれのドイツ出身のピアニストです。数々の受賞歴を誇り「世界で最も多忙なピアニスト」とも言われる。TBSのドキュメンタリー番組「情熱大陸」にも出演。

 

2 YouTube

 

YouTubeといえば、現在世界で最も巨大な動画メディアであり、おそらく知らない人はほとんどいないかと思います。

一部のコンテンツを除くと、無料でコンテンツを楽しむことができるために、クラシック音楽を手軽に楽しむことができます。

 

YouTubeの場合、CDと違って動画であるために、演奏している様子を見ることができます。

したがって、CDと違って視覚的にも楽しむことができるのです。演奏者が醸し出す独特の雰囲気をCDよりも感じることができると思います。

また、CDと同じく何回でも楽しむことができるのも魅力であると言えるでしょう。繰り返し鑑賞することによって得られるものもあるはずです。

 

一方で、YouTubeにはデメリットもあります。

それは音質の問題です。もちろん、PCのスピーカーの質に大きく左右される部分はありますが、YouTubeは基本的には動画として楽しむことに主眼を置いているために、音が実際の演奏とはかなり異なるという場合も少なからずあります。

したがって「音」そのものを追求する人にとっては物足りない部分もあることでしょう。

 

 

おすすめYouTubeチャンネル

 

近年、YouTubeにはクラシック音楽が聴ける動画が次々と投稿されております。中には違法でアップロードされたものも多くあります。

そんな中、下記のチャンネルはショパン協会公式の映像ですので、安心してご覧いただけます。

 

【編集部コラム②】ネットでのクラシックの楽しみ方
インターネットでクラシックを楽しむ方法はYouTubeだけではございません。

⚫OTTABA

「OTTAVA」は24時間無料でクラシックを聴くことができるクラシック専門のラジオ局です。ホームページ上でワンクリックで再生できる他、YouTube上でLiveで聴くことも可能です。(OTTAVA公式サイト

⚫ナクソス・ミュージック・ライブラリー (NML)

NMLはクラシックに特化した定額制の音楽配信サービスです。2018年12月現在の配信CD数は125,967 (1,927,755曲)であり月額税込1998円で楽しむことができます。クラシック音楽専門サービスだからこそのサイト設計がされています。(NML公式サイト

⚫AmazonMusic

AmazonMusicは定額制の音楽サービスです。こちらでは「読書しながら聴くクラシック」「朝に聴く爽やかなクラシック」「仕事がはかどるクラシック」などのテーマに沿った選曲がされています。気分に合わせたクラシックを聴くことができます。(AmazonMusic公式サイト

 

3 コンサート

 

CDとYouTubeで音楽を楽しむ方法について見てきましたが、それを踏まえつつ、コンサートでクラシック音楽を楽しむ魅力があるのかについて見ていきましょう。

 

コンサートでクラシック音楽を楽しむ一番の魅力はその臨場感であるということが言えるでしょう。

コンサートでは、演奏者によって音が生み出される現場に居合わせることができるのです。音が紡がれていく「まさにその時」に立ち会うことで感じられる空気感というのは他では味わうことのできないものです。

また「音」についてもコンサートホールという音楽のために作られた場所において、聴くことができます。

 

「コンサートホール」の音
音楽を聴く施設には、ライブハウスのように様々な場所があると思います。「コンサートホール」はオーケストラによる演奏をすることを中心として設計されております。壁などにあたってお客さんに届く反射音なども計算されて作られているため、コンサートホールでしか味わうことのできない音があるのです。


photo by Barret Anspach

 

また、コンサートでは生の音を聞くことができるために、CDやYouTubeでは感じられない「リアルな音」を楽しむことができるのは言うまでもないでしょう。

コンサートでは、CDのように何度も繰り返し同じ音を聴くことができないですが、その場でしかできない体験をすることができるのです。

 

また、クラシックコンサートは、注目ポイントを知っておくとさらに楽しむことができます。こちらについて詳しい解説は、第1章の1ページ目で(現在第1章の3ページ目)でしています。

 

楽しみ方比較一覧

CD ・映像がないため聴覚を集中させ音楽そのものに対して、真正面から取り組むことができる
・同じ演奏を何度も聴けるので、毎回新たな発見をすることができる
・音質が良い
YouTube ・演奏を視覚的にも楽しむことができ、演奏者が醸し出す独特の雰囲気をより感じやすくなる
・何回も楽しめる
・音質が良くないので「音」そのものを追求する人にとっては物足りない
クラシックコンサート ・一番の魅力は臨場感
・コンサートホールという音楽のために作られた場所で聴くため、クラシックの最もリアルな音を聴くことができる
・何度も同じ演奏は聴けないからこその体験ができる

 

クラシックコンサートに限らず、各々の鑑賞方法の特徴をしっかりと理解して、クラシック音楽を楽しむことができるとよいと思います。

次のページではコンサートホールの歴史について解説します。クラシックコンサートの会場であるコンサートホールについて理解を深めることで、さらに楽しむことができるのです。

『クラシックコンサート初心者入門』目次へ  (全13ページ)

 

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