クラシックコンサートの楽しみ方① 【5つの注目ポイント】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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クラシックコンサートでは、楽しむための注目ポイントが5つあります。

注目ポイントを知ることで、どこの目を配ればいいかがわかるようになることでしょう。それにより、クラシックコンサートがより楽しくなるだけでなく「通」に近づくことができるかと思います。

 

ポイント① 臨場感

 

クラシックコンサートの一番の魅力は「臨場感」にあります。

クラシックコンサートでは基本的にスピーカーやマイクを使用することがないので「生の音」を聴くことができます。

生の音に触れ、その迫力に圧倒されてクラシック音楽の楽しさに目覚める人も多くいると言われています。

また、コンサートでは「演奏者によって音が生み出される現場に居合わせること」ができます。音が紡がれていく「まさにその時」に立ち会うことで感じられる空気感を感じられるのはコンサートの魅力のひとつと言えるでしょう。

 

【編集部コラム①】静寂も楽しめる
クラシックは静寂の中で奏でられます。そのため、コンサートホールも静寂を実現するために様々な工夫がされており、コンサートホールだからこその静けさを感じるのも楽しみ方の一つだと言えるでしょう。

また、指揮者が指揮棒を振り上げた時の一瞬の静寂も、クラシック好きの方のたまらない瞬間であると言われています。

クラシックコンサートに足を運んだ際にはこの「静寂」も合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

ポイント② 表情と動き

 

演奏にじっくりと聞き入るのもよいのですが、せっかくコンサートに来たのであれば、演奏を聴くことだけにとらわれず、演奏者の表情などにも注目してみましょう。

クラシック音楽の演奏家というのは、自分の演奏に入り込むあまり、暗い雰囲気の曲だと神妙な面持ちになるなど、自分の弾いている曲の曲調に合わせて表情が変化する人というのも少なくありません。

また、体の使い方というのも奏者によって異なります。ピアノだとやや前かがみになって演奏する方、非常にリラックスした姿勢で演奏する方と実に様々。体の動きや姿勢に着目してみるのも興味深いかと思います。 

 

▼演奏中の表情が豊かで、時折前かがみになって演奏するピアニストの例

 

ポイント③ アンコール

 

アンコールは「演奏の素晴らしさを称えるとともに、さらに何かを演奏することを促すコール」のことです。

クラシックコンサートでは観客が「アンコール!アンコール!」と叫ぶことはありません。しかし、プログラムに書かれた曲目を全て演奏し終え、お客さんへのあいさつを済ませた後に「アンコール」のコーナーが必ず設けられます

これはオーケストラのコンサートでもピアニストやヴァイオリニストなどのコンサートでも変わりません。

 

この「アンコール」では、その奏者が自分の技術をアピールするために、とっておきの曲を数曲演奏してくれます。

どんな曲を演奏するかというのは事前に知らされることはないので、まさしくお楽しみです。演奏者によってはその時の気分で何を弾くかを決めるという人もいるようです。

ちなみに演奏されたか曲目は、終演後にロビーに貼り出されていたりします。曲名が気になった方はぜひともチェックしてみてください。

 

 

ポイント④ コンサートホール

 

コンサートホールにも注目です。

コンサートホールと一口に言ってもその姿というのは様々です。

音楽という芸術が生み出される場所であるため、外観・内装ともに、そのデザインというのは意匠を凝らしたものが多いのです。是非、到着したら観察してみてください。

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▼東京文化会館:1961年にオープン。建築家である故・前川國男氏の代表作。巨大客船のような外観をしている。


photo by Wei-Te Wong

 

また、コンサートホールは席によって聴こえ方が異なります。その理由を知ると、コンサートホールは興味深いものだとわかるかと思います。

▼座る席によって生まれる楽しみ方の違い

席の位置 特徴
中央列の真ん中 最も音がよく聴こえるように作られていることが多く、最も良い席とされている。チケット代も高い。
最前列 ステージの高さより頭が低い位置にあるため、音が頭の上を抜けてしまう場合もある。指揮者の表情や演奏者の息遣いなどを感じることができる。
左側の席 ピアノリサイタルにおいて「ピアニストの演奏している手を見たい」という理由で左側に座る方もいる。
後方の席 チケット代が安く設定されている場合が多い。会場全体を見渡せて、お客さんの熱気も感じることができる。

 

【編集部コラム②】『サントリーホール』紹介

サントリーホールは「世界一美しい響き」をコンセプトに設計され、1986年にオープンしました。日本で初のヴィンヤード形式(客席が「ぶとう畑」のように段々畑のような形に分割されている)を導入しました。客席はヴィンヤード形式にちなんで「ぶどう柄」のデザインが施されています。座る時にデザインに注目してみてください。

国内外のアーティストに高い評価を誇るサントリーホール。イスや壁面には、ウイスキー樽に使用される「オーク材」という木を使用しています。高級感漂う内装、そして暖かみのある響きが特徴の会場になっています。

一際目を引くのがホールの正面で輝きを放つ巨大なパイプオルガン。

▼写真中央上にあるのが、パイプオルガン


photo by takaaki nishioka Some rights reserved

パイプオルガンに使用されているパイプは5898本と、その数は世界でも最大級となっております。

また、ステージ上部あたりには「音響反射板」というものがあります。音響反射板があることで、ステージ上の響きを客席の方に反射することができます。サントリーホールの場合は音響反射板の高さを調整することができるため、最適な音響効果を得ることができます。

このようなホールの特徴を知って注目してみると、さらにクラシックコンサートを楽しめることができるでしょう。

 

【編集部コラム③】東京オペラシティーコンサートホール紹介
東京オペラシティコンサートールは1997年9月にオープンしました。天窓から自然光が溢れており、温かく心が落ち着く空間が提供されています。

当Webon筆者めーぷる様によれば「東京オペラシティホールでは、天井が三角形になっており、それによって音が点から降ってくるような不思議な感覚を楽しむことができます」とのことです。コンサートホールによる音の違いを是非、感じてみてください。


 

ポイント⑤ オーケストラの独特な拍手

 

最後に、クラシックコンサートで見かけるちょっと変わった光景を紹介します。

オーケストラのコンサートでは、指揮者やコンサートマスターが登場する時は、お客さんとオーケストラの団員の方が拍手で迎えるのが慣例となっています。

【編集部コラム④】コンサートマスターについて
コンサートマスターは、客席から見て指揮者の左側に座るヴァイオリン奏者であり、指揮者とオーケストラの橋渡し的な存在です。

コンサートマスターは「オーケストラの代表」的な役割を担います。なぜ、ヴァイオリン奏者の方がそのような役割を担っているのでしょうか。

それは、ヴァイオリン奏者が演奏者全員から見えやすく合図をしやすい位置にいることがひとつの理由です。また、かつて指揮者がいなかった時代に指揮役を兼ねていたのがヴァイオリン奏者だったことの名残りからなのではないかと言われています。

ちなみに、演奏前にはコンサートマスターがリードして、オーケストラは楽器のチューニングを行います。コンサートマスターが席に座るとチューニングが終了します。このチューニングをしている姿もコンサートの見所のひとつだと言われています。是非、注目してみてください。

 

指揮者とコンサートマスターが登場し拍手で迎える時には、団員の方にも注目してみましょう。観客が拍手をすると同時に、手の代わりに足をバタバタさせて拍手の代わりにしている団員もいるはずです。

これは、楽器を持っているために手がふさがっているために、手の代わりに足を使って歓迎しているのです。初めて見る方には少々変わった光景かと思います。

 

さて、今回はクラシックコンサートにおける注目ポイントについてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

クラシックコンサートでは「生の音」を聞くことができるのも大きな魅力ですが、それ以外にも注目すべきポイントがいろいろとあるということが分かったのではないでしょうか。

 

さて、このページではコンサートの魅力のひとつとして『音が紡がれていく「まさにその時」に立ち会うことで感じられる空気感に立ち会える』ということを挙げましたが、これはバンドのライブにも言える魅力だと思います。

「クラシックコンサート」と「バンドのライブ」とは、同じ人前で音楽を演奏するものです。

次のページでは、両者の違いをお伝えします。それにより、クラシックコンサートの楽しみ方がさらにわかるかと思います。

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