海外のおすすめクラシックコンサート3選

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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この第2章では、クラシックコンサートの種類についてお伝えしてきましたが、最後に海外のクラシックコンサートを紹介します。

海外まで足を延ばさないといけないため、初めてのクラシックコンサートとしてはハードルが高いでしょう。ただ、ここで紹介するコンサートはいずれも日本とは少し異なった雰囲気を感じることができるコンサートですので、いつかぜひ足を運んでいただければと思います。

 

1 ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート


photo by Gryffindor
▲ウィーン楽友協会(ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの会場)

名称 ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート
日時 1月1日正午
料金 35ユーロ~1090ユーロ
(日本円で約4400円~13万7800円※変動有)
開催国/都市 オーストラリア/ウィーン
会場 ウィーン楽友協会

 

海外のクラシックコンサートの中でも、一年の始まりを告げるコンサートを「ニューイヤーコンサート」と言います。

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは、は世界を代表する管弦楽団(オーケストラ)である「ウィーンフィルハーモニー管弦楽団」によって開かれるコンサートです。

指揮者として毎年大御所が招かれることでも話題になります。ちなみに2002年には初めて小澤征爾(おざわせいじ:世界を代表する日本人指揮者)氏が招かれました。

 

▼小澤征爾氏

 

このコンサートは第二次世界大戦の頃から始まり、約80年の歴史を誇っています。そのため、伝統が重んじられているコンサートです。

このコンサートは曲目も非常に練られていて、毎年シュトラウス協会の重鎮やシュトラウス研究家が議論に議論を重ねます。そして、ヨハンシュトラウス2世などシュトラウス一家の楽曲を中心としたプログラムが組まれます。

 

ヨハンシュトラウス2世
ヨハン・シュトラウス2世は、オーストラリアのウィーンで19世紀に活躍した指揮者・作曲家であり、産業革命期の市民階級に熱狂的に支持された。「美しき青きドナウ」などの有名なワルツの曲を生み出し。ヨーロッパで広く知られている。ちなみにシュトラウス協会はシュトラウスの楽曲などを普及する活動を行う協会。

 

このコンサートはどこをとっても素晴らしいのですが、特にアンコールでは「美しき青きドナウ」「ラデツキー行進曲」が演奏されるのが毎年の恒例となっています。

この2曲は紅白歌合戦の「蛍の光」と同じように、伝統として受け継がれ続けています。

 

▼美しき青きドナウ(※このコンサートの音源ではありません)

▼ラデツキー行進曲(※このコンサートの音源ではありません)

 

特にラデツキー行進曲はお客さんの手拍子に合わせて演奏されるため、ホール全体が普段のクラシック音楽の演奏会では感じることのできない一体感に包まれます。

手拍子をクラシックコンサートで行うのは、他のメジャーなコンサートでは他に例を見ない珍しいことです。

 

また、このコンサートでは、曲にちなんだユーモアあふれる演出というのも名物になっています。

もともと打楽器パートから始まった文化であるために、現在でも打楽器パートが中心となってユーモアな演出がなされています。

 

演出の例
・打楽器奏者の1人が、ブタ飼いのショパンの格好に扮装し豚を抱えて登場する。
・鍛冶屋の親方に扮装して飲み食いしつつ演奏
・山賊に扮装して演奏中に金品を楽員から盗む
・工事現場の作業員の格好をして爆破装置のスイッチを押す

 

最近では「シャンパン・ポルカ」という曲の演奏中に打楽器奏者たちが実際にシャンパンを開けて乾杯を交わす場面がありました。

何をしでかすかわからない打楽器パートには要注目です。

 

▼シャンパン・ポルカ(※このコンサートの音源ではありません)

 

▼ウィーン旅行参考(外部リンク)

楽天トラベル(ウィーン)

 

2 ザルツブルグ音楽祭


photo by Optimale CC 表示-継承 3.0

▲祝祭大劇場(メイン会場)

名称 ザルツブルグ音楽祭
開催時期 7月中旬から8月末
料金 30ユーロ~250ユーロ
(日本円約3700円~31600円※変動有)
開催国/都市 オーストラリア/ザルツブルグ
会場 ・祝祭大劇場
・モーツァルテウム
・ハウス・フェア・モーツァルト
・フェルゼンライトシューレ

 

海外のクラシックコンサートとして有名なものの一つが、ザルツブルグ音楽祭です。

オーストラリアにあるザルツブルグと言えば、モーツァルトの出生地としてクラシックファンにとってはおなじみの土地です。

7月中旬から8月末にかけての5週間、世界中から名だたるオーケストラ・指揮者・オペラ歌手・劇団が一堂に会します。

音楽祭が開催されている期間中は、ザルツブルグの町の中ではあらゆる場所でクラシックコンサートが開かれています。

壮麗なホールでのクラシックコンサートが開催されているのはもちろん、町の至る所でアマチュアのオーケストラ、演奏家がストリートミュージシャンのような形で活動しているため、とても音楽を身近に感じることができるでしょう。

 

また、クラシック音楽とは異なるのですが、ザルツブルグのミラベル庭園はあの「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地としても非常に有名です。

 

サウンド・オブ・ミュージック
1965年に公開され世界的に大ヒットしたアメリカ映画。世界で最も有名なミュージカル映画と言っても過言ではない。

▼ミラベル庭園

「ミラベル庭園」は別Webon「世界の絶景111選」でも紹介しています!興味のある方はご覧ください!

 

ミラベル庭園のバラのアーチの前ではアマチュアのオーケストラ・ビッグバンドがクラシックやジャズの演奏をしています。

 

▼バラのアーチ


photo by Avanova

 

運が良ければ、サウンドオブミュージックメドレーも聴くことができるので、そちらの方も要チェックです。

 

▼ザルツブルグ旅行参考(外部リンク)

楽天トラベル(ザルツブルグ)

 

3 ラヴァンナ音楽祭


photo by Herbert Frank
▲ラヴァンナの町並み

名称 ラヴェンナ音楽祭
開催時期 5月~7月
料金 10ユーロ~100ユーロ(約1200円~12600円※変動有)
開催国/都市 イタリア/ラヴァンナ
会場 パラッツォ・マウロ・アンドレなど

 

ラヴァンナ音楽祭は1990年から開催されているヨーロッパの中で最も権威のある音楽祭に数えられます。

この音楽祭ではクラシック音楽だけではなく、オペラ・ダンス・演劇・映画など様々なプログラムがあります。世界遺産に登録されているラヴァンナを取り巻く、歴史的建造物を含む様々な場所が会場になります。

 

▼ラヴァンナ旅行参考(外部リンク)

エクスペディア(ラヴァンナ)

 

さて、今回は海外のクラシックコンサートについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。ザルツブルグ、ウィーンはいずれもクラシック音楽の歴史を語るうえでは欠かすことのできない町です。

そんなクラシック音楽の聖地で、ぜひ本場の空気を味わってみてください。

 

さて、この第2章ではクラシックコンサートの種類について解説してきましたが、次の章(第3章)からは実際の「鑑賞方法」についてお伝えします。

次のページではまずは「選び方」について解説いたします。これを読めば自分が行きたいコンサートがきっと見つかることでしょう。

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