クラシックコンサートの選び方 【鑑賞方法①】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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ここまではクラシックコンサートの「楽しみ方」「種類」についてお伝えしてきましたが、この第3章では「鑑賞方法」について5ページにわたって解説いたします。

ただ最初は「鑑賞したい」と思ってネットで調べても「演奏家が誰だかよくわからないし、曲目を見ても知らない曲ばかりだ……。」とピンと来ない方が多いかもしれません。

そこでこのページでは、コンサートの選び方について解説します。きっと皆さんに合ったコンサートが見つかることでしょう。

 

行きたいコンサートの選び方

 

まずコンサートを選ぶ上で、なんとなく自分が行きたいコンサートというのをイメージしましょう。

といっても「初心者だからわかるわけない!」と思う部分もあるかもしれません。ただ、本当に漠然とでいいのです。

例えば「ピアノが聴きたい!」だとか「よくわかんないけど、とりあえず有名人の演奏を聴いてみたい!」「お金ないから、安くてそこそこのコンサートないかなあ……?」といったような感じで構いません。

それだけでもだいぶ候補を絞ることができるはずです。「なんとなく」というレヴェルで全く構わないので、まずはここから始めてみましょう。

 

▼選び方一覧

重視したいこと 特徴
チケットの安さ チケット代が安い。演奏家のモチベーションが非常に高いことが多く、案外クオリティーの高い演奏を聴くことができる。
とにかく有名な人の演奏が聴きたい チケット代は高い。世界トップレヴェルの演奏を聴くことができる。
コンサートの種類から比較して選びたい 「ガラコンサート」「野外コンサート」「アニメ・映画」など種類は様々なものがあり、自分の興味関心に合ったコンサートを楽しむことができる。

 

1 チケットの安さで選ぶ

 

初めてなので満足できるかわからないし、まずはチケットが安いコンサートからはじめてみたい方もいらっしゃることでしょう。

そんな方には、駆け出しの演奏家による個人リサイタルがおすすめです。

個人リサイタルとは、オーケストラと違い基本的には1人の演奏家によって行われます。

 

 

駆け出しの演奏家はとにかくたくさんのお客さんに集まってもらう必要があるため、チケットも安いことが多いのです。

第2章のこちらのページでもお伝えしましたが、個人リサイタルの場合演奏家のモチベーションが非常に高いことが多く、案外クオリティーの高い演奏を聴くことができるということも少なくありません。

チケットの探し方は、規模が大きくないものがほとんどなので、お住まい周辺のホール、市役所などに置いてあるコンサートに関するパンフレットを探すのがよいでしょう。

 

▼市役所に置いてあるパンフレットの例

 

個人リサイタルの解説は第2章(現在、第3章)にて!

 

2 著名な演奏家で選ぶ

 

駆け出しの演奏家の方ではなくて、とにかく有名な方の演奏が聴きたいという方もいるかと思います、

そもそもクラシック音楽初心者の場合「著名な演奏家」と言われても誰がいるか分からないことが多いのではないでしょうか。

そのような場合、まずネットで「ピアニスト 来日」「クラシック 来日予定」などで検索するのが手っ取り早いでしょう。

 

 

そうすると、著名な演奏家の来日予定が出てくるはずです。

そこに名前が出てくる演奏家というのは世界レヴェルで活躍している音楽家がほとんどでしょう。

その中から地理的・日程的に都合が良いものを選ぶことによって、あまり演奏家についてご存知でないという方でも簡単に世界トップレヴェルの演奏会を探すことができるでしょう。

 

▼著名な演奏家の例

名前 役割 備考
パーヴォ・ヤルヴィ 指揮者 1962年エストニア生まれ男性。世界で最も活躍している指揮者の一人に数えられる。グラミー賞を受賞。
ボリス・ベレゾフスキー ピアノ 1969年旧ソ連モスクワ生まれ男性。チャイコフスキー・コンクールにて優勝。来日頻度も高い。
ラン・ラン ピアノ 1928年中国生まれ男性。アメリカの雑誌「タイム」の「世界で最も影響力のある100人」に選出される。
イザベル・ファウスト ヴァイオリン 1972年ドイツ生まれ女性。世界有数の実力派ヴィア庵にスト。レオポルト・モーツァルト国際コンクール第1位
ヒラリー・ハーン ヴァイオリン 1979年アメリカ生まれ女性。3度グラミー賞を受賞するる。

 

より楽しむために

 

お近くのホールや市役所にいくと、クラシックコンサートのパンフレットが置いてあることが少なくないです。そのパンフレットなどの宣伝にはたいてい曲目だけでなく、演奏者のプロフィールも記載されていることが多いです。

このプロフィールも、コンサートを選ぶ際には注目してみるとよいでしょう。

「コンクールでの受賞歴」「経歴」などが記載されているため、その演奏者がどのような人なのかを知る手がかりを得ることができます。

「海外で音楽を学んでいる方」「国際コンクールと名の付くもので入賞している方」はかなりの実力の持ち主であると言えるでしょう。

 

▼プロフィールのイメージ

【編集部コラム】プロフィールの見方
プロフィールを見てみると「○○大学首席」と記載されていることが多いです。「トップで卒業している人が多いのだなー」と思うかもしれませんが、これは必ずしもトップの成績を取ったという訳ではなく、実技が優秀だった場合は全員を首席とする大学もあるそうです。

また「○○を師事」というのもよく記載されております。これは幼い頃からレッスンをしてくれた先生など、一定の期間指導していたいだいた先生の名前を書くのが一般的だそうです。ただ、何回かレッスンを受けただけでも敬意を表して記載することもあるそうです。

プロフィールを見た時には、是非注目してみたください。

 

また、最近ではSNSを通じて営業している音楽家も徐々に増えています。その演奏者のSNSを確認することで、その演奏者の人柄を知るのも有効な方法です。

SNSは演奏者の名前で検索してみると見つかるかと思います。パンフレットなどに記載されていて気になった演奏家の方の名前で検索してみるのもよいでしょう。

演奏者に対して興味を持つことができれば、自然とその人の演奏を聴きたくなるのではないでしょうか。

▼演奏家の方のSNSの例

3 コンサートの種類で選ぶ

 

クラシックコンサートには様々な種類のコンサートがあります。「個人リサイタル」「ガラコンサート」「交響楽団のコンサート」「野外コンサート」「アニメ・映画のコンサート」などなど。

これらの特徴を比較して、興味を持ったクラシックコンサートに足を運ぶのもよいでしょう。

 

▼クラシックコンサートの種類一覧

種類 特徴 チケット参考価格
個人リサイタル ・もっともよく見かける。演奏者自身がプロデュース
・演奏者のモチベーションが高く質の高い演奏を期待できる
・手軽さが魅力
1000円~
ガラコンサート ・コンクールの上位入賞者だけを招待して開催されるためレベルが高い
・実力者の演奏をたくさん聴ける
『ピティナ宝塚支部がお贈りする音楽の祭典 夢のガラコンサート』5000円
交響楽団によるコンサート ・オーケストラのコンサート
・定期演奏会に繰り返し足を運ぶだけで多くの曲について知ることができる
「NHK交響楽団の定期公演」2019年1月11日:自由一般1500円、S 一般8800円
野外コンサート ・野外のと特設ステージで演奏を行う 『イープラス presents STAND UP! CLASSIC FESTIVAL 2018』1日券スタンディング9800円
アニメ・映画 ・「けものフレンズ」「スターウォーズ」の音楽をクラシックアレンジしたコンサート。シネマコンサートでは、名作映画を生演奏付きで楽しめる 『けものフレンズ×東京フィルハーモニー交響楽団「もりのおんがくかい」』:A席6480円、S席8640円

 

コンサート情報入手方法

 

自分に合ったクラシックコンサートを選ぶには、どこでいつコンサートをやっているのか知る必要があるでしょう。下記に、コンサート情報の入手方法を記載いたします。

「自分の興味により合ったものが観たい」「家から近い方がいい」など、自分の重視することに合わせて情報を入手してみてください。

 

入手経路 重視すること 入手方法
チケットサービス ・自分の興味に合っている 「チケットぴあ」「イープラス」などのチケットサービスで探す。
参考:チケットぴあ
交響楽団などのホームページ ・近所がいい 各楽団のホームページの多くには、コンサート情報が記載されています。
参考:東京交響楽団公式HP
コンサートホールのホームページ ・近所がいい 「サントリーホール」「東京文化会館」などの日本の主要なコンサートホールのホームページには公演スケジュールが記載されています。
参考:サントリーホール
市役所 ・近所がいい お近くの市役所には、その地域で開催されるコンサートのチラシなどが置いてある場合があります。
SNS ・自分の興味に合っている
・人重視
アーティストや音楽事務所のfacebookやtwitterで、公演情報を発信していることがあります。
コンサートに行った時にもらうチラシ ・自分の興味に合っている コンサートに足を運ぶと、入り口で大量のチラシをもらうかと思います。出演アーティストが出ているコンサートだったり、その公演と近い系統の情報が多く手に入ります。

 

さて、今回はクラシックコンサートを選び方についてお伝えしてきました。

実際に観たい公演が決まったら、続いては事前準備について知っておく必要があるでしょう。事前準備をしておけば、よりクラシックコンサートを楽しむことができるのです。

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クラシックコンサートの事前準備 【鑑賞方法②】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

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この章では5ページにわたって鑑賞方法について解説しています。

前ページでは「クラシックコンサートの選び方」についてお伝えしました。

クラシックコンサートは事前準備することによって、より楽しむことができるようになります。このページでは、そんな「事前準備」について解説します。

 

4つの事前準備

 

クラシックコンサートをより楽しむためにしておいた方がよい4つの事前準備があります。4つの事前準備についてこのページで詳しく解説します。

 

▼事前準備一覧

準備 ポイント
① 曲目を知る パンフレットやHPで曲のプログラムが記載。曲の背景を知ることで聴こえ方が変わる。
② 作曲家を知る 作曲家がどんな人か知ることで、曲のイメージを掴むことができる。エピソードに注目するとより楽しめる。
③ 演奏者のプロフィールに注目 演奏者や楽団の活動、受賞歴などを知るとコンサートに対するモチベーションが上がる。
④ Youtubeで聴く ながらでもいいので聴いておく。実際に聴いた曲をコンサートで聴くと、嬉しい気持ちになる人も多い。

 

① 曲の背景を知る

 

クラシックコンサートのパンフレットは、見てすぐにわかるように演奏される曲のプログラムが記載されていることでしょう。

まずはその曲目について自分で少し調べてみるとよいです。

その曲がどのような背景を持っているのかということについて知ることで、きっと曲の聴こえ方が変わってくるはずです。背景を知れば、コンサート中の演奏を聴きつつ、頭の中でその曲の具体的なイメージを描くことができるようになることでしょう。

 

プログラム入手方法
パンフレットに限らず、ホームページなどでも曲目を確認することができます。曲目が載っているホームページの例⇒群馬交響楽団HP

 

曲の背景については別Webon「クラシック初心者入門」で解説しております!

 

② 作曲家を知る

 

クラシックコンサートのプログラムに記載された曲について知ることができたら、それらの曲の作曲家についても調べてみるとよいでしょう。

その作曲家はどのようなジャンル(古典派、ロマン派、近現代など)の曲を残しているのか、どの年代に生きていた人なのか、どのような性格だったのか、どのような生活をしていたのか……と調べてみると、どのような人がその曲を書いたのかをイメージすることができるでしょう。

クラシック音楽の作曲家というのは個性豊かな人が多く、とんでもエピソードを持っている作曲家というのも少なくありません。

そういったエピソードにも注目してみると、より楽しめるかと思います。

 

▼個性豊かなクラシックの作曲家の例

作曲家 エピソード
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
【詳しい解説は別Webon
幼いころから音楽の才能を如何なく発揮し、国王の前で演奏会を行うなど早くからその名声を手にした。5歳の時に初めての作品を制作する。
フレデリック・フランソワ・ショパン
【詳しい解説は別Webon
8歳でコンサートを開く。自然に触れ合うことを好んで、そこで育まれた豊かな感性を活かして、響きの美しさというものを追求した作曲家。ピアノ詩人と呼ばれる。
フランツ・リスト
【詳しい解説は別Webon
10歳の頃にはすでに自分でコンサートを開き、10代でベートーヴェンから絶賛。ファンが「リストの入った浴槽に入っていた水ですら欲しがった」などたくさんの伝説が残されている。
セルゲイ・ラフマニノフ
【詳しい解説は別Webon
手が大きいうえ柔軟性も極めて高かったため、ドから1オクターブ上のソまで(約37センチ)届いたという伝説の持ち主。生前は評価が大きく二分され、死後評価された作品も多い。

 

③ 演奏者のプロフィールに注目

 

コンサートのプログラムに記載されている曲とその作曲家について調べたら、今度は演奏者(楽団)のプロフィールについても見てみましょう。

その演奏者(楽団)が普段どのような活動をしているかを知ることができるはずです。

オーケストラであれば、世界中を飛び回っているような楽団もあれば、定期演奏会を中心に活動している楽団もあるはずです。

また、ピアニストなどの場合は、今までのコンクールの受賞歴やどこの国の人に指導を受けてきたのか、などの経歴も記載されているはずです。

 

▼プロフィールのイメージ

プロフィールの見方についてはひとつ前のページで詳しく解説!

 

実際の演奏者のプロフィールについて知ることで、自然と演奏者に対して親しみも湧き、コンサートに対するモチベーションも上がってくるかと思います。

 

▼定期演奏を行なっている交響楽団。公式サイトにプロフィール記載。

楽団名 特徴 ホール
札幌交響楽団
公式サイト
北海道唯一のプロオーケストラ。透明感あるサウンドとパワフルな表現が特徴。 札幌コンサートホールKitara
仙台フィルハーモニー管弦楽団
公式サイト
毎年開催される「サマーフェスティバル」は夏の風物詩となっている。 日立システムズホール仙台コンサートホール
山形交響楽団
公式サイト
オーケストラの自主レーベルとしては日本初となるCDレーベル『YSO live』を立ち上げる。 山形テルサ
群馬交響楽団
公式サイト
1955年には同楽団を制作された映画「ここに泉あり」が公開された。 群馬音楽センター
NHK交響楽団
公式サイト
日本を代表するオーケストラ。 NHKホール/サントリーホール
日本フィルハーモニー交響楽団
公式サイト
1962年には世界初のシベリウス交響曲全集(渡邉曉雄指揮)を録音。世界的指揮者も相次いで客演。 サントリーホール
名古屋フィルハーモニー交響楽団
公式サイト
中部・東海を代表するオーケストラ。 愛知県芸術劇場コンサートホール
九州交響楽団
公式サイト
福岡県を中心に九州各地で年間約130回の演奏活動を行っている。 アクロス福岡シンフォニーホール

 

また、最近ではSNSを通じて活動状況を発信している演奏者(楽団)も少なくありません。したがって、SNSのアカウントがないか調べてみるのもおすすめです。

ステージの上では見ることのできない姿を見ることができるかもしれません。

 

楽団や演奏者のSNSを見つける方法!
パンフレットに書いてある楽団の名前をTwitterで検索してみましょう。そうすると、簡単に楽団を発見することができます。出演者の方の名前を入力してみても、案外ヒットするので試しに検索してみるのもよいと思います。

▼楽団のSNSの例

 

④ YouTubeで聴く

 

Youtubeでどのような曲なのか実際に聴いてみるのもよいでしょう。Youtubeだと無料で手軽に聴けるのでおすすめなのです。

別に深く考えながら聴かなくても「ながら」で聴くだけでも全然構いません。実際に聴いた記憶がある曲をコンサートで耳にすると、不思議と嬉しい気持ちになるという人も多いです。

きっとより興味を持ってコンサートでの演奏を楽しむことができるかと思います。

 

▼筆者おすすめYoutubeチャンネル

 

【編集部コラム】クラシックコンサートで最もよい席は?

クラシックの事前準備として行うべきなのが「チケットの購入」であり、その際の席選びは重要なのです。

クラシックコンサートで最も良い席は、中央列の真ん中に近いところと言われています。ホールによって異なるものの、最も音がよく聴こえるように作られていることが多いため、最も良い席とされているのです。

「では他の席はだめなのか」というと、そうではなく違った楽しみ方ができるのです。

最前列ですと、会場にもよりますがステージの高さよりも客席が低い位置にあるため、音が頭の上を抜けてしまうと言われています。ただし、指揮者の表情や演奏者の息遣いなど、CDではなかなかできない楽しみ方をすることができます。

また、ピアノリサイタルにおいて「ピアニストの演奏している手を見たい」という理由で左側に座る方もいるそうです。

 

「良い席」とされている中央列の真ん中あたりは、チケット代が高く設定されているケースが多いようです。一方で座席後方はチケットが安く設定されている場合が多いようです。後方の座席だからと言って、音が悪いという訳ではなくバランスよく音が聴こえる場合もあるそう。後方の座席は会場全体を見渡せる席なので、演奏者だけでなくお客さんの熱気なども感じることができるでしょう。

 

中央列の真ん中などの良い席は高いので「とりあえず安い値段で観てみたい!」など自分の目的に合わせて、お気に入りの席を選んでみてはいかがでしょうか。

 

さて、事前準備については以上になります。

コンサート当日に知っておけばより楽しむことができる知識については、第1章の以下のページで解説しておりますので、こちらも事前にチェックしておくとよいでしょう。

 

このページでは、クラシックコンサートをより楽しむための4つの事前準備についてお伝えしました。事前準備をして臨めば、よりコンサートを堪能することができるはずです。ぜひ参考になさってください。

次のページでは会場での「マナー」についてお伝えします。複雑なマナーなどはありませんので、クラシックコンサートの敷居は高いというイメージを払拭していただければと思います。

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はじめに ~クラシックコンサートの敷居は高くない~

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クラシックコンサートの敷居は高くない


photo by Antonio Castagna

 

「皆様はクラシック音楽のコンサートに行ったことがありますか?」「普段から定期的に足を運んでいる方はいらっしゃいますか?」

このような質問をすると私の経験上多くの人から「クラシック音楽のコンサートは行かないなあ……。」という回答が返ってきます。

クラシック音楽のコンサートが大好きな私からすると大変心苦しいのですが、これが現状です。

しかも、クラシック音楽に親しみがないなら、コンサートに行かないのも理解できるところですが「クラシック音楽は聴くけれども、わざわざコンサートにまで足を運ぶ気にはならない」という人も一定数いるのです。

 

おそらく足を運ぶ気にならないのは「クラシックコンサートの敷居が高い」と考えているのが要因だと私は思っております。

しかし、クラシックコンサートは決して敷居の高いイベントではなく、クラシック初心者の方も楽しむことができるのです。クラシックが好きならば是非、会場に足を運んでコンサートならではの楽しみを知っていただきたいのです。

このWebonでは、クラシックのコンサートの魅力、選び方、楽しみ方、鑑賞方法などについて詳しくご説明いたしします。

きっと。敷居が高いように感じていたクラシックコンサートのイメージが代わり、さらに魅力を知ることで「ぜひ行ってみたいな」と感じることができるはずです。

 

【編集部コラム】クラシック音楽は難しくない!身近にあるクラシック!
そもそも「クラシック音楽」自体が敷居が高いと思っている方もいるかと思います。ただ、クラシック音楽は生活のあらゆるシーンで耳にする身近な音楽なのです。

ショパンの「バラード1番」は平昌オリンピックで、フィギュアスケートの羽生結弦選手が使用しておりました。

▼ショパン「バラード1番」

バッハ「トッカータとフーガ」は、テレビ番組などで何かで失敗したシーンに流れるBGMです。

▼バッハ「トッカータとフーガ」

チャイコフスキーの「くるみ割り人形」はとても有名なので、誰しも一度は聴いたことがあると思います。

▼チャイコフスキー「くるみ割り人形」

以上のように、クラシックは日常生活で耳にすることのある身近な存在です。より詳しくクラシックについて知りたい方は、このWebonと同じ著者のめーぷる氏が手掛ける「クラシック音楽初心者入門」をご覧くださいませ。

 

私の想い

 

私は現在、国立大学の医学部に通っていますが、以前はプロのピアニストを目指していました。

私は幼少期からピアノとヴァイオリンを習っていました。小学生の頃くらいには将来プロの音楽家になることを意識し始め、一生懸命に打ち込んできました。

高校3年生の夏頃までずっと、プロのピアニストを目指して練習に励み、実績を積むために数多くのコンクールに出場しました。

 

しかし、その後私は進路について悩みます。音楽の世界は華やかである反面、生活できるレヴェルまで到達するのは難しく、きわめてシビアな世界であるということに気づいたのです。そして、受験の道を選び大学生になりました。

結果的にプロにはならなかったとはいえ、長年クラシック音楽に関わってきたからこそ、お伝えしたいことがたくさんあるのです。やはりそれも、私が現在もクラシック音楽を愛してやまないからなのでしょう。

クラシック音楽の初心者の方に、私の学んできたことを少しでも皆様に還元することができれば幸いです。そして、クラシック音楽が皆さんにとってより身近な存在になることを願っています。

 

さて、次のページではクラシックコンサートの楽しみ方についてお伝えします。初心者の方も。きっと興味がわいて実際に足を運びたくなることでしょう!

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スノーボードの大会種目を知ろう!

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スノーボードは滑るだけじゃない!大会や動画などの観るスノーボードだってとても面白いのです!大会・種目・おすすめスノーボードビデオの解説から、知っておくべきスノーボーダーの紹介まで!

スノーボード『大会観戦』『動画鑑賞』入門はこちらから!

著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

 

 

 

スノーボードの大会種目

 

スノーボードの大会競技は、オリンピックでも日本人がメダルを獲得して話題を集めましたので「少しは観たことがある」という人も多いと思います。

しかしその反面「ルールや見どころなどがわからなくてあまり楽しめなかった」という人も多いのではないでしょうか。

この第1章ではそんなスノーボードの大会や種目を、初心者の方でももっと楽しめるようにルールや見どころなどを6ページにわたり解説していきたいと思います。

また、スノーボードではオリンピック種目となった競技以外にも様々な競技があり、オリンピック以上に楽しめる大会なども多々あります。

まずはこのページで、スノーボードの大会種目を紹介していきます。

 

種目

1 ハーフパイプ

▲ハーフパイプの会場 photo by sookie 

形式 採点
同時滑走人数 1人
オリンピック
有名な選手 平野歩夢・ショーンホワイト

▲平野歩夢選手のハーフパイプの様子

 

ハーフパイプは、オリンピックで日本代表の平野歩夢選手が2大会連続のメダルを獲得したことで話題になったので知っている人も多いのではないでしょうか。

 

▼平野歩夢選手

 

 

大きなパイプを半分に切ったようなコースで、その壁を駆け上ってジャンプ。その演技の採点を競う競技です。

 

ハーフパイプの壁の高さは大会によって異なり、大きなもので約6m、さらにそこから6m以上のジャンプをするので地上からは10mを超えるジャンプとなります。

その高さの迫力と技の華麗さは圧巻です。

 

 

 

ハーフパイプについて詳しくは後のページで!

 

2 スロープスタイル

▲スロープスタイルの会場 photo by Sport Communities – FlickrBEO 2008 Slopestyle act 06 CC 表示-継承 2.0

形式 採点
同時滑走人数 1人
オリンピック
有名な選手 角野友基・セバスチャントータント・鬼塚雅

▲スロープスタイルの様子

 

スロープスタイルもオリンピック種目になりましたので知っている人も多いと思います。

キッカー(ジャンプ台)でジャンプしたり、レール(手すりのようなアイテム)やBOX(箱型のアイテム)などの「ジブアイテム」と呼ばれるものが設置されたコースで技を決めながら滑ります。その演技が採点されて、点数を競います。

 

▼キッカー

▼レール


photo by Велислав

▼BOX


photo by James Streater

 

様々なアイテムが設置されたユニークなコースで様々な技を繰り出しながら滑走する実にエキサイティングな競技で、その「ジャンプの高さ」と「格好良さ」はスノーボード好きでなくても楽しめるでしょう。

 

 

スロープスタイルについて詳しくは後のページで!

 

3 ビッグエア(ストレートジャンプ)

▲ビッグエアの様子

▲ビッグエアの様子

形式 採点
同時滑走人数 1人
オリンピック
有名な選手 鬼塚雅

 

ビッグエアは「ストレートジャンプ」や「ワンメイク」とも呼ばれる競技で、キッカー(ジャンプ台)で一発のジャンプの採点を競う競技です。

先ほどご紹介したスロープスタイルのコースにもキッカーはありますが、一発だけに勝負をかけるのでビッグエアは大技が見られるのが魅力です。

 

ビッグエアではスロープスタイルのキッカーよりも巨大なものを使用するので、高難易度のトリックがしやすく、最高でクワッドコーク1800(縦に4回転横に5回転)という異次元の大技まで生まれています。

 

▼クワッドコーク1800

 

 

ビッグエアについて詳しくは後のページで!

 

4 スラローム(パラレル回転)

形式 タイム
同時滑走人数 1~2人
オリンピック
有名な選手 竹内智香・エステルレデツカ

▲竹内智香選手のスラローム(パラレル大回転)

 

スラローム(スラロームは「パラレル回転」と呼ばれたり「パラレル大回転」(ジャイアントスラローム)と呼ばれる種類があります)は、旗門(青と赤の旗のようなもの)が設置されたコースを滑り降りるタイムを競うレーシング競技です。

 

パラレル回転とパラレル大回転の違い

パラレル回転とパラレル大回転は、設置された旗門の間隔が違います。「回転」の方が間隔が狭く、より細かいターンを行うテクニカルな(繊細な)種目になります。「大回転」は旗門の間隔が広く、大回りなターンで「回転」よりスピードが速いのが特徴です。大回転よりもさらに、旗門の間隔が広い「スーパー大回転」という競技もあります。

また、「パラレル」というのは「二人同時に滑る」という競技のことを意味し、一人で滑る場合は「回転」「大回転」と言います。スノーボードの大会では二人同時に滑る「パラレル」が一般的です。

ちなみに英語では回転=スラローム、大回転=ジャイアントスラローム、スーパー大回転=スーパージャイアントスラロームと呼ばれます。

名称 ターン スピード
回転 細かい 比較的遅め
大回転
スーパー大回転 大きい 速い

 

竹内智香選手がソチオリンピックで銀メダルを獲得したことで有名になった種目で、スキーでの同様の競技があるので見たことがある人も多いのではないでしょうか。

 

▼竹内智香選手

 

 

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これまで紹介した、演技を競うフリースタイル種目と違い、スラロームはスピード勝負の競技です。

ちなみにスラロームの選手は一般的に市販されているスノーボードの道具とは違い、アルペンボードとハードブーツという専門の道具を使用して行います。

 

 

スラロームについて詳しくは後のページで!

 

5 スノーボードクロス

▲スノーボードクロスの様子 photo by indigonat Some rights reserved

形式 レース
同時滑走人数 4人~
オリンピック
有名な選手 ピエールボルティエ

▲スノーボードクロスの様子

 

スノーボードクロスは、キッカー(ジャンプ台)やバンク(斜めになった斜面)、ウェーブ(起伏)などが設置されたコースを4〜6人くらいが一斉にスタートして着順を競う競技です。

 

 

スピード勝負の競技ですが、スラロームと違い、基本的にタイムは関係なく着順で勝敗が決定します。

そのため、スピードだけでなく選手間の駆け引きなども魅力の競技です。F1などのモータースポーツにも似た楽しさがあります。

 

 

スノーボードクロスについて詳しくは後のページで!

 

6 テクニカル

▲「テクニカル」はターンの美しさなどを競う

形式 採点
同時滑走人数 1人
オリンピック
有名な選手

▼テクニカル選手権の様子

 

テクニカルはターンの技術を競う競技です。

タイムは関係なく、ターンの美しさや技術力などを競います。

 

スノーボードを詳しくない人なら知らない人も多い種目かもしれませんが、国内ではとても人気の競技で、毎年全日本選手権をはじめとして様々な大会が開催されています。

ハーフパイプなどのジャンプをする競技や、スラロームのようなスピードを出す競技と違い、危険性が少ないので、選手としても気軽に挑戦しやすい魅力があります。

 

 

テクニカルについて詳しくは後のページで!

 

7 バンクドスラローム

形式 タイム
同時滑走人数 1人
オリンピック -(パラリンピック)
有名な選手 成田緑夢

▲バンクドスラロームの様子

 

バンクドスラロームは、バンク(傾斜のある斜面)やウェーブ(起伏)などのコースを滑り、そのタイムを競う競技です。

オリンピック種目ではありませんが、パラリンピックで成田緑夢選手が金メダルを獲得し話題を集めました。

 

バンクドスラロームはパラリンピックの種目ですが、身障者のための競技というわけではなく、むしろ最近巷では流行になっている人気の競技です。

コースは先ほどご紹介したスノーボードクロスのコースにも似ていますが、より複雑なコースが設定され、一人ずつ滑りタイムを競います。

 

バンクやウェーブが設置された3D(立体的)なコースは滑るだけでの楽しいので、もしバンクドスラロームが設置されたゲレンデがあれば是非滑ってみて欲しいです。

 

種目ごとに全く違う魅力がある!

 

このページではスノーボードの様々な種目について紹介しました。

スノーボードはジャンプやレースが注目されがちですが、テクニカルやバンクドスラロームなどのひと味違った種目などもあります。

これまで過激なジャンプなどに興味がなく、スノーボードに興味のなかった人でも他の種目を見たら考えが変わるかもしれません。

是非一度、色々なスノーボードの種目を見てみてはいかがでしょうか!

 

次のページでは代表的なスノーボードの大会についてご紹介していきます!それぞれ特徴のある大会ばかり。是非観戦してみてください!

 

 

 

目次著者

著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

クラシックコンサートのコンクール

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

クラシックコンサート初心者入門こちらから!

著者:めーぷる

国立大学医学部生。プログラマーとライターの仕事も手掛ける。幼少期からピアノとヴァイオリンを習っており高3の夏頃まではプロのピアニストを目指していた。クラシック音楽、ジャズ、洋楽と幅広いジャンルの音楽に親しむ。お問い合わせはこちらから

 

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前ページでは、クラシックコンサートの種類についてお伝えしましたが、このページでは「コンクール」について詳しく解説します。

コンクールとはクラシック音楽の演奏家を目指すにあたって避けて通ることのできない、いわば「競技会」のようなものです。コンクールを観に行くというのもクラシック音楽を楽しむ方法としておすすめです。

 

クラシック音楽のコンクールとは

 

クラシック音楽のコンクールと言うと、あまり馴染みがないという方も多いでしょう。

クラシック音楽のコンクールでは、ピアノやフルート・ヴァイオリンなどの各々の部門でその技量を競います。

特に中学生以上になると、コンクールの成果がその後の演奏家のキャリアに直結するため、コンクールに挑戦する方は皆必死です。

基本的には数名の審査員がそれぞれの演奏の出来に応じた点数をつけ、それらを統合した評価によって、順位を付ける、もしくは次のステージ(本選、全国大会など)に進む権利を与えるかどうかを決めるのが一般的です。

 

▼コンクールの様子

 

楽しみ方

 

一般的なコンクールだと、演奏から数時間後に結果が貼り出されます。

その結果を予想して自分でも採点してみると、より一層楽しく聴くことができるでしょう。必ずしも審査員が出した結果が一番正しいとは限りません。

初心者だからと遠慮することなく各演奏を自分の中で評価することによって、それぞれの違いにも、より注意深くなることができるはずです。

 

自由曲部門と課題曲部門

 

クラシック音楽のコンクールには「自由曲部門が設けられているコンクール」と「課題曲部門が設けられているコンクール」もしくは「両方が設けられているコンクール」があります。

自由曲部門というのは「基本的に制限時間が決められていて、演奏者がその制限時間を使って自分が自由に選んだ曲を演奏してアピールする形式」です。

一方、課題曲部門というのは「コンクールの運営側が指定した課題曲を演奏する形式」になります。

 

 

自由曲部門の魅力

 

自由曲部門の場合、演奏者が自由に曲を選ぶことができるため、演奏者によって曲目も異なってきます。

したがって、様々な曲を楽しみたいという方におすすめです。

自由曲部門の場合、特に高校生部門ではクラシックの名曲(ショパンなど)をプログラムにチョイスする人も多いです。したがって、自分が知っている曲が演奏されることもあるでしょう。

また、自分が知らない曲が演奏されても、多くの曲を聴くことができるために、クラシック音楽の曲を色々と知る機会にもなるでしょう。

 

部門 特徴 魅力
自由曲部門 自分が選んだ曲を演奏する 色んな曲が聴けるので、様々な曲を楽しみたい人におすすめ。

 

課題曲部門の魅力

 

課題曲部門の場合、演奏者はコンクールの運営側から指定された曲の中から選んで演奏します。したがって、複数の演奏者が同じ曲を弾くことになります。

このため、課題曲部門では演奏者によって、同じ曲でも表現の仕方がずいぶん違うことを実感することでしょう。

テンポ、間の取り方など演奏者によって特徴があるはずです。

こういった違いに敏感になることによって「クラシック音楽を聴く耳」がどんどん養われていくはずです。

 

部門 特徴 魅力
課題曲部門 運営側が指定した曲を演奏する 同じ曲が演奏されるので、表現の違いを感じられクラシック音楽を聴く「耳」が養われる。

 

▼代表的なコンクールPTNA(課題曲)の様子

 

▼特徴と魅力一覧

部門 特徴 魅力
自由曲部門 自分が選んだ曲を演奏する 色んな曲が聴けるので、様々な曲を楽しみたい人におすすめ。
課題曲部門 運営側が指定した曲を演奏する 同じ曲が演奏されるので、表現の違いを感じられクラシック音楽を聴く「耳」が養われる。

 

代表的なコンクール

 

日本で代表的なコンクールとしては

「PTNA(ピアノ)」

「日本クラシック音楽コンクール」

「全日本学生音楽コンクール」

が挙げられます。

 

代表的コンクール 特徴 自由曲or課題曲
PTNA(ピティナ) ピアノコンクールのみですが、レヴェルは日本クラシック音楽コンクールよりもやや高いです。YouTubeで演奏の模様を積極的に配信しています。 課題曲
日本クラシック音楽コンクール 各楽器部門に分かれています。全日本学生音楽コンクールの次に規模の大きいコンクールです。 自由曲
全日本学生音楽コンクール 学生コンクールの中ではレヴェルが一番高く、規模も最大級。決勝はテレビ中継されます。 課題曲/全国大会では自由曲演奏可能

▼チケット情報

PTNA(ホームページ) 開催時期5月下旬~8月下旬
日本クラシック音楽コンクール(ホームページ) 開催時期7月下旬~12月
全日本学生音楽コンクール(ホームページ) 開催時期8月下旬~12月上旬

※開催時期は2018年を参考にしています。

 

もちろん、これら以外にもたくさんのコンクールが開催されていますが、まずは自分の近所でこの3つのコンクールが開かれていないかチェックしてみるとよいでしょう。

お近くのホールや市役所などにパンフレットが置いてあることが少なくないので、それを探してみる、もしくは地域名を含めて検索することによって調べることができます。

コンクールは、普通のコンサートとは一味違った観点でクラシック音楽を楽しむことができます。予約なしで無料で観れることも少なくないので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

次のページでは、海外のクラシックのコンサートを紹介します。なかなか足を運ぶハードルは高いですが、日本とは違った雰囲気を感じることができます。

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クラシックコンサートの客層 【鑑賞方法⑤】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

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著者:めーぷる

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クラシックコンサートに普段足を運ばない方は「一体どんな人が来ているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

このページではクラシックコンサートの客層について紹介します。クラシックコンサートの雰囲気をつかむのに役立つかと思います。

 

1 楽器を習う子供とその親

 

クラシックコンサートで良く見かけるのが、親子連れで来ている家族です。

このような家族の場合、子供が楽器を習っている場合が多いようです。楽器を習っている子供にとって、コンサートでプロの演奏を目の前にすることは、何よりモチベーションにつながります。

「将来、自分もこんなふうになりたい!」

と思うことで、普段の練習にもより一生懸命取り組むことができるでしょう。

 

また、親に楽器の経験があり、親が子供にも習わせたいと考えている場合もあるようです。

子供向けのプログラムが組まれたコンサートに連れていくことで、音楽に対して楽しいイメージをもってもらい「音楽を習うきっかけづくりにしたい」と考えているのでしょう。

実際、私が通っていたピアノ教室でもコンサートがきっかけでピアノを始めた男の子がいました。好奇心旺盛な子供にとっては刺激的な体験となりうるのでしょう。

 

2 音楽家を目指す学生

 

コンサートには意外と若い人もいるのです。

若い人の場合は、単に趣味としてコンサートに来ているだけでなく「将来は音楽家になる」と決心している音高生・音大生(音楽高校・音楽大学の生徒)である可能性があります。

私も音大志望だった頃はその一人でした。

 

音高生・音大生にとって、クラシックコンサートに足を運ぶことはモチベーションアップにつながります。それだけでなく、プロの演奏を見て自分の演奏の参考にしようとしていることが多いようです。

多くのプロの演奏を聴くことで、自分の演奏を多角的に見つめ直すことができるのです。

 

3 クラシックの教育関係者

 

クラシックコンサートに足を運ぶ人の中には、講師の方など、クラシック音楽の教育に携わる人もいます。

自分の生徒がコンクールで演奏する曲がプログラムに含まれているコンサートに足を運び、自らの指導に役立てようとしている場合もよくあります。

また、コンサートに出演する方から直々にお誘いを受け、コンサートに足を運ぶという場合も少なくないようです。

 

4 クラシック好きのお年寄り

 

クラシックコンサートに足を運ぶ人の中にはクラシック音楽が好きなお年寄りも少なくありません。

若いうちはポップな音楽をよく聴く人が多いですが、年を重ねてくると、そのようなテンションが高めの曲から、クラシック音楽のような落ち着いた音楽にシフトしていく人が少なくないようです。

コンサートに行く理由として、まだまだYouTubeを日常的に利用するお年寄りがそれほど多いわけではないことも挙げられるのかもしれません。

 

クラシックコンサートというのは、趣味で楽しんでいるような人から、本格的にクラシック音楽に取り組んでいる人まで、幅広い層が楽しんでいます。

クラシック音楽に詳しくなくても楽しめるイベントなので、気負う必要など全くないのです。

以上、このWebonではクラシックコンサートの楽しみ方や鑑賞方法などをお伝えしてきました。敷板が高くないことが伝わり、実際に会場に足を運んでいただければ幸いです。

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クラシックコンサートの楽しみ方② 【バンドライブとの違い】

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クラシックコンサートに興味があっても「敷居が高い」「拍手のタイミングとかわからない」などの不安から、行くことを躊躇している方も多いのではないでしょうか。そんな不安を払拭し、さらにはより楽しむ方法をお伝えします。

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クラシックコンサートでは「臨場感」や「リアルな音」が得られますが、それはバンドのライブなどでも同じです。しかし、クラシック音楽のコンサートというのはバンドのライブとは一線を画しているところがあります。

このページでは、バンドのライブと比較することでクラシックコンサートならではの楽しみ方を明らかにしていきます。

 

バンドのライブとの相違点

 

「ライブ」というと、一般的にはバンドのリサイタルをイメージする方が多いことでしょう。

しかし「ライブ」とはもともと英語で「生」という意味です。従って「クラシックコンサートも一種のライブである」ということが言えます。

前のページでコンサートの魅力は「音楽が生み出されるまさにその場に立ち会うことができる事である」とお伝えしましたが、バンドのライブもここは共通です。

両者の大きな違いは「お客さんと演者が一体になって盛り上がるかどうか」だと言えると思います。

 

 

一般的なバンドのライブというのは、ファンたちが、そのバンドオリジナルのうちわやタオル等のファングッズを持って一緒に盛り上がるというイメージだと思います。

ボーカルの人とファンが一緒に歌うこともできますし、音楽に合わせてジャンプするなど体を動かすことも可能です。

 

しかし、クラシックコンサートというのはそのようなイベントとは性質を異にしています。

クラシックコンサートでは観客は自分の席にじっと座って演奏を聴くことに集中しなければなりません。また、演奏が終わった後の拍手を除くと、演奏に対するレスポンスをコンサート中に見せるということはマナー違反になってしまいます。

したがって、クラシックコンサートというのはライブのように、演奏者とファンが一体となって作り上げられるものではありません。

クラシックコンサートでは観客はじっと座って演奏を聴くこと、集中することが求められるのです。

 

クラシックコンサートならではの魅力


photo by Quincena Musical

 

さて、クラシックコンサートではなぜ、観客はじっと座って演奏を聴くことに集中することが求められるのでしょうか。

クラシックコンサートにおいては音楽を作り上げるのは演奏者だけです。

クラシックコンサートは「作曲者のメッセージを汲み取った演奏者がそれを表現する場」なのです。演奏者が汲み取ったメッセージを表現するプロセスには、観客が介入する余地がありません。

観客に求められることは「演奏者が表現したものをありのままに受け取ろうとする姿勢」なのです。

そのように聞くと、バンドのライブが好きだという方などからすると、なんだか物足りないような気がしてしまうかもしれません。

しかし、クラシックコンサートでは「演奏者が表現したものをありのままに受け取ろうとする姿勢を求められること」にこそ魅力があると言えます。

 

ライブの場合は基本的に「盛り上がること」に主眼を置いており、音楽そのものの質というのはそこまで問われません。観客が最も盛り上がることができる形へ自在に変化していくわけです。

しかし、クラシックコンサートというのはどちらかというと美術館鑑賞のようなもので「受け取ったものに対して鑑賞者がどのような感じ方をするのかということ」に主眼が置かれています。

そのため、演奏者は音の一つ一つに細やかな気配りをし、演奏の質を保証する必要があるのです。

バンドにもこのような要素がない訳ではないですが、クラシック音楽ではそこにより重きが置かれているのです。

 

 

ぜひ、実際にコンサートに足を運ぶ際は、一つ一つの音に耳を傾けて演奏者の内に秘める感情の揺れ動き・自らの作品に対する解釈の発露を感じ取ってみてくださいませ。きっとそのような楽しみ方は、バンドのライブではなかなかできないものなのではないかと思います。

 

さて、今回はクラシックコンサートの魅力をバンドと比較してみてきましたが、次のページではCDやYouTubeと比較することで、さらにクラシックコンサートの魅力を明らかにしていきましょう。

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寄席の基礎知識 【寄席の鑑賞方法①】

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落語は誰が聴いてもわかりやすく面白い芸能です。落語の基本的な知識や初心者におすすめの演目の紹介、実際に落語を楽しむ方法などを通じて落語(特に古典)の魅力についてお伝えします。

落語初心者入門はこちらから!

著者:ミドケン

落語が大好きなフリーライター。10年程前に落語にはまって以来、ほぼ毎日落語を聴いている。お問い合わせはこちらから

 

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落語には様々な鑑賞方法があると思いますが、その中でも生で落語を鑑賞することができる「寄席」はおすすめです。

この第3章では寄席の鑑賞方法について3ページにわたって解説しております。【基礎知識】【東京のおすすめスポット】【おすすめ落語家】について知れば、実際に足を運びたくなることでしょう。

 

寄席とは

 

寄席(よせ)とは、落語や講談などの演芸を魅せるための劇場のことを言います。また、基本的には「寄席」とは小屋そのものを指しますが、興行自体を指すこともあります。

 

開催日

 

基本的に寄席は毎日やっています

昼と夜の2部制が基本で、「昼の部」は正午前から始まり、「夜の部」は午後5時前くらいから始まることが多いです。

ほとんどの寄席が入れ替え制ではないので、ずっと中にいて一日中たっぷり落語を楽しむことができます。

 

 

お正月は通常より多くの演者が出る「顔見せ興行」というのがあり、そのときは一日三部構成になることがあります。

落語を聴ける場所は、地域寄席やホール落語(「~会館」や「~ホール」など、通常は演芸を上演しない場所でやる落語)など、寄席以外にもあり、居酒屋や蕎麦屋、小学校などでやることもあります。

 

プログラム内容


▲プログラム

 

寄席のプログラムは、上席(毎月1日~10日)、中席(毎月11日~20日)、下席(毎月21日~30日)で内容が変わります。

初めて行くときは、好きな落語家や知っている落語家が出演するときに行くのが良いでしょう。

誰がどの演目をやるかについては、残念ながら事前に知ることはできません。

他の落語家と演目がかぶらないように、出番を待っている間にネタを決めるからです。

 

チケットの買い方

 

寄席のチケットは基本的に予約・前売りはなく、当日券(自由席)だけです。

寄席の入り口には木戸(券売所)があり、ここで木戸銭(入場料)を支払ってから寄席に入ります。

 

【編集者コラム】なぜ入場料を「木戸銭」と言う?
寄席の入り口のことを木戸と言います。その木戸をくぐって入場することから「木戸銭」と呼ばれる、と言われています

 

特別興行でない限り、木戸銭は2500円~3000円程度が相場です。

この金額で一日中楽しめると考えたら安いものですね!

 

 

寄席で会場に入るまでの流れ
①まずは木戸(入り口)でチケットを買います。

②入り口でチケットを渡す。半券とプログラムをもらい入場することができます。

③席は基本的には自由席 。好きな席に座りましょう。

 

マナー

 

マナーと言っても特別なことは何もありません。

普通に席に座って観るだけです。もちろん携帯電話の電源を切ったり、本番中は私語をしないなど最低限のマナーは守らなければいけませんが。

基本的に客席の出入りも自由ですが、他の方の観劇の邪魔にならないように、ひとつの演目が終わった直後(演芸と演芸の間)にするようにしましょう。

もちろん寄席にドレスコードなんてものはないので服装は自由です。

ただ「着物割引」などをやっている寄席もあるので、慣れてきたらチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。

 

【Webon編集部男性の声】飲食OKの演芸場

コンサートや舞台に足を運ぶと、飲食が禁止されているところが多いでしょう。しかし、演芸場によっては、飲食がOKな場合もあるのです。私も友人と浅草演芸ホールに足を運んだ際に、お酒とを飲みながら落語を満喫しました。

そのまま聴いても落語は面白いですが、ほろ酔いで観る落語はまた違う贅沢な楽しみがあります。飲食は自由とはいえ、音を立てすぎると周囲の迷惑になってしまうので、おつまみは「乾き物」がおすすめです。

途中で甘い物が欲しい時もありますので「グミ」も噛んだ時に音が鳴らないので重宝します。

 

落語以外も楽しめる

 

寄席に出演する芸人は落語家だけではありません。

色物(いろもの)と呼ばれる、漫才や漫談、コント、マジック、紙切り、腹話術など、いろいろなジャンルの芸人が登場するので、とってもお得です。

まさに寄席は「芸の博覧会」と言えますね。

 

 

親子で楽しめる「親子寄席」

 

寄席はさまざまな年代の方が集まるところです。子供を連れた家族もよく見かけます。

ただし、あまり小さなお子さんだと途中で泣き出したり騒いだりして、他のお客さんの迷惑になることもあるので注意が必要です。

そもそも未就学児は基本的に寄席に入場できません

地域寄席や行政が主催する公演などでは、親子で本物の落語を楽しめる「親子寄席」が催されることもあるので、そのような機会を利用して子供と一緒に落語を楽しんでみるのも良いでしょう。

 

以上、寄席の鑑賞方法でした。

寄席に入るハードルが高くないことが伝わったのではないかと思います。次のページでは「都内おすすめ落語スポット」を紹介します。お酒を飲みながら落語を観られる場所があるなど、知れば知るほど実際に足を運びたくなるかと思います。

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【落語作品が数多く聴ける。無料体験あり】

 

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著者:ミドケン

落語が大好きなフリーライター。10年程前に落語にはまって以来、ほぼ毎日落語を聴いている。お問い合わせはこちらから

人気のおすすめ落語家4選 【寄席の鑑賞方法③】

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落語は誰が聴いてもわかりやすく面白い芸能です。落語の基本的な知識や初心者におすすめの演目の紹介、実際に落語を楽しむ方法などを通じて落語(特に古典)の魅力についてお伝えします。

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落語が大好きなフリーライター。10年程前に落語にはまって以来、ほぼ毎日落語を聴いている。お問い合わせはこちらから

 

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この第3章では【基礎知識】【東京のおすすめスポット】【おすすめ落語家】と3ページにわたって寄席の鑑賞方法をお伝えしております。

このページでは人気と実力を兼ね備えた、いま人気の落語家を4人紹介します!

実際に寄席に落語を観に行くなら、ぜひこの人たちを観てほしいと思います。

 

1 春風亭一之輔(しゅんぷうてい いちのすけ)

生年月日 1978年1月28日
所属 落語協会
ジャンル 古典落語
師匠 春風亭一朝

 

一之輔さんは、今最も人気のある落語家と言ってもいいかと思います。

「NHK新人演芸大賞落語部門大賞」や「文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞」など数々の賞を受賞し、若手の頃から頭角を現した一之輔さんは、2012年に21人抜きの抜擢で真打昇進を果たしました。

滑稽噺から人情噺まで200以上の持ちネタがあり、年間900席もの高座をこなす超売れっ子です。

 

熊さん(=熊五郎。様々な落語に登場するキャクターであり、乱暴者な性格)や与太郎(=落語の代表的な登場人物で、楽天的で呑気な性格)など、古典落語に出てくる人たちを現代風に変え、現代の人にもわかりやすい内容にして演じることでも知られています。

自分のことを「ひねくれもの」と言っている一之輔さんですが、人物描写にもそこがよく現れているような気がします。

 

 

一之輔さんの得意演目である「初天神」に出てくる子供の憎たらしさが私は大好きです。

「初天神」は一之輔さんの出演する寄席や独演会に行くと聴けるかもしれませんが、何を演じるか当日までわからないことが多いです。そのため、確実に聴くならCDです。「初天神」は下記CDに収録されています。

 

▼「初天神」が収録されてるCD:春風亭一之輔

 

おすすめ作品

芝浜とシバハマ【CD】

 

三遊亭圓朝(さんゆうてい えんちょう)が創作した古典落語の名作「芝浜」に一之輔さんが挑んでいます。

寄席のスタンダードナンバーである「代脈(だいみゃく)」収録した、進化が止まらない一之輔さんの魅力がぎっしり詰まった豪華二枚組です。

 

2 柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)

生年月日 1963年11月30日
所属 落語協会
ジャンル 古典落語&新作落語
師匠 柳家さん喬

 

古典落語と新作落語、どちらも自在に演じ分ける喬太郎さん。

 

▼古典落語と新作落語の違いは第1章で解説(現在は第3章)

 

柳家喬太郎さんは、独自の世界観で楽しませてくれる爆笑必至の新作落語が最高です。

喬太郎さんは落語家になる前は大手書店のサラリーマンだったということもあり、サラリーマンの悲哀や、スポットライトが当たらないような人や趣味などを題材にしたネタを得意としています。

 

古典落語にも定評があり、喬太郎さんならではの解釈や演出を加え、「喬太郎の古典」にしてしまうところがあります。

表情や所作が抜群におもしろいので、生の寄席や動画で観るとより楽しめる落語家です。

大のウルトラマン好きであり、ウルトラマンをテーマにした落語会を開催したり、江戸川乱歩の作品を落語風に演じたりするなど、落語をさまざまな角度から見せてくれるエンターテイナーであることも喬太郎さんの魅力です。

 

 

おすすめ作品

 

柳家喬太郎 名演集1 寿限無/子ほめ/松竹梅 【CD】

誰でも知っている古典落語「寿限無」と古典のメジャー作品「子ほめ」「松竹梅」が収録されています。定番落語とメジャー作品がバランスよく入っているので、初心者の方におすすめです。

 

定番古典落語「寿限無」の噺の内容は第2章で解説!(現在は第3章)

 

3 立川志らく(たてかわ しらく)

生年月日 1963年8月16日
所属 落語立川流
ジャンル 古典落語&シネマ落語
師匠 立川談志

 

2017年上半期のブレイクタレント部門1位にランクインし、今やすっかりテレビでもお馴染みの人となっている志らくさん。

師匠の7代目立川談志さんの影響かどうかはわかりませんが、そのひねくれ方、毒の強さは一級品です。

 

▼7代目立川談志さん

 

90年代には仲間の落語家たちと「“超”放送禁止落語界」と銘打った、差別用語連発の演目を披露する寄席を開催したというのだから驚きますね。

 

志らくさんは古典落語を演じる落語家ですが、真打昇進後に「シネマ落語」を開拓。

これは、ローマの休日を「吉原の休日」、タクシードライバーを「人力車」など、有名な映画の舞台を江戸時代に変えて演じるというもので、映画監督や映画評論家としても活躍する志らくさんならではの、エンターテイメント性あふれる落語です。

シネマ落語は定期的に公演が行われているので、古典落語がどうしてもとっつきにくいという方は、まずシネマ落語を聴いてみるのもありだと思います。

 

▼シネマ落語の参考情報

おすすめ作品

 

⚫志らく 第五集「青菜」「粗忽長屋」「品川心中 上下」 【DVD】

 

落語DVD 初の自身解説の副音声が入っています。

噺の解釈や演出の狙いから、自身へのダメだしまで、さまざまなことを落語と同時進行で解説。自身による立川志らく批評が楽しめる貴重な作品集です。

 

4 桃月庵白酒(とうげつあん はくしゅ)

生年月日 1968年12月26日
所属 落語協会
ジャンル 古典落語
師匠 五街道雲助

▼まくらを披露する桃月庵白酒さん

 

よく声が通り、聴き心地の良さが抜群の落語家です。

子供や酔っぱらい、泥棒、花魁(おいらん)まで、リアリティ溢れる人物描写が非常にわかりやすく、噺の筋がわからない人(落語初心者で噺を理解するのが難しい人)でも理解しやすいと思います。

丸顔でふっくらとした愛嬌のある風貌ですが、マクラ(演目に入るまえの小話)では、ちょっと毒っ気のある話を繰り広げるのも特徴。

そのギャップと舌鋒鋭い(ぜっぽうするどい:弁舌が鋭い)本格的な落語で聴く者を圧倒します。

地味な演目でも楽しく聴かせる天才、そんな白酒さんの、新感覚爆笑古典は必見です!

 

おすすめ作品

 

⚫毎日新聞落語会 桃月庵白酒3「らくだ」「死神」【Amazon Music Unlimited&CD】

この先いったいどうなるのかとハラハラドキドキさせられる「らくだ」と、ひと癖もふた癖ある死神の言動が面白い「死神」。

白酒流にアレンジされた古典落語の名作を存分に楽しめます。

 

以上、落語初心者でも楽しめるおすすめの落語家さん4選でした。

次のページは自宅での落語鑑賞方法についてお伝えします。落語は生の醍醐味を感じていただきたいですが、アプリやストリーミングを活用すれば自宅でも楽しむことができるのです。

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【落語作品が数多く聴ける。無料体験あり】

 

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東京のおすすめ落語スポット7選 【寄席の鑑賞方法②】

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落語は誰が聴いてもわかりやすく面白い芸能です。落語の基本的な知識や初心者におすすめの演目の紹介、実際に落語を楽しむ方法などを通じて落語(特に古典)の魅力についてお伝えします。

落語初心者入門はこちらから!

著者:ミドケン

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落語の一番の醍醐味は、寄席などでプロの落語家の高座(落語の公演)を観ることです。

この第3章では【基礎知識】【東京のおすすめスポット】【おすすめ落語家】と3ページにわたって寄席の鑑賞方法をお伝えしております。

このページでは東京都内のおすすめ落語スポットを紹介しますので、ぜひ足を運んで生の落語を楽しんでみてください!

 

落語定席

 

1年365日、毎日落語を聴くことができる演芸場のことを「落語定席(らくごじょうせき)」と言います。

東京には定席が4つしかありません。

以下に東京の4つの定席である「浅草演芸ホール」「鈴本演芸場」「新宿末廣亭」「池袋演芸場」を紹介します。

演芸場ごとに演目や出演する演者の違いは、ほとんどありません。

私は明確な使い分けは特になく、その時の気分であったりその演芸場の近くに行ったついでに行く、といった感じです。

 

【編集部コラム】ほろ酔いで見る落語
以下で紹介する定席は全て飲食オーケーです。また「浅草演芸ホール」「鈴本演芸場」に関してはアルコールを飲みながら落語を観ることができます。アルコールを飲みながら、ほろ酔い状態で落語を観て笑っている瞬間は著しく幸福度が高いです。おつまみには音が出て迷惑にならないように「乾き物」がおすすめです。

 

浅草演芸ホール

 

東京オリンピックが開催された昭和39(1964)年に「浅草フランス座」を増築してつくられた演芸場です。

東京にある寄席の中で国内外の観光客が最もたくさん訪れ、活気のある寄席で連日賑わっています。

売店では、弁当や飲み物、お菓子などを販売しており飲食しながら落語を楽しむこともできます。(お酒を飲むのもOKです)

浅草演芸ホールや落語芸術協会のオリジナルグッズや、人気番組『笑点』のグッズも販売しているので、記念にそれらのグッズを買ってみるのも楽しいと思います。

 

また、浅草園芸ホールは初心者におすすめの演芸場です。

浅草という場所柄、最も古き良き演芸場の雰囲気を味わうことができます。街全体も楽しい雰囲気ですので初心者の方も気軽に足を運びやすいと思います。

 

詳細(料金・時間・場所)
演芸場 浅草演芸ホール
料金 大人:2800円(3000円)
学生:2300円(2500円)
子供(4歳以上):1500円(1500円)
※()は特別興行の価格。また、団体割引もございます。以下の料金は夜割18:00~、19:00~
大人:2300円、1800円
学生:1800円、1500円
子供:1300円、1300円
公演時間 昼の部:11時40分~16時30分
夜の部:16時40分~21時00分
定休日 年中無休
公式ホームーページ http://www.asakusaengei.com/ticket/#ticket1
電話番号 03-3841-6545
所在地 ・東京都台東区浅草1-43-12 (六区ブロードウエイ 商店街中央)
・浅草駅から徒歩5分
飲食 可能(アルコールもOK)

 

鈴本演芸場


photo by User:Kentin  CC 表示-継承 3.0

 

鈴本演芸場は、東京の落語定席で最も歴史のある演芸場で、母体となった「軍談席本牧亭」という講釈場が誕生したのが安政4年(1857)です。

開席160年以上という伝統ある演芸場は独自の雰囲気を醸し出しており、そこで聴く落語は何とも言えない極上の味わいがあります。

 

詳細(料金・時間・場所)
演芸場 鈴本演芸場
料金 一般:2800円
学生:2500円(中学生以上、24歳まで・要学生証提示)
子供:1500円(未就学児はご入場不可、小学生のみ)
公演時間 昼の部:12時開場、12時30分開演~16時30分終演
夜の部:17時開場、17時30分開演~20時40分終演
※昼夜完全入替制
定休日 12月29日~31日
公式ホームページ http://www.rakugo.or.jp/annai.html
電話番号 03-3834-5906
所在地 ・東京都台東区上野2-7-12
・JR御徒町駅北口より徒歩5分/JR上野不忍口より徒歩10分
飲食 可能(アルコールもOK)

 

新宿末廣亭

 

居酒屋やバーが軒を連ねる新宿三丁目に佇む江戸情緒たっぷりの建築物。それが新宿末廣亭です。

1897年に創業した「堀江亭」を1910年に浪曲師・末広亭清風が買い取って「末廣亭」と改名したのが始まりです。

当時は明治通りに面した繁華街にありましたが戦争で焼失し、昭和21年に現在の場所に再建されました。末廣亭は現存する最古の木造建築の寄席でもあります。

 

毎週土曜の夜に開催されている若手の落語家による「深夜寄席」も人気です。通常の興行の木戸銭(入場料)は3,000円ですが、こちらは1,000円という手ごろな価格で落語を楽しむことができます。

仕事帰りにふらりと訪れてみるのも良し、寄席が終わったあとに飲みに行くのも良し。いろいろな楽しみ方ができる演芸場です。友達と行くにはおすすめです。

 

詳細(料金・時間・場所)
演芸場 新宿末広亭(新宿末廣亭)
料金 一般:3000円
シニア(65歳~):2700円
学生:2500円
小学生:2200円
友の会会員:2500円
平日一般三十名以上:2700円
公演時間 昼の部:12:00~16:30
夜の部:17:00~21:00
入場可能時間:11:00~19:45
定休日 12月30日、31日
公式ホームページ http://www.suehirotei.com/guide.html
電話番号 03-3351-2974
所在地 ・東京都新宿区新宿3丁目6
・地下鉄丸ノ内線・新宿線新宿三丁目駅より徒歩1分
飲食 可能(アルコールNG)

 

池袋演芸場

 

1951年創業の池袋演芸場。1990年から改築による約3年の休業を挟んで、1993年から再開。

会場が地下に移されたことによって唯一地下にある定席になりました。

また、全て桟敷席(ざじきせき:一段高く作られた板の間の席)でしたが、改装により椅子席に生まれ変わりました。

池袋演芸場は他の定席と比べて木戸銭の安さが特徴です。

 

▼料金比較表(特別料金や割引き除く)

演芸場 料金
池袋演芸場 一般:2500円
学生:2000円
子供:1500円
浅草演芸ホール 大人:2800円
学生:2300円
子供:1500円
鈴本演芸場 一般:2800円
学生:2500円
子供:1500円
新宿末広亭 一般:3000円
学生:2500円
小学生:2200円

 

また、浴衣&着物割引、学生服割引、シルバー割引などの各種割引もあります。

演者の持ち時間が長いことも池袋演芸場の大きな特徴です。出演者を絞ることでひとりひとりの持ち時間を長く設定しているそうです。

好きな落語家の噺をたっぷり聴きたいという人にはぴったりの寄席です。

 

詳細(料金・時間・場所)
演芸場 池袋演芸場
料金 ●1日~20日
一般:2500円
学生:2000円
子供:1500円
<特別割引>
○浴衣&着物割引:2000円
○学生服割引(中学生・高校生対象):1500円
○シルバー割引:65歳以上2000円(証明書提示)
○親子割引:子供料金が1000円になる。●21日~30日
・昼の部
一般/学生:2000円
子供:1500円
・夜の部
日毎に料金が変わる
○親子割引:子供料金が1000円になる
公演時間 ・上席(1日~10日)
昼の部:12時開場/12時30分開演
夜の部:17時開演/終演20時30分
※特別興行を除き、昼夜入替えなし
・中席(11日~20日)
昼の部:12時開場/12時30分開演
夜の部:17時開演/終演20時30分
※特別興行を除き、昼夜入替えなし
・下席(21日~30日)
昼の部:13時30分開場/14時開演
夜の部:17時30分開場/18時開演/20時30分終演
※昼夜入替えあり
定休日 12月29日~31日
公式ホームページ http://www.ike-en.com/index2.html
電話番号 03-3971-4545
所在地 ・JR池袋駅西口から徒歩3分
飲食 可能(アルコールNG)

 

筆者に聴きました!演芸場の疑問

デートで寄席を使うのはあり?

 

Q. デートで寄席を使うのはありでしょうか?また、もし行くとしたら付き合う前の方がおすすめでしょうか?

A. デートで寄席はありだと思います。タイミングも付き合う前でも後でもかまいません。

ただ気をつけたいのが「演目や演者によって初心者にはわかりにくい場合がある」ということです。

対処法の1つとしては林家たい平(はやしや たいへい)さんや柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)さんなど、初心者にもわかりやすい落語をやっている人の独演会(落語会)に行くという手があります。

 

▼林家たい平さん

▼柳家喬太郎さん

 

もう1つの対処法はある程度演目の知識を頭に入れてから行くという楽しみ方です。

あるいは古典落語ではなく「新作落語」を演じる落語家の落語会に行くのもありです。新作落語ならコントを観ている感で知識なしで楽しめ、とてもわかりやすいです。

特に落語初心者同士のカップルであれば新作落語を観に行くのはおすすめです。

 

おすすめの席は?

 

Q. それぞれの演芸場でおすすめの席位置はありますでしょうか?また、前・真ん中・後ろで違いはあるのでしょうか?前の方の席だと笑わなかったら落語家さんからいじられそうな気がするのですが・・・。

A. それぞれの演芸場のおすすめの席位置というのはありませんが、共通しているのは、前のほうの席であればより落語家の息遣いを感じられるのでおすすめです。

細かい表情も見やすいです。ただ前の席だといじられる可能性はありますので、それが嫌な人は避けたほうがいいでしょう(ほとんどいじられることはないですが)。

笑う笑わないというのは個人の自由なので、どの席であっても違いはありません。

 

初心者におすすめの落語スポット3選

 

仕事帰りや用事のついでにふらっと立ち寄りやすいおすすめの落語スポットを紹介します。

 

1 らくごカフェ

 

古本街として有名な神田神保町にある、神田古書センターの5階に位置するのが「らくごカフェ」です。

日中はカフェとして営業していますが、夜は落語会が開催されています。

出演者はベテランから若手落語家まで多彩。

客席が約50席と小じんまりした作りなので、落語家との距離が近く、その臨場感がクセになりますよ!

 

名称 らくごカフェ
料金 ・1200円~2500円程度(落語のチケット)
・コーヒー500円
時間 ・月曜~土曜日の11時~18時はカフェタイム
定休日 ホームページ要確認
公式ホームページ https://rakugocafe.exblog.jp/
問い合わせ メール:rakugocafe@hotmail.co.jp
電話:03-6268-9818
所在地 ・東京都千代田区神田神保町2-3 神田古書センター 5F
・都営三田線・都営新宿線・半蔵門線神保町駅A6出口より徒歩1分

 

2 渋谷らくご


(引用元:渋谷らくご公式ホームページ

 

「渋谷らくご」は、渋谷区にある映画館・ユーロスペース内にあるライブホールの「ユーロライブ」で開催されている落語会です。

初心者でも気軽に立ち寄れる落語会を目指し、お笑い芸人のサンキュータツオさんを運営者として起用して、2014年11月にスタートしました。

渋谷という場所柄もあり、客層は女子率が高いので、女性でも気軽に落語を観に行ける落語新スポットです。

 

名称 渋谷らくご
料金 1000円~2500円程度
時間 要確認
定休日 要確認
公式ホームページ http://eurolive.jp/shibuya-rakugo/
電話番号 0120-240-540
所在地 ・渋谷区円山町1-5 KINOHAUS
・渋谷駅より徒歩約10分

 

3 そらまち亭


(引用:そらまち亭公式ホームページ

 

スカイツリーのお膝元・東京ソラマチの7階にある、美味しい料理と楽しい落語が楽しめる居酒屋です。

店内に設置された高座で、ねぎし三平堂(初代・林家三平が遺した品々を展示している資料館)プロデュースの落語や漫才などの演芸を楽しむことができます。

どの席からも演芸が観られるようにテレビモニターが設置されているので、お酒や料理と一緒に、まるでスポーツバーのように演芸を楽しめます。

 

名称 そらまち亭
料金 1000円~5000円
時間 営業時間/11:00-23:00
寄席スケジュール/18:30~(約30分間)
定休日 年中無休
公式ホームページ http://solamachitei.jp/
電話番号 03-5809-7047
所在地 ・東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン ソラマチ7F
・東武スカイツリーライン とうきょうスカイツリー駅すぐ

 

以上、東京都内の落語が365日観られる寄席と初心者おすすめスポットでした。

次のページではおすすめの落語家を紹介します。どの落語家さんを観るか迷った時に是非、参考にしてみてください。

『落語初心者入門』目次へ  (全23ページ)
 

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目次著者

著者:ミドケン

落語が大好きなフリーライター。10年程前に落語にはまって以来、ほぼ毎日落語を聴いている。お問い合わせはこちらから