スノーボード『大会観戦』『動画鑑賞』入門はこちらから!
第1章 スノーボードの大会の世界
第2章 スノーボードビデオの世界
著者:風祭健
北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから
「スロープスタイル」は2014年のソチオリンピックから、「ビッグエア」は2018年の平昌オリンピックから正式種目に加わり、そのジャンプの大きさや迫力ある滑りで話題を集めました。
このページではそんな「スロープスタイル」「ビッグエア」について、大会観戦をする際にもっと楽しむ事ができるような知識や観方を掘り下げて紹介していきます。
開催年 | 開催都市(国) |
2014 | ソチ(ロシア) |
2018 | 平昌(韓国) |
2022(予定) | 北京(中国) |
目次
スロープスタイルの楽しみ方
スロープスタイルとは
▲スロープスタイルの様子
▲スロープスタイルのコースの例 photo by Flickr: BEO 2008 Slopestyle act 06 CC 表示-継承 2.0 –
種目名 | スロープスタイル |
同時滑走人数 | 1人 |
形式 | 採点 |
スロープスタイルは、キッカー(ジャンプ台)や、ジブアイテム(レールやボックスなどの雪以外でできたアイテム)などが設置されたコースを滑り、演技を競い合う競技です。
キッカー(ジャンプ)やレール・BOX(ジブ)などのいくつかのセクションがあり、全てのセクションの滑りが総合的に採点され、その得点で競われる種目です。
スロープスタイルではジャンプがあるので派手なジャンプばかりに目が行きがちですが、レールやBOXといった「ジブ」セクションも同じくらい得点の割合を占める重要なポイントで、勝負の分かれ目となります。
スノーボードのフリースタイル(ジャンプ技などのトリック)の総合力が試される競技と言えるでしょう。
スロープスタイルの魅力
1 大会によって違うユニークなコース
▲キッカーの様子 photo by The Camp of Champions S
スロープスタイルのコースは大会によって異なります。
オリンピックではジブ(レールやBOX)セクション3つ、ジャンプ(キッカー)3つくらいのオーソドックスなコースでしたが、大会によって短いハーフパイプ(下図参照)が設置されたコースや、コース上に自動車が設置されたコースなど、バラエティに富んだユニークな大会も多々あります。
▼ハーフパイプ
photo by
特にアメリカで人気のスノーボードの大会「X-GAMES」などは毎年ユニークなことをして、楽しませてくれます。
▼「X-GAMES」のスロープスタイルの様子
2 色々な技と個性ある滑り
スロープスタイルでは、コースの中で同じ技(例えば同じ方向に回転するジャンプなど)をすると得点が伸びないので各選手色々な技を繰り出します。
また、選手それぞれ個性ある滑りをしますので、ジブセクションからジャンプセクションまで見逃すことができません。
このように色々な技を見ることができるのはスロープスタイルの魅力ですので、選手それぞれの「個性ある滑り」に注目して見てもらえると、よりスロープスタイルを楽しく見れると思います。
3 勝敗を分けるポイント
大会毎に異なるコースで、個性ある滑りを観るだけでも楽しいですが、やはり「勝敗」も大会の醍醐味です。
勝負の分かれ目となるポイントを知ればスロープスタイルの観戦はもっと楽しめるでしょう。
スロープスタイルでは小さなミスが勝敗を分けます。
減点にならないような小さな着地のミスでも、スピードを落としてしまうとリズムを崩して次のセクションがうまくいかなくなったりします。
派手な競技性とは裏腹に、繊細な部分が勝敗を分けるスロープスタイルは緊張感があり、その緊迫感も注目ポイントです。
▼以上の点を踏まえてもう一度スロープスタイルを観てみよう!
ビッグエアの楽しみ方
ビッグエアとは
▲ビッグエアの大会
▲ビッグエアの様子
種目名 | ビッグエア(ストレートジャンプ/ワンメイク) |
同時滑走人数 | 1人 |
形式 | 採点 |
ビッグエアはキッカー(ジャンプ台)での演技を競う競技です。
ビッグエアは別名「ストレートジャンプ」や「ワンメイク」と呼ばれる場合もあります。
先ほどご紹介したスロープスタイルでもキッカー(ジャンプ台)はありますが、ビッグエアは一発のキッカーでの演技で勝負をします。
「技を競い合う」という競技の特性上、出場する選手はスロープスタイルと同じ選手ばかりなのでスロープスタイルをある程度観ていればビッグエアも楽しめると思います。
ビッグエアの魅力
1 大技やユニークな技が観られる
キッカー(ジャンプ台)のサイズはスロープスタイルよりも若干大きいサイズを使用します。
極端にサイズが変わるわけではありませんが、スピード調整など余計なことに気を配らずジャンプだけに集中することができるので、スロープスタイルよりも大技やユニークな技が出やすいのが魅力です。
2 大きなジャンプ
ビッグエアで使われるキッカーのサイズは、特に決まりがないので大会によって異なります。
世界トップ選手が繰り出す大きなジャンプはまさしく圧巻で誰もが興奮するでしょう。
ちなみに大会ではないのですが、スノーボードの世界記録で57mの飛距離を飛んだという記録があります。(下のYouTubeでは22:55のシーン)
Standard Films製作の「Paradox」というビデオに映像が収録されていて、まさしく圧巻です。
▼Paradoxの公式動画
▼以上の事を踏まえてもう一度ビッグエアの大会を観てみよう!
スロープスタイル・ビッグエアの技
ジャンプ技
ジャンプの技は基本的にはハーフパイプの技と同じですので、詳しくはハーフパイプのページを参考にしてください。
ただ、ハーフパイプよりもキッカーを使っているスロープスタイルやビッグエアの方が大きなジャンプをしやすいので、さらに高レベルのトリック(技)が繰り出されています。
ハーフパイプでは、ダブルコーク1440(縦2回転、横4回転のジャンプ技)が最高難易度とされていますが、キッカーではトリプルコーク1620(縦3回転、横4回転半)が標準的で、これまで最大でクワッドコーク1920(縦4回転、横5回転半)までメイク(達成)されています。
▼クワッドコークの例(動画はクワッドコーク1800)
ジブ(レール、ボックス)技
ジブの技としては、
ジブアイテムに対してまっすぐに両足で乗ることを「50-50(フィフティーフィフティー)」
片足で乗ることを「ノーズプレス」「テールプレス」
横にして乗ることを「ボードスライド」や「リップスライド」
などと呼びます。
▼50-50(フィフティーフィフティー)(まっすぐに両足で乗る)
photo by James Streater
▼ノーズプレス・テールプレス(片足で乗る)
photo by Travis Hightower Imaging
▼ボードスライド・リップスライド(ボードを横にして乗る)
さらにジャンプの際スピンしてからBOXなどのアイテムに乗ったり降りたりする技をon(オン)、out(アウト)などと呼びます。
例えば「270 on 270 out」というトリックなら、270°スピンしてアイテムに乗り、アイテムから降りながら270°スピンして着地します。
スノーボードを知らない人からすると、スノーボードのトリック名は訳がわからないような名前も多いですが、基本を知れば以外と単純でわかりやすいです。
グラブトリック(=ボードをジャンプ中に掴む技:下図参照)などはユニークな名前のものも多いですので、トリック名を覚えるだけでも結構楽しめます。
▼グラブトリックの例
以上、スロープスタイルとビッグエアについて掘り下げて解説をしました!これだけの知識があれば、より大会を楽しむことができるはずです!
次のページではアルペン/テクニカル種目の大会の楽しみ方をご紹介いたします!
はじめに
第1章 スノーボードの大会の世界
第2章 スノーボードビデオの世界
著者:風祭健
北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから