KANさんはどんなキャラクター?トリンドル玲奈に曲を捧げる!?

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KANさんは200万枚を超える大ヒット曲「愛は勝つ」で有名ですが、この曲はKANさんのほんの一面に過ぎないのです。ファン歴30年がKANさんの魅力を人柄・ライブ・楽曲に分けて徹底解説!

『KAN』入門 ~「愛は勝つ」だけじゃない!天才であり変態!類まれなソングライター~はこちらから!

著者:しあ

40代後半女性。KANのファン歴30年。1988年「BRACKET」を聴いて感動したのが出逢い。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。

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KANさんは「天才であり変態」であると私は思います。

ただKANさんのキャラクターの魅力を一言で言うのは困難です。

KANさんには面白い側面がいくつもありますので、色々な角度から見たKANさんについてご紹介します。

 

KANさんはどんなキャラクター?

ユーモアセンス溢れる

 

KANさんという人は、とにかくユーモアセンスたっぷりで、遊び心の塊のような人です。

楽曲はもちろん、アルバムジャケット、ライブの創り方、衣装、その他、ありとあらゆるところで、KANさんのオリジナリティー溢れる才能が活かされていて、本当に楽しくおもしろいのです。

クスクスと笑ってしまうおもしろさがKANさんにはあります。

例えば、2016年のアルバム「6×9=53」(ロックごじゅうさん)。アルバムジャケットではKANさんがお爺さんになっています。

▼アルバム「6×9=53」(画像クリックで商品詳細へ)

アルバムタイトルは、ちょっとロックテイストなアルバムという事と、KANさんが当時53歳という事で、このタイトルがつけられました。

なぜ、お爺さんになっているかというと、ロック=69歳、という事で69歳に見えるように扮装しているのです。

このおもしろさ、さすがKANさんだな~と思います。

 

2017年のアルバム「la RINASCENTE」(ラ・リナシェンテ)。このアルバムは、KANさん自らが、弦楽四重奏のアレンジを施したセルフカバーアルバムです。

このアルバムジャケットのおもしろさは、ドナルド・フェイゲンの名盤「THE NIGHT FLY」に似せていること。

▼KAN「la RINASCENTE」

▼ドナルド・フェイゲン「THE NIGHT FLY」


このジャケットのKANさん、すっごくカッコいいです。

もしかして、ドナルド・フェイゲンと間違って買う人がいるかも…?

 

下心を隠しながらも紳士的

 

KANさんが夏目漱石に扮した写真があります。

このクオリティはすごい!

見間違ってしまうかも。

この写真を使った「高級眼鏡拭き」というKANさんのグッズがあります。

先日、KANさんとスターダスト・レビューの根本要さんとでやっているラジオ番組「KANと要のWabi-Sabiナイト」にASKAさん(CHAGE and ASKA)がゲストで来た時に、KANさんがこの眼鏡拭きをプレゼントしました。

 

 

ASKAさんは「あ~!これ知ってる!俺ほしかったやつだ!」と、大喜びでした。ちなみにKANさんは、ASKAさんの事をとてもリスペクトしています。

3人は友達で特にASKAさんと要さんは同い年で親友と言える間柄です。

 

ASKAさんとの関係性は後ページにて紹介!

 

KANさんという人はとても優しく穏やかで礼儀正しく素敵な紳士です。

「紳士」と書いたのはKANさんの歌詞に「ジェントルマン」と出てくることや、KANさんが女性に対して下心を隠しながら紳士的であろうとしているからです。

紳士的でありながらも下心満載の歌詞も書いているKANさん。

そんな歌詞の曲を聴くと、KANさんの変態性を感じずにはいられません。

KANさんの曲はいろいろなタイプの曲があり、その振り幅の大きさに驚かされます。

それらを聴くと、KANさんの「天才であり変態」という意味が、理解できるのではないかと思います。

また、どんなにふざけた曲や女性に対する妄想を歌った曲でも、下品にならないのはKAN さんのキャラクターのおかげかと思います。

 

天才であり変態なのことがわかる楽曲は第3章で紹介!

 

大ヒット曲にとらわれない

 

大ヒット曲があると、それにとらわれて本来の自分を出せなかったり、周りからも同じ系統の曲を望まれたりと、創作活動に影響があったりするかもしれません。

ですが、KANさんは「愛は勝つ」という国民的大ヒット曲を持ちながらも、それにとらわれず自身のユーモアやオリジナリティー溢れる楽曲を創り出しています。

自身の武器であるピアノにもこだわっていて、ピアノ一つで音楽を伝える「弾き語りライブ」に行くと、そのピアノの素晴らしさにも感動します。

KANさんにしか書けない詩、曲は本当に素晴らしくおもしろく、日本の音楽界において類まれなる存在であり、私は彼を天才であり変態だと思っているのです。

 

 

KANさんのキャラクターがわかるプチ情報

 

KANさんには色々な側面があります。よりKANさんの魅力を多角的に理解していただくため、KANさんのキャラクターがわかるような4つのプチ情報を紹介します。

 

① 「素数」が好き

 

KANさんは素数が好きで素数にこだわっています。

通常、アーティストはデビュー20周年、25周年、30周年、と区切りのいい数字を使います。

でもKANさんの場合は、素数にこだわっているので29周年、31周年などを記念としているのです。

 

② 語学が堪能

 

旅行が趣味で旅先での会話能力の必要性を痛感し、語学の習得にも熱心。

中国語、フランス語、イタリア語が得意で、日常会話に困らないぐらいには習得しているそう。

 

③ 愛妻家

 

ラジオなどでよく奥様の話をしています。

「出かける時、女性って時間がかかるじゃないですか。でも、いかに奥さんに気持ちよく準備してもらうか、って言うのが大事じゃないですか。」

と言っていたKANさん。

「さすが紳士なKANさん、素敵な旦那様!」と思いました。

 

④ トリンドル玲奈

 

「Menuett fur Frau Triendl」は、勝手にトリンドル玲奈さんに捧げた曲です。
「トリンドルちゃんは、おそらく聴いていないでしょう…。」とKANさん…。

▼トリンドル玲奈(1992年生まれの日本のファッションモデル、タレント)

 

KANさんは、中田ヤスタカさん(音楽プロデューサー)を尊敬する音楽家の一人として挙げていて、中田サウンドがとても好きなよう。「きゃりーぱみゅぱみゅ」「Perfume」は共に中田ヤスタカさんのプロデュース。

 

中田サウンドとは
中田ヤスタカは、シンセサイザー等の電子楽器を用いた音楽である「テクノポップ」の流行を再来させる。中田サウンドの例は下記のアーティストの曲を聴けば理解しやすいのではないでしょうか。

▼きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」

▼Perfume「ポリリズム」

 

「REGIKOSTAR~レジ子スターの刺激~」「ブログ!ブログ!ブログ!」は、KANさんが中田サウンドを意識して創った作品です。

▼「REGIKOSTAR~レジ子スターの刺激~」(リンク先で試聴可能)

▼「ブログ!ブログ!ブログ!」(リンク先で試聴可能)

その他KANさんのオマージュ曲については第3章で紹介!
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以上、KANさんのキャラクターの紹介でした。

次のページではKANさんのラジオやトークについて紹介します。さらにKANさんの人柄や面白さを知っていただきたいです。

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KANさんの経歴を紹介 【誕生~「愛は勝つ」でブレイク~留学から帰国】

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KANさんは200万枚を超える大ヒット曲「愛は勝つ」で有名ですが、この曲はKANさんのほんの一面に過ぎないのです。ファン歴30年がKANさんの魅力を人柄・ライブ・楽曲に分けて徹底解説!

『KAN』入門 ~「愛は勝つ」だけじゃない!天才であり変態!類まれなソングライター~はこちらから!

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40代後半女性。KANのファン歴30年。1988年「BRACKET」を聴いて感動したのが出逢い。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。

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このページではKANさんの経歴を紹介いたします。

経歴を紹介する中でザ・ビートルズとビリー・ジョエルの事に触れていますが、KANさんの音楽においてその存在が外せないからです。

 

KANさんの簡易年表

▼このページで紹介する主な出来事

出来事
1962年 誕生
1978年頃 ビリー・ジョエルと出会う(当時高校生)
1987年 「テレビの中に」でレコードデビュー
1990年 「愛は勝つ」収録アルバムリリース
1999年 結婚
2002年 フランスで音楽学校に通う
2004年 帰国

 

KANの経歴

誕生~10歳の頃

 

KANさんは1962年福岡県福岡市生まれです。

「かん」という名前は本名で「和」と書いて「かん」と読みます。

本名は木村和「きむらかん」です。

本名でデビューしたかったそうですが、読み間違いの可能性などの理由で「KAN」となったそうです。

 

幼稚園の頃からオルガンを学び、小学校に入学してからはクラシックピアノを習い始めます。

10歳の頃には、少年野球のチームに所属し野球でも活躍。

(ちなみに、この頃の将来の夢が野球選手だったかどうかは定かではありませんが、後に「野球選手が夢だった」というアルバムをリリースします。このアルバムに収録されていた「愛は勝つ」が、国民的大ヒットとなったのです。)

 

中学~高校 <ビリー・ジョエルと出会う>

 

中学校に入学すると自宅の近所にレコードショップが開店し、ずっと欲しい欲しいと思っていたザ・ビートルズのレコードを購入。中学生の頃は、ほぼザ・ビートルズばかり聴いていたそうです。

 

KANさんは、ビリー・ジョエルをリスペクトしています。

 

ビリー・ジョエル

1949年生まれ。アメリカ出身のシンガーソングライター。全世界で1億5000万枚以上のレコード・セールスを記録。1973年にリリースのアルバム「ピアノ・マン」が大ヒットとなる。

▼「ピアノ・マン」公式MV

 

高校生の時、友達が持っていたアルバム「52nd Street」を借りて聴いたのがビリー・ジョエル作品との出会い。「なんだこの音は!」と、大きな衝撃を受けたそうです。

▼1978年リリースアルバム「52nd Street」(画像クリックでamazon primeで視聴可能。

ビリー・ジョエルの「52nd Street」は、KANさんの人生において大きな影響を与えた一枚なのです。

 

KANさんの楽曲を聴けばビリー・ジョエルの音楽が、KANさんの音楽の基になっていることが感じられます。

KANさんの音楽や話などから、ビリー・ジョエルへのリスペクトがとても感じられるし、KANさんは「日本のビリー・ジョエル」と思える存在です。

 

ビリー・ジョエルの音楽が基になっていることがわかる楽曲は第3章で紹介!
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大学~デビュー

 

法政大学に進学するため福岡から上京したその足で、ビリー・ジョエル日本公演のチケットを購入。

その一週間後に行われた日本武道館でのビリー・ジョエルのコンサートは「自分にとって音楽家への志を更に強くしたものだった」との事。

1987年に4月25日に「テレビの中に」でレコードデビュー。

▼「テレビの中に」(画像クリックで商品詳細へ)

 

当時は、KANさんはまだそんなに知られていなくて、ひっそりとデビューしていた気がします…。私は、2枚目のアルバム「No-No-YESMAN」に収録されている「BRACKET」を、テレビで歌っている姿を見たのが、KANさんとの最初の出逢い。

 

 

印象的なピアノのイントロ、激しくピアノを弾く姿、間奏でのスキャットなど、とても音楽センスを感じて、引き込まれました。

 

「愛は勝つ」がヒット

 

1990年に、5枚目のアルバム「野球選手が夢だった」をリリース。

▼「野球選手が夢だった」(画像クリックで商品詳細へ)

このアルバムに収録されていた「愛は勝つ」が、ラジオ局のヘビーローテーションに起用されたり、徐々に評価をされ始めていたところ、山田邦子さん出演の大人気テレビ番組「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」のテーマソングに起用されました。

それにより全国に知られ国民的大ヒットとなり、1991年の日本レコード大賞では大賞を受賞しています。

 

結果的にKANさんの出世作となったアルバム「野球選手が夢だった」。

このアルバムには「愛は勝つ」も収録されていますが、このアルバムは「愛は勝つ」が注目され大ヒットする前にリリースされています。

このアルバムは、本当に名曲ぞろいの素晴らしいアルバムなのです。

「愛は勝つ」が大ヒットする前に創られているアルバムなので、その事を踏まえて聴くと、よりKANさんの魅力、素晴らしさを感じられるのでは、と思っています。

本当に名曲ぞろいなので、KANさんの才能が感じられると思います。

「売れるべくして売れた」と思います。

認められる人はやはり認められるのだと思いました。「愛は勝つ」が大ヒットしたおかげでこのアルバムが多くの人に聴かれることになったので、とてもよかったと思っています。

 

結婚、音楽学校へ

 

その後も、コンスタントにアルバムをリリースしライブを行い、1999年にはバイオリニスト早稲田桜子さんと結婚。

▼早稲田桜子さん

 

KANさんは2002年には、クラシックピアノを基礎から勉強しなおすためにフランスへ移住し、音楽学校へ通います。

私はこの事にとても驚いたのと同時に、音楽活動を休止して渡仏し勉強する姿勢を「とても素晴らしいな」と思いました。

また、ピアノ留学以外の理由として「フランス人になるという夢を叶えるため」という、ふざけたコメントを出したのもKANさんらしいな、と思いました。

こういったおかしなことを言うのがKANさんという人なのです。

 

帰国後の活動

 

2004年に帰国してからは精力的に活動。

KANとしてのソロ活動だけではなく、いろいろなアーティストとのコラボレーションも。

 

コラボ楽曲は第3章で紹介!
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また、ロックやポップスだけではなく、弦楽器の譜面も書けるKANさん。弦楽四重奏のアレンジを自ら行ったセルフカバーアルバムも発売、ライブも行うなど才能豊かな人なのです。

▼弦楽四重奏のアレンジを自ら行ったアルバム「la RINASCENTE」(リンク先で視聴可能)

KANさんは音楽は本当に素晴らしく、聴けば聴くほど天才だと思います。

と、同時に詩の内容から変態(いい意味で)だと思うことも多々あります。

次のページではKANさんのキャラクターを紹介します。なぜ、KANさんを「天才であり変態」だと思うのかお伝えします。

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King Gnuの軌跡② 【『Flash!!!』~『Prayer X』】

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King Gnuを聴いて「人生が変わった」音楽を愛して40年の著者が綴った『KingGnu入門』の決定版!「KingGnuって何?」という方も、既に「ヌー民」の方もこれを読めばKingGnuの曲をさらに楽しめる事間違いナシ!!

King Gnu入門 〜全人類必聴の歴史的革命バンド〜 【メンバーと軌跡編】はこちらから!

著者:渡辺和歌

1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。

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『King Gnu入門【メンバーと軌跡編】』目次へ  (全16ページ)

 

この章ではKing Gnuの軌跡を【Srv.Vinci時代~インディーズ時代】【『Flash!!!』~『Prayer X』】【メジャーデビュー後】と3ページに分けてお伝えします。

このページではKing Gnuがリリースしたシングル『Flash!!!』~『Prayer X』についてお伝えします。

 

▼赤い矢印のところを本ページで解説

 

King Gnu年表 ~『Flash!!!』~『Prayer X』~

 

年月 出来事
2018年7月 『Flash!!!』発売
2018年7月 ワンマンライブ『Flash!!!』
2018年7月 アニメ『BANANA FISH』放送(ED曲『Prayer X』)
2018年9月 『Prayer X』発売
2018年11月 ワンマンライブ

※2015年~2019年4月までの全体年表はこちらのページ

 

『Flash!!!』がリリース


▲『Flash!!!』(画像クリックで商品詳細へ。無料聴き放題期間有)

 

アルバム、フェス、ワンマンライブの次はシングルです。

まずは2018年7月に配信限定のシングル『Flash!!!』がリリース。楽曲の魅力や聴きどころについては後ほど詳しく解説しますが、『Flash!!!』は多様な音楽性を極めるKing Gnuのなかでも激しいアッパーチューン(=ノリがいい曲)。

これぞKing Gnu!という代表曲のひとつです。

▼『Flash!!!』MV

 

『Prayer X』で知名度アップ

▲『Prayer X 』(画像クリックで商品詳細へ。無料聴き放題期間有)

 

その逆の方向に振り切ったのが『Prayer X』。

非常にエモーショナル(叙情的)で、美しくも切ないナンバーです。アニメ『BANANA FISH』のエンディングテーマというタイアップの影響は大きく、King Gnuの知名度はぐっと高まりました。

▼『Prayer X』MV

 

まずは東京のみだったワンマンライブも『Flash!!!』後には東京・大阪、『Prayer X』後には東京・大阪・名古屋で開催。評判がどんどん拡大し、チケットの争奪戦がさらに激化しました。

 

【コラム】『Prayer X』と出会った筆者の熱狂

 

少し話はそれますが、筆者とKing Gnuとの出会いとそれに伴う生活の変化についてお話させていただきます。(King Gnuの軌跡だけ知りたい!という方は次のページをご覧ください)

 

さて、私がKing Gnuを知ったのはアニメ『BANANA FISH』がきっかけ。2018年7月のことでした。Srv.Vinci時代も含めると、私が知る以前に3年ほどの活動期間があったわけです。つまり、これまでの情報は私にとってすべて後追い。

ただ、アニメ『BANANA FISH』を見て『Prayer X』という曲、King Gnuというバンドがどうもアヤシイと直感し、『Flash!!!』『Tokyo Rendez-Vous』『Vinyl』のMVを見た段階で、すっかりKing Gnuの何もかもを知りたいほどファンになっていました。

ヒップホップもヒゲもヤンチャなオシャレもからっきし苦手な私が、です。

このようにKing Gnuの熱狂的なファンになる状態を「ヌー沼にハマる」と表現する人もたくさんいます。そのハマり方、King Gnuの楽しみ方については、後ほど。

過去をディグる(掘り下げる)一方、私にとってリアルタイムとなったのが『Prayer X』。

当初はテレビでアニメ『BANANA FISH』を見る以外、MV制作もKing Gnu初のシングル発売もまだの状態でした。歌詞を耳コピする(聴きとって文字に起こす)なんて、小学生の頃の歌謡曲以来。

情報が更新されるたびに驚かされ、「King Gnuの時代」を共有するようになりました。それでもライブには尻込み。最後にライブに行ったのは何十年前?いや、フェスやクラブで踊り倒していた時期もあったから……。それにしても前世の記憶並みで、重い腰は動きませんでした、まだ。

まず変わったのは仕事です。

長らく文章を書いてきましたが、最近では与えられるテーマなら何でも書く!というスタンスになっていました。おまけに忙しすぎて、好きな音楽も映画もほとんど楽しめない状態。

そんななかでアニメ『BANANA FISH』はタイミングよく見ることができ、King Gnuを知ってからは仕事内容が変わりました。今こうして『King Gnu入門』を書いていることこそ、人生のハイライト?というほどに。

これは夢?奇跡?感謝しかない……と打ち震えるほどの感動を覚えては、舞い上がっている場合じゃない、冷静に……という繰り返し。「King Gnuがやろうとし続けていることの圧倒的な熱量に触れると、生き方まで変わる」を地でいっているわけです。

個人的な熱狂ぶりは垣間見えたかと思われますので、そろそろ落ち着いて「King Gnuの軌跡」に戻りましょう。

こうして「King Gnuの時代」をリアルタイムで共有するようになってから飛び込んできたのが、メジャーデビューのアナウンスでした。

『King Gnu入門【メンバーと軌跡編】』目次へ  (全16ページ)

 

 

目次著者

著者:渡辺和歌

1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。

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King Gnuの軌跡③ 【メジャーデビュー後】

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King Gnuを聴いて「人生が変わった」音楽を愛して40年の著者が綴った『KingGnu入門』の決定版!「KingGnuって何?」という方も、既に「ヌー民」の方もこれを読めばKingGnuの曲をさらに楽しめる事間違いナシ!!

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1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。

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この章ではKing Gnuの軌跡を【Srv.Vinci時代~インディーズ時代】【『Flash!!!』~『Prayer X』】【メジャーデビュー後】と3ページに分けてお伝えします。

このページではKing Gnuのメジャーデビュー後の活動についてお伝えします。

 

▼赤い矢印のところを本ページで解説

 

年表 ~メジャーデビュー後~

 

年月 出来事
2019年1月 『Sympa』発売
2019年1月 ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』放送(主題歌『白日』)
2019年2月 『白日』発売
2019年2月 『Mステ』初出演
2019年3月 ワンマンライブ『Sympa』初全国ツアー
2019年4月 ラジオ『King Gnu 井口理のオールナイトニッポン0(ZERO)』開始
2019年4月 ラジオ『PERIMETRON HUB』開始
2019年4月 『Mステ』2回目出演

※2015年~2019年4月までの全体年表はこちらのページ

 

2019年『Sympa』でメジャーデビュー


『Sympa』(画像クリックで商品詳細へ。聴き放題無料体験有)

 

2019年1月、2枚目のアルバム『Sympa』(シンパ)でソニー・ミュージックレーベルズ傘下のアリオラジャパンからメジャーデビューを果たしたKing Gnu。

2018年9月リリースのファーストシングル『Prayer X』は、人気アニメのタイアップもありながら何とインディーズだったのです。

すっかり”ヌー沼”にハマっていた私は、『Prayer X』の時点で少なくとも日本中の人がKing Gnuを聴くだろうと確信していましたが、まわりを見渡すとまだ温度差がありました。

発売日の数日後に近所のCDショップに行っても『Sympa』の取り扱いはなかったのです。

今になって冷静に考えると、たしかに新人バンドのメジャーデビューアルバム。いきなり田舎の小さなCDショップにまで流通が行き届くとは限りません。ネットで購入する方法もあります。結局、妙な現場主義を貫き、確実に入手可能とアナウンスのあったお店で購入しました。

行くところに行けば、ちゃんと熱く盛り上がっている状況。それだけは大きな街のCDショップで確認し、いざ『Sympa』です。楽曲の解説はあとのお楽しみに取っておきますが、これは歴史的な名盤!とクラクラしました。ますますシンパ(共鳴者)になったことは言うまでもありません。

 

『Sympa』のライブツアーに参加した筆者の体験

 

少し話はそれますが、筆者の『Sympa』のライブに参加した時のお話をさせていただきます。(King Gnuの軌跡だけ知りたい!という方は文中下記の「『白日』が連続ドラマの主題歌に」という見出しまでスクロールいただければと思います。)

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King Gnuの軌跡① 【Srv.Vinci時代~インディーズ時代】

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King Gnuを聴いて「人生が変わった」音楽を愛して40年の著者が綴った『KingGnu入門』の決定版!「KingGnuって何?」という方も、既に「ヌー民」の方もこれを読めばKingGnuの曲をさらに楽しめる事間違いナシ!!

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1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。

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『King Gnu入門【メンバーと軌跡編】』目次へ  (全16ページ)

 

この章ではKing Gnuの軌跡を【Srv.Vinci時代~インディーズ時代】【『Flash!!!』~『Prayer X』】【メジャーデビュー後】と3ページに分けてお伝えします。

このページではKing Gnuの前身のバンドであるSrv.Vinci時代~インディーズ時代の活動についてお伝えします。

 

年表 ~Srv.Vinci時代~

 

年月 出来事
2015年 Srv.Vinci始動
2015年9月 1st AL『Mad me more softly』発売
2016年7月 Daiki Tsuneta Millennium Parade(DTMP) 1st AL『http://』発売
2016年9月 『トーキョー・カオティック』発売
2017年3月 アメリカのイベント出演

※2015年~2019年4月までの全体年表はこちらのページ

 

Srv.Vinci時代の活動

 

▼「Srv.Vinci時代の活動」項目では赤い矢印のところを解説

 

King Gnuの前身バンド「Srv.Vinci」

 

King GnuにはSrv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)という前身バンドがあります。

2015年、King Gnuのキーパーソン常田大希(つねた だいき)さんがSrv.Vinciとして活動を開始。

ドラムの石若駿さん(SONGBOOK PROJECT・CRCK/LCKSなど多数)をはじめ、様々な才能あふれるミュージシャンが関わりましたが、メンバーチェンジを経て現在の4人体制に固まり、2017年に改名という流れです。

その間に、Srv.Vinci名義でアルバム1枚とミニアルバム1枚、常田大希さんのソロプロジェクト「Daiki Tsuneta Millennium Parade(DTMP)」名義でアルバム1枚がリリースされています。

Srv.Vinciとは“サーバ上のレオナルド・ダ・ヴィンチ”という意味。

イタリア・ルネサンス期の芸術家であり“万能の天才”レオナルド・ダ・ヴィンチがもし、パソコンを使ったら?というようなコンセプトなので、とくに初期、1枚目のアルバム『Mad me more softly』は先鋭的です。

▼アルバム『Mad me more softly』REMIX

 

歌やメロディーに重きを置いた「多くの人々に受け入れられるような音楽」というよりも、先鋭的なサウンドに重きを置いた音楽でした。

MVの映像も含めると”最先端のコンセプチュアルアート”といったほうがしっくりくるほど芸術的なセンスが研ぎ澄まされています。※コンセプチュアルアート=前衛芸術

しかも常田大希さんはソロプロジェクトDaiki Tsuneta Millennium Parade(DTMP)を始動し、さらに「芸術性」「先鋭的なサウンド」に重きを置いた音楽を極めます。歌やメロディーに重きを置き、多くの人々に受け入れられるようなわかりやすい音楽とは真逆の方向に進みます。

▼この時のKing Gnuの楽曲の例『Prêt&Porter』芸術性に重きが置かれているように感じる

 

それゆえエッジの効いた(鋭く尖った)感性の持ち主にしか伝わりづらい……という課題が生まれたかもしれません。

「芸術は難しい」と感じる多くの層”大衆”には届かない、受け入れられない。

平たく言うとあまり売れなかったわけです。

 

「芸術」から「大衆向け」に方向転換

 

ここで”サーバ上のレオナルド・ダ・ヴィンチ”こと現代の鬼才・常田大希さんは考えたことでしょう。どんなに優れた・ぶっ飛んだ・イケてる音楽でも「聴いてもらわなければ話にならない」と。

自然な流れで「先鋭的で多様なサウンドでありながら、わかりやすい歌詞やメロディーを楽しむ人にも刺さるような音楽」路線へ。

常田さんの心の内は「J-POPで勝負する!」と煮えたぎっていたのではないでしょうか。現代の日本で、大規模な会場で音楽を聴いてもらおうと思ったら「J-POPしかない」という考え方もできますから。

Srv.Vinciの2作目『トーキョー・カオティック』はKing Gnuの原型となるサウンドに変化したように思われます。

▼アルバム『トーキョー・カオティック』収録「Vinyl」

 

2015年5月頃から既にKing Gnuの4人でライブは行われていましたが、固定メンバーになって方向性が定まり、変化があったのではないでしょうか。

メンバー情報は後述しますが、常田さんの幼なじみで1学年下の井口理(いぐち さとる)さんがフロントマン(バンドの顔となる存在)になったところが大きなポイント。

常田さん・井口さんのツインボーカルのうち、井口さんには井上陽水さんなどのJ-POPもよく聴いていたという強みがありました。

▼井上陽水:1948年生まれ。代表曲は「少年時代」

 

新生ともいえるSrv.Vinciは、2017年3月に『SXSW』(サウスバイサウスウエスト)のJAPAN NIGHT(ジャパンナイト)というアメリカ・テキサス州オースティンでのイベントに参加。

その後、ニューヨークやロサンゼルスなど7か所でこのイベント主催のアメリカツアーを敢行しています。

 

年表  ~インディーズ時代~

 

年月 出来事
2017年4月 King Gnuに改名
2017年7月 『FUJI ROCK FESTIVAL』出演
2017年10月 1stアルバムリリース
2017年11月 常田参加の米津玄師アルバムリリース
2018年1月 初ワンマンライブ

※2015年~2019年4月までの全体年表はこちらのページ

 

インディーズ時代の活動

 

▼「インディーズ時代の活動」の項目では赤い矢印のところを解説

King Gnuに改名

 

バンド名のKing Gnuは「ヌーの王様」という意味です。

ヌーはアフリカの草原・サバンナに生息する、ウシ科ヌー属の草食動物。ウシカモシカやワイルドビーストといった別名もあり、水牛・バッファロー・バイソンとは別種です。

▼ヌー

 

サバンナには乾季と雨季があり、ヌーは春になると食料を求め、大群をなして大移動します。小規模から大規模の群れへ。

King Gnuというバンドのコンセプトは「ヌーの群れの大移動」のようにたくさんの人についてきてほしい・広まってほしい・聴いてもらいたいというわけです。

ヌーの群れの先頭をキングと名づけるところが、わかりやすくてヤンチャでお茶目。

中学時代に1学年先輩だった常田さんは井口さんに「ガタイMAX」というあだ名をつけていたそうですが、180cmの大男・井口さんのイメージが「King Gnu」そのものだったのかもしれません。

こうしたバンドコンセプトの転換が見事にクリーンヒットし、2017年4月の改名前後からKing Gnuは音楽業界や目ざとい音楽通が絶賛する存在となります。

 

『FUJI ROCK FESTIVAL』/ファーストアルバム

 

2017年7月には、日本最大級の音楽フェス『FUJI ROCK FESTIVAL』(フジロック)にも出演。(ちなみにそのステージは新人の登竜門ROOKIE A GO-GO(ルーキー・ア・ゴーゴー)でしたが、翌年2018年にはメインステージのRED MARQUEE(レッドマーキー)へと大躍進を遂げています。)

さらに2017年10月にはファーストアルバム『Tokyo Rendez-Vous』をリリース。

▼『Tokyo Rendez-Vous』(画像クリック商品詳細へ。無料聴き放題期間有)

 

表題曲の『Tokyo Rendez-Vous』と双璧をなすキラーチューンの『Vinyl』(ビニール)は、パーソルテンプスタッフのCMソングにも起用されました。

▼『Vinyl』MV

 

米津玄師からのプロデュース依頼

 

既に音楽業界や音楽通のあいだでは「とんでもないバンドが現れた」と騒がれていたわけですが、米津玄師さんもそのひとり。

自身4枚目のアルバム『BOOTLEG』(ブートレグ)に収録されている「爱丽丝」(アリス)のプロデュース・アレンジ・ギターを常田大希さんに依頼したのです。

▼2017年11月リリース米津玄師4枚目アルバム『BOOTLEG』(画像リンク先で試聴可能)

▼米津玄師『BOOTLEG』クロスフェード(5:05~)爱丽丝

 

ハチ名義のボーカロイド時代から非常に凝ったサウンド作りをしてきた米津玄師さん。当時から熱狂的なファンはいましたが、まだ少数派。大衆を巻き込んで大ヒットしたのは松任谷由実さんの『Hello, my friend』を意識したという『Lemon』でした。

▼『Lemon』MV

 

「歌詞やメロディーに重きを置いた音楽」と「先鋭的なサウンド」、「大衆性」と「芸術性」、この狭間で葛藤する先鋭的な音楽家として、米津玄師さんと常田大希さんは非常に通じ合うところがあったのでしょう。

「爱丽丝」では「先鋭的なサウンド」と「芸術性」を存分に追求したと考えられます。

 

初のワンマンライブ

 

アメリカツアーも敢行し、数々の名だたるフェスや、複数のアーティストが出演する”対バンライブ”などでも話題になっていたKing Gnu。

満を持して初ワンマンライブを行ったのは2018年1月、東京・渋谷WWWでのことでした。

チケットが即日完売という事態になり、約2か月後の3月には追加公演が東京・渋谷WWWXで開催。

まだヌーの群れは決して巨大とは言えないものの、「ライブ演奏がすさまじい」という評判は浸透していきました。

『King Gnu入門【メンバーと軌跡編】』目次へ  (全16ページ)

 

 

目次著者

著者:渡辺和歌

1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。

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『King Gnu』入門 ~全人類必聴の歴史的革命バンド~【メンバーと軌跡編】

「音楽で生き方が変わる、時代が変わる」、そんな話はあり得ないと思っていませんか?
でももし、ひたすら前向きで豊かな人生にしてくれる音楽が現代の日本にあるとしたら…聴いてみたいでしょう。それがKing Gnu(キングヌー)です。

 はじめに

「音楽で生き方が変わる、時代が変わる」、そんな話はあり得ないと思っていませんか?
でももし、ひたすら前向きで豊かな人生にしてくれる音楽が現代の日本にあるとしたら…聴いてみたいでしょう。それがKing Gnu(キングヌー)です。

King Gnuとは?どこが革命的なのか?

第1章 軌跡

この章ではKing Gnuの前身バンド「Srv.Vinci始動」から2019年の4月までの軌跡をお伝えします。知ればKingGnuにハマる事間違い無し。

軌跡① 【Srv.Vinci時代~インディーズ時代】
軌跡② 【『Flash!!!』~『Prayer X』】
軌跡③ 【メジャーデビュー後】

King Gnu年表



第2章 常田大希

1992年5月15日生
ギター・ボーカル他
『天才なのに努力を重ねたので鬼才になってしまった“音楽モンスター”』

常田大希① 【人間性】
常田大希② 【文学性】
常田大希③ 【音楽性】

第3章 井口理

1993年10月5日生
ボーカル・キーボード
『幅広い層に受け入れられる「嫌われない歌声」は天性のもの』

井口理① 【常田大希との関係性】
井口理② 【人間性】
井口理③ 【音楽性】

第4章 勢喜遊

1992年9月2日生
ドラム・サンプラー
『勢喜さんが生み出すグルーヴはリズムの歴史を踏まえたうえでなおかつ斬新』

勢喜遊① 【基本情報と略歴】
勢喜遊② 【人間性】
勢喜遊③ 【音楽性】

第5章 新井和輝

1992年10月29日生
ベース・シンセベース他
『レイドバックする重いジャズ風なベースのグルーヴで、音楽の楽しみ方も人生も、格段に豊かになる』

新井和輝① 【人間性】
新井和輝② 【音楽性】
新井和輝③ 【高井息吹と眠る星座】


著者 渡辺和歌

音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。お問い合わせはこちらから

King Gnu年表 <Srv.Vinci始動~2019年の4月まで>

 

以下ではKing Gnuの前身バンド「Srv.Vinci始動」から2019年の4月までの活動を年表にまとめました。リンク先に詳しい解説がございますので、詳細を知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。

 

King Gnuの全体年表

*2015年:Srv.Vinci始動
*2015年9月16日:Srv.Vinci 1st AL『Mad me more softly』発売
*2016年7月20日:Daiki Tsuneta Millennium Parade(DTMP) 1st AL『http://』発売
*2016年9月14日:Srv.Vinci Mini AL『トーキョー・カオティック』発売
*2017年3月:アメリカのイベント『SXSW』出演~アメリカ7か所ツアー

*2017年4月26日:King Gnuに改名
*2017年7月:音楽フェス『FUJI ROCK FESTIVAL』出演
*2017年10月25日:1st AL『Tokyo Rendez-Vous』発売
*2017年10月29日:フリーライブ『Tokyo Rendez-Vous』(横浜)
*2017年11月1日:米津玄師4th AL『BOOTLEG』の『爱丽丝』に常田大希が参加
*2018年1月28日:初ワンマンライブ『Tokyo Rendez-Vous』(東京)
*2018年3月23日:ワンマンライブ追加公演『Tokyo Rendez-Vous』 X(東京)

▼ここまでの歴史は第1章1ページ目で詳しく解説!

 

*2018年7月13日:配信限定シングル『Flash!!!』発売
*2018年7月13日・16日:ワンマンライブ『Flash!!!』(東京・大阪)
*2018年7月~12月:アニメ『BANANA FISH』放送(ED曲『Prayer X』)
*2018年9月19日:1st SG『Prayer X』発売
*2018年11月:ワンマンライブ(東名阪3か所)

▼ここまでの歴史は第1章2ページ目で詳しく解説!

 

*2019年1月16日:2nd AL『Sympa』発売(アリオラジャパンからメジャーデビュー)
*2019年1月~3月:ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』放送(主題歌『白日』)
*2019年2月22日:配信限定シングル『白日』発売
*2019年2月22日:音楽番組『ミュージックステーション』初出演(演奏曲『Slumberland』)
*2019年3月~4月:ワンマンライブ『Sympa』初全国ツアー(追加2公演含め11か所)
*2019年4月16日:音楽番組『ミュージックステーション』2回目出演(演奏曲『白日』)
*2019年4月4日:ラジオ『King Gnu 井口理のオールナイトニッポン0(ZERO)』開始
*2019年4月5日:ラジオ『PERIMETRON HUB』開始

▼ここまでの歴史は第1章3ページ目で詳しく解説!

 

『King Gnu入門【メンバーと軌跡編】』(全16ページ)は以下より!

 

King Gnuとは何か?どこが革命的なのか?

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King Gnuを聴いて「人生が変わった」音楽を愛して40年の著者が綴った『KingGnu入門』の決定版!「KingGnuって何?」という方も、既に「ヌー民」の方もこれを読めばKingGnuの曲をさらに楽しめる事間違いナシ!!

King Gnu入門 〜全人類必聴の歴史的革命バンド〜 【メンバーと軌跡編】はこちらから!

著者:渡辺和歌

1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。

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「音楽で生き方が変わる、時代が変わる」、そんな話はあり得ないと思っていませんか?

でも、もし、ひたすら前向きで豊かな人生にしてくれる音楽が現代の日本にあるとしたら……聴いてみたいでしょう。それがKing Gnu(キングヌー)です。そう確信する理由やお伝えしたい魅力を綴りました。

 

King Gnuの基本情報

グループ名 King Gnu(キングヌー)
メンバー ・常田大希(ギター/ボーカル)写真上段右から2番目
・勢喜遊(ドラムス/サンプラー)写真上段左から2番目
・新井和輝(ベース)写真上段右
・井口理(ボーカル/キーボード)写真上段左
デビュー 2019年1月16日アルバム『Sympa』でメジャーデビュー
日本の4人組ロックバンド。『Prayer-X』がフジテレビ系アニメ「BANANA FISH」のエンディングに起用され話題になる。シングル『白日』は『イノセンス 冤罪弁護士』(2019年1月-3月日本テレビ土曜22時)の主題歌に起用。日本テレビの音楽番組「バズリズム02」にて音楽関係者が選ぶ今年ブレイクするアーティスト1位に選ばれる。

▼King Gnu(キングヌー)の代表曲『白日』MV

 

はじめに ~『Mステ』登場で残した爪痕~

 

King Gnuを「キングガン」や「キンググニュ」などと誤読していた人にとって、「キングヌー」は2019年に突如として現れた謎の存在かもしれません。

たしかに2019年2月22日、音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に初登場したときは、フロントマン(バンドの顔となる存在)の井口理(いぐち さとる)さんがアニメ『進撃の巨人』の奇行種を真似して、階段を暴れながら駆け下りる姿が注目を集めました。

▼『進撃の巨人』

ゴールデンタイムのテレビ番組で『Slumberland』(スランバーランド)という楽曲が披露されたことこそ革命的な出来事だったわけですが、話題になったのは拡声器を手にした常田大希(つねた だいき)さんの後ろで白目をむいた井口さん。

 

どういう点が革命的な出来事だった?

『Slumberland』(スランバーランド)は「眠りの国」という意味です。

<テレビでは下世話な話題が取り上げられているが、自分にとってはどうでもいいことばかり。それより大事なことは自分の身のまわりで起きている出来事。「眠りの国の住人よ、目を覚ませ!」、そんなことを言う自分もしょせんロックンローラーだから愛と人生しか歌えないけれど……>

といった歌詞。常田さんご本人は「日本のテレビ業界に物申す」つもりもないし、むしろどうでもいい。しょせんロックンローラーなんだから、たとえ売れても調子に乗るな!……という自戒の意味を込めていらっしゃるそうです。井上陽水さんの『傘がない』を参考に作られた歌で、社会でどんなことが起きていても、今自分にとって問題なのは「雨が降っているのに傘がない」という身近なこと……そんな内容に触発されたとのこと。しかし、「眠れるテレビ業界よ、日本よ、目を覚ませ!」と拡声器を片手にアジる、反骨精神むき出しの(かつての?)ロックンローラーのあるべき姿にも見えかねないところが(私には)革命的に映りました。

 

まず登場シーンは、舞台役者や映画俳優も経験したことのある芸達者な井口さんがどうにか爪痕を残そうと頑張った結果。白目をむいたのはミュージックビデオ(MV)と同じく、楽曲に合わせた演出でした。しかし初めて井口さんを見た人は「本当に奇行種?」と思ったかもしれません。

そのせいか、せっかく坂口健太郎さん主演のドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』の主題歌に抜擢されたシングル『白日』(はくじつ)も、白目や自白、目白などと誤読される事態に陥りました。

認知度は高まりましたが、なかには引いてしまった人もいたのではないでしょうか。

 

こうした状況を察知したのか、楽曲のイメージに合わせたのか、大人の事情なのかはわかりませんが、2019年4月26日、2回目の『Mステ』出演で『白日』を披露した際、井口さんは普通に階段を下り、座っているときにこそっと悪戯をする程度でした。

ここでようやく井口さんの美しい歌声や、『白日』のドラマチックな曲の展開、生演奏のすばらしさに気づいた人も多いかと思われます。

「変な人は苦手」「流行りものは聴かない」「『Mステ』を見ていない」など、何らかの理由でKing Gnuを聴き逃していた人に伝えたいことはただひとつ。

今すぐKing Gnuを聴きましょう。なぜなら歴史的な革命バンドだから。

 

King Gnuとは ~どこが革命的?~

 

4人組のロックバンドKing Gnu。

私は吉田秋生先生の社会派少女漫画『BANANA FISH』待望のアニメ化を見て、1期のエンディングテーマだった『Prayer X』を機にKing Gnuを知りました。このタイミングでKing Gnuに出会った人も多いでしょう。

▼『Prayer X』MV

▼フジテレビ系アニメ「BANANA FISH」(2018年7-12月放送)(画像クリックAmazonPrimeへ)

 

初めて『Prayer X』を聴いたときに私は「どうもアヤシイ」と嗅覚が働き、他にも数曲を聴いて「これは音楽性と大衆性の両立という私が待ち望んでいた路線を、確信犯的に狙っているな!」とピンときました。

彼らは「カオティック(混沌とした)」や「ミクスチャー(色々なジャンルの音楽が混じった音楽)」という言葉を好んで使っていて、実際にあらゆる音楽要素が混沌と散りばめられています。

インディーズ時代から、常田大希さんが率いるクリエイティブ集団(クリエイティブチーム)「PERIMETRON」(ペリメトロン)でMVも制作している点などを踏まえると、最先端の総合芸術。「PERIMETRON」については後ページで解説

それなのに、あくまでロック、J-POP。わかりやすいのです。お好みの曲が必ず見つかると断言してもいいほど音楽性の幅が広いところも魅力です。

 

「歌もの楽曲」は歌と様々な楽器演奏が重なり合っていますが、おもにメインのメロディー(主旋律)だけを選んで聴きがちな人が案外多いかもしれません。

そのため優れた音楽であっても「先鋭的で凝ったサウンドに重きを置かれた音楽」は多くの人々には体感しづらく必ずヒットするとは限りません。

「先鋭的で凝ったサウンドでありながら万人に刺さる音楽」と言えば、ビートルズやマイケル・ジャクソン。ビートルズやマイケル・ジャクソンが偉大だったのはまさにこれが理由でしょう。

 

そこへ現れたのがKing Gnu!

私にとっては、まさに現代の日本に舞い降りた進化版ビートルズ。ネイティブの日本語だから歌や歌詞もダイレクトに伝わり、難しすぎない範囲で凝ったサウンドとMV、しかも時代を共有できます。まさに奇跡!

これが「King Gnuは歴史的な革命バンド」と私が確信する理由。

優れた音楽が多くの人になかなか受け入れられない現状で、万人に伝わるよう翻訳してくれていると解釈することもできます。

まさに音楽革命なのです!

 

以上、このページではKing Gnuがどんなバンドなのかという基本的なことについてお伝えしました。

次のページから第1章。King Gnuの軌跡をお伝えします。

『King Gnu入門【メンバーと軌跡編】』目次へ  (全16ページ)

 

 

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著者:渡辺和歌

1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。

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90年代J-POP界のムーブメント① 【90年代に活躍したバンド】

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あなたにとっての“あの頃”はいつですか?著者にとってアツかった時代「90年代」のJ-popヒット曲を生粋の邦楽ファンの著者が分析します!読めば“あの曲”を聴きたくなる事間違いナシ!!

90年代J-popヒット曲入門 ~音楽で振り返る90年代!~(全11ページ)はこちらから!

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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『90年代J-popヒット曲入門』目次へ  (全11ページ)

 

この章では90年代のJ-POP界のムーブメントを

①【90年代に活躍したバンド
②【ドラマとのタイアップ
③【バラエティ発のヒット曲

という3つの主要なところにスポットを当てて解説いたします。

このページでは90年代に活躍したバンドについてお伝えします。

 

90年代のヒットチャートの傾向

80年代後半から着々と盛り上がりを見せていたバンドブームに加え、90年代デビューバンドの躍進。次々にヒット曲が生まれ、ミリオンセラーをとばしました。

▼90年代デビューバンドの例

バンド名 デビュー
1991 スピッツ シングル「ヒバリのこころ」でメジャーデビュー
1991 ZARD シングル「Good-bye My Loneliness」でデビュー
1992 Mr.Childrem アルバム『EVERYTHING』でメジャーデビュー
1994 JUDY AND MARY シングル「POWER OF LOVE」でメジャーデビュー
1994 GLAY シングル「RAIN」でメジャーデビュー
1994  L’Arc〜en〜Ciel ビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビュー

 

90年代のヒットチャートは今思えば豪華なラインナップであったように思います。

そして、「B`z」「スピッツ」「Mr.Childrem」などこの時代に活躍していたバンドの多くが今も現役で活躍しています。

 

95年以降がバンド全盛期

 

「CD売り上げ」「メディア露出」「タイアップ本数」という視点でみるとするならば、メジャーバンドがもっとも活躍した時期は95年以降かと思います。

以下では、何度目かのバンド全盛期である95年~99年のJ-POP界の状況と、配信などがなく、レンタルもまだ盛んではなかった時代にどのように音楽の情報を手に入れていたか(現在との違い)という点を自身の体感・経験を中心に語りたいと思います。

90年代のリアルなJ-POP界の状況を温度感とともに、お伝えいたします。

 

95年~96年

95年オリコンシングルTOP20

▼95年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE/嵐が来る」
2 H Jungle With t「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」
3 福山雅治「HELLO」
4 Mr.Children「Tomorrow never knows」
5 Mr.Children「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」
6 MY LITTLE LOVER「Hello, Again 〜昔からある場所〜」
7 桑田佳祐&Mr.Children「奇跡の地球」
8 岡本真夜「TOMORROW」
9 スピッツ「ロビンソン」
10 B’z「LOVE PHANTOM」
11 trf「CRAZY GONNA CRAZY」
12 Mr.Children「【es】 〜Theme of es〜」
13 B’z「ねがい」
14 B’z「love me, I love you」
15 trf「masquerade」
16 L⇔R「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」
17 大黒摩季「ら・ら・ら」
18 B’z「MOTEL」
19 シャ乱Q「ズルい女」
20 H Jungle with t「GOING GOING HOME」

 

95年~96年当時のリアルな状況


My Little Lover「Hello,Again~昔からある場所~」

 

小学校中学年の頃はじめて自分のお小遣いで買ったCDはMy Little Loverの「Hello,Again~昔からある場所~」(1995年8月リリース)でした。

1996年の年明け、まだ寒いころのことです。

一緒に行った兄はMr.Childrenの「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」を購入。

当時はまだ「My Little Lover(以下マイラバ)」も「Hello,Again」も読めませんでした。

一度聴いただけでこの曲を好きになり、何度も聴きたくてCDを買おうと思ったものの、誰のなんという曲なのかがわからず苦労したものです。

それでもCMや歌番組でマイラバ独特のあの声が聴こえるたび、必死で耳を傾け、メロディと歌詞を覚えました。

かろうじて「昔からある場所」は読むことができたので、当時駅前にあった町内唯一のCDショップ(大半が演歌のカセットテープだった)へ行き、あ行からわ行までしらみつぶしに探し、ようやく見つけたときは本当にうれしかった。

宝物に会えた心地でした。

 

▼「Hello,Again~昔からある場所~」ストリーミング(聴き放題無料体験有)

 

当時、店のおっちゃんに「流行ってるから多分これちゃうか?」と安室奈美恵の「Body Feels EXIT」とJUDY AND MARYの「そばかす」を勧められたのを覚えています。

▼安室奈美恵「Body Feels EXIT」

▼JUDY AND MARY「そばかす」

 

 

当時はいわゆる縦長の8㎝CD。

B面とカラオケバージョンも収録されていました。

「買ってでも聴きたい」というよりも「買わなければちゃんと聴けない」という思いが強かったように思います。

毎日聴きました。カセットテープに落として、親が運転する車のなかでも聴きました。

はじめてCDを買って以降、歌番組をなるべく欠かすことなく見るようになりました。「ミュージックステーション」や「夜もヒッパレ!」「カウントダウンTV」といったところ。

当時は録画もさほど簡単ではなかったので、リアルタイムで見て聴いて「これだ!」と思った曲をいかに逃さないかが勝負でした。

つくづく音楽との出会いはタイミングが重要であると思います。

ZARDの「マイフレンド」も気に入ったもののバンド名を読めませんでした。アルファベットの並びをノートにメモして、またTVで出会える日を待ちました。

▼ZARD「マイフレンド」

globeの曲はタイトルも歌詞もほとんどが英語。

それでもメロディはすぐに覚えることができました。CMやランキング番組で何度も耳にしたし、有線でもよく流れていたので。

ウルフルズやスピッツは曲そのものがキャッチーな上、タイトルが簡単ですぐに覚えることができたので、よく口ずさんでいたように思います。

 

【コラム】スピッツの「渚」

余談ですが、スピッツの「渚」に好きなフレーズがあります。

ぼやけた六等星だけど 思い込みの恋に落ちた 初めてプライドの柵を超えて

引用:「渚」スピッツ 作詞・作曲草野正宗

たったこの一言、そして私なりの解釈でしかないため真意はわかりませんが、ある日このフレーズだけがストンと入ってきて、そのまま私のなかに残りました。

私は「ぼやけた六等星」です。恋をするときはこんな気持ち。自分など…と思いながら、自分を守る柵を飛び越えなければいけない。恋を知り始めたころから、このどこか自虐的な表現がとても好きでした。

しかし「恋のはじまり」という曖昧なものじたいが「見えるか見えないかの六等星」である。つまりは「思い込みの恋」とは恋のはじまりを歌っているのかもしれないなと感じるときもあり、つくづくスピッツの歌詞は美しく、奥が深いと思います。

 

96年~97年 当時のリアルな状況

96年~97年オリコンシングルTOP20

▼96年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 Mr.Children「名もなき詩」
2 globe「DEPARTURES」
3 久保田利伸 with NAOMI CAMPBEL「LA・LA・LA LOVE SONG」
4 スピッツ「チェリー」
5 Mr.Children「花-Mémento-Mori-」
6 スピッツ「空も飛べるはず」
7 サザンオールスターズ「愛の言霊 〜Spiritual Message」
8 華原朋美「I’m proud」
9 安室奈美恵「Don’t wanna cry」
10 安室奈美恵「Chase the Chance」
11 B’z「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜/MOVE」
12 B’z「Real Thing Shakes」
13 安室奈美恵「You’re my sunshine」
14 松田聖子「あなたに逢いたくて 〜Missing You〜/明日へと駆け出してゆこう」
15 PUFFY「アジアの純真」
16 PUFFY「これが私の生きる道」
17 MY LITTLE LOVER「ALICE」
18 JUDY AND MARY「そばかす」
19 ZARD「マイ フレンド」
20 セリーヌ・ディオン with クライズラー&カンパニー「TO LOVE YOU MORE」

 

▼97年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」
2 KinKi Kids「硝子の少年」
3 Le Couple「ひだまりの詩」
4 globe「FACE」
5 SPEED「STEADY」
6 今井美樹「PRIDE」
7 TK PRESENTS こねっと「YOU ARE THE ONE」
8 Mr.Children「Everything (It’s you)」
9 GLAY「HOWEVER」
10 SPEED「White Love」
11 猿岩石「白い雲のように」
12 ポケットビスケッツ「Red Angel」
13 安室奈美恵「a walk in the park」
14 華原朋美「Hate tell a lie」
15 河村隆一「Glass」
16 B’z「Calling」
17 GLAY「口唇」
18 PUFFY「渚にまつわるエトセトラ」
19 SMAP「SHAKE」
20 B’z「Liar! Liar!」

 

96年~97年当時のリアルな状況

私が小学校高学年くらいのとき、96年か97年頃のこと。高校生だった従兄弟がカセットテープに流行りの曲を焼いてくれました。

同時期に「お兄ちゃんが歌詞を書き起こしてくれた」だとか「お姉ちゃんが買った雑誌に歌詞集が載っていた」だとか、クラスメイトの一部が同じような経験を経て音楽を聴き始めるようになりました。

そこで出会ったのが、今も活躍するバンドの曲。

まず私のど真ん中に入ってきたのがGLAYの「グロリアス」。「恋に恋い焦がれ恋に泣く」だなんて意味もわからず口ずさんでいたこと、いま思えば恐ろしいものです。

▼GLAY「グロリアス」

 

私のカセットテープにはほかにも、スピッツ、JUDY AND MARY、ORIGINAL LOVE、ウルフルズ、Mr.Children、シャ乱Q、B’zなどの曲が入っていました。

解散はしてしまいましたが、L⇔R、FEELD OF VIEWも入っていたように思います。

 

B’zの「LOVE PHANTOM」はずっと、なんという曲なのか知らずに口ずさんでいたので、出会えた時は本当にうれしかったものです。

イントロを聴くなり「この曲じゃない!」と思ったのを覚えています。

▼B’z「LOVE PHANTOM」

 

でも、サビは私の知っている「LOVE PHANTOM」だった。

あの衝撃は、リスナーなら誰もが体験したでしょう。

 

JUDY AND MARYの「くじら12号」は林間学校のバスの中みんなで歌いました。

 

ウルフルズの「ガッツだぜ!」は、本当に当時、父親世代が口ずさんでいました。

 

「愛はきっと奪うでも 与えるでもなくて 気が付けばそこにある物」というミスチルがくれた言葉はいまも私の中心にあります。

▼Mr.Children「名もなき詩」

 

それにしてもこの豪華ラインナップ。ミーハーだと思うでしょう。

いえ、贅沢だと思うでしょうか。

しかし、実際に90年代のヒットチャートはこんな具合だったのです。

当時のベストテンは、このような顔ぶれが並ぶことが普通でした。

 

97年以降 ~当時のリアルな状況~

98年~99年オリコンシングルTOP20

 

▼98年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 GLAY「誘惑」
2 SMAP「夜空ノムコウ」
3 SPEED「my graduation」
4 BLACK BISCUITS「タイミング 〜Timing〜」
5 GLAY「SOUL LOVE」
6 Kiroro「長い間」
7 L’Arc〜en〜Ciel「HONEY」
8 KinKi Kids「愛されるより 愛したい」
9 Every Little Thing「Time goes by」
10 KinKi Kids「全部だきしめて/青の時代」
11 hide with Spread Beaver「ピンク スパイダー」
12 J-FRIENDS「明日が聴こえる/Children’s Holiday」
13 SPEED「ALL MY TRUE LOVE」
14 L’Arc〜en〜Ciel「花葬」
15 L’Arc〜en〜Ciel「snow drop」
16 SPEED「ALIVE」
17 B’z「HOME」
18 KinKi Kids「ジェットコースター・ロマンス」
19 Mr.Children「終わりなき旅」
20 L’Arc〜en〜Ciel「浸食 〜lose control〜」

 

▼99年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だんご合唱団「だんご3兄弟」
2 GLAY「Winter,again」
3 浜崎あゆみ「A」
4 坂本龍一「ウラBTTB」
5 宇多田ヒカル「Automatic/time will tell(12cm)」
6 宇多田ヒカル「Addicted To You」
7 モーニング娘。「LOVEマシーン」
8 GLAY「BE WITH YOU」
9 L’Arc~en~Ciel「HEAVEN’S DRIVE」
10 KinKi Kids「フラワー」
11 浜崎あゆみ「Boys & Girls」
12 Something ELse「ラストチャンス」
13 Dragon Ash「Grateful Days」
14 GLAY「ここではない、どこかへ」
15 GLAY「サバイバル」
16 宇多田ヒカル「Movin’on without you(12cm)」
17 鈴木あみ「BE TOGETHER」
18 hiro「AS TIME GOES BY」
19 B’z「ギリギリchop」
20 KinKi Kids「雨のMelody/to Heart」

 

97年以降の当時のリアルな状況

 

97年のDragon Ash、99年のBUMP OF CHICKENやポルノグラフィティのメジャーデビューもよく覚えています。

Dragon ashを聴くと、なぜか大人になれた気がしました。m-flowやLOVE PSYCHEDELICOなども同じく。

背伸びしたい年頃に差し掛かった当時の私にとって、彼らの音楽は最高に「かっこいい」アイテムでしたし「聴いている」「知っている」ことが一種のステータスのようにも感じていました。

でも本当にかっこよかったし、いまもふと耳にすると当時の冬の匂いや、寄り道した塾の帰り道なんかを思い出します。ポルノグラフィティはどこか哲学を感じさせる歌詞、ハキハキとメリハリのある歌声ですぐに人気を博しました。

 

このままのスピードで世界がまわったら

アポロ100号はどこまで行けるんだろう?

離ればなれになった悲しい恋人たちの

ラヴ・E・メール・フロム・ビーナスなんて素敵ね

引用:「アポロ」ポルノグラフィティ/作詞ハルイチ/作曲ak.homma,Ryo

▼ポルノグラフィティ「アポロ」

 

なにか壮大なことを妄想したい、くすぶった年頃の中学生が憧れるにはぴったりの歌詞でした。あれから20年が経ち、当時アポロ100号に思いを馳せた中学生はとっくに大人になりました。ポルノグラフィティは今も変わらず、現役で活躍しています。

 

バンドは「続けることが難しい」とききます。

だからこそ、LUNA SEAやTHE YELLOW MONKEYなど、一度立ち止まり、休止や解散を経て帰ってきてくれるバンドがいること、彼らが再び素晴らしい音楽を届けてくれていることは、当たり前ではない幸せなのだとかみしめています。

90年代デビューではないため余談ではありますが、XJAPANの活動再開は本当にうれしかった。

TAIJIやhideには存命中に会うことは叶わなかったけれど、再び動き出したアツイ時間をライブで共有できたこと、歴史の大切な1ページに関われたような気持ちでいます。

生きている時間にはかぎりがあります。絶対に後悔をしないようにと、ライブがあればせっせと足を運ぶ日々を送っています。

『90年代J-popヒット曲入門』目次へ  (全11ページ)



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目次著者

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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90年代J-POP界のムーブメント③ 【バラエティ発のヒット曲】 

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あなたにとっての“あの頃”はいつですか?著者にとってアツかった時代「90年代」のJ-popヒット曲を生粋の邦楽ファンの著者が分析します!読めば“あの曲”を聴きたくなる事間違いナシ!!

90年代J-popヒット曲入門 ~音楽で振り返る90年代!~(全11ページ)はこちらから!

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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この章では90年代のJ-POP界のムーブメントを

①【90年代に活躍したバンド
②【ドラマとのタイアップ
③【バラエティ発のヒット曲

という3つな主要なところにスポットを当てて解説いたします。

このページでは「バラエティ発のヒット曲」について説明いたします。

 

90年代はバラエティ番組のヒットソングが多く登場した

 

90年代では、数々のバラエティ番組が軒並み高視聴率を誇りました。現在とは異なり、携帯電話やパソコンもない時代ですから、娯楽といえばもっぱらTV。

家族みんながTVの前に集まり、同じ時間を過ごしたものです。バラエティ番組から生まれた音楽ユニットやヒット曲も数多く存在します。

「エキセントリック少年ボウイ」「H jungle with T」「ポケットビスケッツ・ブラックビスケッツ」「Something ELse」「野猿」…

このトピックについては挙げればキリがないのですが、このページでは

①バラエティ番組のテーマソング
②バラエティ番組をきっかけにブレイク&歌手デビュー
③バラエティ番組の企画から生まれた名曲

大きく分けてこの3つを「バラエティ番組から生まれたヒット曲」と定義づけて、お話を進めていきましょう。

 

① バラエティ番組のテーマソング

▼90年代の主なバラエティ番組のテーマソング

番組名 歌手/曲名/リリース年
 邦ちゃんのやまだかつてないテレビ 大事MANブラザーズバンド「それが大事」1991
タモリのボキャブラ天国 小沢健二featuringスチャダラパー「今夜はブギー・バック」1994
めちゃめちゃイケてるッ! JUDY AND MARY「BLUE TEARS」1993「Hello!Orange Sunshine」1994
LOVE LOVE あいしてる KinKi Kids「全部だきしめて」1997
人気者でいこう! 浜田雅功「春はまだか」1997

 

大事MANブラザーズバンド「それが大事」

負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事
駄目になりそうな時 それが一番大事

引用:大事MANブラザーズバンド「それが大事」作詞・作曲 立川俊之

 

誰もが一度は耳にしたことがあるこのフレーズは、大事MANブラザーズバンドの「それが大事」。山田邦子の「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ(女芸人山田邦子の冠番組。1989年~1992年まで放送され最高視聴率20.4%を獲得。)」のエンディングテーマとして少しずつ人気に火が付き、大ヒットを記録しました。

『それが大事』はポップなメロディに乗せた「生きること」をテーマにした深い歌詞。まっすぐ一直線に、自分だけに届くような「がんばれ」のメッセージは、今も時代を超えて愛されています。

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