King Gnu入門 〜全人類必聴の歴史的革命バンド〜 【メンバーと軌跡編】はこちらから!
はじめに
第1章 軌跡
第2章 常田大希
第3章 井口理
第4章 勢喜遊
第5章 新井和輝
著者:渡辺和歌
1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。
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この章では3ページにわたってKing Gnuのベース担当の新井和輝(あらい かずき)さんという人物を【人間性】【音楽性】【高井息吹と眠る星座】に分けて紹介します。
このページでは新井さんの音楽性についてお伝えします。
新井さんの音楽遍歴・使用楽器一覧
名前 | 新井和輝(あらい かずき) |
担当 | ベース/シンセベース/コントラバス/コーラス |
生年月日 | 1992年10月29日 |
音楽遍歴 | ASIAN KUNG-FU GENERATION/RADWIMPS/ストレイテナー/ELLEGARDEN/ザ・バンド・アパート/ディアンジェロ/エリカ・バドゥ/ジャミロクワイ/アレステッド・ ディベロップメント/2パック/ロバート・グラスパー/ロバート・グラスパー・エクスペリメント(デリック・ホッジ)/サンダーキャット/ケンドリック・ラマー/RHファクター/レタス/ジェイムス・ブレイク/フランク・オーシャン/ベッカ・スティーヴンス・バンド/ビリー・アイリッシュ/アンダーソン・パーク/高井息吹/君島大空/ものんくる/大橋トリオ/さかいゆう/はっぴいえんど/邦楽ロック~90年代ネオソウル~ヒップホップ~ブラックミュージック~ゴスペル~ジャズ |
使用楽器 | ・ベース:Fender American Elite Jazz Bass V(色:Natural) ・ベース:BLACK CLOUD Black Smoker BETA-5 Act King Gnu新井モデル ・エフェクターボード:YOUSAYSOUNDS ・シンセベース:Moog Sub Phatty |
新井さんの使用楽器
新井和輝(あらい かずき)さんがKing Gnuで愛用されているのは、おもにフェンダーの“ジャズベース”とブラッククラウドの“ブラックスモーカー”という5弦ベース。一般的な4弦ベースより1弦多いので、そのぶん低い音が出せます。
▼使用楽器「Fender American Elite Jazz Bass V(色:Natural)」
YOUSAYSOUNDSというブランドでエフェクターボードを組んでもらっていて、フィルターとオクターバーを使うことが多いそうです。
・エフェクター:楽器などに音響効果を与える装置
・エフェクターボード:複数のエフェクターを入れるケース
・フィルター:特定の周波数をカットまたはブースト(増幅)させるエフェクター
・オクターバー:オクターブ上下の音を発生させるエフェクター
時にはモーグの“サブファッティ”というシンセベース(シンセサイザーの一種)で重低音のグルーヴの渦に巻き込み、コントラバス(ウッドベース)も演奏されます。
▼モーグ「サブファッティ」
新井さんの音楽遍歴
高校で軽音楽部に所属し、当初はアジカンやRADWIMPSなどのコピーバンドをしながら、ストレイテナーやELLEGARDEN(エルレガーデン)、“バンアパ”ことザ・バンド・アパートなどの邦楽ロックを聴いていたという新井さん。
▼ストレイテナー(1998年結成)『Melodic Storm』
▼ELLEGARDEN(1998年結成)『Space Sonic』
▼the band apart『ZION TOWN』
とくにバンアパはファーストアルバム『K.AND HIS BIKE』(2003年リリース)をもじってSNSのIDをつけるほど影響を受けておられ、ミニアルバム『the Surface ep』(2010年)収録の『Tears of joy』とベーシスト原昌和さんの怪談がお気に入りだそうです。
▼アルバム『K.AND HIS BIKE』(画像クリックで商品詳細へ)
邦楽ロックを聴いていた新井さんに変化が訪れたのは高校1年生のときでした。
レンタル屋さんでCDを借りまくっていたら、ご主人がギタリストというお店の女性に、ディアンジェロのライブアルバム『ライヴ ・アット・ザ・ジャズ・カフェ、ロンドン』(1996年/1998年/2014年)をおすすめされ、襲撃を受けたとか。
▼ディアンジェロ『Me And Those Dreamin’ Eyes Of Mine』アルバム『ライヴ ・アット・ザ・ジャズ・カフェ、ロンドン』収録曲
ちなみに新井さんはそのギタリストのご主人と今でも一緒にライブをするそうです。こうしてディアンジェロをきっかけに90年代ネオソウルにハマった新井さん。
エリカ・バドゥのアルバム『ライヴ』(1997年)やアシッドジャズ(1980年にクラブシーンから生まれた踊れるようなジャズのジャンル)のジャミロクワイなどを聴いていると、今度は新井さんご自身のお母様に「お腹の中にいるときからヒップホップを聴いていた」という話を聞かされます。
▼エリカ・バドゥ『On & On』
▼ジャミロクワイ『Virtual Insanity』
そこで新井さんはアレステッド・ ディベロップメントや2パックなどのヒップホップから、ゴスペルも含めたブラックミュージックに傾倒され、高校の先輩の影響でジャズにハマったという流れだそうです。
▼アレステッド・ ディベロップメント『In 1 Day(Whole World Changed)』
▼2パック『Changes ft. Talent』
新井さんおすすめ曲・アルバム
さらに新井さんの音楽性について深めるべく、新井さんのおすすめ曲やアルバムを詳しく見ていきましょう。
ジャズピアニストのロバート・グラスパーではアルバム『イン・マイ・エレメント』(2007年)収録の『G&B』、ロバート・グラスパー・エクスペリメントではアルバム『ブラックレディオ』(2012年)収録の『アー・イエー』が新井さんのお気に入り。
▼ロバート・グラスパー『G&B』
▼ロバート・グラスパー・エクスペリメント『Ah Yeah』
男性R&Bシンガーのミュージック・ソウルチャイルドと女性シンガーソングライターのクリセッテ・ミッチェルが参加したロバート・グラスパー・エクスペリメントの『アー・イエー』。
新井さんいわく、スキャット(ダバダバなど意味のない音で即興的に歌う、主にジャズの歌唱法)でアウトする(わざと音程を外す)ところと、レイドバックしまくる(タメまくる)デリック・ホッジのベースが聴きどころだそうです。
フライング・ロータス主宰のレーベル「ブレインフィーダー」所属、6弦ベースを操るベーシスト・サンダーキャットでは、アルバム『アポカリプス』(2013年)収録の『オー・シーイット・イッツ X』。
▼サンダーキャット『Oh Sheit It’s X』
ラッパーのケンドリック・ラマーはアルバム『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』(2015年)、とくに『キング・クンタ』やジョージ・クリントンとサンダーキャットが参加した『ウェズリーズ・セオリー』が新井さんのおすすめ。
▼ケンドリック・ラマー『King Kunta』
2018年11月に49歳で亡くなったジャズトランペット奏者ロイ・ハーグローヴが率いたRHファクターはアルバム『ハード・グルーヴ』(2003年)、ジャズファンクバンドのレタスはライブアルバム『ライヴ・アット・ブルーノート東京』(2004年)。
▼RHファクターのアルバム『ハード・グルーヴ』(画像クリックで商品詳細へ)
▼レタスのライブアルバム『ライヴ・アット・ブルーノート東京』
ジェイムス・ブレイクはファーストアルバム『ジェイムス・ブレイク』(2011年)収録の『リミット・トゥ・ユア・ラヴ』、サードアルバム『ザ・カラー・イン・エニシング』(2016年)収録の『アイ・ニード・ア・フォレスト・ファイアー』。
▼ジェイムス・ブレイク『Limit To Your Love』
▼ジェイムス・ブレイク『I Need A Forest Fire』
R&Bシンガーのフランク・オーシャンではファーストアルバム『チャンネル・オレンジ』(2012年)収録の『シンキン・バウト・ユー』がお気に入りとのこと。
▼フランク・オーシャン『Thinkin Bout You』
新井さんは、フランク・オーシャンが2012年にアメリカのバラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で演奏したバージョンの『シンキン・バウト・ユー』も聴かれたそうです。「レイドバックしまくり(タメまくり)ですごい!」と絶賛されていました。
さらに、フランク・オーシャンの名曲『シンキン・バウト・ユー』をカバーしたのが、ジャズ系シンガーソングライターのベッカ・スティーヴンス率いるベッカ・スティーヴンス・バンド。
▼ベッカ・スティーヴンス・バンド『Thinkin Bout You』
その収録アルバムは『パーフェクト・アニマル』(2014年)ですが、ひとつ前のアルバム『ウェイトレス』(2011年)は「Weightless=無重力」という意味で、タイトルとしても新井さんのお気に入りだとか。
2019年3月に17歳でファーストアルバム『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』をリリースしたビリー・アイリッシュは、新井さんをはじめKing Gnu周辺でも大流行。勢喜遊さんは『バッド・ガイ』のMVの踊りをSNSで披露されていました。
▼ビリー・アイリッシュ『Bad Guy』
アメリカ・カリフォルニア州ベンチュラ郡オックスナード出身のシンガーソングライター&ラッパー&プロデューサー&ドラマー、アンダーソン・パーク。
▼アンダーソン・パーク『Ventura』(Teaser)
3枚目のアルバム『オックスナード』(2018年11月)に続いて2019年4月にリリースされた4枚目のアルバム『ベンチュラ』。
ベンチュラ郡のオックスナードという街の隣にサンブエナベンチュラ(通称ベンチュラ)という街があり、アンダーソン・パークが生まれ育った街とその隣町を名づけたアルバム2枚でセットだそうです。
新井さんのおすすめは『ベンチュラ』収録の『ウィナーズ・サークル』。「ドラムとベースで曲が成り立っていて、レイドバックしている(タメがある)ところがすごい!」とのこと。
▼アンダーソン・パーク『Winners Circle』
新井さんの好む音楽の傾向
そもそもアジカンなど邦楽ロックのコピーバンドをしていた新井さん。
ディアンジェロをきっかけにブラックミュージックに傾倒し、ジャズにハマったという流れですが、聴く音楽はこれまでご紹介したようなジャズやブラックミュージック中心の洋楽がほとんどだそうです。
新井さんの邦楽おすすめ曲
新井さんが邦楽でおすすめされていたのはさかいゆうさんのアルバム『YU,SAKAI』(2008年)に収録されている『SHIBUYA NIGHT』、大橋トリオさんのアルバム『I Got Rhythm?』(2009年)に収録されている『君は雨』。
▼さかいゆう『SHIBUYA NIGHT』
▼大橋トリオ『I Got Rhythm?』(無料聴き放題期間有り)
はっぴいえんどのアルバム『風街ろまん』(1971年)収録の『風をあつめて』は、新井さんと同じく東京・福生ご出身の元「森は生きている」のギタリスト岡田拓郎さんとセッションされたことがあるそうです。
▼はっぴぃえんど『風をあつめて』(無料聴き放題期間有)
邦楽でも新井さんのおすすめ&お気に入りは通好みと言えるでしょう。
以上、新井さんの音楽性についてお伝えしました。
次のページでは新井さんがKing Gnu以外で所属するバンド「高井息吹と眠る星座」についてお伝えします。
『King Gnu入門【メンバーと軌跡編】』目次へ (全16ページ)
はじめに
第1章 軌跡
第2章 常田大希
第3章 井口理
第4章 勢喜遊
第5章 新井和輝
著者:渡辺和歌
1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。
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