King Gnu入門 〜全人類必聴の歴史的革命バンド〜 【メンバーと軌跡編】はこちらから!
はじめに
第1章 軌跡
第2章 常田大希
第3章 井口理
第4章 勢喜遊
第5章 新井和輝
著者:渡辺和歌
1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。
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『King Gnu入門【メンバーと軌跡編】』目次へ (全16ページ)
この章ではKing Gnuのメンバーのギター・ボーカル・作詞・作曲担当の常田大希さんという人物を【人間性】【文学性】【音楽性】に分けて3ページにわたって紹介いたします。現代のカリスマと呼ばれる理由が伝われば幸いです。
このページでは音楽遍歴などを紹介し、常田さんの音楽性に迫りたいと思います。
前ページでは常田さんの【文学性】に迫り、King Gnuの「歌詞やメロディー重視の聴き方」を楽しめるようになったのではないでしょうか。
このページでは常田さんの【音楽性】に迫ることで「サウンド重視の聴き方」も楽しめるようになっていただきたいと思っております。
目次
常田大希の基本情報 ~音楽遍歴・使用楽器一覧~
自分で作っといてなんだが
時間が経って身体が忘れた曲を
思い出すのは意外と苦労する.
明日はうまく行くといいなあ….
ㅤ
ツアー初日は
新木場スタジオコースト
よろしく
ㅤhttps://t.co/kjAfUTn3Ws story #KingGnu pic.twitter.com/eNkOV1FC8f— 常田大希 – Daiki Tsuneta (@DaikiTsuneta) 2019年3月2日
名前 | 常田大希(つねた だいき) |
生年月日 | 1992年5月15日 |
学歴 | 伊那市立東部中学校→長野県伊那北高等学校→東京藝術大学 音楽学部 器楽科 弦楽専攻(チェロ専攻)中退 |
担当 | ギター/ボーカル/シンセサイザー/チェロ/作詞・作曲・プログラミング |
音楽遍歴 | ストラヴィンスキー/プロコフィエフ/マイルス・デイヴィス/ジミ・ヘンドリックス/レッド・ツェッペリン/ニルヴァーナ/レディオヘッド/オアシス/ブランキー・ジェット・シティ/ミッシェル・ガン・エレファント/ゴリラズ/フライング・ロータス/サンダーキャット/アークティック・モンキーズ/ケンドリック・ラマー/ロバート・グラスパー/フランク・オーシャン/ジェイムス・ブレイク/マック・ミラー/サンファ/ザ・ウィークエンド/FKAツイッグス/キング・クルー/ブロックハンプトン/ドリアン・コンセプト/井上陽水/山下達郎/玉置浩二/ミスター・チルドレン/クラシック~ジャズ~ロック~ブラックミュージック |
使用楽器 | ・DAWソフト:Logic Pro X ・ギター:Fano Guitars Alt de Facto RB6(色:Bull Black) ・ギター:Fender Alternate Reality The Sixty-Six(色:3-Color Sunburs) ・ワウペダル:Xotic Wah ・シンセサイザー:Studiologic Sledge Black Edition ・エレクトリックピアノ:Fender Rhodes Stage Piano |
常田大希の音楽遍歴
常田大希さんの音楽遍歴をざっと追ってみましょう。
クラシックのピアニストというお母様からはロシアの作曲家ストラヴィンスキーやプロコフィエフ。
▼ストラヴィンスキー(1882-1971)の代表曲『春の祭典』
ジャズのピアニストというお父様からはモダンジャズの帝王マイルス・デイヴィスを好んで吸収された常田大希さん。
▼マイルス・デイヴィス(1926-1991)『So What』
ご両親だけでなく、ご近所にチェロを教える方もいらっしゃったほどの音楽環境です。生まれたときからクラシックとジャズを聴いて育ち、小学生になると弦楽器チェロの音色を好んで演奏されました。
さらにロックにも傾倒して、60年代に活躍したアメリカの天才ギタリスト“ジミヘン”ことジミ・ヘンドリックスや、イギリスの天才ギタリスト、ジミー・ペイジが率いた伝説のハードロックバンドレッド・ツェッペリンをお好みのクラシックと同じような感覚で聴かれていたとか。
▼ジミ・ヘンドリックス(1942-1970)
▼レッド・ツェッペリン(1968年デビュー)の代表曲『Whole Lotta Love』
中学生になると作曲もしつつ、グランジ(うす汚いという意味のロックのジャンル)の代名詞ニルヴァーナで青春を謳歌。
▼ニルヴァーナ(1989年デビュー)の代表曲『Smells Like Teen Spirit』
2000年にリリースされたアルバム『キッドA』が世界中で大ヒットしたイギリスのロックバンド、トム・ヨーク率いるレディオヘッドにも影響を受けたそうです。
▼レディオヘッド(1992年メジャーデビュー)の代表曲『Creep』
ビートルズの後継者オアシスからはポップス性(大衆性)を吸収された模様。
▼オアシス(1991年結成)の代表曲『Wonderwall』
日本のロックバンドでは、浅井健一さんが率いたブランキー・ジェット・シティ、『ミュージックステーション』でドタキャンしたt.A.T.uの穴を埋めた伝説もあるミッシェル・ガン・エレファントがお好み。
▼ミッシェル・ガン・エレファント(1991年結成2003年解散)の代表曲『世界の終わり』
イギリスのロックバンド、ブラーのデーモン・アルバーンと『タンク・ガール』の漫画家ジェイミー・ヒューレットのアニメによる“最も成功した架空のバンド”ゴリラズ、イギリスのロックバンドのアークティック・モンキーズも大好きなご様子です。
▼ゴリラズ(1998年結成)の代表曲『Feel Good Inc.』(2005年リリース)
▼アークティック・モンキーズ(2002年結成)の代表曲『Do I Wanna Know?』(2013年リリース)
アメリカ西海岸のアンダーグラウンド・ヒップホップ“LAビート”の最重要人物フライング・ロータスや6弦ベースを奏でるサンダーキャット、ヒップホップで初めてピューリッツァー賞(音楽部門)を受賞したラッパーのケンドリック・ラマーにも多大なリスペクトを寄せられています。
▼フライング・ロータス(1983年生まれ)『Never Catch Me』
▼サンダーキャット(1984年生まれ)『Them Changes』
▼ケンドリック・ラマー(1987年生まれ)『HUMBLE.』
さらにジャズピアニストのロバート・グラスパー、R&Bシンガーのフランク・オーシャン、10年代に「ポスト・ダブステップ」というクラブミュージックの新しいジャンルを開拓したジェイムス・ブレイクからも影響を受けているそうです。
▼ロバート・グラスパー(1978年生まれ)
▼フランク・オーシャン(1987年生まれ)『Nights』
▼ジェイムス・ブレイク(1988年生まれ)
常田さんのお気に入り・おすすめの曲
以下では、常田さんのお気に入り、おすすめの曲をいくつか紹介いたします。
ラッパーのマック・ミラーは5枚目のアルバム『スイミング』(2018年)収録の『2009』、
▼マック・ミラー『2009』
R&Bシンガー兼プロデューサーのサンファはファーストアルバム『プロセス』(2017年)収録の『ブラッド・オン・ミー』と『テイク・ミー・インサイド』が常田さんのお気に入り。
▼サンファ『ブラッド・オン・ミー』
カナダのR&Bシンガー、ザ・ウィークエンドは4枚目のアルバム『スターボーイ』(2016年)収録の『スターガール・インタールード feat. ラナ・デル・レイ』、
▼ザ・ウィークエンド『スターボーイ』(リンク先で試聴可能。期間限定無料聴き放題有)
2019年4月にリリースされたシングル『Cellophane』が話題のFKAツイッグスはファーストアルバム『LP1』(2014年)。
▼FKAツイッグス『LP1』(リンク先で試聴可能。期間限定無料聴き放題有)
アルバム『ジ・ウーズ』(2017年)収録のキング・クルー『ダム・サーファー』はKing GnuのライブSEでも使用。
▼キング・クルー『ダム・サーファー』
ラッパーのケヴィン・アブストラクト率いる大所帯のクリエイティブ集団ブロックハンプトンはメジャーデビューアルバム『イリデセンス』(2018年)収録の『ベルリン』。
▼ブロックハンプトン『イリデセンス』(リンク先で試聴可能。期間限定無料聴き放題有)
オーストリア・ウィーン生まれの天才トラックメイカーのドリアン・コンセプトはアルバム『ザ・ネイチャー・オブ・イミテーション』(2018年)収録の『プロミセス』……これらはすべて常田さんがおすすめされていました。
▼ドリアン・コンセプト『ザ・ネイチャー・オブ・イミテーション』(画像クリックで商品詳細へ)
以上は常田さんの多彩な音楽遍歴のなかでもほんの一部。それでもどのような音楽を聴いてこられたのか?は伝わってくるでしょう。
常田さんの好きな音楽の傾向
常田さんはヒップホップを中心としたブラックミュージックが根底にあり、ギターサウンドが特徴的なロックがお好み。あらゆるジャンルで新たな挑戦、エクスペリメンタル(実験的)な試みにはアンテナを張られています。
メジャーデビュー後のKing Gnuは「ソニー・ミュージックレーベルズ」というレコード会社内の「アリオラジャパン」というレコードレーベル(レーベル)に所属。
インディーズ時代はPERIMETRON(ペリメトロン)という自主レーベルからCDを発売していました。
レーベルに注目してみよう!
常田さんの音楽遍歴を知ると、実際に同じ音楽を聴いてみたくなる方もいるでしょう。常田さんの音楽嗜好を知るならば、音楽を聴く際、注目したいのはこの「レーベル」。
たとえば「モータウン」というレーベルは、マーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーなどのブラックミュージック、とくにソウルやR&B色が強く、「モータウン・サウンド」と称されるほどのレーベルカラー(音楽的な特色)があります。
常田さんは“フライロー”ことフライング・ロータスが主宰する“LAビート”のレーベル「ブレインフィーダー」に注目されているようです。
さらにR&Bシンガーのフランク・オーシャンの輩出でも知られる、ラッパーのタイラー・ザ・クリエイター率いる「オッド・フューチャー」にも注目されているようです。
「オッド・フューチャー」の場合はレーベルでありつつ、ヒップホップ集団(クルー)としても活躍するなどの展開もあったわけですが、こうした“レーベル聴き”をすると、常田さんの音楽嗜好がわかりやすいかもしれません。
常田さんの音楽制作
King Gnuの音楽制作の要となるのも常田さん。
ロジックというDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトで常田さんがデモを作り、メンバーは個々に担当部分の音入れ。
スタジオに入るのはレコーディングのときで、制作段階のやりとりはオンラインだそうです。
愛用のギターはファノギター“RB6”やフェンダー“Sixty-Six”など。
▼フェンダー“Sixty-Six”
フィルター系エフェクターのワウペダルは“エキゾチック”。
▼ワウペダル“エキゾチック”
鍵盤はスタジオロジックの“スレッジ”というシンセサイザーのほか、エレクトリックピアノの“ローズピアノ”を新たに導入されました。
Rhodes Piano!!!
ㅤ
新しい楽器を久々に買った.
鍵盤で作る曲が今後増えそうな…
ㅤ
Just chillin’.🤤
ㅤhttps://t.co/MenPm49nxU pic.twitter.com/z3zj8z0IFr— 常田大希 – Daiki Tsuneta (@DaikiTsuneta) 2019年2月26日
音楽性から見る常田さんのカリスマ性
小・中学校が同じという幼なじみの井口理さんによると「常田さんはずっとカリスマだった」そうです。男友だちが常田さんのまわりに自然と集まる感じ。同性からしても、人間的におもしろい人ということでしょう。
「洋楽は聴かなかった」という井口さんと、洋楽を中心とした音楽に詳しい常田さん。こうした違いをおもしろがるところが常田さんの懐の深さ、「現代のカリスマと呼ばれる理由」かもしれません。
以上、常田大希さんのメンバー情報でした。
続いて、井口理さんについて見ていきましょう。
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はじめに
第1章 軌跡
第2章 常田大希
第3章 井口理
第4章 勢喜遊
第5章 新井和輝
著者:渡辺和歌
1970年生まれ。音楽を愛して40年。中学時代は『ベストヒットUSA』を欠かさずチェック。当時の洋楽ヒット曲をラジオから録音しお気に入りのカセットテープを作成。ビートルズのアルバムは全て揃え『イエロー・サブマリン』などのビートルズ映画上映会にも欠かさず参加。中森明菜さんのファンで歌詞を耳コピして書き起こしていた。中島みゆき、中森明菜、尾崎豊、サカナクション、大島保克、元ちとせにも傾倒。King Gnuを聴いて生き方が変わるほどの感銘を受ける。現在はラジオやテレビ出演、SNSやライブなどでチェックしKing Gnuを追いかけている。
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