90年代J-POP界のムーブメント① 【90年代に活躍したバンド】

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あなたにとっての“あの頃”はいつですか?著者にとってアツかった時代「90年代」のJ-popヒット曲を生粋の邦楽ファンの著者が分析します!読めば“あの曲”を聴きたくなる事間違いナシ!!

90年代J-popヒット曲入門 ~音楽で振り返る90年代!~(全11ページ)はこちらから!

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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この章では90年代のJ-POP界のムーブメントを

①【90年代に活躍したバンド
②【ドラマとのタイアップ
③【バラエティ発のヒット曲

という3つの主要なところにスポットを当てて解説いたします。

このページでは90年代に活躍したバンドについてお伝えします。

 

90年代のヒットチャートの傾向

80年代後半から着々と盛り上がりを見せていたバンドブームに加え、90年代デビューバンドの躍進。次々にヒット曲が生まれ、ミリオンセラーをとばしました。

▼90年代デビューバンドの例

バンド名 デビュー
1991 スピッツ シングル「ヒバリのこころ」でメジャーデビュー
1991 ZARD シングル「Good-bye My Loneliness」でデビュー
1992 Mr.Childrem アルバム『EVERYTHING』でメジャーデビュー
1994 JUDY AND MARY シングル「POWER OF LOVE」でメジャーデビュー
1994 GLAY シングル「RAIN」でメジャーデビュー
1994  L’Arc〜en〜Ciel ビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビュー

 

90年代のヒットチャートは今思えば豪華なラインナップであったように思います。

そして、「B`z」「スピッツ」「Mr.Childrem」などこの時代に活躍していたバンドの多くが今も現役で活躍しています。

 

95年以降がバンド全盛期

 

「CD売り上げ」「メディア露出」「タイアップ本数」という視点でみるとするならば、メジャーバンドがもっとも活躍した時期は95年以降かと思います。

以下では、何度目かのバンド全盛期である95年~99年のJ-POP界の状況と、配信などがなく、レンタルもまだ盛んではなかった時代にどのように音楽の情報を手に入れていたか(現在との違い)という点を自身の体感・経験を中心に語りたいと思います。

90年代のリアルなJ-POP界の状況を温度感とともに、お伝えいたします。

 

95年~96年

95年オリコンシングルTOP20

▼95年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE/嵐が来る」
2 H Jungle With t「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」
3 福山雅治「HELLO」
4 Mr.Children「Tomorrow never knows」
5 Mr.Children「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」
6 MY LITTLE LOVER「Hello, Again 〜昔からある場所〜」
7 桑田佳祐&Mr.Children「奇跡の地球」
8 岡本真夜「TOMORROW」
9 スピッツ「ロビンソン」
10 B’z「LOVE PHANTOM」
11 trf「CRAZY GONNA CRAZY」
12 Mr.Children「【es】 〜Theme of es〜」
13 B’z「ねがい」
14 B’z「love me, I love you」
15 trf「masquerade」
16 L⇔R「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」
17 大黒摩季「ら・ら・ら」
18 B’z「MOTEL」
19 シャ乱Q「ズルい女」
20 H Jungle with t「GOING GOING HOME」

 

95年~96年当時のリアルな状況


My Little Lover「Hello,Again~昔からある場所~」

 

小学校中学年の頃はじめて自分のお小遣いで買ったCDはMy Little Loverの「Hello,Again~昔からある場所~」(1995年8月リリース)でした。

1996年の年明け、まだ寒いころのことです。

一緒に行った兄はMr.Childrenの「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」を購入。

当時はまだ「My Little Lover(以下マイラバ)」も「Hello,Again」も読めませんでした。

一度聴いただけでこの曲を好きになり、何度も聴きたくてCDを買おうと思ったものの、誰のなんという曲なのかがわからず苦労したものです。

それでもCMや歌番組でマイラバ独特のあの声が聴こえるたび、必死で耳を傾け、メロディと歌詞を覚えました。

かろうじて「昔からある場所」は読むことができたので、当時駅前にあった町内唯一のCDショップ(大半が演歌のカセットテープだった)へ行き、あ行からわ行までしらみつぶしに探し、ようやく見つけたときは本当にうれしかった。

宝物に会えた心地でした。

 

▼「Hello,Again~昔からある場所~」ストリーミング(聴き放題無料体験有)

 

当時、店のおっちゃんに「流行ってるから多分これちゃうか?」と安室奈美恵の「Body Feels EXIT」とJUDY AND MARYの「そばかす」を勧められたのを覚えています。

▼安室奈美恵「Body Feels EXIT」

▼JUDY AND MARY「そばかす」

 

 

当時はいわゆる縦長の8㎝CD。

B面とカラオケバージョンも収録されていました。

「買ってでも聴きたい」というよりも「買わなければちゃんと聴けない」という思いが強かったように思います。

毎日聴きました。カセットテープに落として、親が運転する車のなかでも聴きました。

はじめてCDを買って以降、歌番組をなるべく欠かすことなく見るようになりました。「ミュージックステーション」や「夜もヒッパレ!」「カウントダウンTV」といったところ。

当時は録画もさほど簡単ではなかったので、リアルタイムで見て聴いて「これだ!」と思った曲をいかに逃さないかが勝負でした。

つくづく音楽との出会いはタイミングが重要であると思います。

ZARDの「マイフレンド」も気に入ったもののバンド名を読めませんでした。アルファベットの並びをノートにメモして、またTVで出会える日を待ちました。

▼ZARD「マイフレンド」

globeの曲はタイトルも歌詞もほとんどが英語。

それでもメロディはすぐに覚えることができました。CMやランキング番組で何度も耳にしたし、有線でもよく流れていたので。

ウルフルズやスピッツは曲そのものがキャッチーな上、タイトルが簡単ですぐに覚えることができたので、よく口ずさんでいたように思います。

 

【コラム】スピッツの「渚」

余談ですが、スピッツの「渚」に好きなフレーズがあります。

ぼやけた六等星だけど 思い込みの恋に落ちた 初めてプライドの柵を超えて

引用:「渚」スピッツ 作詞・作曲草野正宗

たったこの一言、そして私なりの解釈でしかないため真意はわかりませんが、ある日このフレーズだけがストンと入ってきて、そのまま私のなかに残りました。

私は「ぼやけた六等星」です。恋をするときはこんな気持ち。自分など…と思いながら、自分を守る柵を飛び越えなければいけない。恋を知り始めたころから、このどこか自虐的な表現がとても好きでした。

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しかし「恋のはじまり」という曖昧なものじたいが「見えるか見えないかの六等星」である。つまりは「思い込みの恋」とは恋のはじまりを歌っているのかもしれないなと感じるときもあり、つくづくスピッツの歌詞は美しく、奥が深いと思います。

 

96年~97年 当時のリアルな状況

96年~97年オリコンシングルTOP20

▼96年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 Mr.Children「名もなき詩」
2 globe「DEPARTURES」
3 久保田利伸 with NAOMI CAMPBEL「LA・LA・LA LOVE SONG」
4 スピッツ「チェリー」
5 Mr.Children「花-Mémento-Mori-」
6 スピッツ「空も飛べるはず」
7 サザンオールスターズ「愛の言霊 〜Spiritual Message」
8 華原朋美「I’m proud」
9 安室奈美恵「Don’t wanna cry」
10 安室奈美恵「Chase the Chance」
11 B’z「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜/MOVE」
12 B’z「Real Thing Shakes」
13 安室奈美恵「You’re my sunshine」
14 松田聖子「あなたに逢いたくて 〜Missing You〜/明日へと駆け出してゆこう」
15 PUFFY「アジアの純真」
16 PUFFY「これが私の生きる道」
17 MY LITTLE LOVER「ALICE」
18 JUDY AND MARY「そばかす」
19 ZARD「マイ フレンド」
20 セリーヌ・ディオン with クライズラー&カンパニー「TO LOVE YOU MORE」

 

▼97年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」
2 KinKi Kids「硝子の少年」
3 Le Couple「ひだまりの詩」
4 globe「FACE」
5 SPEED「STEADY」
6 今井美樹「PRIDE」
7 TK PRESENTS こねっと「YOU ARE THE ONE」
8 Mr.Children「Everything (It’s you)」
9 GLAY「HOWEVER」
10 SPEED「White Love」
11 猿岩石「白い雲のように」
12 ポケットビスケッツ「Red Angel」
13 安室奈美恵「a walk in the park」
14 華原朋美「Hate tell a lie」
15 河村隆一「Glass」
16 B’z「Calling」
17 GLAY「口唇」
18 PUFFY「渚にまつわるエトセトラ」
19 SMAP「SHAKE」
20 B’z「Liar! Liar!」

 

96年~97年当時のリアルな状況

私が小学校高学年くらいのとき、96年か97年頃のこと。高校生だった従兄弟がカセットテープに流行りの曲を焼いてくれました。

同時期に「お兄ちゃんが歌詞を書き起こしてくれた」だとか「お姉ちゃんが買った雑誌に歌詞集が載っていた」だとか、クラスメイトの一部が同じような経験を経て音楽を聴き始めるようになりました。

そこで出会ったのが、今も活躍するバンドの曲。

まず私のど真ん中に入ってきたのがGLAYの「グロリアス」。「恋に恋い焦がれ恋に泣く」だなんて意味もわからず口ずさんでいたこと、いま思えば恐ろしいものです。

▼GLAY「グロリアス」

 

私のカセットテープにはほかにも、スピッツ、JUDY AND MARY、ORIGINAL LOVE、ウルフルズ、Mr.Children、シャ乱Q、B’zなどの曲が入っていました。

解散はしてしまいましたが、L⇔R、FEELD OF VIEWも入っていたように思います。

 

B’zの「LOVE PHANTOM」はずっと、なんという曲なのか知らずに口ずさんでいたので、出会えた時は本当にうれしかったものです。

イントロを聴くなり「この曲じゃない!」と思ったのを覚えています。

▼B’z「LOVE PHANTOM」

 

でも、サビは私の知っている「LOVE PHANTOM」だった。

あの衝撃は、リスナーなら誰もが体験したでしょう。

 

JUDY AND MARYの「くじら12号」は林間学校のバスの中みんなで歌いました。

 

ウルフルズの「ガッツだぜ!」は、本当に当時、父親世代が口ずさんでいました。

 

「愛はきっと奪うでも 与えるでもなくて 気が付けばそこにある物」というミスチルがくれた言葉はいまも私の中心にあります。

▼Mr.Children「名もなき詩」

 

それにしてもこの豪華ラインナップ。ミーハーだと思うでしょう。

いえ、贅沢だと思うでしょうか。

しかし、実際に90年代のヒットチャートはこんな具合だったのです。

当時のベストテンは、このような顔ぶれが並ぶことが普通でした。

 

97年以降 ~当時のリアルな状況~

98年~99年オリコンシングルTOP20

 

▼98年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 GLAY「誘惑」
2 SMAP「夜空ノムコウ」
3 SPEED「my graduation」
4 BLACK BISCUITS「タイミング 〜Timing〜」
5 GLAY「SOUL LOVE」
6 Kiroro「長い間」
7 L’Arc〜en〜Ciel「HONEY」
8 KinKi Kids「愛されるより 愛したい」
9 Every Little Thing「Time goes by」
10 KinKi Kids「全部だきしめて/青の時代」
11 hide with Spread Beaver「ピンク スパイダー」
12 J-FRIENDS「明日が聴こえる/Children’s Holiday」
13 SPEED「ALL MY TRUE LOVE」
14 L’Arc〜en〜Ciel「花葬」
15 L’Arc〜en〜Ciel「snow drop」
16 SPEED「ALIVE」
17 B’z「HOME」
18 KinKi Kids「ジェットコースター・ロマンス」
19 Mr.Children「終わりなき旅」
20 L’Arc〜en〜Ciel「浸食 〜lose control〜」

 

▼99年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だんご合唱団「だんご3兄弟」
2 GLAY「Winter,again」
3 浜崎あゆみ「A」
4 坂本龍一「ウラBTTB」
5 宇多田ヒカル「Automatic/time will tell(12cm)」
6 宇多田ヒカル「Addicted To You」
7 モーニング娘。「LOVEマシーン」
8 GLAY「BE WITH YOU」
9 L’Arc~en~Ciel「HEAVEN’S DRIVE」
10 KinKi Kids「フラワー」
11 浜崎あゆみ「Boys & Girls」
12 Something ELse「ラストチャンス」
13 Dragon Ash「Grateful Days」
14 GLAY「ここではない、どこかへ」
15 GLAY「サバイバル」
16 宇多田ヒカル「Movin’on without you(12cm)」
17 鈴木あみ「BE TOGETHER」
18 hiro「AS TIME GOES BY」
19 B’z「ギリギリchop」
20 KinKi Kids「雨のMelody/to Heart」

 

97年以降の当時のリアルな状況

 

97年のDragon Ash、99年のBUMP OF CHICKENやポルノグラフィティのメジャーデビューもよく覚えています。

Dragon ashを聴くと、なぜか大人になれた気がしました。m-flowやLOVE PSYCHEDELICOなども同じく。

背伸びしたい年頃に差し掛かった当時の私にとって、彼らの音楽は最高に「かっこいい」アイテムでしたし「聴いている」「知っている」ことが一種のステータスのようにも感じていました。

でも本当にかっこよかったし、いまもふと耳にすると当時の冬の匂いや、寄り道した塾の帰り道なんかを思い出します。ポルノグラフィティはどこか哲学を感じさせる歌詞、ハキハキとメリハリのある歌声ですぐに人気を博しました。

 

このままのスピードで世界がまわったら

アポロ100号はどこまで行けるんだろう?

離ればなれになった悲しい恋人たちの

ラヴ・E・メール・フロム・ビーナスなんて素敵ね

引用:「アポロ」ポルノグラフィティ/作詞ハルイチ/作曲ak.homma,Ryo

▼ポルノグラフィティ「アポロ」

 

なにか壮大なことを妄想したい、くすぶった年頃の中学生が憧れるにはぴったりの歌詞でした。あれから20年が経ち、当時アポロ100号に思いを馳せた中学生はとっくに大人になりました。ポルノグラフィティは今も変わらず、現役で活躍しています。

 

バンドは「続けることが難しい」とききます。

だからこそ、LUNA SEAやTHE YELLOW MONKEYなど、一度立ち止まり、休止や解散を経て帰ってきてくれるバンドがいること、彼らが再び素晴らしい音楽を届けてくれていることは、当たり前ではない幸せなのだとかみしめています。

90年代デビューではないため余談ではありますが、XJAPANの活動再開は本当にうれしかった。

TAIJIやhideには存命中に会うことは叶わなかったけれど、再び動き出したアツイ時間をライブで共有できたこと、歴史の大切な1ページに関われたような気持ちでいます。

生きている時間にはかぎりがあります。絶対に後悔をしないようにと、ライブがあればせっせと足を運ぶ日々を送っています。

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著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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