第2章では、「世界で最も美しい村」の中から、旅してみたくなる絶景スポットをご紹介します。「世界で最も美しい村連合(任意団体)」の加盟国は、フランス・ベルギー(ワロン地域)・イタリア・日本・カナダ(ケベック州)・2016年に仲間入りしたスペインです。
今回は、加盟している村の中から、各加盟国別に10の美しい村を厳選してご紹介します。
世界で最も美しい村とは?
1982年にフランスのコロンジュ・ラ・ルージュ村長の呼びかけから64の村が集まり「フランスの最も美しい村協会(L’ association Les Plus Beaux Villages de France)」が設立されました。
1994年にはベルギー、1998年にはカナダ、2001年にはイタリアで発足。
2003年に「フランス」「ベルギー」「イタリア」によって「世界で最も美しい村々連合」が設立されています。2010年に日本も加盟しました。2012年にカナダ、2016年にはスペインも加盟し現在の形になりました。
フランス(156の村)、ベルギーワロン地域(24の村)、イタリア(282の村)、ケベック(11地域38の村)スペイン(68の村)(2018年現在)
日本は2005年に7つの村から始まり、2018年1月現在で63町村が加盟しています。
都会から離れた小さな村の自然資源や伝承文化、歴史や遺産景観の保全保護に尽力する地域が連携し、地域産業や観光事業の振興を計ろうと取り組む運動を柱としています。
また、ドイツ、ルーマニア、ロシア、パレスチナなどもオブザーバーとして参加しており、今後加盟する予定です。
有名観光地の絶景に飽きたら、小さな村の良さを味わう旅を検討してみてはいかがでしょう。
世界で最も美しい村公式ホームページ:http://www.lpbvt.org/
こんな世界の絶景も旅したい【フランスの最も美しい村編】
誰もが憧れるフランスだけあり、田舎の小さな村も魅力的なスポットばかりです。
徒歩で回れるほど小さな村にも色々な歴史があり、守るべき歴史遺産もたくさんあります。歴史から生まれた美しい景色もとっても魅力的♡。
今回は、「フランスの最も美しい村」の中から、10スポットを厳選してご紹介します。
「フランスの最も美しい村」とは
1 絵本の世界に迷い込んだような美しい村『リクヴィール(Riquewihr)』
by © Ralph Hammann CC Attribution-Share Alike 4.0 International
「アルザスの真珠」とも呼ばれるリクヴィールは、アルザス地方のワイン畑に囲まれた伝統的な街並みが美しい村です。
古くから高級ワインの産地としても有名で、木組みの家々が軒を連ねる家並みは、18世紀までドイツのヴュルテンベルク公国の一部だった歴史を物語っています。
ヴュルテンベルク公国
かつてドイツに存在した君主を中心とした国家。1400年代から存在し、最終的にはドイツ連邦の構成国となり現在ではドイツの一部となっている。
古びた中世の城壁を潜ると、まるで絵本のような風景が広がっています。
▼城壁
知っていると村がもっと素敵に見える!?「リクヴィール」基本情報
リクヴィールはフランス・オー=ラン県にある村。村の端から端まで20分で歩ける小さな村。16世紀からある建物や、ワインなどが有名で多くの観光客が訪れる。
リクヴィール |
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(参考)東京 |
17.04㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
1212人 |
人口 |
927万人 |
3~4階建ての15~18世紀ごろに建てられた木組みの家や二重に張り巡らされた城壁を見ることができるジェネラル・ド・ゴール通りは、観光客で賑わっておりインスタ映えのスポットの一つ。
▼ジェネラル・ド・ゴール通り
by Greger Ravik
彫刻が施された窓には美しい花が飾られ、パノラミックな光景が広がっています。
ワインセラーや土産物屋が軒を連ねており、名物のクグロフやマカロンの甘い香りが漂っています。
by Pug Girl
▼クグロフ
大通りから一本中に入ると、静寂に包まれた細い通りが迷路のように張り巡らされています。石畳の裏路地をそぞろ歩きすれば、リクヴィールの日常に触れることができます。
▼裏路地
おすすめビューポイント
この街のビューポイントは花が飾られた木組みの家々と歴史を感じるオシャレな看板など、情緒ある街並みでしょう。家の間から見えるぶどう畑もステキですよ!
▼ブドウ畑と看板
また、お土産屋さんを巡りながらそぞろ歩きしたり、可愛らしいプチトランにのって街巡りをしたりもおすすめです。
2 花いっぱいのアルザスワイン誕生の地『エギスハイム(Eguisheim)』
by Kiefer
エギスハイムは、「アルザスワインの揺り籠」と呼ばれる、アルザス地方のワイン街道に位置する小さな村です。
世界でも名高い高級ワイン「アルザスワイン」の発祥地といわれています。「エギスハイムを知らないなんて絶対にもったいない!」という声が聞こえてくるような、筆者おすすめの小さな村です。
by Ed Clayton
エギスハイム城を中心に円状に外へ向かって広がる、17~18世紀に建てられた木組みの家並みは多くの花々で華やかに彩られています。
エギスハイム城は、11世紀にフランス発のローマ法王レオ9世が誕生した城です。
▼エギスハイム城と聖レオ9世の噴水
by Daniel Jünger : User Djuenger on de.wikipedia CC Attribution-Share Alike 3.0 Unported
知っていると村がもっと素敵に見える!?「エギスハイム」基本情報
エギスハイムは先ほどのリクヴィール同様にフランスのオー=ラン県にある村。アルザスワインが名産で、「ワインの道」にある村としても有名。(ワインの道は別Webon『世界の絶景111選』で紹介しています。)ローマ教皇レオ9世の出身地。
エギスハイム |
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(参考)東京 |
14.13㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
1747人 |
人口 |
927万人 |
実はこの村、フランスで毎年行われる「花の街コンクール」で4つ花の最優秀賞を受賞するほどの実力。
民家の窓はもちろん、狭い路地や広場など至るところに花々が飾られており人々の目を楽しませています。
by Daniela Caneschi CC Attribution-Share Alike 4.0 International
ワイン作りは、4世紀にローマ人がこの街にぶどうの苗を植えたことからはじまりました。現在では、小さな村に40件ものワイナリーがあります。
ぶどう園ではワインの試飲もできるので、ワイナリー巡りをするのも◎。
見どころは、「聖レオ9世の礼拝堂」などの教会巡りや歴史的建造物に指定されている八角形の城壁に囲まれた「エギスハイム城」と聖レオの銅像が立つ「聖レオ9世の噴水」です。
▼見どころの聖レオ9世の噴水
by Pug Girl
3 切り立った崖の上に立つおとぎの国『サン・シル・ラポピー(Saint-Cirq-Lapopie)』
サン・シル・ラポピーは先ほどご紹介した村エグスハイムの一年前の2012年に「フランス人の最も好きな村」でNo.1に輝いた村。
現在もフランス人が大好きな街ですが、多くのアーティストたちに愛された街としても有名です。
とても小さな町ですが年間40万人もの旅行者が訪れています。
by Krzysztof Golik CC Attribution – Partage dans les Mêmes Conditions 4.0 International.
ミディ・ピレネー地域圏に位置する、標高80~100mの断崖絶壁の斜面に張り付くように広がる村。
by Gilles Guillamot CC Attribution – Partage dans les Mêmes Conditions 3.0 (non transposée).
美しい集落の眼下にはロット川が流れており、グリム童話に出てくるような家並みと美しい川のコラボは特におすすめです。
▼サン・シル・ラポピーとロット川
by Jean-Marc Astesana Some rights reserved
知っていると村がもっと素敵に見える!?「サン・シル・ラポピー」基本情報
サン・シル・ラポピーはフランスのロット県にある村。13~16世紀に造られた歴史ある村ですが、崖の上にあり川に守られた地形から何度か戦争の重要地点としても活用された過去がある。
サン・シル・ラポピー |
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(参考)東京 |
17.89㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
207人 |
人口 |
927万人 |
石門を潜り村に入ると、石畳の小さな坂道の両側には13~16世紀の家々が軒を連ねています。
平瓦を屋根に積んだ石造りや木組みの家は、中世に迷い込んだよう。
by rene boulay CC Attribution – Partage dans les Mêmes Conditions 3.0 (non transposée).
また、周辺の街を見渡すことができるサン・シル・ラポピーは、百年戦争の頃は要衝の地(軍事や交通のうえで大切な地点)とされていました。
百年戦争(1337-1453)
フランス王国とイングランド王家がフランスに所有する領土をめぐり100年以上もの間続いた戦争。(当時は国対国ではなく王朝対王朝という方が適切)結果的にフランスとイングランドの国境等が定められた。
▼城壁の名残
丘の頂上には廃墟となったお城があり、現在は壁しか残っていませんが、ベンチが設置された展望台となっています。
ここから見下ろす街並みとロット川の渓谷風景は、絵葉書みたいで言葉を失うほどの絶景です。
▼展望台とロット川
by Krzysztof Golik CC Attribution – Partage dans les Mêmes Conditions 4.0 International.
4 バラに包まれた美しい村『ゴルド(Gordes)』
by Julian Fong Some rights reserved
ゴルドはリュベロン地方にある美しい村々の中で最も人気の高い小さな村です。
丘の上に広がる景色は、中世からルネッサンス時代に建てられた壮麗な城やロマネスク様式の教会が佇んでいます。
by Jean-Marc Rosier) CC 表示-継承 3.0 非移植
山の斜面には城や教会を取り囲むように、石造りの家々がひな段状に連なる古い街並みが形成されています。
by Christian COSTEAUX
リュベロン平原に構える、標高350mの高原台地の尾根に位置しており、年間100万人の観光客が訪れています。
by Petit Bleu Photos CC Attribution-Share Alike 3.0 Unported
知っていると村がもっと素敵に見える!?「ゴルド」基本情報
ゴルドはフランスのヴォクリューズ県にある村。修道院、民家、風車水車など文化的な建築物があり多くの観光客が訪れる。崖に沿って立つ家々が空中に浮いているように見える事でも話題になる。
ゴルド |
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(参考)東京 |
48.04㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
2126人 |
人口 |
927万人 |
2006年のラッセル・クロウ主演の人気映画、『プロヴァンスの贈りもの』の舞台にもなりました。
▼プロヴァンスの贈りもの(写真上がラッセル・クロウ)
露岩斜面には、石畳の路地が迷路のように張り巡らされており、石造りの家の頭上には朱色屋根がのっています。
村から見下ろす風景も絶景で、家々が密集する家並みは、この村の宝物です。
ゴルドから車で約20分にある、セナンク修道院はラベンダーの名所となっています。時期に訪れたなら、足を延ばしてみてはいかがでしょう。
▼セナンク修道院のラベンダー
また、リュベロンには小さな村々が点在しており、美しい村巡りを楽しむのもおすすめです。
ゴルドをはじめ、メネルブ、ボニュー、ラコスト、ルシヨシ、アプトなど、さまざまな歴史や特徴を持った田舎村が揃っています。
おすすめビューポイント
尾根パーキング場と展望テラスが、最も美しい村と呼べるパノラマが広がる、最高のビューポイントです。
5 可憐な薔薇が中世の街並みを彩る美しい村『ジェルブロワ(Gerberoy)』
photo by isamiga76 Some rights reserved
ピカルディ地方片田舎のジェルブロワは、日本でも「バラの村」として有名です。
毎年バラの季節になると、村がバラに包まれ華やぎます。
▼バラの季節のジェルブロワ
by Frédéric BISSON Some rights reserved
知っていると村がもっと素敵に見える!?「ジェルブロワ」基本情報
バラの見頃は6月下旬から7月下旬。毎年6月の第3日曜日には100年を超える歴史を持つ「バラ祭り」が開催されるそう。
ジェルブロワ |
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(参考)東京 |
4.51㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
91人 |
人口 |
927万人 |
この街の魅力は、16~17世紀のコロンバージュ建築とピカルディ地方産のレンガをバランスよく組み込んだ古い家と、バラのコラボです。村民が伝統ある民族衣装を着て村を練り歩く「バラ祭」も、一生に一度は見たいもの。
photo by isamiga76 Some rights reserved
薔薇が彩る中世の街並みは、メルヘンチックです。この村が「バラの村」と呼ばれるようになったのは村民の努力があったからこそ。
この村が「バラの村」になったのは、宗教戦争時の戦渦によって村が荒廃した時にフランスの画家「アンリ・ル・シダネル」が古い城壁を気に入り「この村を花やバラで覆い尽くそう」と村民に訴えたことからでした。
▼アンリ・ル・シダネルの肖像画
人々も賛同し美しい村造りがはじまったことから、この美しいバラの村ができ上がったのです。彼は、バラ祭の開催も村民に促しています。
おすすめビューポイント
6月ごろのツルバラが咲き誇る、この街が一番華やぐ時期。サンタモンの小道に繋がる場所にある、「Maison Bleue」と呼ばれる青い家と、赤く可憐なバラの花との融合した姿はとってもステキ。
▼「Maison Bleue」
by isamiga76 Some rights reserved
この家の周りには、インスタ映えの写真を撮るために、カメラを持った人々で賑わいます。
6 ミディ・ピレネーの山間にある、巡礼者が集う村『コンク(Conques)』
By The original uploader was Woodstock at French Wikipedia. – Transferred from fr.wikipedia to Commons by Korrigan using CommonsHelper., FAL, Link
かつて、コンクはサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の山間にあり、巡礼者たちが束の間の休憩を取るための重要な地でした。
コンクは、巡礼路「ル・ピュイの道」の一部として、世界遺産にも登録されています。
ロマネスク様式の建物が立ち並ぶ街並みもステキです。
Par PA — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, Lien
知っていると村がもっと素敵に見える!?「コンク」基本情報
コンクはロマネスク様式の建物が立ち並びます。ロマネスク様式とは、10世紀後半頃に西ヨーロッパで広まった建築様式です。厚い石の壁、半円のアーチ、小さな窓などが特徴の建築様式です。
コンク |
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(参考)東京 |
30.51㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
1671人 |
人口 |
927万人 |
一際目を引くのが、11~12世紀のサント・フォア教会。
▼サント・フォア教会(写真右)
Par PA — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, Lien
サント・フォア教会はフランスロマネスクを代表する教会で、現在も巡礼者たちが訪れています。ここにある250の柱は、繊細な彫刻で飾られています。
入口のタンバンには「最後の審判」の彫刻があります。
▼サント・フォア教会の「最後の審判」
By Unozoe – Own work, CC BY-SA 3.0, Link
それを囲む半円形のフレームには、最後の審判をのぞき込む人物も彫られています。
▼「最後の審判」を覗く人
ユニークな発想には、愛着を感じられますよ。
散策をしていると、お店などの看板も、可愛らしく面白いものがたくさんあります。ゆっくり散策して、キュートな街並みと、かつての巡礼者たちの息づかいを感じてみてはいかがでしょう。
by Lynn Rainard Some rights reserved
▼寛ぐヤギと村の様子
Par Krzysztof Golik — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, Lien
▼夕暮れ
Par Krzysztof Golik — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, Lien
おすすめビューポイント
村の中には、巡礼のシンボルの「ホタテ貝」を色々な場所で見ることができます。また、たくさんの金銀細工工房があり、アクセサリーが売られています。石畳の巡礼路をゆっくり歩くのが、この村の最高のビューポイントです。
7 石畳が美しい中世の趣を残す村『ペルージュ(Pérouges)』
By Chabe01 – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
リヨン郊外にある、直径約200mの楕円形の小さな村です。入口の門から既に中世の雰囲気が漂っています。
Par Chabe01 — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, Lien
知っていると村がもっと素敵に見える!?「ペルージュ」基本情報
「 映画『三銃士』のロケ地としても有名。毎年、中世ベネチアの衣装や仮面をまととってパレードが行われる。
ペルージュ |
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(参考)東京 |
18.97㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
1206人 |
人口 |
927万人 |
石畳の道沿いには石造りの家々が連なり、装飾や看板など、女の子の心を鷲づかみするキュートな空間にはウットリします。
photo by Ana Rey Some rights reserved
2つの門を持つ城壁に守られた村は、15~16世紀頃の屋敷と石畳の路地が続きます。
photo by Ana Rey Some rights reserved
photo by Ana Rey Some rights reserved
この村の歴史を語る「城塞(=要塞)化した教会」も見どころです。
De Alizée Vandermolen – Trabajo propio, CC BY-SA 4.0, Enlace
現在は、観光にも力を入れており、特にライトアップされた夜景は必見です。
また、街並み散策の途中に、名物の「ガレット・ド・ペルージュ」を味わってみてください。
▼ガレット・ド・ペルージュ
小麦粉の生地に、バターと砂糖をのせて焼いたお菓子で、薄いパイのようなカリカリ食感が新鮮です。ペルージュの食文化を味わうことができますよ。
おすすめビューポイント
「Porte d’en Haut」と「Porte d’En-Bas」という、石造りの2つの入口門はとってもステキ!
▼「Porte d’en Haut」
By Chabe01 – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
▼中から撮った「Porte d’En-Bas」
By Chabe01 – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
城壁に囲まれた村への期待感も感じられます。青空に映える門の姿はインスタ映え間違いなし。
8 山に沿い稜線状に連なる美しい村『ナジャック(Najac)』
by Lynn Rainard Some rights reserved
ナジャックも、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路上にある小さな村。
▼ナジャック城
Par Alecs.y — Appareil Fujifilm FinePix, CC BY 2.5, Lien
知っていると村がもっと素敵に見える!?「ナジャック」基本情報
村にそびえ立つ「ナジャック城」は13世紀頃に建てられました。以前は防衛のための要塞として使われていたそうです。
ナジャック |
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(参考)東京 |
53.88㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
711人 |
人口 |
927万人 |
by jmt-29 Some rights reserved
往時から行き交う人々の休息の場となった村です。
by Lynn Rainard Some rights reserved
村の東西にはユニークな十字架のオブジェがあり、13世紀の噴水も魅力的♪
▼街の東端にあるハートがかわいい十字架
by Stephen Colebourne Some rights reserved
▼噴水
Par Christophe.Finot — Travail personnel, CC BY-SA 2.5, Lien
パリから約720km、アロン渓谷にあるこの地は、かつてフランス軍の要塞として戦争の悲劇の舞台となった場所でもあります。
12世紀に岩の上に簡素な城が建てられました。13世紀にはルイ9世の命により堅牢な要塞とされた歴史を持っています。
▼ルイ9世
もう一つの見どころは、サン・ジャン教会。この地方で最古のゴシック様式の教会です。
ゴシック様式
12世紀後半から15世紀頃に西ヨーロッパに広まった建築・美術の様式。頭の尖ったアーチ・大きな窓・規模の大きなスタンドグラスなどの特徴が見られる。
▼サン・ジャン教会
by Manuel Alende Maceira Some rights reserved
9 イタリアまで望む風光明媚な村『サンタニェス (Sainte-Agnès)』
By Patrick Rouzet – Own work, CC BY-SA 3.0, Link
切り立つ岩山の上にある通称「鷲巣村」と呼ばれるスポットの一つです。高いところを見渡す場所にあることからそう呼ばれています。
地中海のパノラマを望む風光明媚な美しい村。
Par Berthold Werner — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
知っていると村がもっと素敵に見える!?「サンタニェス」基本情報
イタリアの姫君アニェスが旅の途中に激しい嵐を避けて、サンタニェスの村の洞窟で一夜を過ごしたという言い伝えがある。
サンタニュス |
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(参考)東京 |
9.37㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
1157人 |
人口 |
927万人 |
標高800mにあるこの村は、ヨーロッパの海岸線で一番高い場所に位置しています。
トンネルをくぐると目の前には、別世界が広がります。これこそ本当の「おとぎの国」という光景は、ため息が出るほど美しいですよ。
中世の趣が漂う石畳の道沿いには、ゴツゴツとした石造りの家が立ち、可憐な花々が飾られています。また、狭い土地になんとか立てたというような細長い家もあり、歩いているだけでユニークな気分になれるのも魅力です。
▼町並み
岩山の上には、1180年ごろに建てられ廃墟と化している城が佇んでいます。ここからの眺望は、美しくフォトジェニックな写真が撮り放題ですよ♪
▼城
おすすめビューポイント
リヴィエラ海岸のパノラマは、何をおいても見たいはず。お城から見る、「マルタン岬」のキラキラ光る海景は言葉を失うほど。
▼城から見る「マルタン岬」
また、赤屋根が素敵なサンタニェスの街並みも一望できます。
10 カシワの森に守られた驕奢な家並み『リヨン・ラ・フォレ(Lyons-la-Forêt)』
Par Giogo — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
パリから100km、ノルマンディ地方のリユール川沿いにある小さな町。「リヨンの森」の中にある村の中では、一番大きいとか。
Par Tango7174 — Travail personnel, CC BY-SA 4.0, Lien
知っていると村がもっと素敵に見える!?「リヨン・ラ・フォレ」基本情報
この村は「カシワの森」に囲まれています。「カシワ」は日本語で書くと「柏」で、ギザギザの大きい葉がついている木のことを指します。
▼カシワ
By Inti-sol~commonswikiだと推定されます(著作権の主張に基づく) – , CC 表示-継承 3.0, Link
リヨン・ラ・フォレ |
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(参考)東京 |
26.99㎢ |
面積 |
2,188㎢ |
743人 |
人口 |
927万人 |
カシワの森に守られるように囲まれた村は、古びた中世の街並みが魅力です。
美しい村ばかりを見てきた方は、少し驚くほど壮麗です。週末には、パリから小旅行で、遊びに来る人も多いようです。
小さな噴水がある広場を取り囲むように、カフェテラスが並ぶ風景はメルヘンチック!3階建ての木組みの建物が連なる光景は壮観です。
▼噴水
By Giogo – Own work, CC BY-SA 3.0, Link
ちゃんと美しい花も飾られているところは、美しい村らしい景観です。
by Amanda Slater Some rights reserved
昔から芸術に長けている「リヨン・ラ・フォレ」のおしゃれな看板は、フランスっぽくてラブリーです♡。見どころは、街の中心部に18世紀に建てられた、可愛らしい建物の「レ・アール(市場)」。
▼市場
By Jordy Meow – Own work, CC BY-SA 3.0, Link
帽子やアート、動物の人形など、乙女心をくすぐるアイテムがいっぱい並んでいます。市場の中を巡るだけでも大満足!
18世紀の建物がそのまま残る村役場や12世紀に建てられ、15~16世紀に修復されたサン・ドニ教会も見る価値あり。
▼サン・ドニ教会
Par Pline — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
古い町ですが華やかな雰囲気に彩られた「フランスの最も美しい村」もいいものです♡。
▼1133年の修道院(廃墟)
by Steve Fuerst Some rights reserved
▼サンドニ教会
By Giogo – Own work, CC BY-SA 3.0, Link
▼邸宅
Par Giogo — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien
by Amanda Slater Some rights reserved
おすすめビューポイント
市場の周りに立つ、コロンバージュ様式の豪華な館群。ヴィユー・ロジ、ラ・セルジャントリ・ラ・メゾン・ドゥ・ベンサラードなどが特に有名です。美しい村でこの豪華さは、必見ですよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか?フランスには、156もの美しい村があります。美しい景観とその地が担った歴史、名産を食べ歩くなど、どこも素晴らしい魅力を秘めています。少し長い休日ができたら、小さいけれど魅力溢れるフランスの美しい村に出掛けてみませんか?