利尻島のウニの魅力② 【ウニの種類と漁・値段】

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利尻島に住んでいた主婦が伝える「利尻島観光」入門の決定版!利尻島へ行く予定の方も旅行先を迷っている方も、これを読めば利尻観光が楽しみになる・行きたくなる!

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著者:そらゆか

旅が好きで日本一周を夢見る主婦ライター。「あなたのために、私のために。」をモットーに、読んでくれた方の心に足跡を残す文章作りを目指しています。学びが好きで、オールジャンルの記事作成が可能。夫の転勤により3年間利尻島で生活。夢の浮島とよばれる自然の美しさと、島の人々の優しさに触れ、利尻島のとりこに。元住民の視点で、島の楽しみ方やその魅力をたっぷりとお届けします。お問い合わせはこちらから

 

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第2章では3ページにわたり利尻島の名産である「ウニ」について紹介しています。ウニの魅力を知ることで、より美味しく食べてもらえると思います。

 

利尻島のウニの種類

 

利尻島で採れる「ウニ」は2種類。それぞれ違った美味しさと、特徴があります。

 

1 キタムラサキウニ

▲キタムラサキウニ

 

キタムラサキウニは濃い紫色のトゲのあるウニで、通称「ノナ」と呼ばれています。

味はすっきりとした甘さが特徴で、ウニ丼やウニ軍艦・ウニの瓶詰め・塩水ウニ(塩水に漬けられた生ウニ)など。

 

▼ウニ丼の例

▼ウニ軍艦

▼ウニの瓶詰め

▼塩水ウニ

 

安くはないけれど少し奮発すれば手が届くのが、この「キタムラサキウニ」です。

 

2 エゾバフンウニ

▲エゾバフンウニ

 

キタムラサキウニが「ノナ」と呼ばれるのに対し、エゾバフンウニは島では「ガンゼ」または「ウニ」と呼ばれています。

先ほどご紹介したキタムラサキウニも、もちろんウニなのですが島ではなぜかエゾバフンウニのことだけを「ウニ」呼ぶのです。そのため、最初の頃はよく混乱していました。

 

名前の由来は、コロンとした見た目が「馬糞(ばふん)」に似ていることから。

エゾバフンウニは鮮やかなオレンジ色をしていて、とろけるような食感とコクのある濃厚な味わいが特徴。

味も価格も最高級で、高嶺の花といったところ。

 

種類 価格
キタムラサキウニ 奮発すれば手が届く スッキリとした甘さ
エゾバフンウニ 高嶺の花 濃厚な味わい

 

どちらのウニも旬は6月~8月

9月頃から産卵期に入るので「ウニの中身」が溶け始めて、最終的にはスカスカになります。

ウニは中身がなくなっても、殻が無事であれば生きています。そのまま越冬し、少しずつ栄養を蓄えてふっくらと美味しく育ちます。

 

ウニ漁の方法

 

利尻島のウニ漁は、「磯舟」と呼ばれる1人乗りの小さな舟に乗って行います。

▼漁に使われる磯舟

 

足で櫂(かい=オール)を操りながら移動し、口にくわえた箱メガネ(大きいサイズの水中めがね)で海底を覗き、「タモ」と呼ばれる長い網でウニをすくい上げるという昔ながらの漁法です。

 

▼櫂(オール)の例

photo by Alan Some rights reserved

▼箱メガネの例

▼タモ網の例

 

ウニ漁の解禁は例年6月以降で、自然保護のためその後3ヶ月程度のわずかな期間しか認められていません。

しかも漁ができる時間は1日1時間~2時間程度、時化(しけ)などで波が高いときは漁ができません。

 

 

1つの磯船を使って「ノナ(キタムラサキウニ)」「ウニ(エゾバフンウニ)」「昆布」の3つの漁を行います。

そのためどの漁ができるのかは当日の朝の地区ごとの「漁業組合」によって決定されます。そしてどの漁を何時から何時まで行ってよいのか、色別の旗や放送で知らせる仕組みとなっています。

「どの漁をするかをどのような基準で決めるのか」については、色々な複合要因があるようです。

天気、波、全体的な採れ高、価格の総合要因に、そのエリアの組合の理事などの判断がプラスされて決まるそうです。

 

漁業組合
漁業者によって組織された組合。地域ごとに組成されており、水産業の生産力増進を目的に様々な事業や取り決めが行われる。

 

ウニの値段の決まる仕組み

 

その日に採れたウニは、殻を半分に割って内臓をキレイに取り出す「ウニむき」の作業を経て漁業組合に出荷されます。

 

▼ウニむき後のウニ

 

そして漁獲高(ウニの取れ高)や需給によって「浜値」と呼ばれる1キロ当たりの値段が決定される仕組みになっています。

 

 

利尻島には「鴛泊(おしどまり:利尻島のフェリーターミナルのある玄関口の港)」などの4つの地区に漁業組合があります。

その日、どの漁を行うのかはそれぞれの組合で判断されるので、1つの地区だけが「ノナ(キタムラサキウニ)」で、あとは「ガンゼ(エゾバフンウニ)」や「昆布」というパターンもあり一律ではありません。

 

 

立地上島の半分が晴天で反対側は雨だったり、島の一部は穏やかな波でも他は大荒れということも当たり前にあるので、全部の地区で漁が行われる日もあれば、1つの地区だけでしか漁が行われない、という日も珍しいことではないのです。

 

そういった色々な理由から、漁獲高は日によって大きく変動します。

それに伴って「浜値」もジェットコースターのように上下するのです。

例えば、爆弾低気圧などが利尻島へ来てしまい数日ウニ漁が出来なかった後は、1週間前と比べて1キロ当たり1万円近く違うこともあってびっくりしたものです。

 

 

このようにウニ漁は天候に左右されますし先ほども述べた通り、さらにウニは漁ができる期間も時間も制限があります。

しかも、ウニを採ってから組合に出すまでの工程は、全て手作業でとても手間がかかります。

だからこそ希少で価値があるのですね。

 

 

利尻島に住んでいた頃に猟師さんと触れ合う機会をもつことができ、ウニ漁を目の前で見たり、ウニむきを体験しました。

決められた時間で、たくさんのウニを採るためにいかに高度な技術が必要か、そして形を崩さずにすばやくウニを取り出すのがどれだけ大変かを知りました。

 

だからこそ余計に「ウニ」のありがたみを感じますし、その美味しさは間違いありません。

たくさんの人に利尻島で新鮮な「ウニ」を食べてほしい。そう願わずにはいられないのです。

 

【著者に聞きました!】利尻島のウニの値段
Q. 一般的にも高いとされているウニ。値段が上下するという利尻島のウニはだいたいどのくらいの値段なのでしょうか?

A. 島で食べる場合、生ウニだけをその場で食べるという販売方式の店はありません。基本的には「ウニ丼」として食べます。価格は時価となりますが、島のどこで食べてもほぼ一律です。

キタムラサキウニ(ノナ)だけの丼で4000~4500円、バフンウニと半々で4500~5000円程度です。中にはウニ丼4500円と固定して、その日の時価にあわせてウニの量を加減するタイプの店もありますが、価格については「どの店でも大差がない」と言われました。

フェリーターミナル内の「丸善食堂」の「うにめし丼」は生ウニではなく蒸しウニといくらがのった丼で、ウニの量は多くはないのですが、価格が1200円でお得感はあると思います。

全国ご当地どんぶり選手権で2年連続グランプリで、殿堂入りしています。

(「丸善食堂」の自社販売ではないのですが、通販でも購入できるようですhttps://store.shopping.yahoo.co.jp/risirifujiya/unimesi.html

またウニ漁のシーズンであれば、島内のいくつかのお土産店で生ウニを塩水につけたものをグラム単位でケースにいれて販売していますが価格は時価なので、目安もわかりません。

ウニ丼やうにめしの価格の目安は書いたとおりですが、お土産用としてケースにいれた塩水ウニのグラム数や金額についての詳細はわかりません。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

うにめし丼の素 3袋セット
価格:4968円(税込、送料無料) (2019/1/28時点)

 

次のページでは利尻島でできる「ウニ採り体験」についてご紹介。是非ウニ採り体験を通してウニについて深く知っていただければと思います。

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