バス釣り道具の選び方とおすすめ③ 【ルアー編】

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バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

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著者:お魚店長

バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから

 

『バス釣り初心者入門』目次へ  (全15ページ)

 

この第3章ではバス釣りに欠かせない道具である「ロッド」「リール」「ルアー」「ライン」について4ページにわたって解説していきます。

前のページでは「リール」でしたが、このページでは「ルアー」について解説いたします。

 

ルアーとは


▲ルアー

 

ルアーとは「疑似餌(ぎじえ)」のことです。

糸の先端にルアーをつけて水中に漂わせることで、ルアーを「エサだ」と勘違いした魚が食いついてきます。そして、魚の口に針を引っ掛けて釣ります。

ルアーは、木材やゴムなどで作られており実際に食べることはできません。その為「疑似餌(疑似=真似た 餌=エサ)」と呼ばれているのです。

 

 

バスフィッシングに魅了された方は、必ずと言っていいほど「ルアーコレクター」になります。

タックル(道具)を語るうえで欠かせない「ルアー」というアイテムは、バスアングラー(=バス釣りを行う人)にとってそれほど神秘的で魅惑的なものなのです!

 

そもそもブラックバス釣りの人気がある理由も、このルアーの存在が大きく関係しています。

ブラックバスはルアーに激しく食らい付いてくるので、壮絶なファイトを堪能できます。そこに、楽しさや魅力が詰まっているんです♪

また、色々な種類のルアーがあり道具選びもバリエーションに富んでいます。「様々なルアーを組み合わせて、いかにヒットに持ち込むか」という奥深さが、釣り人の好奇心をくすぐるというわけなんです♪

 

ルアーの形状は「いかにも」という活エサ(虫などの生きているエサ)そっくりのものもあれば、見るからにエサとしては認識できないようなものも存在したりと、多種多様。

そんな疑似餌に大口を開けて食らいつくブラックバスの本能を活かしたダイナミックさが脚光を浴びているわけです。

 

 

ルアーの動き

 

また、ルアーは投げてリール(釣り糸を回収する道具。詳しくは前のページで)を巻くだけで、泳ぐような動きをする仕組みになっています。泳ぎ方はそれぞれのルアーによって異なります。

魚の反応に合わせてロッド(釣り竿)を動かしてルアーを動かすことで、さらに魚を食いつかせやすくすることもできます。

 

【編集部コラム】ルアーの動かし方の種類
ロッド(釣り竿)を動かすことで、それに伴いルアーも動きます。ルアーの動きによって魚に食い気を与えたり、ルアーの存在を知らせたりすることができます。それによって、より釣果(釣りの成果)が上がる可能性があります。

以下に代表的なルアーの動かし方を挙げさせていただきます。

●リトリープ・・・リールを巻くこと。巻き方のスピードに変化をつけることで魚のやる気に火がつくことも。

●ストップ&ゴー・・・リールを巻いている途中にルアーの動きを一瞬止めたり、再度リールを巻くテクニック。魚にルアーに食いつかせるタイミングを与えます。

●トゥイッチ・・・ロッドの先をチョンチョンと小刻みに動かしながらリールを巻き取るテクニック。逃げ惑う小魚のような演出ができます。

●ジャーク・・・ロッドを大きく動かし、ロッドを元あった位置に戻す間にリールを巻いてルアーを動かすテクニック。

●リフト&フォール・・・ルアーを上下に動かすテクニック。魚は上から落ちてくるものに興味を示すという性質を利用したもの。

●ボトムバンピング・・・水底でルアーを跳ねるように動かすテクニック。

 

ルアーはなぜ使い分ける必要がある?

 

ところで、そもそもなぜルアーをたくさん使い分ける必要があるのでしょうか。

ルアーの機能の違いを一言で言うならば「魚の食いつき方の違い」ということです。

また、水面上(トップウォーター)・中層(ミドル)・ボトム(水底)などと場所によって適切なルアーを使い分けないとブラックバスがエサと認識せずに、食いついてこないのです。だからたくさんのルアーを使い分ける必要があるのです。

 

 

また「同じブラックバスなのだから、どのルアーを使っても食いつき方は変わらないのでは?」と思う方もいるかもしれません。人間が人によって好きな見た目が違うようにブラックバスそれぞれで食いつきたくなるルアーがあるのです。

また「弱っているエサを狙うブラックバス」もいれば「とにかく巨大なエサを欲する大物のブラックバス」もいます。こうしたブラックバスの趣味嗜好を読み、それに合わせたルアーを使い分ける必要があります。(例えば、弱っているエサを狙うブラックバスに対しては、弱っている小魚のように見えるルアーを使ってみたり。)

このように思考を巡らせてどのルアーを使うかを選ぶのも、バス釣りの楽しいところであるのです。

 

【筆者に聞きました!】Q. ブラックバスは本当にルアーをエサと認識している?
A. ブラックバスが本当にルアーをエサと認識しているかと聞かれると不思議なところはあります。

基本は、バスはルアーをエサと認識していると思うのですが、なぜかこれがエサには全く見えないハードルアーに食いついたりします。スピナーベイトがいい例ですかね…。

▼スピナーベイトの例

色や日によって反応が全然変わったりします。ある時はアピールカラー(派手な色のルアー)で魚がルアーに食いついてきたのに、今日は全然当たらないなど…。特にスピナーベイトになぜ食いつくのかは、原因は定かではありません…。

また単に好みのエサによって使い分けるのではなく、リアクションバイトという「ルアーに激しいアクションを加えて、反射的にブラックバスに食いつかせてしまう」という方法もあります。こちらについては第4章(このページは第3章)で解説します。

 

ルアーの種類

 

ルアーの種類は大きく分けると2種類あります。

柔らかい素材を活かした「ソフトベイト(ソフトルアー)」と呼ばれるものと、硬いバルサ材などの木材を使用した「ハードベイト(ハードルアー)」と呼ばれるものがあります。

ソフトベイトは底を這うようなイメージ、ハードベイトは中層を泳がせるイメージで使うと効果が高いです。つまり、狙う層で使い分ける感じですね。

 

▼ソフトベイトの例
▼ハードベイトの例

 

以下ではこの2種類のルアーの違いについて解説します。

 

ソフトベイト(ソフトルアー)

 

 

ソフトベイトは、柔らかい樹脂製のゴムでできており、フニャフニャと艶めかしく動いて魚を誘う習性のあるルアーです。

よりナチュラルに、自然に近い何者かの生命体をイメージすると分かりやすいかもしれません。

 

ハードベイト(ハードルアー)

 

対する「ハードベイト」は、硬い木材などでできた小魚などのシルエットを施したイミテーションルアー(イミテーション=模倣品)です。

トリッキーな動きと派手なアクション(動き)で瞬間的に魚に食いつかせます。

 

どちらのタイプも数えきれないほどの種類があり、それぞれにアクションが異なります。まずは、どれでもいいのでお好きなものを使ってみて、1度魚を釣ってみると世界が変わります。

釣れたらそのルアーの形状や色、アクションの仕方などを覚えて置き、そこからバリエーションを増やしていくと、おのずと連続して釣れるようになってくるはずです。

 

名称 素材 使い方
ソフトベイト 樹脂製のゴム 水底を這うようにイメージ
ハードベイト 硬い木材 中層を泳がせるイメージ

 

ルアーの種類一覧

 

バスフィッシングに使われるルアーは、水面上で激しい動きを演出して誘えるものや、中層をキビキビと動いて食わせるもの、ボトム(底)付近をピョンピョンと飛び跳ねて誘えるものなど様々なものがあります。

先ほども述べましたが一般的には、ソフトベイトは底を這うようにイメージし、ハードベイトは中層を泳がせるイメージで使うと効果が高いです。

それぞれの種類や特徴などは、ざっくりと分けると以下の表のようになります。

ただ、初心者の方がはじめから使い分けることや、理解することは難しいかと思います。

そのため、初心者の方は「こんな使い分け方がたくさんあって極めたら面白そうだなー」くらいの感じで表を眺めていただければよいかと思います。この表の下では「結局どのルアーが釣れるのか?」という初心者の方向けの解説を行っております。

 

▼ハードベイト

種類 特徴 使い方
ポッパー 水面上で激しいポップ音を放ちバスを誘発 ストップ&ゴーを使い分けて水面上をポンピング(=ルアーの頭を沈めたり、出したり跳ねさせるに意)させる。
ペンシルベイト 水面上で弱った小魚を演出 巧みにロッドワーク(=ロッドを動かして魚にアピールすること)を使ってアクションさせる。
ビッグベイト 全長10センチを超える大型のルアー。ランカーバスのみにターゲットを絞って狙う際に使用。 トゥイッチ&ジャーキングなど様々なアクションをおりまぜて使用。
(トゥイッチ=ルアーの頭を左右に振り魚を誘う動作/ジャーキング=ロッドを大きく動かして、ルアーを大きく動かすこと)
バズベイト 水面上でプロペラ(=バズベイトのの先端についてる)が強波動を生み出し、遠くのバスを寄せ付ける。 一定の速度で水面上を巻くだけで効果を発揮する。
フロッグ カエルそっくりの動きでバスを誘う。 ストップ&ゴーをおりまぜてアクションさせる。
ミノー 小魚を演出したシルエットのルアー。 水中で弱った小魚を演出するように使用。
シャッド 比較的浅瀬の水中を勢いよく泳ぎ回る。 水深1~2メートル位の水中をトリッキーな動きで誘う。
クランクベイト 水深2~3メートルの水中をウォブリング動作でバスの好奇心をあおる。 ウォブリング(ブルブル震える動作)を使ったストップ&ゴー。
ジャークベイト ジャーク(ロッドをあおる)すると逃げ惑う小魚を演出する。 ジャーキングに特化した動作。
バイブレーション ブルブルと小刻みなバイブレーションが波動を生み出す。 一定間隔でジャーキングなどを入れ、バイブレーション効果との両立をはかる。
プロップベイト ヘッド部に付いたプロペラが小さなノイズと振動を生み出す。 水中を一定の間隔でリトリーブ(巻く)したり、時にフォール(落とす)させる。
スピナーベイト ボトムから中層を探れるパイロットルアー(=その日の1投目に使用し、魚の反応、風向きなどを状況を判断するためのルアー)。 微波動を意識しながら一定の間隔でリトリーブ(巻く)。
スピンテールジグ テール部に小さな金属状の羽根を装備したアピール度の強いルアー 冬場などにゆっくりとボトムを引くだけでも効果大。
メタルジグ トラウト釣りでも多く使われるルアーで、キラキラと光り強烈にアピール。 フォール(落とす)させることにより、魚の好奇心を刺激。
チャターベイト スピナーベイトのようなワイヤー形状にプロペラの付いた最近生まれた特殊なルアー。 障害物に沿うようにアクションさせ、音と波動で刺激する。
ラバージグ フックの付いたジグにラバースカートを兼ね備えた形状で未確認生物を演出。 ボトムバンピング(跳ねさせる)させるアクションが効果絶大。

 

▼ソフトベイト

種類 特徴 使い方
ストレートワーム バスの大好きなミミズを施した人気のルアー。 着底させ、ボトムを這うようなアクションが効果的。
グラブ系 ボディーが太く、ゆらめくテール部が強烈にアピール。 ラバージグのトレーラーとして多く使われる。
カーリーテール カールしたテール部がバスの好奇心を刺激する。 フォール(落とす)やスイミング(漂わせる)を意識した使い方が有効。
スティックベイト 小魚のシルエットを施したソフトベイトルアー。 逃げ惑ったり弱った魚を演出。
クロー系 大好物のザリガニを模したルアー ボトムを這うザリガニをイミテートして使う。
シャッドテールワーム 丸い形状のテール部がピクピクと動き、バスに猛烈アピール。 基本は、ボトムのズル引きでも良く釣れる。
ホッグ系 エビやカニなどの甲殻類を模したワーム。 テキサスリグ(ボトムを這わせる仕掛け)やラバージグのトレーラーとして使用。
パドルテール 平らなテール部がふわふわと動き、不規則な微波動を生み出す。 障害物に当てたりコンタクトさせて使う。
虫系 甲殻類をイメージした代表的なソフトベイト。 水面下では暴れる虫を、水中では逃げ惑う虫をイメージして使う。

 

多くのルアーがあり、動きも全く異なるので、季節や天候を加味しながら使うととても楽しいですよ!

パターンが読めた時の感動は、計り知れないものがあります!

また、ルアー使い分け方については第4章(現在第3章)で詳しくは解説していますので、こちらもご一読いただければと思います。

 

結局どのルアーが一番釣れるの?

 

初めてルアーを手に取る方は、あまりの種類の多さに呆然としてしまうことでしょう。

では、結局のところ、1番釣れるルアーって何なのでしょうか?

端的に申しますと、答えはソフトベイト=ワームです!

 

「ワーム」とは、ソフトベイトを総称してそう呼ぶのですが、フニャフニャとした艶めかしい動きがバスの好奇心を刺激し、あらゆるコンディションでバイト(魚のアタリ)を誘発できるルアーとして知られています。

ワームはかなり万能型のルアーな上、コスパ最高でよく釣れるルアーです。ソフトベイトがはばかれるシーンも滅多に見当たりません。

筆者は、このワームを使って1日に何十匹ものバスの捕獲に成功しています。

今まで他のルアーでは全くアタリのなかった過酷なコンディション下でも、ワームを使った瞬間に入れ食い状態になることなどは多いです。

 

これはなぜかというと、ブラックバスは日常的に甲殻類や小魚などを捕食しており、これらの小動物をイミテート(真似した)したワームが直接魚の捕食本能を刺激するからなんです!

また、ワームは、他のルアーに比べてとてもアクションさせやすく(動かせやすく)「ちょっとした刺激でも猛烈にアピールできる」といったメリットがあります。

まさに入門用に適したルアーなのです。以下では実際におすすめのルアー商品をご紹介していきます!

 

筆者おすすめ初心者向けルアー3選

1 オーエスピー ドライブクローラー 4.5inch



初心者の方におすすめのソフトベイトのルアーです。

このルアー、ホントによく釣れます!

なぜ釣れるのかはバスちゃんに聞いてみないと正直分かりません!

あえて申し上げるとすれば、テールの動きが絶妙な所でしょうか。フニャフニャと艶めかしくバスの食性を刺激するんだと思います。

 

▼著者おすすめのルアーを買う

オーエスピー ドライブクローラー 4.5inch 【1】 OSP DoLive Crawler

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2 ジャッカル フリックシェイク 4.8インチ

こちらも初心者の方におすすめのソフトベイトのルアーです。

このルアーも上記ドライブクローラーと同じで、かなり良く釣れます。ただ投げれば釣れる感じです!

他の同型のワームと比べて、アタリもとても多いです。

ホントに謎なくらい良く釣れますよ!心境としては「とにかく試しに投げてみてください!」というようなかんじです!

 

▼著者おすすめのルアーを買う

【メール便可】ジャッカル フリックシェイク 4.8インチ

楽天で購入

 

 

3 ダイワ ピーナッツII DR ピンクオレンジギル

こちらも初心者の方におすすめのハードベイトのルアーです。

おすすめの理由は、ダイワ(=大手釣りメーカー)のクランクベイト(=丸い小魚の形をしたルアー)を代表する名作だからです!

しかも他のメーカーのクランクベイトに比べて安価とコスパもよく、良く釣れます。通常、クランクベイトの価格って900~1200円くらいなんですけど、このピーナッツは700円で手に入ります!

「なくしてもそんなに痛手じゃない!」

というのがおすすめする理由です。

しかもよく釣れます!初心者はまずこのルアーから練習してみるべきですね!

 

▼著者おすすめのルアーを買う

ダイワ ピーナッツII DR ピンクオレンジギル

楽天で購入

 

 

ここまで、道具について「ロッド」「リール」「ルアー」と解説してきましたが、最後に「ライン(釣り糸)」について解説いたします!

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アルペン/スノーボードクロス/テクニカルの大会の楽しみ方

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スノーボードは滑るだけじゃない!大会や動画などの観るスノーボードだってとても面白いのです!大会・種目・おすすめスノーボードビデオの解説から、知っておくべきスノーボーダーの紹介まで!

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著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

 

 

 

このページでは「アルペン」「スノーボードクロス」「テクニカル」の3競技について紹介していきます。

アルペンとスノーボードクロスで使われる道具は「一般に市販されているスノーボードの道具とは違う」など、かなり毛並みが他のスノーボード種目とは違う競技ですので、馴染みのない方も多いでしょう。

また、テクニカルはオリンピック種目ではないので、こちらもあまり馴染みが無いと思います。

「聞いたことがない」という人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、これら3競技も非常に魅力的な競技であることには違いありません。

今までハーフパイプやビッグエアなどの競技しか知らず、スノーボードにあまり興味なかった人こそ楽しめるかもしれませんので、是非一度観戦してみてはいかがでしょうか。

 

アルペン競技(パラレル回転・大回転)の楽しみ方

▲アルペン競技の大会(パラレル回転)

▲アルペン競技の様子

種目名 パラレル回転(大回転・スーパー大回転)
同時滑走人数 2人
形式 レース(タイム)

 

アルペン競技とは、パラレル回転やパラレル大回転など、旗門(旗のようなもの:上の画像の赤と青のフラッグ)を通過してタイムを競うレース種目を総称した呼び方です。

 

パラレル回転とパラレル大回転の違い

パラレル回転とパラレル大回転の違いは、設置された旗門の間隔です。「回転」の方が間隔が狭く、より細かいターンを行うテクニカルな(繊細な)種目になります。「大回転」は旗門の間隔が広く、大回りなターンでよりスピードが速いのが特徴です。大回転よりもさらに、旗門の間隔が広い「スーパー大回転」という競技もあります。

また、「パラレル」というのは「二人同時に滑る」という競技のことを意味し、一人で滑る場合は「回転」「大回転」と言います。スノーボードでは二人同時に滑るパラレルが一般的です。

ちなみに英語では回転=スラローム、大回転=ジャイアントスラローム、スーパー大回転=スーパージャイアントスラロームと呼びます。

名称 ターン スピード
回転 細かい 比較的遅め
大回転
スーパー大回転 大きい 速い

 

オリンピックでは、パラレル回転が正式種目となっており、2014年のソチオリンピックで竹内智香選手が銀メダルを獲得して話題になりました。

 

▼竹内智香選手

photo by Christian Jansky CC 表示-継承 3.0

 

タイムを競うレース種目はどんな競技でも魅力がありますよね。

日本のウィンタースポーツでは、スピードスケートやスキーが人気ですが、スノーボードのアルペンもそれらに負けないくらい楽しめる競技です。

 

スノーボードのアルペン競技の特徴は、基本的に一対一のトーナメント形式で行われることです。

スノーボードは屋外競技ですので、時間が経つと気温も変わり、雪面状況も変化します。

この一対一のトーナメントルールなら屋外競技のスノーボードでも公平な条件で競うことができ、何より勝敗がわかりやすく応援しやすいという魅力があります。

 

アルペン競技は道具も全く違う!

▲アルペンボードの例

 

アルペン競技では「アルペンボード」などと呼ばれる専門の道具を使います。

一般的に市販されているボードは「フリースタイルボード」と呼ばれていて、ノーズとテールの先端(ボードの前と後ろの先端)が反り上がっており、柔らかいブーツで滑ります。

 

しかしアルペンボードは、ノーズとテールが殆ど反り上がらず(ノーズだけ少し反り上がっている)、板の幅も非常に細く作られています。

 

 

また、ブーツとビンディング(板にブーツを付けるための道具)も異なり、スキー靴のような硬いプラスチックで作られたハードブーツを使用します。

▼ビンディング

▼通常のブーツ

▼アルペン用ブーツ

 

実際にアルペンボードで滑ってみると、滑った感じもフリースタイルボードとはかなり異なり別競技にも感じられるほど違います。

具体的に言うとブーツが硬いので足首を曲げることができず、かなり窮屈な滑りになります。ある程度スピードを出せば硬い道具は安定感がありますが、低速時はかなり滑りづらくなってしまうのです。

また、フリースタイルボードでは、足をガニ股にしたダックスタンスができますが、アルペンボードでは両足を進行方向に向けたスタンスで行います。

 

 

アルペン用の道具は圧雪バーン(整備されたゲレンデ)でスピードを出すことに非常に特化していますので、アルペン競技と以下で紹介するスノーボードクロスの大会では、このアルペンボードが使用されています。

 

【著者に聞きました!】アルペン競技で印象に残っている大会・シーン

Q. スノーボードインストラクターの風祭氏(このWebonの著者)が、アルペン競技で印象に残っている大会とシーンを教えてください!

A. 2018年平昌オリンピックでのパラレル回転女子のレデツカ選手が金メダルを獲得したことです。レデツカ選手はスキーでもスノーボードでも平昌オリンピックに出場しており、さらにスキーとスノーボードでの二冠(どちらも金メダル)には本当に驚きました。しかもスノーボードでは、圧倒的な実力で危なげなく勝っていたのが印象的でした。

 

▼以上のことを踏まえてもう一度アルペン競技を観てみよう!

 

スノーボードクロスの楽しみ方

▲スノーボードクロスの大会

▲スノーボードクロスの様子 photo by indigonat Some rights reserved

種目名 スノーボードクロス
同時滑走人数 4~6人
形式 レース

 

スノーボードクロスは、同じコースを4〜6人が一斉にスタートして着順を競う競技です。

先ほど紹介したアルペン競技と同じ「レース種目」に分類されますが、内容は大きく異なります。

 

スノーボードクロスの最大の特徴はコースです。

ただの一枚バーン(一つの方向だけに傾斜があるゲレンデ)を滑るのではなく、バンク(斜めになった斜面)やウェーブ(起伏)・キッカー(ジャンプ台)が設置されたコースで行われます。

スピードだけでなく、コース取りや勝負を仕掛けるタイミングなどの駆け引きも勝負を分けるポイントで、そのやり取りを観るのもスノーボードクロス観戦の醍醐味です。

 

▼スノーボードクロスのコースの例

 

巨大なキッカーなども設置されていて、一度間違えれば大事故も起こりかねない中、猛スピードで繰り広げられるデッドヒートは見てるだけでもスリル満点でエキサイトします。

ターンの技術だけでなく、キッカーやウェーブの地形を利用して加速する技術も求められ、総合的な滑走力が勝負を決めます。

 

【著者に聞きました!】スノーボードクロスの駆け引きとは?

Q. スノーボードクロスの駆け引き、と言われても初心者の私にはあまり理解できないのですが具体的にどのような駆け引きを選手は行っているのでしょうか?

A. 「駆け引き」は色々なものがありますが分かりやすいところで言えば選手を追い抜かす瞬間が特に注目ポイントです。例えば後ろで滑っている選手は、コーナーでうまく前の選手のイン(内側)をついて抜かそうとしますが、逆に前を滑る選手は抜かれないようコースを塞いでブロックします。しかし、ブロックすることに集中するとスピードが落ちてしまったりして、逆にアウトコースから抜かされてしまったり、最後の直線で抜かされることになったりすることもあります。このような駆け引きがスノーボードクロスでは行われています。

【著者に聞きました!2】スノーボードクロスで印象に残っている大会・シーン

Q. スノーボードインストラクターの風祭氏(このWebonの著者)が印象に残っているスノーボードの大会とシーンを教えてください!

A. 2007年のX-GAMES(有名な世界大会)が印象的でした。90年代後半に大活躍していたショーン・パーマーという選手がいたのですが、2000年以降はスキークロス(スノーボードクロスのスキー版)やマウンテンバイクの方に転向し、スノーボードの大会には出ていませんでした。(スキークロスやマウンテンバイクでも世界トップレベルで活躍していました) そのショーン・パーマーが復活し、結果は4位という成績でしたが、相変わらずのスタートダッシュの速さは見ているだけで興奮しました。

▼ショーン・パーマー選手の滑りまとめ

 

▼以上のことを踏まえてもう一度スノーボードクロスを観てみよう!

 

テクニカル

▲テクニカルの大会

photo by TimOve 

種目名 テクニカル
同時滑走人数 1人
形式 採点

 

テクニカルは、ターンの美しさや技術を競う競技です。

これまでご紹介してきたアルペンやスノーボードクロスと違いタイムは関係ありません。

決まったコースも設定されておらず、自由演技で競われます。

 

「ミドルターン(中ぐらいの幅(8m程度)のターン)」や「ショートターン(小さい幅(2m程度)のターン)」などの種目が設定されており、その種目に合わせた演技を自由に滑り、その採点を競うのが一般的なルールです。

 

 

基本的にはターンがメインとなりますが、フリー演技やグラトリ種目※などがある大会もあり、色々な滑りを見られるのが魅力的です。

※フリー演技やグラトリ種目・・・スピン(回転技)やグラブ(下図参照)などのターン以外の技を競う種目の事

▼グラブ

グラトリ
グラウンド・トリックの略。ジャンプ台などを使わずゲレンデ、つまり平地でスピンやプレスなどの技をすることを言います。

「スピン」とは板の反発を使ってジャンプをして回転する技です。「プレス」とは板をしならせてウイリーのようにして滑る技のことを言います。

▼プレス(滑りながら板を持ち上げる)

キッカー(ジャンプ台)などを使わずに、普通の平らなゲレンデで行います。

スノーボードの滑り方は「道具の選び方入門~滑り方で選ぶ~」で!(このページはスノーボード「大会観戦・動画鑑賞」入門)

 

一枚バーン(1方向の傾斜だけのゲレンデ)の中で自分の個性と技術を競うテクニカル競技こそ、ある意味スノーボードの全てが詰まった競技と言えるかもしれません。

 

世界的にはメジャーな競技ではありませんが、国内では非常に人気のある競技です。

最近ではテクニカル競技専門の板なども多数登場しています。

トップクラスの選手になると、スピードもターンのキレも物凄く、アルペン競技にも負けない迫力があります。

 

▼以上のことを踏まえてもう一度テクニカルの大会を観てみよう!

 

以上、アルペン・スノーボードクロス・テクニカルについてご紹介をしました!これで主な大会種目の解説は終わりです。次のページでは大会を観る際に知っておくべき有名プロスノーボーダーたちをご紹介します!

 

 

 

目次著者

著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

スロープスタイル/ビッグエアの大会の楽しみ方

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著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

 

 

 

「スロープスタイル」は2014年のソチオリンピックから、「ビッグエア」は2018年の平昌オリンピックから正式種目に加わり、そのジャンプの大きさや迫力ある滑りで話題を集めました。

このページではそんな「スロープスタイル」「ビッグエア」について、大会観戦をする際にもっと楽しむ事ができるような知識や観方を掘り下げて紹介していきます。

 

冬季オリンピックの開催年と都市
開催年 開催都市(国)
2014 ソチ(ロシア)
2018 平昌(韓国)
2022(予定) 北京(中国)

 

スロープスタイルの楽しみ方

スロープスタイルとは

▲スロープスタイルの様子

▲スロープスタイルのコースの例 photo by Sport Communities – FlickrBEO 2008 Slopestyle act 06 CC 表示-継承 2.0

種目名 スロープスタイル
同時滑走人数 1人
形式 採点

 

スロープスタイルは、キッカー(ジャンプ台)や、ジブアイテム(レールやボックスなどの雪以外でできたアイテム)などが設置されたコースを滑り、演技を競い合う競技です。

 

▼キッカー

▼レール


photo by Велислав

▼BOX


photo by James Streater

 

キッカー(ジャンプ)やレール・BOX(ジブ)などのいくつかのセクションがあり、全てのセクションの滑りが総合的に採点され、その得点で競われる種目です。

スロープスタイルではジャンプがあるので派手なジャンプばかりに目が行きがちですが、レールやBOXといった「ジブ」セクションも同じくらい得点の割合を占める重要なポイントで、勝負の分かれ目となります。

スノーボードのフリースタイル(ジャンプ技などのトリック)の総合力が試される競技と言えるでしょう。

 

 

スロープスタイルの魅力

1 大会によって違うユニークなコース

▲キッカーの様子 photo by The Camp of Champions S

 

スロープスタイルのコースは大会によって異なります。

オリンピックではジブ(レールやBOX)セクション3つ、ジャンプ(キッカー)3つくらいのオーソドックスなコースでしたが、大会によって短いハーフパイプ(下図参照)が設置されたコースや、コース上に自動車が設置されたコースなど、バラエティに富んだユニークな大会も多々あります。

▼ハーフパイプ

photo by sookie 

 

特にアメリカで人気のスノーボードの大会「X-GAMES」などは毎年ユニークなことをして、楽しませてくれます。

 

▼「X-GAMES」のスロープスタイルの様子

「X GAMES」については前のページで解説しています! 「X GAMES」については前のページで解説しています!

 

2 色々な技と個性ある滑り

 

スロープスタイルでは、コースの中で同じ技(例えば同じ方向に回転するジャンプなど)をすると得点が伸びないので各選手色々な技を繰り出します。

また、選手それぞれ個性ある滑りをしますので、ジブセクションからジャンプセクションまで見逃すことができません。

このように色々な技を見ることができるのはスロープスタイルの魅力ですので、選手それぞれの「個性ある滑り」に注目して見てもらえると、よりスロープスタイルを楽しく見れると思います。

 

 

3 勝敗を分けるポイント

 

大会毎に異なるコースで、個性ある滑りを観るだけでも楽しいですが、やはり「勝敗」も大会の醍醐味です。

勝負の分かれ目となるポイントを知ればスロープスタイルの観戦はもっと楽しめるでしょう。

 

スロープスタイルでは小さなミスが勝敗を分けます。

減点にならないような小さな着地のミスでも、スピードを落としてしまうとリズムを崩して次のセクションがうまくいかなくなったりします。

派手な競技性とは裏腹に、繊細な部分が勝敗を分けるスロープスタイルは緊張感があり、その緊迫感も注目ポイントです。

 

 

▼以上の点を踏まえてもう一度スロープスタイルを観てみよう!

 

ビッグエアの楽しみ方

ビッグエアとは

▲ビッグエアの大会

▲ビッグエアの様子

種目名 ビッグエア(ストレートジャンプ/ワンメイク)
同時滑走人数 1人
形式 採点

 

ビッグエアはキッカー(ジャンプ台)での演技を競う競技です。

ビッグエアは別名「ストレートジャンプ」や「ワンメイク」と呼ばれる場合もあります。

先ほどご紹介したスロープスタイルでもキッカー(ジャンプ台)はありますが、ビッグエアは一発のキッカーでの演技で勝負をします。

「技を競い合う」という競技の特性上、出場する選手はスロープスタイルと同じ選手ばかりなのでスロープスタイルをある程度観ていればビッグエアも楽しめると思います。

 

 

ビッグエアの魅力

1 大技やユニークな技が観られる

 

キッカー(ジャンプ台)のサイズはスロープスタイルよりも若干大きいサイズを使用します。

極端にサイズが変わるわけではありませんが、スピード調整など余計なことに気を配らずジャンプだけに集中することができるので、スロープスタイルよりも大技やユニークな技が出やすいのが魅力です。

 

 

2 大きなジャンプ

 

ビッグエアで使われるキッカーのサイズは、特に決まりがないので大会によって異なります。

世界トップ選手が繰り出す大きなジャンプはまさしく圧巻で誰もが興奮するでしょう。

 

ちなみに大会ではないのですが、スノーボードの世界記録で57mの飛距離を飛んだという記録があります。(下のYouTubeでは22:55のシーン)

Standard Films製作の「Paradox」というビデオに映像が収録されていて、まさしく圧巻です。

▼Paradoxの公式動画

 

▼以上の事を踏まえてもう一度ビッグエアの大会を観てみよう!

 

スロープスタイル・ビッグエアの技

ジャンプ技

 

ジャンプの技は基本的にはハーフパイプの技と同じですので、詳しくはハーフパイプのページを参考にしてください。

 

 

ただ、ハーフパイプよりもキッカーを使っているスロープスタイルやビッグエアの方が大きなジャンプをしやすいので、さらに高レベルのトリック(技)が繰り出されています。

 

ハーフパイプでは、ダブルコーク1440(縦2回転、横4回転のジャンプ技)が最高難易度とされていますが、キッカーではトリプルコーク1620(縦3回転、横4回転半)が標準的で、これまで最大でクワッドコーク1920(縦4回転、横5回転半)までメイク(達成)されています。

 

▼クワッドコークの例(動画はクワッドコーク1800)

 

ジブ(レール、ボックス)技

 

ジブの技としては、

ジブアイテムに対してまっすぐに両足で乗ることを「50-50(フィフティーフィフティー)」

片足で乗ることを「ノーズプレス」「テールプレス」

横にして乗ることを「ボードスライド」や「リップスライド」

などと呼びます。

 

▼50-50(フィフティーフィフティー)(まっすぐに両足で乗る)


photo by James Streater

▼ノーズプレス・テールプレス(片足で乗る)

photo by Travis Hightower Imaging

▼ボードスライド・リップスライド(ボードを横にして乗る)

photo by The Camp of Champions Snowboard & Ski Summer Camp 

 

さらにジャンプの際スピンしてからBOXなどのアイテムに乗ったり降りたりする技をon(オン)、out(アウト)などと呼びます。

 

 

例えば「270 on 270 out」というトリックなら、270°スピンしてアイテムに乗り、アイテムから降りながら270°スピンして着地します。

 

スノーボードを知らない人からすると、スノーボードのトリック名は訳がわからないような名前も多いですが、基本を知れば以外と単純でわかりやすいです。

グラブトリック(=ボードをジャンプ中に掴む技:下図参照)などはユニークな名前のものも多いですので、トリック名を覚えるだけでも結構楽しめます。

▼グラブトリックの例

 

以上、スロープスタイルとビッグエアについて掘り下げて解説をしました!これだけの知識があれば、より大会を楽しむことができるはずです!

次のページではアルペン/テクニカル種目の大会の楽しみ方をご紹介いたします!

 

 

 

目次著者

著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

バス釣り道具の選び方・おすすめ② 【リール編】

Webon紹介目次著者

バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

バス釣り初心者入門はこちらから!

著者:お魚店長

バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから

 

『バス釣り初心者入門』目次へ  (全15ページ)

 

この章ではバス釣りに欠かせない道具である「ロッド」「リール」「ルアー」「ライン」について4ページにわたって解説していきます。

前のページでは「ロッド」でしたが、このページでは「リール」について解説いたします。

 

リールとは

 

「リール」とは釣り竿に取り付けて、糸を巻き取る道具のことです。

ロッド(釣り竿)の次に必要な道具として押さえておきたいのが「リール」と呼ばれるタックル(釣り道具)における心臓部のようなアイテム。

バス釣りを含むルアーフィッシング(=ルアーを使って行う釣り)では、一般の餌釣り(フナ釣り・鯉釣り・タナゴ釣りなど)と違ってルアーをより遠くへ投げます。

そのため、放出された糸を回収するための道具を必要とします。

この回収機こそが「リール」と呼ばれるもので、ハンドルを回すことによって糸を自在に巻き取ることができる大変優れた道具なのです。

 

 

リールは大きく「スピニングリール」「ベイトリール」の2種類に分けることができます。これはリールについて理解する上で、とても重要な要素です。

この2種類の違いについて理解してから「リールの大きさや糸巻き量」「スペック(ギア比、最大ドラグ力、巻取り長さ)」についても知っていきましょう。

 

スピニングリールとベイトリール

 

リールの種類は大きく分けると「スピニングリール」と「ベイトリール」に分かれます。

「スピニングリール」は、軸を中心に糸を横方向に巻き取るタイプ(下図参照)のもので、「ベイトリール」は両軸リールとも呼ばれ、軸を縦方向に回転させて糸を巻き取るタイプ(下図参照)のもの。

 

 

スピニングリールはルアー回収時のトラブルも少なく、初心者でも簡単に使いこなせますが、ベイトリールは巻き取る際に糸が絡んでしまうトラブルも多く、中~上級者向けのリールと言えます。

その為まず最初に購入するのであれば、スピニングリールが使いやすくおすすめです。

リールの扱いに慣れてきたら、次第にベイトリールに切り替え、キャスティング(=竿にリールをつけてルアーを投げること)のバリエーションを増やしていきましょう!

「スピニングリール」「ベイトリール」の両方のリールを使い分けるうえで、それぞれの特徴を知っておくと、より適したシーンで効率的に魚を狙うことができます。

 

スピニングリール

 

「スピニングリール」は、おもに軽めのルアーを扱う際に多く使われ、細いライン(糸)と組み合わせることによって感度が上がり(感度が上がる:魚が食いついたのを感じやすくなる)操作性が向上します。

スピニングリールは、ナーバスなコンディション(神経質な状態≒ルアーを警戒している状態)のブラックバスを慎重に狙いたい時に使用しましょう。

 

ベイトリール

 

対する「ベイトリール」は、軸を縦方向に回転させて力強くラインを巻き取ることができるため、サイズの大きい重めのルアーにも対応できるといった特徴があります。

ベイトリールは太いライン(糸)を用いて強引な釣りを展開したい時に使用するのがよいでしょう。

例えば、繊細な釣りでもなかなか釣れないといった時に、あえてハードルアーで果敢に攻めて反応を探ったりします。また、時間がない時などもやる気のある魚だけを狙ってハードルアーを用いた強引な釣りを展開します。

 

▼2つのリールの特徴一覧

種類 対象 特徴 使い分け
スピニングリール 初心者向け ・ルアー回収時のトラブルが少なく扱いやすい
・軽めのルアーを扱う際に多く使用される。細いラインとの組み合わせで感度が上がる
・ナーバスなコンディションのブラックバスを慎重に狙いたい時に使う
ベイトリール 中~上級者向け ・ルアー回収時に糸が絡まる時がある
・サイズの重めのルアーにも対応できる
・太いラインを用いて強引な釣りを展開したい時に使用する

 

番手 ~大きさ/糸巻き量~

 

スピニングリールにせよベイトリールにせよ、バスフィッシングにおいて「リール」はなくてはならないものです。ロッド(釣り竿)と同じく、最初はバーサタイル(=万能)な機能を兼ね備えたものを選びたいところです。

 

リールを選ぶ際「2000番」とか「3000番」といった商品名の後ろに付いている番号を目にする機会があるかと思います。

これは「リールの大きさや糸巻き量を示す管理番号」のようなもので、通常「番手」と呼ばれています。

この番号、すなわち「番手」によって、選んだリールがどんな釣りに適しているのかがひと目で分かるようになっているのです。

一般的なバスフィッシングで使う番手は、1000番~3000番クラスのものが多く、数字が小さいほどリール自体が小さく、パワーも下がる仕組みです。

一般的にバーサタイル(多目的)に使えるものは、およそ2000番クラスで表示されていることが多いです。

 

スペック ~ギア比・最大ドラグ力・巻取り長さ~

 

最後に、しっかりとしたリールを選んで頂くために、是非知っておいて頂きたいことがあります。

リールには1つ1つの性能を示す「スペック表記」が記されており、それによってどのようなリールであるかを判別できるようになっています。

おもに参考にすべき表記は「ギア比」「最大ドラグ力」「巻取り長さ」の3つ。

 

「ギア比」とは、ハンドルとスプール(糸が巻いてある芯のこと)の回転比率の事で、ハンドル(=リールに付帯されている握る部分の名称)1回転につき、スプールが何回転するかを表しています。

 

例えば、ギア比6.3と記されていれば、ハンドル1回転につきスプールは6.3回転します。数字が上がれば、それだけラインの巻取り量が多くなるというわけです。

ちなみに、ラインの巻取り量が多いと素早く投げたルアーを回収することができます。

 

「最大ドラグ力」は、簡潔に言うと引張強度(=引っ張られた時に耐えられる度合い)のこと。

 

ドラグ(=ラインの放出を制限するつまみ状の装置)を最も強く締めた状態での最大負荷を表す数値で、ドラグ力が「4キロ」と表示されていれば、4キロまでの負荷に耐えられるという事になります。

最大ドラグ力は、釣りたい魚の大きさを基準に選びましょう。

 

「巻取り長さ」に関しては、ハンドル1回転につきどのくらいの長さのラインを巻きとれるかを表しており「58」と明記されていれば「ラインを58センチ回収できる」という事になります。

ちなみに、巻取り長さが多ければ多いほど、ルアーを回収する速度が上がり、よって同じ時間の釣りでも数多くのキャスト(ルアーを投げる事)が可能となります。

 

ちなみに初心者は、ギア比は5~7くらい、最大ドラグ力は3~5、巻取り長さは60~70くらいがベストではないかと思います。

これら、リールに関する特徴やスペックなどは、選定する際の最も基準となる情報です。

もしわからなければ、釣具屋さんの店員さんに確認するなどし、しっかりとしたものを選ぶようにしてくださいね!

 

初心者におすすめのリール

スピニングリール

 

リールは価格も安く、汎用品として多くの釣具屋さんに出回っておりお求めやすい理由からこちらが初心者におすすめです。

 

ダイワ(Daiwa) 15レブロス 2004 00057372【あす楽対応】

楽天で購入

 

 

ベイトリール

 

ベイトリールは、中~上級者向けのリールです。ただ、下記のリールは初心者にも扱いやすく、なんといってもお手頃価格なのが魅力です。

 

シマノ バスワン XT RIGHT(右)

楽天で購入

 

 

次のページでは「ルアー」について解説していきます。色々な種類のルアーを使い分けることはバス釣りの魅力なのです。

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バス釣りの釣り方の基本

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バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

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前ページではバス釣りの基礎知識をお伝えしました。

このページでは「釣り方の基本」について解説します。釣り方の基本を知っておけば、バス釣り全体のイメージを掴むことができ、次の章以降の「場所」「道具」「コツ」の解説についても理解しやすくなることでしょう。

 

釣り方の基本

 

バス釣りのゴールは前のページでもお伝えした通り、壮絶な魚との駆け引きに打ち勝ち、見事手中におさめるという高いゲーム性と醍醐味を味わうことです。

そんなバス釣りに、1人で釣り場に行けるようになるまでが、このWebonの真の役割となることを願っています。

では、このWebonの最終地点である「魚を釣り上げる」為に必要な「釣り方の基本」とはいったいどのようなものなのでしょうか?

今まで全く釣り経験がない方のために、ルアー釣りの原点ともいえる「魚を釣り上げるまでの基礎」をここでは紹介していきたいと思います。

初心者が覚えるべき基礎知識は5つだけです。それぞれの項目について、以下で解説していきます。

 

▼画像で確認!覚えるべきこと5つ!

 

 

① 道具の準備

 

バス釣りを含むルアー釣りでは、おもに本物のエサの代わりにルアーと呼ばれる疑似餌を針先に付けて魚を誘います。

▼ルアーを針先につける様子

 

この疑似餌(ルアー)とはどのようなものかというと、バルサ材(=軽く加工しやすいのが特徴)などの木材を加工して作られたものや柔らかい樹脂を用いたものなど種類も様々です。

これらを道糸(=リールに巻かれている糸)に結ばれた針先に巧妙にセットしてリアルさを演出していき、ブラックバスがエサだと勘違いして食いつくようにしていきます。

 

 

ルアーには「ソフトルアー」「ハードルアー」の2種類があります。

やわらかいソフトルアーであれば、基本はチョン掛けと言って、本体の真ん中辺りに針を引っ掛けるようにセットしますが、その他にも先端の部分にひっ掛けたりして誘うやり方もあります。

▼ソフトルアーにチョン掛けのイメージ

 

木材でできている「ハードルアー」と呼ばれるものでは、針は本体部分と一緒になっていますので、本体の先端についている「アイ」と呼ばれる輪っかの部分に道糸を通せばセットは完了です。

▼ハードルアーのアイ

 

バス釣りにおいては、疑似餌の付け方ひとつで釣果が大きく変わってしまうため、道具を準備する上では、知っておかなければならない大切な知識です。

 

▼先端にチョン掛けしてる様子

 

「ソフトルアー」「ハードルアー」の詳しい解説は第3章(このページは第1章)にて!

 

② ロッド(釣り竿)の投げ方

 

ロッド(釣り竿)に装着してあるルアーを狙った場所に投げるには、それなりの練習が必要ではありますがすが、さほど難しいものではなく、早い人であれば数投でマスターできる程度のものと理解しておきましょう。

ルアーを投げるフォームをキャステイングフォームと言いますが、代表的なもので3つあり、「オーバーヘッドキャスト」「サイドハンドキャスト」「アンダーキャスト」に区分されます。

 

「オーバーヘッドキャスト」は大きく振りかぶる動作と共に、頭越しに思い切りよく投げるキャストで、ルアーをより遠くへ投げられるといった特徴があります。

 

 

「サイドハンドキャスト」は中腰姿勢で身体の横からわずかな力で狙った場所を射抜くキャスト方法です。

 

 

「アンダーキャスト」は足元から軽くロッドの力を利用して投げる戦術です。

 

 

いずれのキャスト(=ロッドを使ってルアーを投げること)にも言える大事なことは、ロッドをあまり強く握らず、竿先の反発力をフルに活かして投げるのがうまく投げるコツであるということ。

狙った場所が足元であれば、ほんのわずかな力で竿先に乗せる感じに、遠くであればルアーの自重を竿先から中心部にかけてゆっくりと乗せる感じに振りかぶれば、自然とピンポイントで的を射抜くことができるようになります。

 

③ 魚が食いついたか判断する方法

 

ルアーが着水してから、糸を動かしたり引っ張るなどの何らかのアクションを加えると、魚が疑似餌を本物のエサと勘違いして食いついてきます。

これを「魚のアタリ」と言います。

▼疑似餌を本物エサと勘違いしている様子。食いついたら「アタリ」

 

ルアーには表層(水面の部分)で動かせるルアーと、水中に漂わせて誘うタイプのルアーがあります。

表層で動かせるルアーの場合は、この「アタリ」がひとめで分かります。

大きな口を開けてルアーめがけて飛びついてきますので、竿先が大きく引き込まれたり、「ググッ」という重たい感触を手元に感じ取る事ができるでしょう。

▼ひとめで分かる「アタリ」

 

逆に水中の底付近を漂わせて誘うルアーでは、明確なアタリを感じ取れないことが多く、魚が食いついたかどうかを判断できない場合があります。

しかしこの場合でも、何らかの「アタリ」の感触があるのは確かです。

意識を手元や竿先に集中すると、「コンッ」というアタリか「コツコツ」という何らかの違和感を感じることがあり、この場合は魚がルアーを突いている状態なので、アタリであると捉えて次に強い引き込みがあるのを待ってください。

 

④ 魚が食いついた時にすること

 

多くの場合、ブラックバスのアタリというのは、分かりづらいものですが、もしも小さいアタリを感じ取る事ができたら、魚がルアーを咥えた場合、次に大きな「ググッ」という引き込まれるようなアタリが来ることが多いです。

この引き込まれるような強いアタリは完全に咥え込んだ状態である事を意味し、ルアーを根こそぎ持って行こうとしている状態です。

 

もしもこの様な場面になったら、迷わず大きくロッド(釣り竿)を立てて糸を張り、フック(釣針)をブラックバスの口にがっちりと刺してください。

このフックを刺すアクションを「フッキング」といい、これが甘いと途中で針が外れて魚に逃げられてしまいます。

▼フッキングの様子

 

魚が食いついたかどうかのアタリの目印は、糸が水面上をゆっくり「スーッ」と横に動いたり、急に走り出したりすることが多いので、この様な動きも合図となります。

無事にフッキングが決まったら、後はライン(糸)を巻きながら魚とのやり取りを楽しみ、足元でキャッチするのみです。

ランディング(=魚を取り込むこと)の際は、タモ網という取り込み用のネットを使えば確実にキャッチできます。

▼タモ網の例

 

ただ、その際にタモ網を使わずに大きな口をそのまま手で掴む「ハンドランディング」もバス釣りの楽しみの1つとしてお勧めです。

▼ハンドランディング

 

⑤ 釣った後にすること

 

ブラックバスのファイト(=魚が針にかかってからのやり取り)を堪能し、無事に手元まで引き寄せてランディングできたら、1つの目標は達成です!

あとは、その後のお楽しみとして、メジャーで魚のサイズを測り、お気に入りのポーズを決めて是非思い出の1枚に納めましょう!

▼メジャーで魚のサイズを測っている様子

 

ちなみにブラックバスはあまり長い間、水中から出した状態にしてしまうと酸素不足に陥り、弱ってしまいます。

記念撮影は出来るだけ早めに済ませ、早急に水の中へ戻してあげるのが、魚にとっても優しい気遣いと言えると思います。

▼お気に入りのポーズで記念撮影

 

また釣った後、食べられるかどうかも気になる方もいるかと思います。

私の知り合いではブラックバスを釣って食べたことのある方が数多くいます。

実際にブラックバスは、過去に食用として日本に輸入されたとも聞きますし、現在では、滋賀県の琵琶湖界隈では、ブラックバス料理がふるまわれている所もある様です。

事実、私も食べた事があるのですが、正直あまり美味しい魚とは思いませんでした。淡水魚特有の独特の臭みというか、苦みがあるんですね。調理方法によっては、美味しく頂けるのかもしれませんが…。

 

何はともあれ、バス釣りは、ただ純粋にゲームフィッシングとして楽しむのが1番良い方法ではないかと私は考えています。

 

さて、次のページから第2章です。第2章ではブラックバスの「釣り場所」について解説してまいります。

『バス釣り初心者入門』目次へ  (全15ページ)

 

 

5分でわかる!ハーフパイプのルールと楽しみ方!

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スノーボードは滑るだけじゃない!大会や動画などの観るスノーボードだってとても面白いのです!大会・種目・おすすめスノーボードビデオの解説から、知っておくべきスノーボーダーの紹介まで!

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北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

 

 

 

ハーフパイプの大会の楽しみ方

 

このページからはスノーボードの種目についてさらに掘り下げて紹介していきたいと思います。

まず最初に「ハーフパイプ」という種目について解説していきます。

ハーフパイプのルールや見どころ、注目ポイントを知ればもっと楽しくハーフパイプを観戦することができるでしょう。

 

ハーフパイプとは

▲ハーフパイプの会場 photo by sookie 

 

ハーフパイプは円柱を半分に切ったような形状のコースで、壁を利用してジャンプをして、その演技を競う競技です。

ハーフパイプのサイズは、特に決まりはなく大会ごとでサイズが異なります。

ちなみに2018年の平昌オリンピックでは、横幅20m、全長180m、高さ6.8mという最大規模のサイズで競技が行われました。

 

▼ハーフパイプの大会の様子

 

ハーフパイプの採点

 

ハーフパイプは「演技全体の印象」「ジャンプの高さ」「技の難易度」「技の完成度」「技の多様性」などの項目を総合的に判断して採点します。

つまり、複数回ジャンプを行うハーフパイプでは1つのジャンプだけが良くてもダメで、色々な技を高い完成度で繰り出し、総合的に優れた滑りをしなくては高得点は出ないということです。

 

採点方法と審査員の数
平昌五輪のハーフパイプでは(大会によって審査員の数や点数は異なります)6人の審査員がそれぞれ100点満点で審査をしました。6人の中で最も高い採点と最も低い採点を除いた4人の点数の平均がその選手の点数になります。

A B(高) C D(低) E F
95点 99点 93点 90点 95点 93点

上のような採点が行われた場合は最高点(99点)のB審査員と最低点(90点)のD審査員を除いたA95点C93点E95点F93点の4名の平均である「94点」が得点となります。

 

細かい採点方法は各大会ごとによって異なりますので、一概に「どんな滑り方が良い」と決めることもできないのが難しい部分になっています。

以下では採点基準について詳しく解説していきます。

 

採点基準1 技と難易度

photo by Zach Dischner

 

ハーフパイプは空中でジャンプしながら回転する「スピントリック」が基本的な技となります。

そしてその技の難易度の高さと完成度を競うのですが、基本的にはたくさん回した方が難易度が高くなり、ポイントも高くなると考えて大丈夫です。

 

 

横方向のスピンは半回転が180(ワンエイティー)、1回転が360(スリーシックスティー)、1回転半が540(ファイブフォーティー)というような回転数に合わせた呼び方をします。

 

 

さらに、この横方向のスピンに加えて縦回転のスピンを加えることを「コーク」や「ロデオ」「マックツイスト」「クリップラー」などと呼びます。

これらはどれも「縦回転と横回転の複合技」ですが、縦回転の軸の入り方によって技名が違い、違う技となります。(判断は難しいのでとりあえず名前だけでも憶えておきましょう)

そしてさらに、縦に2回転することをダブルと言い「ダブルコーク」とか「ダブルマックツイスト」などと呼びます。

 

▼横回転+縦回転の例

 

さらに回転方向によっても名前が異なり、体の正面方向に向かって回ることを「フロントサイド」、背中側に回ることを「バックサイド」と呼び、さらに通常のスタンスと逆(レギュラーの人なら右足を前にする)で滑ることをスイッチと言います。

 

 

例えば、「スイッチフロントサイドダブルコーク1080」なら、通常と逆のスタンスに飛んで、コーク軸の回転で縦に2回転しながら横に3回転する技になります。

 

▼フロントサイドダブルコーク900

 

一般に横回転するよりも、縦回転を入れた「コーク」や「ロデオ」などの方が難易度は上とされ高得点が出ます。

現在は、(スイッチ)フロントサイドダブルコーク1440が最高難易度の技となっています。

 

採点基準2 技の完成度

 

さらに、技の完成度というものも採点する上で重要な部分で、空中でのグラブ(板を手で掴むこと)の時間や、バランスを崩して暴れたりしない方が、より完成度が高いとされ高得点が出ます。

 

▼グラブ

 

採点基準3 技の多様性

 

先ほど(スイッチ)フロントサイドダブルコーク1440が最高難易度と言いましたが、じゃあその技を連発すれば高得点が出るのか、と言われるとそうではありません。

様々な技をやった方が高得点がでます。

 

縦方向のスピンだけでも「フロントサイドスピン」「バックサイドスピン」「スイッチフロントサイドスピン」「スイッチバックサイドスピン」の4方向の回転があり、それらは全部別の技としてカウントされますし、「ロデオ」と「コーク」(これらは縦回転の違う軸回転)でも違う技になります。

 

 

それらの別の技を色々組み合わせながらルーティンを組む必要があり、選手がどんなルーティンを組んでくるのかもハーフパイプの楽しみ方の1つです。

 

採点基準4 ジャンプの高さ

photo by _e.t Some rights reserved

 

ハーフパイプの見所はなんと言ってもそのジャンプの高さです。

そしてその高さは高得点を出す上でも重要なポイントとなります。

単純に同じ技を同じルーティンで繰り出した選手がいたとしたら、ジャンプが高い方が高得点が出ると考えて良いでしょう。

 

ジャンプの高さは技の完成度にも繋がる部分で、高くジャンプしながら高難易度のトリックを繰り出すのは本当に難しいので、その難しいことをするのが高得点に繋がります。

 

ハーフパイプの注目ポイント!

 

オリンピックなどの世界トップレベルの大会になると、みんなすごすぎて何が高得点で何がダメなのかよくわからなくなりますよね。

そんな時にズバリ注目して欲しいのは「着地」そして「ジャンプの高さ」です。

 

 

着地に失敗すると減点の対象となるばかりか、スピードが落ちて次のジャンプで高さを出すことができなくなります。

減点にならないような細かい着地のミスだとしても、次の技に繋がらなくなり高得点を出すのが難しくなってしまいます。

どんなにすごい技をした人でも、着地が微妙で次に繋がらなくては勝つことはできません。

ですので、着地とジャンプの高さを見れば、その1本がうまくいって高得点が出そうなのかがわかるはずです。

 

スタイルにも注目!

photo by Nic Redhead Some rights reserved

 

これはスノーボーダーの習性だと思うのですが、みな高得点を狙いながらも個性を出した自分らしい滑りを忘れることがありません。

スノーボードの世界では、それを「スタイル」と呼ぶのですが、高得点を狙うだけならみんな同じルーティンの技にしてしまうでしょう。

しかし、それをせず他の人とは違う個性的な滑りを必ずどこかしらに入れてきます。

 

例えば、平野歩夢選手ならファーストエアー(最初のジャンプ)は、スピンをせずにとにかく高いジャンプを入れ、金メダルのショーン・ホワイト選手はルーティンの途中に、独特のグラブ(板を手で掴むこと)で魅せるフロントサイド540を必ず入れてきます。

 

平野歩夢(1998-)
平昌五輪のハーフパイプ銀メダリスト。その他大会でも受賞歴は多数。

▼平野歩夢選手のハーフパイプ(ファーストエアーに注目!)

ショーン・ホワイト(1986-)
アメリカ出身。平昌五輪のハーフパイプ金メダリスト。

▲写真右がショーン・ホワイト選手 photo by Gina Hughes CC 表示 3.0

▼ショーン・ホワイト選手のハーフパイプ

 

また、腰パンで世間を騒がせた國母選手は、大きな「マックツイスト」という技を必ず入れてきました。

 

國母 和宏(1988-)
バンクーバー五輪8位入賞。

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これはスノーボードならでは部分だと思うので、勝敗を分ける部分以外にも是非注目してみてほしいです。

このように選手それぞれの個性的な部分に注目すれば、ハーフパイプの大会をもっと楽しく見れるでしょう。

 

【編集部のギモン】上級者はどこを観る?

 

スノーボード上級者でも、1番興奮するのは高いジャンプや高難易度のトリックなど初心者の方と変わらないと思います。優勝候補の選手が、すごい演技をミスなく見事に完走した時はレベル関係なく誰もが最も興奮します。

ただ上級者は、選手それぞれの「スタイル」に注目する人が多いです。

先にも少し書きましたが、選手それぞれの個性的な滑りを「スタイル」とスノーボードでは言います。

平昌オリンピックでも解説の方が「格好いいです」「スタイルが出ていますね」というスノーボードならでは解説をして少し話題にもなりました。

他の人がやらないような個性的なグラブや技、特徴的な滑りをする選手がいると、順位に関係なくスノーボードを実際にやっている人は興奮するのです。

 

以上のポイントを知った上でもう一度ハーフパイプを観てみよう! 以上のポイントを知った上でもう一度ハーフパイプを観てみよう!

 

 

 

目次著者

著者:風祭健

北海道出身、北海道在住のアラサーのスノーボーダーです。小学生の頃に地元のスキー場で、格好良く滑るスノーボーダーに憧れてスノーボードを始め、かれこれスノーボーダー歴は約20年になります。学校を卒業してから一度は会社員になるも、週末だけのサンデーボーダーでは満足できなくなり転職。JSBAスノーボードC級インストラクターの資格を取得。それ以後、冬に仕事のない農家や土木関係の仕事をし、冬はインストラクターとして山に籠もる生活を送っています。夏場はスケートボードとサーフィンも始めてしまい、趣味も人生も横滑りばかりです。お問い合わせはこちらから

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「モータースポーツ観戦初心者入門2 ~有名レース編~」はこちらから!

著者:河村大志

関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。幼少期に実家にあるF1のVHSを見てモータースポーツに心を奪われる。出版社での経験もなく、いきなりフリーランスになるという暴挙に出るも、モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。趣味はモータースポーツ観戦と音楽鑑賞とギター(下手くそ)。モータースポーツの魅力を様々な側面からお伝え出来ればと思っています!

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『モータースポーツ観戦入門2』目次へ  (全13ページ)

 

まずは、モータースポーツにはどのようなカテゴリーがあるのかを解説していきます。以下に示すのは今回ご紹介するレースのカテゴリーのみで、モータースポーツにはもっと多くのカテゴリーがあります。

詳しくは「モータースポーツ初心者入門1」の以下のページをご参照ください。(このページは「モータースポーツ初心者入門2」です)

 

▼2輪種目

名称 場所 競い方
ロードレース サーキット スピード

▼4輪種目

名称 場所 競い方
ロードレース サーキット スピード
ラリー 一般道 スピード

 

2輪(バイク )編

ロードレース

photo by Aiena Zahira Daim Some rights reserved

 

「ロードレース」はサーキットなどの舗装された道路の上で行われるレースになります。

 

▼サーキット

photo by F.123

 

モータースポーツは他にも、雪道の中を走ったり、街中を走ったりすることもありますが、「モータースポーツ」と聞けばこのロードレースをイメージされる事でしょう。

ロードレースには大きく分けて「スプリントレース」と「耐久レース」があります。

「スプリントレース」は、決められた距離や周回数を走りきった時間の早さを競い、「耐久レース」は決められた時間内に走り切った周回数を競います。

 

 

4輪編

ロードレース

photo by Mark McArdleoriginally posted to Flickr as Race Start! CC 表示-継承 2.0

 

2輪のロードレースと同じくサーキットなどの舗装されたコースで、一斉にスタートしてゴールをめざす競技です。

こちらも2輪同様にスプリントレースと耐久レースがあります。

 

 

ラリー

photo by paul_p!

 

ラリーは決められたルートを決められた指示に従って走破する競技です。

先ほど紹介したロードレースとは違って一般道(舗装されてる道、未舗装の道、雪道、林道など)を走るのが特徴です。

 

いくつも用意されているSS(スペシャルステージ)と呼ばれる競技区間で1台ずつタイムアタックし、その積算タイムで勝敗を争います。

 

そしてSSとSSの間は私たちが利用する一般の道路を使って移動します!

もちろん一般車が走っている中をその国の道路交通法に基づき移動するので、マシンにはナンバーが付いています!

 

▼ナンバーの付いたラリーのマシン

photo by mauro

 

このSSとSSの間の移動区間を「リエゾン」と言います。このように一般の車と一緒に走るのもラリーの魅力なんです!

クルマにはドライバーと「コ・ドライバー(ナビゲーター)」2人が乗り込み、2人の力を合わせて戦います。

 

ラリーでは長い距離を走るため、走る道を全て覚えるのは不可能です。

そこでコ・ドライバーがドライバーに道の情報を伝えることによって、ドライバーは正確な運転操作ができるのです!

 

その他にもクロスカントリーラリーという超長距離のラリー(何日もかけて数千km~1万km前後を走るラリー)なんていうのもあります。

 

 

以上、ご紹介したカテゴリー

  • 2輪ロードレース(スプリント)
  • 2輪ロードレース(耐久)
  • 4輪ロードレース(スプリント)
  • 4輪ロードレース(耐久)
  • ラリー

について国内外の有名なレースをそれぞれご紹介していきます。

是非、レースについて知りモータースポーツをもっと楽しんでいただければと思います!

 

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著者:河村大志

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モータースポーツのマシンは面白い!

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F1は知っていても「モータースポーツ」と言われると分からない。でもモータースポーツは知れば知るほど奥が深く、ハマっている人も沢山いるのです。車・バイクが好きな方はこれを読めばモータースポーツにハマるはず!

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モータースポーツと言えばやはり注目したいのが「マシン」。

このページではモータースポーツの中でも有名なレースである「F1」のマシンについてご紹介をしていきたいと思います。

世界最速を争うF1マシン。マシンを見るとその時代のトレンドが見えてきて面白いです。

ただ、初心者の方にはかなり難しくなってしまうテーマなので、簡単に歴代のF1マシンの形について触れながらマシンについて解説していきます。ここではマシンの面白さを是非感じていただければと思います!

 

▼マシンの簡略年表

 

1960年代

photo by Tim Dobbelaere (Flickr account: storem) – https://www.flickr.com/photos/storem/204129642/ CC 表示-継承 2.0

▲1960年代前半のF1マシン(フェラーリ・1964)

 

1960年代前半のF1マシンは葉巻タバコのように見えることから、「葉巻型」と呼ばれています。

現在のマシンと見比べてもかなりシンプルですよね!

 

▼2018年のマシン

photo by Joe McGowan Some rights reserved

 

今でこそ安全性が高いF1ですが、当時のマシンは安全性が低く、シートベルトもありません。

ドライバーの肩がマシンから露出しているのですが、今のF1からは想像できませんよね。

 

60年代後半には「空気の流れを利用して、ダウンフォース(マシンを地面に押し付ける空気の力※イラスト参照 )を得てコーナリング中(コーナーを曲がっている最中)のマシンを安定させよう」という発想が生まれました。

飛行機は翼で揚力(浮く力)を得ますが、それを逆にして下向きに地面に押し付ける力をダウンフォースと呼びます。

 

 

このような航空力学がF1をさらに進化させていきました。

「ホンダRA301」というマシンにはもの凄く高いリアウイングがつけられました。

 

▼ホンダRA301(マシン後部に付いているのがリアウイング)

photo by Morio CC 表示-継承 3.0

 

空気の流れが安定している高い位置にリアウイングを取り付けることで、効果的にダウンフォースを得ようとしました。

しかし「レース中にリアウイングが脱落してしまい危険」ということで69年に取り付け位置の高さに制限が加わりました。

 

リアウイング
リアウイングは飛行機のウイングと同じ原理を利用してマシンにダウンフォースを得ることができるパーツ。F1マシンは下へ力を加えたいので車のリアウイングは、飛行機のウイングを上下逆さにした形をしている。

 

1970~80年代

photo by ChristianSinclair 

▲70年代のF1マシン

 

70年代のF1マシンは「ウイングカー」と呼ばれます。ダウンフォースをウイングだけでなくマシン全体で得ようと開発されたものです。

これはマシンの底面にウイングと同様に角度をつけたもので、コーナリングスピードが飛躍的に速くなっていきました。

 

▼ウイングカーの例(ウイングカーは「グラウンド・エフェクト・カー」とも呼ばれる)

photo by John Chapman (User:PyropeCC 表示-継承 3.0

 

しかしウイングカーのコーナリングスピードの飛躍的な上昇などが原因で70年代から80年代前半にかけて死亡事故や大事故がつづけざまに起こったため、1983年にウィングカーが禁止となりました。

 

それによりフロントタイヤ後端からリヤタイヤ前端までの底面はフラットでなくてはならないというフラットボトム規定が導入されました。(ウイングカーはフラットにしない事でコーナリングスピードを上昇させていました)

 

 

これによりF1マシンはシンプルなデザインになりました。

 

1990年代

photo by Morio CC 表示-継承 3.0

▲1990年代のマシン(フェラーリ641というマシン)

 

空力には制限が設けられたため、F1はエンジンパワーに依存するようになります。

そして忘れてはいけないのがマシンのシャシーを構成する素材がカーボンになったことです。

軽くて丈夫なカーボンはマシンの安全性は大幅に向上しました。そして1000馬力を超えるターボパワーにも耐えられるようになったのです。

 

シャシー(chassis)
シャシーとは車体のフレーム(枠)のことでボディー以外の部分の事を指す(マシンによってフレームとボディーの箇所は異なる)。また、マシンの足回りの部分の事を指すこともある。

 

90年代はチーム独自の空洞施設で空力実験を行うなどより複雑で先進的になっていきます。

「空洞施設の空力実験」とは人工的に風を発生させて、それをF1マシンの模型にあてて空気の流れ方などを再現・観測する実験です。

 

 

このようにテクノロジーの時代となっていきます。コンピュータ、センサーを用いてデータ化し分析する専門のチームも出来て、現在のF1に近づいていきました。

 

見た目の変化と言えばハイノーズになったこと。

ティレルというチームが1990年に採用したのがはじまりです。

 

▼ティレルのハイノーズマシン(マシン先端が少し上に上がっている。ウイングカーと比べると分かりやすい)

photo by Norimasa Hayashida CC 表示-継承 2.0

▼ウイングカーの例

photo by John Chapman (User:PyropeCC 表示-継承 3.0

 

ハイノーズはボディ下面にさらに効率的に空気を流し込むために生まれたものです。

 

そしてそんな中、1994年にローランド・ラッツェンバーガーとアイルトン・セナが事故死し、F1界は深い悲しみに包まれました。

 

ローランド・ラッツェンバーガー(1960-1994)
オーストリア出身のレースドライバー。F1に出場するものの1994年の事故により死去。

アイルトン・セナ(1960-1994)
ブラジル出身のレースドライバー。F1では何度も表彰台に上がる活躍を見せ、世界で人気を博していた。1994年の事故により死去。

▼アイルトン・セナ

photo by Instituo Ayrton Senna – Ayrton Senna 8.jpg Flickr 

 

この出来事がきっかけで改めて安全性が見直されるようになりました。

様々な制限が設けられましたがデザインが劇的に変わる事はありませんでした。

そして21世紀に入り、F1マシンはさらなる進化を果たします。

 

2000年~

photo by Rick Dikeman CC 表示-継承 3.0

▲2000年代のマシン(フェラーリ・2004)

 

90年代後半から2000年代に入り、多くの自動車メーカーがF1に参入してきました。

日本ではホンダが復帰したり、トヨタがF1に初めて参戦しました。

それまではプライベーター(自動車メーカーではない企業が運営する独立系のチーム)が参加することは少なくありませんでしたが、メーカーのF1に費やす金額がどんどん膨らんでいきメーカーでないとF1に参入が出来なくなっていきます。

そして予算が増えると開発も進み、各メーカー、チームでユニークかつ最先端の技術が多くもたらされました。

 

さらに2014年にF1はハイブリット(=電気とガソリンで走る車)になり、特に2018年のマシンは過去最速のマシンでダウンフォースが多く、様々なサーキットでコースレコード(コースの最速記録)を塗り替えていきました。

 

▼2018年のマシンの例

photo by Anyul Rivas 

 

来年からはまたレギュレーション(ルール)が変更され、マシンの性能・マシンのデザインも変化することでしょう。

 

マシンを見るとその時代がわかり、なぜそんなデザインなのかということに注目して見るとさらにF1を見るのが楽しくなります。

専門的なことが多いF1やモータースポーツですが、マシンにも是非注目して観てみてください!

 

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バス釣りの場所の基礎知識③ 【湖沼編】

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バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

バス釣り初心者入門はこちらから!

著者:お魚店長

バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから

 

『バス釣り初心者入門』目次へ  (全15ページ)

 

この章ではバス釣りができる4つの場所「野池」「河川」「湖沼」「管理釣り場」の解説を4ページにわたって行います。

前のページでは「河川」についてご紹介いたしましたが、このページでは「湖沼(こしょう)」について解説いたします。

 

湖沼とは

 

「湖沼(こしょう)」とは、読んで字のごとく「湖」と「沼」のことです。

湖沼の釣りでは「ボート釣り」など普段とは違った釣りを堪能することができます。

ボート釣りについて詳しくは後述しますが、ボートだと歩くよりも広範囲に移動ができブラックバスがいるポイントのすぐ近くに行くことができます。そのため、ボート釣りの方が釣れる確率も高いのです。

 

また、これまで紹介してきた釣り場「野池」や「河川」は比較的平地にあるため、田園風景(田畑が広がっている閑静な風景)だったのに対して、湖沼では雄大な景色と大自然のコントラストを楽しむことができます。

雄大な景色を眺めながらの釣りってとても気持ちがよく、日頃の疲れを癒してくれるんです!景色が素晴らしい有名なところで言えば、富士五湖(山梨県)をはじめ、琵琶湖(滋賀県)・霞ヶ浦(茨城県)などがあります。

 

▼琵琶湖

 

これらの湖は広いフィールド(釣り場)を数日時間を掛けて廻れるなど、旅行もかねて訪れることのできるレジャースポットです。

多くの湖や湖沼は水深があり、バスの付いている(居る)ポイントも様々。目に見えるポイントばかりでなく、地形の変化を考察しながら「考える釣り」の醍醐味を味わいたい方にお勧めできるバス釣りを代表するフィールドなのです。

 

 

▼【参考】代表的な釣り場所の特徴

場所 特徴 どういう人向け?
野池

俗にいう貯め池。場所を選ばず気軽にルアーを投げれる。 手軽に時間のない方でも行けるのが魅力。初心者にもおすすめ。
河川

釣る場所を絞るのが難しいが、釣れれば大物の可能性! 川バス特有の強い引きと高いゲーム性を求める中級者におすすめ
湖沼

ボート釣りなど普段とは違った釣り体験ができる。レジャースポットとしても楽しめる! 水深があって、目に見えないところにも注目しないと釣れない。考える釣りの醍醐味を味わいたい方におすすめ。
管理釣り場

人工的に作られた釣り場。最も釣れやすい。 初心者でも容易に釣ることができる。デートスポットとしてもおすすめ

 

湖沼の釣りスタイル

 

日本各地には沢山の湖がありますが、多くの場所にブラックバスが生息しているのをご存知でしょうか。

山上湖(=標高が高い場所にある湖)やダム湖(ダムに水が蓄えられて形成される湖)といった湖に生息する魚は、魚体も大きく、時に60センチを超える「ランカーサイズ」と呼ばれるモンスターまで釣れてしまうことがあります。

 

 

バス釣りでは、岸から釣りをする「オカッパリスタイル」とボートに乗って湖面を移動する「ボートスタイル」という2つのフィッシングスタイルがあります。

私が湖で釣りをする際には、「ボートスタイル」をよく多用します。

 

▼オカッパリスタイル:岸から釣る

▼ボートスタイル:ボートに乗って釣る

 

湖沼以外の場所でもボートを使用することも不可能ではありませんが、「河川」などは流れがあり危険なのであまりお勧めはできません。

やはりボートでの釣りは湖沼で行うのがおすすめなのです。

 

オカッパリとボートスタイルの違い

 

なぜ私がボートスタイルを多用するかを説明します。

広大な湖では、歩いて釣りをするよりも広範囲を移動でき、かつブラックバスがいるポイントのすぐ近くまで行けるボートスタイルの方がはるかに効率がいいんです。

また、オカッパリスタイルでは決して行くことのできない限られたポイントを攻略できるのも、ボート釣りならではの魅力と言えます。

そして何といっても、「ボートスタイルの方が釣れる確率が高い」というのが、初心者の方におすすめする一番の理由なんです!

 

もちろん、オカッパリもボートスタイルも「釣れない時は釣れない」のであしからず。

それぞれにメリットやデメリットがあり、状況によって使い分ければ、釣果も倍増すると言えるでしょう。

以下にその一例をご紹介しますので、もしも湖や沼に行かれる機会があれば、是非参考にされてみてください。

 

フィッシングスタイル メリット デメリット
オカッパリ 気軽に釣りができ、歩いて楽に動ける。また、トイレなどの急な用事にも即座に対応が可能 ボートスタイルに比べ、疲労度が高い。よいポイントを選ばなければ、なかなか魚に巡り会えないなど。
ボートスタイル 他人が滅多に近づかない1級ポイントにも容易に入れる。初心者でも比較的簡単に釣れる オカッパリに比べ、コストがかかる。トイレなどの急な用事に困る。
トイレはどうするの?
ボート釣りでトレイに行きたくなった場合は、ボート屋さんにトイレがありますので、1度船着き場まで戻り、お昼休憩がてら用を足しています。オカッパリの場合はコンビニや飲食店のトイレを利用しています。 

 

ボートの違い

 

先程は、初心者の方にはボートスタイルがおすすめだとお伝えしましたが、ボートスタイルで使用するボートには「手漕ぎボート」「アルミボート」があります。

下記では「手漕ぎボート」「アルミボート」の特徴や違いなどについてお伝えします。

 

手漕ぎボート

 

バス釣りの「究極のスタイル」とも呼べるボートスタイルですが、初めてチャレンジされる方は、貸しボート屋さんから出船できる「手漕ぎボート」を利用するのがおすすめ。

コストも安価で手軽に利用でき、船もラクラク自在に操ることができます。

あくまでも手漕ぎのため、離れたポイントまでは移動できませんが、それでも多くのポイントを廻ることができ、1日中有意義にバスフィッシングを楽しむことができますよ!

 

 

ボートの操船に自信のある方は2人乗りでも構いませんが、1人増えると重くなり漕ぐのが大変です。

最初の内は1人1台ずつ借りて無理をせず、近場のポイントから廻るようにするといいと思います。

ボートに乗れば、手軽にポイントを見つけることができるのでおすすめですよ!

 

▼湖などのレンタル手漕ぎボート料金相場

タイプ 1日レンタル料金相場(遊漁料込み) 特徴
1名乗船時 3000円前後 立つなどの行為はバランスが崩れるので避ける必要があり。
2名乗船時 4000~4500円 2名乗船時はバランスが取りにくいため、移動の際は注意が必要。

※釣り場によっては若干の変動あり

 

アルミボート

▲湖を激走するアルミボートの写真

 

ボートスタイルの魅力は、はっきり言って短時間に多くのポイントを廻れ、「効率よくお魚に出会える」。そんなイメージですね。

特に広大な湖では、徒歩でのオカッパリには限界があるため、このスタイルが活躍します。

 

初心者の方はお目に掛かる機会が少ないかもしれませんが、ボートスタイルでの究極の形と言えば、何といってもアルミボートを使ったバスフィッシング!

手漕ぎボートと違って、ハンドコン(=ハンドコントロールできるエレキモーター)やフットコン(=フットコントロールできるエレキモーター)といったエレキモーターが搭載され、瞬時に移動できるばかりか、一定の場所で止まって釣りができる優れもの。 

操縦も比較的容易で、このアルミボートで湖上に繰り出せば、たちまちバスフィッシングの世界が変わるでしょう!

 

 

参考までにエレキモーター付きのレンタルボートを利用した場合の金額や狙えるポイントなどを表にまとめてみましたので、釣行(ちょうこう:釣りに行くこと)の際にご一読いただければ幸いです。

現在では、免許不要艇(操作するのに免許が不要な船)などのボートもたくさん用意されていて、気軽にエレキの操船が楽しめますよ。機会があれば1度、利用してみてくださいね!

 

▼レンタルボート+エレキ装備品価格相場

操船タイプ 通常ボートレンタル料金(1日) ハンドエレキセット フットエレキセット 湖での狙えるポイント
1人乗り 3000円前後 約3000円 約4000円 桟橋・ウイード・ブッシュ・オダなど
2人乗り 4000~4500円 約3000円 約4000円 橋脚・立木・水門・流れ込み・岩場・馬の瀬・アシ際など

※上記、アルミボートのレンタル料金ではなく、通常のボート屋さんでレンタルできるボートの金額相場です。一般にエレキモーターがセットされているアルミボートというのは、多くのボート屋さんでレンタルすることができませんが、代わりにアルミボートではない普通の手漕ぎボートにエレキエンジンを積んだものがレンタルできます。その為料金は例えばハンドエレキエンジンを積んだ1人乗りボートであれば3000円前後+約3000円=約6000円、となります。

 

「免許不要艇」について
ボートを操船するにあたり、長さが10フィート(約3メートル。1フィート=約30センチ)未満であれば免許なしで操船が可能です。

エレキエンジンを積まずに、手漕ぎボートで釣りをする場合は、12フィートや14フィートといった大きめのボートも利用することができます。

他にも諸々の条件がありますが、概ねレンタルボート屋さんで借りれる免許不要艇というものであれば、資格を持たずとも釣りが楽しめます。

 

湖沼の代表的なスポット

 

代表的な湖沼を紹介いたします。是非、実際に足を運んでみてください。

 

都道府県 湖沼の名称
茨城県 霞ヶ浦、北浦
福島県 檜原湖
山梨県 西湖、精進湖、山中湖
神奈川県 相模湖、津久井湖、芦ノ湖
千葉県 亀山ダム、高滝湖
滋賀県 琵琶湖
奈良県 池原ダム
香川県 府中湖

 

次のページでは、初心者が最も釣ることが容易な場所である「管理釣り場」についてお伝えします。

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バス釣りの場所の基礎知識② 【河川編】

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バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

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バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから

 

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この章ではバス釣りができる4つの場所「野池」「河川」「湖沼」「管理釣り場」の解説を4ページにわたって行います。

前のページでは「野池」を紹介しましたが、このページでは「河川」について解説いたします。

 

河川とは


▲河川の例 利根川

 

さて、前述したようにバス釣りができる場所は「野池」「河川」「湖沼」「管理釣り場」の4種類があります。

河川は強い引きと高いゲーム性を求める中級者におすすめフィールド(釣り場)です。

他の釣り場所である「野池」や「湖沼」には貯まっている水には動きがありません。ただ、河川には流れがあり、流れの中で魚が育っているため引きが強いです。また、大物の魚が釣れる可能性もあります。

これがリバーバスフィッシング(=河川で行うバス釣り)の醍醐味です。

 

 

また、その反面フィールド(釣り場)が広範囲であるためポイント(=釣れる場所)の見極めが難しいです。釣れるポイントが限定されるため初心者には厳しい中級者向けのフィールドなのです。

川の流れがない場所での釣りには物足らない方は河川での釣りがよいと言えるでしょう。

 

▼【参考】代表的な釣り場所の特徴一覧

場所 特徴 どういう人向け?
野池

俗にいう貯め池。場所を選ばず気軽にルアーを投げれる。 手軽に時間のない方でも行けるのが魅力。初心者にもおすすめ。
河川

釣る場所を絞るのが難しいが、釣れれば大物の可能性! 川バス特有の強い引きと高いゲーム性を求める中級者におすすめ
湖沼(こしょう:湖や沼)

ボート釣りなど普段とは違った釣り体験ができる。レジャースポットとしても楽しめる! 水深があって、目に見えないところにも注目しないと釣れない。考える釣りの醍醐味を味わいたい方におすすめ。
管理釣り場

人工的に作られた釣り場。最も釣れやすい。 初心者でも容易に釣ることができる。デートスポットとしてもおすすめ

 

また、河川の釣りの醍醐味を味わうには、まずはそこにどんな種類のブラックバスが生息しているか知った方がよいでしょう。

河川では2種類のブラックバスを釣ることができます。下記で解説いたします。

 

河川に生息するブラックバス

 

国内の河川には「ラージマウスバス」と「スモールマウスバス」の2種類のブラックバスが生息しています。

まずは、こちらの2種類のブラックバスの違いについて学んでいきましょう。

 

ラージマウスとスモールマウスバスの違い

▼ラージマウスバスとスモールバスの違い

呼称 生息域 生息場所 特徴
ラージマウスバス 日本全国 野池・湖沼・河川 おもに流れのない温暖な野池などに生息
スモールマウスバス 東北・関東地方の河川 おもに河川 流れの急な河川に多く生息

 

ラージマウスバスは、口が大きく、身体にある斑点が横に一直線に集中した模様で、体色はやや黄色掛かっているのが特徴。

スモールマウスバスは、ラージマウスに比べ口が小さく、身体はトラ模様、またはヒョウ柄。

 

どちらも小魚や甲殻類などを主食とし、見た目も似ていますが、大きな違いがいくつかあります。

それはラージマウスは比較的温暖な地域を好みますが、スモールマウスは冷涼な地域を好む魚であるという事。

そして生息している場所も、ラージマウスは主に湖沼や野池といった流れのない所に居ますが、スモールマウスは逆に流れのある河川に多く生息しているという事。(河川にもラージマウスはいます)

 

このような両者の生態の違いにより、昨今では、様々なフィッシングスタイルが確立されてきました。

様々なフィッシングスタイルとは
個々の生息域の違いにより、釣り方も様々なものがあります。

例えば、ラージマウスバスの場合は、止水域(水が止まっているくらい流れが遅い場所)での釣り方がメインになり、水の流れはさほど意識しなくても釣れるのに対し、スモールの場合は、流れの中に身を潜めていることが多く、水の流れを意識してルアーを操作する釣り方がメインになるという事になります。

例えばラージ狙いの場合は、激流の中にルアーを投げることは確実にありませんが、スモールの場合は、激流の中のストラクチャー(障害物)狙いが必要になったりします。

 

これから初めてバスフィッシングにチャレンジされる方は、河川で狙えるブラックバスに2種類の魚が存在することをまず始めに理解しておきましょう!

 

ラージマウスバスの狙い方

 

まずはラージマウスバウスについて解説いたします。ラージマウスバスの多くは湖などの止水域に生息していますが、流れのある河川にもラージマウスが生息する場合もあるのです。

ちなみに、河川に生息しているラージマウスバスのことを「リバーラージ」と言います。

止水域(しすいいき)とは
人間には水が流れないで止まっているように見える環境。実際にはゆっくり流れている。「野池」「湖沼」が該当する。

 

河川でのラージバスフィッシングの醍醐味と言ったら何といっても「引きの強さ」、そして「デップリと太った体高(たいこう)のいい魚が狙える」こと。

野池などの止水域と違い、少し流れのあるところにもブラックバスは定着しています。

障害物の際に隠れる習性は、どの魚も同じなので、まずは橋脚の影や桟橋などの船着き場、テトラポットと呼ばれる消波ブロックの際などを丹念に攻めていきます。

▼消波ブロック

 

また、河川には必ずと言っていいほど水門が設置してあります。

水門は流れがあり、他の小魚などが集まりやすく、多くのブラックバスの回遊ポイントとなります。

▼水門

 

小さい河川へ続くインレットやアウトレット※などの流れ込みも酸素量が多く、バスが集まりやすい絶好のポイントなので、付近に流れの変化がある場所がないかなど、フィールドを訪れた際はこまめに観察するようにしましょう。

 

インレットとアウトレット
インレットは川から流れてきた水を溜めている池などの供給地点を表します。アウトレットは池などの水が川に排出される地点を意味します。
酸素量が多いと魚が集まりやすい理由
一定の酸素量以下になると魚が呼吸しづらくなり、活性が下がると言われており、最悪の場合、死に至ることもあります。そのため、夏場などには、酸素量が多く、水温が安定しているところにバスが集まる傾向があります。 

 

そしてアタリが来れば、魚の強い引きを存分に味わうことができます!

 

アタリとは
魚がエサに食いついた時に、竿先やウキ(アタリを知らせてくれたり、エサの場所を保つ道具)が動くこと。アタリを「小さい」「大きい」などと表現することがあります。小さいアタリとは、「コンコン」とか「ツンツン」といったツツクアタリが多いです。対する大きなアタリは、「ゴン」とか「ググッ」と引き込まれる明確なアタリになります。

 

筋肉隆々とした立派なサイズが期待できますので、是非1度リバーラージ釣りにチャレンジしてみるのをおすすめします。

 

スモールマウスバスの狙い方

 

筆者は、この河川でのスモールマウスバス狙いがとても大好きで、暇があれば近くのフィールドに足を運んでいます。スモールを狙う上で最も特筆すべきは、以下の点です。

 

  • 引きの強さはラージマウス超え
  • 金色に輝くトラ模様の魚体が何とも美しい
  • 釣り方がラージマウスよりも少し難しい
  • 気まぐれな性格ゆえに、1度釣れても同じ場所で釣れるとは限らない
  • 超激流の中にも潜んでいる
  • ラージマウスは曇りの天気の方が釣りやすいのに対し、スモールは晴れの日の方が釣れる可能性が高い

 

など、先ほど紹介したラージマウスバスとは明らかに異なる習性が見られ、違う釣り方が要求されます。

同じブラックバスでも全く別の魚であるかのようにさえ感じますね。

 

特に針掛かり(=釣り針を魚の口に刺すこと)した際の引きと言ったらラージマウスバスのそれとは比べ物になりません!

▼針掛かり(フッキング)の様子

 

30センチくらいのスモールマウスバスの引きは、40センチのラージマウスバスと同等かそれ以上の強さの引きに感じますね!

それくらい強い引きが堪能できるんです!

 

スモールマウスバスは、激流の中にも身を潜めていることがあるので、狙い方としては、堰下(せきした:堰と呼ばれる河川の流れをせき止める構造物)の河川の落ち込みや消波ブロックの隙間などにルアーをドリフトさせて(=流れに漂わせて)誘います。

始めはコツっとアタリが来ることが多いですが、即アワセ※は厳禁。

即アワセ
魚がエサに食いついた瞬間に、竿を立てて魚の口に針を引っ掛けようとすること。

 

小さいアタリの後の大きく引き込まれるアタリを待ってから、思い切ってフッキング(=魚を口に針を引っ掛けること)させるようにします。

スモール狙いは、川の流れもあるので初めての方にはちょっと難しいかもしれませんが、それだけに釣れた時の喜びもひとしおです!

また、習性もラージとは少し異なりますので、なかなかラージが釣れないといった方は、試しにスモール狙いに切り替えてみるとよいかもしれません。

 

有名な河川紹介

 

下記に、サイトや雑誌等でも多く取り上げられる有名河川について紹介いたします。是非、実際に足を運んでバス釣りを楽しんでみてくださいませ。

 

都道府県 河川の名前
埼玉県 入間川・越辺川・ビン沼川・荒川・名栗川・都幾川
※埼玉はスモールバスの生息が多いです。
茨城県 利根川・小貝川・霞水系横利根川・霞水系新利根川・桜川・五行川など
千葉県 江戸川・印旛新川・長門川
大阪 淀川
東京都 多摩川

 

次のページでは「ボート釣り」など普段とは違った釣り体験ができる。レジャースポットとしても楽しめる釣り場である「湖沼(こしょう)」の解説をいたします。

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