バス釣りの場所の基礎知識② 【河川編】

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バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

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著者:お魚店長

バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから

 

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この章ではバス釣りができる4つの場所「野池」「河川」「湖沼」「管理釣り場」の解説を4ページにわたって行います。

前のページでは「野池」を紹介しましたが、このページでは「河川」について解説いたします。

 

河川とは


▲河川の例 利根川

 

さて、前述したようにバス釣りができる場所は「野池」「河川」「湖沼」「管理釣り場」の4種類があります。

河川は強い引きと高いゲーム性を求める中級者におすすめフィールド(釣り場)です。

他の釣り場所である「野池」や「湖沼」には貯まっている水には動きがありません。ただ、河川には流れがあり、流れの中で魚が育っているため引きが強いです。また、大物の魚が釣れる可能性もあります。

これがリバーバスフィッシング(=河川で行うバス釣り)の醍醐味です。

 

 

また、その反面フィールド(釣り場)が広範囲であるためポイント(=釣れる場所)の見極めが難しいです。釣れるポイントが限定されるため初心者には厳しい中級者向けのフィールドなのです。

川の流れがない場所での釣りには物足らない方は河川での釣りがよいと言えるでしょう。

 

▼【参考】代表的な釣り場所の特徴一覧

場所 特徴 どういう人向け?
野池

俗にいう貯め池。場所を選ばず気軽にルアーを投げれる。 手軽に時間のない方でも行けるのが魅力。初心者にもおすすめ。
河川

釣る場所を絞るのが難しいが、釣れれば大物の可能性! 川バス特有の強い引きと高いゲーム性を求める中級者におすすめ
湖沼(こしょう:湖や沼)

ボート釣りなど普段とは違った釣り体験ができる。レジャースポットとしても楽しめる! 水深があって、目に見えないところにも注目しないと釣れない。考える釣りの醍醐味を味わいたい方におすすめ。
管理釣り場

人工的に作られた釣り場。最も釣れやすい。 初心者でも容易に釣ることができる。デートスポットとしてもおすすめ

 

また、河川の釣りの醍醐味を味わうには、まずはそこにどんな種類のブラックバスが生息しているか知った方がよいでしょう。

河川では2種類のブラックバスを釣ることができます。下記で解説いたします。

 

河川に生息するブラックバス

 

国内の河川には「ラージマウスバス」と「スモールマウスバス」の2種類のブラックバスが生息しています。

まずは、こちらの2種類のブラックバスの違いについて学んでいきましょう。

 

ラージマウスとスモールマウスバスの違い

▼ラージマウスバスとスモールバスの違い

呼称 生息域 生息場所 特徴
ラージマウスバス 日本全国 野池・湖沼・河川 おもに流れのない温暖な野池などに生息
スモールマウスバス 東北・関東地方の河川 おもに河川 流れの急な河川に多く生息

 

ラージマウスバスは、口が大きく、身体にある斑点が横に一直線に集中した模様で、体色はやや黄色掛かっているのが特徴。

スモールマウスバスは、ラージマウスに比べ口が小さく、身体はトラ模様、またはヒョウ柄。

 

どちらも小魚や甲殻類などを主食とし、見た目も似ていますが、大きな違いがいくつかあります。

それはラージマウスは比較的温暖な地域を好みますが、スモールマウスは冷涼な地域を好む魚であるという事。

そして生息している場所も、ラージマウスは主に湖沼や野池といった流れのない所に居ますが、スモールマウスは逆に流れのある河川に多く生息しているという事。(河川にもラージマウスはいます)

 

このような両者の生態の違いにより、昨今では、様々なフィッシングスタイルが確立されてきました。

様々なフィッシングスタイルとは
個々の生息域の違いにより、釣り方も様々なものがあります。

例えば、ラージマウスバスの場合は、止水域(水が止まっているくらい流れが遅い場所)での釣り方がメインになり、水の流れはさほど意識しなくても釣れるのに対し、スモールの場合は、流れの中に身を潜めていることが多く、水の流れを意識してルアーを操作する釣り方がメインになるという事になります。

例えばラージ狙いの場合は、激流の中にルアーを投げることは確実にありませんが、スモールの場合は、激流の中のストラクチャー(障害物)狙いが必要になったりします。

 

これから初めてバスフィッシングにチャレンジされる方は、河川で狙えるブラックバスに2種類の魚が存在することをまず始めに理解しておきましょう!

 

ラージマウスバスの狙い方

 

まずはラージマウスバウスについて解説いたします。ラージマウスバスの多くは湖などの止水域に生息していますが、流れのある河川にもラージマウスが生息する場合もあるのです。

ちなみに、河川に生息しているラージマウスバスのことを「リバーラージ」と言います。

止水域(しすいいき)とは
人間には水が流れないで止まっているように見える環境。実際にはゆっくり流れている。「野池」「湖沼」が該当する。

 

河川でのラージバスフィッシングの醍醐味と言ったら何といっても「引きの強さ」、そして「デップリと太った体高(たいこう)のいい魚が狙える」こと。

野池などの止水域と違い、少し流れのあるところにもブラックバスは定着しています。

障害物の際に隠れる習性は、どの魚も同じなので、まずは橋脚の影や桟橋などの船着き場、テトラポットと呼ばれる消波ブロックの際などを丹念に攻めていきます。

▼消波ブロック

 

また、河川には必ずと言っていいほど水門が設置してあります。

水門は流れがあり、他の小魚などが集まりやすく、多くのブラックバスの回遊ポイントとなります。

▼水門

 

小さい河川へ続くインレットやアウトレット※などの流れ込みも酸素量が多く、バスが集まりやすい絶好のポイントなので、付近に流れの変化がある場所がないかなど、フィールドを訪れた際はこまめに観察するようにしましょう。

 

インレットとアウトレット
インレットは川から流れてきた水を溜めている池などの供給地点を表します。アウトレットは池などの水が川に排出される地点を意味します。
酸素量が多いと魚が集まりやすい理由
一定の酸素量以下になると魚が呼吸しづらくなり、活性が下がると言われており、最悪の場合、死に至ることもあります。そのため、夏場などには、酸素量が多く、水温が安定しているところにバスが集まる傾向があります。 

 

そしてアタリが来れば、魚の強い引きを存分に味わうことができます!

 

アタリとは
魚がエサに食いついた時に、竿先やウキ(アタリを知らせてくれたり、エサの場所を保つ道具)が動くこと。アタリを「小さい」「大きい」などと表現することがあります。小さいアタリとは、「コンコン」とか「ツンツン」といったツツクアタリが多いです。対する大きなアタリは、「ゴン」とか「ググッ」と引き込まれる明確なアタリになります。

 

筋肉隆々とした立派なサイズが期待できますので、是非1度リバーラージ釣りにチャレンジしてみるのをおすすめします。

 

スモールマウスバスの狙い方

 

筆者は、この河川でのスモールマウスバス狙いがとても大好きで、暇があれば近くのフィールドに足を運んでいます。スモールを狙う上で最も特筆すべきは、以下の点です。

 

  • 引きの強さはラージマウス超え
  • 金色に輝くトラ模様の魚体が何とも美しい
  • 釣り方がラージマウスよりも少し難しい
  • 気まぐれな性格ゆえに、1度釣れても同じ場所で釣れるとは限らない
  • 超激流の中にも潜んでいる
  • ラージマウスは曇りの天気の方が釣りやすいのに対し、スモールは晴れの日の方が釣れる可能性が高い

 

など、先ほど紹介したラージマウスバスとは明らかに異なる習性が見られ、違う釣り方が要求されます。

同じブラックバスでも全く別の魚であるかのようにさえ感じますね。

 

特に針掛かり(=釣り針を魚の口に刺すこと)した際の引きと言ったらラージマウスバスのそれとは比べ物になりません!

▼針掛かり(フッキング)の様子

 

30センチくらいのスモールマウスバスの引きは、40センチのラージマウスバスと同等かそれ以上の強さの引きに感じますね!

それくらい強い引きが堪能できるんです!

 

スモールマウスバスは、激流の中にも身を潜めていることがあるので、狙い方としては、堰下(せきした:堰と呼ばれる河川の流れをせき止める構造物)の河川の落ち込みや消波ブロックの隙間などにルアーをドリフトさせて(=流れに漂わせて)誘います。

始めはコツっとアタリが来ることが多いですが、即アワセ※は厳禁。

即アワセ
魚がエサに食いついた瞬間に、竿を立てて魚の口に針を引っ掛けようとすること。

 

小さいアタリの後の大きく引き込まれるアタリを待ってから、思い切ってフッキング(=魚を口に針を引っ掛けること)させるようにします。

スモール狙いは、川の流れもあるので初めての方にはちょっと難しいかもしれませんが、それだけに釣れた時の喜びもひとしおです!

また、習性もラージとは少し異なりますので、なかなかラージが釣れないといった方は、試しにスモール狙いに切り替えてみるとよいかもしれません。

 

有名な河川紹介

 

下記に、サイトや雑誌等でも多く取り上げられる有名河川について紹介いたします。是非、実際に足を運んでバス釣りを楽しんでみてくださいませ。

 

都道府県 河川の名前
埼玉県 入間川・越辺川・ビン沼川・荒川・名栗川・都幾川
※埼玉はスモールバスの生息が多いです。
茨城県 利根川・小貝川・霞水系横利根川・霞水系新利根川・桜川・五行川など
千葉県 江戸川・印旛新川・長門川
大阪 淀川
東京都 多摩川

 

次のページでは「ボート釣り」など普段とは違った釣り体験ができる。レジャースポットとしても楽しめる釣り場である「湖沼(こしょう)」の解説をいたします。

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バス釣りの場所の基礎知識① 【野池編】

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バス釣りとはブラックバスという魚を釣るスポーツです。ブラックバスが勢いよく食いついた時の感覚や、居場所を突き止めた時の爽快感を知れば、バス釣りにハマること間違いなし!

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バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから

 

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この第2章ではバス釣りができる4つの場所「野池」「河川」「湖沼」「管理釣り場」の解説を4ページにわたって行います。

各フィールド(釣り場)別に釣れるポイントや釣り方・特徴・攻略方法などをお伝えします。

このページでは「野池」について解説していきます。

 

野池とは

 

野池とは、農業用の水を貯めるために作られた小さな池のことです。

現在は日本各地の至る所にブラックバスが生息していますが、野池は「これから初めてバス釣りを始めたい!」という方におすすめの場所です。

 

特徴


photo by 三人日 CC 表示-継承 3.0

▲千葉県 雄蛇が池

 

前述した通り、バス釣りができる場所は「野池」「河川」「湖沼」「管理釣り場」の4種類あります。

野池は「管理釣り場」という人工的なフィールド(釣り場)を除けば、最も初心者向けのフィールドになります。

 

野池が初心者向けである理由は小規模な釣り場であり魚が居る場所が一目見て分かるからです。

野池の周囲は狭いので、野池の中にいる魚の生息密度が濃く、岸のどこからルアーを投げても比較的簡単に釣る事ができます。

河川や湖沼の場合はフィールド(釣り場)があまりにも大きいため、初心者の方は魚がどこにいるかわからず、ポイントを絞るのはなかなか大変かと思います。

 

 

また、野池は割といたるところに存在するフィールドで、手軽に時間のない方でも訪れることができるのが魅力。遠くの釣り場に足を運べない方にもってこいの釣り場です。

 

野池の選び方

 

野池の選び方ですが、フィールド(釣り場)には、ブラックバスが入っている野池と全く入っていない野池の2つのフィールドが存在します。

 

 

これを見分けるには、バスアングラー(ブラックバスを釣る人)が釣りをしているかしていないかで判別します。

普段からルアーマン(ルアーを使って釣りをしている人)がそのフィールドを訪れていれば、確実にブラックバスが入っているフィールドと言えます。

反対に釣り人をあまり見かけない様であれば、いない可能性が高いので別のフィールドを探しましょう。

 

フィールド(釣り場)の見極め
フィールド(釣り場)の見極めは非常に難しい所なのですが、少なくとも1人でも釣り人(ルアーを投げている人)を見かける様であれば、そこにはブラックバスが生息している可能性は高いと言えます。

釣りには、コイなどを釣るための「投げ釣り」やフナ狙いの「ウキ釣り」などもありまして、そのような対象魚を狙っている釣り人しかいないようであれば、ブラックバスは「ほぼ居ない」と断定できます。

 

野池の釣り方の基本

 

野池は、小さなものから数百メートル以上も周囲のある大きなものまで様々です。

野池での釣り方の基本は、ランガンスタイルと言って「投げては移動を繰り返すスタイル」が有効です。ルアーを沈めてみて、反応がなければすぐに移動をして、効率よく魚の居るポイントを探っていきます。

ちなみに、ランガンスタイルはほぼ野池のみで行います。広大な湖や河川などはランガンスタイルでは、せいぜい500mくらいの距離しか回れないと思います。そのくらいの移動範囲ですと、野池よりも断然広い湖や河川でブラックバスのポイントを絞るのは難しくなり、多くの釣り人はなかなか釣れないと思います。初心者ならなおさらです。

この章(第2章)の後のページで解説しますが通常湖や河川ではランガンスタイルではなくボートを使うのです。

 

 

また、野池の多くは、水深が1メートル前後と比較的浅い所が多いです。

活性が高ければ※水面にルアーが落ちた瞬間にブラックバスが食いついてくることもあります。ちなみに、水面にルアーが落ちが瞬間に魚が食いつてくることを「トップウォーターゲーム」と呼びます。

活性が高い
「活性」とは、魚がエサやルアーに食いつく積極性の程度を表します。「活性が高い」と釣れやすい、「活性が低い」と釣れにくいことを意味します。

 

このトップウォーターゲームは、夏場などのバスフィッシングの醍醐味とも言え、迫力満点です。様々なルアーで誘い、ブラックバスが水面で食いついてくる瞬間を楽しんでみてください!

 

野池でブラックバスの居るポイント

 

野池には様々なタイプがあります。

「農業用のため池」の他「河川から枝分かれしたフィールド」や「公園の敷地内にある池」「貯水池」など多くのフィールドが存在します。

ブラックバスという魚は物陰に潜んで、近くを通る小魚などのエサを待ち構えていますので、基本的にはこのような野池の周囲にある葦や水草の際、木陰などといった障害物周りを丹念に狙っていきます。

 

また、沈んでいる船や立木・杭・パイプ・桟橋など目に見えるものがあれば、その周囲にはブラックバスがいる可能性が高いです。

「逆に目に見えない障害物」というのも存在し、沈んでいる水草や池の中に放たれた自転車やタイヤ・大きな岩といった沈下物も恰好のストラクチャー(障害物)になり得ます。

底を取りながらラインを巻いている時(野池の底でルアーを動かしている時)に引っかかるようであれば、そこには地形の変化とともに何かが沈んでいる可能性が高いので1度巻くのを止め、アタリがないか確認してからルアーを回収するようにしましょう。

 

画像で学ぶ!ブラックバスがいるポイント!

 

上記の画像は、ストラクチャー(障害物)周りにルアーを投げている画像です。上記の画像で言えば、足元なんかにルアーを落としてもバスが付いている(ブラックバスがいる)可能性が高いです。

水面で目視できる障害物を狙っても良いですし、見えない瓦礫や岩などは格好のブラックバスの住みかとなり得ます。

木陰や水草が目視できない場合は、ライン(釣り糸)を回収しながらボトム(野池の底の形状)を確認しつつ、このような障害物が水中に設置されていないかを手探りで探りながらバスの居所を掴む釣りになります。

 

釣れる野池紹介

 

実は、野池の場所は秘境性が高く、雑誌などにもあまり一般的には公開されていないのです。

なぜかと言うと、フィールドが狭く、あまり多くの釣り人がビュンビュンとルアーを投げてしまうとスレてしまい(ブラックバスがルアーに慣れてしまい)、釣れなくなってしまうからです。

そのため、現地の人も隠したがります。

私が知っているブラックバスが釣れる野池は、有名というわけではありませんが、以下になります。こちらを参考に、是非実際に足を運んでみてくださいませ。

 

▼筆者が教える釣れる野池!

都道府県 野池名
埼玉県 柴山沼・ビン沼・仙女ヶ池・丸掘・高須賀池・弁天沼・昭和池・弦代公園・宝泉寺池・油井ヶ島沼
千葉県 雄蛇が池・印旛沼・手賀沼・房総野池郡
茨城県 上野沼・砂沼・つくば野池郡

 

次のページでは「河川」について解説を行います。河川は野池よりも釣ることが難しい中級者向けのフィールドですが、河川ならではブラックバス釣りの楽しみ方をすることができるのです。

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