落語が題材になったドラマ・映画・舞台

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落語の演目数は数えきれないほど。そんな落語をいざ聴こうと思っても何を聴いたらいいかわからない・・・そんなあなたに好みにピッタリと合った落語演目をご紹介!落語を聴く上で知っておくといい知識も大公開!読めば落語にハマる事間違い無し!!

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著者:なかむら治彦

本業は4コマ漫画家兼イラストレーター。学生時代から筋金入りの落語ファン。1998年「第1回新作落語大賞」に落語脚本を投稿し、大賞を受賞。その後は「尾張家はじめ」のペンネームで落語作家兼ライターを副業に。現在、隔月パズル雑誌『漢字道』(イード)で落語4コマを連載中。著書は『落語まんが寄席』(新星出版社)他。

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落語が題材になった作品

 

2005年にTBSで放送されたドラマ『タイガー&ドラゴン』は、新しい時代の落語ファン層を開拓したと言っても過言ではありません。

宮藤官九郎さんの脚本、長瀬智也さんと岡田准一さんのW主演など、若年層にアピールする顔触れを揃えた上、落語界のイメージを塗り替えるような奇抜なストーリーが、それまで落語と縁の無かった視聴者と従来の落語ファンの両方で話題になったのでした。

 

タイガー&ドラゴン

笑いを忘れてしまったヤクザ(長瀬智也)がある日、落語家(西田敏行)の高座に感動し落語を習う、というストーリー。そんな中、かつて天才と言われ現在廃業してしまっている落語家(岡田准一)と出会う。

 

振り返れば、21世紀に入った当初の落語界は、新世代の若手(春風亭昇太師匠・柳家喬太郎師匠・林家たい平師匠・立川談春師匠 など)がライブシーンで人気を集め始めた一方で、看板クラスの大御所(古今亭志ん朝師匠(2001年没)・五代目 柳家小さん師匠(2002年没)など)が次々と他界し、残った人たちが変革の岐路に立たされていた時期でした。

 

そのタイミングに合わせたように放送開始した『タイガー&ドラゴン』が呼び水となって、ちょっと前までマニアの領域と捉えられていた落語がマスコミで急速に脚光を浴びだしたのです。

そして2005年以降、映画・ドラマ・演劇・テレビ番組企画・漫画などでの落語関連作品数は急増。

それに伴う落語ファン層の拡大は、寄席・落語会への動員増加やCD・DVD・関連出版物の売り上げ増など、落語界に好影響を及ぼす現象へとつながったのでした。

こうして増えた新規の落語ファンは、きっと寄席で落語を聴いて、「あっ、この落語、あのドラマで見たことがある!」と思ったでしょう。

つまり新しいファンの中では、落語でなくドラマの方が「定番」なわけです。そんな人には「是非本当の落語の方も好きになってね!」と願いたい所です。

前置きが長くなりましたが、ここでは過去に映画やドラマなどになった落語の数々をまとめておさらいしてゆきます。

 

落語が題材になった映画4選

 

始めに、ストーリーやモチーフに落語が使われた主な映画を紹介しましょう。

 

1 幕末太陽傳

発表年 1957年
主演 フランキー堺
描かれる落語 『居残り佐平次』『品川心中』など
あらすじ とある遊廓で豪遊した佐平次。しかしお金が無いと若い衆に打ち明ける。そこで佐平次は「居残り」と称して長居する事にする・・・
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最初は川島雄三監督の『幕末太陽傳』(1957年)。

日本映画史上でも名作の一つに数えられるこの作品で描かれるのは、名作落語『居残り佐平次』にも登場する、病を抱えながらも品川遊廓の中で自由に生きる男・佐平次です。

本作ではそれ以外にも『品川心中』や『お見立て』など数々の落語の名シーンが織り込まれており、落語ファンにとってはたまらない作品です。

 

2 の・ようなもの

発表年 1981年
主演 伊藤克信
描かれる落語 『黄金餅』『居酒屋』など
あらすじ とある東京下町に住む落語家が23歳の誕生日にソープランドへ行く。そこで出会った相手の女性と独特な関係になる・・・
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その24年後の1981年には、森田芳光監督がデビュー作『の・ようなもの』を発表しました。

落語界で生活する若手落語家の青春群像劇で、当時の若い落語ファン層に大きな影響を与えました。

劇中では『黄金餅』の道中付け(長い道のりを歩く行程をテンポよく語るくだり)を元にした、足立区堀切~浅草を歩く名場面があります。ちなみに『の・ようなもの』というタイトルは、『居酒屋』で小僧がお品書きを説明する口上「つゆ・はしら・たら・こぶ・あんこうのようなもの…」から取ったものです。

 

3 の・ようなもの のようなもの

発表年 2015年
主演 松山ケンイチ
描かれる落語 『二十四孝』『出目金』
あらすじ 舞台は東京。30歳でサラリーマンを辞めて落語家になった主人公。しかし落語の腕前はさっぱりで、師匠にもダメ出しされてばかり。そんな日々を過ごしているある時、師匠にどこかへ行ってしまった兄弟子を探してこいと言われる・・・
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『の・ようなもの』で助監督を務めた杉山泰一監督が、2011年に他界した森田監督の跡を受けて製作したのが、続編『の・ようなもの のようなもの』(2015年)です。

本作の劇中では、前作にも登場した『二十四孝』や新作『出目金』などが効果的に使用されます。

 

4 しゃべれども しゃべれども

発表年 2007年
主演 国分太一
描かれる落語 『茶の湯』『火焔太鼓』など
あらすじ 主人公は東京の下町に住み古典落語を愛する、二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)。落語家として伸び悩んでいた彼のもとに「落語を習いたい」「話し方を教えてもらいたい」という3人がやって来る・・・
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そして2007年には、佐藤多佳子さんの原作小説もヒットした『しゃべれども しゃべれども』が平山秀幸監督によって映画化され、多くの映画賞を受賞する好評を得ました。

若手落語家の等身大の生活ぶりが清々しく描かれた本作の中では『茶の湯』『火焔太鼓』などを演じるシーンが登場します。

また『タイガー&ドラゴン』の長瀬さんと同じTOKIOの国分太一さんが主演したことでも話題になりました。

 

 

以上の4作品は落語映画としていずれも評価が高く、未見の人にはおすすめの作品ばかりです。

紹介した落語がどのように演じられるかにも注目しつつ、是非ご覧ください。

その他にも、桂文枝(かつら ぶんし)師匠の『ゴルフ夜明け前』(松林宗恵監督・1987年)や立川志の輔(たてかわ しのすけ)師匠の『歓喜の歌』(松岡錠司監督・2008年)などのように、新作落語をそのまま原作として映画化した作品もあります。

 

▼ゴルフ夜明け前

▼歓喜の歌

 

また、2002年に製作され、世界の数々の短編アニメ映画賞を獲得した山村浩二監督の『頭山』も、同題の落語が原作の隠れた名作です。

 

▼頭山

 

落語が題材のドラマ4選

 

次に、落語が題材として使われたドラマです。

連続物のドラマは1シリーズ内に登場する落語の数も多いので、ここでは特にフィーチャーされた演目に重点を置いて紹介します。

 

1 昭和元禄落語心中

発表年 2018年
主演 岡田将生
描かれる落語 『野ざらし』『死神』など
あらすじ 弟子を取らない事で有名な落語の名人とその周りの人物の人間模様が描かれた物語
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まずは、近年最も幅広い支持を得た落語ドラマ『昭和元禄落語心中』から。

原作の雲田はるこさんの漫画も、2010年雑誌連載開始の時点で既に注目されていましたが、2016年および2017年のアニメ放映、さらに2018年NHK総合でのドラマ放送が開始して、評価が頂点に達しました。

漫画は連載中からいくつもの漫画賞を受賞、2019年の「第14回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」では、有楽亭八雲役の岡田将生さんが主演男優賞、有楽亭助六役の山崎育三郎さんが助演男優賞をそれぞれ受賞と、ストーリーも演技も優れた作品であったことを立証しました。

ドラマ版『昭和元禄落語心中』でとりわけ印象的に描かれた落語は、助六から娘の小夏に伝承された『野ざらし』と、八雲が燃える寄席の中で鬼気迫る形相で演じた『死神』でした。

劇中では他にも『寿限無』『たちきり』『品川心中』『錦の袈裟』などいろいろ落語のシーンがありましたが、『野ざらし』と『死神』が演じられる2つのシーンは、ハイクオリティなドラマに相応しい好演でした。

 

『昭和元禄落語心中』に限らず、NHK総合は近年、落語と関わりの深いドラマをたびたび放映しています。

朝の連続テレビ小説では2017年の『わろてんか』と2007年の『ちりとてちん』、そして2019年の大河ドラマ『いだてん』ではビートたけしさん扮する古今亭志ん生が毎回登場してドラマの案内役を担当しています。

 

2 わろてんか

発表年 2017年
主演 葵わかな
描かれる落語 『時うどん』『崇徳院』など
あらすじ 芸能事務所・吉本興業がモデルとなった物語。多くの漫才師や落語家が登場する。
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『わろてんか』の劇中では『時うどん』『崇徳院』『死神』の3席が、出演俳優の本職さながらの演技でたっぷり演じられました。

 

3 ちりとてちん

発表年 2007年
主演 貫地谷しほり
描かれる落語 『愛宕山』など
あらすじ 無口で地味な主人公が大阪へ行き、落語家と出会う。そこから落語の道を進んでいく物語。
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一方『ちりとてちん』では、毎週1本ペースでいろいろな落語が寸劇調で紹介された他、大看板・徒然亭草若の『愛宕山』がドラマのキーワードとしてたびたび登場。

そして弟子の女流落語家・徒然亭若狭が『愛宕山』を演じて高座を引退するというラストでした。

 

4 いだてん

発表年 2019年
主演 中村勘九郎 他
描かれる落語 『富久』『付き馬』など
あらすじ 1959年の東京。東京オリンピックの前年の日本が描かれ、古今亭志ん生の若い頃も描かれる。
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『いだてん』は『タイガー&ドラゴン』と同じ宮藤官九郎さんの脚本で、開始3ヵ月の間に『富久』『付き馬』『鰍沢』『芝浜』『たらちね』などの落語が演じられました。

もっともドラマの主人公はあくまでオリンピック関係者の金栗四三と田畑政治ですから、今後果たして落語はどれくらい脚光を浴びるのでしょう?

※「いだてん」は2019年4月現在、NHKにて放映中

 

落語が題材の舞台

 

続いて、落語が題材になっている舞台の紹介です。

実は落語がお芝居になることはずっと昔からあって、歌舞伎では『芝浜革財布(芝浜)』や『文七元結』など人気演目もあります。

また相撲を扱った落語『幸助餅』は、大阪の松竹新喜劇で古くから上演されています。

 

1 宝塚歌劇団「RAKUGO MUSICAL ANOTHER WORLD」

発表年 2018年
主演 宝塚歌劇団
描かれる落語 『地獄八景亡者戯』『朝友』『死ぬなら今』
あらすじ 大阪の若旦那がある日目覚めるとそこは「あの世」。「この世」「あの世」を行き来しながら描かれる物語。
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チケットぴあ

 

近年の落語ブームの影響か、2018年にはなんとあの宝塚歌劇団でも、落語がモチーフの舞台公演を行いました。タイトルは「RAKUGO MUSICAL ANOTHER WORLD」。

死後の世界を舞台にした落語『地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)』『朝友』『死ぬなら今』の3演目を元にした愛と冒険の物語という内容でした。

 

2 うわの空・藤志郎一座「TOKYOてやんでぃ」

発表年 2000年
主演 西村晋弥 他
描かれる落語 『悲しみにてやんでぃ』
あらすじ 落語家の「前座」の青年の物語。
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新作落語では、春風亭昇太師匠が若手時代に作った青春落語『悲しみにてやんでぃ』が「うわの空・藤志郎一座」によって2000年に舞台化、たびたび再演されました。

それだけではなく、2013年には神田裕司監督によって映画にもなっています(映画化に際しタイトルを『TOKYOてやんでぃ』と改題)。

 

それ以外にも、大劇場の商業演劇からライブシアターの小劇団まで、原作が落語という舞台はいろいろあります。

出演者の数や舞台装置は真逆ですが、どこか相性がよいのかもしれません。

 

作品をより楽しむ為に

 

最後に、映画やドラマになった落語を聴くにあたって、ベストのシチュエーションをお教えしましょう。

まず問題になるのは、映画やドラマに感動した後に確認として落語を聴くべきか、あるいは予習として落語を聴いておくべきか、ということでしょう。

厳密に考えれば、予習した方が落語のディテールが分かって舞台の楽しみは倍増するでしょう。ただエンタメ作品を楽しむにあたっては、あまり頭にいろいろ詰め込むよりも、まずは何も仕入れず手ぶらで観覧する方がよい気がします。

そうしてお芝居を存分に楽しんだ後、CDやネット動画で題材になった落語を確認するという手順が妥当かもしれません。

その方がお芝居も落語も両方楽しめるはずです。できれば、落語を聴いた後、もう一度お芝居を見返して復習するというのがベストでしょう。

 

※このページの参考
不完全版落語芸能人リスト(なかむら記念館 落語別館)
なかむら治彦note【落語好きの諸般の事情】#07 玉石混交?落語映画問題
同・#10 2005年以降の「落語映画」問題・増補改訂版

 

以上、なかむら氏による『読んで楽しい落語の演目と知識 ~人気の演目から泣ける演目まで~』でした!

是非落語を聴いて、落語にハマっていただければと思います!また、興味がある方は寄席を観に行きましょう!このWebonをお読みいただいた方は必ず楽しめるはずです!!

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著者:なかむら治彦

本業は4コマ漫画家兼イラストレーター。学生時代から筋金入りの落語ファン。1998年「第1回新作落語大賞」に落語脚本を投稿し、大賞を受賞。その後は「尾張家はじめ」のペンネームで落語作家兼ライターを副業に。現在、隔月パズル雑誌『漢字道』(イード)で落語4コマを連載中。著書は『落語まんが寄席』(新星出版社)他。

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ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)とは

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2.5次元舞台はアニメやゲームを舞台化した作品であり、近年ブームが起きています。その理由や作品を知ればきっと劇場に足を運びたくなることでしょう。

『2.5次元舞台』入門はこちらから!

著者:ゆうり藍

20代後半女性2.5次元舞台を中心に観劇が大好きなフリーライター。多い時で年間50公演以上観ることも。好きな作品は「ミュージカル テニスの王子様」「刀剣乱舞」「TRUMP」シリーズ「破壊ランナー」など。

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twitter【ゆうり藍】https://twitter.com/yuriran1

 

『2.5次元ミュージカル入門』目次へ  (全14ページ)

 

第1章では2.5次元ミュージカル(舞台)をより楽しむために4ページにわけて基礎知識を解説しています。このページでは2.5次元ミュージカルの金字塔的作品「ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)」について解説していきます。

<第1章のページ>
定義
テニミュ】(当ページ)
ブームと今
俳優

ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)とは

【基本情報】

作品名 ミュージカル『テニスの王子様』
初演 2003年4月30日(東京芸術劇場)
主人公(越前リョーマ)のキャスト(初代) 柳浩太郎・Kimeru・遠藤雄弥
ストーリー 主人公が属する青春学園テニス部が全国大会優勝を目指す
チケット チケットぴあ
動画配信サービス U-NEXT
DVD・Blu-ray amazonで探す  楽天で探す
公式サイト https://www.tennimu.com/
「男性俳優のみ」「スポーツ漫画原作」などのミュージカルはミュージカル『テニスの王子』が初めての事だったので手探り状態でスタートした。上演当初は観客動員数も少なかったが口コミなどで徐々に広がり人気ミュージカルへ。2018年には累計250万人を動員(参照:https://www.tennimu.com/news/d724)を記録した。

 

2.5次元ミュージカル(舞台)を語る上で欠かせない作品がミュージカル『テニスの王子様』です。

 

▼ミュージカル『テニスの王子様』(DVD)

 

ミュージカル『テニスの王子様』、略して「テニミュ」と呼ばれるこの作品は、2003年の初演以来大ヒットを続け、2.5次元ミュージカル(舞台)の金字塔的作品となりました。

 

原作は週刊少年ジャンプで連載された許斐剛(このみ たけし)氏が作者の少年マンガ「テニスの王子様」です。

主人公・越前リョーマの所属する青春学園(略して「青学」)テニス部が地区大会から関東大会、全国大会を戦い抜いていくスポーツ漫画です。

 

 

個性豊かなキャラクターや斬新な必殺技で人気を博し、原作漫画はアニメ化もされました。

少年マンガではありますが、魅力的な男性キャラクターが多い本作は女性ファンが多いことも特徴です。

 

▼漫画「テニスの王子様」1(画像クリックで商品詳細へ)

 

テニミュの魅力

 

「テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)」が上演される前も漫画原作の舞台化は行われており、「美少女戦士セーラームーン」や「聖闘士星矢(せいんと せいや)」などが上演されていました。

 

▼漫画「美少女戦士セーラームーン」

聖闘士星矢

聖闘士星矢は1991年に舞台化、主演はSMAP。漫画・アニメの舞台化の流れのはじまりと言われている。

▼劇場版 聖闘士星矢

 

しかし、舞台化のムーブメントを起こすまでには至ってはいませんでした。

「テニスの王子様」の初演時は、ミュージカルに馴染みのあるファンは少なく、当初は公演期間も短く、チケットの売り上げも厳しかったと言われています。

ただ、瞬く間に評判は口コミで広がり、15周年を迎えた2018年現在までその人気は衰えていません。

 

 

「テニミュ」の魅力は漫画の好きなキャラクターが目の前にいることです。

衣装は基本的にユニフォーム、小道具はほぼラケットのみ。ピンスポットの明かりをボールに見立ててラリーをする。

そんなシンプルな演出であっても「キャラクターが目の前にいる」という強烈な体験を観客に残していきました。

 

▼舞台のダイジェスト映像

 

テニミュがブームになった理由

 

2.5次元ミュージカル(舞台)ブームの火付け役と言われる「テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)」ですが、どのようにして2.5次元ミュージカルというジャンルを流行らせるに至ったのでしょうか。

それはテニミュが「原作ファンが舞台に通うという流れを作り出したところに理由がある」と言えるのではないかと思っています。

 

 

以前も漫画やアニメを題材にした2.5次元ミュージカルのような形の舞台はありました。

代表的なもので言えば前のページで述べた「ベルばら(ベルサイユのばら)」が挙げられます。これらの舞台に足を運ぶのはキャスト(役者)や劇団(宝塚歌劇団)のファンが中心でした。

テニミュ以降の2.5次元ミュージカルには「キャストのファン」だけでなく「原作のファン」も劇場に足を運ぶようになっていったのです。

 

テニミュ以降「NARUTO」や「BLEACH」といった少年ジャンプ作品の舞台化が続きます。(「テニスの王子様」は少年ジャンプ連載)

 

▼NARUTO

▼BLEACH

 

また、少年ジャンプ以外でも「弱虫ペダル」「西遊記」といった少年マンガ作品や「戦国BASARA」といったゲーム作品も舞台化されていきました。

これらの舞台には多くの原作ファンがキャラクターに出会うために、劇場に足を運びました。

 

▼弱虫ペダル

▼西遊記

▼戦国BASARA

 

このように「テニミュ」は原作ファンが舞台に通うという流れを作り出した画期的な一作なのです。

 

原作ファンからキャストファンへ

 

また原作ファンが舞台に通うという流れを作り出したのと同時に、原作ファンから2.5次元舞台に出演するキャストのファンになる人も生み出しました。

 

▼原作ファンからキャストファンになる流れ

 

「テニミュ」に出演するキャストはデビュー直後の若手俳優が多くを占めています。『「テニミュ」が初舞台』というキャスト(若手俳優)も少なくありません。

「テニミュ」はそんな若いキャストたちが原作漫画を読みこみ、舞台上でキャラクターを表現します。

 

「キャラクターに会えるという感動」の先に待っているのは、「中の人であるキャストへの愛情」です。

お世辞にも上手いとはいえなかった歌やダンスが公演を重ねるに連れてだんだん上手くなる、キャラクターがより原作のキャラクターらしくなる。

そんなキャストたちの成長に惹かれて同じ公演に何度も足を運ぶファンも珍しくありません。

 

 

「テニミュ」はキャストを交代しながら続いている作品です。

主人公の所属する青春学園のキャストは変更され、2018年10月時点で10代目となっています。

 

どんなに愛したキャストもいつかは「卒業」という形でキャスト変更を迎えてしまう。その寂しさがあるから、今必死にチケットを握りしめて通ってしまうのかもしれません。

 

2.5次元ミュージカルは2次元を忠実に再現することで人気を得てきました。

しかし、同時にそのキャラクターの先に成長し変化するキャストがいることもまた、2.5次元の魅力です。

「テニミュ」を卒業しても絶対応援するからね。そんな気持ちでまた別の2.5次元ミュージカルに行く。

 

作品のファンからキャストのファンへと変わっていった人がたくさんいたことも、「テニミュ」以後の2.5次元ミュージカルが広がった理由だと思います。

 

テニミュを観る方法

 

▼サービス名クリックorタップで公式サイトへ進めます(下記の表では『ミュージカル「テニスの王子様」の最初の作品について紹介しています。)

サービス名 購入方法
dアニメストア ・定額配信。月額400円(税抜き)で見放題。初回31日は無料で見放題
amazon ・DVD
DMM.com ・月額レンタル。月ごとに決まった数のDVD/CDをレンタルすることができる。月980円で4枚、月に1880円で8枚、月2480円の借り放題プランがある。
ダウンロード/ストリーミング
GYAO! ・レンタル。視聴期間は決まっている。

 

以上、2.5次元ミュージカルの金字塔的作品、ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)の紹介でした。

次のページでは2.5次元ミュージカルのブームと今について解説をしていきます。

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【2.5次元舞台作品が豊富なのはdアニメストア!初回31日間無料】



 

Endless SHOCK(エンドレスショック)とは

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「Endless SHOCK(エンドレスショック)」は堂本光一さん主演の日本一チケットが取れないと言われているミュージカル。「フライング」「階段落ち」などの演目も素晴らしいですが、ストーリーの素晴らしさをもっと知っていただきたい。帝国劇場での鑑賞経験はございませんが、精一杯魅力をお伝えします。

「『Endless SHOCK』入門 ~堂本光一主演ミュージカル~」はこちらから!

著者:しあ

40代後半女性。Endless SHOCKは博多座にて多数鑑賞。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。全部チケットの半券をとっているのでとても大切な想い出です。私の好きなアーティストの魅力を知っていただければ、と思います。

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Endless SHOCK(エンドレスショック)とは

▲堂本光一氏

 

「Endless SHOCK(エンドレスショック)」とは、ジャニーズ事務所所属の人気デュオ「Kinki Kids(キンキ キッズ)」堂本光一さん主演の大人気ミュージカルです。

チケットは発売後に即日完売となる「日本一チケットが取れないミュージカル」とも言われています。

度々、テレビのワイドショーなどで光一さんの「フライング」「壮絶な殺陣」「階段落ち」が紹介されていますので、ご存知の方も多いかもしれません。

 

▼フライングのイメージ(天井に吊られて飛び回る)

▼階段落ちのイメージ

 

 

でも、実際はどういったミュージカルなのか、詳しい内容まではご存じない方も多いのでは。こちらのWebonでは、Endless SHOCKについて詳しくご紹介していきたいと思います。

 

内容

▲ブロードウェイ

 

Endless SHOCKは、ブロードウェイを目指す主人公「コウイチ」率いるカンパニー(劇団)の物語です。

 

ブロードウェイ
本来「ブロードウェイ」はアメリカのマンハッタンの南北にある大通りを意味する。ただ、ブロードウェイは劇場が多く集中しているため、文中のようにブロードウェイを「アメリカの舞台芸能の中心地」としての意味で使うことが多い。

 

「Show must go on」=「何があってもshowを続けなければならない」

という、コウイチの信条を元に仲間との衝突・和解を繰り返しながら、皆と心を一つにしてshow(ショー:公演)に自分の全てを捧げていくコウイチの姿が描かれています。

「現実の芝居部分」と「劇中劇」とで、舞台は進行していきます。よく話題になるフライングや殺陣・階段落ちは劇中劇にあるシーンなんです。

 

Endless SHOCKのストーリーは次の章(第1章)で解説! Endless SHOCKのストーリーは次の章(第1章)で解説!

 

魅力

 

Endless SHOCKの魅力は、派手な演出やマジック・フライング・キラキラと光り輝くshow・ダンスナンバー・殺陣や太鼓など、様々な演目が楽しめること。

「5分に1回は観客を驚かせる」

ということも言われていて、次から次へと目まぐるしく変わる展開からは目が離せません。

その魅力は世間でも注目されるところであり「階段落ち」「フライング」「殺陣」などの演目はメディアでもよく取り上げられます。

 

ダンスナンバーを観て「カッコいい!」というのも当然ですし、フライングを「きれい!」殺陣を「凄まじい…」という感想などもあると思います。

でも、全ての演目はストーリーと繋がっているので、ストーリーを深く知ることでよりその演目の素晴らしさがわかると思います。

 

私としてはストーリーの素晴らしさをもっと知って欲しいという想いがあります。

堂本光一さん自身も

「階段落ちなどがよく話題になるけれど、我々が一番大切にしているのはそのストーリーの部分なんです。」

と語っています。

 

青春群像劇と言えるEndless SHOCKのストーリーは、主人公「コウイチ」の生き様を通して「一生懸命今を生きること」が描かれています。

物語が進行していくうちに、コウイチの想いに胸が苦しくなるほどの感銘を受けると思います。ラストシーンは、何度見ても涙が止まりません。

青春群像劇とは
複数の若者が登場し、それぞれの物語が同時進行に描かれていく。それぞれの別のストーリーは全体を通して見ると、全体として1つのまとまった青春の物語になっている。

 

テーマ

 

「Show must go on(何があってもshowを続けなければならない)」

は物語の主人公である「コウイチ」のテーマですが、コウイチを演じる「光一さん」と共通点が多く、どんなに困難なことがあっても、前に進むという姿勢が一緒だなと感じます。

光一さんは

「自身の体調不良やケガなどは見に来てくれるお客さんには関係のない事。その1公演にしか来られない人もいる。その日の公演が今までで一番ベストになるように全力を尽くすだけ。」

と語っています。

舞台でも、ペース配分なんて考えておらず、最初から最後まで、全力で演じていることが伝わってきます。

日々のルーティンをかかさず、体調を整え舞台に情熱を捧げる…そんな光一さんと主人公コウイチの姿が重なって見えることもあります。

 

コウイチは堂本光一さんが演じることで、とても魅力的になっていると思います。

ショー的な演目も多く、ダンスシーン一つを切り取って観ると「光一さんのソロコンサートでは?」と感じるかもしれない演目も、コウイチとして演じています。

「光一さんがコウイチにしか見えない」というところがすごいと思うのです。堂本光一さんが創り上げたコウイチというキャラクターを、光一さんが見事にコウイチになりきって演じていることが素晴らしいと思うのです。

 

上演場所の拡大

 

Endless SHOCKは東京の帝国劇場のみで上演されてきましたが、近年では福岡の博多座、大阪の梅田芸術劇場でも上演されてきました。

今年2018年は2、3月に帝国劇場だけでの上演でした。

 

これは、2018年の7、8月に帝国劇場で光一さんの新しいミュージカル「ナイツ・テイル 騎士物語」が上演されるため、スケジュール的に忙しく博多座・梅田芸術劇場の公演がなかったのではないかと思うのですが…。

※ちなみに、2016年はKinki KidsのコンサートツアーがありEndless SHOCKの地方公演は行われませんでした。なので、毎年必ず地方公演があるとは限らないと思っています。

 

ナイツ・テイル 騎士物語
世界的演出家ジョン・ケアードとシェイクスピアによる「二人の貴公子」をモチーフにしたミュージカル。堂本光一と、ミュージカルや舞台を中心に活躍する井上芳雄が出演。

 

私はいつもEndless SHOCKを博多座で見ており、光一さんはカーテンコールで

「また博多座に戻ってこれるように頑張りたい。」

と言って下さるので、地方でもまた上演されるのではないかと期待しています。

 

DVDも、Blu-rayもリリースされていますので、ぜひEndless SHOCKをご覧になって、勇気や希望を感じ取ってもらえたら、と思います。

 

Endless SHOCKの「DVD」「Blu-ray」は第4章で解説!(現在は「はじめに」) Endless SHOCKの「DVD」「Blu-ray」は第4章で解説!(現在は「はじめに」)

 

次のページでは「SHOCKの歴史」についてお伝えします。

2005年に「Endless SHOCK」というタイトルになるまでには「MILLENNIUM SHOCK」「SHOW劇SHOCK」など様々なSHOCKシリーズの上演がされてきたのです。

『Endless SHOCK』目次へ  (全14ページ)

 

 

目次著者

著者:しあ

40代後半女性。Endless SHOCKは博多座にて多数鑑賞。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。全部チケットの半券をとっているのでとても大切な想い出です。私の好きなアーティストの魅力を知っていただければ、と思います。

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