2.5次元舞台の異例の存在 【刀剣乱舞】

Webon紹介目次著者
2.5次元舞台はアニメやゲームを舞台化した作品であり、近年ブームが起きています。その理由や作品を知ればきっと劇場に足を運びたくなることでしょう。

『2.5次元舞台』入門はこちらから!

著者:ゆうり藍

20代後半女性2.5次元舞台を中心に観劇が大好きなフリーライター。多い時で年間50公演以上観ることも。好きな作品は「ミュージカル テニスの王子様」「刀剣乱舞」「TRUMP」シリーズ「破壊ランナー」など。

お問い合わせはこちらから
twitter【ゆうり藍】https://twitter.com/yuriran1

 

 



 

「刀剣乱舞」は2.5次元舞台の中では異例の存在なのです。

「刀剣乱舞」というひとつの作品に対して、同時期に別の制作会社がそれぞれ舞台化しており「ミュージカル 刀剣乱舞」「舞台 刀剣乱舞」ではキャストや内容が異なるものなのです。

今回は、そんな異例の存在である「刀剣乱舞」について解説いたします。

 

「刀剣乱舞」とは


(引用元:http://games.dmm.com/detail/tohken/)

 

現在、アニメや映画と様々な展開をみせる刀剣乱舞ですが、元のはじまりは「刀剣乱舞-ONLINE-」というゲームです。

「刀剣乱舞-ONLINE-」は、2015年1月にブラウザゲーム(=インターネット上でインストールしないで遊べるゲーム)としてリリースされた女性を中心に大ヒットしました。内容は「刀剣男士」として擬人化された名高い名刀を育成するというもの。

魅力的な男性キャラクターはファンの心を掴み、ゲームを飛び越えてアニメ、コミックス、そして2.5次元舞台へと世界を広げています。

 

2.5次元舞台で異例の作品

 

「刀剣乱舞」の舞台化は異例の道程を辿っています。

まず、2015年10月にネルケプランニング(=舞台の制作会社)制作のミュージカル「刀剣乱舞」が上演されました。

 

▼ネルケプランニング公式ホームページ


(引用:https://www.nelke.co.jp/

 

その後、2016年5月にマーベラス(=ゲーム制作を主とした会社)制作の舞台「刀剣乱舞」が上演され、以降ミュージカル版と舞台(ストレートプレイ)版が別々に上演を重ねながらシリーズ化しています。

 

▼マーベラス公式ホームページ


(引用:https://www.marv.jp/

 

それぞれ登場するキャラクターも異なり、キャスト・スタッフもまったく違う体制でそれぞれ制作されています。

1つの原作に対して、同時期に別の制作会社がそれぞれ舞台化をするのは異例のことです。

 

 

なお、「刀剣乱舞」はアニメ作品も別々の会社が制作した「活撃 刀剣乱舞」と「刀剣乱舞 花丸」という2シリーズが存在します。

 

▼アニメ「活撃 刀剣乱舞」

 ▼アニメ「刀剣乱舞 花丸」

 

このように2つの2.5次元舞台が制作された背景として、原作ゲームである「刀剣乱舞」にはっきりとしたストーリーが存在しないことがあると考えられます。

「刀剣乱舞」には『刀剣の付喪神(つくもがみ:道具に宿る神や精霊)である刀剣男士の力を借りて、歴史を改変しようとする歴史修正主義者と戦う』という大枠の設定しかありません。

この設定とキャラクターのビジュアルとボイス、ゲーム中に登場するシステムが原作の要素であり、それを踏まえていればどんな物語でも作ることができるのが「刀剣乱舞」という作品の特徴であり魅力です。

プレイヤーそれぞれの本丸(このゲーム中で基地や拠点にあたるもの)やキャラクターである刀剣男士がいるように、それぞれのメディアミックス作品にもそれぞれの本丸と刀剣男士がいるのです。

そのため、ミュージカル版と舞台版は、原作を再現するという2.5次元舞台の使命を全うしつつ、それぞれのオリジナリティを出しながら上演されています。

 

ミュージカル「刀剣乱舞」

 

ミュージカル「刀剣乱舞」(通称「刀ミュ」)は2015年の「阿津賀志山異聞」トライアル公演を皮切りにコンスタントに上演が続けられています。

▼ミュージカル「刀剣乱舞」「阿津賀志山異聞」トライアル公演(画像クリックで商品詳細へ)

スポンサーリンク

 

2018年10月までに本公演を6公演、劇中の楽曲を披露するライブ公演が4公演披露されています。

「刀ミュ」の特徴として伝統的な大衆演劇のスタイルにのっとって、1部をお芝居、2部をショーの形式で行うことが挙げられます。

 

「刀ミュ」1部と2部の違いを詳しく!
1部と2部の大きな違いは「ストーリーがあるかないか」です。

1部は過去の歴史的なイベントをテーマに敵と戦う話となっています。2部は「現代の戦い」と称して、観客に向けてアイドルのように歌って踊るという設定になっています。

2部は客席とのコールアンドレスポンスがあったり、キャラクター同士の掛け合いがあったりします。

 

2部で「現代の戦い」と称してアイドルのように歌い踊る刀剣男士たちに、観客は「なぜ?」と困惑しつつ引き込まれていきます。

それは「刀剣乱舞」という「自由な世界」では、刀を持たずに歌って踊る刀剣男士が「アリ」だと感じられるからです。

それだけ舞台上のキャストたちは説得力をもって刀剣男士を演じきってくれています。

また、「刀ミュ」は1作目の「阿津賀志山異聞」と4作目の「つはものどもがゆめのあと」で源義経と彼にまつわる人間たちをテーマにしています。

 

源義経
平安時代末期の武将。父は平氏との戦である「平治の乱」で破れて命を落とす。後に、兄の源頼朝とともに平氏を滅ぼす。幼い時の名前は「牛若丸」。「弁慶」という乱暴者を返り討ちにした有名な逸話がある

 

また、テーマは同じですが同じ時代を別の角度から描かれています。例えば、テーマは「源義経と彼にまつわる人間たち」ですが、源義経を中心にスポットを当てて描かれる作品があれば、周囲の人間にスポットを当てて描かれる作品もあります。

それにより同じ歴史的な出来事に抱く印象が変わるだけでなく、刀剣男士たちについても様々な面が見えてきます。

 

1作目と4作目では共通の刀剣男士が登場しますが、両作品で抱く印象は変わっていきます。

「刀ミュ」は刀剣男士たちのキャラクターに厚みを与えて私たち観客の前に現してくれるのです。

 

▼ミュージカル「刀剣乱舞」~真剣乱舞祭2016~ 映像

 

<この作品を観る方法>

▼サービス名クリックorタップで公式サイトへ進めます。

サービス名 購入方法
dアニメストア ・定額配信。月額400円(税抜き)で見放題。初回31日は無料で見放題
amazon ・Blu-ray/DVD
DMM.com ・ダウンロード

※2.5次元舞台で人気作を劇場で鑑賞したいと考える場合は、先行販売でチケットを獲得することをおすすめします。

 

先行販売でのチケット獲得方法については下記のページ(次の章)にて解説! 先行販売でのチケット獲得方法については下記のページ(次の章)にて解説!

 

舞台「刀剣乱舞」

 

舞台「刀剣乱舞」(通称「刀ステ」)は「虚伝 燃ゆる本能寺」というタイトルからスタートし、2018年10月現在5作品が上演されています。

 

▼作品一覧

作数 作品名 初演
1作目 虚伝 燃ゆる本能寺 2016年5月
2作目 義伝 暁の独眼竜 2017年6月
3作目 外伝 此の夜らの小田原 2017年11月
4作目 ジョ伝 三つら星刀語り 2017年12月
5作目 悲伝 結いの目の不如帰 2018年6月

▼舞台「刀剣乱舞」虚伝 燃ゆる本能寺 ダイジェスト映像

 

「刀ステ」は1公演ごとが独立した物語でありながら、シリーズ全体としては三日月宗近と山姥切国広というキャラクターに迫りながら成長や関係性の深化を描いています。

「刀剣乱舞」は史跡(歴史上価値の高い遺跡)がゲームのステージになっており、歴史そのものをゲームの舞台として見ることのできる作品です。

「刀ステ」でも本能寺の変や関ヶ原の合戦、永禄の変といった歴史的なイベントを主題にして物語が繰り広げられます。

そして歴史ものというのは悲劇はつきものです。

本作でも刀剣男士にとって昔の主である織田信長や足利義輝は歴史の中で死んでいきます。

そうした主を守れなかった悲しみや悔しさから刀剣男士の成長や変化を情感たっぷりに表現しているのが「刀ステ」の良さです。

また、「刀ステ」で重要な要素となっているのが殺陣(たて:刀で切り合う劇。チャンバラのようなもの)です。

殺陣を得意とした役者も多く参加している本作では、スピード感と迫力ある殺陣が魅力となっています。臨場感のある戦闘シーンは演劇だからこそ体験できるものの1つです。

 

<この作品を観る方法>

▼サービス名クリックorタップで公式サイトへ進めます。

サービス名 購入方法
amazon ・Blu-ray/DVD
DMM.com ・ダウンロード

 

 

【2.5次元舞台作品が豊富なのはdアニメストア!初回31日間無料】