おすすめノワールコミック(まんが)傑作5選

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ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

 

第4章では小説以外で見る事ができるノワール作品について紹介しています。

このページでは、ノワール文学の影響を色濃く表した「グラフィック・ノヴェル/漫画作品」をご紹介していきます。

 

グラフィック・ノヴェル
グラフィック・ノヴェルとは多くの場合、ストーリーが長く複雑で本の厚みがある形式のアメリカン・コミックを指す。

 

1 ウォッチメン(アラン・ムーア、デイヴ・ギボンズ)

タイトル(原題) ウォッチメン(Watchmen)
著者 アラン・ムーア、デイヴ・ギボンズ(Alan Moore, Dave Gibbons)
発表年 1986年~
著者出身国 イギリス

 

本作「ウォッチメン」は、優れたSF作品に贈られるヒューゴー賞や、アメリカで最も権威ある漫画賞であるアイズナー賞を受賞した、アメリカン・コミックを代表する作品のひとつです。

冷戦下のアメリカを舞台に「ヒーローが実在したらどうなるか」というSFを描いており、ヒーローたちの力でベトナム戦争にアメリカが勝利していたり、ウォーターゲート事件がもみ消されているなど、歴史の改変を大きな主題として扱っています。

 

ウォーターゲート事件
1972年にニクソン大統領の再選を目指したアメリカ共和党の大統領再選委員会が、ワシントンDCにあるウォーターゲートビル内の民主党本部に盗聴器をしかけようとした事件。

 

本作の主人公であるロールシャッハ(中折れ帽にトレンチコートを着こみ、目的のためなら拷問や殺人も厭わないキャラクター)が古典的なハードボイルド小説のパロディともいうべき造形である点や、

冷戦下の不安が通奏低音(つうそうていおん:表面には現れないが継続的に影響を与えているという意味)的に全編を暗く覆っている点など、スーパーヒーローを題材としていながらも、きわめてノワール的な作品であるといえます。

 

▼ロールシャッハ

 

また本作は、フランスを代表するノワール作家のひとり、ジャン=パトリック・マンシェット(Jean-Patrick Manchette)によってフランス語に翻訳されました。

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

2 シン・シティ(フランク・ミラー)

タイトル(原題) シン・シティ(Sin City)
著者 フランク・ミラー(Frank Miller)
発表年 1991年~
著者出身国 アメリカ

 

本作「シン・シティ」は、「ウォッチメン」と並ぶアメリカン・コミックの金字塔「バットマン:ダークナイト・リターンズ(Batman: The Dark Knight Returns)」の作者フランク・ミラーによるノワール・コミックです。

 

▼バットマン:ダークナイト・リターンズ(コミック)

 

ベイスン・シティという腐敗した街を舞台に、己の信念に殉じる男たちの生きざまを描いた群像劇で、豪華なカラーリングが施されることの多いアメリカン・コミックには珍しく、全編のほとんどが白黒の荒々しい筆致で描かれています。

一つ前で紹介した「ウォッチメン」同様、映画化されており、原画の質感を忠実に再現した映像美は、原作ファンの間でも高く評価されています。

 

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3 ヒットマン(ガース・エニス、ジョン・マクレア)

タイトル(原題) ヒットマン(Hitman)
著者 ガース・エニス、ジョン・マクレア(Garth Ennis, John McCrea)
発表年 1996年~
著者出身国 イギリス

 

本作「ヒットマン」は、バットマンシリーズで知られる架空の犯罪都市「ゴッサム・シティ」を舞台にしたアメリカン・コミックです。

バットマンやスーパーマン、グリーン・ランタンといったDCコミックス(アメリカの漫画の出版社)のキャラクターが顔を出すなど、先ほど紹介した「シン・シティ」と比較して荒唐無稽なストーリーが多く、アメコミに馴染みの薄い方には少々とっつきにくいかもしれません。

一方で、凄腕の殺し屋やマフィアとの抗争を描いた、血と硝煙(しょうえん)の匂いが立ちこめる純度の高いハードボイルドなエピソードもあり、ノワールファンなら読んで損はない作品です。

本作「ヒットマン」の著者、ガース・エニスからの「ウォッチメン」に対する回答ともいうべき問題作「ザ・ボーイズ(The Boys)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

4 ジョーカー(ブライアン・アザレロ、リー・ベルメホ)

タイトル(原題) ジョーカー(Joker)
著者 ブライアン・アザレロ、リー・ベルメホ(Brian Azzarello, Lee Bermejo)
発表年 2011年(日本語訳初版)
著者出身国 アメリカ

▼ジョーカー

 

本作「ジョーカー」は、バットマンシリーズのヴィラン(「悪役」の総称のようなもの)、ジョーカーに憧れる街のちんぴら「ジョニー・フロスト」の視点から、悪逆の限りを尽くすジョーカーの姿を描いたノワール・コミックです。

ワニ肌の怪物キラー・クロックを黒人ギャングのボスとして描くなど、バットマンファンにはお馴染みのヴィランを現実的に置き換える工夫がなされており、シリーズに馴染みのない方でも充分に楽しめる作品となっています。

 

▼キラー・クロック

 

犯罪者の視点からバットマンを描くことで、彼の異常性を浮き彫りにすることにも成功しており、バットマンファンなら絶対に見逃せない一冊です。

また、本作「ジョーカー」の著者であるブライアン・アザレロは、影響を受けた作家として、ジム・トンプスン(Jim Thompson)とデイヴィッド・グーディス(David Goodis)の名を挙げています。

 

ジム・トンプスンについては第3章で紹介!(現在第4章) ジム・トンプスンについては第3章で紹介!(現在第4章)

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

5 高3限定(梶本レイカ)

タイトル 高3限定(こうさんげんてい)
著者 梶本レイカ(かじもと れいか)
発表年 2012年
著者出身国 日本

 

本作「高3限定」は、とある男子校を舞台に教師と生徒の恋愛を描いたBL作品です――

と言うと拒絶反応を起こされる方も少なくないかもしれませんが、本作で描かれている凄惨な暴力と人間の底知れない心の闇は、名作と評されるノワール作品の数々と比較しても、なんら劣ることはありません。

作者は他にも、現在連載中(2018年時点)のサイコ・サスペンス「悪魔を憐れむ歌」や、

▼悪魔を憐れむ歌

アメリカを舞台に混血の警察官とギャングの愛憎劇を描いた「ミ・ディアブロ」、

▼ミ・ディアブロ

実際に起きた北海道警察の汚職事件をモチーフに刑事とヤクザの転落を描いた「コオリオニ

▼コオリオニ

など、ノワール要素の色濃い漫画作品を発表していますので、併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼著者おすすめノワールコミックを読む

 

次のページでは音楽の一ジャンルである「ブラックメタル」に潜んでいるノワールについて紹介します。

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



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北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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おすすめフィルム・ノワール傑作5選

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ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

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北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

 

このページから第4章。第4章からは小説以外で見る事ができるノワール作品について紹介していきます。

第1章で述べているように、ノワール文学(ノワール小説)を原作に犯罪映画である「フィルム・ノワール」が作られているなど、フィルム・ノワールとノワール文学は切っても離せない関係にあります。

それは現代においても変わりなく、およそ70年もの長きにわたりノワール文学を原作に数えきれないほどのフィルム・ノワールが製作されてきました。

 

フィルム・ノワール

フィルム・ノワールは犯罪映画の一群を指す用語第1章で紹介したダシール・ハメットの同名小説を原作とした映画「マルタの鷹(The Maltese Falcon)」などがその先駆けとされる。

 

このページでは、ノワール文学(小説)を原作とするフィルム・ノワールの傑作を、例によって著者の独断と偏見で選出し、みなさんにご紹介していきます。

 

1 「現金に体を張れ」スタンリー・キューブリック監督(1956年)

【原作:逃走と死と / ライオネル・ホワイト(Clean Break / Lionel White)】

▼原作「逃走と死と」

 

本作「現金に体を張れ」は、当時のアメリカを代表する犯罪小説家ライオネル・ホワイトの小説「逃走と死と」を、ジム・トンプスンが脚本化したフィルム・ノワールです。

 

ジム・トンプスン

1906-1977。暗黒小説の巨匠として高い評価を得る。他にスタンリー・キューブリック監督の『突撃』の脚本も手がけている。

 

現金強奪計画の顛末(てんまつ)を時系列を入れ替えて明かしていくその手法は、当時の映画としては斬新なものでした。ホワイト、トンプスン、キューブリックという類い稀なる三つの才能が生みだした、映画史に残る名作です。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

2 「」ジャック・ベッケル監督(1960年)

【原作:穴 / ジョゼ・ジョヴァンニ(Le Trou / Jose Giavanni)】

 

本作「穴」は、著者の実体験を下敷きにした脱獄映画。

著者が獄中で書いた処女小説を原作としています。無駄のない筋書きを無駄のない演出で魅せる本作の緊迫感には凄まじいものがあり、脱獄を題材としたすべての映画の最高峰に君臨する不朽の名作です。

また、主要人物のひとりに実際の脱獄犯を起用することで、作品に圧倒的なリアリティと緊張感をもたらすことに成功しています。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

3 「組織」ジョン・フリン監督(1973年)

【原作:犯罪組織 / リチャード・スターク(The Outfit / Richard Stark)】

▼原作:犯罪組織

▼原作著者:リチャード・スターク

by I, Dinkley CC 表示-継承 3.0

 

本作「組織」は、兄を殺された男がかつての相棒とともに犯罪組織に復讐する様を描いたフィルム・ノワールで、<悪党パーカー>シリーズの三作目を原作としています。

 

『悪党パーカー』シリーズについて

『悪党パーカー』シリーズはリチャード・スターク(本名:ドナルド・E・ウェストレイク)の代表作。現在シリーズの中から20作品が翻訳されて刊行されている。

 

また、著者自身が脚本を務めているため、「殺しの分け前/ポイントブランク」「汚れた七人」「スレイグラウンド」「ペイバック」「PARKER/パーカー」といった同シリーズの小説を原作とする映画と比較して、原作小説の雰囲気をもっとも忠実に再現している作品であるといえます。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

4 「L.A.大捜査線/狼たちの街」ウィリアム・フリードキン監督(1985年)

【原作:LA捜査線 / ジェラルド・ペティヴィッチ(To Live and Die in L.A. / Gerald Petievich)】

▼原作:LA捜査線

 

本作「L.A.大捜査線」は、手段を選ばない非合法な捜査で偽札作りの犯人を追い詰めていく財務省特別調査員の姿を描いたアクション映画です。

厳密にいうとフィルム・ノワールではないのですが、原作が素晴らしいノワール小説であるということで、こちらにご紹介させていただきます。

映画化をするにあたり著者と監督が共同で脚本を大きくアレンジしましたが、原作小説と映画版どちらも甲乙つけがたい素晴らしい出来となっていますので、原作も併せて読んでいただくことを強くおすすめします。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

5 「大菩薩峠」岡本喜八監督(1966年)

【原作:大菩薩峠 / 中里介山】

▼原作:大菩薩峠

 

本作「大菩薩峠」は、1913年から1941年にわたって連載された未完の大作「大菩薩峠」を原作とした時代劇映画です。

大衆小説の先駆と評される原作小説は、決してノワール文学に分類されるものではありませんが、剣の強さのみを求める主人公「机竜之介」のアンチ・ヒーロー的な造形は、後のノワール作品に通ずるものがあります。

 

大衆小説とは

「芸術性」よりもストーリーなどの「娯楽性」を重視した小説の総称。

 

また、仲代達也演じる机竜之介の狂気が全編にわたって溢れる本作は頽廃的(たいはいてき:気風などがくずれて不健全である様)な空気を色濃く纏っており、フィルム・ノワールの名作と呼ぶに相応しい作品です。

 

▼著者おすすめフィルム・ノワールを観る

 

以上、著者がおすすめするフィルム・ノワール5選でした。次のページではノワール要素を見ることができるコミックについて紹介していきます。

 



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著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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ノワール小説おすすめ傑作20選 【一般市民編】

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ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

このページでは、法の番人でもアウトローでも探偵でもない、平凡に生きる一般市民を主人公に据えたノワール作品をご紹介しています。

 

11 転落の道標(ケント・ハリントン)

タイトル(原題) 転落の道標(Dark Ride)
著者 ケント・ハリントン(Kent Harrington)
発表年 2001年
著者出身国 アメリカ

※発表年は以下、基本日本語訳初版

 

アメリカの人気ミステリ作家マイクル・コナリー(Michael Connelly)が本作「転落の道標」を「ジム・トンプスンをクエンティン・タランティーノ的に解釈した作品」と評したことからもわかるように、本書はトンプスンの系譜に連なるきわめて優れたノワール作品です。

 

ジム・トンプスン

1906-1977。暗黒小説の巨匠として高い評価を得る。スタンリー・キューブリック監督の『突撃』の脚本も手がけている。

クエンティン・タランティーノ

監督二作目『パルプ・フィクション』でパルム・ドール(最優秀作品賞)米アカデミー賞脚本賞も受賞。「暴力シーンの多用」「意味のない会話が長々と続く」「自身の好きな作品へのオマージュ」などが作品・演出の特徴。

by Gage Skidmore CC 表示-継承 3.0

 

本作の翌年に発表された著者の第二長編「死者の日(Dia de los Muertos)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 カリフォルニアの地方都市で、市長として長年権勢を誇った父親を持つジミーは、自らも大学時代はスポーツの花形選手であり、輝かしい将来を確実視されていた。

しかし父親亡きあと、今は保険代理店のしがない外交員として冴えない日々を過ごしている。

ジミーの鬱積のはけ口は、代理店経営者の妻イヴとの、覚醒剤を伴ったSMセックスだった。

やがてイヴに殺人をそそのかされたジミーは、後戻りできない暗黒の道を突き進んでいく。

人間の持つ悪の部分を容赦なく突き詰めて描いたノワール小説の傑作。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

12 キスしたいのはおまえだけ(マキシム・ジャクボヴスキー)

タイトル(原題) キスしたいのはおまえだけ(It’s You that I Want to Kiss)
著者 マキシム・ジャクボヴスキー(Maxim Jakubowski)
発表年 2002年
著者出身国 アメリカ

 

本作「キスしたいのはおまえだけ」は、ミステリ評論家・アンソロジスト(詩人)・映画評論家としても知られる著者の、邦訳されている唯一の長編小説です(2018年時点)。

仄暗い(ほろぐらい)エロティシズムが全編をとおして色濃く漂っており、「エロティック・ノワール」と呼ぶに相応しいただれた雰囲気を醸しています。

また、英国在住の作家13人がロンドンを舞台に書き下ろした犯罪小説を収めたアンソロジー(詩撰)「ロンドン・ノワール(London Noir)」に、著者の短編作品「チャリング・クロス街71-73(71-73 Charing Cross Road)」が収録されていますので、そちらも併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼ロンドン・ノワール

 

以下、「Book」データベースより引用。

 辛い過去を背負ったジェイク、売春婦に身をやつしたアン。二人が巡り会ったのは悪魔の所業なのか?

組織のブツを横領したアンのせいで、ジェイクは逃走劇の道連れに。

“組織”の執拗な追跡、不貞を繰り返すアンに対する嫉妬、そして絶望。苦しい現実から逃れるように互いを貪りあう二人は知っていた、破滅が彼らを待ち受けていることを…。

アメリカを全力疾走する恋人たちの姿をダイナミックに描いた愛と絶望の物語。

“エロティック・スリラーの帝王”による待望の長編、ついに刊行。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

13 上司と娼婦を殺したぼくの場合(ジェイソン・スター)

タイトル(原題) 上司と娼婦を殺したぼくの場合(Cold Caller)
著者 ジェイソン・スター(Jason Starr)
発表年 1999年
著者出身国 アメリカ

 

本作「上司と娼婦を殺したぼくの場合」は、ニューヨークで働くごく普通の会社員を主人公に据えたノワール作品です。

著者の実体験が少なからず反映されているようで、都会に生きる社会人の悲哀を自虐気味に描いています。

当Webon第2章の「アメリカのノワール文学と代表的作家」のページ(現在第3章)でもご紹介しましたアメリカの犯罪小説家エドワード・バンカー(Edward Bunker)も、本書を

「タフでクールでエレガント……会社社会を舞台にした必読の犯罪小説!」

と絶賛しています。

▼エドワード・バンカー

 

2002年の文庫化にあたり「あんな上司は死ねばいい」と改題されました。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 ニューヨークの広告代理店の副部長職を追われ、アルバイトの電話営業をはじめて2年、ビル・モスの会社人生はすこしずつくるいはじめていた。

「ちょっと!すみませんけど」―たいていの日だったらなにも言わなかっただろうが、その朝の彼は違った。

出勤時の地下鉄で車両の奥に移動しようとした時にかけたちょっとした言葉と身振りを痴漢に間違われ、ついには同乗していた男に強烈な拳を見舞われることに。

そんな誰にでも起こりうる出来事が、彼の人生を破綻へと導いていく。

懲りないビジネスマンのリストラ・ミステリー。

 

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14 斧(ドナルド・E・ウェストレイク)

タイトル(原題) 斧(The Ax)
著者 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Edwin Westlake)
発表年 1997年
著者出身国 アメリカ

 

本作「斧」は、会社を解雇された男が再就職のために悪事に手を染めていく様を描いた犯罪小説で、ウェストレイクらしい一筋縄ではいかない筆致(ひっち:文章などの書きぶり)で読者に恐怖と黒い笑いを催させます。

 

ドナルド・E・ウェストレイク

ミステリ界の巨匠。生き生きとした文体とセリフが特徴。ペンネームはリチャード・スターク他、複数。

by I, Dinkley CC 表示-継承 3.0

 

パルプ・マガジン系のノワールが好きな方には手放しでおすすめできる傑作です。

 

パルプ・マガジン

1900~1950年頃にアメリカで広く流通していた大衆娯楽雑誌の総称。粗悪なパルプ紙を使用していたことからそう呼ばれた。
ハードボイルドだけでなくホラーやSFなど、さまざまなジャンル小説の発展を大きく促した。代表的なものに、ウィアード・テイルズ、アメイジング・ストーリーズ、ダイム・ディテクティヴなどがある

 

以下、「Book」データベースより引用。

 わたしは今、人を殺そうとしている。再就職のライバルとなる元同業者6人を皆殺しにする。

この苦境を脱する手は他にないのだ―

リストラで失職したビジネスマンが打った乾坤一擲の大博打は、やがて彼の中の“殺人者”を目覚めさせてゆく。ハイスミスやトンプスンに比肩する戦慄のノワール。

ミステリの名匠の新たなる代表作。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

15 殺人の代償(ハリイ・ホイッティントン)

タイトル(原題) 殺人の代償(Web of Murder)
著者 ハリイ・ホイッティントン(Harry Whittington)
発表年 2003年
著者出身国 アメリカ

 

ハリイ・ホイッティントンは猛烈な多作ぶりで知られ、12もの名義を使い分けながら200以上の作品を遺しました。

1958年に出版された本作「殺人の代償」は、当時の犯罪小説の魅力を凝縮したような優れたノワール作品です。

※2003年は日本語訳初版

ペーパーバック(ソフトカバー)の発展に大きく寄与したとして、アメリカのみならずフランスでも高い人気を誇っている著者ですが、日本語に翻訳されている作品は本書ただ一冊(2018年時点)であり、他作品の翻訳が待たれます。

 

以下、「Book」データベースより引用。

妻の資産のおかげで、弁護士として地位を築いたチャーリーだが、冷淡な妻が次第に重荷になっていた。

しかし、秘書ローラとはげしい恋に落ち、人生の軌道は狂いだす。

妻との別れ話はもつれ、ついにチャーリーは殺人を決意。緻密で巧妙な計画を進める彼を、驚くべき事態が襲う!

その瞬間、みずから作りあげた殺人計画が、自分を縛る罠と化した―

ひりひりするスリルと、予想外の結末へ一気に突き進むサスペンス。

「ペイパーバックの王者」と称される著者の傑作犯罪小説登場。

 

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次のページではおすすめノワール小説「探偵編」をご紹介。

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



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著者:國谷正明

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ノワール小説おすすめ傑作20選 【探偵編】

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ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

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『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 

第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

このページでは、ハードボイルド小説の代名詞ともいうべき探偵稼業に従事する人物を主人公に据えたノワール作品をご紹介しています。

 

16 チェシャ・ムーン(ロバート・フェリーニョ)

タイトル(原題) チェシャ・ムーン(Cheshire Moon)
著者 ロバート・フェリーニョ(Robert Ferrigno)
発表年 1993年
著者出身国 アメリカ

※以下同様、基本的に発表年は日本語訳初版

 

本作「チェシャ・ムーン」は、1990年代のLA(ロサンゼルス)を舞台に、ピューリッツァー賞候補にも選ばれた元新聞記者クィンと日系の女性カメラマン「ジェン・タカムラ」が友人を殺した犯人を追う姿を描いたハードボイルド小説です。

エルモア・レナード(Elmore John Leonard Jr.)を思わせる魅力的な人物造形と軽妙な会話劇が、本書をハードボイルドとして非凡な作品へと押し上げています。

 

エルモア・レナードアメリカを代表する犯罪作家。男臭さを感じられる表現や饒舌な語り口は多くの読者に愛されていると言われる。

▼エルモア・レナード

by Peabody Awards – FlickrPeabodys_CM_0382 CC BY 2.0

 

シリーズ続編「ダンスは死の招き(Dead Man’s Dance)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼ダンスは死の招き

 

以下、「Book」データベースより引用。

 『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ全米各紙誌絶讃の、鬼才の問題作。不吉な猫の口の形の月の下で奇怪な事件が続く。

探訪記者クィンとワサビ色の眼をした女性カメラマン=ジェン・タカムラの友人アンディーの死体が空港脇の車の中で発見され、往年ハリウッド・スターの身辺に“謎”が。

傑作ハードボイルド。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

17 快楽通りの悪魔(デイヴィッド・フルマー)

タイトル(原題) 快楽通りの悪魔(Chasing the Devil’s Tail)
著者 デイヴィッド・フルマー(David Fulmer)
発表年 2004年
著者出身国 アメリカ

 

本作「快楽通りの悪魔」は、20世紀初頭ニューオーリンズの赤線地帯「ストーリーヴィル」を舞台に、白い肌の下に黒人の血が流れる警官あがりの私立探偵「ヴァレンティン・サンシール」が連続殺人事件の犯人を追う様を描いた作品です。

 

赤線地帯

売春が公認された地区。ストーリーヴィルは1897年から1917から米国のニューオーリンズに設置されていた。

 

実在のジャズ・ミュージシャンが登場するなど音楽に関する描写も多く、ミステリファンのみならず音楽ファンにもおすすめの一冊です。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 人種差別さめやらぬ1907年のニューオーリンズ。

外見は白人ながら黒人の血を引く異端の私立探偵ヴァレンティンは、娼婦ばかりを狙った猟奇殺人事件に巻き込まれる。

現場には黒い薔薇が遺され、被害者全員が死の直前に彼の親友のコルネット奏者バディと会っていた…。

複雑に絡み合うプロットと渇いたノスタルジーで、アメリカ私立探偵作家クラブ賞に輝いた、歴史ノワールの逸品。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

18 悪徳の街(フランク・レナード)

タイトル(原題) 悪徳の街(Box100)
著者 フランク・レナード(Frank Leonard)
発表年
著者出身国

 

本作「悪徳の街」は、セミプロ野球選手やスポーツ記者など、数えきれないほどの職を転々とした末に探偵稼業に流れ着いた「ロス・フランクリン」という主人公が、卑しき街に巣くう巨悪を追う様を描いた社会派のハードボイルド小説です。

 

ハードボイルド小説について詳しくは第1章で!(現在第3章)

 

長らくニューヨーク市でソーシャルワーカーを務めた著者ならではの視点で、1970年代のニューヨークの福祉制度の歪みに鋭く迫っています。

 

以下、カバー袖より引用。

 ロス・フランクリンの27番目の職業は探偵稼業だった。ニューヨーク市調査局ボックス100課の特別調査員である。

ボックス100課は、市政に関する市民の苦情受けつけ窓口である。

大半は「隣室の女のひとり言がうるさい」とか、「アパートにゴキブリがいっぱいいるから何とかしてほしい」といった類のものである。

だが中には、「生活保護を受けている隣りの女が、扶助料切手をなくしたとごまかし、再交付を受けている」といった犯罪の匂いのするものもある。

ロス・フランクリンの初仕事が、この小切手詐欺事件の調査だった。調査に取り掛かった彼は、やがて貧困の街に巣くう非情な悪の正体を知る――。

 

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19 マザーレス・ブルックリン(ジョナサン・レセム)

タイトル(原題) マザーレス・ブルックリン(Motherless Brooklyn)
著者 ジョナサン・レセム(Jonathan Lethem)
発表年 2000年
著者出身国 アメリカ

 

本作「マザーレス・ブルックリン」は、トゥーレット症候群(チック症)を患う若き探偵ライオネル・エスログが、探偵事務所のボスを殺した犯人に復讐するべく、仲間たちとともに犯人を追跡する様を描いた作品。

言葉遊びに満ちた異様ともいえる文体が、本書を唯一無二の個性的な作品へと昇華させています。

 

邦訳版が出版された2000年時点で既にエドワード・ノートン製作/主演による映画化が決定していましたが、長い製作期間を経て2019年に公開を予定しています(2018年時点)。

 

以下、Googleブックスより引用

 フランク・ミナは、ぼくらの兄貴で、父で、恩人で、ボスだった。孤児院暮らしのぼくらを雇い、稼がせ、成長させ、大人にしてくれた。

そんなミナが、ゴミ箱のなかで血にまみれ…

無免許探偵のぼくらは、殺されたミナのため、奥さんのため、仕事のため、ぼくらのため、町へ出る!

言葉の魔術師の異名を取る著者が魅力を全開させた、超個性脈ハードボイルド。

 

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20 殺しの匂う街( マーク・サヴェージ)

タイトル(原題) 殺しの匂う街(Scratch)
著者 マーク・サヴェージ(Marc Savage)
発表年 2000年
著者出身国 アメリカ

 

本作「殺しの匂う街」は、ニューヨークはクイーンズで探偵稼業を営む私立探偵レイ・ソマーの生きざまを描いたハードボイルド小説です。

1990年代に書かれたとは思えない古典的で筋金入りのハードボイルドを味わうことができます。

また、本作に登場するマフィアのドン「ジョー・スコセージ」を主人公に据えたスピンオフ作品も発表されていますが、残念ながら未だ邦訳は予定されていません(2018年時点)。

 

以下、「Book」データベースより引用。

駐車場で車を修理していた男は、いきなり立ちあがると、ショットガンをかまえた。そして、私立探偵レイ・ソマーの目のまえで、親友の息子サリーに銃弾を浴びせかけた。

無残な最期をとげたサリーは、大学を卒業したばかりで、父親のあとを継いで弁護士になろうとしていた。そんな前途有望な若者が、なぜ殺されなければならないのか?

怒りに燃えたソマーは、自分で犯人をつかまえようと独自の調査にのりだした。

サリーの車で発見されたコカインは、何を意味しているのか?殺される直前にサリーがもちこんできた娘の失踪事件は、今回の殺人事件と関係があるのか?そして、娘の行方は?

娘の姿を捜査し求めて街にくりだしたソマーは、路地裏で何者かに襲われ、意識をうしなった。

そして、気がついてみると、そばには死体が…。

退廃と暴力の街ニューヨークで生まれ育った男が、死と隣りあわせの調査に執念を燃やす本格ハードボイルド。

 

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以上、おすすめノワール小説でした!次のページから第4章です。第4章では映画など他メディアに潜んでいるノワール要素をご紹介。ノワール小説が好きな方や興味がある方はきっと面白いでしょう!

『ノワール文学入門』目次へ  (全16ページ)

 



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目次著者

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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ノワール小説おすすめ傑作20選 【裏社会編】

Webon紹介目次著者
ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

國谷正明氏による『ノワール文学(ノワール小説)入門』はこちらから

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

このページでは、ギャングや殺人鬼、ギャンブラーや犯罪常習者といったアウトローを主人公に据えたノワール作品をご紹介しています。

 

6 暗黒街のハリー(ジェイク・アーノット)

タイトル(原題) 暗黒街のハリー (The Long Firm)
著者 ジェイク・アーノット(Jake Arnott)
発表年 2001年
著者出身国 イギリス

 

本作「暗黒街のハリー」は、ゲイで拷問好きのギャング『ハリー・スタークス』の生きざまを、彼を取り巻く複数の人物の視点から描いた連作短編集ともいうべき一冊です。

主人公ハリーを含め、登場するキャラクターの多くが実在する人物をモデルにしているなど、ギャング好きには堪らない工夫が盛りこまれています。

また、「1960年代の裏社会」という使い古された題材を用いつつも、章ごとに文体をがらりと変える多重人格的な手法で目新しさを演出することにも成功しており、あらゆるノワールファンに強くアピールする魅力を備えています。

 

以下、「Book」データベースより引用。

 英国がまだ戦争の痛手から立ち直れず、不景気と不安が社会を覆っていた1960年代。ロンドンの裏社会でのしあがった一人のギャングがいた。

「拷問好き」と綽名され、詐欺、麻薬密売、ポルノ販売、買収、脅迫、さらには殺人にいたるまで、悪いことならなんでもこなし、いまやかのクレイ兄弟と覇を競うまでになった男、ハリー・スタークス。

だが、手下たちにも見えにくい意外な顔を、ハリーはまた持ちあわせていた。オペラを聞き、チャーチルを尊敬し、有名人には弱く、愛した青年たちや母親には優しい。

その真の姿を知る者はどこにもいない。

度胸と奸知と暴力を武器に、次々と敵を消し、金を掻き集め、やがて時代が彼を必要としなくなるまで、ハリーは暗黒街を駆け抜けていく…

激動の時代を背景に、一人のギャングが、いままさに伝説となってゆく。

 

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7 男の争い(オーギュスト・ル・ブルトン)

タイトル(原題) 男の争い (Du Rififi chez les Hommes)
著者 オーギュスト・ル・ブルトン(Auguste Le Breton)
発表年 1955年
著者出身国 フランス

 

本作「男の争い」は、フランスの暗黒街に生きる男たちの血みどろの争いと仁義を描いたロマン・ノワールの古典的な名作で、著者のブルトン自身も暗黒街の一員であったことが知られています。

フランスを代表する犯罪小説家のひとりに数えられるブルトンですが、日本語に翻訳されている作品は本書に加え、

同名映画の原作でもある「シシリアン(Le Clan des Siciliens)」、

▼シシリアン(映画版)

フランスの暗黒街に君臨した或る男の生涯に迫るノンフィクション「無法の群れ フランス暗黒街の回想(Les Pégriots)」

▼無法の群れ フランス暗黒街の回想

のわずか三作(2018年時点)であり、他作品の翻訳が期待されます。

 

ロマン・ノワール1950年代に入ると、フランス国内からもハードボイルド小説に影響を受けた暴力的な犯罪小説を執筆する作家たちが現れるようになります。フランスの伝統的なミステリの系譜にありながら、英米のハードボイルド小説に強い影響を受けた一連の作品は、ロマン・ノワールと称されました。詳しくは第1章で!(現在第3章)

 

 以下、「Book」データベースより引用。

 強盗の罪で服役したトニーは、五年の刑を終え、病を得てパリの街へ舞い戻った。旧友のジョーとともに計画していた大規模な宝石店強盗のためだ。

思わしくない体調をごまかしつつ、深夜の店に押し入ったトニーたちは、首尾よく二億五千万フランもの宝石を手にした。

だが、ふとしたことから彼らの犯行だと嗅ぎつけた凶悪なギャングのソラ三兄弟が、猟犬のように獲物の横取りを狙う。

凄惨な拷問、容赦ない暴行、襲撃、そして反撃―争奪戦が最高潮に達したとき、ついに敵は卑劣な手を!

巨匠ジュールズ・ダッシン監督が映画化した名品、ついに登場。

 

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8 絢爛たる屍(ポピー・Z・ブライト)

タイトル(原題) 絢爛たる屍 (Exquisite Corpse)
著者 ポピー・Z・ブライト(Poppy Z. Brite)
発表年 2003年
著者出身国 アメリカ

 

文春文庫の「スプラッタパンク・ホラーシリーズ」にラインナップされていることからもわかるように、本作「絢爛たる屍 」は犯罪小説というよりも残虐なホラー小説に近い感触を纏っています。

 

スプラッタパンク・ホラー生生しい殺害シーンなどグロテスクな描写が多くあるホラー映画。

 

しかし、倒錯した愛欲と狂おしい暴力衝動を真正面から描ききった本書は、ノワール文学としての要素を多分に内包しています。

また、文庫の裏表紙において著者を女流作家として紹介していますが、ポピー・Z・ブライトという名義はビリー・マーティン(Billy Martin)という男性の筆名であることがわかっています。

 

以下、文庫裏表紙より引用。

脱獄した連続殺人鬼。ひそかに凄惨な殺人を繰り返す富豪の青年。

生きた者を愛せぬ二人の男が傷心の美青年と出会ったとき、爛れた地獄が口を開けた……。

倒錯性愛と頽廃の美を描く異能の女流作家ブライトの耽美的にして残虐な傑作。

エキゾティックな妖都ニューオーリンズの闇の底、狂気と背徳の愛が甘い腐臭を発して蠕動する。

 

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9 ドライブ(ジェイムズ・サリス)

タイトル(原題) ドライブ (Drive)
著者 ジェイムズ・サリス(James Sallis)
発表年 2005年
著者出身国 アメリカ

 

本作「ドライブ」は、スタント・ドライバーの傍ら、卓越した運転技術を買われて逃走車輌の運転稼業に手を染めた男の生きざまを描いた犯罪小説で、2012年の映画化にあたり「ドライヴ」と表記を改めました。

 

▼ドライヴ(映画版)

 

ミステリ界の巨匠ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Edwin Westlake)の別名義のひとつであり「悪党パーカーシリーズ」で知られるリチャード・スターク(Richard Stark)を彷彿とさせる簡潔でスピーディーな文体が、本書の魅力の大きな要因となっています。

 

ドナルド・E・ウェストレイク(1933-2008)
ペンネームはリチャード・スターク他、複数ある。アメリカの小説家で犯罪小説など100冊以上を執筆。

▼ドナルド・E・ウェストレイク

by I, Dinkley CC 表示-継承 3.0

 

以下、「Book」データベースより引用。

親、師、友、恋人、愛する者はみな死んだ―すべてを失った男、ドライバー。

映画のスタント・ドライバーだった彼は、やがて、強盗の逃走車輛の運転手という裏の仕事に手を染める。

罪を犯すことにも慣れてきた頃、突如、強盗グループ内で仲間割れが生じた。命からがら逃げだした彼は、この裏切りの黒幕を探るべく車を駆るが…。

車とともに死地へと赴く青年の波瀾万丈の生きざまを描き出した衝撃のクライム・ノヴェル。

 

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10 ネヴァダの犬たち(ジョン・リドリー)

タイトル(原題) ネヴァダの犬たち(Stray Dogs)
著者 ジョン・リドリー(John Ridley)
発表年 1997年
著者出身国 アメリカ

▼著者:ジョン・リドリー

by Vontaub CC 表示-継承 3.0

 

本作「ネヴァダの犬たち」は、映画やテレビ番組の監督、脚本家としてハリウッドで活躍するジョン・リドリーの処女長編小説です。

1950年代のパルプ・マガジンの香り漂う古典的なノワール小説で、著者は本書の他にも

「愛はいかがわしく(Love is Racket)」

「地獄じゃどいつもタバコを喫う(Everybody Smokes in Hell)」

といった優れたノワール作品を執筆していますので、そちらも併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

パルプ・マガジン1900~1950年頃にアメリカで広く流通していた大衆娯楽雑誌の総称。粗悪なパルプ紙を使用していたことからそう呼ばれた。ハードボイルドだけでなくホラーやSFなど、さまざまなジャンル小説の発展を大きく促した。代表的なものに、ウィアード・テイルズ、アメイジング・ストーリーズ、ダイム・ディテクティヴなどがある

 

以下、「Book」データベースより引用。

多額の借金をギャングに返すため、ギャンブラーのジョンは大金を抱え、愛車マスタングでネヴァダ砂漠を疾走していた。だが、突然車が故障した。

修理のため彼は、ちっぽけな町に立ち寄るが、強盗事件に巻き込まれて大事な金を失ってしまう。

金を返す時間が迫る中、彼は美貌の女とその夫の危険な関係の渦中に引きずりこまれていくが。

鮮烈なタッチで描くパルプ・ノワール。

オリヴァー・ストーン監督映画『Uターン』の原作。

 

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▼本作「ネヴァダの犬たち」の映画版

 

次のページでは「一般市民」が主人公のおすすめノワール小説を紹介していきます。

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著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。苦手な調味料はマヨネーズ。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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ノワール小説おすすめ傑作20選 【警察編】

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ノワール文学(小説)を知っている方も知らない方も。「ノワール文学とは」から「おすすめノワール作品」までをご紹介。読めばノワール作品に興味が出る事間違い無し。

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このページから第3章です。第3章ではノワール文学(ノワール小説)に興味を持ったという方に向けて4ページに渡りおすすめ作品を

警察編】【裏社会編】【一般市民編】【探偵編

「主人公の職業別」に分類してご紹介していきます。

有名どころからマイナーな作品まで、筆者の独断と偏見で選出しておりますので、中には入手困難なものもあるかもしれませんが、みなさんの素敵な読書体験の手助けとなれば幸いです。

 

このページでは、警察官や保安官といった法の番人を主人公に据えたノワール作品をご紹介します。

 

1 自殺の丘 (ジェイムズ・エルロイ)

タイトル(原題) 自殺の丘(Suicide Hill)
著者 ジェイムズ・エルロイ(James Ellroy)
発表年 1986年
著者出身国 アメリカ合衆国

 

本作「自殺の丘」は「血まみれの月(Blood on the Moon)」「ホプキンズの夜(Because the Night)」に続く、ロイド・ホプキンズ三部作の最終章にあたります。

ロス市警強盗殺人課の部長刑事ロイド・ホプキンズを主人公に据えたこのシリーズでは、すべてを失いながらも狂気じみた執念で犯人を追い詰めていくホプキンズの姿が生々しい筆致で描かれています。

ストーリー上の繋がりが強いので、一作目から順に読んでいただくことをおすすめします。

 

▼ロイド・ホプキンズ シリーズ

発表年 タイトル
1作目 1983年 「血まみれの月」

2作目 1984年 「ホプキンズの夜」

3作目 1986年 「自殺の丘」

 

以下、「Book」データベースより引用。

ロス市内で3人組による銀行強盗事件が続けざまに起きた。

犯人は各銀行を入念に下調べし、不倫進行中の支店長に狙いをつけると、その愛人を人質にとるという手口だった…。

停職処分中のロス市警部長刑事ロイド・ホプキンズは上司に呼ばれ、処分がとけると同時にこの強盗事件の担当を命じられた。ただし、職場はFBIロサンジェルス支部銀行強盗課への出向だった。

調査を開始したホプキンズは、犯人たちに“知性”を嗅ぎ取った。

と同時に彼はこの一件が自分の最後の仕事になると思っていた。市警の上層部が彼を切りたがっていたのだ。そして、市警内の宿敵である上司との最終的対決も予感していた。

『血まみれの月』『ホプキンズの夜』に続くホプキンズ・シリーズ第3弾。

 

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2 血と暴力の国 (コーマック・マッカーシー)

タイトル(原題) 血と暴力の国(No Country for Old Man)
著者 コーマック・マッカーシー(Cormac McCarthy)
発表年 2005年
著者出身国 アメリカ合衆国

 

本作「血と暴力の国」は、全米批評家協会賞や全米図書館賞、ピューリッツァー賞を受賞するなど、現代のアメリカ文学界を代表する作家として名高いコーマック・マッカーシーが著した犯罪小説です。

純文学(娯楽性よりも芸術性に重きを置いた文芸のジャンル)系の作家というイメージが強いマッカーシーですが、本書の他にも「チャイルド・オブ・ゴッド(Child of God)」や「ブラッド・メリディアン(Blood Meridian)」といった作品において、人間の暗部を容赦なく描ききっています。

 

▼チャイルド・オブ・ゴッド

▼ブラッド・メリディアン

 

本作は、老保安官「ベル」ベトナム帰還兵「モス」冷酷な殺人者「シュガー」という三人の登場人物の視点で進行しますが、老保安官ベルが実質的な主人公であると解釈し、こちらのページにてご紹介させていただきます。

 

以下、「Book」データベースより引用。

ヴェトナム帰還兵のモスは、メキシコ国境近くで、撃たれた車両と男たちを発見する。麻薬密売人の銃撃戦があったのだ。

車には莫大な現金が残されていた。モスは覚悟を迫られる。

金を持ち出せば、すべてが変わるだろう…モスを追って、危険な殺人者が動きだす。

彼のあとには無残な死体が転がる。この非情な殺戮を追う老保安官ベル。

突然の血と暴力に染まるフロンティアに、ベルは、そしてモスは、何を見るのか―

“国境三部作”以来の沈黙を破り、新ピューリッツァー賞作家が放つ、鮮烈な犯罪小説。

 

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3 鬼警部アイアンサイド (ジム・トンプスン)

タイトル(原題) 鬼警部アイアンサイド(Ironside)
著者 ジム・トンプスン(Jim Thompson)
発表年 1967年
著者出身国 アメリカ合衆国

 

本作「鬼警部アイアンサイド」は、1967年から1975年にかけてアメリカで放映されていた刑事ドラマ「鬼警部アイアンサイド」のノヴェライズ(映画やドラマなどを小説化すること)です。

テレビドラマの設定に準拠しながらも、ジム・トンプスンらしい要素が随所に現れており、ノワール色は薄いながらもトンプスンファンには堪らない警察小説となっています。

 

ジム・トンプスン

1906-1977。暗黒小説の巨匠として高い評価を得る。スタンリー・キューブリック監督の『突撃』の脚本も手がけている。

 

以下、「Book」データベースより引用。

何者かが放った一発の銃弾がサンフランシスコ市警察の敏腕刑事ロバート・アイアンサイドから下半身の自由を奪ってしまった。

だがその手腕を見込んだ警察は、彼を顧問として迎え、手足となる三人の部下を与える。車椅子を駆り、卑劣な犯罪との闘いの日々は続く…

謎めいた脅迫事件、有力者の息子が起こした轢き逃げ事件、そしてアイアンサイドの部下マークが関わる傷害致死事件。

鬼警部を窮地に追いこむ事件の連続、その背後でほくそ笑む黒幕とは?人気TVシリーズをもとにノワールの巨匠が書き下ろしたオリジナル・ストーリー、ついに登場。

 

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4 タルタロスの審問官(フランク・ティリエ)

タイトル(原題) タルタロスの審問官(Train D’enfer pour Ange Rouge)
著者 フランク・ティリエ(Franck Thilliez)
発表年 2007年
著者出身国 フランス

 

「タルタロスの審問官」はフランス人作家フランク・ティリエによるミステリ小説です。

トマス・ハリス(William Thomas Harris III)が著したサイコ・サスペンスの名作「羊たちの沈黙(The Silence of the Lamb)」を彷彿とさせる残酷な描写が強く目を引きますが、一方で古き良きロマン・ノワールの香りも色濃く漂っています。

 

羊たちの沈黙

精神科医ハンニバル・レクターという猟奇的な殺人を犯していく物語。殺害した人の臓器・肉を食べることから「人食いハンニバル」とも呼ばれる。

 

続編となる「七匹の蛾が鳴く(Deuils de miel)」も併せて読んでいただくことをおすすめします。

 

▼七匹の蛾が鳴く

 

以下、「Book」データベースより引用。

パリ警視庁警視シャルコの妻が誘拐された。シャルコは必死に愛する妻の行方を追うが、杳として知れない。

そんなとき、ある女性の惨殺死体が発見される。ロープで緊縛された上、皮膚をフックにかけて宙づりにされ、さらには眼球をくりぬかれた見るも無惨な死体。

そして明くる日、捜査の担当となったシャルコの元に、「気に入ってくれたかい?」と題されたメールが届き…。

ノワールの新星が描く、奈落よりも深い闇の世界。

 

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5 フィルス(アーヴィン・ウェルシュ)

タイトル(原題) フィルス(Filth)
著者 アーヴィン・ウェルシュ(Irvine Welsh)
発表年 1998年
著者出身国 イギリス

 

本作は、映画と原作小説がともに大ヒットを記録した処女作「トレインスポッティング(Trainspotting)」の著者アーヴィン・ウェルシュによる三作目の長編にあたります。

 

処女作 「トレインスポッティング」

第2作目長編 「マラボゥストーク」

 

実験的な作風で文学界に衝撃を与え続けてきたウェルシュの作品の中でも、本書は特に下劣で実験的な作品であるといえます。

ノワールはおろか警察小説の枠に収まらない前衛的な小説であるため、読み手を大きく選びますが、ノワール文学の可能性を力づくで押し広げた問題作として、無視することのできない一冊です。

 

以下、「Book」データベースより引用。

人生はゲーム、勝者はただひとり、それはおれ。

哲学的サナダムシを腹に宿した無敵のスコットランド人刑事ブルース・ロバートソンは、警部補に昇進するため、同僚刑事たちを陥れる裏工作に余念がない。

そこに殺人事件が発生するが、捜査は難航。果たして真犯人の正体は。

ロバートソンは昇進レースを勝ち抜き、妻子を取り戻せるのか。凍てつく十二月のエディンバラを舞台に繰り広げられる、前代未聞の極悪警察ミステリー。

鬼才アーヴィン・ウェルシュの代表作にして、英国で55万部突破の大ベストセラー。

 

▼著者おすすめノワール小説を読む

 

次のページでは著者がおすすめする「裏社会」がテーマになったノワール小説をご紹介していきます。

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著者:國谷正明

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モータースポーツのチームスタッフにも注目!

Webon紹介目次著者
F1は知っていても「モータースポーツ」と言われると分からない。でもモータースポーツは知れば知るほど奥が深く、ハマっている人も沢山いるのです。車・バイクが好きな方はこれを読めばモータースポーツにハマるはず!

「モータースポーツ観戦初心者入門」はこちらから!

著者:河村大志

関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。幼少期に実家にあるF1のVHSを見てモータースポーツに心を奪われる。出版社での経験もなく、いきなりフリーランスになるという暴挙に出るも、モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。趣味はモータースポーツ観戦と音楽鑑賞とギター(下手くそ)。モータースポーツの魅力を様々な側面からお伝え出来ればと思っています!

お問い合わせはこちらから

twitter【河村】https://twitter.com/taishikwmr?lang=ja

 

『モータースポーツ観戦入門』目次へ  (全12ページ)

 

戦っているのはレーサーだけじゃない!

 

一見モータースポーツはレーサーだけが戦っているように見えます。

運転しているのは彼らレーサーですからね。

しかし彼らが100%の力を発揮できるのは多くの人間のサポートが必要なんです。

監督、チームスタッフとのコミュニケーションは欠かせません。ドライバーの好みに合わせて車をセッティングできなければ、ドライバーは100%力を発揮できません。

 

レースによってはタイヤ交換や燃料補給を行うピットストップがあります。

 

▼ピットストップの様子

 

レースでは100分の1秒を競う世界です。

コース上でドライバーが100分の1秒を稼ぐのはとんでもないことで、とても大変なことですが、タイヤ交換や給油作業がうまくいけば1秒単位で稼ぐことができます

逆にタイヤ交換などをミスすると平気で5秒6秒を失ってしまうのです。

 

一生懸命作戦を考えてくれたり、マシンを作って細かいところまで調整してくれたり、スケジュール管理してくれたりするスタッフの思いもドライバーは背負って戦っています。

 

チームはドライバーのために、ドライバーはチームのために戦うのです。

 

もっと言えばコース上にいなくとも、

本部で日々マシンを開発してくれいるスタッフさん、

小さな部品から大きな部品まで作ってくれるメーカーさん、

タイヤメーカーさん、

レースをするためにお金を出してくれるスポンサーさん

と、数えたらキリがないくらい多くの人が関わっています。

 

多くの人が支えてくれてはじめてレースができ、ドライバーは仕事ができます。

チームスタッフをはじめとするドライバーを支える方々の重要さ、彼らの活躍などにも目を向けるとモータースポーツの魅力がより伝わってきますよ!

 

という事で今回はモータースポーツの中でもとても有名なレース「F1」のスタッフについて解説をしていきます。

 

F1のスタッフ

 

F1に関わるスタッフ、と言ってもとても多くのスタッフが関わっています。

また、チームによっても様々な役職を独自に作っているので一概には「これ」と言えませんがまずは主なスタッフとして以下の表をご覧ください。

 

▼モータースポーツの主なスタッフ一覧(F1)

名称 主な役割
チームオーナー チームに出資などをするオーナー
チーム監督 全体の指揮を執る
エンジニア マシンの開発・セッティング指示
メカニック マシンの組み立て・整備
レースストラテジスト レースの戦略を立てる

 

今回はこの中からレースに大きく関係し、とても特徴的な役割を担っている「メカニック」と「レースストラテジスト」についてご紹介します!

 

メカニック

 

まず最初にご紹介するスタッフは「メカニック」です。

先ほども少し触れましたがF1にはタイヤ交換するための「ピットストップ」というものがあります。わずか2秒でタイヤを交換してしまう凄腕の集団がメカニックです。

ちなみに、作業を行う場所はサーキット内にチームごとに設けられています。この場所のことを「ピット」と言います。

 

▼ピットストップ(=ピットで行うタイヤ交換、燃料補給などの作業を行う場所のこと)

▼実際の様子

 

こんな一瞬で4輪全て交換するメカニック、めちゃくちゃかっこいいですよね!

彼らは非常に高度な技術と専門知識を持ち、世界最高のマシンを手がける整備のプロフェッショナルです。

レース中、ドライバーがコース上で0,1秒稼ぎ出すことは非常に大変なことです。しかしピットストップの出来不出来で1秒稼ぐこともできれば、5~6秒ロスすることもあります。

 

 

現在のモータースポーツのレースにおいて、彼らの仕事は勝敗を左右するとても大切なファクターとなっているのです。

ピットでは制限速度が設けられているものの、時速80km/hでマシンが入ってきます。

スタートとゴールがあるメインストレート(ホームストレートと言います)の横にピットがあり、その入り口と出口に時速80lm/h以下という制限速度が設けられているのです。

 

このように最大時速80lm/hというスピードが出ている中で急いで作業を行うのでスタッフがマシンにひかれてしまう可能性もありますし、非常に危険な中、最高の仕事をこなすメカニックの活躍は重要でとてもかっこいいのです。

 

しかし、実は彼らの仕事はこの大事なピットストップだけではないのです。F1という華やかな世界で働いている彼らの仕事はとても過酷なものなのです。

そこでここでは少しだけメカニックのピットストップ以外の仕事内容もご紹介します!

 

レースが行われるのは週末で、マシンが走り始めるのは金曜日からですが、メカニックたちは火曜日から現地入りします。ガレージ(ピットなどのマシンを整備する場所)やマシンの組み立てを行うのです。

※マシンは専用の飛行機やトラックにバラバラにして運び、現地で組み立てます。

そして実際に走行が始まる金曜からはさらに忙しくなります。

 

フリー走行(練習走行)が3回ありますが、そのフリー走行で多くの確認作業(新しいパーツを試すなどデータの収集)を行います。

ちなみにF1では「フリー走行1」「フリー走行2」が金曜日に行われ、「フリー走行3」「予選」は土曜日に行われます。決勝は日曜日です。

 

このように多くのプログラムをこなすため、セッティングなどを何度も変更しなければいけません。仮にドライバーがフリー走行や予選でクラッシュしたりマシンを破損させようものなら修復作業に追われることになります。

 

これらの準備が終われば今度はピットストップの練習を入念に行います。勝敗を左右する重要な仕事ですので、ピット練習にも全力で取り組みます。

もちろん仕事が終わりホテルに帰るのは深夜になります。

 

日曜日は、行われる決勝レース前の最後のチェックやレース中のピットストップがメインになります。レースが終わればすぐに撤収作業を行い、次のレースが行われる国に出発します。

※予選は決勝スタートの順番を決めるだけで予選落ちはありません。ちなみに昔は参加台数が多く、予備予選というものがありました。予備予選では4〜5台が予選・決勝に進出できませんでした。

 

これを約10か月繰り返すのです。

 

 

一般的にF1メカニックの年収は600万ほどですが、これほどの激務を1年間繰り返す仕事で600万円は安いのではないでしょうか。

メカニックをまとめる「チーフメカニック」になると年収1000万円ほどになると言われています。

 

レースストラテジスト

 

もう一つ紹介したいスタッフは「レースストラテジスト」です。

戦略家であるレースストラテジストは数多くの不確定要素があるレースでベストな戦略を導き出す数学の天才です。

実はこの役職ができたのはほんの10年前です。

というのも2006年までタイヤメーカーが複数参戦していましたが、2007年からブリジストンのワンメイク(ブリジストンのタイヤだけが使われる)になり、より戦略が重要になったので新たに作られた役職です。

なぜブリジストンのワンメイクでより戦略が重要になったかと言えば、これまで複数のタイヤメーカーが参戦していた時はメーカーによってタイヤの性能が違うため、メーカーによって立てる作戦が違いました。

しかしワンメイクになるとタイヤの性能は全く同じです。そのため余計に作戦の違いで結果が変わってくるので新たに「レースストラテジスト」という役職が生まれたのです。

 

これまでも戦略は重要でレースエンジニアと呼ばれる数学、物理学、航空力学など様々な知識を備えた人が戦略を立てていましたが、レースストラテジストは戦略を立てることが専門の数学の天才です。

 

レースでは戦略を最終的に20通りくらいに絞るそうですが、準備するのは200万通りなんだとか。

予期せぬことが沢山起こるモータースポーツでは様々なシチュエーションが無限に起こり得ます。200万から20に絞りますが、「用意すること」によって予想外の展開でも対応できるのだとか。

戦略は簡単なところでは「タイヤ交換を何回行うか」「どのタイヤでスタートするか(タイヤは必ず2種類使わなければいけない)」などがありますが、それらを数学によって最も効率の良いものを導き出すのがレースストラテジストの仕事なのです。

 

 

今回はF1のスタッフの中で活躍するメカニックとレースストラテジストについて書かせていただきました。

スタッフの数はトップチームで800人、下位チームでも200人はいるF1ですから数え切れないほど多くの仕事があります。

レースをするのはドライバーですが、その裏で多くの人の仕事によってマシンを走らせているのです。

ドライバーはその大きな組織の期待を背負って戦う代表者です。F1での仕事は多くありますが、どれをとっても人生をかけて勉強し、努力し、行動しなければなることができません。

しかし世界最高のレースで働きたいと思っている世界中の有能な若い人が日々オーディションを受けています。

 

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目次著者

著者:河村大志

関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。幼少期に実家にあるF1のVHSを見てモータースポーツに心を奪われる。出版社での経験もなく、いきなりフリーランスになるという暴挙に出るも、モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。趣味はモータースポーツ観戦と音楽鑑賞とギター(下手くそ)。モータースポーツの魅力を様々な側面からお伝え出来ればと思っています!

お問い合わせはこちらから

twitter【河村】https://twitter.com/taishikwmr?lang=ja

モータースポーツ観戦初心者入門

著者:河村大志
関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。お問い合わせはこちらから
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「モータースポーツ」はバイクや車でスピードを競う競技です。モータースポーツの中で一番有名なのはF1ですが、それだけでなく24時間バイクで走り続ける競技や、街中で走る競技があったりと、知れば知るほど面白いものなのです!

そんなモータースポーツの魅力を「モータースポーツ」が子供の頃から大好きな河村大志氏が余すことなく紹介します。

 

モータースポーツは大迫力の「音」、エンジンやオイルの「匂い」、エンジンからくる「振動」が魅力なんです!

観に行っていただければ私の言っている意味がわかります!

第4章「モータースポーツの環境配慮」より

 

はじめに

モータースポーツが大好きな著者の挨拶です。なぜそこまでモータースポーツが好きなのか?知ればあなたも興味を持つことでしょう!

はじめに ~私がモータースポーツを広めたい理由~

 

第1章 モータースポーツとは

モータースポーツは車やバイクでスピードを競う競技の総称です。しかしその種類は多岐にわたり、有名な「F1」をはじめとした様々な競技・大会が催されています。
一つ一つに違った魅力があるので是非興味を持っていただければと思います!

モータースポーツとは

モータースポーツの観客動員数

モータースポーツの種類

 

第2章 モータースポーツの魅力

「モータースポーツ」には多くの魅力があります。運転をしているドライバー、ドライバーを支えるスタッフ達、マシンを開発する技術者の方、、、全員がモータースポーツを魅力的にするチームなのです。

モータースポーツのレーサーはアスリート!

モータースポーツのマシンは面白い!

モータースポーツのチームスタッフにも注目!

 

第3章 モータースポーツの観戦方法

この章ではモータースポーツを実際に観戦する方法をお伝えいたします。現地で見るか、テレビで見るのか、お好きな方をお試しください!どちらも感動と興奮があります!

モータースポーツを動画・テレビで鑑賞する方法 ~MotoGP・SBK・8耐・F1等~

モータースポーツ観戦方法【初心者向け】 ~チケット購入方法・持ち物・服装等~

 

第4章 モータースポーツと私たちの繋がり

モータースポーツは、レースを見て楽しむだけではなく、実は日常生活に役に立ったり、車両の開発にも役に立っているのです。

観戦だけに留まらない、モータースポーツの魅力や意義を、知っていただきたいです。

モータースポーツの環境配慮 ~フォーミュラEとは~

モータースポーツの社会貢献 ~普通自動車の開発・交通事故防止~

 

第5章 モータースポーツを体験するには

モータースポーツの魅力を知るには、自分で体験してみるのも良いと思います。
ここでは、値段も安く、道具いらずで、手軽にモータースポーツ体験ができる「カート」について紹介させていただきます。

モータースポーツが体験できるカート ~手ぶらで行けるサーキット全国一覧~

モータースポーツの環境配慮 ~フォーミュラEとは~

Webon紹介目次著者
F1は知っていても「モータースポーツ」と言われると分からない。でもモータースポーツは知れば知るほど奥が深く、ハマっている人も沢山いるのです。車・バイクが好きな方はこれを読めばモータースポーツにハマるはず!

「モータースポーツ観戦初心者入門」はこちらから!

著者:河村大志

関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。幼少期に実家にあるF1のVHSを見てモータースポーツに心を奪われる。出版社での経験もなく、いきなりフリーランスになるという暴挙に出るも、モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。趣味はモータースポーツ観戦と音楽鑑賞とギター(下手くそ)。モータースポーツの魅力を様々な側面からお伝え出来ればと思っています!

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皆さんはモータースポーツにもエコの時代が到来しているのをご存知ですか?

今回は「モータースポーツが環境に与える影響」と「モータースポーツの魅力」の関係性についてお話しさせていただきます。

 

モータースポーツの魅力は「音」「匂い」「振動」

 

モータースポーツは

・大迫力の「音」

・エンジンやオイルの「匂い」

(「え!?オイルの匂い!?」って思われるかもしれませんが、魅力の一つなんです!)

・エンジンからくる「振動」

が魅力なんです!

 

観に行っていただければ私の言っている意味がわかります!

しかし逆を言えばエンジンの大音量、排気ガスなど「今の時代ではいらないとされているもの」が良いと言っているんです。

 

環境に優しいマシンが登場!

 

3年前に新しいカテゴリーがモータースポーツに仲間入りしました。その名もフォーミュラE

 

▼フォーミュラEのマシン

photo by Jaguar MENA

 

フォーミュラE
ガソリンを使用しない電気自動車によるレース。「電気のF1」などとも紹介され、2014年から開催されている。

 

見た目F1のようなカタチでかっこいいですよね!

実はこのマシン、化学燃料(ガソリン)を使わず電気だけで走ってしまうクルマなんです!

ガソリンを使わないから排気ガスも一切出ないですし、エンジンではなくモーターで動くので音がとても小さいのです。

 

このクルマの登場によって、今までは不可能であった市街地のレースが実現しました。

市街地のレースは騒音などの問題もあって実現することができなかったのですが、前述したように「フォーミュラE」で使用されるマシンは音も小さく、排気ガスも一切出ないため街中、市街地でレースが実現するに至ったのです。

 

▼市街地とマシン

photo by Jaguar MENA

 

これまでは「わざわざ」観に行かなければいけなかったモータースポーツが、街中で見れるようになったのです!街中で何かイベントがやっていたら皆さんつい観に行ってしまいますよね!

普通の生活をしている中で情報を求めなくても目に入ってくるところがフォーミュラEの魅力ではないでしょうか!

 

音と振動がないけど、どうなの?

photo by Jaguar MENA

 

でも私は先ほど言いました。

モータースポーツの魅力は「音と匂いと振動なのだ」と。

それを排除したものなんて魅力的なのか?

 

確かに音や匂い、振動はモータースポーツの魅力の一つです。それは間違いありません。でもそれは私たちモータースポーツを知っている人の固定概念に過ぎません。

私は実際にフォーミュラEのレースを観ましたが、とてもエキサイティングで、市街地でのバトルは迫力満点です!!エンジンがモーターになろうが、音が無くなろうが、レースの本質は何も変わらなかったのです!

これまでのガソリンを使ったレース、これから主流になるであろう電気自動車を使ったレース、どちらもモータースポーツです。

それぞれ魅力がありますし、何よりガソリンだろうが電気だろうがモータースポーツの本質は何も変わりません。

だからこそモータースポーツ界が自ら魅力を、可能性を無くして欲しくありません。

これまでと比べるのではなく、可能性を潰すのではなくモータースポーツを未来に繋げるためにも皆様にはモータースポーツの色々な側面を見ていただければと思っています。

 

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関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。幼少期に実家にあるF1のVHSを見てモータースポーツに心を奪われる。出版社での経験もなく、いきなりフリーランスになるという暴挙に出るも、モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。趣味はモータースポーツ観戦と音楽鑑賞とギター(下手くそ)。モータースポーツの魅力を様々な側面からお伝え出来ればと思っています!

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モータースポーツの観客動員数

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F1は知っていても「モータースポーツ」と言われると分からない。でもモータースポーツは知れば知るほど奥が深く、ハマっている人も沢山いるのです。車・バイクが好きな方はこれを読めばモータースポーツにハマるはず!

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モータースポーツを知らない、興味がないという方は多いと思います。

今は地上波でのテレビ放送も少なくなり、好きな人が専門チャンネルに加入し、好きな人だけが観れるという環境になっているからです。

しかし、モータースポーツは知名度こそないですが、本当は凄いスポーツなんです。

また、その凄さが語られないのにも理由があるのです。

 

モータースポーツは国民的スポーツ!?

 

モータースポーツのうちの一つ、F1はとても人気があります。

F1は世界最高峰の4輪レースで、選ばれし世界トップレベルのドライバー20名が「世界一」の称号をかけて戦うモータースポーツです。

 

F1は世界各国で全21戦が行われます。原則1カ国につき1開催です。

日本でも毎年10月に三重県の鈴鹿サーキットでF1日本GP(グランプリ)が開催されています。

 

▼鈴鹿サーキット

photo by Karl Baron

 

そのF1も日本の鈴鹿サーキットで開催されるようになってから今年で30周年を迎えますが、去年の観客動員数は6万8000人(決勝レース日)、3日間合計で13万7000人でした。(引用元:https://jp.motorsport.com/)

 

日本でメジャーなスポーツといえば野球やサッカーですが調べてみると去年最も観客が多かったプロ野球チームが阪神タイガースで、その阪神タイガースの一試合あたりの平均観客数は4万2148人。(引用元:http://npb.jp/)

 

サッカーのJリーグでは一番観客動員数が多かったチームが浦和レッズで、一試合あたりの平均観客数は3万3542人でした。(引用元:https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)

 

▼日本の観客動員数比較

F1(決勝) 6万8000人
野球(タイガース平均) 4万2148人
サッカー(レッズ平均) 3万3542人

 

もちろん開催日数などが異なるので単純な比較はできませんが、日本の誰もが知っていて、人気もある野球やサッカーの観客動員数と比べてもF1の観客動員数はこの2トップを上回っているのです!

 

近年モータースポーツの凄さが語られない理由

 

ちなみに、先ほど述べた2017年のF-1の観客動員数6万8000人というのは過去最低の動員数です。

モータースポーツを知る人間からすれば「過去最低」という言葉に引っ張られ、人気がなくなってきていると思ってしまいます。

さらにメディアはそこばかり誇張して伝えていますが、1日で7万人近く動員するスポーツイベントってすごくないですか!?

 

マイナーなイメージのモータースポーツですが、一日6万8000人動員するスポーツイベントが日本にどれだけあるでしょうか。

 

そうなんです。モータースポーツって日本においても多くの人に愛され人気のあるスポーツなんです!

 

日本で開催されたF1で最も多かった観客動員数は2006年、決勝日の16万1000人です。

16万人ですよ!16万人!!たった1日で!!!

 

ただこの数字が凄すぎるが故

「人気がなくなってきた」「魅力がないからだ」

と言われるのですが、これまでが異常だったのです。

 

やはりモータースポーツ好きや関係者はブームだった頃を知っているが故に比べてしまうのではないでしょうか。

 

まとめ

 

私たちは「今」を生きています。現在のモータースポーツと共に生きていて、その魅力を伝えたいと私は思っています。

自分たちで価値を下げることはしたくありません。

 

モータースポーツの魅力を伝えていきたい私としては、モータースポーツの持つ魅力をそのまま皆様にお伝えしたいと考えています。

過去は比べるものではなく、活かすもの。

なぜブームで終わったのか、これからどうすればいいのかを考える上で過去から学んでいければと思っています。

 

昔のモータースポーツの良さ、今のモータースポーツの良さがそれぞれあってどちらも魅力的です。

「昔がよかった」「今は違う」ではなく、「今も昔も『モータースポーツ』って素敵やん」ってことを多くの人が伝えられていないので、少しでも伝えていけたら幸いです。

 

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著者:河村大志

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