モータースポーツの社会貢献 ~普通自動車の開発・交通事故防止~

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F1は知っていても「モータースポーツ」と言われると分からない。でもモータースポーツは知れば知るほど奥が深く、ハマっている人も沢山いるのです。車・バイクが好きな方はこれを読めばモータースポーツにハマるはず!

「モータースポーツ観戦初心者入門」はこちらから!

著者:河村大志

関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。幼少期に実家にあるF1のVHSを見てモータースポーツに心を奪われる。出版社での経験もなく、いきなりフリーランスになるという暴挙に出るも、モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。趣味はモータースポーツ観戦と音楽鑑賞とギター(下手くそ)。モータースポーツの魅力を様々な側面からお伝え出来ればと思っています!

お問い合わせはこちらから

twitter【河村】https://twitter.com/taishikwmr?lang=ja

 

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モータースポーツは胸を熱くするスポーツで、レースが行われるサーキットなどの会場はとても華やか、非日常の世界で、エンターテイメントの一面も持っています。

しかしそれだけではなくモータースポーツには重要な役割があります。

モータースポーツの役割を知る事でモータースポーツをより深く知る事ができますよ。ここではモータースポーツが私たちの生活にどのように関わっているのかを解説していきます!

 

モータースポーツの技術は普通自動車にも生かされている!

 

まず一つは「普通自動車・バイクへのフィードバック」です。

日常生活の移動手段で車やバイクを利用する方は多いと思います。私たちが普段乗っている車やバイクはどんどんと技術が発達し、乗りやすく、高性能になっていきますよね。

この発展にはモータースポーツが関わっています。

 

現在日本や世界の自動車メーカーは環境問題、有限である資源を守るためのクルマづくりを行なっています。

例えばガソリンを使用すると排気ガスが出てしまうので、環境に悪影響があります。

そのため、

トヨタ自動車の「プリウス」という車種のようなガソリンの化学燃料と電気を両方使って走るハイブリッド車

日産自動車の「ノート」のような電気だけで走る電気自動車

トヨタ自動車「MIRAI」のような水素で走る水素自動車

などの車が開発されています!

 

このように少ない燃料で多くのエネルギーを発生させる先端技術は、モータースポーツの現場で培われているのです。

 

厳しい競技だからこそ磨かれる車の性能!

 

モータースポーツではマシンの技術全てが揃わなければ勝利することができません。ましてや完走することすら難しいのです。

とても厳しい環境の中で「レースに勝つこと」「レースを走りきったこと」はその車の性能の良さを証明することになります。

 

また、レースは車だけではなく人を育てるという場でもあるのです。

若い技術者が「カーレース」「バイクレース」という何が起こるかわからない厳しい環境で技術を磨いていく場になっています。

クルマ本体だけではなく、競技車を構成する部品メーカー、足元を支えるタイヤメーカーもモータースポーツの現場から技術開発し、より良いタイヤを生み出しているのです。

レースは人やマシン、タイヤに部品のネジ一本まで鍛えるのです。

 

安全対策に生かされる技術!

 

そしてモータースポーツの現場から一般車へのフィードバックはスピード、性能だけではなく、ドライバーの安全を守る素材や構造にも活かされています。

 

カテゴリーによっては300kmを超えるスピードが出るモータースポーツ。

「危険ではない」といえば嘘になります。

しかしそんなスポーツだからこそ安全対策は万全を喫しています

ドライバーを守るよう、安全を確保する車輌を作らなければいけないレースの世界で生み出される車輌・技術は私たちが乗る車にもフィードバックされているのです!

 

正しい運転技術を伝える

 

モータースポーツは「正しい運転技術」を伝えることにも役に立っています。

モータースポーツという世界で戦うドライバーはいわば運転のプロです。

そんなプロたちが「普段の運転に役立つ考え方やコツを教えるイベント」というものが増えてきています。

 

運転の基本である「走る」「曲がる」「止まる」を一から学ぶことができるのはもちろんのこと、テクニックだけではなく、運転時に気をつける事、正しい考え方も学べます。

また、運転に関しての間違った偏見を無くしてくれるのも魅力の一つ。

 

正しい運転技術を身につけることで、将来起こるはずだった事故を未然に防ぐことになっています。交通事故を減らすという面で社会貢献しているこの試みもモータースポーツならではだと思います。

 

こういう試みを知っていただくことがライターである私ができる社会貢献だと思っています。

また、モータースポーツをファンが楽しみつつ、車輌の開発に役立っている「ニュルブルクリンク」というレースもあったりとモータースポーツと私たちのつながりは以外に深いところにあるのです。

 

先に「ニュルブルクリンク」について詳しく知りたい方はこちら!

 

そのような事を知っても面白いのではないでしょうか!

 

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関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。幼少期に実家にあるF1のVHSを見てモータースポーツに心を奪われる。出版社での経験もなく、いきなりフリーランスになるという暴挙に出るも、モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。趣味はモータースポーツ観戦と音楽鑑賞とギター(下手くそ)。モータースポーツの魅力を様々な側面からお伝え出来ればと思っています!

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モータースポーツのチームスタッフにも注目!

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F1は知っていても「モータースポーツ」と言われると分からない。でもモータースポーツは知れば知るほど奥が深く、ハマっている人も沢山いるのです。車・バイクが好きな方はこれを読めばモータースポーツにハマるはず!

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関西在住のフリーランスライター。モータースポーツ関係の記事作成、企画立案、取材などを中心に活動しています。幼少期に実家にあるF1のVHSを見てモータースポーツに心を奪われる。出版社での経験もなく、いきなりフリーランスになるという暴挙に出るも、モータースポーツに対する情熱は誰にも負けない自信がある24歳。趣味はモータースポーツ観戦と音楽鑑賞とギター(下手くそ)。モータースポーツの魅力を様々な側面からお伝え出来ればと思っています!

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戦っているのはレーサーだけじゃない!

 

一見モータースポーツはレーサーだけが戦っているように見えます。

運転しているのは彼らレーサーですからね。

しかし彼らが100%の力を発揮できるのは多くの人間のサポートが必要なんです。

監督、チームスタッフとのコミュニケーションは欠かせません。ドライバーの好みに合わせて車をセッティングできなければ、ドライバーは100%力を発揮できません。

 

レースによってはタイヤ交換や燃料補給を行うピットストップがあります。

 

▼ピットストップの様子

 

レースでは100分の1秒を競う世界です。

コース上でドライバーが100分の1秒を稼ぐのはとんでもないことで、とても大変なことですが、タイヤ交換や給油作業がうまくいけば1秒単位で稼ぐことができます

逆にタイヤ交換などをミスすると平気で5秒6秒を失ってしまうのです。

 

一生懸命作戦を考えてくれたり、マシンを作って細かいところまで調整してくれたり、スケジュール管理してくれたりするスタッフの思いもドライバーは背負って戦っています。

 

チームはドライバーのために、ドライバーはチームのために戦うのです。

 

もっと言えばコース上にいなくとも、

本部で日々マシンを開発してくれいるスタッフさん、

小さな部品から大きな部品まで作ってくれるメーカーさん、

タイヤメーカーさん、

レースをするためにお金を出してくれるスポンサーさん

と、数えたらキリがないくらい多くの人が関わっています。

 

多くの人が支えてくれてはじめてレースができ、ドライバーは仕事ができます。

チームスタッフをはじめとするドライバーを支える方々の重要さ、彼らの活躍などにも目を向けるとモータースポーツの魅力がより伝わってきますよ!

 

という事で今回はモータースポーツの中でもとても有名なレース「F1」のスタッフについて解説をしていきます。

 

F1のスタッフ

 

F1に関わるスタッフ、と言ってもとても多くのスタッフが関わっています。

また、チームによっても様々な役職を独自に作っているので一概には「これ」と言えませんがまずは主なスタッフとして以下の表をご覧ください。

 

▼モータースポーツの主なスタッフ一覧(F1)

名称 主な役割
チームオーナー チームに出資などをするオーナー
チーム監督 全体の指揮を執る
エンジニア マシンの開発・セッティング指示
メカニック マシンの組み立て・整備
レースストラテジスト レースの戦略を立てる

 

今回はこの中からレースに大きく関係し、とても特徴的な役割を担っている「メカニック」と「レースストラテジスト」についてご紹介します!

 

メカニック

 

まず最初にご紹介するスタッフは「メカニック」です。

先ほども少し触れましたがF1にはタイヤ交換するための「ピットストップ」というものがあります。わずか2秒でタイヤを交換してしまう凄腕の集団がメカニックです。

ちなみに、作業を行う場所はサーキット内にチームごとに設けられています。この場所のことを「ピット」と言います。

 

▼ピットストップ(=ピットで行うタイヤ交換、燃料補給などの作業を行う場所のこと)

▼実際の様子

 

こんな一瞬で4輪全て交換するメカニック、めちゃくちゃかっこいいですよね!

彼らは非常に高度な技術と専門知識を持ち、世界最高のマシンを手がける整備のプロフェッショナルです。

レース中、ドライバーがコース上で0,1秒稼ぎ出すことは非常に大変なことです。しかしピットストップの出来不出来で1秒稼ぐこともできれば、5~6秒ロスすることもあります。

 

 

現在のモータースポーツのレースにおいて、彼らの仕事は勝敗を左右するとても大切なファクターとなっているのです。

ピットでは制限速度が設けられているものの、時速80km/hでマシンが入ってきます。

スタートとゴールがあるメインストレート(ホームストレートと言います)の横にピットがあり、その入り口と出口に時速80lm/h以下という制限速度が設けられているのです。

 

このように最大時速80lm/hというスピードが出ている中で急いで作業を行うのでスタッフがマシンにひかれてしまう可能性もありますし、非常に危険な中、最高の仕事をこなすメカニックの活躍は重要でとてもかっこいいのです。

 

しかし、実は彼らの仕事はこの大事なピットストップだけではないのです。F1という華やかな世界で働いている彼らの仕事はとても過酷なものなのです。

そこでここでは少しだけメカニックのピットストップ以外の仕事内容もご紹介します!

 

レースが行われるのは週末で、マシンが走り始めるのは金曜日からですが、メカニックたちは火曜日から現地入りします。ガレージ(ピットなどのマシンを整備する場所)やマシンの組み立てを行うのです。

※マシンは専用の飛行機やトラックにバラバラにして運び、現地で組み立てます。

そして実際に走行が始まる金曜からはさらに忙しくなります。

 

フリー走行(練習走行)が3回ありますが、そのフリー走行で多くの確認作業(新しいパーツを試すなどデータの収集)を行います。

ちなみにF1では「フリー走行1」「フリー走行2」が金曜日に行われ、「フリー走行3」「予選」は土曜日に行われます。決勝は日曜日です。

 

このように多くのプログラムをこなすため、セッティングなどを何度も変更しなければいけません。仮にドライバーがフリー走行や予選でクラッシュしたりマシンを破損させようものなら修復作業に追われることになります。

 

これらの準備が終われば今度はピットストップの練習を入念に行います。勝敗を左右する重要な仕事ですので、ピット練習にも全力で取り組みます。

もちろん仕事が終わりホテルに帰るのは深夜になります。

 

日曜日は、行われる決勝レース前の最後のチェックやレース中のピットストップがメインになります。レースが終わればすぐに撤収作業を行い、次のレースが行われる国に出発します。

※予選は決勝スタートの順番を決めるだけで予選落ちはありません。ちなみに昔は参加台数が多く、予備予選というものがありました。予備予選では4〜5台が予選・決勝に進出できませんでした。

 

これを約10か月繰り返すのです。

 

 

一般的にF1メカニックの年収は600万ほどですが、これほどの激務を1年間繰り返す仕事で600万円は安いのではないでしょうか。

メカニックをまとめる「チーフメカニック」になると年収1000万円ほどになると言われています。

 

レースストラテジスト

 

もう一つ紹介したいスタッフは「レースストラテジスト」です。

戦略家であるレースストラテジストは数多くの不確定要素があるレースでベストな戦略を導き出す数学の天才です。

実はこの役職ができたのはほんの10年前です。

というのも2006年までタイヤメーカーが複数参戦していましたが、2007年からブリジストンのワンメイク(ブリジストンのタイヤだけが使われる)になり、より戦略が重要になったので新たに作られた役職です。

なぜブリジストンのワンメイクでより戦略が重要になったかと言えば、これまで複数のタイヤメーカーが参戦していた時はメーカーによってタイヤの性能が違うため、メーカーによって立てる作戦が違いました。

しかしワンメイクになるとタイヤの性能は全く同じです。そのため余計に作戦の違いで結果が変わってくるので新たに「レースストラテジスト」という役職が生まれたのです。

 

これまでも戦略は重要でレースエンジニアと呼ばれる数学、物理学、航空力学など様々な知識を備えた人が戦略を立てていましたが、レースストラテジストは戦略を立てることが専門の数学の天才です。

 

レースでは戦略を最終的に20通りくらいに絞るそうですが、準備するのは200万通りなんだとか。

予期せぬことが沢山起こるモータースポーツでは様々なシチュエーションが無限に起こり得ます。200万から20に絞りますが、「用意すること」によって予想外の展開でも対応できるのだとか。

戦略は簡単なところでは「タイヤ交換を何回行うか」「どのタイヤでスタートするか(タイヤは必ず2種類使わなければいけない)」などがありますが、それらを数学によって最も効率の良いものを導き出すのがレースストラテジストの仕事なのです。

 

 

今回はF1のスタッフの中で活躍するメカニックとレースストラテジストについて書かせていただきました。

スタッフの数はトップチームで800人、下位チームでも200人はいるF1ですから数え切れないほど多くの仕事があります。

レースをするのはドライバーですが、その裏で多くの人の仕事によってマシンを走らせているのです。

ドライバーはその大きな組織の期待を背負って戦う代表者です。F1での仕事は多くありますが、どれをとっても人生をかけて勉強し、努力し、行動しなければなることができません。

しかし世界最高のレースで働きたいと思っている世界中の有能な若い人が日々オーディションを受けています。

 

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