マニア厳選!おすすめカンフー映画13選!

 

このページではカンフー映画マニア歴27年のHARUKA氏の「おすすめカンフー映画13選」を見所とともに紹介いたします。

さらに詳しくカンフー映画について知りたい方は「カンフー映画入門」をご覧くださいませ。

※このページはWebon編集部が「カンフー映画入門」の内容をまとめたものです。ちなみにHARUKA氏はカンフー映画マニア過ぎて、実際のカンフーの修行をしています。

 

▼HARUKA氏 著『カンフー映画入門』(全38ページ)

 

観る前に知っておきたい!カンフー映画の魅力!

 

カンフー映画は、俳優の身体能力を生かしたアクションシーンが多いのが特徴で、ストーリーは誰が観てもわかりやすいものばかりです。

カンフー俳優のスターたちは全員一流の武術家です。

カンフースターであるジェット・リー氏は中国全国武術大会において5年連続で優勝し、中国の至宝とも呼ばれました。「俳優が武術をする」というよりは「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりくるジャンルです。

 

▼ジェット・リー氏(解説はこちらで!)

 

カンフー映画は、主人公や登場人物が「武術(多くは中国拳法)によって鍛え抜かれた肉体技をいかに魅力的に見せるか」が重要視され、それが映画の一番の見どころとされています。ぜひ武術・肉体技に注目し、おすすめ映画をご覧くださいませ。

 

▼このページで紹介するおすすめカンフー映画9選

名前 公開年 主演
1 燃えよドラゴン 1973年 ブルース・リー
2 片腕カンフー対空飛ぶギロチン 1975年 ジミー・ウォング
3 酔拳 1978年 ジャッキー・チェン
4 豚(とん)だカップル拳 1979年 サモハン(サモ・ハン・キンポー)/ラウ・カーウィン
5 ユン・ピョウinドラ息子カンフー 1981年 ユン・ピョウ
6 少林寺 1982年 ジェット・リー
7 霊幻道士 1985年 ラム・チェンイン
8 プロジェクトA 1983年 ジャッキー・チェン
9 スパルタンX 1984年 ジャッキー・チェン
10 七小福(夢に生きた子供達) 1988年 サモハン(サモ・ハン・キンポー)
11 シティーハンター 1993年 ジャッキー・チェン
12 イップ・マン 序章 2008年 ドニー・イェン
13 捜査官X 2011年 ドニー・イェン/金城武

 

おすすめカンフー映画9選!

① 燃えよドラゴン

作品名 燃えよドラゴン
公開 1973年
主演 ブルース・リー
監督 ロバート・クローズ

▼あらすじ

3年ごとに武術トーナメントが開かれる香港の小島。そこは、かつて少林寺の修道僧であった麻薬密売組織の支配者ハンが麻薬と暴力で君臨していた。一方、少林寺で修行を続ける若者リーは、ハンの部下に殺された妹の復讐のため、ひとり悪の要塞島に乗り込む。麻薬と陰謀が渦巻く要塞島に、ブルース・リーの怒りが炸裂する! (引用:amazon

 

『燃えよドラゴン』はカンフー映画スター俳優のブルース・リー氏の名言「Don’t think, Feel.(考えるな、感じろ)」が誕生した映画。

カンフー映画初心者向けの映画であり、「ブルース・リーの代表作を観てみたい」という方におすすめです!

 

▼ブルース・リー氏(←詳しい紹介はこちら

 

この映画はブルース・リー氏のヌンチャクさばきも話題になりました。この映画の後半で、敵の持っているヌンチャクを、ブルース・リー氏のもともと持っていた鉄の棒2本で奪い、元のヌンチャクの持ち主に返り討ちを食らわせるシーンがあります。

このシーンを当時スクリーンで観た少年たちは、大いに影響を受け、ヌンチャクを自分で作ったり買ったりしてブルース・リー氏の真似をしていたそうです。

他にもスタントマン時代のジャッキー・チェン氏が登場しており、ブルース・リー氏に抱きつきかかるも、髪の毛を掴まれて倒されるシーンも見どころです。

日本でも流行った名場面が盛りだくさん!アクション・名言・ヌンチャクなど当時流行したものばかり登場するカンフー映画なのです!

 

 

② 片腕カンフー対空飛ぶギロチン

作品名 片腕カンフー対空飛ぶギロチン
公開年 1976年
主演 ジミー・ウォング
監督 ジミー・ウォング

▼あらすじ

前作で片腕になりながらも強敵を倒した主人公は、今回は武術道場を開いている。そして参加した大武闘大会で“空飛ぶギロチン”(というより回転ノコなんだけど…)を駆使する謎の老人を見る。その老人こそ、前作で仕留めた悪漢の師匠であった!

(引用:https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=0080152682&pT=null)

 

『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』は『片腕ドラゴン』の続編です。前作を観ていなくても楽しめる作品です!

この作品はカンフー映画のレジェンド「ジミー・ウォング」の代表作を観たい方におすすめ!

 

▼ジミー・ウォング氏(←詳しい紹介はこちら

 

ジミー・ウォング氏はカンフー映画ブームの基礎を作ったパイオニア的存在。ブルース・リー氏などのスターが出る前から活躍していたカンフー映画界のレジェンドです。

コメディ要素も満載なので「カンフー」というアクションに馴染みが無い方でも楽しく観る事ができるでしょう。中国の清の時代が舞台なので日本とは異なる文化背景も楽しむことができます!

また、コメディ要素満載のキャラクターが登場します。

かつらがずれているのが目に見えてわかりながらも長いおさげで相手を倒す「弁髪(べんぱつ)」、ヨガ使いで手がビヨーンと伸びる「インド人」、なぜかムエタイも参加しているなど。ツッコミどころ満載です。

コメディ要素はありながら、本格的な中国の伝統武術が垣間見えるところも素晴らしく、本格的なカンフーを見せることができるところにも説得力を感じる事ができる映画です。

 

▼片腕ドラゴン(画像クリックで動画詳細へ)

 

 

③ 酔拳

作品名 酔拳
公開年 1978年
主演 ジャッキー・チェン
監督 ユエン・ウーピン

▼あらすじ

カンフー道場のドラ息子、ウォン・フェイフォンは真面目に練習しない、町に出れば悪戯ばかりという放蕩ぶり。

見兼ねた父親は、息子を改心させようと、カンフーの達人、ソウ・ハッイーを呼び寄せた。厳しい修業で知られるソウ・ハッイーの元での修行を強いられたウォンは、酔えば酔うほど強くなる、という秘伝の拳法”酔八仙”を受け継ぐために苛酷な修業に励む。

そしてついに、奥義”酔八仙” を修得する!

(引用:https://www.amazon.co.jp/)

 

『酔拳』はカンフー映画初心者へおすすめ

笑って楽しめて、身体技に「おぉ~」と唸る、ジャッキー日本初上陸作品

ちなみに日本では「酔えば酔うほど強くなる」のキャッチコピーで売り出していましたが、実際の酔拳は飲酒して使う拳ではありません。映画の演出として、お酒を飲んで闘うシーンが採用されているのです。

この映画の注目ポイントは、主人公の師匠・スー役のユエン・シャオティエン氏です。カンフー映画の「”元祖”師匠役」と言っても過言ではないでしょうか。

 

▼師匠スー(ユエン・シャオティエン氏)

師匠のもとで修行するシーンを演じるジャッキーは演技を通り越して、本当に修行をしているよう。実際、寝る間を惜しんで演技練習をしたそうです。

少なからず、この修行シーンを真似した人は多いのではないでしょうか。

カンフー映画マニアのHARUKA氏は「くるみを指で割るシーンがあるのですが、私はピーナッツで真似していたことがある」そうです。

 

 

④ 豚(とん)だカップル拳

作品名 豚だカップル拳
公開年 1979年
主演 サモ・ハン・キンポー、ラウ・カーウィン(W主演)
監督 ラウ・カーウィン(ブルース・ロー)
備考 「燃えよデブゴン」シリーズ、「燃えよデブゴン6」などとタイトルがついている事も多いが数字の順に制作年が若いわけではない。さらに続編という訳でもなく日本でフジテレビが「燃えよデブゴン」というサモハン氏の作品がヒットした事から付けられた名称である。

 

少し変り種の作品。コミカルで痛快・愉快でユニークな設定のコメディカンフー映画です。

大枠のストーリーは

「槍の達人(ラウ)と刀の達人(サモハン)が、年に一度決まった場所で決着をつけるために闘ってきた。しかし決着がつかないまま年老いてきた。そこで、互いに弟子をとり修行をさせて10年後に闘わせ決着をつけようとする」

というもの。

年老いた槍の達人(ラウ)の弟子役には若きサモハンが、年老いた刀の達人(サモハン)の弟子役を若きラウが演じます。

 

 

サモハン氏主演のコメディカンフー映画を観たい方におすすめ!

▼サモハン


photo by Sasoriza / Bryan Chanhttps://www.flickr.com/photos/sasoriza/114349755/ CC 表示-継承 2.0

 

 

⑤ ユン・ピョウinドラ息子カンフー

作品名 ユン・ピョウinドラ息子カンフー
公開年 1981年
主演 ユン・ピョウ
監督 サモ・ハン・キンポー(現サモハン)
備考 監督は俳優としても有名なサモ・ハン・キンポー氏。

▼あらすじ

名家のドラ息子・チャンは誰と闘っても必ず勝つと有名でした。そんなある日チャンの友人が、町にやってきた京劇の一座の女形をデートに誘いますが断られます。その腹いせにルン(デートに誘われた女形)と友人は格闘に発展し、友人は敗北。 チャンもルンと対戦することになりますが、太刀打ちできず。 この時、チャンが今まで自分が誰にも負けなかった理由が発覚。実は、裏で自分を過保護に思う父親が対戦相手にお金を払って負けさせていたのです・・・

 

「コミカルで笑いのあるカンフー映画」はジャッキー・チャン氏だけではありません!ジャッキー氏の盟友「ユン・ピョウ」氏の活躍を知らない方へおすすめします。ユン・ピョウ氏は、日本ではアイドル扱いをされていたカンフー映画スターで足技がとにかく美しい。

 

 

タイトル通り主人公はユン・ピョウ氏ですが、ラム・チェンイン氏も主人公と言えるくらい圧倒的な存在感を放っています。

ラム・チェンイン氏は京劇(中国伝統の音楽劇)の女役を演じていますが、この劇中で彼が見せる武術(詠春拳)の華麗さは、カンフー映画史上最高のひとつとされています。

ラム・チェンイン氏出演作品の中で最も華麗な武術(詠春拳)の技を堪能できる映画です。

 

▼真ん中で座っているのがラム・チェンイン氏

 

 

⑥ 少林寺

作品名 少林寺
公開年 1982年
主演 リー・リンチェイ(現ジェット・リー)
監督 チャン・シン・イェン

▼あらすじ

かつて「中国・隋朝末期に悪の皇帝から後に唐の皇帝になる帝王を救った」と言われている武術修行を極めた13人の少林僧が悪の手から少林寺を守る物語・・・

 

カンフー映画を観るならば、外すことができない作品!

日本でも有名になった「少林寺」「少林寺拳法」の火付け役となった作品。

カンフー映画スター俳優、ジェット・リー氏の映画デビュー作としても有名。この作品では俳優が武術家を演ずるのではなく、多くの本物の武術家たちが少林僧や悪役を演じています。

 

▼ジェット・リー氏

 

俳優陣はジェット・リー氏を含め中国武術大会でのチャンピオンや、武術隊でコーチを務めていた方々で、相当スキルの高い武術家を集めて撮影された作品として、公開当時大いに話題になりました。

また、本物の武術家なだけに全編ノースタントでアクションシーンが撮影されています。※ノースタント=スタントマンを使わずに俳優がスタントを行う事

本編を観ると「身体技が凄い」とただただ感嘆するばかりです。

作品の設定上、少林寺の僧侶役たちは修行シーンがあり、武術が凄い印象を受けるのですが、悪役も相当な武術家なので、複数人相手の殺陣はもちろん1対1の闘いも見どころ満載です。

特に1対1で闘うシーンは、2人1組の演武(えんぶ:武術を披露する事)のようで、アクションでコミュニケーションを取りながらも身体技の芸術を観ているようです。

本作が大ヒットしたことによって、瞬く間に全世界に少林寺の存在を知らしめることとなり、多くの観光客や修行を希望する人たちが少林寺に押し寄せました。

 

 

⑦ 霊幻道士

作品名 霊幻道士(れいげんどうし)
公開年 1985年
主演 ラム・チェンイン
監督 リッキー・ラゥ

▼あらすじ

化けモノ退治を生業とするガウ (チェン) 道士が、大富豪ヤンから先代の改葬を依頼される。墓を掘りおこしてみると、身体を縦にして埋葬したために、先代は怨念を抱き成仏できないでいた。

ガウ道士は、弟子のモン (モンチョイ) とセン (チュウサム) とともにその遺体を持ち帰るが、いつのまにかキョンシーとなって蘇った先代はヤンを殺害して逃亡。

3人はヤンの美しい娘ティン (ティンティン) を守るため、キョンシーを迎え討つことに。ところが、モンがキョンシーの毒にやられてしまい…。※() 内は吹替版の役名。(引用:Hulu

 

中国の妖怪「キョンシー」ブームを巻き起こした映画です。キョンシーシリーズがこの映画の後に多く発表されました。

「キョンシー」は元祖・チャイニーズホラー映画であり、かつて日本でもキョンシーブームが起こりました。

今は亡きラム・チェンイン氏が最も活躍した映画です!

▼真ん中で座っているのがラム・チェンイン氏

 

見た目、立ち振る舞いからしてイメージ通りの完璧な道士を演じており、もはや「彼が道士像を創り上げた」といっても過言ではありません。

また、劇中のキョンシー退治に使う小道具やアイテム、道士や弟子達がやっているまじない的な動作もかなり魅力。

「人の髪の毛を一本抜いて、お札に包んで飲み込めば、自分の動作と同じ動作を相手にもさせてコントロールできる」

「キョンシーが近づいてきたら息を止めると自分の気配を消せる」

などのシーンは観ていてワクワクします。

 

 

⑧ プロジェクトA

作品名 プロジェクトA
公開年 1983年
主演 ジャッキー・チェン
監督 ジャッキー・チェン

▼あらすじ

舞台は1990年代のイギリスの直民地となっている香港。最初は乱闘などを起こし敵対していた水上警察と陸上警察だったが、海賊を倒すために結束し・・・。

主演、監督、武術指導、脚本、主題歌をジャッキー・チェンが務めた。

ジャッキー氏が骨折してまで行われた「時計台のシーン」は伝説となっています。

高さ25mの時計台からジャッキー氏がスタントを使わずに落下する、というシーンで命がけで行われました、さらにNG1回を含む計3回もジャッキー氏本人が落下した事も伝説と言われる理由です。(NGシーンもエンドクレジットで観られます。)

 

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このシーンではジャッキー氏は一度は首の骨を折り、頸椎(けいつい)を損傷しました。それでも、下に張っているテントが突き破れなかったなど、納得がいかない点があり、ジャッキー氏は同シーンの撮影を取り直しました。

アクション以上に、プロ根性の質が真似できません。

 

ちなみにジャッキー氏本人が歌うテーマ曲「東方的威風」もぜひチェックしてもらいたい一曲です。多くの芸人さんにものまねされ、数ある香港映画・カンフー映画のテーマ曲の中でも最も人気があります。

 

 

 

⑨ スパルタンX

作品名 スパルタンX
公開年 1984年
主演 ジャッキー・チェン
監督 サモ・ハン・キンポー(現サモハン)

▼あらすじ

現代のスペイン・バルセロナが舞台になっています。 パン屋の2階に下宿するトーマス(ジャッキー氏)といとこのデイヴィッド(ユン・ピョウ氏)は、ホットドッグなどのファーストフードを売って暮らしていました。 スケボーを乗りこなして注文を聞きフードを届けるトーマスと、調理をするデイヴィッド。そんな生活を送っていると、ある日彼らのもとに、シルビアという美しい女性が助けを求めて逃げ込んできます。 ちょうどその頃、私立探偵事務所の見習い探偵モビー(サモハン氏)のもとへ「シルビアという女性を探してほしい」という依頼が舞い込みます。実はシルビアは、資産家の伯爵の隠し子で遺産目的のために命を狙われていました。

 

本作は「プロジェクトA」撮影完了後にスペインを中心にヨーロッパで撮影されました。「プロジェクトA」同様にコメディ要素もありますが、異国の風情満載かつハラハラドキドキするシーンが盛りだくさんです。

本作の最も注目すべきシーンは、敵陣の古城へ乗り込んだ際に、当時現役の格闘王者であったベニー・ユキーデ氏対ジャッキー氏、キース・ヴィタリ氏対ユン・ピョウ氏の1対1の闘いシーンです。

 

▼ベニー・ユキーデ氏(アメリカの元キックボクシング選手)


photo by Hjelm001 CC 表示-継承 3.0

 

古城での闘いは、本物の選手とのハイレベルな本格格闘シーンとして見応えがあります。

 

また、ジャッキー氏、サモハン氏、ユン・ピョウ氏の3人が剣を持って息を合わせて「一心同体、三銃士!中国式免許皆伝!」(日本語吹き替え版)と言うシーンはとてもお茶目でカッコいいです。

 

▼そのシーンのイメージ

 

サモハン氏やジャッキー氏の映画ならではのコミカルさは残しつつも、オートバイ集団との殺陣や激しいカーチェイスなど、ハラハラドキドキの本格アクション映画となっています。

 

 

⑩ 七小福(夢に生きた子供達)

 

作品名 七小福(邦題:七小福 夢に生きた子供達)
公開年 1988年
主演 サモハン
監督 アレックス・ロゥ

▼あらすじ

「幼少期のジャッキーが母親に連れられて京劇学院へ入るところ」から「青年期に学院が解散してしまい、映画界へ入っていくところ」までが描かれています。

 

映画のタイトルになっている「七小福」というのは、実際にある京劇学院(俳優養成学校)です。

 

京劇学院「七小福」については第5章で詳しく紹介!(現在第4章)

 

内容はカンフー映画ではなく文芸作品。カンフー俳優のスターであるジャッキー氏、サモハン氏、ユン・ピョウ氏の少年時代を描いた作品です。

彼らがどのようにして幼少期を過ごし、映画の世界へ足を踏み入れたか、その原点がわかる作品です。

毎日の厳しい訓練の中にもほのぼのとした子供たちの純粋さやあどけなさが描かれており、同時に時代の流れによって京劇が人々に求められなくなった様子が描かれています。(京劇=きょうげき:中国の伝統的な音楽劇)

登場人物の繊細な心の動きや表情に、切なさで胸が熱くなる感動作品です。

これまでVHSのみで、DVD化や動画配信はされておらずがっかりしていたのですが、公開30周年記念ということで昨年(2018年)11月7日にDVDBlu-ray化され、発売されました。

▼Amazonで販売さています。

 

60年代の時代背景もよく表しており、子供たちが毎日真剣に京劇の練習に励むのに反して、ジワリジワリと時代の流行りに押され、徐々に京劇が衰退していく様子は切なく感じます。京劇の衰退、時代背景に涙!

 

 

⑪ シティーハンター

作品名 シティーハンター
公開年 1993年
主演 ジャッキー・チェン
監督 バリ―・ウォン

▼あらすじ

社長令嬢・清子(後藤久美子氏)を捜索中、清子が乗ってしまった船にテロ集団も乗り込んでおり、冴羽獠(ジャッキー氏)がこの危機に挑んでいく・・・

 

1980年代後半の週刊少年ジャンプに連載された漫画「シティーハンター」を実写化した香港映画。原作からは大きく脚色されています。

 

▼漫画シティーハンター(画像クリックで商品詳細へ)

 

ジャッキー氏のアクションも好きだけど、コメディ全開を楽しみたい方へおすすめ

本作品はジャッキー氏の映画において、日本の漫画「シティーハンター」を実写化したという珍しい作品です。

 

当時1980年代後半~1990年代前半の日本の文化色がとても色濃く出されている作品です。

作中にはかつて日本で流行った「あ、これ知ってる!」や「ジャッキーがこんなこともするんだ!」と感じるシーンが散りばめられているので、懐かしい日本を観るといった意味でも楽しむことができます。

日本でも流行り始めたスケボーや、日本のお笑いコンビ・とんねるずの「ガラガラヘビがやってくる」を、香港の人気ポップスユニットがカバーするなどのシーンがあります。

他にも、ジャッキー・チェン氏が日本でよく知られている格闘ゲーム「ストリートファイター2」のキャラクターに扮して闘うシーンは、秀逸というかシュールで完全にギャグです!

 

 

⑫ イップ・マン 序章

作品名 イップ・マン 序章
公開年 2008年(日本公開2011年)
主演 ドニー・イェン
監督 ウィルソン・イップ

▼あらすじ

ある武術館の師範との手合せに勝ったイップ・マン(ドニー・イェン氏)は、町一番の武術家として知られるようになります。 そんな時、1937年に日中戦争が勃発。すぐにイップ・マンが済む佛山は日本軍の占領下となってしまいます。 イップ・マンの自宅は日本軍の司令部として没収され、一家は極貧生活を強いられます。家族のために石炭運びの仕事をする中、ある事件をきっかけにイップ・マンは日本兵に中国武術を教えることを強要されてしまいます。 それを拒否したイップ・マンは、中国武術の誇りをかけ、日本武術の名手である日本軍将校三浦(池内博之)と生死をかけた決闘をする・・・というストーリー

 

イップ・マンシリーズの第1作。ブルース・リー氏の唯一の師匠として知られている詠春拳の達人、イップ・マン氏。そんなイップ・マン氏が主人公の物語です。

 

▼実際のイップ・マン氏とブルース・リー氏が修行する様子

 

一見、ドキュメンタリー映画のように見えますが、実在したイップ・マン氏をヒーローに仕立てたエンターテイメント映画です。本作は中国、香港で驚異的大ヒットを記録し、後続にイップ・マンシリーズとして、「イップ・マン 葉問(2010)」「イップ・マン 継承(2015)」が製作されました。

カンフー映画のスター俳優のドニー・イェン氏が一躍スーパースターの仲間入りを果たすことができた渾身の作品を見たい方におすすめ!

 

▼ドニー・イェン氏

photo by Roger Wo [1]https://www.flickr.com/photos/rogerwo/754841756/

 

本作の見どころは、なんといってもドニー・イェン氏のアクションです。ここぞとばかりに肝心な時に現れて、もの凄い説得力のある武術で相手をねじ伏せます。

また、ドニー・イェン氏の演技が、謙虚で穏やかな家族思いの武術家を演じているため、軍事的要素の強い壮絶な時代背景にもかかわらず、荒々しく見えないところも◎。

本作のためにドニー・イェン氏は一から詠春拳を練習したそうで、もともとカンフーの基礎が備わっているだけに、どこから見てもドニー・イェン氏自身も詠春拳の達人のようです(実際に武術の達人ではありますが)。

 

 

⑬ 捜査官X

基本情報

作品名 捜査官X(原題:武侠)
公開年 2011年
主演 ドニー・イェン&金城武
監督 ピーター・チャン
備考 多くの映画祭に招待された作品

  • 第64回カンヌ国際映画祭特別招待作品
  • 第16回釜山国際映画祭特別招待作品
  • 第7回大阪アジアン映画祭クロージング作品
  • 第55回サンフランシスコ国際映画祭特別招待作品
  • 第2回フランス中国映画祭上映作品
  • 第28回LAアジア太平洋映画祭特別招待作品
  • 第67回エディンバラ国際映画祭特別招待作品
  • 第16回ファンタジア国際映画祭特別招待作品
  • 第11回NYアジアン映画祭特別上映作品

▼あらすじ

1971年、中国雲南省の小さな村で起こった強盗殺人事件をきっかけに物語は始まる。 事件を捜査するため村へ訪れた捜査官シュウ(金城武氏)は、死体を調べるうちに強盗犯人2人が指名手配中の凶悪犯であることを知る。 事件当時、製紙工場に勤める職人リウ(ドニー・イェン氏)が偶然居合わせており、リウが必死に応戦したことにより、強盗犯人2人は打ち所が悪く死亡。 しかし、シュウは入念に検死や現場検証を重ね、リウは偶然に正当防衛できたわけではなく、意図的に致命傷を狙ったのではないかと疑問を抱く。 人間の経脈やツボについての卓越した知識や、豊かな想像力でもって事件解明に挑むシュウは、やがてリウの隠された過去である凶悪な暗殺集団の一味だった事実へと辿りつく・・・

 

2000年代において打ち出された古き良きオーソドックスな武侠映画を観たいという方におすすめ!

ドニー・イェン氏はじめ豪華キャストで撮影されたカンフー映画です。

カンフー映画は原則として身体の技が見どころになるのに対し、武侠映画は主に刀剣を使ったアクションが見どころとなる映画です。

カンフー映画は中華圏で流行っていた武侠映画から発展してきた背景があります。刀や剣で戦うのが中心であった武侠映画で拳を使って戦う「カンフー映画」の土台を作ったのがこの「捜査官X」に出演するジミー・ウォング氏なのです。

▼武侠映画などのカンフー映画の歴史についてはこちらのページで解説!

 

原題はストレートな「武侠」というタイトルの通り、ストーリーも1970年代から流行りだした古き良きオーソドックスな「カンフー映画」そのものです。

 

 

以上「おすすめカンフー映画13選」でした。『カンフー映画入門』ではカンフー映画の歴史やスター俳優、また「カンフーとはどんな拳法か?」ということまでを知ることができます。ぜひともご覧くださいませ。

 

▼『カンフー映画入門』(全38ページ)

 

『カンフー映画入門』目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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マニア厳選!カンフー映画のスター俳優9選

 

 

このページではカンフー映画マニア歴27年のHARUKA氏が厳選した、知っておきたいカンフー映画スター俳優9人をその魅力とともに紹介いたします。

 

▼『カンフー映画』をさらに詳しく知りたい方はこちらのページより!

 

知っておきたい!カンフー映画の俳優は本物の武術家!

 

カンフー映画とは香港で発展した映画で「俳優が武術をやっているのではなく一流の武術家が演技をしているのである」とカンフー映画マニアのHARUKA氏は語ります。

例えば、スター俳優である「ジェット・リー」氏は中国全国武術大会において5年連続優勝しております。

カンフー映画界を代表するスター俳優は、華麗なる武術の実力を武器に、1970年代~1990年代にかけて世界にカンフー映画ブームを巻き起こしているのです。

 

▼このページで紹介する9人のカンフー映画スター俳優

名前 人物概要 主な出演作品
1 ジミー・ウォング カンフー映画界のレジェンド 「片腕必殺剣」
2 ブルース・リー 「本物」のアクションスター 「燃えよドラゴン」
3 サモハン カンフー映画界の主要人物 「燃えよデブゴン」
4 ジャッキー・チェン 世界のジャッキー 「酔拳」「プロジェクトA」
5 ユン・ピョウ カンフー映画アイドルスター 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
6 ユン・ワー 中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー 「霊幻道士」
7 ラム・チェンイン 詠春拳の達人 「霊幻道士」
8 ジェット・リー 少林寺ブームの立役者 「少林寺」
9 ドニー・イェン 遅咲きのカンフー映画スター 「イップマン」

 

カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽)

生年月日 1943年3月28日(75歳)
初期ヒット作 「片腕必殺剣」(1967年)
現在 療養中(2019年2月現在)

 

ジミー・ウォングは他のアクションスターよりも武術が飛びぬけて優れているというわけではないですが、ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏よりも前に活躍をしていたというレジェンド的な存在。

また香港カンフー映画ブームの基礎を作ったパイオニアとしてカンフー映画を語る上で欠かせない俳優です。

ジミー・ウォング氏は「片腕必殺剣(原題:獨臂刀(ドゥビーダオ))」(’67)で空前のヒットを記録し、香港一のトップスターとなりました。

 

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「片腕必殺剣」は片腕を失った主人公が剣を操る剣劇アクション映画。そんな「片腕必殺剣」の悲壮感を帯びたたたずまいと、迫力あるアクションで観客の心を掴み、「天皇巨星(=天皇級のビッグスターの意)」と呼ばれるほどの人気を博しました。

1970年には監督、脚本、主演を本人が担当した「吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー (原題:龍虎鬥)」が大ヒット。この作品が後のカンフー映画ブームの基礎を築いたと言われています。

 

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▼ジミー・ウォング氏について詳しく知りたい方はこちら!

 

ブルー・スリー(李小龍)

生年月日 1940年11月27日
主な主演作 ドラゴン危機一発、燃えよドラゴンなど
名言 「Don’t think, feel.」(考えるな、感じろ。「燃えよドラゴン」より)等

 

ブルー・スリーは肉体や武術の技を極限まで突き詰めて鍛え上げた人物として、歴代のアクションスターの中で最も「本物」という言葉がふさわしい俳優。

多様な格闘技からそれぞれの長所を採り入れた独自の武道「截拳道(ジークンドー)」を創設し、アメリカで多数の弟子を育てます。

主演映画第一弾「ドラゴン危機一髪」(’71)、続く「ドラゴン怒りの鉄拳」(’72)が爆発的な人気とりなります。

 

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「ドラゴン怒りの鉄拳」から有名な怪鳥音がトレードマークのひとつともなります。怪鳥音とはブルース・リー氏が発する「アチョー」という奇声の事。

ブルース・リー氏は武術界においても映画界においても多大な影響を及ぼした人物といえるでしょう。

 

▼ブルー・スリー氏について詳しく知りたい方はこちら!

 

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー)

photo by Sasoriza / Bryan Chan CC 表示-継承2.0

生年月日 1949年12月11日
前名称 サモ・ハン・キンポー
主な主演作 燃えよデブゴン

 

「洪家班(こうかはん)」というアクションチームを持ち、多くのヒット作の製作・監督を行うカンフー映画界の主要人物です。

「豚だカップル拳」では映画の演出のアイデアと言い、武術の技と言い、素晴らしいサモハン氏を観ることができます。

尊敬するブルース・リー氏へのオマージュとして、自身が監督・主演の「燃えよデブゴン」(’78)を製作します。

当時出回っていた、ブルース・リー氏そっくりさん出演の映画とは一線を画す作品であり、サモハン氏の体型からは想像もつかないキレのあるアクションを繰り出す様は、ハイレベルかつ見事な香港カンフー映画であした。

この映画がきっかけで史上最強の「動けるデブ」として有名になりました。

 

▼サモハン氏について詳しく知りたい方はこちら!

 

ジャッキー・チェン(成龍)

生年月日 1954年4月7日
身長 174㎝
初期ヒット作 「蛇拳」「酔拳」

 

ジャッキー氏は命がけのスタントが魅力の俳優です。半身不随になりかけたり、全ての骨を骨折していたりしているのに、まだやるのか、と言いたくなるくらいのチャレンジ精神とファンを常に喜ばせようとする姿勢には脱帽。

 

▼ジャッキー氏の命がけのスタントが観れるのは「プロジェクトA」です。作品解説は以下のページより!

 

1978年に出演した映画「蛇拳」、「酔拳」で大ブレイクを果たします。1998年には米国俳優クリス・タッカー氏と共演作「ラッシュアワー」がハリウッドで大ヒットし、ここから「世界のジャッキー・チェン」となりました。

 

▼ジャッキー・チェン氏の詳しい解説はこちら!

 

ユン・ピョウ(元彪)

生年月日 1957年7月26日
初期ヒット作 「猿拳」(1979)
出演日本作品 「孔雀王」「無問題2」

 

ジャッキー氏やサモハン氏と息の合ったアクションやユン・ピョウ氏の身体を張ったスタントに本格的なアクションスターを感じました

サモハン氏から「顔が良いから役者の方が向いている」と勧められ、サモハン監督の「猿拳」(’79)で主演デビューを果たした。

 

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この映画が大ヒットし、ユン・ピョウも一躍トップスターの仲間入りを果たします。

「自殺以外のスタントは何でもやれる」と豪語していただけあり、サッカーとカンフーを合体させた作品「チャンピオン鷹」(’83)では高所からのダイビングや燃え盛る炎の中へ飛び込むなど決死のスタントを自ら演じています。

 

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足技がとにかく美しい俳優です!

 

▼ユン・ピョウ氏の詳しい解説はこちら!

 

ユン・ワー(元華)

▼右上がユン・ワー氏

生年月日 1950年9月2日
主な配役 師匠・ラスボス・悪役・キョンシー
スタント ブルース・リー氏のスタントを多く務める
主な出演作 霊幻道士

 

香港映画界、及び中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー。日本でいうところの大杉漣や遠藤憲一といったバイプレイヤーを思い浮かべてもらえばよいでしょう。

中華圏では、「李小龍的御用替身(ブルース・リー氏のご指名専門スタントマン)」として名高いです。

日本でも大ヒットしたアクションホラーコメディ映画「霊幻道士」(’85)ではメイクなどでわかりづらいが、中国の妖怪「キョンシー」役を演じました。

 

▼霊幻道士(画像クリックでDVD詳細へ)

 

「イースタンコンドル」(’87)、「サイクロンZ」(’88)ではインパクトの強い悪役を演じ、個性派俳優として一躍脚光を浴びます。

 

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▼ユン・ワー氏の詳しい解説はこちら!

 

ラム・チェンイン(林正英)


▲真ん中で座っているのがラム・チェンイン氏

生年月日 1952年12月27日/享年1997年11月8日(45歳)
ヒット作 「霊幻道士」「香港発活劇エクスプレス 大福星」

 

ユン・ピョウ氏の主演映画「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」(’82)では、カンフーの達人である京劇の女形役を演じました。

 

▼ユン・ピョウinドラ息子カンフー(画像クリックでDVD詳細へ)

この作中でラム・チェンイン氏が見せるカンフー(詠春拳)は、カンフー映画史上最高の一つとされており、ラム・チェンイン氏出演映画の中でも最も華麗なカンフー(詠春拳)を見ることができる作品です。

 

▼「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」の詳しい解説はこちら!

 

そして、サモハン氏がプロデュースのキョンシー(中国の妖怪)映画「霊幻道士」(’85)において、道士役を務めるが、これが当たり役となります。。

日本においても大ヒットし、「ラム・チェンイン=道士」というイメージが定着した。以後、数々のキョンシー映画において道士役を演じることになりました。

 

▼「霊幻道士」の詳しい解説はこちらより!

カンフー映画マニアのHARUKA氏が最も好きなアクションスターとして挙げ、その魅力について「真面目そうな風貌に似合わずおちゃめな面が垣間見えるところもとても良いです。」と語ります。

 

▼ラム・チェンイン氏の詳しい解説はこちら!

 

ジェット・リー(李 連杰)

生年月日 1963年4月26日
本名 リー・リンチェイ(李連杰)
初期ヒット作 「少林寺」(1982)

 

ジェット・リー氏は本名のリー・リンチェイ名義で出演した中国・香港合作の「少林寺」(’82)にてデビュー。

 

▼少林寺(画像クリックでDVD詳細へ)

 

華麗かつ鮮やかなカンフーと純朴な風貌で少林寺ブームを巻き起こしました。

ジェット・リー氏は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地黎明」(’91)において中国の伝説的武術家である黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)を演じ、これが当たり役となります。

 

▼ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地黎明(画像クリックでDVD詳細へ)

 

同作品はシリーズ化され、ジェット・リー氏の代表作となりました。

 

▼ジェット・リー氏の詳しい解説はこちら!

 

ドニー・イェン(甄子丹)

photo by Roger Wo [1]https://www.flickr.com/photos/rogerwo/754841756/

生年月日 1963年7月27日
代表作 「イップマン」シリーズ(2008~)

 

ドニー・イェン氏が世界的にもアクション俳優として、ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏等の名優と堂々と並ぶ名声を決定づけた作品が「イップマン 序章」(’08)、「イップマン 葉問」(’10)です。

 

▼イップマン 序章(画像クリックでDVD詳細へ)

▼イップマン 葉問(画像クリックでDVD詳細へ)

 

ドニー・イェン氏は、ブルース・リー氏の師でもあったことで有名な、実在した武術家イップマン氏を演じた。

この作品は興行的にも評価的にも大成功し、瞬く間にドニー・イェン氏は脚光を浴び、時の人となり名実ともに「宇宙最強」の異名がつきました。

 

ドニー・イェン氏は、ブルース・リー氏を意識しているというだけあり、カンフー以外にもプロレス技、ボクシングや総合格闘技等を自ら研究しており、映画によって様々な武術を使い分けているそうです。

 

▼ドニー・イェン氏の詳しい解説はこちら!

 

以上がカンフー映画の俳優スター9選でした。カンフー映画についてさらに詳しく知りたい方は、以下よりカンフー映画入門をご覧くださいませ!

 

▼カンフー映画をさらに詳しく知りたい方は『カンフー映画入門』へ!

 

『カンフー映画入門』目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

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カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!

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はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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第4章ではおすすめのカンフー映画を13作品ご紹介しています。

このページではジャッキー氏主演、サモハン氏監督の人気カンフー映画「スパルタンX」をご紹介します。

 

▼紹介するおすすめカンフー映画

名前 公開年 主演
1 燃えよドラゴン 1973年 ブルース・リー
2 片腕カンフー対空飛ぶギロチン 1975年 ジミー・ウォング
3 酔拳 1978年 ジャッキー・チェン
4 豚(とん)だカップル拳 1979年 サモハン(サモ・ハン・キンポー)/ラウ・カーウィン
5 ユン・ピョウinドラ息子カンフー 1981年 ユン・ピョウ
6 少林寺 1982年 ジェット・リー
7 霊幻道士 1985年 ラム・チェンイン
8 プロジェクトA 1983年 ジャッキー・チェン
9 スパルタンX⇐当ページ 1984年 ジャッキー・チェン
10 七小福(夢に生きた子供達) 1988年 サモハン(サモ・ハン・キンポー)
11 シティーハンター 1993年 ジャッキー・チェン
12 イップ・マン 序章 2008年 ドニー・イェン
13 捜査官X 2011年 ドニー・イェン/金城武

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ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

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カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!

「カンフー映画入門 ~観れば観るほど強くなる!?~」はこちらから!

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

第4章ではおすすめのカンフー映画を13作品ご紹介しています。

このページではユン・ピョウ氏の代表作「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」をご紹介します。

 

▼紹介するおすすめカンフー映画

名前 公開年 主演
1 燃えよドラゴン 1973年 ブルース・リー
2 片腕カンフー対空飛ぶギロチン 1975年 ジミー・ウォング
3 酔拳 1978年 ジャッキー・チェン
4 豚(とん)だカップル拳 1979年 サモハン(サモ・ハン・キンポー)/ラウ・カーウィン
5 ユン・ピョウinドラ息子カンフー⇐当ページ 1981年 ユン・ピョウ
6 少林寺 1982年 ジェット・リー
7 霊幻道士 1985年 ラム・チェンイン
8 プロジェクトA 1983年 ジャッキー・チェン
9 スパルタンX 1984年 ジャッキー・チェン
10 七小福(夢に生きた子供達) 1988年 サモハン(サモ・ハン・キンポー)
11 シティーハンター 1993年 ジャッキー・チェン
12 イップ・マン 序章 2008年 ドニー・イェン
13 捜査官X 2011年 ドニー・イェン/金城武

 

「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」(1981年公開)

基本情報

作品名 ユン・ピョウinドラ息子カンフー
公開年 1981年
主演 ユン・ピョウ
監督 サモ・ハン・キンポー(現サモハン)
備考 監督は俳優としても有名なサモ・ハン・キンポー氏。

 

あらすじ

ユン・ピョウ演じる名家のドラ息子・チャンは誰と闘っても必ず勝つと有名でした。

ある日、町にやってきた京劇の一座の女形・ルン(ラム・チェンイン)をチャンの友人はデートに誘いますが断られます。その腹いせからルンと友人は格闘に発展しますが、友人は惨敗。

そこでチャンもルンと対戦をしますが、太刀打ちできませんでした。

この時、今まで自分が誰にも負けなかったのは、裏で自分を過保護に思う父親が対戦相手にお金を払って負けさせていたことが判明します・・・

 

こんな人におすすめ!

 

コミカルで笑いのあるカンフー映画はジャッキー氏だけじゃない!

ジャッキー氏の盟友「ユン・ピョウ」氏の活躍を知らない方へおすすめします。

溜息の出るようなラム・チェンイン氏の華麗な技も必見!

 

ユン・ピョウ氏(1957~)

日本ではアイドル扱いをされていたカンフー映画スター。

ジャッキー・チェン氏やサモハン氏と息の合ったアクション、身体を張ったスタントに「本格的なアクションスター」を感じさせる。足技がとにかく美しい。


 

ユン・ピョウinドラ息子カンフーのみどころ!

みどころ1 これぞ最高布陣作品!

 

監督・出演サモ・ハン・キンポー氏、出演ユン・ピョウ氏、ラム・チェンイン氏という個人的に最高布陣の作品のひとつです。

出演者全員めちゃくちゃカッコよくて、面白くて好きです。

 

サモ・ハン・キンポー(現サモハン)氏

洪家班というアクションチームを持ち、多くのヒット作の製作・監督を担うカンフー映画界の主要人物。大きな体格にも関わらず、俊敏な動きに圧倒される。

photo by Sasoriza / Bryan Chan CC 表示-継承2.0

ラム・チェンイン氏(1952~97)

「霊幻道士」の道士様の印象が強いが、女形を演じたり、華麗な詠春拳を見せたりするカンフー映画スター。真面目そうな風貌に似合わずおちゃめな面が垣間見えることも。


▲真ん中で座っているのがラム・チェンイン氏

 

みどころ2 ラム・チェンイン氏の洗練された演技と華麗な武術!

 

タイトル通り主人公はユン・ピョウ氏ですが、ラム・チェンイン氏も主人公と言えるくらい圧倒的な存在感を放っています。

溜息が出るような洗練された演技と華麗な武術に注目してもらいたいです。

 

ラム・チェンイン氏は京劇(中国伝統の音楽劇)の女役を演じていますが、この劇中で彼が見せる武術(詠春拳)の華麗さは、カンフー映画史上最高のひとつとされています。

ラム・チェンイン氏出演作品の中で最も華麗な武術(詠春拳)の技を堪能できる映画です。

 

また、皇帝役で出ているフランキー・チェン氏も有名な監督として知られています。フランキー・チェン氏は監督代表作として「女ドラゴンと怒りの未亡人軍団」(2011)、他にも作曲やプロデューサーなどをこなし、中華圏では著名な方です。

 

▼女ドラゴンと怒りの未亡人軍団(画像クリックで商品詳細へ)

 

みどころ3 しっかりしたストーリーと出演陣のコンビネーション!

 

誰と闘っても必ず勝つと有名なユン・ピョウ氏演じる名家のドラ息子「チャン」を中心にストーリーは繰り広げられます。

ある日、町にやってきた京劇一座の女形・ルン(ラム・チェンイン)をチャンの友人はデートに誘いますが断られます。

その腹いせからルンとチャンの友人による格闘に発展しますが、友人は惨敗。

そこでチャンが出てきてルンと対戦をしますが、チャンは太刀打ちできませんでした。

 

この時に、今まで自分が誰にも負けなかったのは「自分を過保護に思う父親が裏で対戦相手にお金を払っていたから」、ということが判明します。

チャンは悔しさからルンへ弟子入りを申し込みます。ルンからそれを断られ、相手にされなくても諦めないチャンは勝手に劇団の巡業へついて行きました。

 

そんな中、巡業のある土地でルンの劇団の劇を観ていた皇帝の皇子はルンを武術の達人と見抜き、対戦を申し込みます。

いざルンと皇帝の息子の対戦、となりますがルンの喘息(ぜんそく)が発症し、皇帝の息子との対戦は延期となりました。

 

ここで事態は急変します。それも皇帝から「皇子(皇帝の息子)より強い人物が現れたら暗殺せよ」という命令が実は皇子の警護人に下っていたからでした。

 

後半のストーリーを読む(ネタバレあり。クリックorタップで開きます)

深夜にルンの劇団一座が寝泊まりしているところへ警護人たちは奇襲をかけ、団員は惨殺されました。

運良く、チャンとルンは難を逃れ、ルンの兄(サモ・ハン・キンポー)が住むところへ避難しました。

ここで、チャンは詠春拳を修行し、ついに体得します。

ところが喜んだのもつかの間、ルンの容体が悪化し、チャンはルンを町の医者に診てもらうために実家へルンを連れて帰りました。

ただ一人事態を知らない皇帝の息子は、ルンを見舞いに来ましたが、皇帝の警護人たち(一座を襲った者)によって、その場でルンは殺されてしまいます。

そこで事情を知った皇帝の息子は、自身の警護人たちを処刑します。

最終的にルンの死を悲しむチャンが、ルンの仇を取るため、体得したカンフーで皇帝の息子と死闘を繰り広げます。

 

戦いのシーンでは、ユン・ピョウ氏とラム・チェンイン氏のコンビネーションの素晴らしさは、目を見張るものがあります。

作中に「京劇で旗を振るシーン」があるのですが、燃え盛る炎がついた旗を振って敵から逃れるシーンなどは圧巻と言えます。

 

しっかりしたストーリーに加え、出演陣の切迫した演技はみどころと言えるでしょう!

 

みどころ4 修行シーンはやはり必見!

 

この作品も「酔拳」と同じように修行のシーンは見どころです。

 

▼酔拳

 

修行のシーンに現れるサモ・ハン・キンポー氏の演技や身体技も必見です。

決して広いとは言えない家の中で、サモハン氏が娘相手に書道をしているのですが、じっとして文字を書けないようで、カンフーをしながら書道をする様子は、笑いを誘うとともに、「おぉ~」と感心します。

映画の時代背景もありますが、手作り感・知恵・工夫を映画の端々に感じることができて、サモハン氏はじめスタッフや出演者の努力やチームワークを感じることができます。

 

この映画のおすすめポイントおさらい!

 

  • これぞ最高布陣作品!

監督・出演サモ・ハン・キンポー氏、出演ユン・ピョウ氏、ラム・チェンイン氏という個人的に最高布陣の作品!

  • ラム・チェンイン氏の洗練された演技と華麗な武術!

劇中でラム・チェンイン氏が見せる武術(詠春拳)の華麗さは、カンフー映画史上最高のひとつとされている!

  • しっかりしたストーリーと出演陣のコンビネーション!

燃え盛る炎がついた旗を振って敵から逃れるシーンなどは圧巻!

  • 修行シーンはやはり必見!

手作り感・知恵・工夫を映画の端々に感じることができて、サモハン氏はじめスタッフや出演者の努力やチームワークを感じることができる!

 

「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」視聴方法

 

<サービス名クリックorタップで公式サイトへ進めます>

サービス名 取り扱い 視聴方法
TSUTAYA TV × DVD宅配サービスTSUTAYA DISCASも取り扱いなし
Amazon Prime Video ×
Hulu ×
dTV ×
U-NEXT ×
YouTube ×
DVD(amazon)

 

以上、おすすめカンフー映画「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」の紹介でした。

次のページではジェット・リー氏のデビュー作「少林寺」を紹介します。

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

【カンフー映画の取り揃えが豊富なのは「TSUTAYA TV」&「TSUTAYA DISCAS」!】

 

目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

お問い合わせはこちらから

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

Webon紹介目次著者

カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!

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はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

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著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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この章(第2章)ではカンフー映画のスター俳優をご紹介。

このページでは詠春拳の達人であるカンフー映画スター俳優、ラム・チェンイン氏を紹介します。

 

▼紹介する9人のカンフー映画スター俳優

名前 人物概要 主な出演作品
1 ジミー・ウォング カンフー映画界のレジェンド 「片腕必殺剣」
2 ブルース・リー 「本物」のアクションスター 「燃えよドラゴン」
3 サモハン カンフー映画界の主要人物 「燃えよデブゴン」
4 ジャッキー・チェン 世界のジャッキー 「酔拳」「プロジェクトA」
5 ユン・ピョウ カンフー映画アイドルスター 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
6 ユン・ワー 中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー 「霊幻道士」
7 ラム・チェンイン⇐当ページ 詠春拳の達人 「霊幻道士」
8 ジェット・リー 少林寺ブームの立役者 「少林寺」
9 ドニー・イェン 遅咲きのカンフー映画スター 「イップマン」

 

ラム・チェンイン(林正英)

▲真ん中で座っているのがラム・チェンイン氏

生年月日 1952年12月27日
本名 林根寶(ラム・ガン・ボウ)
出身 香港
享年 1997年11月8日(45歳)
ヒット作 「霊幻道士」「香港発活劇エクスプレス 大福星」
備考 著者が最も好きなアクションスター。詠春拳の達人。

 

【ラムチェンインってどんな俳優?】

どのアクションスターよりも衝撃が強かったです。

私が小学生の頃に「霊幻道士」という映画を観て「このおじいちゃん誰よりも強いし、他の演者を早くキョンシーから助けてあげて!」と思って観ていました。(本当はおじいちゃんなんて言う年齢ではなかったのですが)。

時系列バラバラで当時は映画を観ていたので、「あ、この人ここにも出てる!」と気づきが多くなるにつれ他の俳優と同様ファンになっていました。

「霊幻道士」の道士様の印象が強かったのですが、映画「ユン・ピョウ・inドラ息子カンフー」を観て、京劇(中国の伝統的な音楽劇)で女形役を演じたり、華麗な武術(詠春拳:えいしゅんけん)を見せたりする様に釘付けとなりました。

真面目そうな風貌に似合わずおちゃめな面が垣間見えるところもとても良いです。

もう他界してしまいましたが、画面に出てくると安心する存在で、私の最も好きなアクションスターです。

 

主な出演作品

発表年 タイトル
1982 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
1985 「霊幻道士」
1994 「青蜂狭(グリーンホーネット)」
1995 「霊幻道士」(テレビドラマ)

 

ラム・チェンイン氏の略歴

ブルース・リー氏の右腕時代

 

7人兄弟の3番目に生まれる。

小学校を2年で退学し、京劇の名門校の一つである春秋戯劇学院(しゅんじゅう ぎげき がくいん)にて5年間の修行を積み、17歳でスタントマンとして映画界へ進む。

 

京劇

京劇は歌、舞踊、セリフ、アクロバティックな立ち回りから成る中国の総合芸術であり、オペラやミュージカルに近い音楽劇。

役者のきらびやかな衣装や派手な化粧に訓練された演技力、そして中国の伝統的な民族楽器の生演奏が舞台を華やかに盛り立てる。

▼京劇の様子

photo by d’n’c Some rights reserved

 

体格がやせていたため、女優のスタントを行うことが多かった。

武術指導のアシスタントとして、ブルース・リー氏の「ドラゴン危機一髪」(’71)に携わる。

 

▼ブルース・リー氏

▼ドラゴン危機一髪(画像クリックでDVD詳細へ)

 

ここで、ブルース・リー氏に実力を評価され、「ドラゴン怒りの鉄拳」(’72)、「燃えよドラゴン」(’73)でも武術指導のアシスタントを務め、ブルース・リー氏の右腕として絶大なる信頼を得た。

 

▼ドラゴン怒りの鉄拳(画像クリックでDVD詳細へ)

▼燃えよドラゴン(画像クリックでDVD詳細へ)

 

ユン・ワー氏等と共に、ブルース・リー氏のお気に入り10人のうちの一人に選ばれる。

ブルース・リー氏のプロデュースによってアメリカでのデビューの話が持ち上がるが、1973年7月20日にブルース・リー氏の死亡によって話が流れてしまった。

 

▼右上がユン・ワー氏

 

俳優として活躍

 

その後、武術指導として数作品に携わり、映画会社ゴールデン・ハーベスト作品を中心として、端役で出演するようになる。

 

ゴールデン・ハーベスト社
1970年に設立された映画製作会社。大手香港映画会社ショウ・ブラザーズの制作本部長を務めていたレイモンド・チヨウ氏とプロデューサーのレナード・ホー氏らが設立。

 

1970年代末ごろから、これまでにも共演機会が多かったサモハン氏率いるアクションチーム「洪家班(こうかはん)」へ入り、サモハンの右腕的存在となる。

 

▼サモハン氏

(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/サモ・ハン・キンポー#/media/File:SammoHung.jpg)

 

ラム・チェンイン氏はジャッキー氏やユン・ピョウ氏よりも少し年上で、遅咲きながらも遂に俳優として目覚ましく活躍する時期が1980年代に訪れる。

 

▼ジャッキー・チェン氏

 

ユン・ピョウ氏の主演映画「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」(’82)では、カンフーの達人である京劇の女形役を演じる。

 

▼ユン・ピョウinドラ息子カンフー(画像クリックでDVD詳細へ)

 

この作中でラム・チェンイン氏が見せるカンフー(詠春拳)は、カンフー映画史上最高の一つとされており、ラム・チェンイン氏出演映画の中でも最も華麗なカンフー(詠春拳)を見ることができる作品である。

 

▼詠春拳のイメージ

 

また、ユン・ピョウ氏が炎で燃え盛る大きな旗を振るシーンにおいて、華麗に旗を翻って避ける立ち回りも素晴らしく、ジャッキー氏、サモハン氏、ユン・ピョウ氏だけでなく、ラム・チェンイン氏、ユン・ワー氏等の本格的な武術家がこの時代の香港のカンフー映画シーンには多く存在したという事が印象付けられる作品の一つでもある。

この「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」において、第2回香港電影金像奨(ほんこん でんえい きんぞうしょう)“最佳動作設計”(アクション指導賞)をサモハン氏、ユン・ピョウ氏、ビリー・チャン氏と共に受賞する。

 

香港電影金像奨

日本では香港アカデミー賞ともいわれる中華圏で最も有名な映画賞式典の一つ。1982年より毎年行われている。

 

道士役でヒット

 

翌年にも「五福星」(’83)において、第3回香港電影金像奨最佳動作設計(アクション指導賞)をユン・ピョウ氏、ビリー・チャン氏と共に受賞した。

 

▼五福星(画像クリックでDVD詳細へ)

 

そして、サモハン氏がプロデュースのキョンシー(中国の妖怪)映画「霊幻道士」(’85)において、道士役を務めるが、これが当たり役となる。

日本においても大ヒットし、「ラム・チェンイン=道士」というイメージが定着した。以後、数々のキョンシー映画において道士役を演じることになった。

 

▼霊幻道士(画像クリックでDVD詳細へ)

 

引退へ

 

1990年代に入るとキョンシーブームも過ぎ去り、様々なアイデアで巻き返しを図るものの再興は叶わなかった。

1994年に自ら製作、監督、出演を務めた「青蜂狭(グリーンホーネット)」を最後に映画界から退いた。

 

▼青蜂狭(グリーンホーネット)(画像クリックで作品詳細へ)

 

その後、テレビドラマ界へ活動を移し、テレビシリーズ「霊幻道士」(’95)にてヒットとなるものの、かねてからの体調不良により検査のために渡米する。

 

▼テレビシリーズ霊幻道士(画像クリックでDVD詳細へ)

 

結果は肝臓癌で、すでに手遅れの状態だった。

1997年11月8日、44歳の若さで逝去する。

死の直前には、自身の「変わり果てた姿を見せたくない」と友人や自身の子供2人の面会をも拒否していた。

遺言として愛用のサングラスと遺骨はアメリカへ埋葬された。

 

ラム・チェンイン氏作品の視聴方法

 

発表年 タイトル 視聴可能動画配信サービス
1982 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
1985 「霊幻道士」 Hulu
1994 「青蜂狭(グリーンホーネット)」
1995 「霊幻道士」(テレビドラマ)

 

以上、詠春拳の達人、ラム・チェンイン氏の紹介でした。

次のページでは少林寺ブームを巻き起こしたカンフー映画スター俳優、ジェット・リー氏を紹介します。

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

【カンフー映画の取り揃えが豊富なのは「TSUTAYA TV」&「TSUTAYA DISCAS」!】

 

目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!

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ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

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ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

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第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

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第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

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イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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この章(第2章)ではカンフー映画のスター俳優をご紹介。

このページではアイドル的な人気もあるカンフー映画スター俳優、ユン・ピョウ氏を紹介します。

 

▼紹介する9人のカンフー映画スター俳優

名前 人物概要 主な出演作品
1 ジミー・ウォング カンフー映画界のレジェンド 「片腕必殺剣」
2 ブルース・リー 「本物」のアクションスター 「燃えよドラゴン」
3 サモハン カンフー映画界の主要人物 「燃えよデブゴン」
4 ジャッキー・チェン 世界のジャッキー 「酔拳」「プロジェクトA」
5 ユン・ピョウ⇐当ページ カンフー映画アイドルスター 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
6 ユン・ワー 中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー 「霊幻道士」
7 ラム・チェンイン 詠春拳の達人 「霊幻道士」
8 ジェット・リー 少林寺ブームの立役者 「少林寺」
9 ドニー・イェン 遅咲きのカンフー映画スター 「イップマン」

 

ユン・ピョウ(元彪)

生年月日 1957年7月26日
本名 夏令震(シャア・リン・ヂェン)
出身 香港
初期ヒット作 「猿拳」(1979)
出演日本作品 「孔雀王」「無問題2」
現在 俳優として活動

 

【ユン・ピョウってどんな俳優?】

私が小学生の頃は、アイドルのようなカッコいい兄ちゃんと思っていました。自分の中でユン・ピョウ氏だけ比較対象がなぜかジャニーズだったのを覚えています。

おそらく、日本ではアイドル扱いをされていたためだと思います。

ですが、「プロジェクトA」や「スパルタンX」を観てそのイメージが払拭されました。

ジャッキー氏やサモハン氏と息の合ったアクションやユン・ピョウ氏の身体を張ったスタントに本格的なアクションスターを感じました。足技がとにかく美しいです。

 

主な出演作品

発表年 タイトル
1972 「ドラゴン怒りの鉄拳」「アンジェラ・マオの女活殺拳」
1973 「燃えよドラゴン」
1975 「少林門」「スカイ・ハイ」
1976 「少林寺木人拳」
1978 「死亡遊戯」「燃えよデブゴン」
1979 「猿拳」「ツーフィンガー鷹」
1981 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
1983 「チャンピオン鷹」「プロジェクトA」
1984 「スパルタンX」「五福星」
1985 「七福星」
1988 「孔雀王」
1989 「孔雀王アシュラ伝説」
1991 「香港魔界大作戦」「バカヤロー!4YOU!お前のことだよ」の 第3話「サギるなジャパン」
2002 「無問題2」
2016 「おじいちゃんはデブゴン」

 

ユン・ピョウ氏の略歴

誕生

 

男2人、女6人という兄妹の上から5番目に生まれる。

幼いころからカンフーの真似をするのが好きで、5歳でジャッキー・チェン氏やサモハン氏が所属する中国戯劇学院(ちゅうごく ぎげきがくいん)に入る。

 

中国戯劇学院

中国の京劇役者養成学校。著名な卒業生にジャッキー・チェン氏など。親元を離れた幼い子供が集った全寮制の学院。入学後には身体技を中心に演技力や表現力などかなり厳しい訓練を受けた。

 

ジャッキー・チェン氏やサモハン氏もいた「七小福(学内優秀成績者で構成されるグループ)」の最年少に選ばれる。

15歳で中国戯劇学院を修了した後に、1年間アメリカで京劇俳優をした後、香港に戻りサモハン氏の手引きで映画界へ入る。

 

京劇
京劇は歌、舞踊、セリフ、アクロバティックな立ち回りから成る中国の総合芸術であり、オペラやミュージカルに近い音楽劇。

 

スタントとしての下積み時代

 

ユン・ピョウ出演作品上、一番古いとされているのが、「ドラゴン怒りの鉄拳」(’72)とされているが、それ以前にも多くの作品にスタントや端役として出演していた。

 

▼ドラゴン怒りの鉄拳(画像クリックでDVD詳細へ)

 

スタントやスタントダブル(俳優の代わりに危険な動きなどを演じる役)の他、サモハン氏の助手として武術指導の経験を積む。

アンジェラ・マオの女活殺拳」(’72)、「燃えよドラゴン」(’73)、「少林門」(’75)、「スカイ・ハイ」(’75)、「少林寺木人拳」(’76)等、1970年~1977年ころまではアクションシーンにおいてはからみ役やスタントマン中心で役らしい役がない下積み時代だった。

 

▼少林門(画像クリックでDVD詳細へ)

▼少林寺木人拳(画像クリックでDVD詳細へ)

 

この頃、サモハン氏のスタント・武術指導チームの「洪家班(こうかはん)」に所属していたので、サモハン氏がユン・ピョウ氏に映画製作の基礎を教え込んだ。

1978年に転機が訪れ、ブルース・リー氏の死後、未完成であった「死亡遊戯」(’78)を完成させるにあたり、ゴールデン・ハーベスト社からサモハン等と共に起用された。

 

▼死亡遊戯(画像クリックでDVD詳細へ)

▼ブルー・スリー氏

(ブルース・リー氏について詳しくは前のページで!)

ゴールデン・ハーベスト社

1970年に設立された映画製作会社。大手香港映画会社ショウ・ブラザーズの制作本部長を務めていたレイモンド・チヨウとプロデューサーのレナード・ホーらが設立。

 

ユン・ピョウ氏は身軽で素早い動きのアクロバットを得意とし、足技の華麗さは、他のアクションスターと比べても抜きん出ている。

それに加え、ブルース・リー氏とも足技や体格も似ていたので、「死亡遊戯」において足技のシーンやオートバイアクションのシーンなどのブルース・リー氏のスタントマンとして採用された。

当時、ユン・ピョウ氏は武術指導として裏方を希望しており、「燃えよデブゴン」(’78)では武術指導に重点を置き、俳優としてはほんの数秒からみ役で出演していた。

 

▼燃えよデブゴン(画像クリックでDVD詳細へ。画像は「燃えよデブゴン2」(’80))

 

トップスターの仲間入り

 

しかしサモハン氏から「顔が良いから役者の方が向いている」と勧められ、サモハン監督の「猿拳」(’79)で主演デビューを果たした。

 

▼猿拳(画像クリックでDVD詳細へ)

 

この映画が大ヒットし、ユン・ピョウも一躍トップスターの仲間入りとなり、長い下積み時代に終止符を打つことができた。

この映画の出演を機に、「ツーフィンガー鷹」(’79)、「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」(’81)等、次から次へと香港カンフー映画の主演が続くようになった。

 

▼ツーフィンガー鷹(画像クリックでDVD詳細へ)

▼ユン・ピョウinドラ息子カンフー(画像クリックでDVD詳細へ)

 

「自殺以外のスタントは何でもやれる」と豪語していただけあり、サッカーとカンフーを合体させた作品「チャンピオン鷹」(’83)では高所からのダイビングや燃え盛る炎の中へ飛び込むなど決死のスタントを自ら演じている。

 

▼チャンピオン鷹(画像クリックでDVD詳細へ)

 

そして、ジャッキー氏、サモハン氏と共に「プロジェクトA」(’83)、「スパルタンX」(’84)、「七福星」(’85)にも出演した。

 

▼プロジェクトA(画像クリックでDVD詳細へ)

▼スパルタンX(画像クリックでDVD詳細へ)

▼七福星(画像クリックで商品詳細へ)

 

優れた身体能力に加え、ハンサムなルックスであったため、80年代の日本におけるカンフー映画ブーム時期には、アイドルとしても人気があった。

来日も多く、1984年に「五福星」のプロモーションキャンペーンとして、ジャッキー氏、サモハン氏と共に日本武道館にてコンサートを開き会場を満席にさせた。

 

▼五福星(画像クリックでDVD詳細へ)

 

翌1985年には大阪、東京、福岡、名古屋にて「『チャンピオン鷹』公開記念 ユン・ピョウ オンステージ」を開催。

この「チャンピオン鷹」公開を記念して、東映(株)から「ユン・ピョウ オフィシャルファンクラブ」も設立される予定であったが、十分な準備ができずファンクラブの結成と運営を中止する旨が当時の映画パンフレットにて記載されている。

このような日本でのイベントだけでなく、ユン・ピョウ氏を特集した多くの雑誌や写真集も日本から出版されるほどの人気ぶりであった。

この80年代に築いた人気をもってして、ジャッキー氏、サモハン氏、ユン・ピョウ氏はトリオで話題になるようになった。

 

主体的な活動

 

このように、ユン・ピョウ氏はジャッキー氏やサモハン氏と共作が多く、彼らの弟分という扱いが印象的であったが、「香港魔界大作戦」(’91)では自ら監督に初挑戦するなど、主体的に発展するようになった。

 

▼香港魔界大作戦(画像クリックでDVD詳細へ)

 

邦画への出演もあり、日本の漫画を原作とした「孔雀王」(’88)、「孔雀王アシュラ伝説」(’89)や「バカヤロー!4YOU!お前のことだよ」の 第3話「サギるなジャパン」(’91)、70年代コメディカンフー映画を彷彿させるナインティナイン岡村隆史氏主演の「無問題2」(’02)にも出演。

 

▼孔雀王(画像クリックでDVD詳細へ)

▼無問題2(画像クリックでDVD詳細へ)

 

今なお現役で活躍し続けており、近年の出演作ではサモハン氏監督、主演の「おじいちゃんはデブゴン」(’16)に出演。

 

▼おじいちゃんはデブゴン(画像クリックでDVD詳細へ)

 

ユン・ピョウ氏作品の視聴方法

 

発表年 タイトル 視聴可能動画配信サービス
1972 「ドラゴン怒りの鉄拳」 Hulu
1973 「燃えよドラゴン」
1975 「スカイ・ハイ」
1976 「少林寺木人拳」 Hulu
1978 「死亡遊戯」 Hulu
1979 「猿拳」
1979 「ツーフィンガー鷹」
1981 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
1983 「チャンピオン鷹」
1983 「プロジェクトA」 Hulu
1984 「スパルタンX」 Hulu
1984 「五福星」 Hulu
1985 「七福星」 Hulu
1988 「孔雀王」
1989 「孔雀王アシュラ伝説」
1991 「香港魔界大作戦」
2002 「無問題2」
2016 「おじいちゃんはデブゴン」 Hulu

 

以上、ユン・ピョウ氏の紹介でした。

次のページでは中国の名バイプレイヤー、ユン・ワー氏を紹介していきます。

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

【カンフー映画の取り揃えが豊富なのは「TSUTAYA TV」&「TSUTAYA DISCAS」!】

 

目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

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はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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この章(第2章)ではカンフー映画のスター俳優をご紹介。

このページでは大きな体格にもかかわらず俊敏なアクションをこなすカンフー映画スター俳優、サモハン氏を紹介します。

 

▼紹介する9人のカンフー映画スター俳優

名前 人物概要 主な出演作品
1 ジミー・ウォング カンフー映画界のレジェンド 「片腕必殺剣」
2 ブルース・リー 「本物」のアクションスター 「燃えよドラゴン」
3 サモハン⇐当ページ カンフー映画界の主要人物 「燃えよデブゴン」
4 ジャッキー・チェン 世界のジャッキー 「酔拳」「プロジェクトA」
5 ユン・ピョウ カンフー映画アイドルスター 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
6 ユン・ワー 中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー 「霊幻道士」
7 ラム・チェンイン 詠春拳の達人 「霊幻道士」
8 ジェット・リー 少林寺ブームの立役者 「少林寺」
9 ドニー・イェン 遅咲きのカンフー映画スター 「イップマン」

 

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー)

photo by Sasoriza / Bryan Chan CC 表示-継承2.0

生年月日 1949年12月11日
前名称 サモ・ハン・キンポー
身長 170㎝
出身 香港
子供 ジミー・ハン(タレント)他
愛称 大大哥(タイタイコー:大兄貴という意味)

 

【サモハンってどんな俳優?】

昔、私は香港カンフー映画を時系列バラバラに観ていたので、サモハン氏を知ったのはだいぶ後でした。

ジャッキー・チェン氏主演の「スパルタンX」あたりを観ていて、初めは失礼ながら「ジャッキー映画によく出てくる脇役」だと思っていました。

ところが、「洪家班(こうかはん)」というアクションチームを持ち、多くのヒット作の製作・監督がサモハン氏だと後々に知り、カンフー映画界の主要人物だと知って驚きました。

また、大きな体格にも関わらず、俊敏な動きに圧倒されました。ジャッキー氏、サモハン氏、ユン・ピョウ氏のトリオで出演の映画も好きですが、「豚だカップル拳」のサモハンが個人的には一番お気に入りです。

▼豚だカップル拳(画像クリックでDVD詳細へ)

「豚だカップル拳」では映画の演出のアイデアと言い、武術の技と言い、素晴らしいサモハン氏を観ることができます。

 

主な出演作品

発表年 タイトル
1972 「アンジェラ・マオの女活殺拳」
1973 「燃えよドラゴン」
1978~ 「燃えよデブゴン」シリーズ
1983 「五福星」
1985 「香港発活劇エキスプレス 大福星」
1988 「七小福 夢に生きた子供たち」
1998~2000 ドラマ「LA大捜査線 マーシャル・ロー」
2016 「おじいちゃんはデブゴン」

 

サモハン氏の略歴

少年時代

 

10歳で京劇役者育成学校である中国戯劇学院に入る。

 

中国戯劇学院(ちゅうごく ぎげきがくいん)

中国の京劇役者養成学校。著名な卒業生にジャッキー・チェン氏など。親元を離れた幼い子供が集った全寮制の学院。入学後には身体技を中心に演技力や表現力などかなり厳しい訓練を受けた。

 

ジャッキー・チェン氏やユン・ピョウ氏等もいた「七小福(しちしょうふく:学内優秀成績者で構成されるグループ)」のリーダーで、当時の芸名は「元龍(ユエンロン)」。

(朱元龍(チー・ユエンロン)の名を用いたこともある。七小福について詳しくは第5章で解説しています!)

 

▼ジャッキー・チェン氏

▼ユン・ピョウ氏

(ジャッキー・チェン氏、ユン・ピョウ氏について詳しくは後のページでご紹介!)

 

ナイトクラブや舞台などの出演をこなし、映画にも数本出演した。

中国戯劇学院修了後にはスタントマン、スタントダブル(俳優の代わりに危険な動きなどを演じる役)として映画界で仕事をするようになった。

 

映画界で活躍

 

1970年、武術指導師としてゴールデン・ハーベスト社と契約を結ぶ。

 

ゴールデン・ハーベスト社
1970年に設立された映画製作会社。大手香港映画会社ショウ・ブラザーズの制作本部長を務めていたレイモンド・チヨウ氏とプロデューサーのレナード・ホー氏らが設立。

 

翌1971年「奪命金劍(ドォミンジンジェン:日本未公開)」の武術指導を担当(悪役として少しだけ出演しています)。

その後には「忠烈図」(’75)、「死亡遊戯」(’78)等での武術指導でも高い評価を得ている。

 

▼死亡遊戯(画像クリックでDVD詳細へ)

 

そして、アンジェラ・マオ氏主演の「女活殺拳」(’72)、「燃えよドラゴン」(’73)等の自身が出演する作品も多数。

 

▼女活殺拳(画像クリックでDVD詳細へ)

▼燃えよドラゴン(画像クリックでDVD詳細へ)

 

「少林寺怒りの鉄拳」(’77)で監督に進出。

この映画がきっかけで、ブルース・リー氏の未完成作品「死亡遊戯」(’78)の武術指導をゴールデン・ハーベスト社より依頼される。

 

▼ブルース・リー氏

ブルース・リー氏については前のページでご紹介!

▼少林寺怒りの鉄拳(画像クリックでDVD詳細へ)

 

その後、尊敬するブルース・リー氏へのオマージュとして、自身が監督・主演の「燃えよデブゴン」(’78)を製作する。

 

▼画像は「燃えよデブゴン2」。(「燃えよデブゴン」の続編ではありません。)

 

当時出回っていた、ブルース・リー氏そっくりさん出演の映画とは一線を画す作品であり、サモハン氏の体型からは想像もつかないキレのあるアクションを繰り出す様は、ハイレベルかつ見事な香港カンフー映画であった。

また、この映画がきっかけで史上最強の「動けるデブ」として有名になった。

 

新たな時代を開拓

 

当時ブルース・リー氏の死と共に香港のカンフー映画は衰退し、コメディ映画に市場を取って代わられていた。

しかしサモハン氏の活躍は、香港映画界へ新たなシーンを打ち出すことに成功した。

そして、サモハン氏は1983年には「ピックポケット!」で第2回香港電影金像奨・主演男優賞を受賞する。

 

▼燃えよデブゴン4/ピックポケット!(画像クリックで商品詳細へ)

香港電影金像奨

日本では香港アカデミー賞ともいわれる中華圏で最も有名な映画賞式典の一つ。1982年より毎年行われている。

 

サモハン氏は盟友ジャッキー・チェン氏と共に、新たな時代のアクションを築き上げていった。

体を張った危険で大掛かりなスタントやアクションを次々と考案し、見事に成功させカメラアングルに収めていった。

そのようにして、サモハンは様々なアクション、コメディなどのヒット作品を生み出していった。

 

さらなる飛躍

 

1980年代半ばに入ると、サモハンは製作者としての才能を更に発揮し、中国の妖怪キョンシーを題材にした元祖キョンシー映画と言われている「妖術秘伝 鬼打鬼」(’80)を製作。

 

▼妖術秘伝 鬼打鬼(画像クリックでDVD詳細へ)

 

その後、道士役が主演のラム・チェンイン氏の当たり役となった「霊幻道士」(’85)がキョンシーブームの決定打となった。

 

▼ラム・チェンイン氏(真ん中)

▼霊幻道士(画像クリックでDVD詳細へ)

 

また、他にも80年代の作品に、ジャッキー・チェン氏等の香港の豪華俳優陣を集めた「福星シリーズ」と呼ばれる映画があり、全てサモハンの主演・監督作品である。

「五福星」(’83)や「香港発活劇エクスプレス 大福星」(’85)は香港、日本でヒットした。

 

▼五福星(画像クリックでDVD詳細へ)

▼香港発活劇エクスプレス 大福星(画像クリックでDVD詳細へ)

 

サモハン氏、ジャッキー・チェン氏、ユン・ピョウ氏等が学んだ香港の京劇学院の実話を映画化した文芸作「七小福 夢に生きた子供たち」(’88)では、サモハンはスパルタだが憎めない院長役で出演した。

 

▼七小福 夢に生きた子供たち(画像クリックで商品詳細へ)

 

この映画でサモハン氏は、第8回香港電影金奨の主演男優賞を受賞し、役者としても評価されるようになった。

 

アメリカ進出

 

1990年代後半アメリカでもカンフーブームが起き、様々な香港の俳優等がアメリカへ進出をした。

サモハン氏も1998年~2000年に放送されたアメリカの連続テレビドラマ「LA大捜査線 マーシャル・ロー」にて主演として出演。作品は好評で、サモハン氏はアメリカでも大人気となった。

また、ハリウッド進出を機に名前を「サモ・ハン・キンポー」から「サモハン」と短縮する。

 

▼LA大捜査線 マーシャル・ロー出演陣(写真左から2番目がサモハン)

 

現在、サモハン氏は66歳で香港映画界のレジェンドかつ最前線で活躍をしている。

近年の作品の一つとして2016年にサモハンの集大成とも言える「おじいちゃんはデブゴン」を発表。

この映画にはかつての盟友であるユン・ピョウ氏、ユン・ワー氏等出演者も豪華で、かつての香港カンフー映画ブーム期を彷彿させる作品である。

 

▼おじいちゃんはデブゴン(画像クリックでDVD詳細へ)

▼ユン・ワー氏(右上)

(ユン・ワー氏は後のページで紹介しています!)

 

サモハン氏作品の視聴方法

 

発表年 タイトル 視聴可能動画サイト
1972 「アンジェラ・マオの女活殺拳」
1973 「燃えよドラゴン」
1978~ 「燃えよデブゴン」シリーズ Hulu(4・7・10)
1983 「五福星」 Hulu
1985 「香港発活劇エキスプレス 大福星」 Hulu
1988 「七小福 夢に生きた子供たち」
1998~2000 ドラマ「LA大捜査線 マーシャル・ロー」
2016 「おじいちゃんはデブゴン」 Hulu

 

以上、サモハン(サモ・ハン・キンポー)氏の紹介でした。

次のページではジャッキー・チェン氏を紹介していきます。

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

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目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!

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はじめに

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第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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この章(第2章)ではカンフー映画のスター俳優をご紹介。

このページでは「本物」と言われた世界的に有名なアクションスター俳優、ブルース・リー氏を紹介します。

 

▼紹介する9人のカンフー映画スター俳優

名前 人物概要 主な出演作品
1 ジミー・ウォング カンフー映画界のレジェンド 「片腕必殺剣」
2 ブルース・リー⇐当ページ 「本物」のアクションスター 「燃えよドラゴン」
3 サモハン カンフー映画界の主要人物 「燃えよデブゴン」
4 ジャッキー・チェン 世界のジャッキー 「酔拳」「プロジェクトA」
5 ユン・ピョウ カンフー映画アイドルスター 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
6 ユン・ワー 中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー 「霊幻道士」
7 ラム・チェンイン 詠春拳の達人 「霊幻道士」
8 ジェット・リー 少林寺ブームの立役者 「少林寺」
9 ドニー・イェン 遅咲きのカンフー映画スター 「イップマン」

 

ブルース・リー李小龍

生年月日 1940年11月27日
本名 李振藩(リー・ジュンファン)
出身 サンフランシスコ⇒香港⇒ワシントン⇒香港
トレードマーク ヌンチャク、怪鳥音(アチョー)
子供 ブランドン・リー(俳優)他
師匠 イップ・マン
名言 「Don’t think, feel.」(考えるな、感じろ。「燃えよドラゴン」より)等

 

【ブルース・リーってどんな俳優?】

肉体や武術の技を極限まで突き詰めて鍛え上げた人物として、歴代のアクションスターの中で最も「本物」という言葉がふさわしく思います。

私がブルース・リー氏を初めに観た映画は「燃えよドラゴン」でしたが、始終シリアスなストーリーにもかかわらず、ブルース・リー氏が凄すぎて目が離せませんでした。

この映画は、一つの物事をストイックに突き詰めることについて考えるきっかけとなりました。

ブルー・スリー氏が活躍した時代の話は第1章で!(現在第2章です)

 

主な出演作品

発表年 タイトル
1941 「金門女」
1966-67 「グリーンホーネット」
1971 「ドラゴン危機一髪」
1972 「ドラゴン怒りの鉄拳」
「ドラゴンへの道」
1973 「燃えよドラゴン」
1978 「死亡遊戯」

 

ブルース・リー氏の略歴

誕生

 

父は広東オペラの人気俳優。父のアメリカ巡業中にサンフランシスコにて出生する。

 

▼ブルース・リー氏の父親、Lee Hoi-chuen氏

 

生後3か月でサンフランシスコにて製作されたエスター・エング監督の映画「金門女(ゴールデン・ゲート・ガール 日本版は無し)」(’41)で映画デビューをする。

その後香港で育ち、8歳頃から広東語映画の子役として多数の映画に出演。

 

広東語映画

1930年代~50年代にかけて製作された広東語映画のうち、全体の約40%を占めるのが、中国南部の伝統芸能「粤劇(えつげき)映画」と呼ばれていた広東オペラ映画

広東地方の伝統的な舞台演劇の演目から映画の題材を採用し、同時に舞台俳優をそのまま映画俳優として起用する場合が多かったよう。

 

ブルース・リー氏は少年時代から詠春拳(えいしゅんけん)をはじめ、少林拳、太極拳など様々な中国武術を学ぶ。

 

【コラム】詠春拳とは

▼詠春拳のイメージ

ブルース・リー氏も学んだことで有名な「実践本意の拳法」です。

詠春拳は、今から400年ほど前に中国の福建省で生まれたとされる武術で、女性武術家の「厳詠春(えん えいしゅん)」が創始したといわれています。

長江以南で広く行われる武術である南派拳法の「短橋狭(たんきょうきょう)()(手技が小さく、歩幅が狭い)」に属する武術です。

代表的な套路(とうろ:型の意)として小念頭(しょうねんとう)(初級)、(じん)(きょう)(中級)、標指(ひょうし)(高級)の3つがあり、詠春拳にこの三套路(さんとうろ)を定めたのが「詠春拳王」とよばれた梁贊(リャザン・18261901)です。

技術的な特徴は、飛んだり跳ねたりをせず、防御に重きが置かれ、あらゆる防御技術はそのまま攻撃技に直結するとされています。

木人(もくじんとう)(木の人形)を使用した訓練でも有名です。

木人樁(画像クリックで商品詳細へ)

詠春拳三大手と呼ばれる膀手(ボンサオ)・攤手(タンサオ)・伏手(フォクサオ)とも全て防御技です。他に六点半棍(ろくてんはんこん)と呼ばれる棍術(こんじゅつ:棍棒の武術)と八斬刀(はちざんとう)という刀術が伝承されています。

 

詠春拳の修行は香港の武術家の葉問(イップ・マン)の下で5年間行う。

しかし、あまりに周りとの喧嘩が絶えなかったため、父より香港を離れ渡米を言い渡される。

ちなみに、後に葉問(イップ・マン)を主人公とした映画が制作される。

 

▼映画「葉問(イップマン)」(画像クリックでDVD詳細へ)

 

そして1958年、ワシントン州立大学に留学し、哲学を専攻。

アルバイトをしながら学業に取組むと同時に武術にも力を入れる。

 

截拳道(ジークンドー)の創設

 

1960年、ブルース・リー氏が最も信頼し、尊敬する弟子だった日系二世のターキー木村(木村武之)氏の勧めで、道場「振藩国術館(ジュンファン・グンフー・インスティチュート)」をチャイナタウンに開設する。

多様な格闘技からそれぞれの長所を採り入れた独自の武道「截拳道(ジークンドー)」を創設し、アメリカで多数の弟子を育てる。

 

截拳道(ジークンドー)とは

截拳道(ジークンドー)はブルース・リー氏を創始者としている武術で、ボクシングやフェンシング、合気道、柔術等の様々な武術から実践として使える箇所を採り入れている。

特定の形式や流派にとらわれずに、様々な突き・蹴りをはじめとする打撃技から、倒し・投げ・絞め・関節技など格闘技のあらゆるエッセンスを集大成した武術で、他の武術にあるような禁じ手(目突きや頭突き等)のない実践格闘術。現在でいうところの「総合格闘技」の先駆けとも言われる。

 

その後、ターキー木村氏と共に参加した広州市での武術大会においてチャンピオンになる。

これがハリウッドのプロデューサーの目に留まり、ドラマ「グリーンホーネット」の準主役を務めることになる。

 

▼グリーンホーネット(画像クリックでDVD詳細へ)

 

ハリウッドでの活躍を目指すが、1971年に香港へ戻り、ゴールデン・ハーベスト社と契約を結ぶ。

 

ゴールデン・ハーベスト社

1970年に設立された映画製作会社。大手香港映画会社ショウ・ブラザーズの制作本部長を務めていたレイモンド・チヨウとプロデューサーのレナード・ホーらが設立。

 

香港映画スターへ

 

主演映画第一弾「ドラゴン危機一髪」(’71)、続く「ドラゴン怒りの鉄拳」(’72)が爆発的な人気となる。

 

▼ドラゴン危機一髪(画像クリックでDVD詳細へ)

▼ドラゴン怒りの鉄拳(画像クリックでDVD詳細へ)

 

「ドラゴン怒りの鉄拳」から有名な怪鳥音がトレードマークのひとつともなる。

怪鳥音とはブルース・リー氏が発する「アチョー」という奇声の事。

 

そして、1972年に自身のプロダクション「コンコルド・ピクチャーズ」を設立し、自身が監督・主演・脚本・武術指導と担当した「ドラゴンへの道」を発表。

 

▼ドラゴンへの道(画像クリックでDVD詳細へ)

 

上記3作により、ブルース・リー氏の人気は香港において不動のものとなり、映画会社ゴールデン・ハーベストは興行収入で香港一の映画会社となった。

 

1972年秋から「死亡遊戯」の製作に入るが、ハリウッドとコンコルド・ピクチャーズとの合作となる「燃えよドラゴン」(’73)へ出演することとなり、「死亡遊戯」の製作は一時中断となる。

 

▼燃えよドラゴン(画像クリックでDVD詳細へ)

 

32歳で急死

 

しかし、ブルース・リー氏は「燃えよドラゴン」完成直後の1973年7月20日に32歳の若さで急死し、世界中に衝撃を与えた。

死亡当時、「死亡遊戯」で共演予定であった、女優ベティ・ティン・ペイ氏の香港の自宅で頭痛を訴え、鎮痛剤を飲んで横になった。

しかし、そのまま昏睡状態に陥ったためベティ・ティン・ペイ氏はレイモンド・チヨウ氏(現ゴールデン・ハーベスト会長)を呼び、そのままブルース・リー氏をクィーン・エリザベス病院へ搬送したが死亡が確認された。

 

その後、未完成の「死亡遊戯」(’78)は、約5年間の紆余曲折を経て、監督をロバート・クローズ氏、武術指導はサモ・ハン・キンポー氏が担当し、ユン・ワー氏やユン・ピョウ氏の俳優を起用し、補足撮影がなされ公開された。

 

▼死亡遊戯(画像クリックでDVD詳細へ)

▼サモ・ハン・キンポー氏

▼ユン・ワー氏(右上)

▼ユン・ピョウ氏

(サモ・ハン・キンポー氏、ユン・ワー氏、ユン・ピョウ氏については後のページでご紹介!)

 

ブルース・リー氏は武術界においても映画界においても多大な影響を及ぼした人物である。

 

ブルース・リー氏作品の視聴方法

 

各動画配信サービスの料金とブルース・リー氏作品の取り揃え数を表した表です!

TSUTAYA TV Amazon Prime Netflix Hulu dTV U-NEXT
料金(税込/月額) 1007円~ 400円 864円~ 1007円~ 540円 2149円
ブルースリー

※〇:豊富 △:ややあり ×:ほぼ無し

 

以上、カンフー映画スター俳優ブルース・リー氏の紹介でした。

次のページではサモハン(サモ・ハン・キンポー)氏をご紹介いたします。

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

【カンフー映画の取り揃えが豊富なのは「TSUTAYA TV」&「TSUTAYA DISCAS」!】

 

目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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カンフー映画入門 ~観れば観るほど強くなる!?~

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。お問い合わせはこちらから

 

 

カンフー映画を見たことがありますか?カンフー映画とは香港で発展した映画で、「俳優が武術をやっているのではなく一流の武術家が演技をしているのである」と著者は言います。

カンフー映画に既にハマっている方もまだの方も「カンフー映画入門 ~観れば観るほど強くなる!?~」で是非カンフー映画を観て、もっと楽しんでください!

 

~~カンフー映画はスター達と共に、どのようにして生まれ、現在に至るまでにどのように進化を遂げていったのか。そして、多くの人が虜になってしまうほどの魅力とはどこからやってくるのか。カンフー映画の歴史や作品、スター達を取り上げつつ、その真相に迫ってみたいと思います。~~
はじめに「はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~」より

 

はじめに

日本でもブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏といった名前は知っている方がほとんどでしょう。彼らは「カンフー映画」のスターなのです。カンフー映画に興味を持ったあなた、まずは「カンフー映画にハマってカンフーを始めてしまった」という著者のカンフー映画に対する意見を聞いてみましょう!

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

 

1章 カンフー映画とは

カンフー映画とはどのような映画なのか。そして伝統のあるカンフー映画の歴史を知る事でカンフー映画をより楽しむ事ができます!是非ここでカンフー映画の基礎・歴史について学びカンフー映画を深くまで楽しんでください!

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

 

2章 カンフー映画スター俳優9選

過去から現在に至るまでカンフー映画のスターはそれぞれ個性を発揮してきました。これだけは知っておきたい!というスター9人を著者が厳選して紹介します!

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

 

第3章 カンフー映画を観る方法

最近では動画配信サービスが充実してきた為自宅ですぐに映画を観られるようになりました。どの動画配信サービスがカンフー映画の取り揃えが良いのか、そして著者はどのようにしてカンフー映画を観ているのか、徹底解説します!

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

 

第4章 おすすめカンフー映画13選

ここでは著者おすすめのカンフー映画を13作品ご紹介いたします!見どころから裏話まで、メジャーな楽しみ方からマニアックな楽しみ方までを解説!

これを読んでお気に入りのカンフー作品を見つけてください!

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

 

第5章 カンフー映画の寄り道話

カンフー映画は様々な方面から見てみても面白いものです。ここではスターの少年期や女性カンフー映画スター、そして日本のアクションスターをご紹介!読めばあなたもカンフー映画通!?

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

 

第6章 カンフーを習おう!

カンフー映画を観たらきっとカンフーを習いたくなるはず!何を隠そう著者もカンフー映画を観てカンフーを習ったそうです。是非こちらで「カンフーとは何か」を知り、実際に体を動かしてみてください!!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

 

【カンフー映画の取り揃えが豊富なのは「TSUTAYA TV」&「TSUTAYA DISCAS」!】