サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

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カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!

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はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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この章(第2章)ではカンフー映画のスター俳優をご紹介。

このページでは大きな体格にもかかわらず俊敏なアクションをこなすカンフー映画スター俳優、サモハン氏を紹介します。

 

▼紹介する9人のカンフー映画スター俳優

名前 人物概要 主な出演作品
1 ジミー・ウォング カンフー映画界のレジェンド 「片腕必殺剣」
2 ブルース・リー 「本物」のアクションスター 「燃えよドラゴン」
3 サモハン⇐当ページ カンフー映画界の主要人物 「燃えよデブゴン」
4 ジャッキー・チェン 世界のジャッキー 「酔拳」「プロジェクトA」
5 ユン・ピョウ カンフー映画アイドルスター 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
6 ユン・ワー 中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー 「霊幻道士」
7 ラム・チェンイン 詠春拳の達人 「霊幻道士」
8 ジェット・リー 少林寺ブームの立役者 「少林寺」
9 ドニー・イェン 遅咲きのカンフー映画スター 「イップマン」

 

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー)

photo by Sasoriza / Bryan Chan CC 表示-継承2.0

生年月日 1949年12月11日
前名称 サモ・ハン・キンポー
身長 170㎝
出身 香港
子供 ジミー・ハン(タレント)他
愛称 大大哥(タイタイコー:大兄貴という意味)

 

【サモハンってどんな俳優?】

昔、私は香港カンフー映画を時系列バラバラに観ていたので、サモハン氏を知ったのはだいぶ後でした。

ジャッキー・チェン氏主演の「スパルタンX」あたりを観ていて、初めは失礼ながら「ジャッキー映画によく出てくる脇役」だと思っていました。

ところが、「洪家班(こうかはん)」というアクションチームを持ち、多くのヒット作の製作・監督がサモハン氏だと後々に知り、カンフー映画界の主要人物だと知って驚きました。

また、大きな体格にも関わらず、俊敏な動きに圧倒されました。ジャッキー氏、サモハン氏、ユン・ピョウ氏のトリオで出演の映画も好きですが、「豚だカップル拳」のサモハンが個人的には一番お気に入りです。

▼豚だカップル拳(画像クリックでDVD詳細へ)

「豚だカップル拳」では映画の演出のアイデアと言い、武術の技と言い、素晴らしいサモハン氏を観ることができます。

 

主な出演作品

発表年 タイトル
1972 「アンジェラ・マオの女活殺拳」
1973 「燃えよドラゴン」
1978~ 「燃えよデブゴン」シリーズ
1983 「五福星」
1985 「香港発活劇エキスプレス 大福星」
1988 「七小福 夢に生きた子供たち」
1998~2000 ドラマ「LA大捜査線 マーシャル・ロー」
2016 「おじいちゃんはデブゴン」

 

サモハン氏の略歴

少年時代

 

10歳で京劇役者育成学校である中国戯劇学院に入る。

 

中国戯劇学院(ちゅうごく ぎげきがくいん)

中国の京劇役者養成学校。著名な卒業生にジャッキー・チェン氏など。親元を離れた幼い子供が集った全寮制の学院。入学後には身体技を中心に演技力や表現力などかなり厳しい訓練を受けた。

 

ジャッキー・チェン氏やユン・ピョウ氏等もいた「七小福(しちしょうふく:学内優秀成績者で構成されるグループ)」のリーダーで、当時の芸名は「元龍(ユエンロン)」。

(朱元龍(チー・ユエンロン)の名を用いたこともある。七小福について詳しくは第5章で解説しています!)

 

▼ジャッキー・チェン氏

▼ユン・ピョウ氏

(ジャッキー・チェン氏、ユン・ピョウ氏について詳しくは後のページでご紹介!)

 

ナイトクラブや舞台などの出演をこなし、映画にも数本出演した。

中国戯劇学院修了後にはスタントマン、スタントダブル(俳優の代わりに危険な動きなどを演じる役)として映画界で仕事をするようになった。

 

映画界で活躍

 

1970年、武術指導師としてゴールデン・ハーベスト社と契約を結ぶ。

 

ゴールデン・ハーベスト社
1970年に設立された映画製作会社。大手香港映画会社ショウ・ブラザーズの制作本部長を務めていたレイモンド・チヨウ氏とプロデューサーのレナード・ホー氏らが設立。

 

翌1971年「奪命金劍(ドォミンジンジェン:日本未公開)」の武術指導を担当(悪役として少しだけ出演しています)。

その後には「忠烈図」(’75)、「死亡遊戯」(’78)等での武術指導でも高い評価を得ている。

 

▼死亡遊戯(画像クリックでDVD詳細へ)

 

そして、アンジェラ・マオ氏主演の「女活殺拳」(’72)、「燃えよドラゴン」(’73)等の自身が出演する作品も多数。

 

▼女活殺拳(画像クリックでDVD詳細へ)

▼燃えよドラゴン(画像クリックでDVD詳細へ)

 

「少林寺怒りの鉄拳」(’77)で監督に進出。

この映画がきっかけで、ブルース・リー氏の未完成作品「死亡遊戯」(’78)の武術指導をゴールデン・ハーベスト社より依頼される。

 

▼ブルース・リー氏

ブルース・リー氏については前のページでご紹介!

▼少林寺怒りの鉄拳(画像クリックでDVD詳細へ)

 

その後、尊敬するブルース・リー氏へのオマージュとして、自身が監督・主演の「燃えよデブゴン」(’78)を製作する。

 

▼画像は「燃えよデブゴン2」。(「燃えよデブゴン」の続編ではありません。)

 

当時出回っていた、ブルース・リー氏そっくりさん出演の映画とは一線を画す作品であり、サモハン氏の体型からは想像もつかないキレのあるアクションを繰り出す様は、ハイレベルかつ見事な香港カンフー映画であった。

また、この映画がきっかけで史上最強の「動けるデブ」として有名になった。

 

新たな時代を開拓

 

当時ブルース・リー氏の死と共に香港のカンフー映画は衰退し、コメディ映画に市場を取って代わられていた。

しかしサモハン氏の活躍は、香港映画界へ新たなシーンを打ち出すことに成功した。

そして、サモハン氏は1983年には「ピックポケット!」で第2回香港電影金像奨・主演男優賞を受賞する。

 

▼燃えよデブゴン4/ピックポケット!(画像クリックで商品詳細へ)

香港電影金像奨

日本では香港アカデミー賞ともいわれる中華圏で最も有名な映画賞式典の一つ。1982年より毎年行われている。

 

サモハン氏は盟友ジャッキー・チェン氏と共に、新たな時代のアクションを築き上げていった。

体を張った危険で大掛かりなスタントやアクションを次々と考案し、見事に成功させカメラアングルに収めていった。

そのようにして、サモハンは様々なアクション、コメディなどのヒット作品を生み出していった。

 

さらなる飛躍

 

1980年代半ばに入ると、サモハンは製作者としての才能を更に発揮し、中国の妖怪キョンシーを題材にした元祖キョンシー映画と言われている「妖術秘伝 鬼打鬼」(’80)を製作。

 

▼妖術秘伝 鬼打鬼(画像クリックでDVD詳細へ)

 

その後、道士役が主演のラム・チェンイン氏の当たり役となった「霊幻道士」(’85)がキョンシーブームの決定打となった。

 

▼ラム・チェンイン氏(真ん中)

▼霊幻道士(画像クリックでDVD詳細へ)

 

また、他にも80年代の作品に、ジャッキー・チェン氏等の香港の豪華俳優陣を集めた「福星シリーズ」と呼ばれる映画があり、全てサモハンの主演・監督作品である。

「五福星」(’83)や「香港発活劇エクスプレス 大福星」(’85)は香港、日本でヒットした。

 

▼五福星(画像クリックでDVD詳細へ)

▼香港発活劇エクスプレス 大福星(画像クリックでDVD詳細へ)

 

サモハン氏、ジャッキー・チェン氏、ユン・ピョウ氏等が学んだ香港の京劇学院の実話を映画化した文芸作「七小福 夢に生きた子供たち」(’88)では、サモハンはスパルタだが憎めない院長役で出演した。

 

▼七小福 夢に生きた子供たち(画像クリックで商品詳細へ)

 

この映画でサモハン氏は、第8回香港電影金奨の主演男優賞を受賞し、役者としても評価されるようになった。

 

アメリカ進出

 

1990年代後半アメリカでもカンフーブームが起き、様々な香港の俳優等がアメリカへ進出をした。

サモハン氏も1998年~2000年に放送されたアメリカの連続テレビドラマ「LA大捜査線 マーシャル・ロー」にて主演として出演。作品は好評で、サモハン氏はアメリカでも大人気となった。

また、ハリウッド進出を機に名前を「サモ・ハン・キンポー」から「サモハン」と短縮する。

 

▼LA大捜査線 マーシャル・ロー出演陣(写真左から2番目がサモハン)

 

現在、サモハン氏は66歳で香港映画界のレジェンドかつ最前線で活躍をしている。

近年の作品の一つとして2016年にサモハンの集大成とも言える「おじいちゃんはデブゴン」を発表。

この映画にはかつての盟友であるユン・ピョウ氏、ユン・ワー氏等出演者も豪華で、かつての香港カンフー映画ブーム期を彷彿させる作品である。

 

▼おじいちゃんはデブゴン(画像クリックでDVD詳細へ)

▼ユン・ワー氏(右上)

(ユン・ワー氏は後のページで紹介しています!)

 

サモハン氏作品の視聴方法

 

発表年 タイトル 視聴可能動画サイト
1972 「アンジェラ・マオの女活殺拳」
1973 「燃えよドラゴン」
1978~ 「燃えよデブゴン」シリーズ Hulu(4・7・10)
1983 「五福星」 Hulu
1985 「香港発活劇エキスプレス 大福星」 Hulu
1988 「七小福 夢に生きた子供たち」
1998~2000 ドラマ「LA大捜査線 マーシャル・ロー」
2016 「おじいちゃんはデブゴン」 Hulu

 

以上、サモハン(サモ・ハン・キンポー)氏の紹介でした。

次のページではジャッキー・チェン氏を紹介していきます。

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

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目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

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ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

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第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

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この章(第2章)ではカンフー映画のスター俳優をご紹介。

このページでは「本物」と言われた世界的に有名なアクションスター俳優、ブルース・リー氏を紹介します。

 

▼紹介する9人のカンフー映画スター俳優

名前 人物概要 主な出演作品
1 ジミー・ウォング カンフー映画界のレジェンド 「片腕必殺剣」
2 ブルース・リー⇐当ページ 「本物」のアクションスター 「燃えよドラゴン」
3 サモハン カンフー映画界の主要人物 「燃えよデブゴン」
4 ジャッキー・チェン 世界のジャッキー 「酔拳」「プロジェクトA」
5 ユン・ピョウ カンフー映画アイドルスター 「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」
6 ユン・ワー 中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー 「霊幻道士」
7 ラム・チェンイン 詠春拳の達人 「霊幻道士」
8 ジェット・リー 少林寺ブームの立役者 「少林寺」
9 ドニー・イェン 遅咲きのカンフー映画スター 「イップマン」

 

ブルース・リー李小龍

生年月日 1940年11月27日
本名 李振藩(リー・ジュンファン)
出身 サンフランシスコ⇒香港⇒ワシントン⇒香港
トレードマーク ヌンチャク、怪鳥音(アチョー)
子供 ブランドン・リー(俳優)他
師匠 イップ・マン
名言 「Don’t think, feel.」(考えるな、感じろ。「燃えよドラゴン」より)等

 

【ブルース・リーってどんな俳優?】

肉体や武術の技を極限まで突き詰めて鍛え上げた人物として、歴代のアクションスターの中で最も「本物」という言葉がふさわしく思います。

私がブルース・リー氏を初めに観た映画は「燃えよドラゴン」でしたが、始終シリアスなストーリーにもかかわらず、ブルース・リー氏が凄すぎて目が離せませんでした。

この映画は、一つの物事をストイックに突き詰めることについて考えるきっかけとなりました。

ブルー・スリー氏が活躍した時代の話は第1章で!(現在第2章です)

 

主な出演作品

発表年 タイトル
1941 「金門女」
1966-67 「グリーンホーネット」
1971 「ドラゴン危機一髪」
1972 「ドラゴン怒りの鉄拳」
「ドラゴンへの道」
1973 「燃えよドラゴン」
1978 「死亡遊戯」

 

ブルース・リー氏の略歴

誕生

 

父は広東オペラの人気俳優。父のアメリカ巡業中にサンフランシスコにて出生する。

 

▼ブルース・リー氏の父親、Lee Hoi-chuen氏

 

生後3か月でサンフランシスコにて製作されたエスター・エング監督の映画「金門女(ゴールデン・ゲート・ガール 日本版は無し)」(’41)で映画デビューをする。

その後香港で育ち、8歳頃から広東語映画の子役として多数の映画に出演。

 

広東語映画

1930年代~50年代にかけて製作された広東語映画のうち、全体の約40%を占めるのが、中国南部の伝統芸能「粤劇(えつげき)映画」と呼ばれていた広東オペラ映画

広東地方の伝統的な舞台演劇の演目から映画の題材を採用し、同時に舞台俳優をそのまま映画俳優として起用する場合が多かったよう。

 

ブルース・リー氏は少年時代から詠春拳(えいしゅんけん)をはじめ、少林拳、太極拳など様々な中国武術を学ぶ。

 

【コラム】詠春拳とは

▼詠春拳のイメージ

ブルース・リー氏も学んだことで有名な「実践本意の拳法」です。

詠春拳は、今から400年ほど前に中国の福建省で生まれたとされる武術で、女性武術家の「厳詠春(えん えいしゅん)」が創始したといわれています。

長江以南で広く行われる武術である南派拳法の「短橋狭(たんきょうきょう)()(手技が小さく、歩幅が狭い)」に属する武術です。

代表的な套路(とうろ:型の意)として小念頭(しょうねんとう)(初級)、(じん)(きょう)(中級)、標指(ひょうし)(高級)の3つがあり、詠春拳にこの三套路(さんとうろ)を定めたのが「詠春拳王」とよばれた梁贊(リャザン・18261901)です。

技術的な特徴は、飛んだり跳ねたりをせず、防御に重きが置かれ、あらゆる防御技術はそのまま攻撃技に直結するとされています。

木人(もくじんとう)(木の人形)を使用した訓練でも有名です。

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詠春拳三大手と呼ばれる膀手(ボンサオ)・攤手(タンサオ)・伏手(フォクサオ)とも全て防御技です。他に六点半棍(ろくてんはんこん)と呼ばれる棍術(こんじゅつ:棍棒の武術)と八斬刀(はちざんとう)という刀術が伝承されています。

 

詠春拳の修行は香港の武術家の葉問(イップ・マン)の下で5年間行う。

しかし、あまりに周りとの喧嘩が絶えなかったため、父より香港を離れ渡米を言い渡される。

ちなみに、後に葉問(イップ・マン)を主人公とした映画が制作される。

 

▼映画「葉問(イップマン)」(画像クリックでDVD詳細へ)

 

そして1958年、ワシントン州立大学に留学し、哲学を専攻。

アルバイトをしながら学業に取組むと同時に武術にも力を入れる。

 

截拳道(ジークンドー)の創設

 

1960年、ブルース・リー氏が最も信頼し、尊敬する弟子だった日系二世のターキー木村(木村武之)氏の勧めで、道場「振藩国術館(ジュンファン・グンフー・インスティチュート)」をチャイナタウンに開設する。

多様な格闘技からそれぞれの長所を採り入れた独自の武道「截拳道(ジークンドー)」を創設し、アメリカで多数の弟子を育てる。

 

截拳道(ジークンドー)とは

截拳道(ジークンドー)はブルース・リー氏を創始者としている武術で、ボクシングやフェンシング、合気道、柔術等の様々な武術から実践として使える箇所を採り入れている。

特定の形式や流派にとらわれずに、様々な突き・蹴りをはじめとする打撃技から、倒し・投げ・絞め・関節技など格闘技のあらゆるエッセンスを集大成した武術で、他の武術にあるような禁じ手(目突きや頭突き等)のない実践格闘術。現在でいうところの「総合格闘技」の先駆けとも言われる。

 

その後、ターキー木村氏と共に参加した広州市での武術大会においてチャンピオンになる。

これがハリウッドのプロデューサーの目に留まり、ドラマ「グリーンホーネット」の準主役を務めることになる。

 

▼グリーンホーネット(画像クリックでDVD詳細へ)

 

ハリウッドでの活躍を目指すが、1971年に香港へ戻り、ゴールデン・ハーベスト社と契約を結ぶ。

 

ゴールデン・ハーベスト社

1970年に設立された映画製作会社。大手香港映画会社ショウ・ブラザーズの制作本部長を務めていたレイモンド・チヨウとプロデューサーのレナード・ホーらが設立。

 

香港映画スターへ

 

主演映画第一弾「ドラゴン危機一髪」(’71)、続く「ドラゴン怒りの鉄拳」(’72)が爆発的な人気となる。

 

▼ドラゴン危機一髪(画像クリックでDVD詳細へ)

▼ドラゴン怒りの鉄拳(画像クリックでDVD詳細へ)

 

「ドラゴン怒りの鉄拳」から有名な怪鳥音がトレードマークのひとつともなる。

怪鳥音とはブルース・リー氏が発する「アチョー」という奇声の事。

 

そして、1972年に自身のプロダクション「コンコルド・ピクチャーズ」を設立し、自身が監督・主演・脚本・武術指導と担当した「ドラゴンへの道」を発表。

 

▼ドラゴンへの道(画像クリックでDVD詳細へ)

 

上記3作により、ブルース・リー氏の人気は香港において不動のものとなり、映画会社ゴールデン・ハーベストは興行収入で香港一の映画会社となった。

 

1972年秋から「死亡遊戯」の製作に入るが、ハリウッドとコンコルド・ピクチャーズとの合作となる「燃えよドラゴン」(’73)へ出演することとなり、「死亡遊戯」の製作は一時中断となる。

 

▼燃えよドラゴン(画像クリックでDVD詳細へ)

 

32歳で急死

 

しかし、ブルース・リー氏は「燃えよドラゴン」完成直後の1973年7月20日に32歳の若さで急死し、世界中に衝撃を与えた。

死亡当時、「死亡遊戯」で共演予定であった、女優ベティ・ティン・ペイ氏の香港の自宅で頭痛を訴え、鎮痛剤を飲んで横になった。

しかし、そのまま昏睡状態に陥ったためベティ・ティン・ペイ氏はレイモンド・チヨウ氏(現ゴールデン・ハーベスト会長)を呼び、そのままブルース・リー氏をクィーン・エリザベス病院へ搬送したが死亡が確認された。

 

その後、未完成の「死亡遊戯」(’78)は、約5年間の紆余曲折を経て、監督をロバート・クローズ氏、武術指導はサモ・ハン・キンポー氏が担当し、ユン・ワー氏やユン・ピョウ氏の俳優を起用し、補足撮影がなされ公開された。

 

▼死亡遊戯(画像クリックでDVD詳細へ)

▼サモ・ハン・キンポー氏

▼ユン・ワー氏(右上)

▼ユン・ピョウ氏

(サモ・ハン・キンポー氏、ユン・ワー氏、ユン・ピョウ氏については後のページでご紹介!)

 

ブルース・リー氏は武術界においても映画界においても多大な影響を及ぼした人物である。

 

ブルース・リー氏作品の視聴方法

 

各動画配信サービスの料金とブルース・リー氏作品の取り揃え数を表した表です!

TSUTAYA TV Amazon Prime Netflix Hulu dTV U-NEXT
料金(税込/月額) 1007円~ 400円 864円~ 1007円~ 540円 2149円
ブルースリー

※〇:豊富 △:ややあり ×:ほぼ無し

 

以上、カンフー映画スター俳優ブルース・リー氏の紹介でした。

次のページではサモハン(サモ・ハン・キンポー)氏をご紹介いたします。

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

【カンフー映画の取り揃えが豊富なのは「TSUTAYA TV」&「TSUTAYA DISCAS」!】

 

目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

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カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!

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第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

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サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

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第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

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七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

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アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

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第1章ではカンフー映画とは何か、そしてカンフー映画の歴史について解説をしています。

このページでは一大ブームを巻き起こしたカンフー映画スター俳優「ジャッキー・チェン」氏が活躍した時代のカンフー映画の歴史(後編)を解説をします。※カンフー映画の歴史を最初から知りたい方は第1章の最初のページからお読みください。

 

▼カンフー映画の歴史概要(リンククリックorタップで該当ページへ)

時代 主な出来事 主な俳優・女優
カンフー映画の始まり シヨウブラザーズ社の設立 チェンペイペイ
ジミー・ウォング時代 剣劇から拳脚アクションへ ジミー・ウォング
ブルース・リー時代 ゴールデンハーベスト社設立 / ブルース・リーの死 ブルース・リー
ジャッキー・チェン時代① 「蛇拳」「酔拳」ヒット ジャッキー・チェン
ジャッキー・チェン時代②⇐当ページ ジャッキー・チェン略奪事件 / 「プロジェクトA」ヒット ジャッキー・チェン / サモハン / ユン・ピョウ
次世代スター時代 「少林寺」「イップマン」ヒット ジェット・リー / ドニー・イェン

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ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

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第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

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第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

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ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

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第3章 カンフー映画を観る方法

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第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

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イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

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真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

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第1章ではカンフー映画とは何か、そしてカンフー映画の歴史について解説をしています。

このページでは誰もが知っているカンフー映画スター俳優「ブルース・リー」氏が活躍した時代のカンフー映画の歴史を解説をします。※カンフー映画の歴史を最初から知りたい方は第1章の最初のページからお読みください。

 

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時代 主な出来事 主な俳優・女優
カンフー映画の始まり シヨウブラザーズ社の設立 チェンペイペイ
ジミー・ウォング時代 剣劇から拳脚アクションへ ジミー・ウォング
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ジャッキー・チェン時代① 「蛇拳」「酔拳」ヒット ジャッキー・チェン
ジャッキー・チェン時代② ジャッキー・チェン略奪事件 / 「プロジェクトA」ヒット ジャッキー・チェン / サモハン / ユン・ピョウ
次世代スター時代 「少林寺」「イップマン」ヒット ジェット・リー / ドニー・イェン

 

ブルース・リー氏の時代

ゴールデン・ハーベスト社の設立

 

前のページまでで解説したように香港の映画会社シヨウ・ブラザーズは1960年代からカンフー映画の基礎をカンフー映画スター俳優のジミー・ウォング氏と共に作ってきました。

 

シヨウ・ブラザーズ社

香港の企業家ランラン・ショウ氏が立ち上げた香港の映画会社。後に「東洋のハリウッド」とも呼ばれる同社はカンフー映画の発展に大きく貢献した。詳しくは前のページで解説。

ジミー・ウォング氏(1943~)
カンフー映画ブームの基礎を作ったパイオニア的存在。ブルース・リー氏などのスターが出る前から活躍していたカンフー映画界のレジェンド。

▼ジミー・ウォング氏

 

そんな中、香港映画会社ショウ・ブラザーズの制作本部長を務めていたレイモンド・チヨウ氏は、プロデューサーのレナード・ホー氏等と1970年にシヨウ・ブラザーズ社から独立します。

レイモンド・チヨウ氏と同映画会社プロデューサーのモナ・ファン氏との確執からの事でした。

そこでレイモンド・チヨウ氏は新たな映画製作会社「ゴールデン・ハーベスト」を設立させました。

 

▼ゴールデン・ハーベスト社のロゴ

 

設立当初のゴールデン・ハーベスト社は、撮影所さえ所有できず、ロク・ワントー氏率いるキャセイ・オーガナイゼーションを母体とした映画会社MP&GI(國際電影懋業公司)の撮影所を借りて撮影をしていました。

映画会社MP&GIは先述したシヨウ・ブラザーズ社のライバル関係にある会社です。

 

 

しかし所属していた俳優も「看板スター」という俳優が不在で、ゴールデン・ハーベスト社による無名の俳優を中心とした映画製作は苦難を強いられていました。

 

【コラム】キャセイ・オーガナイゼーションとMP&GI


(出典:http://www.cathay.com.sg/”>http://www.cathay.com.sg/)

シンガポールを本拠地とする企業キャセイ・オーガナイゼーション(国泰機構)は、1956年に香港の子会社MP&GI(國際電影懋業公司)で、本格的な映画製作事業に乗り出しました。

マレーシアの富商の息子として生まれ、スイス・イギリスで教育を受けた陸運涛(ロク・ワントー)氏が代表のMP&GIは、都会的で洗練されたタッチの作品を数多く生み出しました。

葛蘭(グレース・チャン)氏、林黛(リン・ダイ)氏、林翠(リン・ツイ)氏、尤敏(ユー・ミン)氏、葉楓(イエ・フォン)氏といったスター女優を多く抱えて、短期間で香港映画会社ショウ・ブラザーズと並ぶ香港有数の映画会社に成長しました。

しかし、ライバル関係にあるシヨウ・ブラザーズ社と互いの所属するスター俳優やスタッフの引抜き合いなどによる激しいライバル争い等によって次第に経営が悪化していきます。

1964年にアジア太平洋映画祭が行われていた台湾において、ロク・ワントー夫妻や映画関係者の乗った飛行機が墜落し全員死亡するという悲劇によってMP&GIは失速しました。

1965年、ロク・ワントー氏の妹婿によって巻き返しを図りますが、シヨウ・ブラザーズ社がブームの中心にいた「新派武侠映画ブーム」(1960年代後半に起こった主人公が自身の復讐や仇討の完遂を目的とした映画のブーム)の波に乗り遅れたことが決定的となり、1971年に製作部門を閉鎖。最終的にスタジオはゴールデン・ハーベスト社に移譲されました。

▼現在のキャセイ・オーガナイゼーションのwebサイト
http://www.cathay.com.sg/

 

ブルース・リー氏の登場

 

そんな中、彗星のごとく現れたのがブルース・リー氏でした。

 

▼ブルース・リー氏

 

ゴールデン・ハーベスト社は看板俳優を獲得しようと、「空中必殺・雪原の血闘(影子神鞭/インズーシェンビェン)」(1971)の完成と同時に結婚し、渡米してしまった女優、チェン・ペイペイ氏に香港での女優復帰のオファーを試みました。

 

▼チェン・ペイペイ氏

 

しかしこれは拒否されてしまい、叶いませんでした。

(後日談ですが、チェン・ペイペイ氏は1973年に香港へ一時帰国し、ゴールデン・ハーベストで数本の作品に出演後、再びアメリカへ戻ります。)

 

そこで、多様な格闘技からそれぞれの長所を取り入れた独自の武道である截拳道(ジークンドー)をアメリカで創設させたブルース・リー氏へゴールデン・ハーベスト社はオファーをしました。

 

【コラム】截拳道(ジークンドー)とは

▼截拳道(ジークンドー)のイメージ

截拳道(ジークンドー)はブルース・リー氏を創始者としている武術で、ボクシングやフェンシング、合気道、柔術等の様々な武術から実践として使える箇所を採り入れています。

特定の形式や流派にとらわれずに、様々な突き・蹴りをはじめとする打撃技から、倒し・投げ・絞め・関節技など格闘技のあらゆるエッセンスを集大成した武術で、他の武術にあるような禁じ手(目突きや頭突き等)のない実践格闘術です。

現在でいうところの、総合格闘技の先駆けとも言えます。

また「截拳道(ジークンドー)」という言葉は格闘のスタイルだけではなく、ブルース・リー氏の思想(哲学)をも指します。

哲学をよく学んでいたブルース・リー氏は、武術に対する説明として「水のように動く」という表現を使い「水」を引き合いに出していました。

自身の心の成長を止めることなく、流れる水のように常に変化に柔軟に適応し、いざという時は、簡単に掴まれず傷つけられることのない強靭な心を養う、といった考えも截拳道(ジークンドー)の要素のひとつと言えます。

 

ブルース・リー氏は1970年4月に香港へ一時帰国をして、ショウ・ブラザーズ社と契約交渉を試みましたが、断られていたのでした。

彼はシヨウ・ブラザーズ社の監督キン・フー氏の熱狂的ファンだったとも言われています。

 

キン・フー氏(1931~1997)
中国の映画監督。中国の伝統的音楽劇「京劇」と剣で戦う映画「剣劇映画」を融合させた「京劇アダプテーション」と呼ばれる新しいアクション映画スタイルを生み出した。(キン・フー監督については前のページで解説)

主な監督作品に先述した女優チャン・ペイペイ氏主演の「大酔侠」。1975年に「侠女」で第28回カンヌ国際映画祭の高等技術委員会グランプリを受賞。

 

当時、ジミー・ウォング氏主演・監督の「吼えろ!ドラゴン、起て!ジャガー」が興行収益第一位を獲得していました。この映画を観たブルース・リー氏は「自分自身であればもっと凄い蹴りができる」と激怒したそうです。

 

▼吼えろ!ドラゴン、起て!ジャガー(画像クリックで商品詳細へ)

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ブルース・リー氏はアメリカでのテレビシリーズ「グリーンホーネット」で日本人のカトー役で注目されていました。

 

▼グリーンホーネット(画像クリックでDVD詳細へ)


 

そしてハリウッド進出を目指していましたが、1971年にゴールデン・ハーベスト社のオファーを受け、同社と契約を結び香港へ戻りました。

そして記念すべき主演映画第一弾である「ドラゴン危機一髪」(’71)のロケ地、タイへ向かいました。

 

▼ドラゴン危機一髪(画像クリックでDVD詳細へ)

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この映画はカンフー映画の革命とも言えるほどの衝撃を映画界へ与え、一夜にしてカンフー映画の歴史を刷新しました。

観客は、ブルース・リー氏ほどに極限に鍛え抜かれた肉体と精神を持つ俳優をこれまでスクリーンの中で観たことがなかったのでした。

この映画の中でも、三連続の猛スピードで打点の高い回し蹴りは「李三脚(りさんきゃく)」と呼ばれました。

そして続く第二作目「ドラゴン怒りの鉄拳」(’72)は抗日的なストーリー(敵が日本人という設定)にも関わらず日本でも前作を凌ぐ大ヒットとなりました。

 

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この映画の中で見受けられる『怪鳥音』と呼ばれる「アチョー!」といった独特の叫び、そして、たまたま撮影現場に遊びに来ていた日本人俳優・倉田保昭氏がブルース・リー氏へ贈ったと言われる武器『ヌンチャク』を使ったアクションは、ブルース・リー氏のトレードマークとなりました。

 

倉田保昭氏(1946~)
日本のアクション映画俳優。多くのカンフー映画に出演。「和製ドラゴン」の愛称で親しまれている。

 

ちなみに、この映画の中では、後に活躍するジャッキー・チェン氏が日本人・鈴木役のスタントとして出演しており、ブルース・リー氏にぶっ飛ばされています。

 

▼ジャッキー・チェン氏

 

ブルース・リー氏は続く三作目「ドラゴンへの道」(’72)では、同氏が監督も兼任し作品を発表します。

 

▼ドラゴンへの道(画像クリックで商品詳細へ)

 

その後休むことなく、「ブルース・リー/死亡遊戯」の製作に入りますが、クライマックスシーンを撮り終えた時点で一時中断し、ハリウッドのワーナーブラザーズとゴールデン・ハーベスト社の合作である「燃えよドラゴン」(’73)の撮影に入りました。

 

ワーナーブラザーズ
アメリカの大手メディア制作会社。テレビ・アニメ・映画など幅広く映像コンテンツを制作。スーパーマンシリーズ・エルム街の悪夢・ハリーポッターシリーズなどヒット作は多数。

▼燃えよドラゴン(画像クリックで商品詳細へ)

視聴可能動画サービス(19/2/22時点) U-NEXT/dTV/TSUTAYA TV

 

ブルース・リー氏の死

 

しかし、ここで悲劇は訪れました。1973年7月20日、ブルース・リー氏は、当時愛人と噂されていたベティ・ティンペイ氏宅で倒れます。

 

ベティ・ティンペイ氏(1947~)
台湾出身の女優。香港映画会社シヨウ・ブラザーズの作品など、多く出演。

 

救急車でブルー・スリー氏は緊急搬送されましたが、そのまま帰らぬ人となりました。

享年32歳とあまりに早すぎるブルース・リー氏の死は、香港だけに留まらず、世界中に大きな衝撃を与えました。ブルース・リー氏の葬儀は、香港とシアトルで2度行われました。

その後5年間の紆余曲折を経て、監督をロバート・クローズ氏、武術指導はサモ・ハン・キンポー氏(のちのサモハン氏)が担当し、未完成の「死亡遊戯」は補足撮影をされ1978年に公開されました。

 

ロバート・クローズ氏(1928~1997)
アメリカの監督。「燃えよドラゴン」(1973)の監督。
サモハン氏(1949~)

多くのヒット作の製作・監督・出演をするカンフー映画の主要人物。大きな体格にも関わらず、俊敏な動きで観る人を圧倒する。

photo by Sasoriza / Bryan Chanhttps://www.flickr.com/photos/sasoriza/114349755/ CC 表示-継承 2.0

▼死亡遊戯(画像クリックで商品詳細へ)

 

ブルース・リー氏という随一の看板スターを失ったゴールデン・ハーベスト社は、一度は香港を離れ再び戻ってきたジミー・ウォング氏やカンフー映画スター女優であるアンジェラ・マオ氏主演作品でショウ・ブラザーズ社に対抗します。

 

アンジェラ・マオ氏(1950~)
台湾出身の女優。「燃えよドラゴン」ではブルース・リー氏の妹役を演じた。合気道の達人でもある。

▼アンジェラ・マオ氏

アンジェラ・マオ氏は第5章で詳しく紹介!

 

しかし当時勢いを盛り返してきたショウ・ブラザーズ社に太刀打ちすることができませんでした。

そして、アクション映画市場もブルース・リー氏の死と共に「香港のカンフー映画は終わった」という風潮が漂い、カンフー映画の衰退期を迎えることになるのでした。

 

以上、ブルース・リー氏が活躍した時代のカンフー映画の歴史でした。次のページではカンフー映画の一時代を築いた「ジャッキー・チェン」氏が活躍した時代のカンフー映画について解説をしていきます。

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カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

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ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

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第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

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サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

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第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

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『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

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ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

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大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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