このページではカンフー映画マニア歴27年のHARUKA氏の「おすすめカンフー映画13選」を見所とともに紹介いたします。
さらに詳しくカンフー映画について知りたい方は「カンフー映画入門」をご覧くださいませ。
※このページはWebon編集部が「カンフー映画入門」の内容をまとめたものです。ちなみにHARUKA氏はカンフー映画マニア過ぎて、実際のカンフーの修行をしています。
▼HARUKA氏 著『カンフー映画入門』(全38ページ)
観る前に知っておきたい!カンフー映画の魅力!
カンフー映画は、俳優の身体能力を生かしたアクションシーンが多いのが特徴で、ストーリーは誰が観てもわかりやすいものばかりです。
カンフー俳優のスターたちは全員一流の武術家です。
カンフースターであるジェット・リー氏は中国全国武術大会において5年連続で優勝し、中国の至宝とも呼ばれました。「俳優が武術をする」というよりは「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりくるジャンルです。
▼ジェット・リー氏(解説はこちらで!)
カンフー映画は、主人公や登場人物が「武術(多くは中国拳法)によって鍛え抜かれた肉体技をいかに魅力的に見せるか」が重要視され、それが映画の一番の見どころとされています。ぜひ武術・肉体技に注目し、おすすめ映画をご覧くださいませ。
▼このページで紹介するおすすめカンフー映画9選
おすすめカンフー映画9選!
① 燃えよドラゴン
作品名 |
燃えよドラゴン |
公開 |
1973年 |
主演 |
ブルース・リー |
監督 |
ロバート・クローズ |
▼あらすじ
3年ごとに武術トーナメントが開かれる香港の小島。そこは、かつて少林寺の修道僧であった麻薬密売組織の支配者ハンが麻薬と暴力で君臨していた。一方、少林寺で修行を続ける若者リーは、ハンの部下に殺された妹の復讐のため、ひとり悪の要塞島に乗り込む。麻薬と陰謀が渦巻く要塞島に、ブルース・リーの怒りが炸裂する! (引用:amazon)
『燃えよドラゴン』はカンフー映画スター俳優のブルース・リー氏の名言「Don’t think, Feel.(考えるな、感じろ)」が誕生した映画。
カンフー映画初心者向けの映画であり、「ブルース・リーの代表作を観てみたい」という方におすすめです!
▼ブルース・リー氏(←詳しい紹介はこちら)
この映画はブルース・リー氏のヌンチャクさばきも話題になりました。この映画の後半で、敵の持っているヌンチャクを、ブルース・リー氏のもともと持っていた鉄の棒2本で奪い、元のヌンチャクの持ち主に返り討ちを食らわせるシーンがあります。
このシーンを当時スクリーンで観た少年たちは、大いに影響を受け、ヌンチャクを自分で作ったり買ったりしてブルース・リー氏の真似をしていたそうです。
他にもスタントマン時代のジャッキー・チェン氏が登場しており、ブルース・リー氏に抱きつきかかるも、髪の毛を掴まれて倒されるシーンも見どころです。
日本でも流行った名場面が盛りだくさん!アクション・名言・ヌンチャクなど当時流行したものばかり登場するカンフー映画なのです!
② 片腕カンフー対空飛ぶギロチン
作品名 |
片腕カンフー対空飛ぶギロチン |
公開年 |
1976年 |
主演 |
ジミー・ウォング |
監督 |
ジミー・ウォング |
▼あらすじ
前作で片腕になりながらも強敵を倒した主人公は、今回は武術道場を開いている。そして参加した大武闘大会で“空飛ぶギロチン”(というより回転ノコなんだけど…)を駆使する謎の老人を見る。その老人こそ、前作で仕留めた悪漢の師匠であった!
(引用:https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=0080152682&pT=null)
『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』は『片腕ドラゴン』の続編です。前作を観ていなくても楽しめる作品です!
この作品はカンフー映画のレジェンド「ジミー・ウォング」の代表作を観たい方におすすめ!
▼ジミー・ウォング氏(←詳しい紹介はこちら)
ジミー・ウォング氏はカンフー映画ブームの基礎を作ったパイオニア的存在。ブルース・リー氏などのスターが出る前から活躍していたカンフー映画界のレジェンドです。
コメディ要素も満載なので「カンフー」というアクションに馴染みが無い方でも楽しく観る事ができるでしょう。中国の清の時代が舞台なので日本とは異なる文化背景も楽しむことができます!
また、コメディ要素満載のキャラクターが登場します。
かつらがずれているのが目に見えてわかりながらも長いおさげで相手を倒す「弁髪(べんぱつ)」、ヨガ使いで手がビヨーンと伸びる「インド人」、なぜかムエタイも参加しているなど。ツッコミどころ満載です。
コメディ要素はありながら、本格的な中国の伝統武術が垣間見えるところも素晴らしく、本格的なカンフーを見せることができるところにも説得力を感じる事ができる映画です。
▼片腕ドラゴン(画像クリックで動画詳細へ)
『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』の詳しい紹介はこちら!
③ 酔拳
作品名 |
酔拳 |
公開年 |
1978年 |
主演 |
ジャッキー・チェン |
監督 |
ユエン・ウーピン |
▼あらすじ
カンフー道場のドラ息子、ウォン・フェイフォンは真面目に練習しない、町に出れば悪戯ばかりという放蕩ぶり。
見兼ねた父親は、息子を改心させようと、カンフーの達人、ソウ・ハッイーを呼び寄せた。厳しい修業で知られるソウ・ハッイーの元での修行を強いられたウォンは、酔えば酔うほど強くなる、という秘伝の拳法”酔八仙”を受け継ぐために苛酷な修業に励む。
そしてついに、奥義”酔八仙” を修得する!
(引用:https://www.amazon.co.jp/)
『酔拳』はカンフー映画初心者へおすすめ!
笑って楽しめて、身体技に「おぉ~」と唸る、ジャッキー日本初上陸作品!
ちなみに日本では「酔えば酔うほど強くなる」のキャッチコピーで売り出していましたが、実際の酔拳は飲酒して使う拳ではありません。映画の演出として、お酒を飲んで闘うシーンが採用されているのです。
この映画の注目ポイントは、主人公の師匠・スー役のユエン・シャオティエン氏です。カンフー映画の「”元祖”師匠役」と言っても過言ではないでしょうか。
▼師匠スー(ユエン・シャオティエン氏)
師匠のもとで修行するシーンを演じるジャッキーは演技を通り越して、本当に修行をしているよう。実際、寝る間を惜しんで演技練習をしたそうです。
少なからず、この修行シーンを真似した人は多いのではないでしょうか。
カンフー映画マニアのHARUKA氏は「くるみを指で割るシーンがあるのですが、私はピーナッツで真似していたことがある」そうです。
④ 豚(とん)だカップル拳
作品名 |
豚だカップル拳 |
公開年 |
1979年 |
主演 |
サモ・ハン・キンポー、ラウ・カーウィン(W主演) |
監督 |
ラウ・カーウィン(ブルース・ロー) |
備考 |
「燃えよデブゴン」シリーズ、「燃えよデブゴン6」などとタイトルがついている事も多いが数字の順に制作年が若いわけではない。さらに続編という訳でもなく日本でフジテレビが「燃えよデブゴン」というサモハン氏の作品がヒットした事から付けられた名称である。 |
少し変り種の作品。コミカルで痛快・愉快でユニークな設定のコメディカンフー映画です。
大枠のストーリーは
「槍の達人(ラウ)と刀の達人(サモハン)が、年に一度決まった場所で決着をつけるために闘ってきた。しかし決着がつかないまま年老いてきた。そこで、互いに弟子をとり修行をさせて10年後に闘わせ決着をつけようとする」
というもの。
年老いた槍の達人(ラウ)の弟子役には若きサモハンが、年老いた刀の達人(サモハン)の弟子役を若きラウが演じます。
サモハン氏主演のコメディカンフー映画を観たい方におすすめ!
▼サモハン
photo by Sasoriza / Bryan Chan – https://www.flickr.com/photos/sasoriza/114349755/ CC 表示-継承 2.0
『豚(とん)だカップル拳 』の詳しい紹介はこちら!
⑤ ユン・ピョウinドラ息子カンフー
作品名 |
ユン・ピョウinドラ息子カンフー |
公開年 |
1981年 |
主演 |
ユン・ピョウ |
監督 |
サモ・ハン・キンポー(現サモハン) |
備考 |
監督は俳優としても有名なサモ・ハン・キンポー氏。 |
▼あらすじ
名家のドラ息子・チャンは誰と闘っても必ず勝つと有名でした。そんなある日チャンの友人が、町にやってきた京劇の一座の女形をデートに誘いますが断られます。その腹いせにルン(デートに誘われた女形)と友人は格闘に発展し、友人は敗北。 チャンもルンと対戦することになりますが、太刀打ちできず。 この時、チャンが今まで自分が誰にも負けなかった理由が発覚。実は、裏で自分を過保護に思う父親が対戦相手にお金を払って負けさせていたのです・・・
「コミカルで笑いのあるカンフー映画」はジャッキー・チャン氏だけではありません!ジャッキー氏の盟友「ユン・ピョウ」氏の活躍を知らない方へおすすめします。ユン・ピョウ氏は、日本ではアイドル扱いをされていたカンフー映画スターで足技がとにかく美しい。
タイトル通り主人公はユン・ピョウ氏ですが、ラム・チェンイン氏も主人公と言えるくらい圧倒的な存在感を放っています。
ラム・チェンイン氏は京劇(中国伝統の音楽劇)の女役を演じていますが、この劇中で彼が見せる武術(詠春拳)の華麗さは、カンフー映画史上最高のひとつとされています。
ラム・チェンイン氏出演作品の中で最も華麗な武術(詠春拳)の技を堪能できる映画です。
▼真ん中で座っているのがラム・チェンイン氏
『ユン・ピョウinドラ息子カンフー 』の詳しい紹介はこちら!
⑥ 少林寺
作品名 |
少林寺 |
公開年 |
1982年 |
主演 |
リー・リンチェイ(現ジェット・リー) |
監督 |
チャン・シン・イェン |
▼あらすじ
かつて「中国・隋朝末期に悪の皇帝から後に唐の皇帝になる帝王を救った」と言われている武術修行を極めた13人の少林僧が悪の手から少林寺を守る物語・・・
カンフー映画を観るならば、外すことができない作品!
日本でも有名になった「少林寺」「少林寺拳法」の火付け役となった作品。
カンフー映画スター俳優、ジェット・リー氏の映画デビュー作としても有名。この作品では俳優が武術家を演ずるのではなく、多くの本物の武術家たちが少林僧や悪役を演じています。
▼ジェット・リー氏
俳優陣はジェット・リー氏を含め中国武術大会でのチャンピオンや、武術隊でコーチを務めていた方々で、相当スキルの高い武術家を集めて撮影された作品として、公開当時大いに話題になりました。
また、本物の武術家なだけに全編ノースタントでアクションシーンが撮影されています。※ノースタント=スタントマンを使わずに俳優がスタントを行う事
本編を観ると「身体技が凄い」とただただ感嘆するばかりです。
作品の設定上、少林寺の僧侶役たちは修行シーンがあり、武術が凄い印象を受けるのですが、悪役も相当な武術家なので、複数人相手の殺陣はもちろん1対1の闘いも見どころ満載です。
特に1対1で闘うシーンは、2人1組の演武(えんぶ:武術を披露する事)のようで、アクションでコミュニケーションを取りながらも身体技の芸術を観ているようです。
本作が大ヒットしたことによって、瞬く間に全世界に少林寺の存在を知らしめることとなり、多くの観光客や修行を希望する人たちが少林寺に押し寄せました。
⑦ 霊幻道士
作品名 |
霊幻道士(れいげんどうし) |
公開年 |
1985年 |
主演 |
ラム・チェンイン |
監督 |
リッキー・ラゥ |
▼あらすじ
化けモノ退治を生業とするガウ (チェン) 道士が、大富豪ヤンから先代の改葬を依頼される。墓を掘りおこしてみると、身体を縦にして埋葬したために、先代は怨念を抱き成仏できないでいた。
ガウ道士は、弟子のモン (モンチョイ) とセン (チュウサム) とともにその遺体を持ち帰るが、いつのまにかキョンシーとなって蘇った先代はヤンを殺害して逃亡。
3人はヤンの美しい娘ティン (ティンティン) を守るため、キョンシーを迎え討つことに。ところが、モンがキョンシーの毒にやられてしまい…。※() 内は吹替版の役名。(引用:Hulu)
中国の妖怪「キョンシー」ブームを巻き起こした映画です。キョンシーシリーズがこの映画の後に多く発表されました。
「キョンシー」は元祖・チャイニーズホラー映画であり、かつて日本でもキョンシーブームが起こりました。
今は亡きラム・チェンイン氏が最も活躍した映画です!
▼真ん中で座っているのがラム・チェンイン氏
見た目、立ち振る舞いからしてイメージ通りの完璧な道士を演じており、もはや「彼が道士像を創り上げた」といっても過言ではありません。
また、劇中のキョンシー退治に使う小道具やアイテム、道士や弟子達がやっているまじない的な動作もかなり魅力。
「人の髪の毛を一本抜いて、お札に包んで飲み込めば、自分の動作と同じ動作を相手にもさせてコントロールできる」
「キョンシーが近づいてきたら息を止めると自分の気配を消せる」
などのシーンは観ていてワクワクします。
⑧ プロジェクトA
作品名 |
プロジェクトA |
公開年 |
1983年 |
主演 |
ジャッキー・チェン |
監督 |
ジャッキー・チェン |
▼あらすじ
舞台は1990年代のイギリスの直民地となっている香港。最初は乱闘などを起こし敵対していた水上警察と陸上警察だったが、海賊を倒すために結束し・・・。
主演、監督、武術指導、脚本、主題歌をジャッキー・チェンが務めた。
ジャッキー氏が骨折してまで行われた「時計台のシーン」は伝説となっています。
高さ25mの時計台からジャッキー氏がスタントを使わずに落下する、というシーンで命がけで行われました、さらにNG1回を含む計3回もジャッキー氏本人が落下した事も伝説と言われる理由です。(NGシーンもエンドクレジットで観られます。)
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このシーンではジャッキー氏は一度は首の骨を折り、頸椎(けいつい)を損傷しました。それでも、下に張っているテントが突き破れなかったなど、納得がいかない点があり、ジャッキー氏は同シーンの撮影を取り直しました。
アクション以上に、プロ根性の質が真似できません。
ちなみにジャッキー氏本人が歌うテーマ曲「東方的威風」もぜひチェックしてもらいたい一曲です。多くの芸人さんにものまねされ、数ある香港映画・カンフー映画のテーマ曲の中でも最も人気があります。
⑨ スパルタンX
作品名 |
スパルタンX |
公開年 |
1984年 |
主演 |
ジャッキー・チェン |
監督 |
サモ・ハン・キンポー(現サモハン) |
▼あらすじ
現代のスペイン・バルセロナが舞台になっています。 パン屋の2階に下宿するトーマス(ジャッキー氏)といとこのデイヴィッド(ユン・ピョウ氏)は、ホットドッグなどのファーストフードを売って暮らしていました。 スケボーを乗りこなして注文を聞きフードを届けるトーマスと、調理をするデイヴィッド。そんな生活を送っていると、ある日彼らのもとに、シルビアという美しい女性が助けを求めて逃げ込んできます。 ちょうどその頃、私立探偵事務所の見習い探偵モビー(サモハン氏)のもとへ「シルビアという女性を探してほしい」という依頼が舞い込みます。実はシルビアは、資産家の伯爵の隠し子で遺産目的のために命を狙われていました。
本作は「プロジェクトA」撮影完了後にスペインを中心にヨーロッパで撮影されました。「プロジェクトA」同様にコメディ要素もありますが、異国の風情満載かつハラハラドキドキするシーンが盛りだくさんです。
本作の最も注目すべきシーンは、敵陣の古城へ乗り込んだ際に、当時現役の格闘王者であったベニー・ユキーデ氏対ジャッキー氏、キース・ヴィタリ氏対ユン・ピョウ氏の1対1の闘いシーンです。
▼ベニー・ユキーデ氏(アメリカの元キックボクシング選手)
photo by Hjelm001 CC 表示-継承 3.0
古城での闘いは、本物の選手とのハイレベルな本格格闘シーンとして見応えがあります。
また、ジャッキー氏、サモハン氏、ユン・ピョウ氏の3人が剣を持って息を合わせて「一心同体、三銃士!中国式免許皆伝!」(日本語吹き替え版)と言うシーンはとてもお茶目でカッコいいです。
▼そのシーンのイメージ
サモハン氏やジャッキー氏の映画ならではのコミカルさは残しつつも、オートバイ集団との殺陣や激しいカーチェイスなど、ハラハラドキドキの本格アクション映画となっています。
⑩ 七小福(夢に生きた子供達)
作品名 |
七小福(邦題:七小福 夢に生きた子供達) |
公開年 |
1988年 |
主演 |
サモハン |
監督 |
アレックス・ロゥ |
▼あらすじ
「幼少期のジャッキーが母親に連れられて京劇学院へ入るところ」から「青年期に学院が解散してしまい、映画界へ入っていくところ」までが描かれています。
映画のタイトルになっている「七小福」というのは、実際にある京劇学院(俳優養成学校)です。
京劇学院「七小福」については第5章で詳しく紹介!(現在第4章)
内容はカンフー映画ではなく文芸作品。カンフー俳優のスターであるジャッキー氏、サモハン氏、ユン・ピョウ氏の少年時代を描いた作品です。
彼らがどのようにして幼少期を過ごし、映画の世界へ足を踏み入れたか、その原点がわかる作品です。
毎日の厳しい訓練の中にもほのぼのとした子供たちの純粋さやあどけなさが描かれており、同時に時代の流れによって京劇が人々に求められなくなった様子が描かれています。(京劇=きょうげき:中国の伝統的な音楽劇)
登場人物の繊細な心の動きや表情に、切なさで胸が熱くなる感動作品です。
これまでVHSのみで、DVD化や動画配信はされておらずがっかりしていたのですが、公開30周年記念ということで昨年(2018年)11月7日にDVD・Blu-ray化され、発売されました。
▼Amazonで販売さています。
60年代の時代背景もよく表しており、子供たちが毎日真剣に京劇の練習に励むのに反して、ジワリジワリと時代の流行りに押され、徐々に京劇が衰退していく様子は切なく感じます。京劇の衰退、時代背景に涙!
『七小福(夢に生きた子供達)』の詳しい紹介はこちら!
⑪ シティーハンター
作品名 |
シティーハンター |
公開年 |
1993年 |
主演 |
ジャッキー・チェン |
監督 |
バリ―・ウォン |
▼あらすじ
社長令嬢・清子(後藤久美子氏)を捜索中、清子が乗ってしまった船にテロ集団も乗り込んでおり、冴羽獠(ジャッキー氏)がこの危機に挑んでいく・・・
1980年代後半の週刊少年ジャンプに連載された漫画「シティーハンター」を実写化した香港映画。原作からは大きく脚色されています。
▼漫画シティーハンター(画像クリックで商品詳細へ)
ジャッキー氏のアクションも好きだけど、コメディ全開を楽しみたい方へおすすめ!
本作品はジャッキー氏の映画において、日本の漫画「シティーハンター」を実写化したという珍しい作品です。
当時1980年代後半~1990年代前半の日本の文化色がとても色濃く出されている作品です。
作中にはかつて日本で流行った「あ、これ知ってる!」や「ジャッキーがこんなこともするんだ!」と感じるシーンが散りばめられているので、懐かしい日本を観るといった意味でも楽しむことができます。
日本でも流行り始めたスケボーや、日本のお笑いコンビ・とんねるずの「ガラガラヘビがやってくる」を、香港の人気ポップスユニットがカバーするなどのシーンがあります。
他にも、ジャッキー・チェン氏が日本でよく知られている格闘ゲーム「ストリートファイター2」のキャラクターに扮して闘うシーンは、秀逸というかシュールで完全にギャグです!
⑫ イップ・マン 序章
作品名 |
イップ・マン 序章 |
公開年 |
2008年(日本公開2011年) |
主演 |
ドニー・イェン |
監督 |
ウィルソン・イップ |
▼あらすじ
ある武術館の師範との手合せに勝ったイップ・マン(ドニー・イェン氏)は、町一番の武術家として知られるようになります。 そんな時、1937年に日中戦争が勃発。すぐにイップ・マンが済む佛山は日本軍の占領下となってしまいます。 イップ・マンの自宅は日本軍の司令部として没収され、一家は極貧生活を強いられます。家族のために石炭運びの仕事をする中、ある事件をきっかけにイップ・マンは日本兵に中国武術を教えることを強要されてしまいます。 それを拒否したイップ・マンは、中国武術の誇りをかけ、日本武術の名手である日本軍将校三浦(池内博之)と生死をかけた決闘をする・・・というストーリー
イップ・マンシリーズの第1作。ブルース・リー氏の唯一の師匠として知られている詠春拳の達人、イップ・マン氏。そんなイップ・マン氏が主人公の物語です。
▼実際のイップ・マン氏とブルース・リー氏が修行する様子
一見、ドキュメンタリー映画のように見えますが、実在したイップ・マン氏をヒーローに仕立てたエンターテイメント映画です。本作は中国、香港で驚異的大ヒットを記録し、後続にイップ・マンシリーズとして、「イップ・マン 葉問(2010)」「イップ・マン 継承(2015)」が製作されました。
カンフー映画のスター俳優のドニー・イェン氏が一躍スーパースターの仲間入りを果たすことができた渾身の作品を見たい方におすすめ!
▼ドニー・イェン氏
photo by Roger Wo [1] – https://www.flickr.com/photos/rogerwo/754841756/
本作の見どころは、なんといってもドニー・イェン氏のアクションです。ここぞとばかりに肝心な時に現れて、もの凄い説得力のある武術で相手をねじ伏せます。
また、ドニー・イェン氏の演技が、謙虚で穏やかな家族思いの武術家を演じているため、軍事的要素の強い壮絶な時代背景にもかかわらず、荒々しく見えないところも◎。
本作のためにドニー・イェン氏は一から詠春拳を練習したそうで、もともとカンフーの基礎が備わっているだけに、どこから見てもドニー・イェン氏自身も詠春拳の達人のようです(実際に武術の達人ではありますが)。
⑬ 捜査官X
基本情報
作品名 |
捜査官X(原題:武侠) |
公開年 |
2011年 |
主演 |
ドニー・イェン&金城武 |
監督 |
ピーター・チャン |
備考 |
多くの映画祭に招待された作品
- 第64回カンヌ国際映画祭特別招待作品
- 第16回釜山国際映画祭特別招待作品
- 第7回大阪アジアン映画祭クロージング作品
- 第55回サンフランシスコ国際映画祭特別招待作品
- 第2回フランス中国映画祭上映作品
- 第28回LAアジア太平洋映画祭特別招待作品
- 第67回エディンバラ国際映画祭特別招待作品
- 第16回ファンタジア国際映画祭特別招待作品
- 第11回NYアジアン映画祭特別上映作品
|
▼あらすじ
1971年、中国雲南省の小さな村で起こった強盗殺人事件をきっかけに物語は始まる。 事件を捜査するため村へ訪れた捜査官シュウ(金城武氏)は、死体を調べるうちに強盗犯人2人が指名手配中の凶悪犯であることを知る。 事件当時、製紙工場に勤める職人リウ(ドニー・イェン氏)が偶然居合わせており、リウが必死に応戦したことにより、強盗犯人2人は打ち所が悪く死亡。 しかし、シュウは入念に検死や現場検証を重ね、リウは偶然に正当防衛できたわけではなく、意図的に致命傷を狙ったのではないかと疑問を抱く。 人間の経脈やツボについての卓越した知識や、豊かな想像力でもって事件解明に挑むシュウは、やがてリウの隠された過去である凶悪な暗殺集団の一味だった事実へと辿りつく・・・
2000年代において打ち出された古き良きオーソドックスな武侠映画を観たいという方におすすめ!
ドニー・イェン氏はじめ豪華キャストで撮影されたカンフー映画です。
カンフー映画は原則として身体の技が見どころになるのに対し、武侠映画は主に刀剣を使ったアクションが見どころとなる映画です。
カンフー映画は中華圏で流行っていた武侠映画から発展してきた背景があります。刀や剣で戦うのが中心であった武侠映画で拳を使って戦う「カンフー映画」の土台を作ったのがこの「捜査官X」に出演するジミー・ウォング氏なのです。
▼武侠映画などのカンフー映画の歴史についてはこちらのページで解説!
原題はストレートな「武侠」というタイトルの通り、ストーリーも1970年代から流行りだした古き良きオーソドックスな「カンフー映画」そのものです。
以上「おすすめカンフー映画13選」でした。『カンフー映画入門』ではカンフー映画の歴史やスター俳優、また「カンフーとはどんな拳法か?」ということまでを知ることができます。ぜひともご覧くださいませ。
▼『カンフー映画入門』(全38ページ)
『カンフー映画入門』目次著者
著者:HARUKA
大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
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