カンフー（功夫）とは

 

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このページから第6章。第6章ではカンフー映画が好きすぎて実際にカンフーを習ってしまった著者がカンフーについて解説をしていきます。

 

 

功夫（カンフー）とは

 

これから「功夫（カンフー）とは何か」について解説していきますが、私たちが「カンフー」と聞いてまず思い浮かべるのは、ジャッキー・チェン氏が劇中でアクションをしているような

といった具体的な身体の動作、つまり「中国武術」でしょう。

▼ジャッキー・チェン氏

 

しかし、本来カンフーの本場中国では「功夫（カンフー）」という言葉はそのような身体的な武術のみを指すのではなく

「長い時間を費やして修練を積んだ人」

「長い時間をかけることにより培われた力・こと」

を一般的に指します。

 

 

本場中国では、日本や他の国の人たちが思い浮かべる「カンフー」、つまり中国武術を「武術（ウーシュー）」と呼びます。

 

では、現在のように日本や世界で「中国武術＝カンフー」の認識が強くなった理由はいったいどこにあるのでしょうか？

 

もともと中国の一部、広東省では伝統的な武術の呼び名として、武術を「功夫（gong fu、発音：コンフー）」と呼んでいたそうです。

 

 

そして1970年代に中国広東省の近くの香港で作られたブルース・リー氏の映画が世界的にヒットした際に、英語表記で中国武術の事が「kung fu 発音：カンフー」と表記されました。

 

▼ブルース・リー氏

 

それ以降、世界的に「カンフー」が中国武術の呼び名として広く定着したそうです。

本来の表記「武術（ウーシュー）」とは違えど、このようにしてエンターテイメントである「カンフー」と伝統文化の伝承「ウーシュー」が同様の意味として世界的に認識されるようになったのだと思います。

 

中国武術の起源

 

中国武術の起源は諸説様々あり、インドの伝統武術「カラリパヤット」から伝わったという説や紀元前206年～220年漢王朝時代に黄河沿いに住んだ人々の攻防の鍛錬からはじまった説など耳にします。

 

▼インドの伝統武術カラリパヤットの様子

photo by Leelavathy B.M CC 表示-継承 3.0

▼黄河が流れていた付近

 

どの説が真実かはわかりませんが、14世紀から20世紀初めにかけて目覚ましく中国武術が発達したのは事実で、そこから多くの地域で武術の門派（流派）や種類がいくつも生まれました。

その数は中国の多種多様な民族に比例して200～400種類もあると言われ、「素早く力強い動きがメインのもの」から「柔和で巧みな技を使うもの」まで千差万別です。

 

 

中国武術の効果としては「自己防衛」「体質増強」や「心身の鍛練」などがあげられます。

現代においての中国武術は、もはや戦いのための実践法ではなく趣味やスポーツという位置づけで親しまれるようになりました。

 

カンフーの大会

 

カンフー映画以外でカンフーを観て楽しめるものとして、大会などの競技があげられます。

試合形式には

・一定のルールのもとに相手と格闘して勝負を決めるもの（対抗性競技）

・一定の動作を演武してその技術水準を評価するもの（演武競技）

の２種類があります。

 

 

後者の「演武競技」とは、決められた時間とルールにもとづいて１人（組）ずつ演武し、審判員が与える得点によって順位を決定します。

アジア武術選手権大会、世界武術選手権大会では演武競技として

太極拳、太極剣、南拳、南刀、南棍、長拳、剣術、刀術、槍術、棍術

等の種目が行われています。（それぞれの動きのイメージはこの後提示します）

競技の評価は、10点満点で採点します。

その内訳は、武術としての姿勢や動作の正しさに６点、動作の均衡と力の運用の正しさに２点、精神、風格等の表現に２点を配分して、各種目について審判員が規則にもとづいた減点をします。

 

▼演武のイメージ動画（日本武術太極拳連盟公式チャンネルより）

 

日本人の私達からすると、中国武術は歴史が深くかなりディープな世界です。

ですが、映画の中のカンフースターへの憧れをきっかけに生きた伝統を学び、実際に体を動かすことでその効果が自身へと還元されます。そこに面白さがあると私は感じます。

 

大会種目の動き

▼太極拳

▼太極剣

▼長拳、剣術、刀術、槍術、棍術、南拳

 

以上、「カンフーとは」でした。

次のページでは有名なカンフーの種類について掘り下げて解説をしていきます。

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