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第1章 テキサスホールデムのルール
第2章 テキサスホールデムの確率
第3章 テキサスホールデムの戦略
テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】
第4章 練習問題集
テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】
テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】
第5章 実際にプレイしてみよう
番外編 専門用語集
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第3章ではオンラインゲームなどで海外のプレイヤーと対等に勝負ができるようテキサスホールデムの「戦略」について
【ポジション】【プリフロップ】【コンティニュエーションベット】【フロップ以降】【プレイスタイル】
のページに分けて解説しています。
このページでは、テキサスホールデムの世界で既に常識となっている【プリフロップ】時の基本的な戦略をご紹介していきます。
プリフロップの戦略
まずは、プリフロップにおける基本戦略についてです。
プリフロップは、ビッグブラインドとスモールブラインドがブラインドを支払った後に、2枚ずつ手札が配られ、プレイヤー全員がアクションを終えるまでのラウンドです。
ゲームに参加して2枚の手札が配られたとき、最初に考えなければいけないことは、その手札がプレイ可能であるかどうかです。
判断の前提
ただし、2枚の手札を見てプレイ可能かどうかを判断する上で前提として頭に入れておくべきことがあります。
それは
「ポジション」「テーブルにいる人数」「持っているチップの額」が判断基準を変える
という事です。
ポジションによってプレイできる手札の強さが異なることは前のページ「テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】」でお伝えしたとおりです。
テーブルの人数によって大きく左右される理由は、単純に後ろでアクションするプレイヤーの人数が異なることがその根拠です。
後ろでアクションする人数が多ければ強い役を完成させてくる可能性のあるプレイヤーが増えることになるので人数が多ければ自分はより強い役を作らなければなりません。
また、スタック(=手持ちのチップ)が極端に少なければ自分がどんなに弱い手札でもゲームに参加することがオッズ(=ポットオッズ)に合ってしまうような状況も考えられます。
たとえば、ポット(全員の賭け金の合計)が$2,000で自分のスタック(手持ちのチップ)が$100しかないとき、オッズ(=ポットオッズ)は2,100:100=21:1であるため、それ以上の20:1程度(20回に1回勝てる)の勝率を持つハンド(自分の手札とコミュニティーカード)以上であればベットすることが数学的に正しいプレイとなります。
ただし20:1程度(20回に1回勝てる)の勝率はかなり低いので、結果「弱いハンドでもベットすることが数学的に正しいプレイ」になってしまう、という事です。
このように、ポット(全員の賭け金の合計)に対してスタック(手持ちのチップ)が少なければ少ないほど、弱いハンドでもオッズに合う(=ベットすべきという判断をしなければならない)ようになります。
ちなみに自分の手札の勝利確率は「アウツ」というものを利用して求めます。オッズやアウツ・勝利確率の詳しい計算方法は、第2章で解説しています!(現在第3章)
プリフロップの判断方法
ゲームに参加できるハンド(手札)であるかどうかを判断する具体例として、フルリングのゲーム(チップが無くなってもお金を払えばチップを買える形式のゲーム)でアンダーザガン(アクションを開始する最初のプレイヤー)のポジションにいる時を考えてみます。
著者の経験や海外のポーカー掲示板の書き込みを踏まえると、本Webon第2章の「テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】」で解説したスターティングハンド表のグループ0~1、すなわち「AKs以上のハンドであればアンダーザガンのポジションではプレイ可能」であるという意見が一般的です。
▼スターティングハンド表
※○○sは柄が揃っていることをを意味しています。つまりAKsならA♠K♠など。
※T=10
グループ | 組み合わせ |
グループ0 | AA、KK |
グループ1 | QQ、JJ、AKs |
グループ2 | AQs、TT、AK、AJs、KQs、99 |
グループ3 | ATs、AQ、KJs、88、KTs、QJs |
グループ4 | A9s、AJ、QTs、KQ、77、JTs |
グループ5 | A8s、K9s、AT、A5s、A7s |
グループ6 | KJ、66、T9s、A4s、Q9s |
グループ7 | J9s、QJ、A6s、55、A3s、K8s、KT |
グループ8 | 98s、T8s、K7s、A2s |
グループ9 | 87s、QT、Q8s、44、A9、J8s、76s、JT |
<自分がアンダーザガンのポジションの時は薄い黄色の手札であれば「勝負OK」というのが一般的>
もちろんプレミアムペア(AA~QQの同じ数字が手札にある状態)でなければゲームに参加しない堅実なプレイスタイルのプレイヤーもいれば、弱い手札でも強気なベットをするようなアグレッシブなプレイヤーもいるため、一概に言い切れるものではありません。
▼プレミアムペアの例
テキサスホールデムではプリフロップの平均的な参加率はおよそ20%(つまり多くのプレイヤーは5回に1回しかゲームに参加しない。4回はフォールド(降りる)する)である、とされておりますのでまずは5回中1回を目安にゲームに参加してみると良いでしょう。
チップやお金が無くなるなどでゲームを脱落する人が増えて、ゲームに参加する人数が少なくなるにつれてプレイできる勝負できる手札の範囲も広くなっていきますのでその時はゲームに参加する手札の基準を緩めていってもいいかもしれません。
これは
「人数が多いとその分強い手札を持っている人が相対的に増えるが、人数が減れば相対的に強いカードを持っているプレイヤーも減っている可能性が高い」と言える
からです。
以上の事を参考にポジションや状況に応じた自分なりの基準を探ってみてください。
そして実際に判断を行うと同時にやっておくべきなのは以下で解説する「フロップ以降の想定」です。
フロップ以降の想定
そのハンド(手札)でゲームに参加することをプリフロップ(2枚の手札が配られた段階のターン)で決めたら、次にフロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降にどのようなアクションをするかを想定します。
逆にいえば、フロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降のアクションが想定できないハンド(手札)であった場合はプレイするべきではありません(プリフロップで降りるべき)。
ですのでプリフロップでゲームに参加するかどうかの判断をする際にはこのフロップ以降の想定ができていなければいけません。
たとえば手札がA♢K♣だった場合、フロップでAかKがヒットするかストレートドロー(後1枚でストレートが完成という状態)となればベット(レイズ)。
※T=10
それ以外ではフォールドする。
と決めておくことで、フロップ以降のラウンドにおける損失を最小限に抑えることができます。
また、下記のような投機的ハンド(強くなる可能性のある手札)はフロップでヒットしなかった(想定したコミュニティーカードが来なかった)際にフォールド(降りる)することが容易であるため、初心者にも扱いやすいスターティングハンドであるといえます。
▼初心者にも扱いやすいスターティングハンドの例 | |
スモールペア | 手札に2~6で同じ数字が揃っている状態 例:2♡2♠、6♣6♡ |
スーティッド | 同じ柄のカードが揃っている状態 例:3♡7♡、9♠5♠ |
コネクター | 連続した数字のカードが揃っている状態 例:9♢8♣、3♡2♢ |
※数字の強さはA⇒K⇒Q・・・3⇒2
アクションの考え方
フロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降のアクションが想定できたら、実際にプリフロップ(2枚の手札が配られた段階のターン)でアクションを行います。
標準的なオープンベット(ブラインド(SBとBBの強制ベット)以外にまだ誰もポットに参加していない時点おこなう初めてのベット)の額はビッグブラインドの3~5倍。
自分の前にリンパー(=リンプ(ブラインドに対するコール)しているプレイヤー)がいる場合には、リンパーひとりにつきビッグブラインドと同額をプラスしてベットします。
例えば、ブラインドがスモールブラインド$50、ビッグブラインド$100でその時点のポットが$150だったとき、オープンベットの標準額は$300~500ですが、前にリンパーが2人いるときにはそこに$200(BBの$100×2人)を上乗せします。
ビッグブラインドの3~5倍のベット額という大きさは、ビッグブラインドがフォールドするのに充分なオッズ(いくら払っていくら返ってくるかの比率。これが小さい(与えられる)と勝負しにくい。なぜなら「オッズが小さい」という事は投資に対するリターンがあまり大きくない事を示しているから)を与え、スモールブラインド・ビッグブラインドからチップを獲得する際の不要なリスクを抑えるという目的に基づいたものです。
テーブルの雰囲気を考慮しつつ、ビッグブラインドの3~5倍の範囲で基準となるベット額を定めたら、そのテーブルでゲームする限りはプロフリップ(2枚の手札が配られた段階のターン)時のハンド(手札)の強さによらずオープンベットは同じ額でベットし続けるようにしてください。
なぜなら、上手なプレイヤーであればそのわずかなベット額の差からあなたのハンド(手札)の強さを推測し、あなたのベッティングの癖を読み取ってしまうかもしれないからです。
ベット額にバリエーションをつける場合には、ハンドの強さにかかわらずランダムに変化させることで他のプレイヤーにハンドの強さを読まれにくくなります。
オープンベットの後、他プレイヤーがレイズ(賭け金を上乗せして賭ける)をしたときは、あなたのハンド(手札)の強さに応じてフォールド(降りる)するか、コール(前のプレイヤーと同額を賭ける)するか、リレイズ(さらに賭け金を上乗せして賭ける)するかを決定します。
可能であればレイズ額の許容範囲も含めて、レイズされた場合のアクションも事前に想定しておくようにしてください。
プリフロップ時の戦略【考え方の流れ】
状況 | 考えること | 判断基準 |
① 手札が2枚配られた | ゲームに参加できるハンド(手札)であるか考える。 | スターティングハンドなどに照らし合わせる。 |
② 参加できそうな手札だったら | フロップ以降のアクションを想定する。アクションが想定できない場合はフォールド(降りる)した方がよい。 | 手札に照らし合わせて「フロップでAかKがヒットがしなかったら降りる」など決める。 |
③ アクションを想定 | 適切な賭け額を決める。 | テーブルの雰囲気を考慮しつつ、ビッグブラインドの3~5倍の範囲で基準となるベット額を定める。 |
まとめ
・プリフロップでは最初にそのハンド(手札)でゲームに参加できるかどうかを考える。
・平均的な参加率はおよそ20%(5回に1回参加)程度。
・次に、他プレイヤーの行動も含めてフロップ以降のアクションを想定する。
・フロップ以降のアクションを想定できないハンドはプレイしない。
・標準的なオープンベット額はビッグブラインドの3~5倍。
・前にリンパー(ビッグブラインド(BB)にコールしたプレイヤー)がいたら1人につきビッグブラインドのベットと同額を上乗せする。
・そのテーブルでゲームをしている限りはハンドの強さによってベット額を変化させない。
以上、プリフロップ時の戦略でした。
次のページではテキサスホールデムの一般的とも言えるフロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階のターン)の戦略「コンティニュエーションベット」について解説をしていきます。
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