テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

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ポーカーの一種、「テキサスホールデム」は海外では多くの大会が開かれる大人気ゲーム。そんなテキサスホールデムをルール・確率・戦略…と初心者の方でも簡単に理解できるよう解説します。読めば海外プレイヤーとも対等に渡り合えるようになる!?

「テキサスホールデム入門 ~魅力的な投資ゲーム~」はこちらから!

はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

テキサスホールデムポーカーおすすめアプリ3選

テキサスホールデムのおすすめ本と道具

番外編 専門用語集

テキサスホールデム専門用語集

著者:國谷正明

テキサスホールデムのプレイ歴約4年。海外プレイヤーとのオンライン対戦を中心に洋書の教則本を読んで勉強。投資の要素が魅力の高度な知的ゲームであるテキサスホールデムの面白さを多くの人に伝えたいという思いがある。facebook(國谷)

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『テキサスホールデム入門』目次へ  (全18ページ)

 

このページから第1章です。第1章では

ゲームの流れ】【アクション】【ポジション】【】【ゲーム形式

のページに分けてテキサスホールデムのルールを初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。

このページでは全体的なゲームの流れとともに基本ルールを解説します。全くルールが分からない方でもこのページを読めば基本的なルールを理解する事ができます。

※テキサスホールデムポーカーにはローカルルールもあります。ここでは一般的なものをご紹介します。もちろん基本的なルールは同じですが、カジノなどで実際にプレイする際はその場でルールをディーラーなどに確認するか、見学して確認するかしましょう。

 

テキサスホールデムの基本ルール

 

まずはゲームの大枠を理解するために「ゲームの流れ」「勝敗」「参加人数・ディーラー」について解説をしていきます。

詳しい事はさらに下で解説していきますのでまずはゆっくりと大枠を掴んでいただければと思います。

 

ゲームの流れ

 

詳しいルールの話をする前にまずはテキサスホールデムが「どんなゲームなのか」を理解しましょう。

と、いうことでまずはテキサスホールデムポーカーのざっくりとしたゲームの流れからお伝えします。

 

テキサスホールデムポーカーの大枠ルールは下図のように、

『中央に配置された「コミュニティーカード」5枚』

それぞれのプレーヤーに配られた「手札」2枚』

を使ってより強いカードの組み合わせを作るゲーム、と言えます。

 

※実際のゲームでは他人の手札は見えません

 

厳密に言うとこの7枚(コミュニティーカード5枚+手札2枚)のうちいずれか5枚を使って組み合わせを作ります。

 

組み合わせ(役)については同章(第1章)の後のページで解説します! 組み合わせ(役)については同章(第1章)の後のページで解説します!

 

これをまずは頭に入れておきましょう。ちなみに今述べた下図のような形(コミュニティーカード5枚+手札2枚が場に出ている形)はゲームの最終形(終わりの段階)です。

 

▼ゲームの最終形

※実際のゲームでは他人の手札は見えません

 

この最終形になるまでに、以下のようにゲームは進んでいきます。

 

【大まかな流れ1】

まず各プレイヤーに2枚の手札カードが配られます。(他人のカードを見る事はできません)

 

 

【大まかな流れ2】

手札カードが配られたら、

1 「降りる」(その回のゲームから抜ける)

2 「賭ける」(チップを場に出す。ハイリスクハイリターン)

3 「賭ける金額を上乗せする」(他の人より多くチップを場に出す。2よりハイリスクハイリターン)

4 「賭けずに順番を回す」(様子を見る)

のうちのどれかの行動を全員が行います。

 

※「コール」は前の人と同じ金額を賭けること。行動の呼び方については後で解説します。 フラッシュ・・・テキサスホールデムポーカーの役(組み合わせ)の一つ。5枚同じ柄のカードを揃える役。

 

【大まかな流れ3】

続いて全プレイヤーが共通で使える3枚のカード(コミュニティーカード)が公開されます。

そしてコミュニティーカードは4枚目、5枚目と順次公開されていきます。

カードが公開される毎ターンで先程のように「降りる」「賭ける」「賭ける金額を上乗せする」「賭けずに順番を回す」の判断を各プレイヤーはしていきます。

 

※レイズ・・・賭ける金額を上乗せする

 

【大まかな流れ4】

コミュニティーカードが5枚公開され、最後に全員が賭けたり降りたりを判断したら手札を公開しカードの組み合わせ(役)の強さを比べます。

それぞれが自分の手札2枚とコミュニティーカード5枚の合計7枚のうち5枚を使ったカードの組み合わせ(役)を競い合います。

最も強い組み合わせ(役)を作った人が勝利になります。

勝った人はそのゲームでみんなが賭けたチップ(お金の代わりとなるもの)を獲得します。

 

※ワンペア・・・2枚の同じ数字が1組 ツーペア・・・2枚の同じ数字が2組 ハイカード・・・役なし フラッシュ・・・5枚同じ柄のカードを揃える役

組み合わせ(役)については後のページで解説してます! 組み合わせ(役)については後のページで解説してます!

 

以上でゲームは終了となります。

これが「知っておくとゲームの詳細を理解しやすくなる」大まかなゲームの流れです。

 

ゲームの勝敗

 

テキサスホールデムポーカーは各プレイヤーが出し合った賭け金(賭け金の合計は「ポット」と呼ばれます)を獲得することを目的として各プレイヤーはプレイします。

 

※コール・・・前の人と同じ金額を賭けること。

 

基本的に他のプレイヤーより強い役を作ることを目指しつつも、時にはゲームを降りたり、賭け金を増やしたりしながらゲームを進めていきます。

・最も強い役を作った人

・他の人が全員ゲームから降り、残った人

が勝者となり賭け金(ポット)を獲得します。

 

最も強い役を作った場合に勝利する事はもちろんですが仮に自分の役(カードの組み合わせ)が弱くても他の人が全員ゲームから降り、最終的に自分だけ残れば勝利する事ができるので「いかに相手を降ろすか(つまり”騙す”)」といった心理戦も勝敗を分ける事となります。

 

参加人数・ディーラー

 

テキサスホールデムポーカーは1テーブルにつき6~10人程度の人数でプレイすることが一般的です。

最低で2人いればプレイすることもできます。

 

▼10人でプレイする場合

 

最初のプレイヤーを起点に右回りの順でカードが配られたり、先ほど述べたカードが公開される度に行われる

1「降りる」2「賭ける」3「賭ける金額を上乗せする」4「賭けずに順番を回す」

のどれかの行動(「アクション」と呼ばれます)を決定したりしてゲームは進みます。

 

 

大会などのイベントやカジノでプレイする際にはディーラーがいますが、ディーラーの役割は

「カードをシャッフルして各プレイヤーに手札を配る」

「コミュニティカードを公開する」

といった裏方の役割のみでプレイに参加することはありません。

 

 

友人間などでプレイする場合には、ディーラーを立てずに各プレイヤーが持ち回りでその役割をこなすことがほとんどです。

 

・プレイヤーは最低2人。通常6~10人程度。

・ディーラーはプレイヤーが兼任できる。

 

ゲームの詳細

 

さて、ここまでゲームの基本的なルールを紹介してきましたがテキサスホールデムポーカーの大枠はご理解いただけましたでしょうか?

ここからはさらに一歩踏み込んで、先ほどより詳しくテキサスホールデムのゲームの流れを説明すると共にルールを解説していきます。

専門用語を解説しながら進みますが大枠が理解できていればそこまで難しくありませんので肩ひじを張らずに読んでいっていただければと思います。

初心者の方にも分かりやすく解説をしていきます。

 

【1】 まずプレイヤーが全員席につきます。

 

 

【2】 誰からカードを配るか、などゲームを進める順番を決めます。

 

 

この「順番を決める」際には「『ボタン』の役割を担うプレイヤー」を決めて順番を決めるのが一般的です。

「ボタンの役割」になった人は、特に何かするという訳ではありません。

『ボタン』の位置が決まることで、ゲームを進めるプレイヤーの順番が決まっていくので、そのために「ボタンの役割」のプレイヤーを決めるのです。

『ボタン』の基本的な決め方は、ディーラー(いなければプレイヤーのうちの一人)がプレイヤー全員にカードを表向きに配っていき、そのカードの数字が一番大きかったプレイヤーが『ボタン』、という決め方です。

また、数字の大きさが同じだった場合はマークの強さを比較し決定したりします。(強い順番にスペード♠、ハート♥、ダイヤ♦、クラブ♣が一般的です。)

 

▼『ボタン』を決める様子

 

『ボタン』のプレイヤーのところには目印としてディーラーボタンが置かれたりします。

 

▼ディーラーボタンの例

 

【編集部コラム】参加料がある場合

「ゲームの参加料」というものがある場合は『ボタン』の役割が決まった後に、プレイヤー全員が参加料を支払います。このように参加料を支払うのはドローポーカー(5枚の手札で役を作る、日本で最も一般的なポーカールール)では一般的ですが、テキサスホールデムポーカーでこの参加料がある場合は稀だそうです。

 

【3】 カードが配られる前に特定のプレイヤーがチップを払います。

 

 

先程『ボタン』のプレイヤーを決めると言いましたが、

『ボタン』の左隣にいるプレイヤーを『スモールブラインド(SB)』

さらにその左隣にいるプレイヤーを『ビッグブラインド(BB)』と呼びます。

※これらの名称は覚えておくと便利ですが覚えていなくてもプレイする事ができますのでややこしい場合は「なんとなく知っておく」程度で良いでしょう。

 

 

スモールブラインド(SB。ボタンの一つ左隣)とビッグブラインド(BB。ボタンの二つ左隣)はゲームが開始する前(カードが配られる前)にチップを支払う必要があります。

それ以外のプレイヤーは支払いません。

チップの額はカジノだとテーブルごとに決まっており、スモールブラインド(SB)の倍額のチップをビッグブラインド(BB)は支払います。

 

▼SBが$5ならBBは$10を払う!

 

このチップはスモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)が順番的に有利な事から支払う事を定められたルールなのです。

「なぜスモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)が順番的に有利なのか」については後のページで説明します。 ここではややこしくなってしまうので(ルールを理解する上では不要なので)割愛します。

 

SBとBBが有利な理由は同章(第1章)の後のページで解説! SBとBBが有利な理由は同章(第1章)の後のページで解説!

 

【4】 スモールブラインド(SB)から時計回りにして各プレイヤーに2枚ずつ手札カードが配られます。

 

 

【5】 プレイヤーは2枚の手札カードが配られたら「行動(アクション)」をとります。

 

 

この2枚の手札カードだけを頼りに各プレイヤーは

 

1 「降りる」(その回のゲームから抜ける)

2 「賭ける」(チップを場に出す。ハイリスクハイリターン)

3 「賭ける金額を上乗せする」(他の人より多くチップを場に出す。2よりハイリスクハイリターン)

4 「賭けずに順番を回す」(様子を見る)

 

のどれかの行動を決定していきます。この「行動」は『アクション』と呼ばれます。

おおまかに分けるとアクションは上記4つですが、厳密に言うとアクションは下記の6種類あります。

 

▼アクション一覧

アクション名 行動  種類
フォールド ゲームを降りること 降りる
コール 前のプレイヤーと同額のチップを賭けること 賭ける
ベット 最初にチップを賭けること。 賭ける
レイズ 相手の賭けた金額を上回る金額を賭けること 賭ける金額を上乗せする
オールイン 持っているチップを全額賭けること 賭ける金額を上乗せする
チェック 賭けずに次のプレイヤーに順番をまわすこと 賭けずに順番を回す
アクションについて詳しくは次のページで解説します! アクションについて詳しくは次のページで解説します!

 

この「アクション」は、ビックブラインド(BB)の左隣の位置に座っているプレイヤー(「アンダーザガン(UTG)」と呼びます)から時計回りに行っていきます。

 

 

ちなみにここまでの一連の流れ、つまり

『ビックブラインドとスモールブラインドがチップを払ってから、2枚の手札が配られて全員がアクションを終えるまでのターン』

「プリフロップ」と言います。

※「プリフロップ」などの専門用語は必ずしも覚えなくてもプレイする事はできますが覚えておくと便利です。難しい場合は「なんとなく知っておく」だけで大丈夫です。

 

ここからここまでが「プリフロップ」
SBとBBがチップを支払い

「アンダーザガン」からスタートして全員がアクションを終えるまでが「プリフロップ」。

 

【6】 プレイヤー全員が最初のアクションを終えたら、3枚のコミュニティカードが同時に公開されます。

コミュニティーカードは「ボード」とも呼ばれたりします。

 

※他人の手札は見えません

 

プレイヤーは2枚の手札と公開された3枚のコミュニティカード(ボード)の情報を基に『アクション(降りる・賭ける、などの行動)』を決定していきます。

ちなみに、

この時公開された3枚のコミュニティカード(ボード)

3枚目のコミュニティカードが公開されてから全員がアクションを終えるまでのターン

は両方とも「フロップ」と呼びます。

※フロップなどの専門用語は必ずしも覚えなくてもプレイする事はできますが覚えておくと便利です。難しい場合は「なんとなく知っておく」だけで大丈夫です。

 

 

先ほど説明した【5】の時は、アンダーザガン(UTG)のプレイヤー(つまりビッグブラインドの左隣)からアクションを開始しましたが、この3枚のコミュニティーカードが公開されたターン「フロップ」以降では、スモールブラインド(SB)から時計回りにアクションを行っていきます。

 

▼ここから先はSBからスタート!

 

ここからここまでが「フロップ」
3枚のコミュニティーカードが公開され

スモールブラインドからスタートして全員がアクションを終えるまでが「フロップ」。

 

【7】 3枚のコミュティーカードが公開されてから、プレイヤー全員のアクションが決定したら、4枚目のコミュニティカードが公開されます。

 

※他人の手札は見えません

 

そして各プレイヤーは2枚の手札と4枚のコミュニティカードを頼りに『アクション(降りる・賭けるなどの行動)』を決定します。

ちなみに、

この時公開される4枚目のコミュニティカード

4枚目のコミュニティカードが公開されてから全員がアクションを終えるまでのターン

は両方とも「ターン」と呼びます。

※ターンなどの専門用語は必ずしも覚えなくてもプレイする事はできますが覚えておくと便利です。難しい場合は「なんとなく知っておく」だけで大丈夫です。

 

 

ここからここまでが「ターン」
4枚のコミュニティーカードが公開され

全員がアクションを終えるまでが「ターン」。

 

【8】 4枚目のカードが公開されて、プレイヤー全員のアクションが決定したら最後の1枚(5枚目)のコミュニティカードが公開されます。

 

 

各プレイヤーは2枚の手札と5枚のコミュニティカードを頼りに最終的なアクション(降りる・賭けるなどの行動)を決定します。

ちなみに、

この時公開される5枚目のコミュニティカード

5枚目のコミュニティカードが公開されてから全員がアクションを終えるまでのターン

は両方とも「リバー」と呼びます。

※リバーなどの専門用語は必ずしも覚えなくてもプレイする事はできますが覚えておくと便利です。難しい場合は「なんとなく知っておく」だけで大丈夫です。

 

 

ここからここまでが「リバー」
5枚目のコミュニティカードが公開されて

全員がアクションを終えるまでを「リバー」と言う。

 

【9】 手札の公開

 

 

上記【5】~【8】まで(プリフロップ・フロップ・ターン・リバーという4回のターン)を終えて参加者全員のアクションが完了したら、それまでフォールドしなかった(ゲームを降りなかった)プレイヤー全員で手札を公開します。

ここで言う「参加者全員のアクションが完了」とは全員が賭けずに次の人へ順番を回す(チェックと言います)するか、賭ける金額を誰も上乗せしなくなる時の事を言います。

 

※コール・・・前の人と同じ金額を賭ける事

 

全員で手札を公開してもっとも強い役を完成させたプレイヤーが全員が賭けた金額(『ポット』と呼ばれます)を獲得します。

 

役の強さについては後のページで解説しています! 役の強さについては後のページで解説しています!

 

ちなみに、手札を公開し役の強さを比べることを「ショーダウン」と言います。

 

▼ショーダウンの様子

 

以上でゲームは終了となります。

これがテキサスホールデムの「大まかな流れ」から一歩踏み込んだ詳細なルールとなります。以下ではこの流れにならず例外的にゲームが終了する場合、やゲームの勝敗を左右する重要な「ベッティングアクション」について触れます。

 

ショーダウンまで行かずに終わる場合

 

今まで説明したように、テキサスホールデムは

 

①プリフロップ ・・・2枚のカードが配られてアクションをする。

 

②フロップ ・・・3枚のカードが公開されてアクションをする。

 

③ターン ・・・4枚目のカードが公開されてアクションをする。

 

④リバー ・・・5枚目のカードが公開されてアクションをする。

 

⑤ショーダウン・・・手札を公開し役の強さを比較する。

 

の順で進行していきますが、この①~④のラウンドでひとりを除くプレイヤーが全員ゲームから降りた(フォールド=ゲームから降りる事)場合、その時点でゲームが終了となります。

その場合はショーダウン(手札を公開し手札の強さを比較すること)せずに勝負が決定します。

 

 

つまり駆け引きが強ければ、最も弱い役でも賭け金(ポット)を獲得することが可能なのです。

 

重要な「ベッティングラウンド」

 

テキサスホールデムではカード(手札やコミュニティーカード)を見てから賭けるかどうかを決めるアクションのターンが毎回あることをここまででお伝えしていきましたが、これらの「アクションを決めるターン」ことを『ベッティングラウンド』と言います。

つまり先程の「ゲームのルール」の中で説明した

「プリフロップ」「フロップ」「ターン」「リバー」

を総称して『ベッティングラウンド』と呼びます。

 

▼ベッティングラウンド(アクションを決めている時)の様子

 

既に述べた通りテキサスホールデムでできる行動(アクション)は大きく分けると下記の4つになります。

1「降りる」

2「賭ける」

3「賭ける金額を上乗せする」

4「賭けずに順番を回す」

です。

手札やコミュニティーカードを見て、これらのアクションを決めるターンは「プリフロップ」「フロップ」「ターン」「リバー」と、計4回あります。

 

 

この4回のベッティングラウンドは自身で判断して行動するのでここにギャンブルではない「戦術」「戦略」が発生します。

その為ルールを把握するだけでなく、強くなるためにもベッティングラウンドについて深く知る必要があるということだけは頭に入れておきましょう。

 

▼ベッティングラウンド一覧

ベッティングラウンド 行動内容
プリフロップ

2枚ずつ手札が配られて、プレイヤー全員がアクションを終えるまで。
(ビックブラインド、スモールブラインドがブラインド(強制チップ)を支払う行動もプリフロップに含まれる)
フロップ

3枚のコミュニティーカードが公開されて、全プレイヤーがアクションを終えるまで。
ターン

4枚めのコミュニティーカードが公開されて、全プレイヤーがアクションを終えるまで。
リバー

5枚めのコミュニティーカードが公開されて、全プレイヤーがアクションを終えるまで。
ショーダウン
※ショーダウンはベッティングラウンドではない
ここまでゲームを降りなかったプレイヤー全員が手札を公開し、手札の強さを競う。
もっとも強い役を完成させたプレイヤーがポット(チップ)を獲得する。

 

以上、このページではテキサスホールデムポーカーのルールを初心者の方にも分かりやすく解説してきました。

次のページではテキサスホールデムポーカーのアクション、つまり「降りる」「賭ける」などの行動について詳しく解説していきます。

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目次著者
はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

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番外編 専門用語集

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著者:國谷正明

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テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

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第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

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第3章ではオンラインゲームなどで海外のプレイヤーと対等に勝負ができるようテキサスホールデムの「戦略」について

ポジション】【プリフロップ】【コンティニュエーションベット】【フロップ以降】【プレイスタイル

のページに分けて解説しています。

このページではフロップ(3枚のコミュニティーカードが公開されている段階のターン)からポストフロップ(フロップ以降。つまり「ターン」「リバー」)で使える5つの戦術を紹介いたします。

 

 

1 セカンドバレル

 

前のページテキサスホールデムの戦略 【コンティニュエーションベット】でご紹介した「コンティニュエーションベット」に関連したテクニックに、「セカンドバレル」というものがあります。

 

コンティニュエーションベット
プリフロップ(手札が2枚配られた段階のターン)でベット(レイズ)していたプレイヤーが、手札がフロップで公開された3枚のコミュニティーカードにヒットしていない(来てほしかったカードが来なかった)にもかかわらずベットすることです。コンティニュエーションベットにより他のプレイヤーに「ヒットしなかった」と思わせない事で相手をフォールド(降りる)させる戦術です。

具体的に説明すると、最初に配られた2枚の手札がA♡8♡だったとします。フラッシュを目指し、フロップ(3枚のコミュニティーカード公開)で♡の柄のカードが来ることを期待してプリフロップでレイズをしました。

しかし、フロップでコミュニティーカードに♡が一枚もありませんでした。この時に引き続き賭け金をベットして、あたかも強い手札になったかのように見せるのが「コンティニュエーションベット」です。詳しくは前ページで解説していますので参考にしていただければと思います。

 

「セカンドバレル」は、

「フロップでコンティニュエーションベットを打ったプレイヤーがターン(4枚目のコミュニティーカードが公開されるターン)でも連続してコンティニュエーションベットをおこなったときのベットのこと」

を意味します。

 

 

セカンドバレルでは、「ターン(公開された4枚目のコミュニティーカード)」がスケアカード(=他のプレイヤーのアウツ(役を作るカード)である可能性が高いカード)だったとき、継続して強さを主張することでポットの獲得を狙います。

要は、セカンドバレルは強気なアクションで相手をゲームから降ろさせるのが狙いです。

セカンドバレルに相手がコール(同じ金額を賭ける)してリバー(5枚目のコミュニティーカードが公開されるターン)まで進んだとき、さらにコンティニュエーションベットを打つことを「サードバレル」と呼びます。

3度にわたってブラフをおこなうには相応のリスクが伴いますので、相手のプレイスタイルやスタック(手持ちチップ)の大きさなどを充分に考慮した上で慎重に判断してください。

 

▼コンティニュエーションベットのベッティングラウンドごとの呼び方

ベッティングラウンド 名称
フロップ コンティニュエーションベット
ターン セカンドバレル
リバー サードバレル

 

2 インフォメーションベット

 

インフォメーションベットは、

「ベットして相手の反応を伺いハンドの強さを探る戦術」

です。

 

インフォメーションベットは、オリジナルレイザー(プリフロップで最初にレイズを行った人)のアクションから相手と自分のハンドの強さを推測することを目的とするものです。

 

 

インフォメーションベットは自分がプリフロップでベット(レイズ)をしておらず、且つプリフロップでレイズをしたプレイヤーがフロップでコンティニュエーションベットをしなかった場合にベットをする事です。

 

 

インフォメーションベットの額はポットの3分の1から半分程度が標準的な大きさであるとされています。(ポットが$1000なら、ベット額は$300~$500程度)

ただし、ベットする額によって相手のアクションから推測できるハンドの範囲も変わってきます。

 

たとえば、ポットの半分にあたる大きさのベットに対してコールされた場合と、ポットの3分の2にあたる大きさのベットに対してコールされた場合とでは、

後者の方がより大きな金額をベットしていることから相手は強いハンドを示唆するアクションであると読み取ることができます。

 

 

相手のハンドの強さを予測することで後のアクションによる損失を最小限に抑えられるだけでなく、場合によっては「フォールドエクイティ」を得られる可能性もあるため、コンティニュエーションベットと併せてぜひ覚えておきたいテクニックです。

 

フォールドエクイティ
フォールドエクイティとは「相手をフォールドさせることによって得られるエクイティ」のことを指します。「エクイティ」とは、勝負した時に返ってくると金額の見込みを意味します。つまりフォールドエクイティを得るという事は相手が得られた金額を得ている、という事になります。

 

3 フローティング

 

フローティングとは、

「ポジションがある状況(アクションの順番が遅くポジションの優位性がある状況)で他のプレイヤーがコールやチェックといった弱気なアクションをしたとき、ポットの獲得を狙ってベット(レイズ)をする行為」

を指します。

 

 

要するに、たとえ自分が強い手札ではなかったとしても、相手が弱気なアクションをしているということなので、自分が「強いカードを持っている」と思わせれば相手は降りる可能性があるということです。

そういう状況で、「レイズ(金額を上乗せして賭ける)」などの強気なアクションをすることで、相手をフォールドさせてポッドを獲得しようとすることを「フローティング」と呼ぶのです。 

 

例えば、コンティニュエーションベットをおこなったプレイヤーAがセカンドバレル(=ターンでコンティニュエーションベットをすること)をせずに「ターン(4枚目の手札が公開される段階のターン)」でチェックをしている場合があるとします。

 

コンティニュエーションベット
プリフロップ(手札が2枚配られた段階のターン)でベット(レイズ)していたプレイヤーが、手札がフロップで公開された3枚のコミュニティーカードにヒットしていない(来てほしかったカードが来なかった)にもかかわらずベットすることです。コンティニュエーションベットにより他のプレイヤーに「ヒットしなかった」と思わせない事で相手をフォールド(降りる)させる戦術。詳しくは前ページで解説していますので参考にしていただければと思います。

 

こういう場合でポジションのある(アクションの順番が遅くポジションの優位性がある状況)プレイヤーがレイズ(つまり「インフォメーションベット」)を行うと、

プレイヤーAはコミュニティーカードにヒット(来てほしいカードが来ること)していない限り、「コール(同じ金額を賭ける)」することは簡単ではありません。※なぜ、簡単ではないかは下記で解説します。

そのため、インフォメーションベットは冷静にフォールドすることができる慎重なプレイヤーや、コンティニュエーションベットを多用するプレイヤーが相手だった場合は有効です。

 

ただし、マージナルハンド(現状では勝てそうにない微妙なハンド)でもレイズを躊躇しないマニアックなプレイヤーにはインフォメーションベットをしてもあっさりとレイズされてしまうので効果が期待できません。注意しましょう。

 

※プレイヤーAがコールするのが簡単でない理由

テキサスホールデムにおいて「チェック」はハンド(手札)の弱さを示す弱気なアクションであるとされます。

ハンドの強さを主張する強気なアクションであるセカンドバレルをせずにチェックをしたということは、無駄なベット(賭けること)を控えて「損失を最小限に抑える方針」に切り替えたことを示唆しています。

そのため、ハンドの強さを主張するプレイヤー(つまりインフォメーションベットをしたプレイヤー)のベットにコール(同額を賭ける)をするようなリスクの高いアクションをおこなうことは合理的ではないからです。

(ただし、コミュニティーカードにヒットしてハンド(手札)が強くなったことを悟られないように、敢えて弱気なアクション(この場合は「チェック」)をしている場合には、勝ったときの利益を最大化するために他のプレイヤーのベットに対して「コール」することが合理的なアクションとなります。)

 

4 プロテクションベット

 

プロテクションベットとは、

「現時点では勝っているが、他プレイヤーが強くなれば負けてしまう可能性が高いハンドを相手が持っていて、その相手にフォールドを促すベット」

をプロテクションベットといいます。

その名のとおりドローハンド(現状では強くないが、ターンやリバーの時に公開されるカードによって強くなる可能性がある手札)から自分のハンドを「プロテクト(守る)」することを目的におこなうベットです。

 

方法としては、相手のハンドを予測した上でポットオッズを計算し、オッズに合わなくなる大きさをベットします。要はベットの額を増やし、「勝負するには見合わない!」と相手に思わせるのです。

ポットオッズとは
ポットの大きさとそのポットを得るために必要な投資額の比率のことです。要するに「いくら払って、いくら返ってくるか」ということの比率。ポットオッズが大きいと積極的に勝負した方が得だが、小さいと強い役でなければ勝負しない方が良くなる(「オッズに合わない」となる)。

 

たとえば、自分の手札がQ♠T♢でフロップで公開されたカードがQ♡T♣4♢、ターンが7♡だったときに、相手が♡のスーティッド(同じ柄のカード)をもっていると仮定します。※T=10

 

 

相手は♡の柄が4つ揃っているフラッシュドロー(同じ柄が4枚揃っている状態。後一枚でフラッシュが完成する状態)なので、相手プレイヤーにはおよそ4:1のオッズ(勝率)があると推測できます。(4:1のオッズというのは、4回に1回は勝てるという状態を表します。)

※ここで言うオッズは「勝率」「役が完成する確率」の事です。以下で説明する「ポットオッズ」とは別のものになります。

オッズ(勝率)の求め方
トランプは全カードの枚数や、それぞれの柄の枚数が決まっているので、ターンの時点でフラッシュドロー(後一枚でフラッシュが完成する状態)だと最後のリバーでは1/4の確率でフラッシュが完成すると計算によって求める事ができます。

詳しいオッズの求め方については第2章で解説しております。一覧表で見れば、オッズも一目瞭然です。

 

勝率(オッズ)がポットオッズを上回っていると相手にプレイを続けさせる数学的根拠を与えてしまいます。第2章で解説しましたが「勝率>ポットオッズ」であれば勝負をした方が勝率に対してリターンが大きい事を示すからです。

そのため、自分のハンドをプロテクト(守る)するためには意図的にポットオッズを膨らませて相手をフォールドさせなければなりません。

 

仮にその時点のポット(全員の賭けた金額の合計)が$1,000だった場合、$550をベットすればポットは$1,550+$550は$2100になります。

ポットオッズは「ポット(ベットする額も含めたポット):ベット額」なので

2100:550=3.8:1

となります。

つまりポットオッズ(オッズ)は3.8倍という事になります。3.8回に1回勝てれば収支がプラスマイナスゼロになるという事なのでこのポットオッズの勝負に参加するには3.8回に1回以上勝てる勝率を持った手札で無ければなりません。

 

 

オッズ(ポットオッズ)が、3.8:1で、勝率が4:1です。3.8回に1回以上勝たなくてはならないオッズなのに手札の勝利する確率は4回に1回です。

要するに、勝率から考えるとこの勝負をすると収支がプラスマイナスでマイナスになってしまう状況を作れた訳です。

結果相手はフォールド(降りる)することになるのです。

このようにしてプロテクションベットでは相手にコールすることが数学的に正しくないポットオッズを与えることができます。

もちろん相手を含めた他プレイヤーのスタック(手持ちチップ)量やプレイスタイルによってはそれでも「コール(同額を賭ける)」をしてくることも考えられますので、状況を慎重に見極めた上で活用してください。

 

コールが正しくなる状況とは
相手のスタック(手持ちチップ)が少ないためポットコミット(冒頭で説明しているような、ポット(全員の賭けた金額の合計)に対してスタックが小さいため弱い手札でもコールがオッズに見合ってしまう状態のこと)している場合は、このような状況でも相手はコールが正しくなります。

また、同じように、アウツ(役を作るために必要なカードの残り枚数)やポットオッズなどの基本的な概念を理解していない初心者や、勝率の低いハンドでも強気なベットやレイズを繰り返すマニアックなプレイヤーを相手にしている場合もプロテクションベットの成功率は低くなります。

 

5 バリューベット

 

反対に、自分のハンドがナッツ(Nuts, =その状況における最高のハンド)であると確信できるとき、利益の最大化を目的におこなうベットを「バリューベット」(Value Bet)と呼びます。

相手がコールすることが正しくなる為の最も大きなベット額をしっかり見極めることで、ポットを獲得した際の利益を最大限まで膨らませることが可能となります。

※ギリギリまでポットオッズが小さくなりすぎないような額をベットし続ける。その結果相手の勝率が低い手札であってもポットオッズが大きいので勝率が低い手札でもフォールドせずにベットし続ける。例)ポットオッズ=10倍(10回に1回の勝利で±0)なら勝率が9倍(9回に1回勝てる)でも勝負に参加してくる。

 

要は、相手にこっちを強い手札だと思わせて降りられないようにしながら、ポットの額を吊り上げるためのベットがバリューベットです。

 

まとめ

 

【セカンドバレル】

・フロップでコンティニュエーションベットをおこなったプレイヤーがターンで続けて打ったコンティニュエーションベットを「セカンドバレル」、さらにリバーで打ったコンティニュエーションベットを「サードバレル」という。

 

【インフォメーションベット】

・オリジナルレイザーがフロップでコンティニュエーションベットをせず、自分がプリフロップでベット(レイズ)していないとき、オリジナルレイザーにアクションを強いて情報を引き出すためのベットを「インフォメーションベット」という。

・インフォメーションベットの標準額はポットの3分の1から半額程度だが、ベットの大きさによって特定できるハンドの範囲も異なる。

 

【フローティング】

・ポジションがある状況で他のプレイヤーがコールやチェックといった弱気なアクションをしたとき、ポットのスチールを狙ってベット(レイズ)をする行為を「フローティング」という。

 

【プロテクションベット】

・ドローハンドから自分のハンドをプロテクトするために大きめのベットをすることをプロテクションベットという。

 

【バリューベット】

・自分のハンドがナッツであるとき、相手がコールすることが正しくなるもっとも大きな額をベットして利益の最大化を図ることをバリューベットという。

 

 

以上、フロップ以降で利用できる5つの戦術でした。

次のページではテキサスホールデムのプレイスタイルを紹介すると共に戦略的にどのようなプレイスタイルが有効か解説していきます。

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はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

テキサスホールデムポーカーおすすめアプリ3選

テキサスホールデムのおすすめ本と道具

番外編 専門用語集

テキサスホールデム専門用語集

著者:國谷正明

テキサスホールデムのプレイ歴約4年。海外プレイヤーとのオンライン対戦を中心に洋書の教則本を読んで勉強。投資の要素が魅力の高度な知的ゲームであるテキサスホールデムの面白さを多くの人に伝えたいという思いがある。facebook(國谷)

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テキサスホールデムの戦略③  【コンティニュエーションベット】

Webon紹介目次著者
ポーカーの一種、「テキサスホールデム」は海外では多くの大会が開かれる大人気ゲーム。そんなテキサスホールデムをルール・確率・戦略…と初心者の方でも簡単に理解できるよう解説します。読めば海外プレイヤーとも対等に渡り合えるようになる!?

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第3章ではオンラインゲームなどで海外のプレイヤーと対等に勝負ができるようテキサスホールデムの「戦略」について

ポジション】【プリフロップ】【コンティニュエーションベット】【フロップ以降】【プレイスタイル

のページに分けて解説しています。

このページでは、テキサスホールデムの世界で既に常識となっているフロップ時に利用する【コンティニュエーションベット】という戦略を紹介していきます。

 

既に述べたように、テキサスホールデムのプレイヤー間はお互いの手札がわからないなど、持っている情報は異なります。

より多くの情報を読み取ることで数学的に正しいプレイが可能となり、己の情報を秘匿することで相手に選択肢を誤らせることが期待できます。

 

その場の状況から正確に情報を読み取ることができなければ、優れたポーカープレイヤーたりえないと言えるでしょう。

前ページテキサスホールデムの戦略 【プリフロップの判断】ではプリフロップにおける基本戦略についてお伝えしてまいりましたが、本ページでは、フロップにおいて有効なテクニック「コンティニュエーションベット」についてご説明していきます。

 

コンティニュエーションベット

 

フロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階)において最も重要なテクニックのひとつに、「コンティニュエーションベット(Continuation Bet, 略称:C-bet)」があります。

 

フロップ
3枚のコミュニティカードが公開されてから、前のラウンドでフォールドしなかったプレイヤー全員がアクションを終えるまでのターン。

 

コンティニュエーションベットとは、プリフロップ(手札が2枚配られた段階のターン)でベット(レイズ)していたプレイヤーが、手札が公開されたコミュニティーカードにヒットしていない(来てほしかったカードが来なかった)にもかかわらずハンドの強さを主張するベットのことです。

 

コンティニュエーションベットの具体例と効果
最初に配られた2枚の手札が以下のようにA♡8♡だったとします。

フラッシュ(5枚同じ柄のカードを揃える役)を目指しフロップで♡の柄のカードが来ることを期待してプリフロップでレイズ(賭け金を上乗せして賭ける)をしたとします。

このような状況で、フロップで公開される3枚のコミュニティーカードに♡が一枚もなかった場合でも降りることなく引き続きベット(ゲームに参加)し、「あたかも強い手札になったかのように見せる戦術」を「コンティニュエーションベット」と言います。

コンティニュエーションベットはブラフ(はったり)の一種です。プリフロップの段階でベットやレイズをしているということは、他のプレイヤーに「強い手札を持っている」という認識を持たれていることでしょう。

そんな状況でコンティニュエーションベットをすれば、相手は「コミュニティカードと合わさって、さらに強い役になったのかな」と考えることでしょう。 そのため、他のプレイヤーがそこそこ強い手札であるにも関わらずフォールドさせることができたりするという戦略です。

 

コンティニュエーションベットはプリフロップでベット(レイズ)をしたプレイヤーがフロップでも継続的にベットをするものであるため、コンティニュエーションベットをおこなうにはそのプレイヤーがプリフロップの段階でベット(レイズ)をしている必要があります。

つまりプリフロップでベットした額に加えてフロップでもベットするので少なくない金額を投資する事になります。

それではコンティニュエーションベットをする場合フロップ以降ではそのくらいの金額を賭ければいいのでしょうか?

 

コンティニュエーションベットで賭ける額

 

コンティニュエーションベットの額はポットの半分から3分の2程度の額が標準的な大きさであるとされています。(ポットの額が$1000なら、$500~$750程度)

もしも標準的な額より少なめにベットした場合には、下記のようなメリットとデメリットがあります。

 

【メリット】

あえてプリフロップにおけるベット(レイズ)と同程度の額をベットすれば、他のプレイヤーにコールまたはレイズをされた場合でも大きな投資を行っていないので、損失を抑えることが期待できます。

【デメリット】

一方で、本来ならフォールドさせられていたはずのプレイヤーに「そんなに強い手札ではないのかも」などと思われて、コールするオッズを与えてしまう(オッズ=「いくら払っていくら返ってくるかの比率」。そのプレイヤーの賭ける額が少ないとオッズは上がる。つまり投資に対するリターンが高くなるので多くのプレイヤーがゲームに参加してくる事になる)可能性もあるため、状況に応じて慎重に使い分ける必要があります。

 

このように、コンティニュエーションベットでポットを獲得するのには決して小さくないリスクを伴いますが、コンティニュエーションベットを続けることでテーブルコントロール(=テーブルイメージを駆使して場を支配すること)が容易になり、結果的に大きなリターンを期待できるようになります。

テーブルコントロールは後述する「フォールドエクイティ」「フィアエクイティ」の獲得に直結する、非常に大切な要素です。

「フォールドエクイティ」と「フィアエクイティ」について解説する前に「コンティニュエーションベットを行うべきでない場合」について解説しておきます。

 

コンティニュエーションベットをしない方がいい時

 

以下の場合はコンティニュエーションベットを行うべきでないです。

① フロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階のターン)で自分より先にレイズをしているプレイヤーがいるとき(理由:さらに多額のベットをしなくてはならない等)

 

② 多くのプレイヤーがポットに参加している場合(理由:多くのプレイヤーがショーダウン(最後の手札公開段階)まで行こうとしている等)

 

コンティニュエーションベットはブラフの一種であるため、他のプレイヤーにコールをされてショーダウン(最後の手札の公開段階)まで進んだときの勝率はかなり低くなることがこれらの理由です。

 

エクイティ

 

先程、「テキサスホールデムではテーブルコントロール(=テーブルイメージを駆使して場を支配すること)をうまくすることで、大きなリターンが期待できるようになる」とお伝えしました。

テーブルコントロールをする上で、『エクイティ』について知ることは大切です。

 

エクイティとは

その時点における勝率とポットの大きさを掛けることで求められる期待値

を指す用語です。

要は「勝負した場合に返ってくると思われる見込みの金額」のことです。

 

エクイティはその時点における勝率とポットの大きさの積によって求められます。ここで言う「勝率」とは「この手札なら統計的に見て何%で勝てるか」というものです。

 

式:勝率×ポットの大きさ=エクイティ

 

たとえば、プレイヤーAとBの一騎打ちで、それぞれの勝率が70%と30%で、ポットが$1,000だった場合。

プレイヤーAは$1,000×70%で$700のエクイティ

プレイヤーBは$1,000×30%で$300のエクイティ

があることがわかります。

 

 

また、エクイティには「フォールドエクイティ」と「フィアエクイティ」の2種類があります。

 

フォールドエクイティとフィアエクイティ

 

フォールドエクイティとは「相手をフォールドさせることによって得られるエクイティ」のことを指します。

たとえば、上記のようにプレイヤーAのエクイティ$700、プレイヤーBのエクイティ$300の時。(つまりBの手札がAの手札より劣っている場合)

ハンド(手札)の強さで劣っているプレイヤーBがプレイヤーAに対して「Bは強い手札を持っているかもしれない・・・」と思わせてフォールドさせたならば、プレイヤーBは$700のフォールドエクイティを得ることができます。

 

 

また、積極的に「レイズ(前のプレイヤーより上乗せして賭けること)」するなどのアグレッシヴなプレイによって積み上げたイメージで相手に恐怖を与えることにより、相手が本来「コール(前のプレイヤーと同額を賭けること)」や「レイズ」をすべき状況でフォールドしてしまうなどして、得られたエクイティを「フィアエクイティ」と呼びます。

 

 

テーブルコントロールの重要性

 

さて、コンティニュエーションベットとエクイティについて理解したところで最後にテーブルコントロールの重要性を「ポット(全員の賭けた金額の合計)を獲得する方法」という観点から見ていきましょう。

 

ポットを獲得するためには、下記の2通りの方法があります。

① ショーダウン(最後の手札公開の段階)で他のプレイヤーに勝利する

② 他のプレイヤーを全員フォールドさせる

 

前者①でポットを獲得するためには他のプレイヤーよりも強い役を完成させなければならず、その確率は決して高いとはいえません。

一方、後者②の方法ならたとえ最弱のハンド(役)でもベッティングアクション(コール・フォールド・レイズなどのアクション)で他のプレイヤーを圧倒することができれば(フォールドさせる事ができれば)ポットの獲得が可能であるため、前者と比べてその機会は格段に多いといえます。

つまり、テーブルコントロールをすることはポットを獲得する機会を格段に増やしてくれるといえるのです。

 

 

テーブルイメージを作り上げることはエクイティを得るために必要不可欠であり、先ほど解説したコンティニュエーションベットはテーブルコントロールを維持する上で有効な手段なひとつです。

アグレッシヴなプレイスタイルで知られるポーカープレイヤー、ガス・ハンセン氏は「テーブルコントロールを維持するためには75~80%の頻度でコンティニュエーションベットをおこなう必要がある」と語っています。

 

▼ガス・ハンセン氏の著書

 

まとめ

 

・プリフロップでベット(レイズ)したプレイヤーが、コミュニティーカードがヒットしていないにもかかわらずフロップでも継続的にベットをすることを「コンティニュエーションベット」という。

・コンティニュエーションベットの標準額はポットの半分から3分の2程度。

・およそ75~80%の頻度でコンティニュエーションベットをおこなうことでテーブルコントロールを維持することができる。

・ポットを獲得するためには、

①ショーダウンで他のプレイヤーに勝利する

②他のプレイヤーを全員フォールドさせる

という2通りの方法がある。

・相手をフォールドさせて得たエクイティを「フォールドエクイティ」と言う。

・アグレッシヴなテーブルイメージで相手を恐怖させて得たエクイティを「フィアエクイティ」と言う。

 

以上、フロップで使えるテキサスホールデムの戦略「コンティニュエーションベット」の解説でした。

次のページではフロップ以降で使える5つの戦略を解説していきます。

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第1章 テキサスホールデムのルール

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第2章 テキサスホールデムの確率

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テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

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テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

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第3章ではオンラインゲームなどで海外のプレイヤーと対等に勝負ができるようテキサスホールデムの「戦略」について

ポジション】【プリフロップ】【コンティニュエーションベット】【フロップ以降】【プレイスタイル

のページに分けて解説しています。

このページでは、テキサスホールデムの世界で既に常識となっている【プリフロップ】時の基本的な戦略をご紹介していきます。

 

プリフロップの戦略

 

まずは、プリフロップにおける基本戦略についてです。

 

プリフロップとは

プリフロップは、ビッグブラインドとスモールブラインドがブラインドを支払った後に、2枚ずつ手札が配られ、プレイヤー全員がアクションを終えるまでのラウンドです。

 

ゲームに参加して2枚の手札が配られたとき、最初に考えなければいけないことは、その手札がプレイ可能であるかどうかです。

 

判断の前提

 

ただし、2枚の手札を見てプレイ可能かどうかを判断する上で前提として頭に入れておくべきことがあります。

それは

「ポジション」「テーブルにいる人数」「持っているチップの額」が判断基準を変える

という事です。

 

 

ポジションによってプレイできる手札の強さが異なることは前のページ「テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】」でお伝えしたとおりです。

テーブルの人数によって大きく左右される理由は、単純に後ろでアクションするプレイヤーの人数が異なることがその根拠です。

後ろでアクションする人数が多ければ強い役を完成させてくる可能性のあるプレイヤーが増えることになるので人数が多ければ自分はより強い役を作らなければなりません。

 

また、スタック(=手持ちのチップ)が極端に少なければ自分がどんなに弱い手札でもゲームに参加することがオッズ(=ポットオッズ)に合ってしまうような状況も考えられます。

たとえば、ポット(全員の賭け金の合計)が$2,000で自分のスタック(手持ちのチップ)が$100しかないとき、オッズ(=ポットオッズ)は2,100:100=21:1であるため、それ以上の20:1程度(20回に1回勝てる)の勝率を持つハンド(自分の手札とコミュニティーカード)以上であればベットすることが数学的に正しいプレイとなります。

ただし20:1程度(20回に1回勝てる)の勝率はかなり低いので、結果「弱いハンドでもベットすることが数学的に正しいプレイ」になってしまう、という事です。

このように、ポット(全員の賭け金の合計)に対してスタック(手持ちのチップ)が少なければ少ないほど、弱いハンドでもオッズに合う(=ベットすべきという判断をしなければならない)ようになります。

 

オッズ(ポットオッズ)
オッズ(ポットオッズ)とは、「ポットの大きさとそのポットを得るために必要な投資額の比率」のことです。要するに「いくら払って、いくら返ってくるか」ということの比率と言えます。この比率と自分の手札の勝率を鑑みて「勝負するかどうかの判断」をするのです。

ちなみに自分の手札の勝利確率は「アウツ」というものを利用して求めます。オッズやアウツ・勝利確率の詳しい計算方法は、第2章で解説しています!(現在第3章)

 

プリフロップの判断方法

 

ゲームに参加できるハンド(手札)であるかどうかを判断する具体例として、フルリングのゲーム(チップが無くなってもお金を払えばチップを買える形式のゲーム)でアンダーザガン(アクションを開始する最初のプレイヤー)のポジションにいる時を考えてみます。

 

 

著者の経験や海外のポーカー掲示板の書き込みを踏まえると、本Webon第2章の「テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】」で解説したスターティングハンド表のグループ0~1、すなわち「AKs以上のハンドであればアンダーザガンのポジションではプレイ可能」であるという意見が一般的です。

 

▼スターティングハンド表

※○○sは柄が揃っていることをを意味しています。つまりAKsならA♠K♠など。

※T=10

グループ 組み合わせ
グループ0 AA、KK
グループ1 QQ、JJ、AKs
グループ2 AQs、TT、AK、AJs、KQs、99
グループ3 ATs、AQ、KJs、88、KTs、QJs
グループ4 A9s、AJ、QTs、KQ、77、JTs
グループ5 A8s、K9s、AT、A5s、A7s
グループ6 KJ、66、T9s、A4s、Q9s
グループ7 J9s、QJ、A6s、55、A3s、K8s、KT
グループ8 98s、T8s、K7s、A2s
グループ9 87s、QT、Q8s、44、A9、J8s、76s、JT

<自分がアンダーザガンのポジションの時は薄い黄色の手札であれば「勝負OK」というのが一般的>

 

もちろんプレミアムペア(AA~QQの同じ数字が手札にある状態)でなければゲームに参加しない堅実なプレイスタイルのプレイヤーもいれば、弱い手札でも強気なベットをするようなアグレッシブなプレイヤーもいるため、一概に言い切れるものではありません。

▼プレミアムペアの例

      

 

テキサスホールデムではプリフロップの平均的な参加率はおよそ20%(つまり多くのプレイヤーは5回に1回しかゲームに参加しない。4回はフォールド(降りる)する)である、とされておりますのでまずは5回中1回を目安にゲームに参加してみると良いでしょう。

チップやお金が無くなるなどでゲームを脱落する人が増えて、ゲームに参加する人数が少なくなるにつれてプレイできる勝負できる手札の範囲も広くなっていきますのでその時はゲームに参加する手札の基準を緩めていってもいいかもしれません。

これは

「人数が多いとその分強い手札を持っている人が相対的に増えるが、人数が減れば相対的に強いカードを持っているプレイヤーも減っている可能性が高い」と言える

からです。

以上の事を参考にポジションや状況に応じた自分なりの基準を探ってみてください。

そして実際に判断を行うと同時にやっておくべきなのは以下で解説する「フロップ以降の想定」です。

 

フロップ以降の想定

 

そのハンド(手札)でゲームに参加することをプリフロップ(2枚の手札が配られた段階のターン)で決めたら、次にフロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降にどのようなアクションをするかを想定します。

 

フロップ
3枚のコミュニティカードが公開されてから、前のラウンドでフォールドしなかったプレイヤー全員がアクションを終えるまでのターン。

 

逆にいえば、フロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降のアクションが想定できないハンド(手札)であった場合はプレイするべきではありません(プリフロップで降りるべき)。

ですのでプリフロップでゲームに参加するかどうかの判断をする際にはこのフロップ以降の想定ができていなければいけません。

 

たとえば手札がA♢K♣だった場合、フロップでAかKがヒットするかストレートドロー(後1枚でストレートが完成という状態)となればベット(レイズ)。

 

※T=10

 

それ以外ではフォールドする。

と決めておくことで、フロップ以降のラウンドにおける損失を最小限に抑えることができます。

また、下記のような投機的ハンド(強くなる可能性のある手札)はフロップでヒットしなかった(想定したコミュニティーカードが来なかった)際にフォールド(降りる)することが容易であるため、初心者にも扱いやすいスターティングハンドであるといえます。

 

▼初心者にも扱いやすいスターティングハンドの例
スモールペア 手札に2~6で同じ数字が揃っている状態 例:2♡2♠、6♣6♡
スーティッド 同じ柄のカードが揃っている状態 例:3♡7♡、9♠5♠
コネクター 連続した数字のカードが揃っている状態 例:9♢8♣、3♡2♢

※数字の強さはA⇒K⇒Q・・・3⇒2

 

アクションの考え方

 

フロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降のアクションが想定できたら、実際にプリフロップ(2枚の手札が配られた段階のターン)でアクションを行います。

 

標準的なオープンベット(ブラインド(SBとBBの強制ベット)以外にまだ誰もポットに参加していない時点おこなう初めてのベット)の額はビッグブラインドの3~5倍。

 

 

自分の前にリンパー(=リンプ(ブラインドに対するコール)しているプレイヤー)がいる場合には、リンパーひとりにつきビッグブラインドと同額をプラスしてベットします。

 

 

例えば、ブラインドがスモールブラインド$50、ビッグブラインド$100でその時点のポットが$150だったとき、オープンベットの標準額は$300~500ですが、前にリンパーが2人いるときにはそこに$200(BBの$100×2人)を上乗せします。

 

ビッグブラインドの3~5倍のベット額という大きさは、ビッグブラインドがフォールドするのに充分なオッズ(いくら払っていくら返ってくるかの比率。これが小さい(与えられる)と勝負しにくい。なぜなら「オッズが小さい」という事は投資に対するリターンがあまり大きくない事を示しているから)を与え、スモールブラインド・ビッグブラインドからチップを獲得する際の不要なリスクを抑えるという目的に基づいたものです。

 

テーブルの雰囲気を考慮しつつ、ビッグブラインドの3~5倍の範囲で基準となるベット額を定めたら、そのテーブルでゲームする限りはプロフリップ(2枚の手札が配られた段階のターン)時のハンド(手札)の強さによらずオープンベットは同じ額でベットし続けるようにしてください。

なぜなら、上手なプレイヤーであればそのわずかなベット額の差からあなたのハンド(手札)の強さを推測し、あなたのベッティングの癖を読み取ってしまうかもしれないからです。

 

 

ベット額にバリエーションをつける場合には、ハンドの強さにかかわらずランダムに変化させることで他のプレイヤーにハンドの強さを読まれにくくなります。

 

オープンベットの後、他プレイヤーがレイズ(賭け金を上乗せして賭ける)をしたときは、あなたのハンド(手札)の強さに応じてフォールド(降りる)するか、コール(前のプレイヤーと同額を賭ける)するか、リレイズ(さらに賭け金を上乗せして賭ける)するかを決定します。

可能であればレイズ額の許容範囲も含めて、レイズされた場合のアクションも事前に想定しておくようにしてください。

 

プリフロップ時の戦略【考え方の流れ】

状況 考えること 判断基準
① 手札が2枚配られた ゲームに参加できるハンド(手札)であるか考える。 スターティングハンドなどに照らし合わせる。
② 参加できそうな手札だったら フロップ以降のアクションを想定する。アクションが想定できない場合はフォールド(降りる)した方がよい。 手札に照らし合わせて「フロップでAかKがヒットがしなかったら降りる」など決める。
③ アクションを想定 適切な賭け額を決める。 テーブルの雰囲気を考慮しつつ、ビッグブラインドの3~5倍の範囲で基準となるベット額を定める。

 

まとめ

 

・プリフロップでは最初にそのハンド(手札)でゲームに参加できるかどうかを考える。

・平均的な参加率はおよそ20%(5回に1回参加)程度。

・次に、他プレイヤーの行動も含めてフロップ以降のアクションを想定する。

・フロップ以降のアクションを想定できないハンドはプレイしない。

・標準的なオープンベット額はビッグブラインドの3~5倍。

・前にリンパー(ビッグブラインド(BB)にコールしたプレイヤー)がいたら1人につきビッグブラインドのベットと同額を上乗せする。

・そのテーブルでゲームをしている限りはハンドの強さによってベット額を変化させない。

 

以上、プリフロップ時の戦略でした。

次のページではテキサスホールデムの一般的とも言えるフロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階のターン)の戦略「コンティニュエーションベット」について解説をしていきます。

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目次著者
はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

テキサスホールデムポーカーおすすめアプリ3選

テキサスホールデムのおすすめ本と道具

番外編 専門用語集

テキサスホールデム専門用語集

著者:國谷正明

テキサスホールデムのプレイ歴約4年。海外プレイヤーとのオンライン対戦を中心に洋書の教則本を読んで勉強。投資の要素が魅力の高度な知的ゲームであるテキサスホールデムの面白さを多くの人に伝えたいという思いがある。facebook(國谷)

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テキサスホールデム入門 ~魅力的な投資ゲーム~

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。『ノワール文学入門』『エキゾチックアニマル入門』などのコンテンツ作成も手掛ける。facebook(國谷)

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「テキサスホールデム」はポーカーの一種です。ポーカーは単なるギャンブルゲームではなく投資要素の強い魅力的なゲームだと著者は語ります。

このWebonを読めばテキサスホールデムの魅力を知れると共に海外のプレイヤーとも互角に戦える知識をつける事ができます。是非、テキサスホールデムの魅力的な世界へ足を踏み込んでいただければと思います!

 

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はじめに

テキサスホールデムは「投資ゲーム」です。アメリカでは金融業界でも注目されている投資要素としてのポーカー「テキサスホールデム」の魅力を解説します。

テキサスホールデムとは

 

第1章 テキサスホールデムのルール

まずはテキサスホールデムのルールを学びましょう。初心者の方にも分かりやすく解説をしておりますので誰でも簡単に学ぶ事ができるでしょう。

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

 

第2章 テキサスホールデムの確率

確率を知ればテキサスホールデムでどのようにプレイするのが良いかわかります。そして上達すればよりテキサスホールデムが楽しくなります。

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

 

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムには定番戦略があります。海外のプレイヤーとも対等に渡り合えるようひとつずつ戦略を学んでいきましょう。

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

 

第4章 練習問題集

第1章~第3章までで学んだ事をおさらいしましょう。体に脳にルール・戦略を沁みつけてさらに腕を磨きましょう。

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

 

第5章 実際にプレイしてみよう

実際にテキサスホールデムをプレイしてみましょう。この章では著者がおすすめするアプリ3つとテキサスホールデム関連書籍、そして知人とプレイする時に持っておくといいおすすめ道具を紹介します。

テキサスホールデムポーカーおすすめアプリ3選

テキサスホールデムのおすすめ本と道具

 

番外編 専門用語集

テキサスホールデムポーカーに登場する専門用語を集めました。実際にプレイする中で、または学んでいく中で分からない用語があった際には覗いてみてください。当Webonに出てきていない用語も記載しています。

テキサスホールデム専門用語集