ロリータファッションが流行や売上に捕らわれない理由

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20年以上ロリータファッションを愛し続けた筆者がロリータファッションの基礎知識とリアル過ぎるロリータ事情を語ります!これからロリータを着る人必読!現実とのバランスのとり方も含めてロリータについてまるっと学べるロリータ入門の決定版!

ロリータファッション入門 ~現実世界とのバランスを考えた楽しみ方~(全22ページ)はこちらから!

著者:佐藤遊佳(さとう ゆうか)

高校卒業と同時にロリータファッションに目覚め、以来13年間私服ではずっとロリータ服やゴシック&ロリータ服を着続ける。鍼灸師として患者さんを診るかたわら、ロリータファッションの服飾小物、アクセサリーの個人作家として活動。現在は結婚し地元で鍼灸院を開業し、執筆活動もしている。

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この章では5ページにわたってロリータファッションの魅力についてお伝えしております。

このページではロリータファッションの魅力である「流行や売り上げに捕らわれない自由」についてお伝えします。

 

流行や売り上げに捕らわれない自由

 

パリコレを代表とするモードの世界を見ていると、コレクション(=新作服の発表会)で作られた流行が忠実に現実世界に降りてきているのがよく分かります。

 

モード

モードとは各ブランドやパリコレなどのファッションショーで提示する印象や着こなし。要するに流行の服。モードはコレクションや各ブランドを主体に流行を先導するが、ロリータファッションではそういったことは行われない。

 

ファッションは本来、デザイナーが発信する流行で左右され、流行り廃りも激しいもの。アパレル業界は売り上げにシビアですし、デザイナーが「売れる服」を作るのも仕事のうちです。

 

これに対して、ロリータファッションはもともと流行や売り上げから遠いところがスタート地点です。

ロリータスタイルはストリートファッションから生まれました。

 

ストリートファッション

ファッションデザイナーやアパレル企業などが生み出すファッションではなく、ストリートの若者たちから自然発生的に生まれたファッションのこと。

 

ストリートファッションとして誕生し、その後も数々のサブカルチャーを取り込んで細分化されていき、その過程で流行なども発生しました。

通常のファッションであれば流行に合わせないと浮いてしまうこともあるかと思います。

ロリータの間でも無地が流行ったり、プリントが流行ったりすることもありましたが、それでも比較的自由に自分だけの着こなしが出来ることがロリータファッションの魅力のひとつです。ロリータファッションを着ている人たちは流行に限らず何十年も前の服を大切に着まわしたりします。

 

もちろんロリータファッションの礎になったフェミニン(=柔らかさのある女性らしいファッション)な大手ブランドもあります。

 

【フェミニンな大手ブランドの例】

アツキオオニシ・カネコイサオ(ピンクハウス)・SUGAR・MILKBOY・エストなど。ロリータが流行る前に下地としてあったフレンチガーリー、OLIVE少女のファッション。

 

ただ、ロリータファッションは流行にとらわれず可愛い服を作りたいというインディーズブランドと、自分らしい着こなしをする一般消費者(主に若年層少女)が作り上げたファッションスタイル。

「流行に左右されず作りたいものを作る。着たいものを作る」という潔さが多くの少女、時には少年の心をとらえたのでしょう。

 

▼インディーズブランド紹介雑誌


写真:インディーズデザイナーブックMO2Z リクルートホー出版

▼インディーズデザインの中身


写真:インディーズデザイナーブックMO2Z リクルートホー出版

 

この画像は1999年発行のインディーズブランド紹介雑誌ですが、今や押しも押されぬ代表ブランドになっているロリータブランド「innocent world」がこの頃から精力的に活動していたことが分かります。

(ちなみに「innocent world」は、ロリータなら誰でも知っている今現在も人気の超大手です。この雑誌を見るとそんな大手がインディーズ雑誌時代からコツコツやっていたことがわかります。今のinnocent worldの規模から言ったら、このような形での掲載はあり得ないことです。)

 

ロリータファッションの世界では、ネット販売などを通じて個人作家やインディーズブランドが活動し、それを使って自由にコーディネートを考えていました。

画一的な大量販売の服や、着こなしのルールはありません。

「自分が可愛いと思ったらそれでヨシ」という分かりやすい魅力です。

 

▼ロリータ・ゴシック&ロリータファッションの雑誌

 

シーンを盛り上げて来たロリータ、ゴシック&ロリータファッションの雑誌は、どれもストリートスナップを積極的に行っています。

ロリータファッションはコレクションのステージや公式カタログが作り上げたのではなく、その辺を歩いている普通の人たちが自由に作り上げてきたファッションなのです。

 

次のページでは引き続きロリータファッションの魅力をお伝えします。ロリータファッションには「作る楽しさ」があるのです。

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著者:佐藤遊佳(さとう ゆうか)

高校卒業と同時にロリータファッションに目覚め、以来13年間私服ではずっとロリータ服やゴシック&ロリータ服を着続ける。鍼灸師として患者さんを診るかたわら、ロリータファッションの服飾小物、アクセサリーの個人作家として活動。現在は結婚し地元で鍼灸院を開業し、執筆活動もしている。

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こうして私はロリータファッションの虜になった

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高校卒業と同時にロリータファッションに目覚め、以来13年間私服ではずっとロリータ服やゴシック&ロリータ服を着続ける。鍼灸師として患者さんを診るかたわら、ロリータファッションの服飾小物、アクセサリーの個人作家として活動。現在は結婚し地元で鍼灸院を開業し、執筆活動もしている。

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この章では5ページにわたってロリータファッションの6つの魅力についてお伝えします

このページでは私の体験談を通してロリータファッションの魅力を知っていただければと思います。

 

私が虜になったロリータファッションの魅力


photo by Mooshuu CC BY-SA 2.0

 

ロリータファッションを着たいと思う方はたいてい「世間体」と「費用」のふたつに悩まされます。ただ

『誰に反対されても「自分が着たい服」を着ることの楽しさ』

『お金を貯めて、初めてロリータ服を購入して着る時の感動』

の2点はロリータファッションの魅力的なところです。

私がロリータファッションの虜になったのも、この2つの魅力に惹かれたからです。

 

 

まるでお人形のようなドレスに、凝った髪型。

鞄も靴も、アクセサリーも、一般的な普通の服からかけ離れたファッション。

私はロリータファッションの可愛さに衝撃を受け、そして親の意見に反発しても、自分が可愛いと思うロリータファッションを着ていました。自分が着たいロリータ服を着ると自分のことが大好きになれました。

 

見たことがない可愛さに衝撃を受けた

 

私が生まれて初めてロリータファッションを見たのは「ゴシック&ロリータバイブル(ゴスロリバイブル)」というロリータ(ゴシック&ロリータ)専門雑誌でした。

▼「ゴシック&ロリータバイブル(ゴスロリバイブル)」

 

お小遣いをもらったこともバイト経験もなく、おしゃれや化粧と無縁で過ごした田舎の高校生だった私にとって、その雑誌のファッションはものすごい衝撃だったことを今もはっきり覚えています。

大都市ならロリータ服を着た人を見ることも出来たかもしれません。

でも、私の地元にそんな服を着ている人は一人もいませんでした。

当時の流行はギャル系で、安室ちゃん全盛期。

 

ギャル系の流行

1995年~1996年にかけて安室奈美恵のファッションをまねる「アムラー」が流行する。ファッションの特徴はミニスカート・厚底ブーツ・ロングヘア・茶髪・極端な細眉・浅黒い肌が特徴。

▼1995年リリースされたの安室奈美恵のCDのジャケット

 

ギャル系にはまったく興味のなかった私ですが、ロリータ服を見た瞬間、自分の中でおしゃれへのタガが外れたのです。

この可愛すぎる服は一体何なんだ!?

 

 

しかも着ている人、どうやら男性もいるらしい。

可愛い、かっこいいという基準を前に、年齢や性別はすべてどうでもいいことになっている…こんな自由な服は今まで見たことない!

後で知ったことなのですが、ロリータファッションはその当時徐々にブームが起こっており「ゴスロリバイブル」はその先駆けとなった専門ファッション雑誌だったのです。

 

可愛い。とにかく可愛い。

服だけでなく、その服を着ているモデルさんの髪形や化粧まですべてが完璧に可愛いのです。

現実離れした服はまるで何かの「衣装」のようでしたが、よく見るとファッションスナップは普通の街頭で行われています。

「ここまで過剰で派手な服でも、着て外を歩いていいんだ!」ということに驚きました。

 

可愛い服を着た自分のことを大好きになれた!

 

大学に入った私は一人暮らしを始め、仕送りで爪に火を点す様な生活をして、まずは、一般的なロリータ服に比べてフリルやレースの比率が少なく、色も黒一色の服を買いました。

▼黒一色のロリータ服のイメージ

 

理由は簡単、いきなりピンクや水色の可愛いロリータ服を着る度胸がなかったからです。

シックな黒一色のコルセットとスカートは、それでも「世間一般」からは悪目立ちするデザインでしたが、手に入れた喜びのあまり試着室からそのまま着て帰りました。

 

私は高校卒業まで親が買ってくる服をそのまま着ていただけでした。

私の親は女の子らしいピンクや赤が嫌いで、フリルやリボンも極力排除。買って来るのはコンサバ上等、絵にかいたようなシンプル服ばかりです。(※コンサバ・・・保守的なファッション)

特にスカートは制服以外一着も持っていませんでした。

ところが、親の意見に反発してでも着たいと思った服、それがロリータファッションだったのです。

 

 

ロリータ服を見た瞬間「自分が着たかった服はコレだー!」と確信しました。

親の意見はまっとうです。

色黒で出っ歯、女の子として容姿が決してよくない私には、シンプルな男の子のような服が一番だと思って着せてくれてたのでしょう。

化粧もせず、ショートカットの真っ黒な地毛、顔面偏差値がボーダー以下。

そんな私がいきなりロリータ服を着ても似合うわけがありません。

まともな親なら止めます。

ところが私の気持ちは、もはやロリータファッション一直線でした。

 

親に言われるがままの服を着て無難に過ごすより、似合わなくてもいいから自分が好きな服を着たい。自分が可愛いと思う服を着ている間は自分のことを大好きでいられたのです。

今考えたらかなり乱暴ですが、化粧もせず髪型も気にせず、お金が足りなくて小物も揃えられず、それでもロリータ服を着ている自分のことを

「私って世界一可愛い。超イケてる」

と信じ込んでいました。

バカです。

でも、それでよかったのだと思います。

ロリータファッションを着ている間は、自分のことをとっても大切にできましたから。

 

ロリータファッションには、誰に反対されても自分が着たい服を着ることの楽しさや、お金を貯めてロリータ服を購入して着る時の感動があります。私の体験談を通してそのイメージが伝わっていれば嬉しいです。

次のページではロリータファッションの「引き算がない」ことによる魅力をお伝えします。

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ロリータファッションの【引き算がない魅力】とはどういうこと?

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この章では5ページにわたってロリータファッションの魅力についてお伝えしております。

ロリータファッションは「引き算がない」からこその特別なかわいさが魅力です。ただ、この引き算がないことの強烈な魅力は同時に欠点でもあります。

このページはロリータファッションの「引き算がない」ことの魅力と、その弊害についても合わせてお伝えします。現実世界とのバランスを考えて着ることも大切なことです。

 

「引き算がない」ことが魅力


By Gabu-chan from San Francisco – Nana Kitade, CC 表示 2.0, Link 

引き算とは

 

引き算とは「ファッション全体のバランスを考えて、過剰な装飾を省いていく」ということを意味します。

ロリータファッションは、他人視点から見て許容範囲に収まるバランスの計算はせず、自分が可愛いと思う要素をこれでもかと足していくことができます。

 

 

多くの女性は大人になるにつれ子供っぽい装飾を引き算していきます。ピンクが大好きだからって全身ピンクにしたりしませんし、リボンが好きだからって10個も20個もつけたりしないのです。

Tシャツの色だけ鮮やかなピンクにして他の服は暗めの色でバランスを取ったり、リボンは携帯ケースや財布だけで我慢したり、そういう配慮をします。

“ロリータファッションの【引き算がない魅力】とはどういうこと?” の続きを読む

はじめに ~ロリータファッションを着ようと思っている方へ~

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はじめに


By Flickr user Danny Choo (at right on original image, site owner of CultureJapan.jp(dannychoo.com)) – Cropped from リンク, CC 表示-継承 2.0, Link 

 

フリルやレースのたくさんついた、現実離れしたお洋服。今着ている方もこれから着てみたい方も、その服が好きな人にとっては抗えない魅力的なファッション、それが「ロリータファッション」です。

人によってはそれがゴシックだったり、ゴシック&ロリータだったりするかもしれませんが「とにかくその服が着たい!」という熱意に変わりはないでしょう。

※ロリータ・ゴシック・ゴシック&ロリータの違いは第3章で解説!

ただ、ロリータファッションは普通のファッションとは違い、着始めることも着続けることも非常に難しいジャンルなので、日常生活とのバランスをどう取るのかが重要となってきます。

 

みなさん、初めまして。このWebonを書いている佐藤と申します。

高校卒業と同時にロリータファッションに目覚め、以来13年間という短い間でしたが、私服ではずっとロリータ服やゴシック&ロリータ服を着続けていました。

ロリータファッションは青春そのもの。あの当時の熱意とテンションの高さは今考えても胸が熱くなります。

そう、過去形です。私は家族を養うこと、結婚することといった社会の通過儀礼を通して、ロリータファッションを着ない選択をした人間だからです。

 

 

誰にも負けないほどロリータ服を愛していましたし、今でも可愛いものは大好きです。

でも「今すぐロリータ服をもう一度着たいか?」と言われたら、そういう気持ちにはなりません。

「一生ロリータ服を着て生きてくの!」と断言していた頃、その気持ちに嘘はありませんでした。だからといって、着ていない今が不幸かというと、決してそんなことはありません。

 

人の気持ちは変わるものです。

人生の選択をしていけば、環境や気持ちが変わることは当然あり得ます。

80歳を過ぎてからもう一度ロリータ服が着たくなるかもしれません。

ただ、ひとつ言えることはロリータファッションを着たまま「大人」になるのは非常に難しいということです。

 

 

このWebonでは、ロリータファッションが日本でどういう立ち位置を駆け抜けて来たか、着こなしや定番スタイル、そして「ちょっとでも楽にロリータファッションを着ていくコツ」を私なりにご紹介いたします。

また、「これからロリータファッションを着たいと思っている方、今現在着ている方へ」から「近しい人がロリータファッションを着始めて戸惑っている方へ」といった内容まで、お伝えしていきますのでどうぞ最後までお読みいただければと思います。

 

伝えたいこと

着たいと思っている方・今現在着ている方へ

 

これからロリータファッションを着たいと思っている方、今現在着ている方にお伝えしたいことがございます。

 

お読みになって下さっているのは、日本の方でしょうか。

もしかして海外の方でしょうか?

このWebonを書いている平成最後の時代、日本国内のロリータファッションは「流行」を終えています(もちろん再燃する可能性もありますが)。

 

それでも「ロリータファッション、ゴシック&ロリータファッションを着たい!」と思って下さって、どうもありがとうございます。

私があんなに大好きだったお洋服を、これから着たいと思って下さる方が居る。深い感謝と幸せを感じます。

 

ただ、ロリータ服が良くも悪くも目立つのは事実です。

服をそろえるのにお金が掛かります。ファストファッションに比べたらバカみたいにお金が掛かります。

同じ言動でも厳しく見られがちです。

ちょっとでも反社会的な行動をとると「あんな変な服着てるから当然だ」と、愛するロリータファッションごと批判されます。

 

 

それから、お父さんお母さんに心配されるかもしれませんし、彼氏(もしくは彼女)がドン引きしてあなたの元から去るかもしれません。

ロリータファッションに恋してしまえば、それらすべてはささいなことでしょう。

それでもこのWebonが、少しでも周囲とあなたとのクッションになればいいなと願います。

 

近しい人が着始めて戸惑っている方へ

 

近しい人がロリータファッションを着始めて戸惑っている方にお伝えしたいことがございます。

 

急に娘がピンクのお姫様みたいな服を着始めたり、髪の毛を真っ金髪に染めてみたり、ホラー映画の女優みたいなメイクで真っ黒なドレスを着始めたら…驚くのは当然です。

もしかしたら息子さんがユニセックスすぎる恰好をして驚愕したご家族の方も居るかもしれません。恋人の少女趣味に耐えられない男性も居るでしょう。

 

私には、無責任に「大丈夫ですよー」とは言えません。

何が普通か、何が大丈夫かは人それぞれ。

大丈夫かどうかを決めるのは本人次第です。

ただひとつ言えることは、着ている本人にとって、そのお洋服が世界一可愛くてイケてるものだということです。

 

理解や納得をしろとは言いません。

ですが、頭ごなしに否定はしないで下さい。

たかが服ですが、限定仕様のお洋服に何万円もかけることが、将来に備えて貯金するよりもよっぽど大切な瞬間だってあるのです。

 

ゆっくり時間を掛けて、話し合ってみて下さい。

ロリータ服を着ている人と周囲の人の関係性は、お互いの気持ちを素直に話し合うことで、より良い選択肢が必ず見つかります(例えそれが決別であったとしても)。

 

 

このWebonではただ単に「ロリータファッションを可愛く着こなす♡」ということだけではなく、現実世界でバランスよく着ていくことをお伝えしていきます。

第1章ではまずは、ロリータファッションの魅力についてお伝えします。

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