ロリータを理解する　～年齢を重ねたロリータ／男性ロリータ～

 

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ここまでロリータファッションの魅力などについてお伝えしてきましたが「やっぱりロリータの気持ちは理解できない！」という方もいるかと思います。

あなたのお子さん、ご家族、パートナーがある日突然ロリータファッションを着始めたら、やはり戸惑ってしまうかもしれません。

この章ではロリータファッションのリアルな事情や考え方を紹介いたします。ロリータファッションへの理解を深めていただければと思います。

このページでは「年齢を重ねたロリータの方」「男性のロリータの方」についてお伝えします。ロリータは年齢や性別を超越したファッションなのです。

 

【年齢を重ねたロリータの方】を理解する

「いい年してそんな格好して」という意見はあるけど

 

ロリータ服のモチーフは少女らしい可愛さに溢れているため、子供服と共通した装飾や色が多くなります。このため、年齢を重ねた方が着ていることに違和感を感じ、色々と意見してくる人も多いのです。

「若ければともかく、いい年してそんな恰好して」

と悪く言われることもあります。

ハッキリ言ってロリータファッションに年齢は関係ありません。

ピンクやフリルの多いミニスカート丈のロリータ服を、いくつになって着てもそれは自由なのです。その人が「何のために着ているか」によると思います。

「可愛い！」という気持ちで自分のためだけに着ている分には、いくつになっても着ていいですし、年齢制限なんてありません。

着なくなる多くの人は、自分なりの美的なこだわりがあって、自分がその理想から外れていくと着るのをやめるようです。

 

年齢とともにジャンルを移行する方が多い

By Flickr user Danny Choo (at right on original image, site owner of CultureJapan.jp(dannychoo.com)) – Cropped from https://www.flickr.com/photos/dannychoo/8032476629/, CC 表示-継承 2.0, Link 

▲1983年生まれ（30代）のロリータ青木美沙子さん

 

ロリータさんは年齢を重ねるとロリータ服のジャンルを移行していく方が多いです。

20代のうちは可愛らしさ全開のミニ丈の甘ロリ（＝ピンクや水色を強調したロリータ）を、30代・40代になるうちに装飾やモチーフが落ち着いたロング丈のエレガントロリータやクラシカルロリータ（＝大人っぽい雰囲気のロリータ）を着るようになります。

 

 

それは、ロリータ服が自己表現であることと関係しています。

私は「こんな風に」可愛いものが大好きなんです！という表現をしているのに、自分が年齢を重ねていくと、自分の頭の中の「理想の可愛い少女像」と現実の姿にズレが生じます。

特にロリータファッションが好きな方は美意識が高く、独自のこだわりを持っている人が多いですから、その美的な水準を保てなくなるとファッションの方向性も緩やかにシフトします。

 

年齢を重ねて着続ける人と着るのをやめる人

 

比較的落ち着いたエレガントロリータをずっと着続ける人もいれば、一切着るのをやめてしまう人もいます。

決して嫌いになったわけではなく、自分のこだわりと実際の外見が離反していくので「自分で着るのはやめる」ということです。

出産や仕事、環境の変化などで着なくなることもあるでしょう。

年齢を重ねて着続けている人も、着なくなった人も、どちらもただの選択。

「良い」とか「悪い」ではありません。

 

【男性のロリータの方】を理解する

男性ロリータ事情

By Iriseyes at the English Wikipedia, CC 表示-継承 3.0, Link

▲ゴシック・ファッションの男性（左）とゴシック・アンド・ロリータの女性（右）

 

ロリータファッションの可愛さの虜になるのは、女性だけではありません。

男性がロリータファッションを可愛いと思った場合、お友達や恋人がロリータファッションの人で満足する人と、やっぱり自分でも着てみたいと思う人とに分かれます。

また、ゴシックは特に海外で男性の人気も非常に高く、ゴシックなファッションをする男性はたくさん居ます。

ヴィジュアル系バンドでは男性でも女性のように美しくお化粧をし、スカートの衣装もあるため、ロリータやゴシック＆ロリータを実際に着ている人たちは男性がロリータやゴシック＆ロリータを着ていてもそれほど驚かないようです。

 

 

男性がロリータを着る理由

 

ですがやはり、ロリータ服と言うだけでも派手な恰好なのに、男性がそれを着ていたら普通はちょっとびっくりしますよね。

特に自分の家族だったら、それはびっくりするでしょうし心配もします。私の友人知人でも男性で着る方はたくさん居ますが、その理由は何パターンかあります。

そもそも性同一性障害で、女性らしい服を着たいという願望が強くなって、女性らしいモチーフが極端なロリータ服を着ている人。ロリータ服のあまりの可愛さにとりこになり、一般的な女装は全くしないけれどロリータ服だけは着るという人。

理由はさまざまですが、一つだけ言えることは「ロリータ服を着ているからって女装全般が好きな人ばかりではないし、あくまでファッションなので性同一性障害を絶対に抱えているわけではない」ということです。

夫婦そろってお揃いのロリータ服を着ている人もいれば、奥様がロリータで旦那様が王子様のようなゴシックファッションのご夫婦もいます。

反対に、女性がごく一般的な恰好で男性だけロリータファッションで女装という場合もあるでしょう。

女性よりさらに周囲からの視線が厳しくなりますが、それでも着たいという強い意志をお持ちの男性はいらっしゃいます。

 

男性ロリータさんの大変なところ

 

男性でロリータを着ている方は男性用トイレにも女性用トイレにも入れませんから、共用トイレや多目的トイレのある場所を探しておいて、そこにしか入らない方が多いです。

家族から理解を得られず苦しむ人、実は着ていることをひた隠しにする人も多いです。

また、恋愛の面でも理解できる人はなかなか居ないので大変です。特に、恋愛面ではまったくノーマルに女性を愛する男性は大変だと思います。自分のパートナーにロリータ服を着る（世間一般でいう女装）ことを理解してもらわなければいけませんので。

パートナーが同じロリータ愛好家同士なら話が早いです。ご結婚してお子さんがいるカップルもいらっしゃいます。

 

ロリータに限らず奇抜なファッションは世間体と敵対するものです。

理解するのはなかなか難しいのです。ただ娘、息子、パートナーがロリータファッションにはまり戸惑ってしまった場合は、頭ごなしに否定せず、ロリータファッションについて話せる時間を作ってみて下さい。

 

ロリータファッションに年齢や性別は関係ない

 

ここまで年齢を重ねたロリータさんや、男性でロリータを着ている方についてご紹介致しました。

ロリータも、ゴシック＆ロリータも、そしてゴシックも、自己表現のひとつです。

自分の好きなものを「洋服」という分かりやすいアイコンで目に見える形にして主張する、それが可能なファッションです。

服には様々な役割がありますよね。

周囲から浮かないように無難にすることもあれば、異性の関心を引きたくて「モテ」を追求することも、おしゃれをアピールするために最新流行の服を着ることもあるでしょう。

ロリータ、ゴシック＆ロリータはいわゆる「普通」よりかなり個性的なファッションですが、それだけ自分の気持ちを外に向かって表現できる素晴らしいファッションです。

ロリータなら可愛いもの、少女のはかなさ、美しさ、優美さ。

ゴシックなら退廃的なものの持つ魅力、死への興味、神秘的なものへの憧れ。

そういった嗜好を目に見える形で表現することができます。

 

 

私は「顔と体はキャンバスです」とよく言っていたのですが、まさにメイクと装いで全身を使って

「私はロリータファッション、可愛いものと美しいものが大好きです！！」

と主張していたのです。

ロリータ服に出会ったのが10代なら若いうちにチャレンジできますが、中には出会うタイミングが30代、40代、それ以上になる人もいます。

そして、ロリータ服の可愛さにハートを撃ち抜かれるのが女性だけとは限りません。

あなたのお子さん、ご家族、パートナーがある日突然ロリータファッションを着始める。そのタイミングに年齢や性別は関係ないのです。

 

以上「年齢を重ねたロリータの方」「男性のロリータの方」について解説しました。

近しい人がロリータに目覚めると「いつまで続けるのだろう？」と不安になる方もいるかもしれません。次のページでは、そんな方に「ロリータファッションは時間とともに必ず折り合いがついてくる」ということをお伝えします 。

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