ロリータを理解する ~いつまでロリータを続けるのか?~

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20年以上ロリータファッションを愛し続けた筆者がロリータファッションの基礎知識とリアル過ぎるロリータ事情を語ります!これからロリータを着る人必読!現実とのバランスのとり方も含めてロリータについてまるっと学べるロリータ入門の決定版!

ロリータファッション入門 ~現実世界とのバランスを考えた楽しみ方~(全22ページ)はこちらから!

著者:佐藤遊佳(さとう ゆうか)

高校卒業と同時にロリータファッションに目覚め、以来13年間私服ではずっとロリータ服やゴシック&ロリータ服を着続ける。鍼灸師として患者さんを診るかたわら、ロリータファッションの服飾小物、アクセサリーの個人作家として活動。現在は結婚し地元で鍼灸院を開業し、執筆活動もしている。

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ここまでロリータファッションの魅力などについてお伝えしてきましたが「やっぱりロリータの気持ちは理解できない!」という方もいるかと思います。

あなたのお子さん、ご家族、パートナーがある日突然ロリータファッションを着始めたら、やはり戸惑ってしまうかもしれません。

この章ではロリータファッションのリアルな事情や考え方を紹介いたします。ロリータファッションへの理解を深めていただければと思います。

近しい人がロリータに目覚めると「いつまで続けるのだろう?」と不安になる方もいるかもしれません。このページでは、そんな方に「ロリータファッションは時間とともに必ず折り合いがついてくる」ということをお伝えします。

 

年齢を重ねるとロリータを続けるかどうか悩む


photo by régine debatty,(CC BY-SA 2.0)

 

ロリータ服を着ていて家族から言われて一番嫌だった言葉…それが

「あんたいい年していつまでそんな服着ているの?」

でした。

いつまでロリータファッションを着続けるか。それは、着ている本人が一番悩んでいることかもしれません。そのため「いつまで着るつもり?」という質問は禁句なのです。

ロリータ服を着て数年は、「一生ロリータ服を着て生きていく」と何の不安もなかったのですが、それは年齢が若かったことと、時間と経済力を自分だけに使うことができたからです。

年齢を重ねて環境が変わってくると、さまざまな悩みが出てきました。

今までは自分なりの「可愛い」をロリータファッションを着ることで表現出来ていたのですが、年をとると少女としての愛らしさを表現するのは難しくなります。

 

そんなある日、都内での勤務を終えて実家のある田舎に引っ越す必要が発生。家族を支えるためにも、地域に溶け込まなければなりません。

都内と違い、ロリータファッションを着て出かける場所がありません(ロリータ服のブランドショップ、ロリータさんがたくさん居て交流できる街やお洒落な喫茶店、美術展、ライブやイベントなど)。

自然と「自分で着る」ことをやめ、代わりに個人製作のアクセサリーなどを「他人に着てもらう」ことでロリータファッションと関わり続けることになりました。

着続けるにしても、着るのをやめるにしても、本人が自然と選択していきます。

年齢や性別を引き合いに出して「いつまで着るつもり?」と周囲が聞くことはヤボですし、何かの機会に改めて聞くならともかく、しょっちゅう言うのは絶対にやめましょう。

 

仕事や結婚で心境は変化する

仕事による変化

 

社会人として暮らしていこうとすれば「仕事との折り合い」を避けて通れません。

通勤時の服装に規制がある場合、それを守るのはもちろんのこと、例え規制がなくてもある程度「空気を読む」のは必須になります。

そうなると休日にロリータファッションを着ることになりますが、都内では簡単に着ることができたロリータ服も、私のように田舎に引っ込むとなかなか着られなくなりました。

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というのも、前章で記述した通り、どこで誰がどうしていたか筒抜けのような小さな田舎です。

私は医療系としての資格の他、介護系の資格も取りなおしていました。そうすると、街中で「患者さん」「担当者さん」に遭遇することになるのです。

大都会と違い、奇抜なファッションは否定的にとられることが多いので、患者さんや担当者さんから悪いイメージを持たれてしまったり、噂をされると勤務先に迷惑が掛かります。

ただロリータファッションを着ているだけで悪いことをしているわけではありませんが、「どこかに勤務している」ということは勤務先に対して責任を持たなければなりません。

ロリータファッションを自由に着ることは諦めましたが、私は仕事そのものが楽しかったので特にストレスには感じませんでした。

 

結婚による変化

 

仕事一筋だった私ですが、結婚をすることになってさらに環境が変化しました。

結婚する頃にはロリータ服を着ることは既にしなくなっていましたが、昔の写真やプリクラは嫁入り道具として持って来て、「昔はこんな派手な恰好してたんだよ~!」と主人には全て見せました。

いまだにアクセサリーを提供したり、イラストを描くことでロリータファッションに関わることはありますが、義両親とも同居する結婚生活で、自分で着るということに完全な終止符を打ちました。

これも、結婚生活と主人との関係が大切で、そちらに重きを置いた結果なので、特にストレスなく自然な選択です。

 

時間と共に生活との折り合いが出来ていく

 

私は「いつまで着るのだろう」「このままどうなるんだろう」という心配を家族にたくさんかけました。ですが、ロリータは着続けるうちにかならず生活との折り合いが出来ていきます。

初めてロリータ服を着始めた頃は、可愛いロリータ服を着られる嬉しさのあまり、テンションが上がって周囲が見えないものです。

自分が着ていることが最優先で、家族との関係や私生活のことがおざなりになることもあるかもしれません。

それでも、時間が経過すると、生活との折り合いはきちんとできてきます。

 

髪の色を最優先にするなら、髪色や髪形が自由な職業を選ぶ。

ロリータを着る時と、着ない時をきちんと区分する。

生きていく上で仕事や家族との関係は避けて通れない大切なものです。

何年も何十年もかけて変化し、バランスは取れてきます。

着始めの頃は特にロリータ服への固執が極端かもしれませんが、ずっと着続けてもいつか着納めても、ロリータファッションは生活の一部として必ずバランスが取れてきます。

 

以上、このページでは「ロリータファッションは時間とともに必ず折り合いがついてくる」ということをお伝えしました。

ロリータファッションを着ている人間に対して「普通じゃない!」と、考えを否定してしまうこともあるかと思います。ただ、それはお互いにとってよい結果を生まないと考えます。次のページでは、ロリータにおける「普通」について解説いたします。

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著者:佐藤遊佳

高校卒業と同時にロリータファッションに目覚め、以来13年間私服ではずっとロリータ服やゴシック&ロリータ服を着続ける。鍼灸師として患者さんを診るかたわら、ロリータファッションの服飾小物、アクセサリーの個人作家として活動。現在は結婚し地元で鍼灸院を開業し、執筆活動もしている。

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