ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)とは

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2.5次元舞台はアニメやゲームを舞台化した作品であり、近年ブームが起きています。その理由や作品を知ればきっと劇場に足を運びたくなることでしょう。

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著者:ゆうり藍

20代後半女性2.5次元舞台を中心に観劇が大好きなフリーライター。多い時で年間50公演以上観ることも。好きな作品は「ミュージカル テニスの王子様」「刀剣乱舞」「TRUMP」シリーズ「破壊ランナー」など。

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『2.5次元ミュージカル入門』目次へ  (全14ページ)

 

第1章では2.5次元ミュージカル(舞台)をより楽しむために4ページにわけて基礎知識を解説しています。このページでは2.5次元ミュージカルの金字塔的作品「ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)」について解説していきます。

<第1章のページ>
定義
テニミュ】(当ページ)
ブームと今
俳優

ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)とは

【基本情報】

作品名 ミュージカル『テニスの王子様』
初演 2003年4月30日(東京芸術劇場)
主人公(越前リョーマ)のキャスト(初代) 柳浩太郎・Kimeru・遠藤雄弥
ストーリー 主人公が属する青春学園テニス部が全国大会優勝を目指す
チケット チケットぴあ
動画配信サービス U-NEXT
DVD・Blu-ray amazonで探す  楽天で探す
公式サイト https://www.tennimu.com/
「男性俳優のみ」「スポーツ漫画原作」などのミュージカルはミュージカル『テニスの王子』が初めての事だったので手探り状態でスタートした。上演当初は観客動員数も少なかったが口コミなどで徐々に広がり人気ミュージカルへ。2018年には累計250万人を動員(参照:https://www.tennimu.com/news/d724)を記録した。

 

2.5次元ミュージカル(舞台)を語る上で欠かせない作品がミュージカル『テニスの王子様』です。

 

▼ミュージカル『テニスの王子様』(DVD)

 

ミュージカル『テニスの王子様』、略して「テニミュ」と呼ばれるこの作品は、2003年の初演以来大ヒットを続け、2.5次元ミュージカル(舞台)の金字塔的作品となりました。

 

原作は週刊少年ジャンプで連載された許斐剛(このみ たけし)氏が作者の少年マンガ「テニスの王子様」です。

主人公・越前リョーマの所属する青春学園(略して「青学」)テニス部が地区大会から関東大会、全国大会を戦い抜いていくスポーツ漫画です。

 

 

個性豊かなキャラクターや斬新な必殺技で人気を博し、原作漫画はアニメ化もされました。

少年マンガではありますが、魅力的な男性キャラクターが多い本作は女性ファンが多いことも特徴です。

 

▼漫画「テニスの王子様」1(画像クリックで商品詳細へ)

 

テニミュの魅力

 

「テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)」が上演される前も漫画原作の舞台化は行われており、「美少女戦士セーラームーン」や「聖闘士星矢(せいんと せいや)」などが上演されていました。

 

▼漫画「美少女戦士セーラームーン」

聖闘士星矢

聖闘士星矢は1991年に舞台化、主演はSMAP。漫画・アニメの舞台化の流れのはじまりと言われている。

▼劇場版 聖闘士星矢

 

しかし、舞台化のムーブメントを起こすまでには至ってはいませんでした。

「テニスの王子様」の初演時は、ミュージカルに馴染みのあるファンは少なく、当初は公演期間も短く、チケットの売り上げも厳しかったと言われています。

ただ、瞬く間に評判は口コミで広がり、15周年を迎えた2018年現在までその人気は衰えていません。

 

 

「テニミュ」の魅力は漫画の好きなキャラクターが目の前にいることです。

衣装は基本的にユニフォーム、小道具はほぼラケットのみ。ピンスポットの明かりをボールに見立ててラリーをする。

そんなシンプルな演出であっても「キャラクターが目の前にいる」という強烈な体験を観客に残していきました。

 

▼舞台のダイジェスト映像

 

テニミュがブームになった理由

 

2.5次元ミュージカル(舞台)ブームの火付け役と言われる「テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)」ですが、どのようにして2.5次元ミュージカルというジャンルを流行らせるに至ったのでしょうか。

それはテニミュが「原作ファンが舞台に通うという流れを作り出したところに理由がある」と言えるのではないかと思っています。

 

 

以前も漫画やアニメを題材にした2.5次元ミュージカルのような形の舞台はありました。

代表的なもので言えば前のページで述べた「ベルばら(ベルサイユのばら)」が挙げられます。これらの舞台に足を運ぶのはキャスト(役者)や劇団(宝塚歌劇団)のファンが中心でした。

テニミュ以降の2.5次元ミュージカルには「キャストのファン」だけでなく「原作のファン」も劇場に足を運ぶようになっていったのです。

 

テニミュ以降「NARUTO」や「BLEACH」といった少年ジャンプ作品の舞台化が続きます。(「テニスの王子様」は少年ジャンプ連載)

 

▼NARUTO

▼BLEACH

 

また、少年ジャンプ以外でも「弱虫ペダル」「西遊記」といった少年マンガ作品や「戦国BASARA」といったゲーム作品も舞台化されていきました。

これらの舞台には多くの原作ファンがキャラクターに出会うために、劇場に足を運びました。

 

▼弱虫ペダル

▼西遊記

▼戦国BASARA

 

このように「テニミュ」は原作ファンが舞台に通うという流れを作り出した画期的な一作なのです。

 

原作ファンからキャストファンへ

 

また原作ファンが舞台に通うという流れを作り出したのと同時に、原作ファンから2.5次元舞台に出演するキャストのファンになる人も生み出しました。

 

▼原作ファンからキャストファンになる流れ

 

「テニミュ」に出演するキャストはデビュー直後の若手俳優が多くを占めています。『「テニミュ」が初舞台』というキャスト(若手俳優)も少なくありません。

「テニミュ」はそんな若いキャストたちが原作漫画を読みこみ、舞台上でキャラクターを表現します。

 

「キャラクターに会えるという感動」の先に待っているのは、「中の人であるキャストへの愛情」です。

お世辞にも上手いとはいえなかった歌やダンスが公演を重ねるに連れてだんだん上手くなる、キャラクターがより原作のキャラクターらしくなる。

そんなキャストたちの成長に惹かれて同じ公演に何度も足を運ぶファンも珍しくありません。

 

 

「テニミュ」はキャストを交代しながら続いている作品です。

主人公の所属する青春学園のキャストは変更され、2018年10月時点で10代目となっています。

 

どんなに愛したキャストもいつかは「卒業」という形でキャスト変更を迎えてしまう。その寂しさがあるから、今必死にチケットを握りしめて通ってしまうのかもしれません。

 

2.5次元ミュージカルは2次元を忠実に再現することで人気を得てきました。

しかし、同時にそのキャラクターの先に成長し変化するキャストがいることもまた、2.5次元の魅力です。

「テニミュ」を卒業しても絶対応援するからね。そんな気持ちでまた別の2.5次元ミュージカルに行く。

 

作品のファンからキャストのファンへと変わっていった人がたくさんいたことも、「テニミュ」以後の2.5次元ミュージカルが広がった理由だと思います。

 

テニミュを観る方法

 

▼サービス名クリックorタップで公式サイトへ進めます(下記の表では『ミュージカル「テニスの王子様」の最初の作品について紹介しています。)

サービス名 購入方法
dアニメストア ・定額配信。月額400円(税抜き)で見放題。初回31日は無料で見放題
amazon ・DVD
DMM.com ・月額レンタル。月ごとに決まった数のDVD/CDをレンタルすることができる。月980円で4枚、月に1880円で8枚、月2480円の借り放題プランがある。
ダウンロード/ストリーミング
GYAO! ・レンタル。視聴期間は決まっている。

 

以上、2.5次元ミュージカルの金字塔的作品、ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)の紹介でした。

次のページでは2.5次元ミュージカルのブームと今について解説をしていきます。

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2.5次元ミュージカル(舞台)とは何か

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2.5次元舞台はアニメやゲームを舞台化した作品であり、近年ブームが起きています。その理由や作品を知ればきっと劇場に足を運びたくなることでしょう。

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このページから第1章。第1章では2.5次元ミュージカル(舞台)をより楽しむために4ページにわけて基礎知識を解説していきます。まずは「2.5次元ミュージカル(舞台)とは何か?」という【定義】について解説していきます。

<第1章のページ>
定義】(当ページ)
テニミュ
ブームと今
俳優

 

2.5次元ミュージカル(舞台)とは何か

 

2.5次元ミュージカル(舞台)とはどのようなものなのでしょうか。

『2.5次元』とは「アニメやゲームの世界である2次元と現実の世界である3次元の中間」を意味します。

つまり「2.5次元ミュージカル(舞台)」とはアニメやゲーム、漫画といった2次元の作品が原作となり舞台化(3次元化)された作品のことです。

 

※当初2.5次元の舞台作品はミュージカル形式で演じられる事が多かった為「2.5次元ミュージカル」と呼ばれるのが一般的です。しかし現在ではミュージカル以外の2.5次元作品も多数制作されているので当Webonでは「2.5次元ミュージカル=2.5次元舞台」として解説をしています。

 

しかし、この定義だと2.5次元ミュージカルと呼ばれてもいいはずなのに呼ばれていない作品が出てきてしまいます。

このようにファンの間から生まれた「2.5次元」という言葉を明確に定義することは難しいと言わざるを得ません。

定義の難しい「2.5次元」ですが、ここからは「舞台以外の作品」「ベルサイユのばら」などを紹介する事で様々な角度から「2.5次元とはなにか」ということを解き明かしていきたいと思います。

 

映画・ドラマについて

▲2.5次元ミュージカル(舞台)「刀剣乱舞」のダイジェスト映像

 

先ほども述べましたが2.5次元ミュージカル(舞台)の一番シンプルな定義は

アニメやゲーム、漫画といった2次元の作品が原作となり舞台化(3次元化)された作品

です。

しかし、これだけだと実は当てはまらないものも出てきてしまいます。

その為さらに細かく定義すると

「キャラクターに確固としたビジュアルイメージが存在し、それを舞台上で再現しようとしたもの」

が2.5次元ミュージカル(舞台)と呼ばれます。

 

 

つまり、

「ビジュアルイメージの再現を目指さない場合」

「小説原作などはっきりとしたビジュアルイメージのない作品の舞台化」

では2.5次元ミュージカル(舞台)と呼ばれないことがほとんどです。

 

また、映画やドラマについても2.5次元と呼ばれないことがほとんどですので『2.5次元』自体「舞台」で多く使われる言葉なのです。

映画やドラマが『2.5次元』と呼ばれないことの理由は映画やドラマの実写化が原作ファンである、いわゆる「オタク層」よりも役者のファンといった「ライト層」向けに作られていることが原因と考えられます。

ビジュアルイメージの無視や原作の大幅な改変は2次元を無理矢理3次元に落とし込んだだけで2.5次元ではないというわけです。

 

 

ただし、昨今では舞台版のキャストでドラマが制作された「弱虫ペダル」や映画公開が決まっている「刀剣乱舞」など、実写映画やドラマにも2.5次元の作法が広がりつつあります。

 

弱虫ペダル

週刊少年チャンピオンにて連載されており発行部数1700万部以上の人気漫画。オタクの高校生である小野田坂道が、自転車競技の世界で才能を開花していく話。BSスカパーで2016年より実写ドラマが放送された。

刀剣乱舞

DMMゲームスとニトロプラス(ゲームメーカー)が共同製作したPC版ブラウザゲーム。「刀剣男士」として擬人化された名だたる名刀を育成するゲーム。2015年にミュージカル、2016年に舞台化された。映画は2019年に公開。

 

【筆者コラム】映画やドラマでも2.5次元と呼ばれるものがある?

私の認識ですが、映画やドラマでは2.5次元と呼ばれるものは基本的にはありません。

ただ、CSで放送されたドラマ「弱虫ペダル」はほとんどのキャストが舞台版キャストからの続投で、舞台でファンになった層を取り込んでいます。この作品については2.5次元というジャンルに含めてよいと思います。

また、2017年に放送された「男水!」もテレビドラマが先行していますが、始めから舞台の上演が告知されており、出演者も2.5次元ミュージカル(舞台)で活躍したキャストが揃っていました。

▼舞台「男水」

こうした舞台作品からの派生作であるとか舞台作品を前提にしたドラマについては2.5次元と呼ばれることはありますが例外的です。 

 

宝塚歌劇団「ベルサイユのばら」

 

漫画の舞台化というと有名な作品に「ベルサイユのばら」があります。

1972年から1973年にかけてマーガレットで連載された本作品は、宝塚歌劇団によってミュージカル化され、1974年の初演以降現在も人気を博し続けています。

「ベルばら」と聞くとこの宝塚版のイメージを浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

「ベルサイユのばら」のあらすじ

男装した麗人(美人な女性)オスカルと、フランス王妃マリー・アントワネットらの生涯が描かれる。フランス革命が起きる少し前から革命初期のベルサイユが舞台。宝塚歌劇を代表する演目となっている。

▼宝塚版ベルサイユのばら(画像クリックで商品詳細へ)

 

宝塚による「ベルばら」は『少女漫画の世界を忠実に再現している』という意味で2.5次元ミュージカル(舞台)の定義にぴったりとはまるように見えます。

 

しかし「2.5次元」という単語が生まれたのは2000年代以降と言われ、それ以前から上演されてきた「ベルばら」が「2.5次元ミュージカル(舞台)」と呼ばれることはあまりありません。

また、アニメや漫画の舞台化自体は以前から散発的に行われてきましたが、大きなムーブメントになったのは2003年から上演がスタートしたミュージカル「テニスの王子様」以降です。

 

テニスの王子様

1999年~2008年週刊少年ジャンプにて連絡された少年漫画。中学の名門テニス部が全国制覇を目指す話。それぞれのキャラクターが必殺技を持っており、物語が進むにつれて常人離れした必殺技が登場するのもこの漫画の持ち味。

▼ミュージカル「テニスの王子様」(画像クリックで商品詳細へ)

 

このミュージカル「テニスの王子様」のヒットやそれ以降の舞台化ブームと同時に2.5次元という単語はファンの間で広まるようになりました。

つまり、2.5次元舞台の要素を持った舞台作品は以前から存在していたものの、2.5次元舞台というカテゴリで語られるようになるのはここ10年ということです。

 

 

さらに現在の2.5次元ミュージカルは男性俳優がキャストとして出演するものがほとんどなので2.5次元ミュージカルと言えば男性キャスト中心の舞台、というイメージがあるのが一般的です。

 

結論

 

「2.5次元」という単語がファンの間で生まれ、広まっていったという経緯から、2.5次元を正確に定義することは難しいと思います。

その中で「2.5次元舞台」をあえて定義するとすれば、下記のような特徴をもった舞台の総称だと言えます。

 

  • アニメ、漫画、ゲームなどのビジュアルイメージがはっきりとある作品の舞台化であること
  • 原作のビジュアルイメージを忠実に再現しようとしていること
  • 特定の劇団による上演ではないこと
  • 男性キャストを中心とした作品であること
  • 2000年代以降の上演作品であること
※2018年11月時点の筆者の見解

 

また、一般社団法人日本2.5次元ミュージカル協会という団体があり、この協会が協力している作品については、2.5次元舞台と考えて良いでしょう。

 

▼一般社団法人日本2.5次元ミュージカル協会公式ホームページ リンク


(引用元:https://www.j25musical.jp/)

<「2.5次元ミュージカル協会」協力作品例>
ミュージカル「忍たま乱太郎」、舞台「銀河英雄伝説」、「あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ」、舞台「K」、舞台「黒子のバスケ」、舞台「刀剣乱舞」など

 

このように、ややふわっとした概念の「2.5次元」ですが、第3章では個別の作品についても紹介していきますので、実際の作品に触れながら体感していただければと思います。

 

以上、「2.5次元ミュージカルとは」でした。

次のページでは2.5次元ミュージカルを語る上で欠かせない2.5次元ミュージカルの金字塔的作品「ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)」を解説をしていきます。

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はじめに ~2.5次元ミュージカル(舞台)の魅力~

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2.5次元舞台はアニメやゲームを舞台化した作品であり、近年ブームが起きています。その理由や作品を知ればきっと劇場に足を運びたくなることでしょう。

『2.5次元舞台』入門はこちらから!

著者:ゆうり藍

20代後半女性2.5次元舞台を中心に観劇が大好きなフリーライター。多い時で年間50公演以上観ることも。好きな作品は「ミュージカル テニスの王子様」「刀剣乱舞」「TRUMP」シリーズ「破壊ランナー」など。

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2.5次元ミュージカル(舞台)とは

 

「2.5次元ミュージカル(舞台)」とはアニメやゲームなどのいわゆる「2次元」と呼ばれる媒体を原作に、演劇作品として上演される一連の作品を指します。

 

「アニメやゲームといったバーチャルな2次元」と、「演劇というリアルな世界の3次元」の間という意味で「2.5次元」と呼ばれ始めました。

 

 

この「2.5次元ミュージカル(舞台)」は今、一部の若い女性を中心にヒットしている演劇のジャンルです。

 

NHKのニュース番組「おはよう日本」(2017年2月3日放送)で取り上げられたり、週刊「東洋経済」(2017年4月1日号)で特集が組まれたりと、その存在は広く知られ始めています。

 

▼2.5次元舞台特集が組まれた週刊「東洋経済」(画像クリックで商品詳細へ)

2.5次元ミュージカルの魅力

 

私と2.5次元ミュージカルとの出会いは、好きなアニメが舞台化したところから始まりました。

2014年の夏に上演された舞台「K」という作品です。

 

「K」

「K」は2012年10月からTBSなどで放送されていたオリジナルアニメ。現実とは異なる歴史を歩んだ日本を舞台に、特殊な能力を持った7人の王の確執とそこに巻き込まれていく少年の運命が描かれた作品。イケメンキャラが数多く登場する。

▼AmazonPrimeで見放題です(期間によって見放題対象外の場合があります)

 

当時すでに2.5次元ミュージカルは1ジャンルを築いていました。

しかし、私の周囲でも2.5次元ミュージカルを初めて観るという原作ファンも多く、不安の声もありました。

私も例外ではありません。

 

そして迎えた初観劇の日。入手困難となっていたチケットを握りしめて、初めて見にいった2.5次元ミュージカルは、知らない世界を見せてくれました。

アニメで見ていたキャラクターがそこにいて、物語がそこにある。

 

「アニメで見られるものをわざわざ演劇で観る意味があるのか」

と観る前は思っていました。

 

けれども、目の前で演じられた「K」という作品は、私に新しい解釈や見方を与えてくれました。

そしてなにより、生きている人間が演じる限り、同じ公演は一度としてない。

 

その舞台ならではの「一回きり」の特別な体験は、強く胸に残りました。

以来、私は2.5次元ミュージカルをこよなく愛し、舞台に通っています。

 

▼舞台「K」のダイジェスト映像

 

最近では「漫画のアニメ化」や逆に「アニメが漫画化」されるといった形で物語が複数のメディア展開されるのはよくあることになっています。

しかし、その中でも舞台化が一番作り手の熱量を大きく感じる事ができると思います

 

それは先程述べたように「同じ公演は二度とない」というところであったり、「目の前で演じられる」という特別な状況ゆえではないかと思います。

つまりこの「凝縮された熱量」とも言えるものが感じられるのが、2.5次元舞台の魅力だと思うのです。

 

触れてほしい2.5次元の世界

 

2.5次元ミュージカル(舞台)は過去から今に至るまで、賛否両論にさらされてきました。

 

2次元の世界を役者が演じるということについて

「イメージが違う」

「コスプレみたい」

といった意見もあります。

 

▼衣装のイメージ

 

しかしながら、2次元の世界を忠実に再現しようという試みや、1つの演劇作品としての真摯な作品作りは少しずつ評価され、2.5次元ミュージカルの愛好家は年々増えています。

(また、ネガティブな意見を受けて作り手側の「本気で面白いものを作ってやろう」「面白かったと言わせてやろう」という気概を感じるような質の良い作品がその中で育っていったところも2.5次元ミュージカルの魅力であり、私の好きな部分であります。 )

 

とはいえ、アニメやゲームが好きな女性をメインターゲットとして制作されてきた2.5次元ミュージカル。

他の舞台ファンからは色物扱いをされることはまだまだありますし、「そもそも興味がない」という人も男性を中心に多くいます。

 

しかし、私は2.5次元ミュージカルは一度観ていただければ好きになる人は増えていくのではないかと考えています。

 

他の舞台ファンの方は、最近では小劇団で活躍していた演出家が2.5次元ミュージカルの演出にかかわる例が増えており、こうした共通点をきっかけに好きになってもらえるのではないかと思います。

また、男性については2章でも取り上げますが、最近では乃木坂48のようなアイドルを起用した女性キャスト中心の2.5次元ミュージカルも増えており、こういった作品から好きになる人が増えるのではないかと考えています。

 

このWebonでは2.5次元ミュージカルを観る方法やおすすめの作品についても紹介していきます。

2.5次元舞台に触れるきっかけとなれば幸いです。

 

次のページから第1章。第1章では2.5次元ミュージカルをより楽しむための歴史や俳優さんの事について紹介していきます。まずは「2.5次元ミュージカル(舞台)とは何か」について深く知っていただければと思います。

 

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2.5次元ミュージカル(舞台)入門

著者:ゆうり藍

20代後半女性2.5次元ミュージカル(舞台)を中心に観劇が大好きなフリーライター。多い時で年間50公演以上観ることも。好きな作品は「ミュージカル テニスの王子様」「刀剣乱舞」「TRUMP」シリーズ「破壊ランナー」など。

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2.5次元ミュージカル(舞台)は、アニメやゲームを舞台化した作品のことを指しますが、近年2.5次元ミュージカルブームが起きています。時には「コスプレみたい」などと批判にさらされることもある2.5次元ミュージカルですが、魅力を知ればきっと見方が変わることでしょう。

このWebonではブームのルーツであるミュージカル「テニスの王子様」をはじめ、定番作品の紹介、チケットの獲得方法に至るまで、2.5次元ミュージカルを中心に観劇をこよなく愛するゆうり藍氏が徹底解説いたします!

編集部注※ 当Webonでは「2.5次元ミュージカル」と表記しますがミュージカル以外の2.5次元舞台作品(=ストレートプレイ)も紹介していきます。

 

~~最近では「漫画のアニメ化」や逆に「アニメが漫画化」されるといった形で物語が複数のメディア展開されるのはよくあることになっています。しかし、その中でも舞台化が一番受け取る作り手の熱量が大きく感じます。~~
はじめに「はじめに  ~2.5次元舞台の魅力~」より

 

はじめに

「2.5次元ミュージカル(舞台)」は賛否両論にさらされてきました。「わざわざアニメを舞台化にする必要はあるのか」と思う方もいるかもしれません。2.5次元ミュージカルならではの魅力を知ると、その見方はきっと変わることでしょう。

はじめに  ~2.5次元ミュージカル(舞台)の魅力~

 

第1章 基礎知識

ここでは2.5次元ミュージカル(舞台)の「定義」「テニミュ」「ブーム」「俳優」について解説します。これらの基礎知識を理解することで2.5次元ミュージカルの全体像が見えてくることでしょう。

2.5次元ミュージカル(舞台)とは何か

ミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)とは

2.5次元ミュージカルのブームと今

2.5次元ミュージカルの俳優・演出家

 

第2章 主要な作品解説

ここでは2.5次元ミュージカル(舞台)の主要な作品について解説いたします。「スポーツもの」「アイドルもの」が定番である理由や「擬人化」作品の魅力、2つの制作会社が同時期に手がける「刀剣乱舞」などについてお伝えします。

2.5次元舞台の定番スポーツもの 【テニミュ/弱虫ペダル/他】

2.5次元舞台の定番アイドルもの 【あんさんぶるスターズ!/ツキウタ。/他】

2.5次元舞台の擬人化もの【ヘタリア/青春鉄道/ラブ米】

2.5次元舞台の異例の存在 【刀剣乱舞】

2.5次元舞台の男性向け作品 【けものフレンズ/Fate/Grand Order 】

 

第3章 鑑賞方法

2.5次元ミュージカル(舞台)の「劇場」「映画館」「自宅」3つの鑑賞方法を解説!「人気作のチケットを手に入れる方法」「ライブビューイングならではの楽しみ方」などを知り、実際に2.5次元ミュージカルを観てみましょう。

2.5次元舞台の鑑賞方法 【劇場編① チケット入手方法】

2.5次元舞台の鑑賞方法 【劇場編② 当日の持ち物/物販/マナー】

2.5次元舞台の鑑賞方法 【ライブビューイング編】

2.5次元舞台の鑑賞方法 【自宅編】