90年代J-POPヒット曲入門 ~音楽で振り返る90年代!~


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はじめに

1990年代は「バブル経済の崩壊」「松本サリン事件」「少年犯罪の増加」など、暗いニュースが多かった時代。しかしどんなときでもエンターテイメントは屈しない、そんなエンタメ文化の「アツさ」を筆者は感じていました。

1990年代とはどんな時代だったのか?

第1章 ムーブメント

ここでは90年代J-POP界の3つの主要なムーブメントを解説!当時は現在でも活躍するバンドが多く登場し、ドラマでは野島伸司作品が物議を醸し、猿岩石・野猿などバラエティ発のヒット曲が多く生まれたそんな時代。

90年代活躍したバンド
ドラマタイアップ=ヒット 
バラエティ発のヒット曲

第2章 ヒットメーカー

ここでは90年代のブームの立役者3人を解説!「TKブーム」「つんく♂の魅力」「ビーイング系アーティストの台頭」。あの時なぜ流行っていたかはこの3人を知れば見えてくる!

小室哲哉
つんく♂
織田哲郎

第3章 ヒット曲20選

「有名な曲を改めて味わう」 をテーマに90年代感を堪能できる名曲を選出。90年代J-POP界の雰囲気を名曲とともに振り返ってみましょう。

【男性ボーカル編①】
【男性ボーカル編②】
【女性ボーカル編①】
【女性ボーカル編②】

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。
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90年代J-POPヒット曲おすすめ20選 【女性ボーカル編①】

Webon紹介目次著者

あなたにとっての“あの頃”はいつですか?著者にとってアツかった時代「90年代」のJ-popヒット曲を生粋の邦楽ファンの著者が分析します!読めば“あの曲”を聴きたくなる事間違いナシ!!

90年代J-popヒット曲入門 ~音楽で振り返る90年代!~(全11ページ)はこちらから!

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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『90年代J-popヒット曲入門』目次へ  (全11ページ)

 

この章では「有名な曲を改めて味わう」をテーマに、私がおすすめしたい名曲20選を【男性ボーカル編】【女性ボーカル編】に分けて紹介いたします。

90~99年における各年の年間売上げトップ50を参考に、とくに90年代の雰囲気を感じられる曲をセレクションいたしました。

心に残るフレーズや好きな歌詞も添えながら、ほんの数曲ですがご紹介・解説をしていきたいと思います。

以下では女性ボーカルのおすすめしたい名曲10選を順不同で紹介します。

 

① Diamonds(プリンセス プリンセス) ~バブルのキラキラを思い出す~

リリース年月 1989年4月21日
オリコン 1989年度年間1位
収録アルバム 「SINGLES 1987-1992」
「The Greatest Princess」
「プリンセス プリンセス大全集」
「The Last Live」
ソニー「オーディオテープ」スズキ「Kei-SPORTS」のCMソング。プリンセス・プリンセスがリリースしたシングルの中で唯一ミリオンセラーを達成した自己最高ヒット曲。

 

「Daiamonds」リリースは1989年。根強い人気で90年のセールスベスト50にも名を連ねてはいるものの「90年代リリース」をご紹介する章でピックアップすべきかは悩むところでした。

しかし「Diamonds」以上に90年代初頭の空気感をもつ楽曲がないのです。

 

リリース時、日本はまさにバブル景気のなかにありました。私は当時まだ幼く、好景気に活気づく日本というのは記憶の片隅にほんの少ししか残っていません。

当時をキラキラしたもののように思うのは、楽しいことしかなかった子どもであったからなのか、本当に世界がきらめいていたのかはわかりません。

でも「Diamonds」を聴くと、プリプリの当時のライブ演奏を観ると、笑顔いっぱいのファンを見ると…記憶の片隅の、あの“キラキラ”を思い出すのです。

 

ダイアモンドだね いくつかの場面
うまく言えないけれど 宝物だよ
あの時感じた 予感は本物
今 私を動かしてる そんな気持ち

引用:プリンセス プリンセス「Diamonds」作詞 中山加奈子/作曲 奥居香

 

「ブラウン管」「針がおりる瞬間」「はじめて電話するとき」…

これらのワードに胸がときめく世代にしかわからない、ダイアモンドみたいに輝く時間。ずっと汚れることなく、それぞれの想い出に刻まれていることでしょう。

ちなみにこのシングルのB面は「M(プリンセス・プリンセスの代表曲のひとつとされている)」。なんとも豪華なシングルCDですね。

 

② サイレント・イヴ(辛島美登里) ~90年代を代表する冬の名曲~

リリース年月 1990年11月7日
オリコン 週間1位/1991年度年間12位
収録アルバム 「GREEN」
「SINGLES」
「GOLDEN☆BEST 辛島美登里」
 TBS系ドラマ「クリスマス・イヴ」主題歌。80万枚を売り上げる自身最高のヒット作。

 

辛島美登里は、現在はあまりテレビで見かけることがありませんが、90年代には音楽バラエティ等に時々出演することもあり当時を知る人にとっては身近な存在かと思います。

「なんて歌のうまい人だろう」

辛島美登里の歌を初めて聴いたときの衝撃は今でも覚えています。

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90年代J-POPヒット曲おすすめ20選 【男性ボーカル編①】

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あなたにとっての“あの頃”はいつですか?著者にとってアツかった時代「90年代」のJ-popヒット曲を生粋の邦楽ファンの著者が分析します!読めば“あの曲”を聴きたくなる事間違いナシ!!

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この章では「有名な曲を改めて味わう」をテーマに、私がおすすめしたい名曲20選を【男性ボーカル編】【女性ボーカル編】に分けて紹介いたします。

90~99年における各年の年間売上げトップ50を参考に、とくに90年代の雰囲気を感じられる曲をセレクションいたしました。

心に残るフレーズや好きな歌詞も添えながら、ほんの数曲ですがご紹介・解説をしていきたいと思います。

まずは男性ボーカルのおすすめしたい名曲10選を順不同で紹介します。

 

① 浪漫飛行(米米CLUB) ~バブルを感じたいならこの曲~

リリース年月 1990年4月8日(シングル『浪漫飛行』)
オリコン 1990年度年間2位
収録アルバム 「KOMEGUNY」 
「DECADE」
「HARVEST SINGLES 1985-1992」
「HARVEST SINGLES 1992-1997」
「STAR BOX」
「米~Best of Best~」
累計売上は約170万枚。1990年にJALの沖縄旅行「JAL STORY 夏離宮キャンペーン」のCMイメージソングに起用。

もともと87年のアルバム「KOMEGUNY」 に収録されていた米米CLUBの「浪漫飛行」。

▼アルバム「KOMEGUNY」(画像クリックで無料聴き放題有)

90年にJAL沖縄旅行のCMイメージソングに起用されシングルカット。ミリオンヒットを記録しました。

沖縄旅行のCMは当時かなりインパクトがあったので、印象に残っている方も多いでしょう。

CMのイメージなのか、TVで見ていた彼らの想い出なのか…米米CLUBはゴージャスな衣装を身にまとい全身で音楽を楽しむ、キラキラ輝いている集団でした。

米米CLUBは自分たちが楽しむことで、見る者聴く者を楽しませてくれた。

私の記憶のなかの「バブル」を象徴する存在、それが米米CLUBです。「浪漫飛行」を聴けばバブル時代の雰囲気を充分に感じることができるでしょう。

 

イントロから続く特徴的なベース音が静かに躍動感を演出。

Aメロ~Bメロと次第に雲が割れ、サビでは一気に青い空が広がる、

そんな曲展開。

同じく90年代にヒットした米米CLUBの「君がいるだけで」と比較すると、実は暗めで複雑なコード進行が用いられています。

 

複雑なコード進行とは
コードとは「ドとミとソ」「レとファとラ」など複数の音を重ねた音のこと。曲は「基本的なコード進行」というものに沿って作られているものが多い。基本的なコード進行とはつまり「このコード進行であれば曲として形になる」というもの。それに対して複雑なコード進行とは基本的なコード進行ではあまり見ないコード進行の曲や、あまり普通では使われないコードが出てくる曲などが該当する。

 

そこから「逃げ出す」ことは誰にでもできることさ
あきらめという名の傘じゃ 雨はしのげない

引用:米米CLUB「浪漫飛行」作詞作曲 米米CLUB

 

2番のAメロ(楽曲に歌い出しから曲調が変わるまでのパート)でサラっと歌われているこのフレーズ。

私にはとても印象深く、悩んだときにふと思い出すことがあります。

 

いつかその胸の中までも くもらぬようにRight Away
おいかけるのさ My Friend
トランク一つだけで浪漫飛行へ In The Sky
飛びまわれ このMy Heart

引用:米米CLUB「浪漫飛行」作詞作曲 米米CLUB

 

この曲はラブソングのようでもありながら、「My Friend」という言葉も使われているように友情あるいは不特定多数に向けたメッセージであると思っています。

「浪漫飛行」というタイトルがそもそもいいですよね。素敵なセンスだといつも思います。

米米CLUBは現在もライブ活動を行っており、ボーカルのカールスモーキー石井こと石井竜也の変わらない歌声も健在。

▼「浪漫飛行」(期間限定無料聴き放題有)

 

② Endless Rain(X JAPAN) ~社会現象となった伝説のバンドの名曲~

リリース年月 1989年12月1日
オリコン 週間3位/1990年度年間21位
収録アルバム 「BLUE BLOOD」
「X SINGLES」
「B.O.X~Best of X~」
「BALLAD COLLECTION」
「STAR BOX」
「X JAPAN BEST FAN’S SELECTION」
映画「ZIPANG」のテーマソングに起用。ライブではほぼ毎回演奏され、ファンとの合唱が行われる。作詞作曲はYOSHIKIとなっているが、ギターソロはHIDEが作曲した。

【編集部コラム】X JAPANってどんなバンド?

1990年代にはビジュアル系バンドブームが起きます。日本のビジュアル系の元祖と言えばX JAPAN(1989年に「X」でデビューし1992年に改名)。1989年にリリースされた「紅」は1989年日本有線大賞の最優秀新人賞受賞曲に選ばれました。髪型やファッションを真似る人が現れ社会現象となるほどのムーブメントを巻き起こしました。

 

当時のXあるいはXJAPANはバンドの激しいイメージが定着・先行しており、破壊的なパフォーマンスやビジュアル面ばかりが注目され、彼らのファンも含め世間からは「触るな危険」といった雰囲気がありました。(デビュー当時にはYOSHIKIの戦略でバラエティにも多数出ていましたが)

「Endless Rain」は当時一般層が抱いていたXのイメージ(派手、怖い)を覆し、世間にXというバンドの音楽性の高さを知らしめた曲であると私は認識しています。

デビュー当時のベーシスト、Taijiこと沢田泰司の持ち味である“歌うようなベースライン”が聴きどころのこの曲。間奏部分は必聴です。

Toshlの、ややハスキーな低音とクリアなハイトーン。魂の歌声。

Yoshikiの真骨頂、X JAPANならではのメロディアスなロックバラード。

彼の独白を思わせる、どこか悲壮感をまとう美しい歌詞。

hide、PATAのツインギターによる重厚感のあるサウンド。

バンドサウンドの“印象”というものはやはりギタープレイが担う部分が多く、「X JAPAN」の音はこの2人の音なのだと思うのです。

発売当時から20年以上の月日が経ったとはとても思えない、ロックバラードの最高傑作です。

「Endlles Rain」期間限定無料聴き放題有

【筆者コラム】X JAPANのライブ
2017年に念願だったX JAPANのライブに初めて参加することができた私。Toshl(X JAPANのボーカル)の煽り、歌声には、聴衆を圧倒させるすさまじいカリスマ性を感じました。鳥肌が止まらない、そんな体験は久しぶりのことでした。小さな声、優しい口調で話す普段の姿からは想像もつかないほどのパワー。かつて社会現象となった伝説のバンドは健在でした。ラストはもちろん「Endless Rain」。

 

③ 愛は勝つ(KAN) ~90年代に誰もが聴いた曲~

リリース年月 1990年9月1日
オリコン 8週連続週間1位/1990年12月度・1991年1月度月間1位
収録アルバム 「野球選手が夢だった。」
「めずらしい人生」
「The Best Singles FIRST DECADE」
「IDEAS the very best of KAN」
「弾き語りばったり #19 今ここでエンジンさえ掛かれば」
「la RINASCENTE」
第33回日本レコード大賞を受賞し、売上累計枚数は200万枚を超える。

 

「愛は勝つ」はフジテレビ系人気バラエティ番組の「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ(1989年~1992年放送)」の挿入歌になったことをきっかけに大ヒットを記録しました。

90年代を代表する曲といっても過言ではありません。とにかくよく聴かれ、よく歌われた曲。まさしく90年代に誰もが聴いた曲といえます。

 

典型的なカノン方式(日本のヒット曲でよく使われるコード進行)を用いた、シンプルイズベストともいうべき楽曲。敬愛するビリージョエルの楽曲を模倣したという、ピアノによる印象的なイントロから始まります。

 

ビリー・ジョエル

1949年生まれ。アメリカ出身のシンガーソングライター。全世界で1億5000万枚以上のレコード・セールスを記録。1973年にリリースのアルバム「ピアノ・マン」が大ヒットとなる。

▼「ピアノ・マン」公式MV

 

私が好きなのはこの楽曲の歌い出し。

 

心配ないからね 君の想いが誰かにとどく明日がきっとある

引用:KAN「愛は勝つ」作詞作曲 KAN

 

KAN自身は気に入らないと話していたこともあるようですが「心配ないからね」という、これ以上なく優しい言葉がたまりません。

「心配ないよ」でも「心配すんな」でもなく「心配ないからね」。

寄り添うようなあたたかい言葉に、救われた人もいることでしょう。

KAN独特のハスキーな声も、まっすぐなメッセージを届けるこの曲にはぴったりでした。

 

 

④ はじまりはいつも雨(ASKA) ~ASKAのソロ最大のヒット曲~

リリース年月 1991年3月6日
オリコン 週間2位/1991年度年間5位
収録アルバム 「SCENE Ⅱ」
「ASKA the BEST Selection 1988-1998」
「SCENE Ⅰ&Ⅱ limited edition」
「SCENE of SCENE 〜selected 6 songs from SCENE I,II,III〜」
「12」
「We are the Fellows」
パナソニック「HALFコンボ」CMソング。映画「おいしい結婚」主題歌。第33回日本レコード大賞で、作曲賞、ゴールドディスク賞、最優秀歌唱賞を受賞。第6回日本ゴールドディスク大賞ではシングル・ベスト5賞を受賞している。

 

90年代初頭に大活躍した人気デュオ・CHAGE&ASKA。おもに主旋律を歌うASKAの声、そしてCHAGEとの絶妙なハーモニー、いわば「CHAGE&ASKA」の声は、90年代を象徴するものといえます。

「はじまりはいつも雨」は、そんな“あのころ”を思い出させてくれる名曲。

ちょっぴりキザで優しいラブソングを作らせたら右に出る者はいないASKAのソロ最大のヒット曲です。

 

君に逢う日は不思議なくらい 雨が多くて
水のトンネルくぐるみたいで しあわせになる

引用:ASKA「はじまりはいつも雨」作詞作曲 飛鳥涼

 

雨というありふれた出来事も、ソングライターにとっては物語となりラブソングとなるのだなぁとつくづく才能を感じます。

 

君の名前は 優しさくらいよくあるけれど
呼べば素敵な とても素敵な 名前と気づいた

ASKA「はじまりはいつも雨」作詞作曲 飛鳥涼

 

アーティストの描く言葉を、すべてかみ砕き解釈することは到底無理な話。

もちろんASKAの歌詞も同じくです。

しかし、ASKAの紡ぐ言葉にはゆるぎない優しさを感じる。

そして言葉の選択がとても美しい。

彼の作るラブソングにはいつも“ときめき”を感じます。

 

今夜君のこと誘うから空を見てた はじまりはいつも雨 星をよけて

引用:ASKA「はじまりはいつも雨」作詞作曲 飛鳥涼

 

雨が降ると聴きたくなる曲。

憂鬱な雨も、悪くないなと思える名曲です。

 

 

⑤ 涙のキッス(サザンオールスターズ) ~90年代を振り返るシーンで流れる名曲~

リリース年月 1992年7月18日
オリコン 7週連続週間1位/1992年8月度月間1位/1992年度年間5位
収録アルバム 「世に万葉の花が咲くなり」
「HAPPY!」
「海のYeah!!」
「バラッド3 〜the album of LOVE〜」
 TBS系ドラマ「ずっとあなたが好きだった」主題歌。au「LISTEN MOBILE SERVICE」キャンペーンソング。サザンオールスターズ初のミリオンセラー。累計売上枚数は約155万枚。

 

「ドライブのときにいつも聴いていた」

サザンの曲を語るとき、よく耳にする言葉です

TVで90年代当時を振り返るシーンがあると、BGMに流れるのは大抵「涙のキッス」や「真夏の果実」といったサザンのバラード。それほど、サザンの曲はたくさんの人の青春、恋愛、人生とともにあるのでしょう。

 

サザンオールスターズの“サザンらしさ”の正体とは。私はずっと考え続けています。「サザンはサザンをパクり続けている」そんな印象があります。サザンをリバイバルし続けている、サザンをトリビュートしている。そんなかんじ。

常に新しいチャレンジを取り込みながらも、根底にあるゆるぎない「サザンらしさ」の正体。それをいつか解き明かしたいと常々思っています。

 

そのサザンバラードの根っこを感じるのが「涙のキッス」。

とはいえサザンにすればすでに31枚目のシングルにあたるのですが。

歌詞に描かれているのは、悲しい、ツライ、泣きたい、悔しいではなく。

愛していたこと、別れを受け入れること、相手の幸せを祈ること、でも「もう一度だけ」と願うこと。失恋の曲ながら、温かみのあるメロディに似合う、優しい気持ちのラブソング。

 

ふられたつもりで生きてゆくには 駄目になりそうなほど 悲しみが消えない

引用:サザンオールスターズ「涙のキッス」作詞作曲 桑田佳祐 編曲 サザンオールスターズ/小林武史

 

“ふられたつもり”という言葉が気になりますね。事実はどうなのでしょうか。

「誰よりも愛してる」「もう一度だけでも」という、叶わない願いが切ない1曲です。

 

 

【男性ボーカル編②】に続く

 

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目次著者

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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90年代J-POP界のムーブメント① 【90年代に活躍したバンド】

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あなたにとっての“あの頃”はいつですか?著者にとってアツかった時代「90年代」のJ-popヒット曲を生粋の邦楽ファンの著者が分析します!読めば“あの曲”を聴きたくなる事間違いナシ!!

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この章では90年代のJ-POP界のムーブメントを

①【90年代に活躍したバンド
②【ドラマとのタイアップ
③【バラエティ発のヒット曲

という3つの主要なところにスポットを当てて解説いたします。

このページでは90年代に活躍したバンドについてお伝えします。

 

90年代のヒットチャートの傾向

80年代後半から着々と盛り上がりを見せていたバンドブームに加え、90年代デビューバンドの躍進。次々にヒット曲が生まれ、ミリオンセラーをとばしました。

▼90年代デビューバンドの例

バンド名 デビュー
1991 スピッツ シングル「ヒバリのこころ」でメジャーデビュー
1991 ZARD シングル「Good-bye My Loneliness」でデビュー
1992 Mr.Childrem アルバム『EVERYTHING』でメジャーデビュー
1994 JUDY AND MARY シングル「POWER OF LOVE」でメジャーデビュー
1994 GLAY シングル「RAIN」でメジャーデビュー
1994  L’Arc〜en〜Ciel ビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビュー

 

90年代のヒットチャートは今思えば豪華なラインナップであったように思います。

そして、「B`z」「スピッツ」「Mr.Childrem」などこの時代に活躍していたバンドの多くが今も現役で活躍しています。

 

95年以降がバンド全盛期

 

「CD売り上げ」「メディア露出」「タイアップ本数」という視点でみるとするならば、メジャーバンドがもっとも活躍した時期は95年以降かと思います。

以下では、何度目かのバンド全盛期である95年~99年のJ-POP界の状況と、配信などがなく、レンタルもまだ盛んではなかった時代にどのように音楽の情報を手に入れていたか(現在との違い)という点を自身の体感・経験を中心に語りたいと思います。

90年代のリアルなJ-POP界の状況を温度感とともに、お伝えいたします。

 

95年~96年

95年オリコンシングルTOP20

▼95年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE/嵐が来る」
2 H Jungle With t「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」
3 福山雅治「HELLO」
4 Mr.Children「Tomorrow never knows」
5 Mr.Children「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」
6 MY LITTLE LOVER「Hello, Again 〜昔からある場所〜」
7 桑田佳祐&Mr.Children「奇跡の地球」
8 岡本真夜「TOMORROW」
9 スピッツ「ロビンソン」
10 B’z「LOVE PHANTOM」
11 trf「CRAZY GONNA CRAZY」
12 Mr.Children「【es】 〜Theme of es〜」
13 B’z「ねがい」
14 B’z「love me, I love you」
15 trf「masquerade」
16 L⇔R「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」
17 大黒摩季「ら・ら・ら」
18 B’z「MOTEL」
19 シャ乱Q「ズルい女」
20 H Jungle with t「GOING GOING HOME」

 

95年~96年当時のリアルな状況


My Little Lover「Hello,Again~昔からある場所~」

 

小学校中学年の頃はじめて自分のお小遣いで買ったCDはMy Little Loverの「Hello,Again~昔からある場所~」(1995年8月リリース)でした。

1996年の年明け、まだ寒いころのことです。

一緒に行った兄はMr.Childrenの「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」を購入。

当時はまだ「My Little Lover(以下マイラバ)」も「Hello,Again」も読めませんでした。

一度聴いただけでこの曲を好きになり、何度も聴きたくてCDを買おうと思ったものの、誰のなんという曲なのかがわからず苦労したものです。

それでもCMや歌番組でマイラバ独特のあの声が聴こえるたび、必死で耳を傾け、メロディと歌詞を覚えました。

かろうじて「昔からある場所」は読むことができたので、当時駅前にあった町内唯一のCDショップ(大半が演歌のカセットテープだった)へ行き、あ行からわ行までしらみつぶしに探し、ようやく見つけたときは本当にうれしかった。

宝物に会えた心地でした。

 

▼「Hello,Again~昔からある場所~」ストリーミング(聴き放題無料体験有)

 

当時、店のおっちゃんに「流行ってるから多分これちゃうか?」と安室奈美恵の「Body Feels EXIT」とJUDY AND MARYの「そばかす」を勧められたのを覚えています。

▼安室奈美恵「Body Feels EXIT」

▼JUDY AND MARY「そばかす」

 

 

当時はいわゆる縦長の8㎝CD。

B面とカラオケバージョンも収録されていました。

「買ってでも聴きたい」というよりも「買わなければちゃんと聴けない」という思いが強かったように思います。

毎日聴きました。カセットテープに落として、親が運転する車のなかでも聴きました。

はじめてCDを買って以降、歌番組をなるべく欠かすことなく見るようになりました。「ミュージックステーション」や「夜もヒッパレ!」「カウントダウンTV」といったところ。

当時は録画もさほど簡単ではなかったので、リアルタイムで見て聴いて「これだ!」と思った曲をいかに逃さないかが勝負でした。

つくづく音楽との出会いはタイミングが重要であると思います。

ZARDの「マイフレンド」も気に入ったもののバンド名を読めませんでした。アルファベットの並びをノートにメモして、またTVで出会える日を待ちました。

▼ZARD「マイフレンド」

globeの曲はタイトルも歌詞もほとんどが英語。

それでもメロディはすぐに覚えることができました。CMやランキング番組で何度も耳にしたし、有線でもよく流れていたので。

ウルフルズやスピッツは曲そのものがキャッチーな上、タイトルが簡単ですぐに覚えることができたので、よく口ずさんでいたように思います。

 

【コラム】スピッツの「渚」

余談ですが、スピッツの「渚」に好きなフレーズがあります。

ぼやけた六等星だけど 思い込みの恋に落ちた 初めてプライドの柵を超えて

引用:「渚」スピッツ 作詞・作曲草野正宗

たったこの一言、そして私なりの解釈でしかないため真意はわかりませんが、ある日このフレーズだけがストンと入ってきて、そのまま私のなかに残りました。

私は「ぼやけた六等星」です。恋をするときはこんな気持ち。自分など…と思いながら、自分を守る柵を飛び越えなければいけない。恋を知り始めたころから、このどこか自虐的な表現がとても好きでした。

しかし「恋のはじまり」という曖昧なものじたいが「見えるか見えないかの六等星」である。つまりは「思い込みの恋」とは恋のはじまりを歌っているのかもしれないなと感じるときもあり、つくづくスピッツの歌詞は美しく、奥が深いと思います。

 

96年~97年 当時のリアルな状況

96年~97年オリコンシングルTOP20

▼96年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 Mr.Children「名もなき詩」
2 globe「DEPARTURES」
3 久保田利伸 with NAOMI CAMPBEL「LA・LA・LA LOVE SONG」
4 スピッツ「チェリー」
5 Mr.Children「花-Mémento-Mori-」
6 スピッツ「空も飛べるはず」
7 サザンオールスターズ「愛の言霊 〜Spiritual Message」
8 華原朋美「I’m proud」
9 安室奈美恵「Don’t wanna cry」
10 安室奈美恵「Chase the Chance」
11 B’z「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜/MOVE」
12 B’z「Real Thing Shakes」
13 安室奈美恵「You’re my sunshine」
14 松田聖子「あなたに逢いたくて 〜Missing You〜/明日へと駆け出してゆこう」
15 PUFFY「アジアの純真」
16 PUFFY「これが私の生きる道」
17 MY LITTLE LOVER「ALICE」
18 JUDY AND MARY「そばかす」
19 ZARD「マイ フレンド」
20 セリーヌ・ディオン with クライズラー&カンパニー「TO LOVE YOU MORE」

 

▼97年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 安室奈美恵「CAN YOU CELEBRATE?」
2 KinKi Kids「硝子の少年」
3 Le Couple「ひだまりの詩」
4 globe「FACE」
5 SPEED「STEADY」
6 今井美樹「PRIDE」
7 TK PRESENTS こねっと「YOU ARE THE ONE」
8 Mr.Children「Everything (It’s you)」
9 GLAY「HOWEVER」
10 SPEED「White Love」
11 猿岩石「白い雲のように」
12 ポケットビスケッツ「Red Angel」
13 安室奈美恵「a walk in the park」
14 華原朋美「Hate tell a lie」
15 河村隆一「Glass」
16 B’z「Calling」
17 GLAY「口唇」
18 PUFFY「渚にまつわるエトセトラ」
19 SMAP「SHAKE」
20 B’z「Liar! Liar!」

 

96年~97年当時のリアルな状況

私が小学校高学年くらいのとき、96年か97年頃のこと。高校生だった従兄弟がカセットテープに流行りの曲を焼いてくれました。

同時期に「お兄ちゃんが歌詞を書き起こしてくれた」だとか「お姉ちゃんが買った雑誌に歌詞集が載っていた」だとか、クラスメイトの一部が同じような経験を経て音楽を聴き始めるようになりました。

そこで出会ったのが、今も活躍するバンドの曲。

まず私のど真ん中に入ってきたのがGLAYの「グロリアス」。「恋に恋い焦がれ恋に泣く」だなんて意味もわからず口ずさんでいたこと、いま思えば恐ろしいものです。

▼GLAY「グロリアス」

 

私のカセットテープにはほかにも、スピッツ、JUDY AND MARY、ORIGINAL LOVE、ウルフルズ、Mr.Children、シャ乱Q、B’zなどの曲が入っていました。

解散はしてしまいましたが、L⇔R、FEELD OF VIEWも入っていたように思います。

 

B’zの「LOVE PHANTOM」はずっと、なんという曲なのか知らずに口ずさんでいたので、出会えた時は本当にうれしかったものです。

イントロを聴くなり「この曲じゃない!」と思ったのを覚えています。

▼B’z「LOVE PHANTOM」

 

でも、サビは私の知っている「LOVE PHANTOM」だった。

あの衝撃は、リスナーなら誰もが体験したでしょう。

 

JUDY AND MARYの「くじら12号」は林間学校のバスの中みんなで歌いました。

 

ウルフルズの「ガッツだぜ!」は、本当に当時、父親世代が口ずさんでいました。

 

「愛はきっと奪うでも 与えるでもなくて 気が付けばそこにある物」というミスチルがくれた言葉はいまも私の中心にあります。

▼Mr.Children「名もなき詩」

 

それにしてもこの豪華ラインナップ。ミーハーだと思うでしょう。

いえ、贅沢だと思うでしょうか。

しかし、実際に90年代のヒットチャートはこんな具合だったのです。

当時のベストテンは、このような顔ぶれが並ぶことが普通でした。

 

97年以降 ~当時のリアルな状況~

98年~99年オリコンシングルTOP20

 

▼98年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 GLAY「誘惑」
2 SMAP「夜空ノムコウ」
3 SPEED「my graduation」
4 BLACK BISCUITS「タイミング 〜Timing〜」
5 GLAY「SOUL LOVE」
6 Kiroro「長い間」
7 L’Arc〜en〜Ciel「HONEY」
8 KinKi Kids「愛されるより 愛したい」
9 Every Little Thing「Time goes by」
10 KinKi Kids「全部だきしめて/青の時代」
11 hide with Spread Beaver「ピンク スパイダー」
12 J-FRIENDS「明日が聴こえる/Children’s Holiday」
13 SPEED「ALL MY TRUE LOVE」
14 L’Arc〜en〜Ciel「花葬」
15 L’Arc〜en〜Ciel「snow drop」
16 SPEED「ALIVE」
17 B’z「HOME」
18 KinKi Kids「ジェットコースター・ロマンス」
19 Mr.Children「終わりなき旅」
20 L’Arc〜en〜Ciel「浸食 〜lose control〜」

 

▼99年年間オリコンシングルTOP20

順位 歌手「曲名」
1 速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だんご合唱団「だんご3兄弟」
2 GLAY「Winter,again」
3 浜崎あゆみ「A」
4 坂本龍一「ウラBTTB」
5 宇多田ヒカル「Automatic/time will tell(12cm)」
6 宇多田ヒカル「Addicted To You」
7 モーニング娘。「LOVEマシーン」
8 GLAY「BE WITH YOU」
9 L’Arc~en~Ciel「HEAVEN’S DRIVE」
10 KinKi Kids「フラワー」
11 浜崎あゆみ「Boys & Girls」
12 Something ELse「ラストチャンス」
13 Dragon Ash「Grateful Days」
14 GLAY「ここではない、どこかへ」
15 GLAY「サバイバル」
16 宇多田ヒカル「Movin’on without you(12cm)」
17 鈴木あみ「BE TOGETHER」
18 hiro「AS TIME GOES BY」
19 B’z「ギリギリchop」
20 KinKi Kids「雨のMelody/to Heart」

 

97年以降の当時のリアルな状況

 

97年のDragon Ash、99年のBUMP OF CHICKENやポルノグラフィティのメジャーデビューもよく覚えています。

Dragon ashを聴くと、なぜか大人になれた気がしました。m-flowやLOVE PSYCHEDELICOなども同じく。

背伸びしたい年頃に差し掛かった当時の私にとって、彼らの音楽は最高に「かっこいい」アイテムでしたし「聴いている」「知っている」ことが一種のステータスのようにも感じていました。

でも本当にかっこよかったし、いまもふと耳にすると当時の冬の匂いや、寄り道した塾の帰り道なんかを思い出します。ポルノグラフィティはどこか哲学を感じさせる歌詞、ハキハキとメリハリのある歌声ですぐに人気を博しました。

 

このままのスピードで世界がまわったら

アポロ100号はどこまで行けるんだろう?

離ればなれになった悲しい恋人たちの

ラヴ・E・メール・フロム・ビーナスなんて素敵ね

引用:「アポロ」ポルノグラフィティ/作詞ハルイチ/作曲ak.homma,Ryo

▼ポルノグラフィティ「アポロ」

 

なにか壮大なことを妄想したい、くすぶった年頃の中学生が憧れるにはぴったりの歌詞でした。あれから20年が経ち、当時アポロ100号に思いを馳せた中学生はとっくに大人になりました。ポルノグラフィティは今も変わらず、現役で活躍しています。

 

バンドは「続けることが難しい」とききます。

だからこそ、LUNA SEAやTHE YELLOW MONKEYなど、一度立ち止まり、休止や解散を経て帰ってきてくれるバンドがいること、彼らが再び素晴らしい音楽を届けてくれていることは、当たり前ではない幸せなのだとかみしめています。

90年代デビューではないため余談ではありますが、XJAPANの活動再開は本当にうれしかった。

TAIJIやhideには存命中に会うことは叶わなかったけれど、再び動き出したアツイ時間をライブで共有できたこと、歴史の大切な1ページに関われたような気持ちでいます。

生きている時間にはかぎりがあります。絶対に後悔をしないようにと、ライブがあればせっせと足を運ぶ日々を送っています。

『90年代J-popヒット曲入門』目次へ  (全11ページ)



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目次著者

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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90年代J-POP界のムーブメント③ 【バラエティ発のヒット曲】 

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あなたにとっての“あの頃”はいつですか?著者にとってアツかった時代「90年代」のJ-popヒット曲を生粋の邦楽ファンの著者が分析します!読めば“あの曲”を聴きたくなる事間違いナシ!!

90年代J-popヒット曲入門 ~音楽で振り返る90年代!~(全11ページ)はこちらから!

著者 シン アキコ

30代前半女性。邦楽ファン歴25年。70年代、80年代、90年代の邦楽を愛しています。「歌詞」「曲が生まれた背景」「当時の流行との関連性」などを分析することが好き。

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この章では90年代のJ-POP界のムーブメントを

①【90年代に活躍したバンド
②【ドラマとのタイアップ
③【バラエティ発のヒット曲

という3つな主要なところにスポットを当てて解説いたします。

このページでは「バラエティ発のヒット曲」について説明いたします。

 

90年代はバラエティ番組のヒットソングが多く登場した

 

90年代では、数々のバラエティ番組が軒並み高視聴率を誇りました。現在とは異なり、携帯電話やパソコンもない時代ですから、娯楽といえばもっぱらTV。

家族みんながTVの前に集まり、同じ時間を過ごしたものです。バラエティ番組から生まれた音楽ユニットやヒット曲も数多く存在します。

「エキセントリック少年ボウイ」「H jungle with T」「ポケットビスケッツ・ブラックビスケッツ」「Something ELse」「野猿」…

このトピックについては挙げればキリがないのですが、このページでは

①バラエティ番組のテーマソング
②バラエティ番組をきっかけにブレイク&歌手デビュー
③バラエティ番組の企画から生まれた名曲

大きく分けてこの3つを「バラエティ番組から生まれたヒット曲」と定義づけて、お話を進めていきましょう。

 

① バラエティ番組のテーマソング

▼90年代の主なバラエティ番組のテーマソング

番組名 歌手/曲名/リリース年
 邦ちゃんのやまだかつてないテレビ 大事MANブラザーズバンド「それが大事」1991
タモリのボキャブラ天国 小沢健二featuringスチャダラパー「今夜はブギー・バック」1994
めちゃめちゃイケてるッ! JUDY AND MARY「BLUE TEARS」1993「Hello!Orange Sunshine」1994
LOVE LOVE あいしてる KinKi Kids「全部だきしめて」1997
人気者でいこう! 浜田雅功「春はまだか」1997

 

大事MANブラザーズバンド「それが大事」

負けない事・投げ出さない事・逃げ出さない事・信じ抜く事
駄目になりそうな時 それが一番大事

引用:大事MANブラザーズバンド「それが大事」作詞・作曲 立川俊之

 

誰もが一度は耳にしたことがあるこのフレーズは、大事MANブラザーズバンドの「それが大事」。山田邦子の「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ(女芸人山田邦子の冠番組。1989年~1992年まで放送され最高視聴率20.4%を獲得。)」のエンディングテーマとして少しずつ人気に火が付き、大ヒットを記録しました。

『それが大事』はポップなメロディに乗せた「生きること」をテーマにした深い歌詞。まっすぐ一直線に、自分だけに届くような「がんばれ」のメッセージは、今も時代を超えて愛されています。

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