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カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!
「カンフー映画入門 ~観れば観るほど強くなる!?~」はこちらから!
著者:HARUKA
大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
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第4章ではおすすめのカンフー映画を13作品ご紹介しています。
このページではカンフー映画界のレジェンド、ジミー・ウォング氏の主演作品「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」をご紹介します。
▼紹介するおすすめカンフー映画
「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」(1975年公開/1978年日本公開)
基本情報
作品名 |
片腕カンフー対空飛ぶギロチン |
公開年 |
1976年 |
主演 |
ジミー・ウォング |
監督 |
ジミー・ウォング |
備考 |
ジミー・ウォング監督&主演「片腕ドラゴン」の続編
▼片腕ドラゴン(画像クリックで動画詳細へ)
|
あらすじ
前作で片腕になりながらも強敵を倒した主人公は、今回は武術道場を開いている。そして参加した大武闘大会で“空飛ぶギロチン”(というより回転ノコなんだけど…)を駆使する謎の老人を見る。その老人こそ、前作で仕留めた悪漢の師匠であった!
(引用:https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=0080152682&pT=null)
※著者談
前作「片腕ドラゴン」の続編ですが、前作を観ていなくても(もちろん観ていても)楽しめる作品です!実際、私も「片腕ドラゴン」を観る前に本作を鑑賞しましたがとても面白く、楽しむことができました!
こんな人におすすめ!
カンフー映画のレジェンド「ジミー・ウォング」の代表作を観たい方におすすめ!
コメディ要素も満載なので「カンフー」というアクションに馴染みが無い方でも楽しく観る事ができるでしょう。中国の清の時代が舞台なので日本とは異なる文化背景も楽しむことができます!
「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」のみどころ!
みどころ1 ジミー・ウォング氏の代表作!
「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」はジミー・ウォング氏の代表作です。
ジミー・ウォング氏(1943~)
カンフー映画ブームの基礎を作ったパイオニア的存在。ブルース・リー氏などのスターが出る前から活躍していたカンフー映画界のレジェンド。
ジミー・ウォング氏を詳しくは第2章で!(現在第4章)
今や購入すると中古でも5,000円以上する貴重な作品です。(TUTAYA DISCASではレンタル可能です。)
当時は撮影設備も今より整っていませんでしたが、だからこそ設営(セット)もとてもシンプルで分かりやすい映画です。時代は18世紀の清朝末期が舞台です。
清朝
1644~1912年まで今の中国とモンゴル地域を支配していた王朝。1894年には日本と日清戦争で対立している。
みどころ2 コメディ要素満載の映画!
「片腕ドラゴン」という異名のついた主役ジミー・ウォング氏の正義感あふれる真面目な立ち振る舞い。
それに反して、ジミー・ウォング氏が弟子たちへ「『気』を練って壁を歩く方法を見せる」というギャップを出すなど、時折「え?」とツッコミたくなるようなシーンを真面目に演じており、コメディ要素が満載です。
また、とある道場にて異種格闘技で武術大会が開かれるのですが、その参加者が更にツッコミどころ満載です。
かつらがずれているのが目に見えてわかりながらも長いおさげで相手を倒す「弁髪(べんぱつ)」、ヨガ使いで手がビヨーンと伸びる「インド人」、なぜかムエタイも参加しているなど、コメディ要素満載のキャラクターが登場します。
▼弁髪のイメージ
photo by Kszkkk CC 表示-継承 3.0
みどころ3 本格的カンフーも見られる映画!
コメディ要素がある反面、本格的なカンフーを見ることもできます。
三節棍(さんせつこん)
▼三節棍のイメージ
鷹爪拳(ようそうけん)
▼イメージ
蟷螂拳(とうろうけん)
▼イメージ
虎鶴双形拳(こかくそうけいけん)
など、本格的な中国の伝統武術が垣間見えるところも素晴らしく、こういった本格的なカンフーを見せることができるところにも説得力を感じる事ができる映画です。
カンフーアクションの迫力や技が多様な事などを楽しみながら観るといいでしょう。
みどころ4 ラストシーンに引き込まれる!
そして、作中で過去の情事により「片腕ドラゴン(ジミー・ウォング氏)」は、ヨーヨー状の円盤型ギロチンを扱う強敵「ギロチン」から復讐の的にされます。
強敵「ギロチン」は目が見えないため、片腕の人であれば「片腕ドラゴン」ではないかと疑い片端から殺していきます。
ギロチンで人の首をスパッとちょん切る様は漫画のようですが、その描写がかえって残酷に映ります。
ラストシーンの「片腕ドラゴン」VS「ギロチン」の闘いシーンがややスローモーションでハイライトのように見せているところがグッと引き込まれます。
みどころ5 DVD特典ジミー・ウォング氏のインタビュー!
更にDVDの特典として、ジミー・ウォング氏本人のインタビューがついているのですが、カンフー映画を知る上でとても興味深いコメントを聞くことができます。
ジミー・ウォング氏は、中国の武侠小説にあるような、勧善懲悪物語(悪を倒し、正義が勝つ)の象徴としての「片腕ドラゴン」のキャラクターを生み出しました。
武侠小説
中国文学の一つで、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公とした小説の総称。
「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」以前にあった剣などの武器を使った物語から脱却して、よりカンフーを前面に押し出した作品を作りたかったそうです。
そういった意味で、剣劇映画(剣などを用いたシーンを中心に据えた映画)に見切りをつけたのでしょう。
また、ラストシーンにおいては日本の映画「宮本武蔵」の決闘シーンを観て、表現や心理描写の大切さを学んだとコメントしています。
▼宮本武蔵(画像クリックで作品詳細へ)
余談 カンフー映画の功労者とその実弟が見られる!
少しマニアックな余談ですが、前半の武術大会シーンにおいて、虎鶴双形拳(こかくそうけいけん)を演じていたのが、カンフー映画界における武術指導の巨匠かつカンフー映画ブームの最大の功労者であるラウ・カーリョン氏の若かりし頃です。
ラウ・カーリョン(1934~2013)
香港の俳優・映画監督。「酔拳2」などの監督を務めた。
▼酔拳2(画像クリックでDVD詳細へ)
そして、三節棍(さんせつこん:先述)を扱っていたのがラウ・カーリョン氏の実弟であるラウ・カーウィン氏で、後にサモハン氏が監督や主演を務める「燃えよデブゴン」シリーズやユン・ピョウ氏の「猿拳」にも登場します。
サモハン氏(1949~)
多くのヒット作の製作・監督・出演をするカンフー映画の主要人物。大きな体格にも関わらず、俊敏な動きで観る人を圧倒する。
▼燃えよデブゴン・豚だカップル拳(画像クリックでDVD詳細へ)
燃えよデブゴン・豚だカップル拳を詳しくは後のページで!
ユン・ピョウ氏(1957~)
日本ではアイドル扱いをされていたカンフー映画スター。
ジャッキー・チェン氏やサモハン氏と息の合ったアクション、身体を張ったスタントに「本格的なアクションスター」を感じさせる。足技がとにかく美しい。
▼猿拳(画像クリックで作品詳細へ)
特に「燃えよデブゴン・豚だカップル拳」は観てもらいたい作品でもあります。サモハン氏とラウ・カーウィン氏のキレのある素晴らしい武器裁きを存分に見ることができる映画です。
このラウ・カーリョン氏とラウ・カーウィン氏2人を「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」の中で発見しただけでも私は感動しました。
カンフー映画の楽しみ方の一つとして、様々な作品に同じ役者が登場するので、作品ごとに「あ!この人他の映画で見たことある!」という発見から作品を辿って観ていくのも面白いです。
私はそのようにしてカンフー映画を好きになっていきました。
この映画のおすすめポイントのおさらい!
カンフー映画のパイオニア的存在であるジミー・ウォング氏の代表作とも言える作品はファンなら必見!
中国の文化を交えながら見せてくれるコメディ要素は必見!
やはり武術の達人ばかり登場するカンフー映画はアクションがスゴイ!
ラストシーンの「片腕ドラゴン」VS「ギロチン」の闘いシーンがややスローモーションでハイライトのように見せているところがグッと引き込まれる!
カンフー映画を知る上でとても興味深いコメントを聞くことができる!
ラウ・カーリョン氏とラウ・カーウィン氏2人を「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」の中で発見しただけでも感動!
「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」視聴方法
<サービス名クリックorタップで公式サイトへ進めます>
以上、おすすめカンフー映画「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」の紹介でした。
次のページではジャッキー・チェン氏の初期代表作「酔拳」を紹介していきます。
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大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
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