ヒョウモントカゲモドキの飼い方 <必要なもの・餌・ケージ・温度管理>

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エキゾチックアニマルはペットとしての歴史が浅く、人に馴れにくいからこその魅力があります。多数のエキゾチックアニマルを飼育してきた筆者が、種類・飼い方・会える場所などを紹介。

ペットとしての『エキゾチックアニマル』入門はこちらから

はじめに

エキゾチックアニマルとは

第1章 エキゾチックアニマルを深く知る

人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~

ペットを飼うなら知っておくべき心構え

エキゾチックアニマルを飼うなら知っておくべき心構え

第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~おすすめの飼育用品編~

第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

エキゾチックアニマルに会いに行こう① ~動物園編~

エキゾチックアニマルに会いに行こう② ~アニマルカフェ編~

エキゾチックアニマルを飼おう① ~ペットショップ編~

エキゾチックアニマルを飼おう② ~即売会(即売イベント)編~

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷) https://www.facebook.com/masaaki.kuniya.3344

『エキゾチックアニマル入門』目次へ  (全17ページ)

 

※以下の飼育方法はヒョウモントカゲモドキ、並びに多くの地表棲(ちひょうせい:地上に住む)ヤモリに広く応用できるものです。しかし動物種によって細かな相違点がありますので、購入する前にショップの店員さんや飼育本、インターネットなどで充分に情報収集をしてください。

 

ヒョウモントカゲモドキはどんな動物?

 

ヒョウモントカゲモドキはペットとしてもっともポピュラーな爬虫類で、世界中で盛んに飼育・繁殖がおこなわれています。

全長20cm前後と日本のヤモリと比べるとかなり大ぶりですが、壁面に張りつかず、物陰でじっとしていることが多いため、中型のプラスチックケースで十分に飼育することができます。

 

▼ヒョウモントカゲモドキの全長:500mlペットボトルの高さ(約20cm)

 

食性は昆虫食ですが、近年では人工飼料も発売されていますので、虫が苦手という方でも飼育は難しくありません。

温度管理もそれほどうるさくないので、エキゾチックアニマルの入門種としてもお勧めの爬虫類です。

 

飼育下での寿命は10~15年前後とされていますが、30年近く生きたという記録もあるそうです。

余談ですが、筆者が初めて飼育したエキゾチックアニマルもヒョウモントカゲモドキであり、お迎えから10年以上が経過した今でも元気にごはんをおねだりしています。

 

ヒョウモンカゲモドキの飼い方・必要なもの

 

必要なもの一覧

 

・飼育ケージ
・床材
・隠れ家
・水入れ
・保温器具
・温度計

 

ヒョウモンカゲモドキを飼うには以上のものが必要になります。下記では、それぞれの詳細について解説いたします。

 

ケージの選び方

 

まずヒョウモントカゲモドキを飼育する際のケージですが、それほど活発に動きまわる動物種ではありませんので、幅30cm×奥行20cm程度の爬虫類ケージもしくはプラケースがあれば十分です。

高さのないケージを使用する場合にはしっかりと蓋のできるものを用意してください。

 

▼爬虫類ケージ(画像クリックで商品詳細へ)

 

床材

 

「床材」とは
床材は、ケージの中に敷かれる材料のことです。床材が必要な理由には「防臭」「防音」「ケージの保護」「保温」「排泄物の処理」などが挙げられます。

<床材の一例:ハムスターを飼う際には、木材をおがくず状にしたウッドチップが床材に使われることが多い>

 

床材には砂やクルミ材、新聞紙、キッチンペーパーなどが一般的です。

クルミ材とはクルミを砂状に小さく砕いたもので、普通の砂と異なり誤って呑みこんでも安全に体内で分解・排出されるというものですが、お腹のなかで詰まってしまったという事例も皆無ではありません。

ですので、幼体時には砂やクルミ材の使用は避けておいた方が安全です。

 

▼クルミ材(画像クリックで商品詳細へ)

 

ちなみに筆者の場合は砂、キッチンペーパーを経てクルミ材に落ち着きました。

砂は「手入れの際に部屋のなかに砂が散らかる」、キッチンペーパーは「排泄物を処理するたびに全体を取り替えなければならない」ことに煩わしさを感じていましたが、クルミ材なら排泄物だけを取り除けばよい上に砂と比べて粒が大きいため散らかりにくく、両者の不満点を解決した床材であるといえます。

 

ウェットシェルターは実用的!

 

ヒョウモントカゲモドキは隠れ家があるとストレスが無く過ごせると言われます。

隠れ家は全身が隠れるものであれば何でも構いませんが、ウェットタイプのシェルターを用いることが一般的です。

ウェットタイプのシェルターとは、上部に水を貯めておくことのできる素焼きの隠れ家のことで、気化熱による冷却効果と高い湿度を維持することができるスグレモノです。

 

▼ウェットシェルター(画像クリックで商品詳細へ)

 

ひんやりと薄暗い湿った環境は野生下の隠れ家に近く、局所的に高い湿度を作ることはエンリッチメント(動物福祉から考える飼育される動物の幸せ)の観点から見ても有効であると考えられます。

 

また、冬場など空気が極端に乾燥している環境下で起きやすい脱皮不全を防ぐことができるなど、実用面でも高い効果が期待できます。

 

脱皮不全とは
ヒョウモンカゲモドキは古くなった皮膚脱ぎ去る「脱皮」という行為を行う。その時に、脱皮がうまくできないことを脱皮不全と言う。脱皮不全によって指が壊死してしまうことがあったりする。

 

一方で常に高湿度を維持しているためカビが生えやすく、こまめな手入れが必要です。

 

温度管理

 

ヒョウモントカゲモドキの適温は28~32℃とされており、エアコンなどで室内を一括で管理している場合を除いて、保温器具の設置は必須となります。

保温器具はパネルヒーターを用いることが一般的です。パネルヒーターとはその名のとおり薄いパネル状の保温器具のことで、ケージの底にあててケージ内の空気を暖められるというものです。

 

▼マルチパネルヒーター ビバリア(画像クリックで商品詳細へ)

 

お腹側から暖めることで生体の消化を促す効果があり、ヒョウモントカゲモドキに限らず爬虫類飼育に広く用いられています。

ケージ内に温度勾配を作るため、パネルヒーターはケージの1/3~半分程度となるように敷いてください。

 

 

ヒョウモントカゲモドキは完全な肉食性であるため、餌用の昆虫もしくはピンクマウスを与えます。

昆虫を与える場合には、栄養の偏りを抑えるためにカルシウムやビタミンなど専用のサプリメント剤をまぶしてから与えます。

 

▼専用サプリメントの例:ジェックス カルシウム(画像クリックで商品詳細へ)

▼専用サプリメントの例:ジェックス マルチビタミン(画像クリックで商品詳細へ)

「ミールワーム」を餌にする場合の注意点

 

特に餌としてミールワームを与える場合、ミールワームは栄養分が弱いため、給餌前(餌を与える前)にガットローディングを施しておく必要があります。

ガットローディングとは、生き餌に与える餌の質を上げることで生き餌自身の栄養素を高める方法を指します。ミールワームの場合には前述のサプリメントを数日前から餌として与えておくことで、ミールワームの内蔵に栄養素を蓄積させます。

「ガットローディング」に対して、生体に与える前に生き餌にサプリメント剤をまぶすことを「ダスティング」といいますので覚えておくといいでしょう。

 

▼ミルワーム(画像クリックで商品詳細へ)

 

また、野生の昆虫類は寄生虫や除草剤などの影響を受けているおそれがありますので、なるべく与えないようにしてください。

 

「ピンクマウス」を餌にする場合の注意点

 

ピンクマウスとは産まれたばかりのネズミの赤ちゃんのことで、ペットショップなどで主に冷凍した状態で売られています。

冷凍マウスを与える場合には、湯煎で芯までしっかりと解凍できたことを確かめてから与えてください。

また、ピンクマウスは栄養価が高く、単食で与え続けると肥満になってしまう危険性があるため、おやつとして昆虫食の合間に与えるか、充分な給餌間隔をおいて与えるなどの工夫が必要です。

 

▼ピンクマウス>(画像クリックで商品詳細へ)

 

餌用の昆虫やピンクマウスに抵抗があるという方には、各社から販売されている専用の人工飼料がお勧めです。

 

▼人工飼料の例:ヒカリ (Hikari) レオパゲル(画像クリックで商品詳細へ)

個体によっては人口飼料では餌付かない(食べない)場合もありますので、ショップで確認して人工飼料に餌付いている個体を購入するように気をつけてください。

給餌は幼体なら週に2回程度、成体であれば1週から10日に1回程度の間隔で食べるだけの量を与えます。

 

 

上記の飼育方法は、多くの地表棲(ちひょうせい:地上に住む)ヤモリに広く応用できるものですが、動物種によって細かな相違点がありますので、購入する前にショップの店員や飼育本、インターネットなどで充分に情報収集をしてください。

また、昼行性のヤモリやトカゲ、カメ類の場合には別途紫外線ライトが必要になります。

 

▼爬虫類用の紫外線ライト例(画像クリックで商品詳細へ)

 

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フクロモモンガの飼い方 <必要なもの・餌・床材・巣箱>

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エキゾチックアニマルとは

第1章 エキゾチックアニマルを深く知る

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第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~おすすめの飼育用品編~

第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

エキゾチックアニマルに会いに行こう① ~動物園編~

エキゾチックアニマルに会いに行こう② ~アニマルカフェ編~

エキゾチックアニマルを飼おう① ~ペットショップ編~

エキゾチックアニマルを飼おう② ~即売会(即売イベント)編~

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『エキゾチックアニマル入門』目次へ  (全17ページ)

 

前項では、エキゾチックアニマルのなかでもペットとして人気が高く流通量も多いポピュラーな動物種を、哺乳類や爬虫類など分類別にご紹介させていただきました。

この項では、エキゾチックアニマルを実際に飼ってみたいと考えている方に向けて、飼い方と飼育上の注意点を詳しくご紹介していきます。

 

フクロモモンガはどんな動物?

 

フクロモモンガは、有袋類です。有袋類は育児嚢(いくじのう)よ呼ばれるお腹の袋で子育てを行うのが特徴です。

 

▼有袋類である「カンガルー」が育児嚢(お腹の袋)で子育てする様子

 

フクロモモンガのようにペットとして飼育することのできる有袋類は非常に珍しく、繁殖に成功すれば育児嚢で子育てをする姿を観察することもできます。

 

全長およそ20cm、体重150g前後と非常に小柄で、飼育する際にもそれほど大きなスペースを必要としません。

 

▼フクロモモンガの全長:500mlペットボトルの高さ(約20cm)

 

昆虫類や果実を好んで捕食(ほしょく:つかまえて食べる)する雑食性ですが、ペットフード会社各社から専用の人工飼料が発売されるなど、エキゾチックアニマルのなかでは飼育しやすい部類であるといえます。

 

雑食性とは
動物性の食物、植物性の食物両方を摂取する性質があること

 

とはいえ、人に懐くかどうかは個体差が大きく、たとえ馴れにくい個体であったとしても終生飼育(生命を終えるまで飼うこと)する覚悟と責任感が必要となります。

野生下の寿命は5年前後とされていますが、飼育下では10年前後生きる個体も珍しくありません。

 

フクロモモンガの飼い方・必要なもの

必要なもの一覧

・飼育ケージ
・床材
・餌皿
・水差し・隠れ家
・止まり木
・保温器具
・温度計

 

フクロモモンガを飼うには以上のものが必要になります。下記では、それぞれの詳細について解説いたします。

 

フクロウモモンガのケージの選び方

 

まず飼育する際のケージですが、フクロモモンガは樹上棲(樹木の上に棲む)の傾向が強いため、ある程度の高さを確保できるケージを用意する必要があります。最低でも60cm前後の高さがあることが望ましいです。

 

▼フクロモモンガ用のケージの例(画像クリックで商品詳細)

 

小動物や小鳥向けのケージを用いることが一般的ですが、爬虫類向けのガラスケージを用いる場合もあります。

 

▼爬虫類向けのガラスケージの例(画像クリックで商品詳細)

 

小動物/小鳥向けの金網ケージは通気性が高くフクロモモンガ特有の体臭がこもりにくいというメリットがありますが、冬場の保温がしづらいというデメリットもあります。

 

エアコンで室温を一括管理する、専用の保温器具でケージ内を局所的に暖めるなど、飼育スタイル適したケージを選択してください。

また、フクロモモンガは運動量の多い生き物ですので、部屋に放して遊ばせる時間をとれないという方は、十分な運動量を確保できるだけの大きなケージを用意する必要があります。

 

床材について

 

「床材」とは
床材は、ケージの中に敷かれる材料のことです。床材が必要な理由には「防臭」「防音」「ケージの保護」「保温」「排泄物の処理」などが挙げられます。

<床材の一例:ハムスターを飼う際には、木材をおがくず状にしたウッドチップが床材に使われることが多い>

 

床材には牧草やおがくず、紙ペレット、新聞紙などを用いることが一般的です。

 

▼牧草(画像クリックで商品詳細へ)

▼おがくず(画像クリックで商品詳細へ)

▼紙のペレット(画像クリックで商品詳細へ)

それぞれに異なるメリットやデメリットがありますが、床材は飼育者の好みによるところが大きいため、まずはひととおりの床材を試してみることをお勧めします。

 

フクロモモンガには床材を巣の材料として隠れ家に運び入れる習性がありますので、飼育している個体の好みも考慮してください。

 

注意点として、針葉樹のおがくずは生体のアレルギー反応を誘発するおそれがあるため、必ず広葉樹のおがくずを用いるようにしてください。

また、小動物/小鳥向けのケージについている床用の金網は使わないので事前に取り外しておきます。

 

▼広葉樹のおがくず(画像クリックで商品詳細)

 

巣箱と温度管理について

 

フクロモモンガは夜行性の生き物であるため、昼間は暗い隠れ家のなかでじっとしています。専用の寝袋か小動物用の巣箱を必ず用意してください。

複数飼育の場合は、フクロモモンガの数だけ隠れ家を用意します。

 

▼フクロモモンガ用寝床(画像クリックで商品詳細)

 

▼フクロモモンガ用巣箱(画像クリックで商品詳細)

 

フクロモモンガは寒さに弱く、その適温は24~28℃とされているため、エアコンなどで室内を一括で管理するという場合を除いて冬場は保温器具の設置が必須となります。

小動物/小鳥向けの保温電球やパネルヒーターが一般的ですが、爬虫類向けのガラスケージを用いる場合には過熱を防ぐためサーモスタットとの併用をお勧めします。

 

▼パネルヒーター(画像クリックで商品詳細)

▼サーモスタット(画像クリックで商品詳細)

 

保温器具を設置する際には、生体が適温を選択できるようケージ内に温度勾配を作ると良いでしょう。

 

餌について

 

フクロモモンガは雑食性であるため、昆虫など動物性の餌と果物や野菜といった植物性の餌をバランスよく与える必要があります。

餌用の昆虫類や季節の果物/野菜類に加えて、フクロモモンガ用人工飼料やフェレットフード、蜜食鳥(みつしょくちょう:ローリーやロリキートなどの動物種)用人工飼料、ペット用ミルクなどを適宜活用して、日々バリエーション豊かな餌を与えるように努めてください。

 

▼フクロモモンガフード(画像クリックで商品詳細)

 

▼モモンガミルク(画像クリックで商品詳細)

 

 

ネギ類や果物の種子、野生の昆虫類など、病気を引き起こす危険性のある食べ物も複数存在していますので、与えて良いかわからないものは獣医やショップの店員などに相談してから与えるようにすると安心です。

 

餌の与え方

 

餌を与えるのは活動をはじめる夕方から夜にかけて一日一回、十分な量を与えます。

また人間と同じように、個体による好き嫌いや気分によって食べなくなることもありますので、普段から観察を怠らず飼育している生体の個性を的確に把握しておきましょう。

 

フクロモモンガに限らず、ペットとして歴史の浅いエキゾチックアニマルは周囲に弱みを見せまいと、多少の不調であれば何事もないかのように振舞う習性があります。

異変に気づいたときには既に手遅れだったということも少なくありませんので、常に最悪の事態を想定して観察する癖をつけておくと良いでしょう。

 

上記の飼育方法は、多くの雑食性哺乳類に広く応用できるものですが、動物種によって細かな相違点がありますので、購入する前にショップの店員や飼育本、インターネットなどで充分に情報収集をしてください。

 

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代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

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第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~おすすめの飼育用品編~

第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

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『エキゾチックアニマル入門』目次へ  (全17ページ)

 

この章では、ペットとして飼育することのできる代表的なエキゾチックアニマルを生物群ごとにご紹介していきます。

 

哺乳類とは

(写真:哺乳類の生物の例)

 

哺乳類はその名のとおり乳腺が発達しており、子を乳で育てる習性をもちます。

 

乳腺とは
哺乳類の乳房の中にある母乳などを作る腺のこと。

 

ごく一部の例外を除いては、胎児を母体の中で育て、自立できるようになってから産み出す生態を持つ。その多くが体毛もしくは鱗で全身を覆われています。

世界中に約4,500種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ122種が分布しています。

 

帰化種とは
別の地域からやってきて、生態系を変えることなくその地域に定着した種のこと

 

フクロモモンガ(学名:Petaurus breviceps、英名:Sugar Glider)

 

特徴

 

フクロモモンガのようにペットとして飼育することのできる有袋類(ゆうたいるい)は非常に珍しく、繁殖に成功すれば育児嚢で子育てをする姿を観察することもできます。

 

有袋類(ゆうたいるい)とは
有袋類は、未熟な状態で生まれた子どもを育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋の中で育てるのが特徴の生物。代表的な生物に「カンガルー」などがいる。

<カンガルーが育児嚢(お腹の袋)で子育てする様子>

 

全長およそ20cm、体重150g前後と非常に小柄で、飼育する際にもそれほど大きなスペースを必要としません。

 

<フクロモモンガの全長:500mlペットボトルの長さ(約20cm)>

 

昆虫類や果実を好んで捕食する雑食性ですが、各社から専用の人工飼料が発売されるなど、エキゾチックアニマルのなかでは飼育しやすい部類であるといえます。

 

▼人工飼料の例:SANKO フクロモモンガフード(画像クリックで商品詳細へ)

 

とはいえ、人に懐くかどうかは個体差が大きく、たとえ馴れにくい個体であったとしても終生飼育する覚悟と責任感が必要となります。

野生下の寿命は5年前後とされていますが、飼育下では10年前後生きる個体も珍しくありません。

 

分類
フクロモモンガは双前歯目(そうぜんしもく:カンガルーなどが属する)フクロモモンガ科に属し、モモンガという名がついてはいますが、齧歯目(げっしもく:齧歯=物をかじるのに適した歯と顎)リス科に属するモモンガとは遠縁(とおえん:遠い血縁関係)の動物種です。

フクロモモンガが属する双前歯目は別名カンガルー目とも呼ばれ、有袋類(先述)の一部を形成しています。

有袋類は雌の腹部に備えた袋状の育児嚢の内部で、未熟な状態で産まれた新生児を育てる習性があり、主にオーストラリアやニューギニアの周辺に分布しています。

 

 

ヨツユビハリネズミ(学名:Atelerix albiventris、英名:Four-toed Hedgehog)

 

特徴

 

ハリネズミはかつて「食虫目(しょくちゅうもく:虫を主食とする)」に分類されていました。このことからも察せられるように、ハリネズミは昆虫類やミミズ、小型の爬虫類や両棲類(りょうせいるい:カエルなどのの水中と陸上で住む動物)を好んで捕食(ほしょく:捕まえて食べる)する肉食性の強い雑食性動物です。

 

雑食性とは
動物性の食物、植物性の食物両方を摂取する性質があること

 

専用の人工飼料も普及していますが、エンリッチメント(動物福祉から考える飼育される動物の幸せ)の観点から餌用の昆虫類を並行して与える必要があります。

 

全長およそ20cm、体重500g前後と両掌におさまる程度の大きさですが、狭いケージだと運動不足から肥満になりやすいため、飼育する際には運動量を確保できる環境を整えるようにしてください。

 

<ヨツユビハリネズミの全長:500mlペットボトルの長さ(約20cm)>

 

飼育下での平均寿命は5年程度とされています。

 

分類
ヨツユビハリネズミは食虫目ハリネズミ科に属し、ネズミという名がついてはいますが、ネズミよりもモグラに近い動物種です。

食虫目は別名モグラ目とも呼ばれ、トガリネズミやテンレックといった動物なども含まれていましたが、現在では四つの上目(じょうもく:○○目○○科の目の上につけられる目の分類)に解体され、正式な分類群としては用いられなくなっています。

▼トガリネズミ

photo by Mnolf (トーク · 投稿記録) CC 表示-継承 3.0

▼テンレック

(出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Tanrek.jpg)CC 表示-継承 3.0

 

ミーアキャット(学名:Suricata suricatta、英名:Meerkat)

 

特徴

 

筆者の知り合いのブリーダーによると、飼育下ではキャットフードを中心にエサを与えることが多いようですが、エンリッチメント(動物福祉から考える飼育される動物の幸せ)の観点から生き餌も並行して与える必要があると考えられます。

また、野生下ではペアもしくは複数の家族からなる集団を形成して生活しているため、同じくエンリッチメントの観点からは複数匹の飼育が推奨されます。

 

社会性の強い動物種であるため比較的人馴れはしやすいですが、繁殖期には凶暴性を示す場合があるため、安易な飼育はお勧めできません。

 

繁殖期とは
動物が求愛や交尾、産卵などをして数を増やす時期のこと。

 

飼育下での平均寿命は10年前後といわれています。

 

分類
ミーアキャットは食肉目(しょくにくもく:現在はネコ目とも呼ばれる)マングース科に属し、キャットという名がついてはいますが、ネコよりもマングースに近縁(きんえん:血縁関係が近い)の動物種です。

食肉目は別名ネコ目とも呼ばれ、その名のとおり肉食性を示す動物種がそのほとんどを占めていますが、ミーアキャットは昆虫や爬虫類やサソリ、小型の哺乳類といった肉食の他、植物の茎や根、果実なども積極的に摂取する雑食性の動物です。

雑食性とは
動物性の食物、植物性の食物両方を摂取する性質があること

 

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第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~おすすめの飼育用品編~

第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

エキゾチックアニマルに会いに行こう① ~動物園編~

エキゾチックアニマルに会いに行こう② ~アニマルカフェ編~

エキゾチックアニマルを飼おう① ~ペットショップ編~

エキゾチックアニマルを飼おう② ~即売会(即売イベント)編~

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷) https://www.facebook.com/masaaki.kuniya.3344

 

『エキゾチックアニマル入門』目次へ  (全17ページ)

 

鳥類とは

 

鳥類は爬虫類から枝分かれし飛翔生活(ひしょうせいかつ)に適した進化を遂げた脊椎動物(せきずいどうぶつ)で、硬い嘴(くちばし)と鱗(うろこ)に覆われた足をもち、前肢が変形して翼となっており後肢のみで自立します。

全身が羽毛に覆われているなどの特徴を備えています。

 

脊椎動物とは
体の中に、脊椎(背骨)を持つことが最大の特徴。

▼脊椎

 

 

爬虫類と共通する点が多くあることから「進化した爬虫類」とも呼ばれます。世界中に約9,000種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ600種が分布しています。

 

帰化種とは
別の地域からやってきて、生態系を変えることなくその地域に定着した種のこと

 

 

アメリカチョウゲンボウ(学名:Falco sparverius、英名:American Kestrel)

 

特徴

 

アメリカ大陸に広く分布しており、アメリカでは鷹狩(たかがり)の入門種として広く人気を誇っています。

 

▼「鷹狩」のイメージ

photo by Josh Holmes

 

全長およそ25~30cmと日本に生息するチョウゲンボウよりも一回りほど小さく、ハヤブサ(チョウゲンボウはハヤブサ科)のなかでもかなり小型の部類に入ります。

 

▼アメリカチョウゲンボウの全長:サランラップの横の長さ(約30cm)

 

一般に猛禽類(もうきんるい:鋭い爪とくちばしを持つ鳥)は小型種ほど警戒心が強く人馴れしにくい傾向にありますが、アメリカチョウゲンボウはペットとしての人気が高くインプリント個体(刷り込みされた個体)も少なからず出回っているため、初心者の方でも比較的飼育しやすい動物種であるといえます。

 

インプリント個体とは
「インプリント」とは卵からかえった直後に見たものを親と認識するという修正を利用して、卵からかえったばかりの時から人間が育てることで人間に慣れた状態になっている個体のこと 

 

ただし、人工飼料が発達しているインコなどのコンパニオンバードと違って完全な肉食性であるため、冷凍マウスやうずらといった餌用の肉類を常備しておく必要があります。

 

コンパニオンバードとは
見たり聞いて楽しむだけでなく、飼い主の手や肩にのって遊んだりのコミュニケーションも楽しむ鳥を指す。代表的な生物にインコやオウムなどが挙げられる。

▼オカメインコ

 

飼育下での寿命は10年前後とされています。

 

分類
アメリカチョウゲンボウはハヤブサ目ハヤブサ科に属する動物種です。その名のとおりアメリカ大陸に広く分布しています。

 

アナホリフクロウ(学名:Athene cunicularia、英名:Burrowing Owl)

 

特徴

 

地中に掘った巣穴を住処とすることからアナホリの名がつけられましたが、実際にはプレーリードッグが掘った古巣を利用することが多く、自ら巣穴を掘ることはほとんどないようです。

 

▼プレーリードッグ

 

野生下では、

・近隣に生息するプレーリードッグが天敵の存在を仲間に知らせる鳴き声を警報代わりにして身も守る

・動物の糞を巣穴に運び発酵熱(微生物が発酵する時に放出する熱)で巣穴を暖める

・糞に集まった昆虫類を捕食する

など、周囲の環境を巧みに利用する習性があります。

 

全長およそ25cm、体重200g前後と、フクロウとしては小さな部類に入ります。

 

▼アナホリフクロウの全長:週刊少年ジャンプの高さ(約25cm)

 

「コキンメフクロウ」や「インドコキンメフクロウ」など近縁のキンメフクロウ属の動物種とよく似た外見をしていますが、アナホリフクロウは全長に対して脚が長いため容易に見わけることができます。

 

▼アナホリフクロウ

▼コキンメフクロウ

▼インドコキンメフクロウ

 

完全な肉食性なので餌用の昆虫や冷凍マウスを常備する、

運動量を確保するため大型のケージを用意するか室内で放し飼いをする、

集合住宅であれば鳴き声等の騒音対策が必要となる

など、飼育のハードルは高く、初心者には決してお勧めできません。

 

また、鳥類全般にいえることですがトイレの躾(しつけ)ができないため、放し飼いをするのであれば部屋中が糞まみれになることを覚悟してください。

 

飼育下での寿命は10~15年前後とされていますが、飼育例が少ないため実態ははっきりしていません。

 

実際に飼ってみて

 

筆者も数年間飼育していましたが、最終的には原因不明の病気で死なせてしまいました。

異変に気づいて鳥類に強い動物病院に連れていったものの、獣医もフクロウを診察した経験は少ないようで適切な診察を受けることはできず、看病の甲斐もむなしく数日後には息を引き取りました。

飼育例の少ないエキゾチックアニマルを飼うことの難しさを痛感した瞬間でした。

 

分類
アナホリフクロウはフクロウ目フクロウ科に属し、夜行性のものがほとんどを占めるフクロウの仲間では珍しい昼行性の動物種です。

南北どちらのアメリカ大陸にも広く分布。

 

魚類とは

 

魚類は水中に棲息する脊椎動物(せきずいどうぶつ:先述)の一群で、えら呼吸をする、ひれを使って移動する、体表を鱗で覆われているなどの特徴を備えていますが、例外も多く存在します。

海水から淡水(川や湖)まで広く分布し、棲息する水域によって海水魚・淡水魚・汽水魚(河口などの海水と淡水が混じる箇所に住む魚)に分類されますが、中には海水と淡水を行き来するものもあります。

世界中に約20,000種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ3,000種が分布しています。

 

ベタ(学名:Betta splendens、英名:Rumble Fish)

 

特徴

 

ベタは「ラビリンス器官」という特殊な呼吸器官を備えています。

そのため、魚は基本的にエラ呼吸をしており水中でしか呼吸ができないのですが、ベタは水面に口を出し空気から直接酸素を取りこむことができるという特徴があります。

ラビリンス器官をもつ魚類を総称して「ラビリンス・フィッシュ」と呼び、ベタの他にグラミーやスネークヘッド(ライギョ)といったものがあります。

 

▼グラミー

 

▼スネークヘッド(ライギョ)

 

ショップ等でベタがコップなどの小さな容器で陳列されているのは、ラビリンス器官を備えているために水中の中に酸素が少ない環境でも生き延びられるという性質に拠ります。

 

photo by brownpau

 

ベタは別名「闘魚」とも呼ばれ、オス同士を一緒の水槽で飼うなどすると激しい争いを繰り広げる習性があります。

原産地であるタイではこの争いが賭けの対象として人々に親しまれており、より強い個体を作り出すため盛んに品種改良が行われてきました。

強い闘争心をもつ「プラカット」

半月のように尾びれが180度に展開する「ハーフムーン」

象の耳のように胸びれが発達した「ダンボ」

錦鯉のような体色をもつ「鯉ベタ」

など、ひれの形状や体色によってさまざまな品種に分類されます。

 

▼プラカット

▼ハーフムーン

▼ダンボ

▼鯉ベタ


 

全長およそ7cmと小柄で遊泳力も低く、大がかりな飼育設備を必要としないため、熱帯魚初心者にもおすすめのエキゾチックアニマルです。

 

▼ベタの全長:100円ライターの長さ(約7cm)

 

飼育下での寿命は3年前後とされています。

 

分類
ベタはスズキ目オスフロネムス科に属する動物種

 

 

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目次

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

Webon紹介目次著者
エキゾチックアニマルはペットとしての歴史が浅く、人に馴れにくいからこその魅力があります。多数のエキゾチックアニマルを飼育してきた筆者が、種類・飼い方・会える場所などを紹介。

ペットとしての『エキゾチックアニマル』入門はこちらから

はじめに

エキゾチックアニマルとは

第1章 エキゾチックアニマルを深く知る

人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~

ペットを飼うなら知っておくべき心構え

エキゾチックアニマルを飼うなら知っておくべき心構え

第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~おすすめの飼育用品編~

第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

エキゾチックアニマルに会いに行こう① ~動物園編~

エキゾチックアニマルに会いに行こう② ~アニマルカフェ編~

エキゾチックアニマルを飼おう① ~ペットショップ編~

エキゾチックアニマルを飼おう② ~即売会(即売イベント)編~

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この項では、昆虫や節足動物などペットにおすすめの奇蟲(きちゅう)をご紹介していきます。

 

節足動物とは
昆虫類・甲殻類・クモ類・ムカデ類など「虫」と呼ばれるものが主に該当する。関節と、外骨格と言われる皮膚と一体化したような骨を持つのが特徴。

 

ダイオウサソリ(学名:Pandinus imperator、英名:Emperor Scorpion)

 

特徴

 

ダイオウという名のとおりサソリ目の最大種(最も体格の大きな動物種)。全長およそ20cm、体重30g前後にも達します。

 

▼ダイオウサソリの全長:500mlペットボトルの長さ(約20cm)

 

サソリ目最大種という体格に加え、ダイオウサソリというネーミング、黒々とした体色など、厨二心を刺激する特徴をいくつも備えています。

 

凶悪そうな外見とは裏腹に性格は温和で毒性も弱いため、奇蟲飼育の入門種としてもお勧めの動物種です。

餌切れには強い反面、アフリカ大陸中西部の熱帯林に生息しているため乾燥に弱く、70%前後の高い湿度を維持する必要があります。

飼育下での寿命は10年前後とされています。

 

あらゆるペットに当てはまることですが、奇蟲や爬虫類は脱走させてしまった際に大きな騒ぎを引き起こす危険が高いので、隙間のないしっかりと蓋のできるケージを使用し、絶対に逃がすことのないよう細心の注意を払ってください。

 

 

分類
ダイオウサソリはサソリ目コガネサソリ科に属し、ダイオウという名のとおりサソリ目の最大種。

 

アルゼンチンモリゴキブリ(学名:Blaptica dubia、英名:Orange-spotted Roach)

 

特徴

 

全長およそ5cmと、日本で目にする機会の多いクロゴキブリやチャバネゴキブリと比べるとやや大型ですが、オスの成虫以外は翅がないためゴキブリというよりも三葉虫に近い外見をしています。

 

▼三葉虫・・・古生代(恐竜が繁栄する前の時代)に絶滅した節足動物。

 

日本においてはペットとしてよりも爬虫類や両棲類などに与える餌用の昆虫として利用されることが多く、学名から「デュビア」という名で流通しています。

 

実際に飼ってみて

 

筆者自身もペット兼生き餌として10年近くにわたって自家繁殖を続けていますが、動きが鈍く、壁面も登れず、飛び回ることもなく、また生命力も強いため、餌用昆虫としてポピュラーなコオロギよりもずっと扱いやすい動物種であるといえます。

 

デュビアは過密気味の環境でないと数が増えにくいので、導入当初は思いきって何十匹単位から飼育をはじめると繁殖が進みやすくなるでしょう。

また気温が下がると活性も落ちてしまうので、冬場はパネルヒーターなどで保温することをお勧めします。

 

分類
アルゼンチンモリゴキブリはゴキブリ目オオゴキブリ科に属し、その名のとおり南米の森林地帯に分布しています。

 

バンパイアクラブ(学名:Geosesarma dennerle、英名:Purple Vampire Crab)

特徴

 

Purple Vampire Crab(パープル バンパイア クラブ)という英名のとおり、鮮やかな紫の体色と吸血鬼のような怪しい黄色い瞳が特徴的な動物種です。

全長およそ3cmと小型かつ陸棲傾向の強い淡水ガニであるため、小型のプラスチックケースでも十分に終生飼育(生命を終えるまで飼うこと)が可能です。

 

▼バンパイアクラブの全長:SDカードの縦の長さ(約3cm)

 

食欲も旺盛で、ザリガニや熱帯魚用の人工飼料をはじめ、乾燥赤虫、小型の昆虫類など与えたものは貪欲に食べ尽くすので、温度管理にさえ気をつければ初心者の方でも飼育は難しくないでしょう。

 

▼人工飼料の例:キョーリン ザリガニ・ヤドカリ・カニのエサ(画像クリックで商品詳細へ)

▼乾燥赤虫の例:ヒカリ (Hikari) 乾燥 赤虫(画像クリックで商品詳細へ)

 

水草や苔類も食べてしまうので、石組み(石を配置・構成)したシンプルなレイアウトで飼育することをお勧めします。

飼育下での寿命は3年前後とされています。

 

実際に飼ってみて

 

バンパイアクラブは10年以上ペットとして流通していたにもかかわらず、2015年になってようやく新種であることが判明したという経緯があります。

筆者もちょうどそのときにバンパイアクラブを飼育していたので、家にいるこの生き物がじつは新種だったのかと妙に感動したことを覚えています。

 

分類
バンパイアクラブは十脚目(じっきゃくもく)ベンケイガニ科に属する。十脚目は別名エビ目とも呼ばれ、エビやカニ、ヤドカリといったいわゆる甲殻類を広く含みます。

 

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エキゾチックアニマルとは

第1章 エキゾチックアニマルを深く知る

人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~

ペットを飼うなら知っておくべき心構え

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第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

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第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

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『エキゾチックアニマル入門』目次へ  (全17ページ)

 

ここでは、ペットとして飼育することのできる代表的な爬虫類および両棲類のエキゾチックアニマルをご紹介していきます。

 

爬虫類とは

(写真:爬虫類の例)

 

爬虫類は哺乳類と違い乳腺や汗腺、皮脂腺などが発達しておらず、一部の例外を除いて全身が鱗で覆われています。代表的な生物に、ワニ、トカゲ、カメレオン、ヘビ、カメなどがいます。

 

乳腺・汗腺・皮脂腺とは
「乳腺」・・・乳類の乳房の中にある母乳などを作る腺。

「汗腺」・・・汗を分泌する腺。

「皮脂腺」・・・毛や皮膚を保護・保湿する役割を果たす皮脂を出す腺。

 

古生代の末頃に爬虫類は両棲類から枝分かれし、中生代には恐竜として繁栄を極めましたが、中生代の終わり頃にはそのほとんどが滅んでしまいました。

 

「古生代」「中生代」とは
古生代、中生代は文字が成立する前の時代(先史時代)の時代区分。

この先史時代は、古い順に古生代・中生代・新生代と大きく3つに分けることができる。

 

爬虫類は、現在では世界中に約6,000種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ80種が分布しています。

 

帰化種とは
別の地域からやってきて、生態系を変えることなくその地域に定着した種のこと

 

グリーンイグアナ(学名:Iguana iguana、英名:Green Iguana)

 

特徴

 

生体の安価な価格設定にくわえて、野菜や果物しか摂取しない完全草食です。

肉食性がほとんどを占める爬虫類のなかでは珍しく、餌の確保も容易であることから、安易に飼育されて悲惨な末路をたどるパターンの多い動物種でもありました。

 

実際には、十分な飼育設備を整えるためには数万円単位の投資が必要になり、また成体(子を産んで育てられる程、成長した状態)は全長2m近くにも達します。

 

▼成体グリーンイグアナの全長:掛け布団の縦の長さ(約2m)

 

そのため、大型のケージを用意するか、もしくは室内で放し飼いにする必要があるなど、エキゾチックアニマルのなかでも飼育難易度は高い部類に入ります。

飼育下での寿命は10~20年前後とされています。

 

実際に飼ってみて

 

筆者も現在進行形でグリーンイグアナを飼育していますが、幅90cm×奥行50cm×高さ120cmの大型ケージを用意し、エアコンで一年中適温を保った室内に半放し飼いにすることで広い活動スペースを確保しています。

また歯や爪も鋭いため、かるく引っ掻かれただけで皮膚に血が滲みますし、万一噛まれてしまった場合には何針も縫うような大怪我に繋がることも覚悟しなければなりません。

 

分類
グリーンイグアナは有鱗目(ゆうりんもく:爬虫類の目の一種)イグアナ科に属する動物種で、1980年代には日本で大きなブームを巻き起こしました。

中南米や西インド諸島といった原産地では生息数が非常に多く、また繁殖も容易であるため、幼体はおよそ5,000~10,000円という低価格で取引されています。

▼中南米あたり

photo by Viktor Kravtchenko

 

ヒョウモントカゲモドキ(学名:Eublepharis macularius、英名:Leopard Gecko)

 

特徴

 

ペットとしてもっともポピュラーな爬虫類。

全長20cm前後と日本のヤモリと比べるとかなり大ぶりですが、壁面に張りつかず、物陰でじっとしていることが多いため、中型のプラスチックケースで十分に飼育することができます。

 

▼ヒョウモントカゲモドキの全長:500mlペットボトルの長さ(約20cm)

 

昆虫を食べますが、近年では人工飼料も発売されていますので、虫が苦手という方でも飼育は難しくありません。

 

▼ヒョウモンカゲモドキ向けの人工肥料の例:ヒカリ (Hikari) レオパゲル 60g

 

温度管理もそれほどうるさくないので、エキゾチックアニマルの入門種としてもおすすめの爬虫類です。

飼育下での寿命は10~15年前後とされていますが、30年近く生きたという記録もあるそうです。

 

実際に飼ってみて

 

余談ですが、筆者が初めて飼育したエキゾチックアニマルもヒョウモントカゲモドキであり、お迎えから10年以上が経過した今でも元気にごはんをおねだりしています。

 

分類
ヒョウモントカゲモドキは有鱗目(ゆうりんもく:爬虫類の目の一種)トカゲモドキ科に属し、トカゲモドキという名がついてはいますが、トカゲよりもヤモリに近い動物種です。

ペットとしてもっともポピュラーな爬虫類で、世界中で盛んに飼育/繁殖がおこなわれています。

品種改良も豊富で、マキュラリウスやファスキオラータスといった野生色の他、オレンジ色の強いタンジェリンや、白い体色が特徴的なブレイジングブリザード、鼻先に口ひげのような斑紋(はんもん:まだら模様のこと)が浮かぶバンディットなど、数えきれないほどモルフ(品種)が作出されています。

 

 

両棲類とは


▲オオサンショウウオ

 

両棲類は幼体の時には水中でえら呼吸をし、変態後は上陸して肺呼吸をする生態があり、魚類と爬虫類の中間的に位置する分類群です。代表的な生物に、カエル・イモリ・サンショウウオなどが挙げられます。

 

「幼体」「変態」とは
独立して生きていくことや、子どもを作ることができない状態を「幼体」と言う。

生殖能力を獲得する「成体」の状態になる過程などで、姿を変えることを「変態」と言う。

おたまじゃくしがカエルに変わるところを想像すると理解しやすいかもしれません。

 

上陸して肺呼吸となった後も水辺を離れて生き延びることは困難であり、一生を通して水辺で生活します。

 

爬虫類と同様に変温動物(外部の温度に合わせて体温が変化する動物)であるため、飼育下では適切な温度と湿度を保つことが必要不可欠となります。

世界中に約4,500種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ64種が分布しています。

 

ウーパールーパー(学名:Ambystoma mexicanum、英名:Mexican Salamander)

特徴

 

1980年代半ばのTVコマーシャルをきっかけに大きなブームを巻き起こしました。

 

ウーパールーパーは幼生成熟(ネオテニー)の象徴的な動物と言われております。

幼生成熟(ネオテニー)とは、幼体の性質を保持したままで性的に完全に成熟する現象を指します。

先程も説明した通り、両生類は成体になると姿を変える、いわば「変態」するのが一般的ですが、ウーパールーパーはこれに該当しないのです。

 

ウーパールーパーは多くの場合、頭部に幼生の特徴である外鰓(がいさい:外部に突出した形態を持つエラ)を残したまま成熟します。

 

 

水位の調整や甲状腺ホルモンを投与することで人為的に変態させることも出来るそうですが、生体への負担が大きいため決してお勧めはできません。

全長20~25cm前後と比較的大きくなりますので、最終的には45cm規格以上の水槽を用意する必要があります。

 

▼ウーパールーパーの全長:週刊少年ジャンプの高さ(約25cm)

 

食性は肉食性ですが、人工飼料も発達しているため、専用フードや乾燥餌、冷凍赤虫などで終生飼育(寿命を終えるまで適切に飼育すること)が可能です。

 

▼ウーパールーパー用のフードの例


 

飼育下での寿命は5~10年前後とされています。

 

分類
ウーパールーパーは有尾目(ゆうびもく)トラフサンショウウオ科に属する動物種で、トラフサンショウウオ科のうち幼生成熟した個体は「アホロートル」と呼ばれ、ウーパールーパーの別称のひとつにもなっています。

 

 

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ペットとしての『エキゾチックアニマル』入門

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷) https://www.facebook.com/masaaki.kuniya.3344

 

皆さんは、猫や犬などのペットには馴染みがあるとは思いますが「エキゾチックアニマル」を飼ったことがある方はあまりいないのではないでしょうか。

エキゾチックアニマルは野性味が強く、人に馴れにくいという特徴を持っていますが、エキゾチックアニマルにしかない魅力があります

こちらでは、多数のエキゾチックアニマルを飼育してきた筆者が、エキゾチックアニマルとは何か?ということから、魅力・種類・飼い方・会える場所などを実際の飼育経験を交えてごお伝えいたします。

 

~~エキゾチックアニマルという言葉は「ちょっと珍しいペット」という意味合いで使われることが一般的ですが、「家畜化されていない動物全般」と言い換えることもできます。ペットとしての歴史が浅いぶんエキゾチックアニマルは家畜化されている動物と比べて飼育者や環境に適応しにくい個体が多いのです。~逆にいえば、家畜化されて本来の気質を大きく欠いている動物にはない野性的な魅力を備えているペットであるといえます。~~
第1章「人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~」より

 

はじめに

「エキゾチックアニマル」とは海外原産の動物を指す用語ですが「ちょっと珍しいペット」という意味で用いられています。エキゾチックアニマルの世界を除くことで、動物・ペットに対する考え方を学ぶきっきけにもなります。

エキゾチックアニマルとは

 

第1章 エキゾチックアニマルを深く知る

「ペットの歴史」「ペットブームの弊害」「飼う上での心構え」などを知ることで、よりペットとしてエキゾチックアニマルについて理解を深めていきましょう。それによって、他の動物にはないエキゾチックアニマルならではの魅力が伝わるかと思います。

人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~

ペットを飼うなら知っておくべき心構え

エキゾチックアニマルを飼うなら知っておくべき心構え

 

第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

こちらでは、代表的なエキゾチックアニマルを紹介いたします。エキゾチックアニマルの飼育経験豊富な筆者が、実際に飼ってみた感想などを交えながらお伝えいたします。

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

 

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

ここでは、実際に飼育経験のある筆者が、エキゾチックアニマルの定番ペットの飼い方の詳細をお伝えいたします。実際に飼うイメージというのが掴めるのではないかと思います。

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~おすすめの飼育用品編~

 

第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

エキゾチックアニマルは飼いたくなったら「動物園」「アニマルカフェ」で実際に会ってみるのがよいと思います。そして、飼うと決めたら「ペットショップ」「即売会」へ足を運んでみてください。

エキゾチックアニマルに会いに行こう① ~動物園編~

エキゾチックアニマルに会いに行こう② ~アニマルカフェ編~

エキゾチックアニマルを飼おう① ~ペットショップ編~

エキゾチックアニマルを飼おう② ~即売会(即売イベント)編~

ペットを飼うなら知っておくべき心構え

Webon紹介目次著者
エキゾチックアニマルはペットとしての歴史が浅く、人に馴れにくいからこその魅力があります。多数のエキゾチックアニマルを飼育してきた筆者が、種類・飼い方・会える場所などを紹介。

ペットとしての『エキゾチックアニマル』入門はこちらから

はじめに

エキゾチックアニマルとは

第1章 エキゾチックアニマルを深く知る

人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~

ペットを飼うなら知っておくべき心構え

エキゾチックアニマルを飼うなら知っておくべき心構え

第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~おすすめの飼育用品編~

第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

エキゾチックアニマルに会いに行こう① ~動物園編~

エキゾチックアニマルに会いに行こう② ~アニマルカフェ編~

エキゾチックアニマルを飼おう① ~ペットショップ編~

エキゾチックアニマルを飼おう② ~即売会(即売イベント)編~

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷) https://www.facebook.com/masaaki.kuniya.3344

 

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日本はイヌ・ネコの飼育数が子どもの数以上!?

 

2014年に全国でおこなわれた実態調査の結果、日本にはイヌとネコだけで2000万頭以上がペットとして飼育されていることがわかりました。

当時の日本の総人口が約1億2708万3000人ですから、一人で何匹も飼っていることなどを考慮せず単純に計算するとおよそ6人にひとりの割合でイヌかネコを飼育していることになります。

また、少子高齢化が進む昨今、15歳未満の子どもの人口は2000万を大きく下回っており、イヌ・ネコの飼育数が子どもの人口を上回る「少子高齢ペット大国」ともいうべき様相を呈しています。

 

ペットブームの光と影

(写真:シベリアンハスキー)

 

過去にはコミックやTVアニメ、コマーシャル等の影響でシベリアンハスキーやチワワの他、アライグマ、リスザル、ワニガメ、エリマキトカゲ、グリーンイグアナ、ウーパールーパーといったエキゾチックアニマルが大きなブームとなったこともあります。

 

ペットブームの一例:ウーパールーパー
1985年、日清食品UFOのCMでウーパールーパーが登場し、その愛くるしい表情が支持され大ブームになる。

 

その一方で、好奇心や物珍しさが先行して正しい知識をもたない飼育者によって不幸な末路をたどるペットが続出しました。

 

家族の一員であるペットを誤った飼育方法で死なせてしまうことも充分すぎるほど悲しい出来事ですが、飼いきれなくなったペットを自然に放すことはそれ以上に許しがたい行為であるといえます。

飼育動物の流出は在来の生態系の破壊をもたらし、次世代にまでおよぶ取り返しのつかない大きな影響を与えます。

 

日本の気候に適応できない動物種であれば繁殖の心配はありませんが、海外原産の個体が日本の気候に順応し生態系を汚染してしまう可能性も少なくありません。

実際に、ミドリガメの愛称で知られるミシシッピアカミミガメは今や全国の池沼であまねく繁殖し、在来(もともと存在した)の生態系に大きな影響を及ぼしています。

 

▼ミシシッピアカガメ

 

他にも、カミツキガメやアライグマ、ハリネズミ、インコ、グリーンイグアナ、アフリカツメガエルといったペット由来のエキゾチックアニマルが日本の気候に順応し、日本各地で繁殖を繰り返しています。

 

日本のペットに関する問題点

 

そして悲しいことに、日本では子どもの人口を大きく上回る数のペットが飼育されているにも拘らず、他の先進国と比べてペットに係る法律の整備が行き届いていないため、ペットに関しては後進国であると言わざるを得ません。

 

たとえば、動物愛護先進国といわれるヨーロッパ諸国においては、イヌ・ネコはブリーダーから直接入手するか保護施設から譲り受ける場合がほとんどで、ペットショップで購入することはほとんどありません。

また、ペットショップの店頭で動物を販売するためには政府機関の認可が必要であり、認可を得るためには厳しい審査をパスしなければなりません。

その他にも、捨てイヌ・ネコの増加を防ぐためにマイクロチップの装着を義務づけたり、飼育者側にも免許制度を導入するなど、国によってさまざまな動物愛護法案が施行されています。

 

実験動物の飼育管理者として見てきたもの

 

余談ですが、筆者は以前、実験動物の飼育管理者として国立研究機関や民間製薬会社の研究を補助していたことがあります。

実験に使用した動物はデータの収集が済み次第、安楽死をもってその生を終わらせるという原則があります。もちろん実験の内容によっては多少の苦痛を伴うものも少なくありません。

 

実験動物は生体実験の対象として計画的に生産され、役目を終えると速やかに安楽死させられます。その動物種はマウスやラットだけでなく、イヌ、ネコ、サルなど多岐にわたります。

研究の世界では動物実験を実施するにあたって、動物福祉の観点から環境エンリッチメントが推奨されています。環境エンリッチメントとは、飼育環境に変化を与え、飼育動物に行動の多様性を引き出す環境を整えることを指します。

 

しかし、現場レベルで環境エンリッチメントが浸透しているとは言い難く、劣悪な環境のなかで定められた死を待つ動物たちの姿を幾度となく目にしてきました。

日本では1973年に施行された動物愛護法によって動物の虐待が法的に禁じられましたが、長らく法律上「モノ」とされていたことの名残なのか、アニマル・ライツ(=動物の権利)という考え方はいまだ定着していません。

こうした現状を脱するためには、ペット業界を取り巻く法律の改正と強化が不可欠であるといえます。

 

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著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~

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エキゾチックアニマルとは

第1章 エキゾチックアニマルを深く知る

人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~

ペットを飼うなら知っておくべき心構え

エキゾチックアニマルを飼うなら知っておくべき心構え

第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~奇蟲編~

第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

エキゾチックアニマルの飼い方 ~フクロモモンガ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ヒョウモントカゲモドキ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ベタ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~

エキゾチックアニマルの飼い方 ~おすすめの飼育用品編~

第4章 エキゾチックアニマルを飼おう

エキゾチックアニマルに会いに行こう① ~動物園編~

エキゾチックアニマルに会いに行こう② ~アニマルカフェ編~

エキゾチックアニマルを飼おう① ~ペットショップ編~

エキゾチックアニマルを飼おう② ~即売会(即売イベント)編~

著者:國谷正明

北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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エキゾチックアニマルは、一般的なペットと違う魅力があります。人間とペットの歴史を知ると、他のペットとは違う特殊な魅力が見えてくると思います。

ここでは、人間とペットの歴史を解説するとともに、エキゾチックアニマルの魅力についてお伝えいたします。

 

犬と人間の歴史

 

人類は食糧や労働力を確保するため、古くから動物とともに暮らしてきました。

もっとも歴史の古い家畜(人間の生活に役立てるために飼育された動物)はイヌであると言われています。

現在のシリアにあたる地域の洞窟から約35,000年前のものと推測されるイエイヌ※の化石が出土しています。

 

▼シリアの場所

 

イエイヌとは
現在では犬と呼ばれている。オオカミから派生した突然変異種であり、「イエイヌ」が生まれたのは約13万5000年前に遡ると言われている。 

 

イヌはオオカミを家畜化した動物であり、生物学上はタイリクオオカミの亜種として分類されます。

 

▼タイリクオオカミ

photo by Liné1

 

イヌは人間の営みとともに、狩りに特化した「狩猟犬」や家畜の群れを管理する「牧羊犬」、戦闘に特化した「番犬」や「軍用犬」など、さまざまな品種が生み出されるに至りました。

 

▼狩猟犬の例

▼牧羊犬の例

 

品種改良は現在も盛んにおこなわれており、非公認のものも含めるとその数は700種以上にのぼります。

 

ネコと人間の歴史

 

イヌと並ぶ代表的なペットであるネコも人類との関わりは古く、その起源は古代エジプトにまで遡ります。

イエネコ(飼いならされた猫)の原種※は、ヨーロッパヤマネコの亜種リビアヤマネコであるとされています。

 

▼リビアヤマネコ

photo by Sonelle

 

人類が農耕を営むようになるとヤマネコは穀物に群がるネズミを追って山野から集落へと狩りの場を移し、ネズミからの被害を防ぐ動物として重宝されるようになります。

長い年月をかけて人間の生活圏内で共生するうちに人馴れしやすい個体が選別され、イエネコへと派生するに至りました。

 

原種とは
原種は品種改良される前の種類を指す。品種改良は、その動物の性質の向上を目的とし人間が手を加えて動物を生み出すこと言う。目的は様々だが、よりかわいい動物を生み出すために品種改良が行われたりする。

 

その他の動物と人間の歴史

 

イヌやネコに次いでペットとして人気の高いウサギやハムスター、モルモット、フェレットといった動物も、野生種をもとに品種改良を施すことで人間の伴侶として好ましい性質を示すようになりました。

その他にも、ウシやブタ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ニワトリ、蚕などは原種から長い年月を経て人間に慣れ親しんだ家畜として、人類の文化に深く関わっているといえます。

 

エキゾチックアニマルならではの魅力

 

イヌやネコを含め、先述した動物はいずれも広義の家畜(人間の生活に役立てるために飼育された動物)に当てはまります。

前項でも述べたように、エキゾチックアニマルという言葉は「ちょっと珍しいペット」という意味合いで使われることが一般的ですが、

「家畜化されていない動物全般」

と言い換えることもできます。

 

ペットとしての歴史が浅いぶん

エキゾチックアニマルは家畜化されている動物と比べて飼育者や環境に適応しにくい

個体が多いのです。

 

そのため、もし飼うとすれば

「原産地の気候に合わせて温度や湿度を調整する」

「野生下で摂取している食物を再現するため場合によって虫などの生き餌を継続的に確保する」

「爪や牙による怪我を防ぐために革手袋を着用する」

など、動物種によってさまざまな工夫を凝らさなければなりません。

 

逆にいえば、家畜化されて本来の気質を大きく欠いている動物にはない野性的な魅力を備えているペットであるといえます。

 

エキゾチックアニマルの中にはイヌ・ネコ並に人馴れする動物種や個体も少なくありませんが、人間によく馴れるペットがほしいのか、自然下に近い動物の生態を観察したいのかということを、まずはじっくり考えてみると良いでしょう。

 

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著者:國谷正明
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第1章 エキゾチックアニマルを深く知る

人類とペットの歴史 ~エキゾチックアニマルの魅力~

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第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~哺乳類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~爬虫類 / 両棲類編~

代表的な飼えるエキゾチックアニマル  ~鳥類 / 魚類編~

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第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方

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エキゾチックアニマルとは

 

みなさんはエキゾチックアニマルという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

エキゾチックアニマルとは「exotic=異国的」という言葉が示すとおり海外原産の動物を指す用語ですが、明確な定義は決まっていません。

実際には

「ちょっと珍しいペット」

といった意味合いで用いられることが一般的です。

 

代表的なものには、フクロモモンガやミーアキャット、メンフクロウやフトアゴヒゲトカゲなどがあります。

 

<フクロモモンガ>

 

<ミーアキャット>

 

<メンフクロウ>

 

<フトアゴヒゲトカゲ>

 

エキゾチックアニマルの現状

 

近年ではさまざまな動物がペットとして流通するようになり、専門店のみならずホームセンターのペットコーナーなどでもエキゾチックアニマルを目にするようになりました。

今まで動物園や生物図鑑で眺めるだけだった憧れの動物と一緒に暮らす悦びは何物にも代え難いものがあり、生物好きにとっては歓迎すべき流れともいえます。

 

その一方で、

犬や猫などペットとしての歴史の長い動物に比べて野性味が強く人慣れしにくい、

飼育方法が確立されていない、

診察できる獣医が少ない

などのデメリットも多く、飼育者の不手際のせいで不幸な末路をたどる個体も少なくありません。

 

情報収集が大切

 

筆者自身、幼少期から現在に至るまでフクロウやヘビ、トカゲ、カエルなどの爬虫類や両棲類を中心にさまざまなエキゾチックアニマルを飼育してまいりました。

日々の観察や温湿度管理、生き餌の自家繁殖に加え、すこしでも多くの情報を得るため海外の飼育情報サイトから定期的に情報を収集するなど、エキゾチックアニマルの健康を維持するためには細やかな神経と大きな労力が必要となります。

 

こちらの特集では、珍しいペットを飼ってみたい、エキゾチックアニマルを飼いたいけれど飼育方法がわからないという方に向けて

 

  • エキゾチックアニマルを飼育する際の心構え
  • 代表的な種類とその飼育法
  • おすすめの飼育用品
  • エキゾチックアニマルに会うことのできる施設

 

など、ペットとしてのエキゾチックアニマルに関するさまざまな情報をご紹介していきます。

 

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