ペットとしての『エキゾチックアニマル』入門はこちらから
第1章 エキゾチックアニマルを深く知る
第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類
代表的な飼えるエキゾチックアニマル ~爬虫類 / 両棲類編~
第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方
エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~
第4章 エキゾチックアニマルを飼おう
著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷) https://www.facebook.com/masaaki.kuniya.3344
『エキゾチックアニマル入門』目次へ (全17ページ)
目次
鳥類とは
鳥類は爬虫類から枝分かれし飛翔生活(ひしょうせいかつ)に適した進化を遂げた脊椎動物(せきずいどうぶつ)で、硬い嘴(くちばし)と鱗(うろこ)に覆われた足をもち、前肢が変形して翼となっており後肢のみで自立します。
全身が羽毛に覆われているなどの特徴を備えています。
▼脊椎
爬虫類と共通する点が多くあることから「進化した爬虫類」とも呼ばれます。世界中に約9,000種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ600種が分布しています。
アメリカチョウゲンボウ(学名:Falco sparverius、英名:American Kestrel)
特徴
アメリカ大陸に広く分布しており、アメリカでは鷹狩(たかがり)の入門種として広く人気を誇っています。
▼「鷹狩」のイメージ
photo by Josh Holmes
全長およそ25~30cmと日本に生息するチョウゲンボウよりも一回りほど小さく、ハヤブサ(チョウゲンボウはハヤブサ科)のなかでもかなり小型の部類に入ります。
▼アメリカチョウゲンボウの全長:サランラップの横の長さ(約30cm)
一般に猛禽類(もうきんるい:鋭い爪とくちばしを持つ鳥)は小型種ほど警戒心が強く人馴れしにくい傾向にありますが、アメリカチョウゲンボウはペットとしての人気が高くインプリント個体(刷り込みされた個体)も少なからず出回っているため、初心者の方でも比較的飼育しやすい動物種であるといえます。
ただし、人工飼料が発達しているインコなどのコンパニオンバードと違って完全な肉食性であるため、冷凍マウスやうずらといった餌用の肉類を常備しておく必要があります。
▼オカメインコ
飼育下での寿命は10年前後とされています。
分類 |
アメリカチョウゲンボウはハヤブサ目ハヤブサ科に属する動物種です。その名のとおりアメリカ大陸に広く分布しています。 |
アナホリフクロウ(学名:Athene cunicularia、英名:Burrowing Owl)
特徴
地中に掘った巣穴を住処とすることからアナホリの名がつけられましたが、実際にはプレーリードッグが掘った古巣を利用することが多く、自ら巣穴を掘ることはほとんどないようです。
▼プレーリードッグ
野生下では、
・近隣に生息するプレーリードッグが天敵の存在を仲間に知らせる鳴き声を警報代わりにして身も守る
・動物の糞を巣穴に運び発酵熱(微生物が発酵する時に放出する熱)で巣穴を暖める
・糞に集まった昆虫類を捕食する
など、周囲の環境を巧みに利用する習性があります。
全長およそ25cm、体重200g前後と、フクロウとしては小さな部類に入ります。
▼アナホリフクロウの全長:週刊少年ジャンプの高さ(約25cm)
「コキンメフクロウ」や「インドコキンメフクロウ」など近縁のキンメフクロウ属の動物種とよく似た外見をしていますが、アナホリフクロウは全長に対して脚が長いため容易に見わけることができます。
▼アナホリフクロウ
▼コキンメフクロウ
▼インドコキンメフクロウ
完全な肉食性なので餌用の昆虫や冷凍マウスを常備する、
運動量を確保するため大型のケージを用意するか室内で放し飼いをする、
集合住宅であれば鳴き声等の騒音対策が必要となる
など、飼育のハードルは高く、初心者には決してお勧めできません。
また、鳥類全般にいえることですがトイレの躾(しつけ)ができないため、放し飼いをするのであれば部屋中が糞まみれになることを覚悟してください。
飼育下での寿命は10~15年前後とされていますが、飼育例が少ないため実態ははっきりしていません。
実際に飼ってみて
筆者も数年間飼育していましたが、最終的には原因不明の病気で死なせてしまいました。
異変に気づいて鳥類に強い動物病院に連れていったものの、獣医もフクロウを診察した経験は少ないようで適切な診察を受けることはできず、看病の甲斐もむなしく数日後には息を引き取りました。
飼育例の少ないエキゾチックアニマルを飼うことの難しさを痛感した瞬間でした。
分類 |
アナホリフクロウはフクロウ目フクロウ科に属し、夜行性のものがほとんどを占めるフクロウの仲間では珍しい昼行性の動物種です。
南北どちらのアメリカ大陸にも広く分布。 |
魚類とは
魚類は水中に棲息する脊椎動物(せきずいどうぶつ:先述)の一群で、えら呼吸をする、ひれを使って移動する、体表を鱗で覆われているなどの特徴を備えていますが、例外も多く存在します。
海水から淡水(川や湖)まで広く分布し、棲息する水域によって海水魚・淡水魚・汽水魚(河口などの海水と淡水が混じる箇所に住む魚)に分類されますが、中には海水と淡水を行き来するものもあります。
世界中に約20,000種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ3,000種が分布しています。
ベタ(学名:Betta splendens、英名:Rumble Fish)
特徴
ベタは「ラビリンス器官」という特殊な呼吸器官を備えています。
そのため、魚は基本的にエラ呼吸をしており水中でしか呼吸ができないのですが、ベタは水面に口を出し空気から直接酸素を取りこむことができるという特徴があります。
ラビリンス器官をもつ魚類を総称して「ラビリンス・フィッシュ」と呼び、ベタの他にグラミーやスネークヘッド(ライギョ)といったものがあります。
▼グラミー
▼スネークヘッド(ライギョ)
ショップ等でベタがコップなどの小さな容器で陳列されているのは、ラビリンス器官を備えているために水中の中に酸素が少ない環境でも生き延びられるという性質に拠ります。
photo by brownpau
ベタは別名「闘魚」とも呼ばれ、オス同士を一緒の水槽で飼うなどすると激しい争いを繰り広げる習性があります。
原産地であるタイではこの争いが賭けの対象として人々に親しまれており、より強い個体を作り出すため盛んに品種改良が行われてきました。
強い闘争心をもつ「プラカット」
半月のように尾びれが180度に展開する「ハーフムーン」
象の耳のように胸びれが発達した「ダンボ」
錦鯉のような体色をもつ「鯉ベタ」
など、ひれの形状や体色によってさまざまな品種に分類されます。
▼プラカット
▼ハーフムーン
▼ダンボ
▼鯉ベタ
全長およそ7cmと小柄で遊泳力も低く、大がかりな飼育設備を必要としないため、熱帯魚初心者にもおすすめのエキゾチックアニマルです。
▼ベタの全長:100円ライターの長さ(約7cm)
飼育下での寿命は3年前後とされています。
分類 |
ベタはスズキ目オスフロネムス科に属する動物種 |
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