ペットとしての『エキゾチックアニマル』入門はこちらから
第1章 エキゾチックアニマルを深く知る
第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類
代表的な飼えるエキゾチックアニマル ~爬虫類 / 両棲類編~
第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方
エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~
第4章 エキゾチックアニマルを飼おう
著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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※以下の飼育方法はヒョウモントカゲモドキ、並びに多くの地表棲(ちひょうせい:地上に住む)ヤモリに広く応用できるものです。しかし動物種によって細かな相違点がありますので、購入する前にショップの店員さんや飼育本、インターネットなどで充分に情報収集をしてください。
目次
ヒョウモントカゲモドキはどんな動物?
ヒョウモントカゲモドキはペットとしてもっともポピュラーな爬虫類で、世界中で盛んに飼育・繁殖がおこなわれています。
全長20cm前後と日本のヤモリと比べるとかなり大ぶりですが、壁面に張りつかず、物陰でじっとしていることが多いため、中型のプラスチックケースで十分に飼育することができます。
▼ヒョウモントカゲモドキの全長:500mlペットボトルの高さ(約20cm)
食性は昆虫食ですが、近年では人工飼料も発売されていますので、虫が苦手という方でも飼育は難しくありません。
温度管理もそれほどうるさくないので、エキゾチックアニマルの入門種としてもお勧めの爬虫類です。
飼育下での寿命は10~15年前後とされていますが、30年近く生きたという記録もあるそうです。
余談ですが、筆者が初めて飼育したエキゾチックアニマルもヒョウモントカゲモドキであり、お迎えから10年以上が経過した今でも元気にごはんをおねだりしています。
ヒョウモンカゲモドキの飼い方・必要なもの
必要なもの一覧
・床材
・隠れ家
・水入れ
・保温器具
・温度計
ヒョウモンカゲモドキを飼うには以上のものが必要になります。下記では、それぞれの詳細について解説いたします。
ケージの選び方
まずヒョウモントカゲモドキを飼育する際のケージですが、それほど活発に動きまわる動物種ではありませんので、幅30cm×奥行20cm程度の爬虫類ケージもしくはプラケースがあれば十分です。
高さのないケージを使用する場合にはしっかりと蓋のできるものを用意してください。
▼爬虫類ケージ(画像クリックで商品詳細へ)
床材
<床材の一例:ハムスターを飼う際には、木材をおがくず状にしたウッドチップが床材に使われることが多い>
床材には砂やクルミ材、新聞紙、キッチンペーパーなどが一般的です。
クルミ材とはクルミを砂状に小さく砕いたもので、普通の砂と異なり誤って呑みこんでも安全に体内で分解・排出されるというものですが、お腹のなかで詰まってしまったという事例も皆無ではありません。
ですので、幼体時には砂やクルミ材の使用は避けておいた方が安全です。
▼クルミ材(画像クリックで商品詳細へ)
ちなみに筆者の場合は砂、キッチンペーパーを経てクルミ材に落ち着きました。
砂は「手入れの際に部屋のなかに砂が散らかる」、キッチンペーパーは「排泄物を処理するたびに全体を取り替えなければならない」ことに煩わしさを感じていましたが、クルミ材なら排泄物だけを取り除けばよい上に砂と比べて粒が大きいため散らかりにくく、両者の不満点を解決した床材であるといえます。
ウェットシェルターは実用的!
ヒョウモントカゲモドキは隠れ家があるとストレスが無く過ごせると言われます。
隠れ家は全身が隠れるものであれば何でも構いませんが、ウェットタイプのシェルターを用いることが一般的です。
ウェットタイプのシェルターとは、上部に水を貯めておくことのできる素焼きの隠れ家のことで、気化熱による冷却効果と高い湿度を維持することができるスグレモノです。
▼ウェットシェルター(画像クリックで商品詳細へ)
ひんやりと薄暗い湿った環境は野生下の隠れ家に近く、局所的に高い湿度を作ることはエンリッチメント(動物福祉から考える飼育される動物の幸せ)の観点から見ても有効であると考えられます。
また、冬場など空気が極端に乾燥している環境下で起きやすい脱皮不全を防ぐことができるなど、実用面でも高い効果が期待できます。
一方で常に高湿度を維持しているためカビが生えやすく、こまめな手入れが必要です。
温度管理
ヒョウモントカゲモドキの適温は28~32℃とされており、エアコンなどで室内を一括で管理している場合を除いて、保温器具の設置は必須となります。
保温器具はパネルヒーターを用いることが一般的です。パネルヒーターとはその名のとおり薄いパネル状の保温器具のことで、ケージの底にあててケージ内の空気を暖められるというものです。
▼マルチパネルヒーター ビバリア(画像クリックで商品詳細へ)
お腹側から暖めることで生体の消化を促す効果があり、ヒョウモントカゲモドキに限らず爬虫類飼育に広く用いられています。
ケージ内に温度勾配を作るため、パネルヒーターはケージの1/3~半分程度となるように敷いてください。
餌
ヒョウモントカゲモドキは完全な肉食性であるため、餌用の昆虫もしくはピンクマウスを与えます。
昆虫を与える場合には、栄養の偏りを抑えるためにカルシウムやビタミンなど専用のサプリメント剤をまぶしてから与えます。
▼専用サプリメントの例:ジェックス カルシウム(画像クリックで商品詳細へ)
▼専用サプリメントの例:ジェックス マルチビタミン(画像クリックで商品詳細へ)
「ミールワーム」を餌にする場合の注意点
特に餌としてミールワームを与える場合、ミールワームは栄養分が弱いため、給餌前(餌を与える前)にガットローディングを施しておく必要があります。
ガットローディングとは、生き餌に与える餌の質を上げることで生き餌自身の栄養素を高める方法を指します。ミールワームの場合には前述のサプリメントを数日前から餌として与えておくことで、ミールワームの内蔵に栄養素を蓄積させます。
「ガットローディング」に対して、生体に与える前に生き餌にサプリメント剤をまぶすことを「ダスティング」といいますので覚えておくといいでしょう。
▼ミルワーム(画像クリックで商品詳細へ)
また、野生の昆虫類は寄生虫や除草剤などの影響を受けているおそれがありますので、なるべく与えないようにしてください。
「ピンクマウス」を餌にする場合の注意点
ピンクマウスとは産まれたばかりのネズミの赤ちゃんのことで、ペットショップなどで主に冷凍した状態で売られています。
冷凍マウスを与える場合には、湯煎で芯までしっかりと解凍できたことを確かめてから与えてください。
また、ピンクマウスは栄養価が高く、単食で与え続けると肥満になってしまう危険性があるため、おやつとして昆虫食の合間に与えるか、充分な給餌間隔をおいて与えるなどの工夫が必要です。
▼ピンクマウス>(画像クリックで商品詳細へ)
餌用の昆虫やピンクマウスに抵抗があるという方には、各社から販売されている専用の人工飼料がお勧めです。
▼人工飼料の例:ヒカリ (Hikari) レオパゲル(画像クリックで商品詳細へ)
個体によっては人口飼料では餌付かない(食べない)場合もありますので、ショップで確認して人工飼料に餌付いている個体を購入するように気をつけてください。
給餌は幼体なら週に2回程度、成体であれば1週から10日に1回程度の間隔で食べるだけの量を与えます。
上記の飼育方法は、多くの地表棲(ちひょうせい:地上に住む)ヤモリに広く応用できるものですが、動物種によって細かな相違点がありますので、購入する前にショップの店員や飼育本、インターネットなどで充分に情報収集をしてください。
また、昼行性のヤモリやトカゲ、カメ類の場合には別途紫外線ライトが必要になります。
▼爬虫類用の紫外線ライト例(画像クリックで商品詳細へ)
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