ペットとしての『エキゾチックアニマル』入門はこちらから
第1章 エキゾチックアニマルを深く知る
第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類
代表的な飼えるエキゾチックアニマル ~爬虫類 / 両棲類編~
第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方
エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~
第4章 エキゾチックアニマルを飼おう
著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
facebook(國谷) https://www.facebook.com/masaaki.kuniya.3344
『エキゾチックアニマル入門』目次へ (全17ページ)
この項では、昆虫や節足動物などペットにおすすめの奇蟲(きちゅう)をご紹介していきます。
目次
ダイオウサソリ(学名:Pandinus imperator、英名:Emperor Scorpion)
特徴
ダイオウという名のとおりサソリ目の最大種(最も体格の大きな動物種)。全長およそ20cm、体重30g前後にも達します。
▼ダイオウサソリの全長:500mlペットボトルの長さ(約20cm)
サソリ目最大種という体格に加え、ダイオウサソリというネーミング、黒々とした体色など、厨二心を刺激する特徴をいくつも備えています。
凶悪そうな外見とは裏腹に性格は温和で毒性も弱いため、奇蟲飼育の入門種としてもお勧めの動物種です。
餌切れには強い反面、アフリカ大陸中西部の熱帯林に生息しているため乾燥に弱く、70%前後の高い湿度を維持する必要があります。
飼育下での寿命は10年前後とされています。
あらゆるペットに当てはまることですが、奇蟲や爬虫類は脱走させてしまった際に大きな騒ぎを引き起こす危険が高いので、隙間のないしっかりと蓋のできるケージを使用し、絶対に逃がすことのないよう細心の注意を払ってください。
分類 |
ダイオウサソリはサソリ目コガネサソリ科に属し、ダイオウという名のとおりサソリ目の最大種。 |
アルゼンチンモリゴキブリ(学名:Blaptica dubia、英名:Orange-spotted Roach)
特徴
全長およそ5cmと、日本で目にする機会の多いクロゴキブリやチャバネゴキブリと比べるとやや大型ですが、オスの成虫以外は翅がないためゴキブリというよりも三葉虫に近い外見をしています。
▼三葉虫・・・古生代(恐竜が繁栄する前の時代)に絶滅した節足動物。
日本においてはペットとしてよりも爬虫類や両棲類などに与える餌用の昆虫として利用されることが多く、学名から「デュビア」という名で流通しています。
実際に飼ってみて
筆者自身もペット兼生き餌として10年近くにわたって自家繁殖を続けていますが、動きが鈍く、壁面も登れず、飛び回ることもなく、また生命力も強いため、餌用昆虫としてポピュラーなコオロギよりもずっと扱いやすい動物種であるといえます。
デュビアは過密気味の環境でないと数が増えにくいので、導入当初は思いきって何十匹単位から飼育をはじめると繁殖が進みやすくなるでしょう。
また気温が下がると活性も落ちてしまうので、冬場はパネルヒーターなどで保温することをお勧めします。
分類 |
アルゼンチンモリゴキブリはゴキブリ目オオゴキブリ科に属し、その名のとおり南米の森林地帯に分布しています。 |
バンパイアクラブ(学名:Geosesarma dennerle、英名:Purple Vampire Crab)
特徴
Purple Vampire Crab(パープル バンパイア クラブ)という英名のとおり、鮮やかな紫の体色と吸血鬼のような怪しい黄色い瞳が特徴的な動物種です。
全長およそ3cmと小型かつ陸棲傾向の強い淡水ガニであるため、小型のプラスチックケースでも十分に終生飼育(生命を終えるまで飼うこと)が可能です。
▼バンパイアクラブの全長:SDカードの縦の長さ(約3cm)
食欲も旺盛で、ザリガニや熱帯魚用の人工飼料をはじめ、乾燥赤虫、小型の昆虫類など与えたものは貪欲に食べ尽くすので、温度管理にさえ気をつければ初心者の方でも飼育は難しくないでしょう。
▼人工飼料の例:キョーリン ザリガニ・ヤドカリ・カニのエサ(画像クリックで商品詳細へ)
▼乾燥赤虫の例:ヒカリ (Hikari) 乾燥 赤虫(画像クリックで商品詳細へ)
水草や苔類も食べてしまうので、石組み(石を配置・構成)したシンプルなレイアウトで飼育することをお勧めします。
飼育下での寿命は3年前後とされています。
実際に飼ってみて
バンパイアクラブは10年以上ペットとして流通していたにもかかわらず、2015年になってようやく新種であることが判明したという経緯があります。
筆者もちょうどそのときにバンパイアクラブを飼育していたので、家にいるこの生き物がじつは新種だったのかと妙に感動したことを覚えています。
分類 |
バンパイアクラブは十脚目(じっきゃくもく)ベンケイガニ科に属する。十脚目は別名エビ目とも呼ばれ、エビやカニ、ヤドカリといったいわゆる甲殻類を広く含みます。 |
『エキゾチックアニマル入門』目次へ (全17ページ)
スポンサーリンク