ペットとしての『エキゾチックアニマル』入門はこちらから
第1章 エキゾチックアニマルを深く知る
第2章 代表的なエキゾチックアニマルの種類
代表的な飼えるエキゾチックアニマル ~爬虫類 / 両棲類編~
第3章 定番エキゾチックアニマルの飼い方
エキゾチックアニマルの飼い方 ~ダイオウサソリ / バンパイアクラブ編~
第4章 エキゾチックアニマルを飼おう
著者:國谷正明
北関東在住の1児のパパ。フリーランスのライターとして、ゲームのシナリオや小説の執筆、記事作成を中心に活動しています。趣味は作曲と爬虫類飼育。好きな作曲家はエリック・サティ。好きな映画監督は深作欣二。好きなアニメはスポンジボブ。好きな学問は民俗学。敬愛する作家はジム・トンプスン。いいにおいのする文章を書こうと日々苦心しています。お問い合わせはこちらから
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『エキゾチックアニマル入門』目次へ (全17ページ)
ここでは、ペットとして飼育することのできる代表的な爬虫類および両棲類のエキゾチックアニマルをご紹介していきます。
爬虫類とは
(写真:爬虫類の例)
爬虫類は哺乳類と違い乳腺や汗腺、皮脂腺などが発達しておらず、一部の例外を除いて全身が鱗で覆われています。代表的な生物に、ワニ、トカゲ、カメレオン、ヘビ、カメなどがいます。
「汗腺」・・・汗を分泌する腺。
「皮脂腺」・・・毛や皮膚を保護・保湿する役割を果たす皮脂を出す腺。
古生代の末頃に爬虫類は両棲類から枝分かれし、中生代には恐竜として繁栄を極めましたが、中生代の終わり頃にはそのほとんどが滅んでしまいました。
この先史時代は、古い順に古生代・中生代・新生代と大きく3つに分けることができる。
爬虫類は、現在では世界中に約6,000種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ80種が分布しています。
グリーンイグアナ(学名:Iguana iguana、英名:Green Iguana)
特徴
生体の安価な価格設定にくわえて、野菜や果物しか摂取しない完全草食です。
肉食性がほとんどを占める爬虫類のなかでは珍しく、餌の確保も容易であることから、安易に飼育されて悲惨な末路をたどるパターンの多い動物種でもありました。
実際には、十分な飼育設備を整えるためには数万円単位の投資が必要になり、また成体(子を産んで育てられる程、成長した状態)は全長2m近くにも達します。
▼成体グリーンイグアナの全長:掛け布団の縦の長さ(約2m)
そのため、大型のケージを用意するか、もしくは室内で放し飼いにする必要があるなど、エキゾチックアニマルのなかでも飼育難易度は高い部類に入ります。
飼育下での寿命は10~20年前後とされています。
実際に飼ってみて
筆者も現在進行形でグリーンイグアナを飼育していますが、幅90cm×奥行50cm×高さ120cmの大型ケージを用意し、エアコンで一年中適温を保った室内に半放し飼いにすることで広い活動スペースを確保しています。
また歯や爪も鋭いため、かるく引っ掻かれただけで皮膚に血が滲みますし、万一噛まれてしまった場合には何針も縫うような大怪我に繋がることも覚悟しなければなりません。
分類 |
グリーンイグアナは有鱗目(ゆうりんもく:爬虫類の目の一種)イグアナ科に属する動物種で、1980年代には日本で大きなブームを巻き起こしました。
中南米や西インド諸島といった原産地では生息数が非常に多く、また繁殖も容易であるため、幼体はおよそ5,000~10,000円という低価格で取引されています。 ▼中南米あたり photo by Viktor Kravtchenko |
ヒョウモントカゲモドキ(学名:Eublepharis macularius、英名:Leopard Gecko)
特徴
ペットとしてもっともポピュラーな爬虫類。
全長20cm前後と日本のヤモリと比べるとかなり大ぶりですが、壁面に張りつかず、物陰でじっとしていることが多いため、中型のプラスチックケースで十分に飼育することができます。
▼ヒョウモントカゲモドキの全長:500mlペットボトルの長さ(約20cm)
昆虫を食べますが、近年では人工飼料も発売されていますので、虫が苦手という方でも飼育は難しくありません。
▼ヒョウモンカゲモドキ向けの人工肥料の例:ヒカリ (Hikari) レオパゲル 60g
温度管理もそれほどうるさくないので、エキゾチックアニマルの入門種としてもおすすめの爬虫類です。
飼育下での寿命は10~15年前後とされていますが、30年近く生きたという記録もあるそうです。
実際に飼ってみて
余談ですが、筆者が初めて飼育したエキゾチックアニマルもヒョウモントカゲモドキであり、お迎えから10年以上が経過した今でも元気にごはんをおねだりしています。
分類 |
ヒョウモントカゲモドキは有鱗目(ゆうりんもく:爬虫類の目の一種)トカゲモドキ科に属し、トカゲモドキという名がついてはいますが、トカゲよりもヤモリに近い動物種です。
ペットとしてもっともポピュラーな爬虫類で、世界中で盛んに飼育/繁殖がおこなわれています。 品種改良も豊富で、マキュラリウスやファスキオラータスといった野生色の他、オレンジ色の強いタンジェリンや、白い体色が特徴的なブレイジングブリザード、鼻先に口ひげのような斑紋(はんもん:まだら模様のこと)が浮かぶバンディットなど、数えきれないほどモルフ(品種)が作出されています。 |
両棲類とは
▲オオサンショウウオ
両棲類は幼体の時には水中でえら呼吸をし、変態後は上陸して肺呼吸をする生態があり、魚類と爬虫類の中間的に位置する分類群です。代表的な生物に、カエル・イモリ・サンショウウオなどが挙げられます。
生殖能力を獲得する「成体」の状態になる過程などで、姿を変えることを「変態」と言う。
おたまじゃくしがカエルに変わるところを想像すると理解しやすいかもしれません。
上陸して肺呼吸となった後も水辺を離れて生き延びることは困難であり、一生を通して水辺で生活します。
爬虫類と同様に変温動物(外部の温度に合わせて体温が変化する動物)であるため、飼育下では適切な温度と湿度を保つことが必要不可欠となります。
世界中に約4,500種が生息しているとされ、日本には帰化種を含めるとおよそ64種が分布しています。
ウーパールーパー(学名:Ambystoma mexicanum、英名:Mexican Salamander)
特徴
1980年代半ばのTVコマーシャルをきっかけに大きなブームを巻き起こしました。
ウーパールーパーは幼生成熟(ネオテニー)の象徴的な動物と言われております。
幼生成熟(ネオテニー)とは、幼体の性質を保持したままで性的に完全に成熟する現象を指します。
先程も説明した通り、両生類は成体になると姿を変える、いわば「変態」するのが一般的ですが、ウーパールーパーはこれに該当しないのです。
ウーパールーパーは多くの場合、頭部に幼生の特徴である外鰓(がいさい:外部に突出した形態を持つエラ)を残したまま成熟します。
水位の調整や甲状腺ホルモンを投与することで人為的に変態させることも出来るそうですが、生体への負担が大きいため決してお勧めはできません。
全長20~25cm前後と比較的大きくなりますので、最終的には45cm規格以上の水槽を用意する必要があります。
▼ウーパールーパーの全長:週刊少年ジャンプの高さ(約25cm)
食性は肉食性ですが、人工飼料も発達しているため、専用フードや乾燥餌、冷凍赤虫などで終生飼育(寿命を終えるまで適切に飼育すること)が可能です。
▼ウーパールーパー用のフードの例
飼育下での寿命は5~10年前後とされています。
分類 |
ウーパールーパーは有尾目(ゆうびもく)トラフサンショウウオ科に属する動物種で、トラフサンショウウオ科のうち幼生成熟した個体は「アホロートル」と呼ばれ、ウーパールーパーの別称のひとつにもなっています。 |
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