テキサスホールデムの戦略③  【コンティニュエーションベット】

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ポーカーの一種、「テキサスホールデム」は海外では多くの大会が開かれる大人気ゲーム。そんなテキサスホールデムをルール・確率・戦略…と初心者の方でも簡単に理解できるよう解説します。読めば海外プレイヤーとも対等に渡り合えるようになる!?

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はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

テキサスホールデムポーカーおすすめアプリ3選

テキサスホールデムのおすすめ本と道具

番外編 専門用語集

テキサスホールデム専門用語集

著者:國谷正明

テキサスホールデムのプレイ歴約4年。海外プレイヤーとのオンライン対戦を中心に洋書の教則本を読んで勉強。投資の要素が魅力の高度な知的ゲームであるテキサスホールデムの面白さを多くの人に伝えたいという思いがある。facebook(國谷)

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第3章ではオンラインゲームなどで海外のプレイヤーと対等に勝負ができるようテキサスホールデムの「戦略」について

ポジション】【プリフロップ】【コンティニュエーションベット】【フロップ以降】【プレイスタイル

のページに分けて解説しています。

このページでは、テキサスホールデムの世界で既に常識となっているフロップ時に利用する【コンティニュエーションベット】という戦略を紹介していきます。

 

既に述べたように、テキサスホールデムのプレイヤー間はお互いの手札がわからないなど、持っている情報は異なります。

より多くの情報を読み取ることで数学的に正しいプレイが可能となり、己の情報を秘匿することで相手に選択肢を誤らせることが期待できます。

 

その場の状況から正確に情報を読み取ることができなければ、優れたポーカープレイヤーたりえないと言えるでしょう。

前ページテキサスホールデムの戦略 【プリフロップの判断】ではプリフロップにおける基本戦略についてお伝えしてまいりましたが、本ページでは、フロップにおいて有効なテクニック「コンティニュエーションベット」についてご説明していきます。

 

コンティニュエーションベット

 

フロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階)において最も重要なテクニックのひとつに、「コンティニュエーションベット(Continuation Bet, 略称:C-bet)」があります。

 

フロップ
3枚のコミュニティカードが公開されてから、前のラウンドでフォールドしなかったプレイヤー全員がアクションを終えるまでのターン。

 

コンティニュエーションベットとは、プリフロップ(手札が2枚配られた段階のターン)でベット(レイズ)していたプレイヤーが、手札が公開されたコミュニティーカードにヒットしていない(来てほしかったカードが来なかった)にもかかわらずハンドの強さを主張するベットのことです。

 

コンティニュエーションベットの具体例と効果
最初に配られた2枚の手札が以下のようにA♡8♡だったとします。

フラッシュ(5枚同じ柄のカードを揃える役)を目指しフロップで♡の柄のカードが来ることを期待してプリフロップでレイズ(賭け金を上乗せして賭ける)をしたとします。

このような状況で、フロップで公開される3枚のコミュニティーカードに♡が一枚もなかった場合でも降りることなく引き続きベット(ゲームに参加)し、「あたかも強い手札になったかのように見せる戦術」を「コンティニュエーションベット」と言います。

コンティニュエーションベットはブラフ(はったり)の一種です。プリフロップの段階でベットやレイズをしているということは、他のプレイヤーに「強い手札を持っている」という認識を持たれていることでしょう。

そんな状況でコンティニュエーションベットをすれば、相手は「コミュニティカードと合わさって、さらに強い役になったのかな」と考えることでしょう。 そのため、他のプレイヤーがそこそこ強い手札であるにも関わらずフォールドさせることができたりするという戦略です。

 

コンティニュエーションベットはプリフロップでベット(レイズ)をしたプレイヤーがフロップでも継続的にベットをするものであるため、コンティニュエーションベットをおこなうにはそのプレイヤーがプリフロップの段階でベット(レイズ)をしている必要があります。

つまりプリフロップでベットした額に加えてフロップでもベットするので少なくない金額を投資する事になります。

それではコンティニュエーションベットをする場合フロップ以降ではそのくらいの金額を賭ければいいのでしょうか?

 

コンティニュエーションベットで賭ける額

 

コンティニュエーションベットの額はポットの半分から3分の2程度の額が標準的な大きさであるとされています。(ポットの額が$1000なら、$500~$750程度)

もしも標準的な額より少なめにベットした場合には、下記のようなメリットとデメリットがあります。

 

【メリット】

あえてプリフロップにおけるベット(レイズ)と同程度の額をベットすれば、他のプレイヤーにコールまたはレイズをされた場合でも大きな投資を行っていないので、損失を抑えることが期待できます。

【デメリット】

一方で、本来ならフォールドさせられていたはずのプレイヤーに「そんなに強い手札ではないのかも」などと思われて、コールするオッズを与えてしまう(オッズ=「いくら払っていくら返ってくるかの比率」。そのプレイヤーの賭ける額が少ないとオッズは上がる。つまり投資に対するリターンが高くなるので多くのプレイヤーがゲームに参加してくる事になる)可能性もあるため、状況に応じて慎重に使い分ける必要があります。

 

このように、コンティニュエーションベットでポットを獲得するのには決して小さくないリスクを伴いますが、コンティニュエーションベットを続けることでテーブルコントロール(=テーブルイメージを駆使して場を支配すること)が容易になり、結果的に大きなリターンを期待できるようになります。

テーブルコントロールは後述する「フォールドエクイティ」「フィアエクイティ」の獲得に直結する、非常に大切な要素です。

「フォールドエクイティ」と「フィアエクイティ」について解説する前に「コンティニュエーションベットを行うべきでない場合」について解説しておきます。

 

コンティニュエーションベットをしない方がいい時

 

以下の場合はコンティニュエーションベットを行うべきでないです。

① フロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階のターン)で自分より先にレイズをしているプレイヤーがいるとき(理由:さらに多額のベットをしなくてはならない等)

 

② 多くのプレイヤーがポットに参加している場合(理由:多くのプレイヤーがショーダウン(最後の手札公開段階)まで行こうとしている等)

 

コンティニュエーションベットはブラフの一種であるため、他のプレイヤーにコールをされてショーダウン(最後の手札の公開段階)まで進んだときの勝率はかなり低くなることがこれらの理由です。

 

エクイティ

 

先程、「テキサスホールデムではテーブルコントロール(=テーブルイメージを駆使して場を支配すること)をうまくすることで、大きなリターンが期待できるようになる」とお伝えしました。

テーブルコントロールをする上で、『エクイティ』について知ることは大切です。

 

エクイティとは

その時点における勝率とポットの大きさを掛けることで求められる期待値

を指す用語です。

要は「勝負した場合に返ってくると思われる見込みの金額」のことです。

 

エクイティはその時点における勝率とポットの大きさの積によって求められます。ここで言う「勝率」とは「この手札なら統計的に見て何%で勝てるか」というものです。

 

式:勝率×ポットの大きさ=エクイティ

 

たとえば、プレイヤーAとBの一騎打ちで、それぞれの勝率が70%と30%で、ポットが$1,000だった場合。

プレイヤーAは$1,000×70%で$700のエクイティ

プレイヤーBは$1,000×30%で$300のエクイティ

があることがわかります。

 

 

また、エクイティには「フォールドエクイティ」と「フィアエクイティ」の2種類があります。

 

フォールドエクイティとフィアエクイティ

 

フォールドエクイティとは「相手をフォールドさせることによって得られるエクイティ」のことを指します。

たとえば、上記のようにプレイヤーAのエクイティ$700、プレイヤーBのエクイティ$300の時。(つまりBの手札がAの手札より劣っている場合)

ハンド(手札)の強さで劣っているプレイヤーBがプレイヤーAに対して「Bは強い手札を持っているかもしれない・・・」と思わせてフォールドさせたならば、プレイヤーBは$700のフォールドエクイティを得ることができます。

 

 

また、積極的に「レイズ(前のプレイヤーより上乗せして賭けること)」するなどのアグレッシヴなプレイによって積み上げたイメージで相手に恐怖を与えることにより、相手が本来「コール(前のプレイヤーと同額を賭けること)」や「レイズ」をすべき状況でフォールドしてしまうなどして、得られたエクイティを「フィアエクイティ」と呼びます。

 

 

テーブルコントロールの重要性

 

さて、コンティニュエーションベットとエクイティについて理解したところで最後にテーブルコントロールの重要性を「ポット(全員の賭けた金額の合計)を獲得する方法」という観点から見ていきましょう。

 

ポットを獲得するためには、下記の2通りの方法があります。

① ショーダウン(最後の手札公開の段階)で他のプレイヤーに勝利する

② 他のプレイヤーを全員フォールドさせる

 

前者①でポットを獲得するためには他のプレイヤーよりも強い役を完成させなければならず、その確率は決して高いとはいえません。

一方、後者②の方法ならたとえ最弱のハンド(役)でもベッティングアクション(コール・フォールド・レイズなどのアクション)で他のプレイヤーを圧倒することができれば(フォールドさせる事ができれば)ポットの獲得が可能であるため、前者と比べてその機会は格段に多いといえます。

つまり、テーブルコントロールをすることはポットを獲得する機会を格段に増やしてくれるといえるのです。

 

 

テーブルイメージを作り上げることはエクイティを得るために必要不可欠であり、先ほど解説したコンティニュエーションベットはテーブルコントロールを維持する上で有効な手段なひとつです。

アグレッシヴなプレイスタイルで知られるポーカープレイヤー、ガス・ハンセン氏は「テーブルコントロールを維持するためには75~80%の頻度でコンティニュエーションベットをおこなう必要がある」と語っています。

 

▼ガス・ハンセン氏の著書

 

まとめ

 

・プリフロップでベット(レイズ)したプレイヤーが、コミュニティーカードがヒットしていないにもかかわらずフロップでも継続的にベットをすることを「コンティニュエーションベット」という。

・コンティニュエーションベットの標準額はポットの半分から3分の2程度。

・およそ75~80%の頻度でコンティニュエーションベットをおこなうことでテーブルコントロールを維持することができる。

・ポットを獲得するためには、

①ショーダウンで他のプレイヤーに勝利する

②他のプレイヤーを全員フォールドさせる

という2通りの方法がある。

・相手をフォールドさせて得たエクイティを「フォールドエクイティ」と言う。

・アグレッシヴなテーブルイメージで相手を恐怖させて得たエクイティを「フィアエクイティ」と言う。

 

以上、フロップで使えるテキサスホールデムの戦略「コンティニュエーションベット」の解説でした。

次のページではフロップ以降で使える5つの戦略を解説していきます。

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第3章ではオンラインゲームなどで海外のプレイヤーと対等に勝負ができるようテキサスホールデムの「戦略」について

ポジション】【プリフロップ】【コンティニュエーションベット】【フロップ以降】【プレイスタイル

のページに分けて解説しています。

このページでは、テキサスホールデムの世界で既に常識となっている【プリフロップ】時の基本的な戦略をご紹介していきます。

 

プリフロップの戦略

 

まずは、プリフロップにおける基本戦略についてです。

 

プリフロップとは

プリフロップは、ビッグブラインドとスモールブラインドがブラインドを支払った後に、2枚ずつ手札が配られ、プレイヤー全員がアクションを終えるまでのラウンドです。

 

ゲームに参加して2枚の手札が配られたとき、最初に考えなければいけないことは、その手札がプレイ可能であるかどうかです。

 

判断の前提

 

ただし、2枚の手札を見てプレイ可能かどうかを判断する上で前提として頭に入れておくべきことがあります。

それは

「ポジション」「テーブルにいる人数」「持っているチップの額」が判断基準を変える

という事です。

 

 

ポジションによってプレイできる手札の強さが異なることは前のページ「テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】」でお伝えしたとおりです。

テーブルの人数によって大きく左右される理由は、単純に後ろでアクションするプレイヤーの人数が異なることがその根拠です。

後ろでアクションする人数が多ければ強い役を完成させてくる可能性のあるプレイヤーが増えることになるので人数が多ければ自分はより強い役を作らなければなりません。

 

また、スタック(=手持ちのチップ)が極端に少なければ自分がどんなに弱い手札でもゲームに参加することがオッズ(=ポットオッズ)に合ってしまうような状況も考えられます。

たとえば、ポット(全員の賭け金の合計)が$2,000で自分のスタック(手持ちのチップ)が$100しかないとき、オッズ(=ポットオッズ)は2,100:100=21:1であるため、それ以上の20:1程度(20回に1回勝てる)の勝率を持つハンド(自分の手札とコミュニティーカード)以上であればベットすることが数学的に正しいプレイとなります。

ただし20:1程度(20回に1回勝てる)の勝率はかなり低いので、結果「弱いハンドでもベットすることが数学的に正しいプレイ」になってしまう、という事です。

このように、ポット(全員の賭け金の合計)に対してスタック(手持ちのチップ)が少なければ少ないほど、弱いハンドでもオッズに合う(=ベットすべきという判断をしなければならない)ようになります。

 

オッズ(ポットオッズ)
オッズ(ポットオッズ)とは、「ポットの大きさとそのポットを得るために必要な投資額の比率」のことです。要するに「いくら払って、いくら返ってくるか」ということの比率と言えます。この比率と自分の手札の勝率を鑑みて「勝負するかどうかの判断」をするのです。

ちなみに自分の手札の勝利確率は「アウツ」というものを利用して求めます。オッズやアウツ・勝利確率の詳しい計算方法は、第2章で解説しています!(現在第3章)

 

プリフロップの判断方法

 

ゲームに参加できるハンド(手札)であるかどうかを判断する具体例として、フルリングのゲーム(チップが無くなってもお金を払えばチップを買える形式のゲーム)でアンダーザガン(アクションを開始する最初のプレイヤー)のポジションにいる時を考えてみます。

 

 

著者の経験や海外のポーカー掲示板の書き込みを踏まえると、本Webon第2章の「テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】」で解説したスターティングハンド表のグループ0~1、すなわち「AKs以上のハンドであればアンダーザガンのポジションではプレイ可能」であるという意見が一般的です。

 

▼スターティングハンド表

※○○sは柄が揃っていることをを意味しています。つまりAKsならA♠K♠など。

※T=10

グループ 組み合わせ
グループ0 AA、KK
グループ1 QQ、JJ、AKs
グループ2 AQs、TT、AK、AJs、KQs、99
グループ3 ATs、AQ、KJs、88、KTs、QJs
グループ4 A9s、AJ、QTs、KQ、77、JTs
グループ5 A8s、K9s、AT、A5s、A7s
グループ6 KJ、66、T9s、A4s、Q9s
グループ7 J9s、QJ、A6s、55、A3s、K8s、KT
グループ8 98s、T8s、K7s、A2s
グループ9 87s、QT、Q8s、44、A9、J8s、76s、JT

<自分がアンダーザガンのポジションの時は薄い黄色の手札であれば「勝負OK」というのが一般的>

 

もちろんプレミアムペア(AA~QQの同じ数字が手札にある状態)でなければゲームに参加しない堅実なプレイスタイルのプレイヤーもいれば、弱い手札でも強気なベットをするようなアグレッシブなプレイヤーもいるため、一概に言い切れるものではありません。

▼プレミアムペアの例

      

 

テキサスホールデムではプリフロップの平均的な参加率はおよそ20%(つまり多くのプレイヤーは5回に1回しかゲームに参加しない。4回はフォールド(降りる)する)である、とされておりますのでまずは5回中1回を目安にゲームに参加してみると良いでしょう。

チップやお金が無くなるなどでゲームを脱落する人が増えて、ゲームに参加する人数が少なくなるにつれてプレイできる勝負できる手札の範囲も広くなっていきますのでその時はゲームに参加する手札の基準を緩めていってもいいかもしれません。

これは

「人数が多いとその分強い手札を持っている人が相対的に増えるが、人数が減れば相対的に強いカードを持っているプレイヤーも減っている可能性が高い」と言える

からです。

以上の事を参考にポジションや状況に応じた自分なりの基準を探ってみてください。

そして実際に判断を行うと同時にやっておくべきなのは以下で解説する「フロップ以降の想定」です。

 

フロップ以降の想定

 

そのハンド(手札)でゲームに参加することをプリフロップ(2枚の手札が配られた段階のターン)で決めたら、次にフロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降にどのようなアクションをするかを想定します。

 

フロップ
3枚のコミュニティカードが公開されてから、前のラウンドでフォールドしなかったプレイヤー全員がアクションを終えるまでのターン。

 

逆にいえば、フロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降のアクションが想定できないハンド(手札)であった場合はプレイするべきではありません(プリフロップで降りるべき)。

ですのでプリフロップでゲームに参加するかどうかの判断をする際にはこのフロップ以降の想定ができていなければいけません。

 

たとえば手札がA♢K♣だった場合、フロップでAかKがヒットするかストレートドロー(後1枚でストレートが完成という状態)となればベット(レイズ)。

 

※T=10

 

それ以外ではフォールドする。

と決めておくことで、フロップ以降のラウンドにおける損失を最小限に抑えることができます。

また、下記のような投機的ハンド(強くなる可能性のある手札)はフロップでヒットしなかった(想定したコミュニティーカードが来なかった)際にフォールド(降りる)することが容易であるため、初心者にも扱いやすいスターティングハンドであるといえます。

 

▼初心者にも扱いやすいスターティングハンドの例
スモールペア 手札に2~6で同じ数字が揃っている状態 例:2♡2♠、6♣6♡
スーティッド 同じ柄のカードが揃っている状態 例:3♡7♡、9♠5♠
コネクター 連続した数字のカードが揃っている状態 例:9♢8♣、3♡2♢

※数字の強さはA⇒K⇒Q・・・3⇒2

 

アクションの考え方

 

フロップ(3枚のコミュニティーカードが配られた段階のターン)以降のアクションが想定できたら、実際にプリフロップ(2枚の手札が配られた段階のターン)でアクションを行います。

 

標準的なオープンベット(ブラインド(SBとBBの強制ベット)以外にまだ誰もポットに参加していない時点おこなう初めてのベット)の額はビッグブラインドの3~5倍。

 

 

自分の前にリンパー(=リンプ(ブラインドに対するコール)しているプレイヤー)がいる場合には、リンパーひとりにつきビッグブラインドと同額をプラスしてベットします。

 

 

例えば、ブラインドがスモールブラインド$50、ビッグブラインド$100でその時点のポットが$150だったとき、オープンベットの標準額は$300~500ですが、前にリンパーが2人いるときにはそこに$200(BBの$100×2人)を上乗せします。

 

ビッグブラインドの3~5倍のベット額という大きさは、ビッグブラインドがフォールドするのに充分なオッズ(いくら払っていくら返ってくるかの比率。これが小さい(与えられる)と勝負しにくい。なぜなら「オッズが小さい」という事は投資に対するリターンがあまり大きくない事を示しているから)を与え、スモールブラインド・ビッグブラインドからチップを獲得する際の不要なリスクを抑えるという目的に基づいたものです。

 

テーブルの雰囲気を考慮しつつ、ビッグブラインドの3~5倍の範囲で基準となるベット額を定めたら、そのテーブルでゲームする限りはプロフリップ(2枚の手札が配られた段階のターン)時のハンド(手札)の強さによらずオープンベットは同じ額でベットし続けるようにしてください。

なぜなら、上手なプレイヤーであればそのわずかなベット額の差からあなたのハンド(手札)の強さを推測し、あなたのベッティングの癖を読み取ってしまうかもしれないからです。

 

 

ベット額にバリエーションをつける場合には、ハンドの強さにかかわらずランダムに変化させることで他のプレイヤーにハンドの強さを読まれにくくなります。

 

オープンベットの後、他プレイヤーがレイズ(賭け金を上乗せして賭ける)をしたときは、あなたのハンド(手札)の強さに応じてフォールド(降りる)するか、コール(前のプレイヤーと同額を賭ける)するか、リレイズ(さらに賭け金を上乗せして賭ける)するかを決定します。

可能であればレイズ額の許容範囲も含めて、レイズされた場合のアクションも事前に想定しておくようにしてください。

 

プリフロップ時の戦略【考え方の流れ】

状況 考えること 判断基準
① 手札が2枚配られた ゲームに参加できるハンド(手札)であるか考える。 スターティングハンドなどに照らし合わせる。
② 参加できそうな手札だったら フロップ以降のアクションを想定する。アクションが想定できない場合はフォールド(降りる)した方がよい。 手札に照らし合わせて「フロップでAかKがヒットがしなかったら降りる」など決める。
③ アクションを想定 適切な賭け額を決める。 テーブルの雰囲気を考慮しつつ、ビッグブラインドの3~5倍の範囲で基準となるベット額を定める。

 

まとめ

 

・プリフロップでは最初にそのハンド(手札)でゲームに参加できるかどうかを考える。

・平均的な参加率はおよそ20%(5回に1回参加)程度。

・次に、他プレイヤーの行動も含めてフロップ以降のアクションを想定する。

・フロップ以降のアクションを想定できないハンドはプレイしない。

・標準的なオープンベット額はビッグブラインドの3~5倍。

・前にリンパー(ビッグブラインド(BB)にコールしたプレイヤー)がいたら1人につきビッグブラインドのベットと同額を上乗せする。

・そのテーブルでゲームをしている限りはハンドの強さによってベット額を変化させない。

 

以上、プリフロップ時の戦略でした。

次のページではテキサスホールデムの一般的とも言えるフロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階のターン)の戦略「コンティニュエーションベット」について解説をしていきます。

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はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

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第3章 テキサスホールデムの戦略

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本章(第2章)ではテキサスホールデムをプレイする上で知っておくと勝利に近づける「確率」に関する基礎知識を

オッズ・アウツ】【スターティングハンド

というページに分けてお伝えしています。このページでは【スターティングハンド】について解説をします。

 

スターティングハンドとは

 

スターティングハンドとは「プリフロップ(最初のターン)で配られる2枚の手札」のことです。

 

スターティングハンドの強さに関してはプロの間でも意見がわかれることが多く、絶対的な序列をつけることは非常に困難です。

ここでは、スターティングハンドをいくつかのタイプに分類し、それぞれの特徴についてご説明していきます。

スターティングハンドの強さについて知ることは、フォールドするかレイズするかなどのアクションを判断する上で役立つことでしょう。

 

▼主なスターティングハンドの名称と特徴早見表

名称 特徴
ポケットペア AA、99 非常に強力
スーティッドコネクター AKs、98s 投機的ハンド
スーティッド A9s、63s 投機的ハンド
コネクター 87、43 投機的ハンド
ギャップコネクター AQ、97 投機性は高くない

※sは同じ柄(マーク)という意味。例えばAKsであればA♠K♠など。

 

1 ポケットペア(Pocket Pair)

  

▲ポケットペアの例

 

ポケットペアは「AA」「88」「22」など

「手札に2枚の数字が揃っている状態」を指します。

すでにワンペアが成立していることは言うまでもありませんが、ポケットペアではさらにスリーオブアカインド(スリーカード)が完成する可能性があるため、数字の大きさによっては非常に強力なスターティングハンドであるといえます。

 

また、ポケットペアとコミュニティカードで構成されたスリーオブアカインドは『セット』というのですが、

 

セットは完成しても他のプレイヤーに気づかれるリスクが低いため、他のプレイヤーが現状では勝てそうにない微妙なハンドでもコールする可能性が高く、割のいい勝負ができる可能性に期待できます。

 

また、ポケットペアを細かく分けて、下記のように分類する場合もあります。

数字の組み合わせ ペアの名称
AA~QQ プレミアムペア(Premium Pair)
TT~77 ミディアムペア(Medium Pair)
66~22 スモールペア(Small Pair)

 

2 スーティッドコネクター(Suited Connectors)

  

▲スーティッドコネクターの例

 

スーティッドコネクターは、A♠K♠、T(10)♡9♡、3♣2♣など

「同じ柄で、連続した数字のカードが揃っている状態」

を指します。

コミュニティカードと噛み合った場合には、フラッシュやストレート、さらに運がよければストレートフラッシュを完成させる可能性もある、代表的な投機的ハンド(現状ではそこまで強くないが、将来的に強いハンド(役)に化ける可能性があるハンドのこと)です。

※フラッシュ・・・同じ柄が5枚の役 ストレート・・・連続した数字が5枚の役 ストレートフラッシュ・・・同じ柄で連続した数字5枚の役

 

役(ハンド)については第1章で解説!(現在第2章) 役(ハンド)については第1章で解説!(現在第2章)

 

3 スーティッド(Suited)

  

▲スーティッドの例

 

スーティッドは、A♠9♠、T♢6♢、7♣2♣など

「同じ柄のカードが揃っている状態」を指します。

コミュニティーカードと噛み合った場合にはフラッシュを完成させる可能性がある投機的ハンドです。

 

4 コネクター(Offsuit Connectors)

   

▲コネクター

 

コネクターは、A♠K♡、9♢8♣、3♡2♢など

「連続した数字のカードが揃っている状態」を指します。

コミュニティーカードと噛み合った場合にはストレートを完成させる可能性がある投機的ハンドです。

 

5 ギャップコネクター(Gap Connectors)

  

▲ギャップコネクターの例

 

ギャップコネクターは、A♡Q♠、T♠8♢、4♠2♡など

「2つ違いの数字が揃っている状態」を指します。

 

コミュニティーカードと噛み合った場合にはストレートを完成させる可能性がありますが、通常のコネクター(連続した数字2枚)に比べると投機性は高くありません

 

この他にも、

3つ違いの数字が揃った『2ギャップコネクター』や、

▼2ギャップコネクターの例

 

4つ違いの数字が揃った「3ギャップコネクター」などがあります。

▼3ギャップコネクターの例

 

スターティングハンドの勝率(確率)ランク

 

次に、実際のプレイにおける勝率に基づいたスターティングハンドのランクを以下に示します。

※○○sは柄が揃っていることをを意味しています。 ※T=10の事です。

グループ 組み合わせ
グループ0 AA(ポケットペア)、KK(ポケットペア)
グループ1 QQ(ポケットペア)、JJ(ポケットペア)、AKs(スーティッドコネクター)
グループ2 AQs(スーティッドギャップコネクター)、TT(ポケットペア)、AK(コネクター)、AJs(スーティッド2ギャップコネクター)、KQs(スーティッドコネクター)、99(ポケットペア)
グループ3 ATs、AQ、KJs、88、KTs、QJs
グループ4 A9s、AJ、QTs、KQ、77、JTs
グループ5 A8s、K9s、AT、A5s、A7s
グループ6 KJ、66、T9s、A4s、Q9s
グループ7 J9s、QJ、A6s、55、A3s、K8s、KT
グループ8 98s、T8s、K7s、A2s
グループ9 87s、QT、Q8s、44、A9、J8s、76s、JT

 

上位4つを「ポケットペア(同じ柄で、連続した数字のカードが揃っている手札)」が占めていることからわかるように、

ポケットペア――特にプレミアムペア(AA~QQの同じ数字)はテキサスホールデムにおける非常に強力なスターティングハンドです。

 

▼ポケットペアのプレミアムペアの例

 

次に、Aを含む「スーティッドコネクター(同じ柄で、連続した数字のカードが揃っている手札)」

例)

「スーティッドギャップコネクター(同じ柄で2つ違いの数字が揃っている手札)」

例)

がラインクインしていることから、投機的ハンド(強い手札に化ける可能性のある手札)にも高い勝率があることがわかります。

 

上記のランク付けはあくまで目安であるため、状況によってプレイするべきハンドの範囲は大きく異なります。

初心者の方にとっては非常に有用な情報であることには間違いありませんので、アクションで迷ったときにはぜひ参考にしてみてください。

以上、第2章「テキサスホールデムの確率」でした。次のページから第3章。第3章ではテキサスホールデムの戦略を初心者の方にも分かりやすく解説していきます。次のページでは【ポジション】の基本戦略を解説します。

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はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

テキサスホールデムポーカーおすすめアプリ3選

テキサスホールデムのおすすめ本と道具

番外編 専門用語集

テキサスホールデム専門用語集

著者:國谷正明

テキサスホールデムのプレイ歴約4年。海外プレイヤーとのオンライン対戦を中心に洋書の教則本を読んで勉強。投資の要素が魅力の高度な知的ゲームであるテキサスホールデムの面白さを多くの人に伝えたいという思いがある。facebook(國谷)

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ポーカーの一種、「テキサスホールデム」は海外では多くの大会が開かれる大人気ゲーム。そんなテキサスホールデムをルール・確率・戦略…と初心者の方でも簡単に理解できるよう解説します。読めば海外プレイヤーとも対等に渡り合えるようになる!?

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第1章では

ゲームの流れ】【アクション】【ポジション】【】【ゲーム形式

のページに分けてテキサスホールデムのルールを初心者の方にも分かりやすく解説をしています。

このページでは【アクション】について詳しく解説していきます。全くルールが分からない方でもこのページを読めばテキサスホールデムの【アクション】を理解する事ができます。

 

テキサスホールデムで、自分の順番が回ってきた時に取れる行動(アクション)は大きく分けて

1「降りる」(その回のゲームから抜ける)

2「賭ける」(チップを場に出す。ハイリスクハイリターン)

3「賭ける金額を上乗せする」(他の人より多くチップを場に出す。2よりハイリスクハイリターン)

4「賭けずに順番を回す」(様子を見る)

の4種類があります。

 

これらの行動は「アクション」や「ベッティングアクション」と呼ばれ、具体的には

「フォールド」「チェック」「コール」「ベット」「レイズ」「オールイン」

の6つがあります。

このページでは、それぞれのアクションの解説とアクションの持つ意味合いについて詳しくご説明していきます。

読めば自分が取るべきアクションを判断するのに役立つでしょう。

 

ベッティングアクション一覧

 

ベッティングアクション(アクション)の名称と意味、そしてそのアクションの持つ意味を示します。専門用語などはさらに下で解説しますのでここでは名称とその意味だけでも理解しておきましょう。

 

アクション名 行動 意味
フォールド(fold) ゲームを降りること。 弱気なアクション
チェック(Check) 賭けずに次のプレイヤーに順番をまわすこと。 弱気なアクション
コール(Call) 前のプレイヤーと同額のチップを賭けること。 弱気なアクション
ベット(Bet) ベッティングラウンドで最初にチップを賭けること。 強気なアクション
レイズ(Raise) 相手の賭けた金額を上回る金額を賭けること。 強気なアクション※「ベット」との違いは先に賭けたプレイヤーがいるかいないか。
オールイン(All-in) 持っているチップを全額ベットすること。 最も強気なアクション

 

1 フォールド

 

フォールドは自分の手札では勝つことができないと判断して、勝負から降りることを意味します。

つまりフォールドを選択した場合、そのゲームを途中抜けする事になります。

 

プリフロップ(手札が2枚配られて、まだコミュニティーカードが公開されていない状態)で「フォールド」する場合、ブラインド(強制的にチップを払う役割。つまりスモールブラインドかビッグブラインド)でなければチップを失わずに勝負から降りることができます。

 

 

ですが、すでに前のターンでチップを投資している場合(例えばプリフロップでベットし(賭け)て、フロップでフォールドする場合)、既に投資したチップは手元に戻ってくることはありません。

 

 

勝つことが難しいと判断したときや、数学的にプレイするのが正しくないと判断できるときには、速やかにフォールドすることで損失を最小限に抑えることができます。

 

ゲームに勝つか負けるかの判断基準を、数学的に算出する方法があります。第2章で詳しく解説しております。(現在第1章) ゲームに勝つか負けるかの判断基準を、数学的に算出する方法があります。第2章で詳しく解説しております。(現在第1章)
【編集部コラム】フォールドしない方がいい場合
基本的にはフォールドしない方がいい場合が、2つあります。

1つ目は「自分がビッグブラインドの時にコールで回ってきた時」です。

自分がビッグブラインドだった場合は、コールする際にチップを払う必要がありません。なぜなら既にブラインド(強制ベット)でチップを支払っているからです。そのため言ってしまえばタダで「コール」することができるのでフォールドして損失を抑えようとする意味が無いのです。(実際はこの場合は「コール」ではなく「チェック(賭けずに次のプレイヤーに順番を回すこと)」と言います)※チェックについてはすぐ下で解説します。

2つ目は「2ターン目以降で全員がチェックで自分まで回ってきた時」です。

※1ターン目は「チェック」ができません。なぜなら「チェック」は「誰もベットしなかった場合に取れるアクション」だからです。1ターン目ではスモールブラインドとビッグブラインドがチップを必ず支払うので「誰もベットしない」事はありません。

こちらも、追加でチップを払う必要がないので、フォールドする意味が無くチェックして様子見をするのがよいと言えるでしょう。

以上の場合は、チップを払わずに次のコミュニティーカードを見ることができるので、フォールドはしない方がよいと言えるでしょう。

 

2 チェック

 

チェックは「ベットせずに次のプレイヤーに順番をまわす」アクションです。ベットしているプレイヤーがテーブルにいないときに取ることのできるアクションとなっています。

 

チェックをすることができるのは下記の状況です。

「フロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階のターン)以降で他のプレイヤーが誰もベットしていない時」

 

「プレイヤーがビッグブラインドのときプリフロップ(コミュニティーカードが公開されておらず2枚の手札が配られている段階のターン)においてビッグブラインドまでコールでまわってきたとき」

 

 

以上の時に「チェック」をすることができます。

 

チップを上乗せしない=ハンドの弱さを示すアクション として受け取られるため、

「あと1枚でフラッシュやストレートが完成する手札を持っていて、少ない投資で次のコミュニティカードを見たい場合」や

 

「強いハンドをわざと弱そうにプレイする行為」

 

以外でチェックすることは基本的に推奨されません。

 

3 コール

 

コールは「前のプレイヤーと同額のチップを賭ける」アクションです。

 

 

コールも先ほどの「チェック」と同様に弱さを示すアクションです。

 

コールの使い所としては、チェックの項目で示した例の

「あと1枚でフラッシュやストレートが完成する手札を持っていて、少ない投資で次のコミュニティカードを見たい場合」や

 

「強いハンドをわざと弱そうにプレイする行為」

 

の他、「負けたときの損失を小さく抑えたい場合」や

※レイズ・・・他のプレイヤーよりも大きな額を賭ける

 

「はじめにベットしたプレイヤーにリレイズさせる機会を奪うとき(ポジションがある場合)」

※リレイズ・・・レイズよりもさらに大きな額を賭ける事。ベット(最初に賭ける事)やレイズしたプレイヤーにコールで1周回ってきたらそのプレイヤーはレイズできず、次のターンへ以降する(次のコミュニティーカードが公開される)。

 

などが挙げられます。

 

4 ベット

 

ベットはベッティングラウンド(「プリフロップ」「フロップ」「ターン」「リバー」のターンの総称)において「初めてチップを賭ける」アクションを指します。

消極的なアクションである「チェック」や「コール」と異なり、ベットは自分が勝っていると思うときに利益を最大化することを目的に、ポット(全員の賭けた金額の合計。勝つと獲得できる)を大きく膨らませるべくおこないます。

 

 

初心者の方は知らなくて大丈夫ですが、「フィックスリミットホールデム」というルールの場合ではベットの上限額が固定されていますが、「ポットリミット」および「ノーリミットホールデム」といったベットの上限額が定められてないルールではベットする額が戦略上非常に大きな意味合いをもちます。

 

フィックスリミットホールデム、ポットリミット、ノーリミットなどゲームの種類について詳しくは同章(第1章)の後のページで! フィックスリミットホールデム、ポットリミット、ノーリミットなどゲームの種類について詳しくは同章(第1章)の後のページで!

 

5 レイズ

 

レイズは他のプレイヤーが既にベットしているとき「相手の賭けた金額を上回る金額を賭ける」アクションです。

先ほど紹介した「ベット」と似ているアクションですが、それまでそのターン中に誰も賭けていなくて賭ける金額を増やしたい場合は「ベット」。

既に誰かが賭けている場合に賭ける金額を上乗せする場合は「レイズ 」となります。

 

▼ベット

▼レイズ

 

レイズ額(上乗せする額)の微妙な違いはゲームの結果を大きく左右します。

たとえば、

あえて「小さなレイズ」では相手のコールもしくは相手にもレイズを促すことで、ポット(全員の賭けた金額の合計。勝つと獲得できる)を獲得したときの利益の最大化を図ることができます。

 

また、逆に「大きなレイズ」では、相手にコール(同額を賭ける)させるポットオッズ(勝利確率のようなもの。詳しくは第2章で解説)を与えずフォールド(降りる)させることができます。

つまり大きなレイズはあと1枚で「フラッシュ」や「ストレート」と言った強い役が完成する可能性があるプレイヤーと勝負せずとも勝利することを期待できるのです。

ポットオッズについては第2章で解説しています!(現在第1章) ポットオッズについては第2章で解説しています!(現在第1章)

 

原則として「ベット」または「レイズ」は、自分がポット(全員の賭けた金額の合計。勝つと獲得できる)を獲得することを前提におこなわれるアクションです。

自分の勝利を確信できないときには状況に応じて「コール」「チェック」「フォールド」を使いわけて、損失を最小限に抑えるよう努めてください。

 

6 オールイン

 

オールインは「持っているチップを全額ベットする」アクションを指します。

あまりにもチップを賭けすぎてしまい、弱い手札でも勝負した方がよい状態などの場合を除いて、手持ちのチップにある程度の大きさがある状態でのオールインは非常に強気なアクションとなります。

そのためプリフロップ(2枚の手札が配られた段階のターン)でオールインをしてその場のチップを手に入れることができることは珍しくありません。

 

 

勝負に負けた場合にはすべてのスタック(=手持ちのチップ)を失いますが、オールインする時点でポット(それまでに賭けられた金額の合計)の大きさがスタック(手持ちのチップ)と同額以上の場合、勝利すれば手持ちの金額を倍以上にすることも可能です。

 

 

ちなみに、前のプレイヤーがオールインした場合。

原則的には前のプレイヤーと同額かそれ以上のチップを賭けなければなりませんので、前のプレイヤーがオールインした金額よりも大きいスタック(手持ちチップ)を持っていれば、

「コール」(前のプレイヤーのオールインと同額)か、

「オールイン」(自分の全スタック)か、

「フォールド」(降りる)か、

という3通りの選択肢があります。

ただ、オールインした金額よりも小さいスタック(手持ちチップ)しかないときには「コール」はできません。なぜなら前のプレイヤーと同額のチップを賭ける事ができないためです。

そのため

その少ないスタックを「オールイン」するか、

もしくは「フォールド」するか、

しかありません。

 

 

サイドポット

 

スタック(手持ちチップ)の金額の大きさが異なる複数のプレイヤーがオールインした場合には「サイドポット」というものが発生します。

 

たとえば、スタックが$5,000のプレイヤーAと$2,500のプレイヤーBがともにオールインして、スタックが$10,000のプレイヤーCがコールしたとします。

 

 

その場合、それぞれから$2,500を集めた計$7,500のメインポットと、

残りのチップを集めた計$5,000のサイドポットに分けられます。

 

 

メインポットは全員に獲得権がありますが、自分のチップを投入していないプレイヤーBにサイドポットの獲得権はありません。

つまり、プレイヤーAとCが勝利した場合にはメインポット($7,500)とサイドポット($5,000)を合わせた$12,500を獲得しますが、プレイヤーBが勝利してもメインポットの$7,500しか獲得できず、サイドポットの$5,000はプレイヤーAとCに半分ずつ分配されます。

 

まとめ

 

以上がテキサスホールデムのアクション(ベッティングアクション)の解説とそのアクションの持つ意味でした。

おさらいとして上記に解説したアクションの意味や特徴、そしてポイントを以下に記してこのページを終わりといたします。

 

アクション名 行動 備考
フォールド(fold) ゲームを降りること。 弱気なアクション
チェック(Check) 賭けずに次のプレイヤーに順番をまわすこと。 弱気なアクション
コール(Call) 前のプレイヤーと同額のチップを賭けること。 弱気なアクション
ベット(Bet) ベッティングラウンドで最初にチップを賭けること。 強気なアクション
レイズ(Raise) 相手の賭けた金額を上回る金額を賭けること。 強気なアクション※「ベット」との違いは先に賭けたプレイヤーがいるかいないか。
オールイン(All-in) 持っているチップを全額ベットすること。 最も強気なアクション

 

・オールイン>レイズ=ベット>コール>チェック>フォールドの順で強気なアクションと見なされる。

・スタックの大きさが異なる複数人のプレイヤーがオールインすると「サイドポット」が発生する。

 

次のページではテキサスホールデムのプレイヤーのポジションの名称と役割について初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

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第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

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第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

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第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

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第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

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第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

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第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

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第1章では

ゲームの流れ】【アクション】【ポジション】【】【ゲーム形式

のページに分けてテキサスホールデムのルールを初心者の方にも分かりやすく解説をしています。

このページでは【ポジション】について詳しく解説していきます。全くルールが分からない方でもこのページを読めばテキサスホールデムの【ポジション】を理解する事ができます。

 

ポジションとは

 

テキサスホールデムは6~10人程度の人数でプレイするのが一般的です。

それぞれのプレイヤーには、「ポジション」が割り当てられ、ポジションごとの役割があります。

ただ、実際ポジションの役割は全員にあるわけではありませんので覚えるのは簡単です。役割の無いポジションについては名称すら覚える必要はありません(覚えなくてもプレイに支障はない)が覚えておくと後々便利なので「なんとなく知って」おくといいでしょう。

 

▼ポジションが与えられている様子

 

例えばポジションに課された役割で言えば、

『「スモールブラインド(SB)」「ビッグブラインド(BB)」の役割になったプレイヤーは手札が配られる前に、強制的にチップを徴収される』

というものがあります。

ポジションは固定ではなく、1ゲーム終了するごとに、ひとつずつ左にずれていきます。

ポジションによって、ゲームの中で有利不利があったりします。

それではまずはポジションにはどのようなものがあるのか、「ポジションの種類」について解説していきます。

 

ポジションの種類

▼ポジション名一覧とアクションを起こす順番

ポジション名 アクションを起こす順番
① スモールブラインド(SB) 1
② ビッグブラインド(BB) 2
③ アンダーザガン(UTG) 3
④ 呼び名なし 4
⑤ 呼び名なし 5
⑥ 呼び名なし 6
⑦ ハイジャック(HJ) 7
⑧ カットオフ(CO) 8
⑨ ボタン(BTN) 9

 

上記は9人でテキサスホールデムをプレイするときのアクション順をまとめたもので、

①②③をアーリーポジション(Early Position)、

④⑤⑥をミドルポジション(Middle Position)、

⑦⑧⑨をレイトポジション(Late Position)と呼びます。

 

ひとつ注意していただきたいのが、フロップ(3枚のコミュニティーカードが公開された段階のターン)以降のラウンドでは上の表どおりの順番でアクションを決定していきますが、プリフロップ(2枚の手札が配られた段階のターン)ではビッグブラインド(BB)とスモールブラインド(SB)のふたりは強制ベットをするため、アンダーザガン(UTG)のプレイヤーが実質的に最初のアクションをおこなうことになります。(下の表の灰色網掛け部分がプリフロップの順番になります)

 

ポジション名 フロップ以降の順番 プリフロップ時の順番
① スモールブラインド(SB) 1 8
② ビッグブラインド(BB) 2 9
③ アンダーザガン(UTG) 3 1
④ 呼び名なし 4 2
⑤ 呼び名なし 5 3
⑥ 呼び名なし 6 4
⑦ ハイジャック(HJ) 7 5
⑧ カットオフ(CO) 8 6
⑨ ボタン(BTN) 9 7

 

ポジションの決め方

 

続いてこれらのポジションの「決め方」を説明していきます。

ポジションは『ディーラーボタン』を基準に決定していきます。

『ディーラーボタン』というのは単なる目印の為に置かれるものですが、そのディーラーボタンを置いたポジションに座るプレイヤーは上の表で挙げた⑨「ボタン」の役割のプレイヤーと決まります。

 

▼ディーラーボタンの例(ディーラーボタンだとわかればどんなものでも可)

 

さて、その『ディーラーボタン』の置く位置はどのように決めるのでしょうか。

決め方はいくつかありますが、ポピュラーなのはディーラー(もしくはディーラー役のプレイヤー)がプレイヤー全員にカードを表向きに配っていき、「数字が一番大きいカードのプレイヤーの席が最初のディーラーボタンの場所」というものです。

数字が同じ大きさだった場合はマークの強さで決定します。スペード♠、ハート♥、ダイヤ♦、クラブ♣の順に強くなります。

 

▼ディーラーボタンの場所を決める様子

 

ディーラーボタンの場所が決まったらそこに座っているプレイヤーが『ボタン』のポジションとなります。

そしてボタンの左隣が『スモールブラインド(SB)』その左隣が『ビッグブラインド(BB)』その左隣が『アンダーザガン』となります。

 

 

ボタンの右隣が『カットオフ』その右隣が『ハイジャック』となります。それ以外のプレイヤーにポジション名はありません。

 

 

このようにしてポジションは決定します。

 

ポジションの役割

 

さて、各ポジションの決まり方はお分かりいただけたと思いますがそれぞれにはどのような役割があるのでしょうか。

実はそこまでポジションに課された「行うべきこと」というのは多くありません。あくまでもプレイする上で分かりやすく、円滑にゲームが運ばれるためのもの、という認識で初心者の方は大丈夫でしょう。

 

以下に9人でプレイした場合のポジション名と役割を一覧で示しましたのでこれだけ覚えておいていただければと思います。

 

▼ポジションの役割一覧

ポジション名 仕事
① スモールブラインド(SB) プリフロップでブラインド(強制ベット)を最初にする
② ビッグブラインド(BB) プリフロップでスモールブラインド(SB)の2倍のブラインド(強制ベット)をする
③ アンダーザガン(UTG) プリフロップで事実上最初にアクションを起こす
④ 呼び名なし 特になし
⑤ 呼び名なし 特になし
⑥ 呼び名なし 特になし
⑦ ハイジャック(HJ) 特になし
⑧ カットオフ(CO) 特になし
⑨ ボタン(BTN) 基本的に最後にアクションを起こす有利なポジション
(①②)③アーリーポジション 序盤にアクションを起こす(比較的不利)
④~⑥ミドルポジション 中盤にアクションを起こす
⑦~⑨レイトポジション 終盤にアクションを起こす(比較的有利)

※①②のSBとBBは「アーリーポジション」と言わない場合もあります。

 

以上、テキサスホールデムにおけるポジションの解説と役割でした。ゲームを正しく理解するためにも勝利に近づくためにもここまでは頭に入れておくといいでしょう。

次のページではテキサスホールデムの役(ハンドとも言います)を解説していきます。ゲームの流れを覚えたら必ず役は覚えなくてはならないので早めに覚えておきましょう。

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目次著者
はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

テキサスホールデムポーカーおすすめアプリ3選

テキサスホールデムのおすすめ本と道具

番外編 専門用語集

テキサスホールデム専門用語集

著者:國谷正明

テキサスホールデムのプレイ歴約4年。海外プレイヤーとのオンライン対戦を中心に洋書の教則本を読んで勉強。投資の要素が魅力の高度な知的ゲームであるテキサスホールデムの面白さを多くの人に伝えたいという思いがある。facebook(國谷)

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テキサスホールデム3つのベッティングルールとゲーム形式

Webon紹介目次著者
ポーカーの一種、「テキサスホールデム」は海外では多くの大会が開かれる大人気ゲーム。そんなテキサスホールデムをルール・確率・戦略…と初心者の方でも簡単に理解できるよう解説します。読めば海外プレイヤーとも対等に渡り合えるようになる!?

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第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

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テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

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第1章では

ゲームの流れ】【アクション】【ポジション】【】【ゲーム形式

のページに分けてテキサスホールデムのルールを初心者の方にも分かりやすく解説をしています。

このページでは【ゲーム形式】について詳しく解説していきます。全くルールが分からない方でもこのページを読めばテキサスホールデムの【ゲーム形式】を理解する事ができます。

 

前のページ「テキサスホールデムポーカーのルール」でテキサスホールデムの基本的なルールとゲームの流れについてお伝えしてまいりました。

しかし一口に「テキサスホールデム」といってもさらに様々なゲームに分類することができます。もちろん基本的なルールは同じですが、特に「賭け方」や「参加形式」が異なる場合があります。

このページでは、そんな「テキサスホールデムの賭け方(ベッティング)のルールとゲームの参加形式」について解説します。

 

賭け方のルール・ゲーム参加形式一覧

 

まずはテキサスホールデムの3種類の賭け方(ベッティング)ルールと、2つのゲームの参加形式を見てみましょう。

 

▼賭け方ルールの種類

ゲーム名(カジノでの表示) ルールの概要
フィックスリミット(Limit HLDM) ベットする(最初に賭ける)金額が決められている。
ノーリミット(NL HOLDM) ベットとレイズ(相手を上回る金額を賭ける)の金額に制限がない。
ポットリミット(PL HLDM) ポット(全員が賭けたチップ)にある金額が賭けられる金額の最大。その金額以内なら好きな額をベット、レイズできる。
ベットやレイズといった「ベッティングアクション」一覧
アクション名 行動
フォールド ゲームを降りること
コール 前のプレイヤーと同額のチップを賭けること
ベット 最初にチップを賭けること。
レイズ 相手の賭けた金額を上回る金額を賭けること
オールイン 持っているチップを全額賭けること
チェック 賭けずに次のプレイヤーに順番をまわすこと

 

▼ゲームの参加形式

ゲーム名 賭け方
トーナメント すべてのプレイヤーが同じ額のチップを持っている状態でスタートし、最後までチップを保有しているプレイヤーが勝利というルール。
キャッシュゲーム(リングゲーム) いつでも好きな時に参加したりやめたりすることができる。テーブルのレートに従って、お金と本人の意志がある限りずっとゲームを続けることができる。

 

以下では、それぞれの賭け方(ベッティング)ルールやゲーム参加形式について詳しく解説していきます。

 

賭け方ルールの種類

 

賭け方ルールには「フィックスリミット」「ノーリミット」「ポットリミット」の3種類のルールがあります。以下ではそれぞれについて詳しく解説します。

 

1 フィックスリミット

 

フィックスリミットは、簡単に言えば「ベットする金額が決められているゲーム」です。ちなみにフィックスリミットで行うテキサスホールデムポーカーは「フィックスリミットホールデム」とも呼ばれます。

 

ベット
テキサスホールデムポーカーで賭ける際、「最初に賭ける事」を『ベット』と言う。ちなみに次の順番の人がベットされた金額と同じ金額を賭ける場合は『コール』となる。

 

テキサスホールデムでは「ブラインド」と呼ばれる強制ベットが課されます。

これは前のページ「テキサスホールデムポーカーのルール」で述べたような、手札カードが配られる前に発生するスモールブラインド(SB)やビッグブラインド(BB)が支払う強制ベッドの事です。

 

 

このフィックスリミットルールの場合はベッティングラウンド(コミュニティーカードが公開されてアクションを行うラウンド)ごとに、ブラインドの額を基準にベットおよびレイズ(=相手のベット額を上回るチップをベットするアクション)の大きさが固定されています。

(具体的にはさらに下で説明します。)

 

ベッティングラウンド
テキサスホールデムは「コミュニティーカード」という全員が共通で利用できるカードが順次公開されていく。コミュニティーカードが公開されていく度にプレイヤーはそれぞれ賭けたり降りたりして心理戦を行う。この賭けたり降りたりするターンの事を『ベッティングラウンド』と呼ぶ。

▼ベッティングラウンド(アクションを決めている時)の様子

 

加えて、ベットとレイズの回数にも上限が設けられています。その上限回数(「キャップ」と呼ばれます)に達するとそのベッティングラウンドでのレイズはできなくなってしまいます。

また、「プリフロップ」および「フロップ」、「ターン」および「リバー」といったベッティングラウンドの前半と後半ではベットの方法が変わってくるのですが、分かりやすく説明をするためにここから具体的な例を用いて解説していきます。

 

ベッティングラウンドの種類
ベッティングラウンドには4種類がある。

①プリフロップ ・・・2枚のカードが配られてアクションをする。

②フロップ ・・・3枚のカードが公開されてアクションをする。

③ターン ・・・4枚目のカードが公開されてアクションをする。

④リバー ・・・5枚目のカードが公開されてアクションをする。

の計4種類。

 

具体的な説明

 

今まで説明してきたことを具体的に解説していきます。

たとえばブラインド(スモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)にかかる強制ベット)が

スモールブラインド(SB):$0.5

ビッグブラインド(BB):$1

だった場合で説明いたします。

 

 

プリフロップ・フロップの時

プリフロップ・・・手札が配られてからアクションが終わるまで

フロップ・・・コミュニティーカード3枚が公開されてからアクションが終わるまで

 

「プリフロップ」および「フロップ」で、レイズ(相手を上回る金額を賭ける)するとします。

今回の例ではビックブラインド(BB)のブラインド(強制ベット)が$1なので、基本のベット額は$1になります。

※ちなみに、ビッグブラインドと同額のベット(今回であれば$1)は『スモールベット』と言います。

 

今回の例で「レイズ」をしたら基本ベット額の$1に同額の$1(スモールベット)を上乗せした計$2を賭ける事になります

その後「レイズ」に対してさらに「レイズ」をした場合(「リレイズ」と呼びます)では既に上乗せされている$2のレイズに$1(スモールベット)を上乗せした計$3を賭ける事になります。

その後「リレイズ」に対してさらに「レイズ」をした場合(「リリレイズ」と呼びます)では既に上乗せされている$3のリレイズに$1(スモールベット)を上乗せした計$4をベットします。

 

▼リリレイズまでの様子

 

ビックブラインドが$2だった場合は、レイズした場合は$4、リレイズの場合は$6という感じで増えていきます。

 

ターン・リバーの時

ターン・・・コミュニティーカード4枚目が公開されてからアクションが終わるまで

リバー・・・コミュニティーカード5枚目が公開されてからアクションが終わるまで

 

ターンおよびリバーでレイズする場合はビックブラインド(BB)が支払ったブラインド(強制ベット)の2倍の額ずつのベットになります。

つまり、今回の例の場合ビックブラインド(BB)のブラインドが$1なので「ベット(最初に賭ける事)」は$2になります。

「レイズ」をしたら同額の$2を基本の$2に加え計$4を賭けなければなりません。「リレイズ」ではそこに+$2で計$6を、「リリレイズ」ではそこに+$2で計$8をベットする事になります。

 

▼ベットとレイズの様子

 

ベットおよびレイズの額が固定されているフィックスリミットは「この手札にチップを賭ける価値はあるのか?」という数学的な分析がしやすいのが特徴のルールです。

このルールで数学的な分析をするとリスクを無駄に取る事が無くなり、「1つのハンド(1回のゲームのこと)で多額の損失を被ることがない」というメリットがあります。

 

 

ハンド
テキサスホールデムでは「ハンド」という言葉に複数の意味があります。「配られる2枚手札」「5枚のカードで作られる役」「1回のゲーム(手札が配られる~ショーダウンまで)」などです。当Webonのページではそれぞれに注釈をつけているので都度確認していただければと思います。

 

 

ちなみにカジノなどでフィックスリミットルールが適用されているテーブルは『$15-$30 Limit HLDM』のように表示してあります。

 

2 ノーリミット

 

ノーリミットは「ベットやレイズの大きさに制限がない。いきなり全額賭けることも可能」なゲームです。

 

先ほど紹介したベットおよびレイズの大きさが固定されている「フィックスリミット」に対し、このノーリミットではベットおよびレイズの大きさに一切の制限がありません。

 

 

そのためスモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)のブラインド(強制ベット)の額にかかわらず、ゲームの序盤に手持ちのすべてのチップをポットに投入することも可能です。

 

 

このようにノーリミットでは1つのゲームで手持ちのチップ(手持ちのチップを「スタック」とも言います)を失うリスクがあります。

一方で、賭け額に制限がないため1つのゲームでスタックが倍増するチャンスもあります。

つまりノーリミットは大きなスリルとリターンを期待できるのです。

このノーリミットルールはテキサスホールデムの中でも最も人気が高く、後述する「トーナメント」というゲーム形式はほとんどが「ノーリミット」のルールでプレイされています。

 

 

ちなみにカジノなどでノーリミットルールが適用されているテーブルは『$15-$30 NL HOLDM』のように表示してあります。

 

3 ポットリミット

 

ポットリミットは「ポット(全員が賭けた金額の合計)の額に応じて賭けられる金額が決まる」ルールです。

 

ポットリミットは今まで紹介してきた『「フィックスリミット」と「ノーリミット」の中間』ともいうべきルールです。

ベットする額(最初にプレイヤーが賭ける金額)はその時点でのポットの合計金額になります。

また、レイズ(前のプレイヤーより上乗せした金額を賭ける)する場合は「コール(前のプレイヤーが賭けた額と同額を賭ける事)に必要な額」と「ポット(みんなが賭けた金額の合計)の大きさ」を足した総額が上限となります。

 

例えばスモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)のブラインド(強制ベット)が$10・$20のゲームを想定します。

 

「ブラインド」などの基本ルールは前のページで解説! 「ブラインド」などの基本ルールは前のページで解説!

 

このゲームで最初にアクションを起こすプレイヤー、つまりビッグブラインド(BB)の左隣(「アンダーザガン(UTG)」と呼ばれるポジション)のプレイヤーがベットする場合を考えます。

その時点でのポットの総額である$30(スモールブラインド+ビッグブラインドの強制ベット($10+$20))がベット(最初に賭ける金額)の上限額となります。

 

 

例えばこの状況下で最初のプレイヤーアンダーザガンが$20をベットしたとします。

すると次のプレイヤーが「レイズ(前のプレイヤーの賭け金に上乗せして賭ける事)」する場合の上限はポットの合計$50($10+$20+$20)に「コール(前のプレイヤーと同額を賭ける事)」の金額($20)を加えた$70が上限となります。

 

 

ベットおよびレイズの上限額を瞬時に算出するにはある程度の経験が必要となるため、初心者には不向きなルールであるといえるでしょう。

 

 

ちなみにカジノなどでポットリミットルールが適用されているテーブルは『$15-$30 PL HLDM』のように表示してあります。

 

ゲームの形式

 

さて、ここまではテキサスホールデムポーカーの3つのベッティングルールをご紹介してきました。ここからはテキサスホールデムポーカーで採用されているゲームの参加形式を紹介します。

 

トーナメント

 

トーナメントは、「それぞれのプレイヤーが同額のチップを持って参加し、1位のプレイヤー以外がチップがゼロになるまで終わらないサバイバルゲーム」です。

 

 

全てのプレイヤーが同じ大きさの手持ちのチップ(手持ちのチップの事を「スタック」とも言います)を持った状態でスタートします。

最後まで「スタック(手持ちのチップ)」を保持していたプレイヤーを1位、1対1の勝負(ヘッズアップ,Heads Up)まで残っていたプレイヤーを2位として順位を決定していくゲーム方式です。

原則的には手持ちのチップが底をついた時点でそのプレイヤーは失格となります。

 

しかし、

スタック(手持ちのチップ)が小さくなったときに規定の金額を支払って規定量のチップを追加する行為(リバイ,Rebuy)、

または

スタック(手持ちのチップ)の大きさにかかわらず規定量のチップを追加購入する行為(アドオン, Add-on)の規定

を設けているトーナメントもあります。

 

 

トーナメントは同じ金額を持ってスタートしますが、イベントの規模や各プレイヤーの予算などはそのときどきによって変わりますので、特に明確な基準となる金額はありません。

これは大会などでよく見られるゲーム形式です。

 

キャッシュゲーム(Cash Game)

 

トーナメントとは違い、「お金がある限り半永久的に続けられるゲーム」です。

 

主にカジノでプレイされるゲーム方式で、自由に入退席することができますが、着席する際にはそのテーブルで定められているビッグブラインドと同額のチップを支払うことが一般的です。

ちなみにこの時に支払ったチップはポット(勝利したプレイヤーがもらうチップの合計)の中に入ります。

「リングゲーム(Ring Game)」と呼ばれることもあります。

 

 

このように同じテキサスホールデムでも、ルールやゲーム形式によってその戦略は大きく異なります。

次の章(第2章)以降では、テキサスホールデムをプレイするにあたって身につけておきたい基礎知識や基本的な戦略について説明していますが、いずれもノーリミット・トーナメントに焦点を絞ったものであることをここで明言しておきます。

 

以上、第1章でした。次のページから第2章です。第2章ではテキサスホールデムの戦略を学ぶ前に最低限知っておくといい「確率」の知識を解説します。次のページでは「オッズ」について解説していきます。

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第1章 テキサスホールデムのルール

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テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

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テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

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テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

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第1章 テキサスホールデムのルール

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第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

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第1章ではテキサスホールデムのルールについてご説明いたしましたが、本章(第2章)ではテキサスホールデムをプレイする上で知っておくと勝利に近づける「確率」に関する基礎知識を

オッズ・アウツ】【スターティングハンド

というページに分けてお伝えしていきます。このページでは【オッズ・アウツ】について解説をします。

 

テキサスホールデムでは、運に恵まれた初心者が上級者に勝つこともありますが、長期的にみればより優れた技術をもったプレイヤーが勝つようにできています。

こちらのページでは『アウツ』『オッズ(ポットオッズ)』という考え方を用いて数学的に勝負するかどうか判断をするための、確率の求め方などをお伝えさせていただきます。

 

投資の判断

 

第1章「テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】」でお伝えした通りテキサスホールデムは「2枚の手札と5枚のコミュニティカードの計7枚のうちの5枚で役を作るゲーム」です。

コミュニティカードは最初、3枚公開されます。(3枚公開段階のターンを「フロップ」と言います)

 

※プリフロップ・・・手札が2枚配られた段階のターン

 

そこから4枚目(4枚目公開段階のターンを「ターン」と言います)、5枚目(4枚目公開段階のターンを「リバー」と言います)と順番にめくられていきます。

 

 

自分のハンド(作れる役)がどのような形になるかは最後のカードが公開される「リバー」の段階まで明らかになりません。

そのためチップを獲得するには、この「リバー」に至るまでに「プリフロップ(2枚の手札が配られるターン)」→「フロップ」→「ターン」という3回のターンでフォールド(降りる)以外のアクションをし続けてゲームに残っていなければなりません。

時には自分の手持ちチップの全額を投資する必要に迫られることもあります。

「次のコミュニティカードを見るためにチップを投資するだけの価値がその手札にあるか」

――その判断をくだす際に大いに役立つのが『アウツ』という概念を利用した確率論です。

 

アウツとは

 

『アウツ』とは一言で言えば「勝利するために必要なカードの残り枚数」です。

アウツを知ると勝利の確率(勝率)を求めることができます。勝率の求め方がわかると数学的に正しい判断をすることができるのです。

以上の説明だけでは『アウツ』のイメージが沸かないかと思いますので、一度具体的な例を用いてアウツの枚数、つまり勝率を求めてみましょう。

 

アウツの求め方

 

例えば、手札(ハンド)が「5♠4♠」

そして、最初にめくられているコミュニティカード3枚が「J♠6♠3♡」だった時です。

 

 

このハンドには「フラッシュ」と「ストレート」という役を完成させられる可能性があります。

※フラッシュ・・・5枚同じ柄のカードが揃う役 ストレート・・・「34567」などの5枚の連続した数字のカードが揃う役

 

なぜなら2枚の手札と3枚のコミュニティーカードで合わせて4枚の♠(スペード)が揃っていますから、フラッシュ(全て同じ柄の役)を完成させるためには次の4枚目のコミュニティーカードが公開される「ターン」か5枚目のコミュニティーカードが公開される「リバー」であと1枚の♠(スペード)が来ればOKです。

 

 

トランプは1つのスート(ハート・スペード・ダイヤ・クラブの柄の事)につき13枚のカードがあります。そのうちの4枚が既に出ていることから13-4=9枚の♠(スペード)カードを引くことができれば「フラッシュ」が完成することがわかります。

この9枚のスペードはフラッシュの「アウツ(勝利するために必要なカードの残り枚数)」です。

 

▼トランプの中にある残りの♠の枚数

※同じ柄のカードがあと1枚あればフラッシュが完成する手札(とコミュニティーカード)の状態のことを「フラッシュドロー」と言います。そのため「フラッシュのアウツ」=「フラッシュドローのアウツ」と言い換える事もできます。

 

また、手札に6543の数字が揃っていることから、ストレートを完成させるためにはもしくはのカードが必要です。

 

 

このように前後2つの数字のどちらかを引けばストレートが完成するハンド(手札とコミュニティーカード)のことを「オープンエンドストレートドロー」と呼び、

8754のように間のひとつの数字を引かなければストレートが完成しないハンド(手札とコミュニティーカード)は「ガットショットストレートドロー」と呼ばれます。

 

 

1つのデッキ(52枚の)には同じ数字のカードが4枚あるので(♥♠♦♣の4枚)、オープンエンドストレートドローには8枚のアウツがあることがわかります。

▼8枚のアウツ

 

先ほど示したようにフラッシュドロー(同じスートのカードをあと1枚引けばフラッシュが完成するハンドのこと)のアウツが9枚

オープンエンドストレートドロー(あと1枚の数字カード、しかも両端いずれかを引けばストレートが完成するハンドのこと)のアウツが8枚

ですが、オープンエンドフラッシュドロー(「フラッシュドロー」と「オープンエンドストレートドロー」が両立しているハンドのこと)の場合、両者のアウツの一部に重複しているカードがあるため、それらをディスリガード(無視)しなければなりません。

 

▼重複したアウツを無視

 

この例の場合では7♠と2♠をフラッシュドローのアウツからディスリガードします。

以上から、オープンエンドフラッシュドローには、9枚+8枚-2枚=15枚のアウツが存在することが求められます。

これにより「勝利するために必要なカードの残り枚数」(=アウツ)がわかりました。

アウツがわかれば勝率を導き出すことができます。

 

 

勝率の求め方

 

勝率を求める方法は

「デッキの枚数(トランプの総数は52枚)から手札(2枚)と場に出ているコミュニティカード(3~5枚)の枚数を引いた数でアウツを割る」

というものです。

▼勝率の求め方

※ここでは「勝率」としていますが厳密には「役が完成する確率」です。なぜなら役が完成しても相手にさらに強い役を作られてしまうと勝てないからです。

 

と言ってもなかなかイメージが沸かないかと思います。

実例で理解していきましょう。

 

先程に引き続き、手札が5♠4♠で最初に公開されているコミュニティカード3枚が、J♠6♠3♡だったときを例に解説していきます。

 

 

この場合のアウツは先ほど15枚と求めましたね。

 

 

そのため、上記の例を式にあてはめると

15(アウツの枚数)÷(52(トランプの総数)-2(手札)-3(コミュニティカード))=0.319=31.9%

つまりこの手札でフラッシュかストレートが完成する確率は31.9%だということがわかります。

(ちなみにですが少々難しい話をしますと「オッズ」で表すと2.1:1です。確率をオッズに直すには、1を確率で割り、その商から1を引いてください。つまり今回の場合1÷0.319-1=2.1倍=2.1:1となります。勝率を「オッズ」に直す事ができるとさらに下で解説しているポットオッズとの比較が容易になりますので頭の片隅に入れておきましょう。)

 

以上から、オープンエンドフラッシュドロー(フラッシュドローとオープンエンドストレートドローが両立しているハンドのこと)は勝率(フラッシュかストレートが完成する確率)31.9%なので、およそ3回に1回の割合でフラッシュもしくはストレートが完成するハンドであることがわかります。

 

▼3回に1回の割合でフラッシュもしくはストレートが完成するハンド

 

では、勝率を求めたところでこれをどう勝負するか判断の材料にするのでしょうか。以下で解説していきます。

 

オッズ(ポットオッズ)とは

 

数学的に正しい判断をくだすためには、勝率を求めるだけではまだ不充分です。

アウツを求めたら、次は『オッズ(ポットオッズ)』というものを計算します。

『ポットオッズ』とは、ポット(全員の賭け金の合計)の大きさとそのポットを得るために必要な投資額の比率のことです。

要するに「ポットオッズ=いくら払って、いくら返ってくるかということの比率」と言えます。

例えば、$600のポットでコール(=相手と同額のチップを賭けるアクション)するためには$100が必要、という場合があるとします。

$600のポットにコールで$100払う訳ですから、コールをした後のポットの合計は$600+$100=$700になります。

 

 

つまり、この場合は「ポットの$700を$100のコールで獲得できる可能性がある」ということになります。

これを『ポットオッズ』というものになおします。ポットオッズになおすと、何回のうち何回勝てば収支がプラスになるかがわかります。

ポットオッズは「いくら払って、いくら返ってくるかということの比率」なので「(600+100):100=700:100=7:1」になります。

 

 

つまり「オッズは7倍」となります。

※ポットオッズ=オッズです。またポットオッズ(オッズ)は「7:1」でも「7倍」でも同じ意味になります。

 

勝率(役が完成する確率)とポットオッズを求めたら、両者を照らし合わせてそのハンドをプレイし続けることが数学的に正しいかどうかを判断します。

 

勝率がポットオッズを上回っていればプレイし続けることが正しく、勝率がポットオッズを下回っていればプレイを続けるべきではありません。

 

▼今回の例の勝率とオッズ

 

具体的には、「オッズ(ポットオッズ)は7倍」でした。つまり7回に1回勝てば、収支がプラスマイナスゼロになり、7回に2回以上勝てるのであれば収支はプラスになるということになります。

そして、手札が5♠4♠でコミュニティカードが、J♠6♠3♡だった場合、勝率は31.9%でおよそ3回に1回勝てるという計算でした。

オッズ(ポットオッズ)が7倍(つまり7回に1回勝てば収支はプラマイゼロである状況)で、3回に1回も勝利することができるのですから、数学的に判断するとここは「コール」した方がよいということになるのです。

 

つまり今回の場合、勝率がポットオッズを大きく上回っているので、「プレイし続けることが数学的に正しい判断」であると言えるのです。

 

 

要は、勝率>ポットオッズならプレイし続けることが数学的に正しく、勝率<ポットオッズならプレイを続けるべきではないのです。

 

ちなみに、それまでのラウンド(ターン)で投資したチップはサンクコスト(=ポットを獲得しない限り取り返すことのできない費用)であるため、ポットオッズを求める際にはその時点で投資する費用のみを計算しますので注意してください。

 

 

【応用編】インプライドオッズ

 

上記の「アウツ」および「ポットオッズ」の求め方はあくまで基礎知識であり、より正確な判断をくだすためには、経験に基づいた推測によってさらに細かい計算をしなければなりません。

たとえば、引き続き同じ例(手札5♠4♠コミュニティカードJ♠6♠3♡)を取り説明すると、

 

 

フロップ(4枚目のコミュニティーカードがめくられた段階のターン)では他のプレイヤーが、自分より強いフラッシュやストレートを完成させている可能性があります。

つまりアウツ(役が完成するカード)を引いてフラッシュやストレートを完成させたからといって必ずしも勝っているとは言い切れないことがあります。

 

 

なので、予想される相手のハンドの強さに応じてアウツの範囲を狭めて考える必要があります。

また、ポットオッズ(オッズ)を求める際にはプレイヤーのポジションによって自分より後ろのポジションのプレイヤーのアクションを予測し、さらに正確な値を求めなければなりません。

 

▼ポジション

ポジションについては第1章で詳しく解説!(現在第2章) ポジションについては第1章で詳しく解説!(現在第2章)

 

このようにして求めたポットオッズを「インプライドオッズ(Implied Odds)」といいます。

初心者のうちはインプライドオッズを求めるのは難しいのでとりあえずそのようなものがあるという事を頭に入れておき、まずはアウツとポットオッズを正確に素早く計算できるようにすると良いでしょう。

 

オッズ一覧表

 

以下にアウツの枚数に応じたオッズの早見表を示します。この表を頭に入れておくと勝利に近づく事でしょう。

 

アウツの枚数 ターンでアウツがヒットする確率 リバーまでにアウツがヒットする確率
1 46:1 23:1
2(セット) 23:1 11:1
3 15:1 7:1
4(ガットショットドロー) 11:1 5:1
5 8:1 4:1
6 7:1 3:1
7 6:1 2.6:1
8(オープンエンドドロー) 5:1 2.2:1
9(フラッシュドロー) 4:1 1.9:1
10 3.7:1 1.6:1
11 3.3:1 1.4:1
12(ガットショットフラッシュドロー) 3:1 1.2:1
13 2.6:1 1.1:1
14 2.4:1 1:1
15(オープンエンドフラッシュドロー) 2.1:1 0.8:1
16 1.9:1 0.8:1
17 1.8:1 0.7:1
18 1.6:1 0.6:1
19 1.5:1 0.5:1
20 1.3:1 0.5:1

※セット・・・スリーカード

 

以上、テキサスホールデムの確率【オッズ・アウツ】でした。

次のページでは確率論に大きくかかわる【スターティングハンド】について解説をしていきます。

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著:國谷正明 価格:380円 Kindle Unlimitedで読み放題対応

目次著者
はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

テキサスホールデムポーカーおすすめアプリ3選

テキサスホールデムのおすすめ本と道具

番外編 専門用語集

テキサスホールデム専門用語集

著者:國谷正明

テキサスホールデムのプレイ歴約4年。海外プレイヤーとのオンライン対戦を中心に洋書の教則本を読んで勉強。投資の要素が魅力の高度な知的ゲームであるテキサスホールデムの面白さを多くの人に伝えたいという思いがある。facebook(國谷)

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テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

Webon紹介目次著者
ポーカーの一種、「テキサスホールデム」は海外では多くの大会が開かれる大人気ゲーム。そんなテキサスホールデムをルール・確率・戦略…と初心者の方でも簡単に理解できるよう解説します。読めば海外プレイヤーとも対等に渡り合えるようになる!?

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はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

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第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

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第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

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第1章では

ゲームの流れ】【アクション】【ポジション】【】【ゲーム形式

のページに分けてテキサスホールデムのルールを初心者の方にも分かりやすく解説をしています。

このページでは【】について詳しく解説していきます。全くルールが分からない方でもこのページを読めばテキサスホールデムの【役】を理解する事ができます。

 

前のページ「テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】」で述べたように、ゲームが「ショーダウン」(全員の手札公開)まで進んだ場合、参加者の中でもっとも強い役を完成させたプレイヤーが勝者となり、全員がそれまで賭けた金額(ポット)を獲得します。

このページでは、そんな勝敗を決める「役の強さ」について詳しく解説していきます。

※テキサスホールデムポーカーでは「役」の事を「ハンド」と呼びます。どちらも同じ意味です。

 

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧 【強い順】

※Tは数字の「10」を表しています。 ※数字の強さはA⇒K⇒Q⇒・・・4⇒3⇒2の順番

役の名称
ロイヤルフラッシュ AKQJTの数字で構成されているストレートフラッシュ。 A♠K♠Q♠J♠T♠
ストレートフラッシュ 柄が同じで、数字が連続している。 8♠7♠6♠5♠4♠
フォーオブアカインド 同じ数字が4枚揃っている。 A♠A♡A♢A♣
フルハウス 3枚の同じ数字と一組のペア(2枚の同じ数字)が成立している。 A♠A♡A♢K♠K♣
フラッシュ 同じ柄が5枚揃っている。 J♠9♠8♠5♠2♠
ストレート 連続した数字のカードが5枚揃っている。 5♠4♢3♣2♡A♢
スリーオブアカインド 同じ数字が3枚揃っている。 A♠A♡A♢
ツーペア 2枚の同じ数字のペアが2組揃っている。 3♡3♢2♠2♣
ワンペア 2枚の同じ数字のペアが1組だけ揃っている。 2♠2♣
ハイカード なんの役も揃っていない状態。Aを含むハイカードがもっとも強く、K、Q、J、T、9、8……の順に弱くなっていく

 

ちなみにテキサスホールデムはでは、♠♡◇♣などの柄は強さに関係しません。同じ役であればまず数字の強さを比較します。

それでも勝負が決まらなかった場合には「引き分け」になり、最も強い役を完成させたプレイヤー同士でポット(全員が賭けた金額の合計)を山分け(「スプリットポット」と呼ばれます)となります。

 

1 ストレートフラッシュ/ロイヤルフラッシュ

例)A♠K♠Q♠J♠T♠、5♢4♢3♢2♢A♢など

 

5枚のカードの数字が連続しており、かつすべて同一のスート(=♠♡♢♣などの柄のこと)であるものをストレートフラッシュと呼びます。

また、ストレートフラッシュの中でも数字がAKJQTで構成されているものをロイヤルフラッシュ(Royal Flush)と呼びます。(日本では「ロイヤルストレートフラッシュ」とも呼ばれます)

※Tは数字の「10」のこと。

 

 

滅多にないことですが、ストレートフラッシュを完成させたプレイヤーが2人以上いる場合には「一番大きい数字がより高位のカード」であるプレイヤーの勝利となります。

たとえば、

【9♢8♢7♢6♢5♢】

【J♢T♢9♢8♢7♢】では、

より数字の大きなカードを含んでいる(J>9)後者が優位です。

 

2 フォーオブアカインド

例)A♠A♡A♢A♣K♢、2♠2♡2♢2♣3♠など

 

いわゆる「フォーカード」のことで、同じ数字が4枚揃っている状態を指します。

フォーオブアカインドを完成させたプレイヤーが2人以上いる場合には、より高位のカードをもっているプレイヤーの勝利となります。

たとえば、

【K♠K♡K♢K♣A♢】と

【K♠K♡K♢K♣J♢】では、

Jより強いカードであるAを含んでいる前者の方が優位です。

※数字の強さはA⇒K⇒Q⇒・・・4⇒3⇒2の順番

 

ちなみに、特定の役を作らないカードのことを「キッカー」と言います。(K♠K♡K♢K♣J♢であれば「J♢」がキッカー)

 

3 フルハウス

例)A♠A♡A♢K♠K♣、2♠2♡2♣3♡3♢など

 

3枚の同じ数字と1組のペアが完成している状態を指します。

フルハウスを完成させたプレイヤーが2人以上いる場合には、より高位のカードをもっているプレイヤーの勝利となります。

たとえば、

【J♠J♡J♢8♠8♣】と

【K♠K♡K♣8♠8♣】では、

より大きなカードを含んでいる(K>J)後者が優位です。

 

4 フラッシュ

例)J♠9♠8♠5♠2♠、K♢T♢6♢4♢3♢など

 

同じスート(柄)のカードが5枚揃っている状態を指します。

フラッシュを完成させたプレイヤーが2人以上いる場合には、より高位のカードをもっているプレイヤーの勝利となります。

たとえば、

【K♡Q♡J♡8♡4♡】と

【A♡J♡8♡4♡2♡】では、

Aを含んでいる後者が優位です。

 

5 ストレート

例)A♠K♡Q♢J♠T♢、5♠4♢3♣2♡A♢など

 

連続した数字のカードが5枚揃っている状態を指します。

ストレートを完成させたプレイヤーが2人以上いる場合には、連続する数字の中でもっとも大きなものがより高位のカードであるプレイヤーの勝利となります。

たとえば、

【6♣5♠4♡3♢2♣】と

【5♠4♡3♢2♣A♠】では、

より数字の大きなカードを含んでいる(6>5)前者が優位です。

 

6 スリーオブアカインド

例)A♠A♡A♢K♠Q♢、2♠2♢2♣4♡3♢など

 

いわゆる「スリーカード」のことで、同じ数字が3枚揃っている状態を指します。

スリーオブアカインドを完成させたプレイヤーが2人以上いる場合には、より高位のカードをもっているプレイヤーの勝利となります。

 

たとえば、

【K♠K♡K♢J♠T♡】と

【T♠T♡T♢A♠J♡】では

前者が強いです。(K>T)※T=10

 

また、

【K♠K♡K♢J♠6♡】と

【K♠K♡K♢A♠J♡】では、

特定の役を作らないカードを比べると前者が「J」で後者が「A」なので、より強いキッカー(特定の役を作らないカード)を含んでいる後者が優位です。

※数字の強さはA⇒K⇒Q⇒・・・4⇒3⇒2の順番

 

コミュニティカード(全員に公開されているカード)で完成しているペアに手札の1枚を加えたものをトリップス(Trips)。

ポケットペア(Pocket Pair =2枚の手札が同じ数字のカードである状態)にコミュニティカードの1枚を加えたものをセット(Set)。

と呼びわけることもあります。

 

 

7 ツーペア

例)A♠A♡K♠K♣Q♢、3♡3♢2♠2♣4♢など

 

2枚の同じ数字のペアが2組揃っている状態を指します。

ツーペアを完成させたプレイヤーが2人以上いる場合には、より高位のペアを完成させたプレイヤーの勝利となります。

たとえば、

【Q♠Q♡J♠J♢T♢】と

【Q♠Q♡8♢8♣7♠】では

より大きなペアを完成させている前者(J>8)が優位です。

 

既に説明した通り、複数のプレイヤーがまったく同じツーペアを完成させている場合にはキッカー(特定の役を作らないカード)の強さで優劣が決定します。

さらにキッカーの数字の強さも同じであれば引き分けとなり「スプリットポット(Split-pot,=同じ強さの役を完成させたプレイヤー同士がポット(賭け金)を山分けすること)」となります。

 

8 ワンペア

例)A♡A♢K♠Q♡J♣、2♠2♣5♡4♢3♣など

 

2枚の同じ数字のペアが1組だけ揃っている状態を指します。

ワンペアを完成させたプレイヤーが2人以上いる場合にはより大きなペアを完成させたプレイヤーの勝利となり、同じペアを完成させている場合には、役になっていない他のカードの強さを比較して優劣が決定します。

 

9 ハイカード

例)A♠K♡Q♢J♣9♠、7♠6♢5♣4♡2♢など

 

なんの役も完成していない状態を指します。

Aを含むハイカードがもっとも強く、K、Q、J、T、9、8……の順に弱くなっていきます。

たとえば、

【A♠K♣Q♡T♢9♣】と

【A♠K♣J♢T♢9♣】では

3番目に強いカード(Q>J)がより大きな前者が優位です。

 

 

以上がテキサスホールデムにおける役(ハンド)の種類と強さです。

テキサスホールデムをプレイする上で絶対に欠かせない知識ですので、ぜひ覚えておいてください。

 

次のページではテキサスホールデムにおいて重要な「賭け金」のルール形式について解説していきます。いくつかの形式があるので知っておくと様々な場所でゲームを楽しむ事ができます。

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目次著者
はじめに

テキサスホールデムとは

第1章 テキサスホールデムのルール

テキサスホールデムのルール 【ゲームの流れ】

テキサスホールデムのルール② 【アクション】

テキサスホールデムのルール③ 【ポジション】

テキサスホールデムの役(ハンド)一覧

テキサスホールデム3つのベットルールとゲーム形式

第2章 テキサスホールデムの確率

テキサスホールデムの確率 【オッズ・アウツ】

テキサスホールデムの確率 【スターティングハンド】

第3章 テキサスホールデムの戦略

テキサスホールデムの戦略① 【ポジションの重要性】

テキサスホールデムの戦略② 【プリフロップ時の判断】

テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】

テキサスホールデムの戦略④ 【フロップ以降の5の戦術】

テキサスホールデムの戦略⑤ 【プレイスタイル】

第4章 練習問題集

テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】

テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】

第5章 実際にプレイしてみよう

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テキサスホールデムのおすすめ本と道具

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著者:國谷正明

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