「テキサスホールデム入門 ~魅力的な投資ゲーム~」はこちらから!
第1章 テキサスホールデムのルール
第2章 テキサスホールデムの確率
第3章 テキサスホールデムの戦略
テキサスホールデムの戦略③ 【コンティニュエーションベット】
第4章 練習問題集
テキサスホールデムが強くなる練習問題① 【ハンド・アクション・ポット編】
テキサスホールデムが強くなる練習問題② 【アウツ・オッズ・プロテクションベット編】
第5章 実際にプレイしてみよう
番外編 専門用語集
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第1章では
【ゲームの流れ】【アクション】【ポジション】【役】【ゲーム形式】
のページに分けてテキサスホールデムのルールを初心者の方にも分かりやすく解説をしています。
このページでは【ゲーム形式】について詳しく解説していきます。全くルールが分からない方でもこのページを読めばテキサスホールデムの【ゲーム形式】を理解する事ができます。
前のページ「テキサスホールデムポーカーのルール」でテキサスホールデムの基本的なルールとゲームの流れについてお伝えしてまいりました。
しかし一口に「テキサスホールデム」といってもさらに様々なゲームに分類することができます。もちろん基本的なルールは同じですが、特に「賭け方」や「参加形式」が異なる場合があります。
このページでは、そんな「テキサスホールデムの賭け方(ベッティング)のルールとゲームの参加形式」について解説します。
賭け方のルール・ゲーム参加形式一覧
まずはテキサスホールデムの3種類の賭け方(ベッティング)ルールと、2つのゲームの参加形式を見てみましょう。
▼賭け方ルールの種類
ゲーム名(カジノでの表示) | ルールの概要 |
フィックスリミット(Limit HLDM) | ベットする(最初に賭ける)金額が決められている。 |
ノーリミット(NL HOLDM) | ベットとレイズ(相手を上回る金額を賭ける)の金額に制限がない。 |
ポットリミット(PL HLDM) | ポット(全員が賭けたチップ)にある金額が賭けられる金額の最大。その金額以内なら好きな額をベット、レイズできる。 |
アクション名 | 行動 |
フォールド | ゲームを降りること |
コール | 前のプレイヤーと同額のチップを賭けること |
ベット | 最初にチップを賭けること。 |
レイズ | 相手の賭けた金額を上回る金額を賭けること |
オールイン | 持っているチップを全額賭けること |
チェック | 賭けずに次のプレイヤーに順番をまわすこと |
▼ゲームの参加形式
ゲーム名 | 賭け方 |
トーナメント | すべてのプレイヤーが同じ額のチップを持っている状態でスタートし、最後までチップを保有しているプレイヤーが勝利というルール。 |
キャッシュゲーム(リングゲーム) | いつでも好きな時に参加したりやめたりすることができる。テーブルのレートに従って、お金と本人の意志がある限りずっとゲームを続けることができる。 |
以下では、それぞれの賭け方(ベッティング)ルールやゲーム参加形式について詳しく解説していきます。
賭け方ルールの種類
賭け方ルールには「フィックスリミット」「ノーリミット」「ポットリミット」の3種類のルールがあります。以下ではそれぞれについて詳しく解説します。
1 フィックスリミット
フィックスリミットは、簡単に言えば「ベットする金額が決められているゲーム」です。ちなみにフィックスリミットで行うテキサスホールデムポーカーは「フィックスリミットホールデム」とも呼ばれます。
テキサスホールデムでは「ブラインド」と呼ばれる強制ベットが課されます。
これは前のページ「テキサスホールデムポーカーのルール」で述べたような、手札カードが配られる前に発生するスモールブラインド(SB)やビッグブラインド(BB)が支払う強制ベッドの事です。
このフィックスリミットルールの場合はベッティングラウンド(コミュニティーカードが公開されてアクションを行うラウンド)ごとに、ブラインドの額を基準にベットおよびレイズ(=相手のベット額を上回るチップをベットするアクション)の大きさが固定されています。
(具体的にはさらに下で説明します。)
▼ベッティングラウンド(アクションを決めている時)の様子
加えて、ベットとレイズの回数にも上限が設けられています。その上限回数(「キャップ」と呼ばれます)に達するとそのベッティングラウンドでのレイズはできなくなってしまいます。
また、「プリフロップ」および「フロップ」、「ターン」および「リバー」といったベッティングラウンドの前半と後半ではベットの方法が変わってくるのですが、分かりやすく説明をするためにここから具体的な例を用いて解説していきます。
①プリフロップ ・・・2枚のカードが配られてアクションをする。
②フロップ ・・・3枚のカードが公開されてアクションをする。
③ターン ・・・4枚目のカードが公開されてアクションをする。
④リバー ・・・5枚目のカードが公開されてアクションをする。
の計4種類。
具体的な説明
今まで説明してきたことを具体的に解説していきます。
たとえばブラインド(スモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)にかかる強制ベット)が
スモールブラインド(SB):$0.5
ビッグブラインド(BB):$1
だった場合で説明いたします。
プリフロップ・フロップの時
フロップ・・・コミュニティーカード3枚が公開されてからアクションが終わるまで
「プリフロップ」および「フロップ」で、レイズ(相手を上回る金額を賭ける)するとします。
今回の例ではビックブラインド(BB)のブラインド(強制ベット)が$1なので、基本のベット額は$1になります。
※ちなみに、ビッグブラインドと同額のベット(今回であれば$1)は『スモールベット』と言います。
今回の例で「レイズ」をしたら基本ベット額の$1に同額の$1(スモールベット)を上乗せした計$2を賭ける事になります
その後「レイズ」に対してさらに「レイズ」をした場合(「リレイズ」と呼びます)では既に上乗せされている$2のレイズに$1(スモールベット)を上乗せした計$3を賭ける事になります。
その後「リレイズ」に対してさらに「レイズ」をした場合(「リリレイズ」と呼びます)では既に上乗せされている$3のリレイズに$1(スモールベット)を上乗せした計$4をベットします。
▼リリレイズまでの様子
ビックブラインドが$2だった場合は、レイズした場合は$4、リレイズの場合は$6という感じで増えていきます。
ターン・リバーの時
リバー・・・コミュニティーカード5枚目が公開されてからアクションが終わるまで
ターンおよびリバーでレイズする場合はビックブラインド(BB)が支払ったブラインド(強制ベット)の2倍の額ずつのベットになります。
つまり、今回の例の場合ビックブラインド(BB)のブラインドが$1なので「ベット(最初に賭ける事)」は$2になります。
「レイズ」をしたら同額の$2を基本の$2に加え計$4を賭けなければなりません。「リレイズ」ではそこに+$2で計$6を、「リリレイズ」ではそこに+$2で計$8をベットする事になります。
▼ベットとレイズの様子
ベットおよびレイズの額が固定されているフィックスリミットは「この手札にチップを賭ける価値はあるのか?」という数学的な分析がしやすいのが特徴のルールです。
このルールで数学的な分析をするとリスクを無駄に取る事が無くなり、「1つのハンド(1回のゲームのこと)で多額の損失を被ることがない」というメリットがあります。
ちなみにカジノなどでフィックスリミットルールが適用されているテーブルは『$15-$30 Limit HLDM』のように表示してあります。
2 ノーリミット
ノーリミットは「ベットやレイズの大きさに制限がない。いきなり全額賭けることも可能」なゲームです。
先ほど紹介したベットおよびレイズの大きさが固定されている「フィックスリミット」に対し、このノーリミットではベットおよびレイズの大きさに一切の制限がありません。
そのためスモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)のブラインド(強制ベット)の額にかかわらず、ゲームの序盤に手持ちのすべてのチップをポットに投入することも可能です。
このようにノーリミットでは1つのゲームで手持ちのチップ(手持ちのチップを「スタック」とも言います)を失うリスクがあります。
一方で、賭け額に制限がないため1つのゲームでスタックが倍増するチャンスもあります。
つまりノーリミットは大きなスリルとリターンを期待できるのです。
このノーリミットルールはテキサスホールデムの中でも最も人気が高く、後述する「トーナメント」というゲーム形式はほとんどが「ノーリミット」のルールでプレイされています。
ちなみにカジノなどでノーリミットルールが適用されているテーブルは『$15-$30 NL HOLDM』のように表示してあります。
3 ポットリミット
ポットリミットは「ポット(全員が賭けた金額の合計)の額に応じて賭けられる金額が決まる」ルールです。
ポットリミットは今まで紹介してきた『「フィックスリミット」と「ノーリミット」の中間』ともいうべきルールです。
ベットする額(最初にプレイヤーが賭ける金額)はその時点でのポットの合計金額になります。
また、レイズ(前のプレイヤーより上乗せした金額を賭ける)する場合は「コール(前のプレイヤーが賭けた額と同額を賭ける事)に必要な額」と「ポット(みんなが賭けた金額の合計)の大きさ」を足した総額が上限となります。
例えばスモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)のブラインド(強制ベット)が$10・$20のゲームを想定します。
このゲームで最初にアクションを起こすプレイヤー、つまりビッグブラインド(BB)の左隣(「アンダーザガン(UTG)」と呼ばれるポジション)のプレイヤーがベットする場合を考えます。
その時点でのポットの総額である$30(スモールブラインド+ビッグブラインドの強制ベット($10+$20))がベット(最初に賭ける金額)の上限額となります。
例えばこの状況下で最初のプレイヤーアンダーザガンが$20をベットしたとします。
すると次のプレイヤーが「レイズ(前のプレイヤーの賭け金に上乗せして賭ける事)」する場合の上限はポットの合計$50($10+$20+$20)に「コール(前のプレイヤーと同額を賭ける事)」の金額($20)を加えた$70が上限となります。
ベットおよびレイズの上限額を瞬時に算出するにはある程度の経験が必要となるため、初心者には不向きなルールであるといえるでしょう。
ちなみにカジノなどでポットリミットルールが適用されているテーブルは『$15-$30 PL HLDM』のように表示してあります。
ゲームの形式
さて、ここまではテキサスホールデムポーカーの3つのベッティングルールをご紹介してきました。ここからはテキサスホールデムポーカーで採用されているゲームの参加形式を紹介します。
トーナメント
トーナメントは、「それぞれのプレイヤーが同額のチップを持って参加し、1位のプレイヤー以外がチップがゼロになるまで終わらないサバイバルゲーム」です。
全てのプレイヤーが同じ大きさの手持ちのチップ(手持ちのチップの事を「スタック」とも言います)を持った状態でスタートします。
最後まで「スタック(手持ちのチップ)」を保持していたプレイヤーを1位、1対1の勝負(ヘッズアップ,Heads Up)まで残っていたプレイヤーを2位として順位を決定していくゲーム方式です。
原則的には手持ちのチップが底をついた時点でそのプレイヤーは失格となります。
しかし、
スタック(手持ちのチップ)が小さくなったときに規定の金額を支払って規定量のチップを追加する行為(リバイ,Rebuy)、
または
スタック(手持ちのチップ)の大きさにかかわらず規定量のチップを追加購入する行為(アドオン, Add-on)の規定
を設けているトーナメントもあります。
トーナメントは同じ金額を持ってスタートしますが、イベントの規模や各プレイヤーの予算などはそのときどきによって変わりますので、特に明確な基準となる金額はありません。
これは大会などでよく見られるゲーム形式です。
キャッシュゲーム(Cash Game)
トーナメントとは違い、「お金がある限り半永久的に続けられるゲーム」です。
主にカジノでプレイされるゲーム方式で、自由に入退席することができますが、着席する際にはそのテーブルで定められているビッグブラインドと同額のチップを支払うことが一般的です。
ちなみにこの時に支払ったチップはポット(勝利したプレイヤーがもらうチップの合計)の中に入ります。
「リングゲーム(Ring Game)」と呼ばれることもあります。
このように同じテキサスホールデムでも、ルールやゲーム形式によってその戦略は大きく異なります。
次の章(第2章)以降では、テキサスホールデムをプレイするにあたって身につけておきたい基礎知識や基本的な戦略について説明していますが、いずれもノーリミット・トーナメントに焦点を絞ったものであることをここで明言しておきます。
以上、第1章でした。次のページから第2章です。第2章ではテキサスホールデムの戦略を学ぶ前に最低限知っておくといい「確率」の知識を解説します。次のページでは「オッズ」について解説していきます。
『テキサスホールデム入門』目次へ (全18ページ)
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