山下達郎おすすめの名曲① 【定番編】

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山下達郎さんは『クリスマス・イブ』で有名なミュージシャン。達郎さんはテレビに出演しないため、動く姿を観れるのはライブだけ。チケットは入手困難であり「音の職人」と称される達郎さんのライブは「極上の音楽空間」。

『山下達郎』入門 ~極上の音楽空間~(全14ページ)はこちらから!

著者:しあ

40代後半女性。音楽が大好きでJ-POP、K-POP、洋楽、演歌歌謡曲とさまざまな音楽を聴いています。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。全部チケットの半券をとっているのでとても大切な想い出です。音楽はとても生活を豊かにしてくれるもの。私の好きなアーティストの魅力を知っていただければ、と思います。

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山下達郎さんの楽曲はたくさんあり、どれから聴いたらいいのか悩むかもしれません。この章では達郎さんの楽曲を

定番】【隠れた名曲】【鈴木雅之への提供曲】【ジャニーズへの提供曲】【カバー

とジャンルに分けて5ページにわたって紹介します。

このページでは、まずは知っておきたい達郎さんを代表する曲、定番の名曲を紹介します。

 

※このページで紹介する達郎さんの定番の名曲は全て『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』に収録されています。

▼アルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』(画像クリックで商品詳細へ)

 

クリスマス・イブ

リリース年月 1983年12月14日(シングル『クリスマス・イブ』
時間 6分43秒
備考 1988年にJR東海のCMがきっかけで知名度が上昇。CD売上100万枚突破。「日本のシングルチャートに連続でチャートインした最多年数の曲」としてギネス世界記録に認定された。
収録アルバム ・アルバム『MELODIES
・アルバム『MELODIES (30th Anniversary Edition)
・ベストアルバム『TREASURES
・ベストアルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜
※リンククリックで商品詳細へ

▼山下達郎『クリスマス・イブ』特別映画版

 

『クリスマス・イブ』は日本のクリスマスのスタンダードナンバー。

達郎さん自身も「自分の全作品の中で、詩、曲、編曲、演奏、歌、ミックス、全ての要素がバランスよく仕上がった数曲の一つ。その曲が自分の代表曲となったことを神様に感謝している。」と語っています。

間奏で繰り広げられるコーラスが素晴らしすぎます。

ドイツの作曲家、ヨハン・パッヘルベルの曲『カノン』の原曲のメロディーを、間奏やコーラス部分にアレンジして取り入れています。コーラスの全ては達郎さん一人による多重録音(音を重ねて録音すること)です。

 

 

何度聴いても飽きないこの曲は、ライブで聴くと、さらにその素晴らしさが際立ちます。

 

RIDE ON TIME

リリース年月 1980年5月1日(シングル『RIDE ON TIME』
時間 4分22秒
備考 マクセルのCMで話題になる。シングルで50万枚を売り上げ、山下達郎の存在が世間に広く知れ渡るきっかけとなった曲。2003年に木村拓哉主演のフジテレビドラマ『GOOD  LUCK!!』のエンディングに起用され、再び話題となる。
収録アルバム ・アルバム『RIDE ON TIME
・ベストアルバム『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA
・ベストアルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜

 

「青い~」で始まるインパクト大のこの曲、鳥肌が立ちます…。

『RIDE ON TIME』は何度聴いても絶対に飽きない、山下達郎の魅力が詰まった曲。

 

ライブでも必ず終盤に演奏され、大盛り上がりになります。達郎さんが歌いだした瞬間、私はいつも「キター!」と涙が出そうになります。

この曲は達郎さんがマイクを使わず、生声を披露するのがライブでのお約束。

 

ステージに用意された大きな脚立に上ったり、ステージの高いところに上がったりして、達郎さんが生声で歌うシーンがあります。

脚立に行くまでの達郎さんの姿が「じゃ、例のアレいきますか?」「失礼しま~す」みたいな感じで、いそいそと動くのがおかしくてかわいい。

ファンもわかっているので、笑いと歓声で大盛り上がり。

そして、2階、3階まで生声でも届く達郎さんの声!

CDでもライブでも楽しめる曲なのです。

 

希望という名の光

リリース年月 2010年4月14日(シングル『希望という名の光』)
時間 5分15秒
備考 ・映画『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』主題歌。カロリーメイトのCM、PS4『龍が如く6 命の詩。』挿入歌などのタイアップ曲になっている。
収録アルバム ・アルバム『 Ray Of Hope
・ベストアルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜

 

『希望という名の光』は決して「がんばれ」とは言わない歌。

でも、多くの人に希望と勇気を与えてくれる名曲。

この曲は2010年にナインティナイン(=日本の有名お笑いコンビ)の岡村隆史さんの主演映画『てぃだかんかん』の主題歌としてリリースされました。

▼2010年公開映画『てぃだかんかん』(画像クリックでDVD詳細へ)

 

『希望という名の光』がリリースされた1年後に東日本大震災が起こり、改めて注目されるようになりました。震災後、ラジオ等でこの歌が流れ、注目されリクエストなど多くあったそうです。

歌詞の内容が多くの人に勇気や希望を与えました。その理由は「運命に負けないで」「だからどうぞ泣かないで」など、がんばれという言葉でなく、人々の心によりそう歌だったからだと思います。

達郎さんは「歌は自分の手を離れた時、人々の手によって大きな意味を持つようになる」と語っていました。

達郎さんは『希望という名の光』について「昔はこういう歌を書くとは思っていなかった。でも、だんだんと年を重ねてくると自然でこういうものが出てくる。」と、ライブで語っていました。

 

岡村隆史さんと、達郎さんの友人のサザンオールスターズの桑田佳祐さんが、相次いで病気で休養したことがありました。

その時のライブでは、この曲の前に「桑田さん、岡村さんが早く良くなりますように。お二人にこの曲を捧げます」と言って歌ったのが印象的です。

言葉の一つ一つが心に響き、ライブで聴くといつも涙が出る曲です。

 

サザンオールスターズ

サザンオールスターズは日本のロックバンド。シングル『TSUNAMI』はCD売上200万枚を突破している。ボーカルは桑田佳祐。

▼桑田佳祐

 

 

SPARKLE

リリース年月 1982年1月21日(アルバム『For You』)
時間 4分13秒
収録アルバム ・アルバム『For You
・ライブアルバム『JOY
・ベストアルバム『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA
・ベスト・アルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜

 

『SPARKLE』を聴けば達郎さんの魅力がわかるのではないでしょうか?

「山下達郎を何か1曲聴くなら?」と聞かれたら私は、とりあえずこの曲をおすすめするようにしています。

実際、膨大な達郎さんの曲の中から一番好きな曲、おすすめの曲を選ぶのなんて無理なんです。

 

『SPARKLE』はライブでも、ほぼ必ず1曲目に演奏される達郎さんのライブの代名詞的な曲。

達郎さんのギターのカッティングから始まるこの曲のカッコよさと言ったら!達郎さん自身も「ギター・カッティングをフィーチャーした曲を書いてみた。」と語っています。

 

カッティングとは

ギターのテクニックで、弦を抑えて音を出さないような状態にして弦を弾いたりするなどして、歯切れよく演奏する手法。

 

元々ドラマーだった達郎さんは、シュガー・ベイブ結成時にギターをするように。

そのため、リードギターのテクニックを持ち合わせず、カッティングを特化するようにしたところ、それが自分の代名詞に。

 

【コラム】カッティングに特化した理由

リードギターだとバッキング(伴奏を弾くこと)やギターソロなど、技術的に大変だと思います。ギターソロはメロディー、フレーズも大切だし、難しかったのではないでしょうか。カッティングもセンスがいると思うので、それはそれで難しいのではないかと思いますが…。

 

私自身もギターのカッティングが大好きなのですが、それは達郎さんの影響かもしれません。

 

蒼氓

リリース年月 1988年10月19日(アルバム『僕の中の少年』)
時間 5分55秒
タイアップ ・JACCSカードCM
・PS4『龍が如く6 命の詩。』主題歌
収録アルバム ・アルバム『僕の中の少年
・ライブアルバム『JOY
・ベスト・アルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜

 

『蒼氓』(そうぼう)を初めて聴いた時、衝撃を受けました。

恋愛や日常の風景を切り取った歌ではなく、大きな深いテーマ、達郎さんの思想が感じられて…。

曲もゴスペルが折り込まれていて、とても壮大で、感動的な曲です。

 

ゴスペルとは

アメリカ発祥の音楽のジャンルであり宗教音楽が基になっている。4~5人のグループで歌う傾向にある。

▼ゴスペルを代表する曲『Oh Lord, Stand By Me』

 

私が達郎さんの新たな一面を感じた1曲であり、達郎さん自身も「自分の音楽人生において最も大事な1曲」だそう。

 

YOUR EYES

リリース年月 1982年1月21日(アルバム『FOR YOU』)
時間 3分14秒
タイアップ ・ニッスイのCMソング
収録アルバム ・アルバム『For You
・サウンドトラック・アルバム『BIG WAVE
・ベストアルバム『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA
・ベストアルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜

 

『YOUR EYES』は全編英詩のとってもロマンティックな曲。

ライブでも達郎さんが一人ステージに立ち必ずラストに歌う名曲。

達郎さんの詩ではないのですが、愛する人に出逢えた喜び、愛しさが描かれています。

この曲は元々、達郎さんの奥様の竹内まりやさん用に書いた曲でしたが、不採用となり達郎さん自身の曲としてリリース。しかし、その後まりやさんバージョンが2013年にリリースされました。

達郎さん、まりやさんと聴き比べてみるのもおすすめ。

 

▼『Your Eyes』の竹内まりやバージョンはレコチョクにて試聴可能

Your Eyes

 

※このページで紹介した達郎さんの定番の名曲は全て『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』に収録されています。

▼アルバム『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』(画像クリックで商品詳細へ)

 

達郎さんは定番の名曲以外にもおすすめしたい楽曲が数多くあります。次のページでは個人的におすすめしたい楽曲をご紹介いたします。

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40代後半女性。音楽が大好きでJ-POP、K-POP、洋楽、演歌歌謡曲とさまざまな音楽を聴いています。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。全部チケットの半券をとっているのでとても大切な想い出です。音楽はとても生活を豊かにしてくれるもの。私の好きなアーティストの魅力を知っていただければ、と思います。

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山下達郎の歴史② 【1980年代後半から現在】

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山下達郎さんは『クリスマス・イブ』で有名なミュージシャン。達郎さんはテレビに出演しないため、動く姿を観れるのはライブだけ。チケットは入手困難であり「音の職人」と称される達郎さんのライブは「極上の音楽空間」。

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著者:しあ

40代後半女性。音楽が大好きでJ-POP、K-POP、洋楽、演歌歌謡曲とさまざまな音楽を聴いています。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。全部チケットの半券をとっているのでとても大切な想い出です。音楽はとても生活を豊かにしてくれるもの。私の好きなアーティストの魅力を知っていただければ、と思います。

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この章では【デビュー~1980年代前半】【1980年代後半~現在】という2ページにわたって山下達郎さんの歴史についてお伝えしています。

前のページでは【デビュー~1980年代前半】の活動についてお伝えしましたが、このページでは【1980年代後半~現在】の活動についてお伝えします。

 

年表

▼このページで紹介する出来事

年月 出来事
1986年4月 アルバム「POCKET MUSIC」
1988年9月 アルバム「僕の中の少年」
1988年12月 「クリスマス・イブ」JR東海のCM。
1991年6月 アルバム「ARTISAN」
1997年7月 KinKi Kidsへの提供曲「硝子の少年」ヒット。
2003年 TBSドラマ「GOOD LUCK!!」の主題歌
2008年~ ライブツアー

 

1980年代後半の活動

【1985年~】多くのタイアップ作品

 

1980代後半の山下達郎さんは「とてもタイアップ作品が多い」という印象です。

 

▼山下達郎のタイアップ曲の例

リリース 曲名 タイアップ
1985年3月 風の回廊(コリドー) ホンダの自動車インテグラのCM
1985年11月 土曜日の恋人 人気バラエティー番組「オレたちひょうきん族」エンディングテーマ
1987年5月 踊ろよ、フィッシュ 全日空、沖縄キャンペーンのCM
1988年4月 GET BACK IN LOVE TBSドラマ「海岸物語 昔みたいに…」の 主題歌。
1990年4月 Endless Game TBSドラマ「誘惑」の主題歌。

 

達郎さんの音楽はテレビを通じてよく流れてきたので、私はそれを通じて達郎さんの音楽に対する関心が高まっていきました。

達郎さんを現在のように好きになる前の私は、テレビから流れる達郎さんの音楽に対して「曲がすごくいいし、声がすごく素敵!」と思っていました。でも、メディアにあまり出ていない人だったので「大御所アーティスト」という印象でした。

 

【コラム】達郎さんを好きになったきっかけの角松敏生さん

そんな私が、達郎さんを好きになるきっかけとなったのが、角松敏生さん。高校1年の時に角松さんと出逢って大ファンになったのですが、角松さんが達郎さんの音楽に影響を受け、リスペクトしていると知って驚きました。

「私がリスペクトしている角松さんがリスペクトしているのだから、達郎さんは素晴らしいに違いない、聴かなければ!」と思ったのが、達郎さんを本格的に聴くきっかけ。私は、自分の好きなアーティストがリスペクトしているアーティストを聴きたいタイプです。達郎さんの曲を聴いてみて、角松さんが影響を受けているのがよくわかったし、私自身も達郎さんの音楽に魅了されていきました。

『山下達郎入門』筆者による『角松敏生入門』は下記より。

 

【1986年】アルバム「POCKET MUSIC」

 

1986年にアルバム『POCKET MUSIC』リリースしました。

 

▼8作目スタジオアルバム『POCKET MUSIC』1986年4月(画像クリックで商品詳細へ。試聴可能)

 

1980年代半ば音楽市場がアナログ製作だったものが、デジタル製作へと変わる転換期でした。その変化の中、達郎さんが試行錯誤して完成させたアルバムが『POCKET MUSIC』です。

 

【コラム】アナログ製作の時代

「アナログ」とは磁気テープに録っていた時代です。

▼磁気テープ


CC 表示 2.5, Link 

アナログだと音のゆがみなどが生じて、それがいい疾走感や音の厚みなどになったのだけど、デジタルだとそういった疾走感が出なくなるそうです。デジタル化して作業が楽になったけど、失われたものもあるよう。達郎さんはアナログの音をデジタルで再現することに苦戦していたようです。

 

アルバムブックレットには使用したコンピューターとして「PC-8801」の文字が書いてあります。音楽制作に使用したパソコンPC-8801は今のような薄い小さなパソコンではありません。当時は「コンピューター」と呼ばれていました。「PC-8801」という記載したことには、なんだか達郎さんの気概が感じられます。

 

▼PC-8801

 

1988年にリリースされたアルバム『僕の中の少年』は、それまでの「海、夏、タツロー!」というイメージからの転換ともなった作品です。

このアルバムには自分の中の大人と子供の部分のせめぎあいが反映されているそうです。また30代半ばを迎えた自分の立ち位置や、お子さんの誕生などがアルバム制作には影響を与えたとのこと。

 

▼9作目スタジオアルバム『僕の中の少年』1988年10月(画像クリックで商品詳細へ。試聴可能)

 

このアルバムに対して私は「僕の中の少年」の「少年」という言葉から受ける印象とは違う「上質な大人のポップス」という印象を抱きました。

アルバム「僕の中の少年」の収録曲『GET BACK IN LOVE』は、30代半ばを迎えた達郎さんが自身のピークを感じ「最後の花を咲かせるならバラードだ」と創った渾身の1曲。 『GET BACK IN LOVE』が大ヒットし、確固たる地位を築きます。

ちなみに私は『僕の中の少年』の収録曲『蒼氓』(そうぼう)にとても大きな感銘を受けました。達郎さんの書く詩の重みを感じた1曲です。

 

【1988年】『クリスマス・イブ』がJR東海のCMに

 

1988年には『クリスマス・イブ』がJR東海のCMに使用されたこともあって、シングルCDの売上は100万枚を突破する大ヒットとなりました。

 

▼山下達郎『クリスマス・イブ』

 

『クリスマス・イブ』は、もともと1983年のアルバム『MELODIES』に収録され、シングルとしてもリリースされていました。

 

▼1983年6月リリース『MELODIES』

 

『クリスマス・イブ』の大ヒット以降、毎年クリスマスシーズンになるとこの曲が街なかやテレビ、日本中のあらゆるところで流れます。『クリスマス・イブ』は今では達郎さんを代表する曲となっています。

 

ちなみにJR東海のCMが話題になっていた頃、このCMは私の住む九州では流れていませんでした…。そのため私の中では『クリスマス・イブ』については1989年に公開された「君は僕をスキになる」の主題歌となっていたことの方が想い出深いです。

 

▼映画「君は僕をスキになる」(画像クリックで商品詳細へ)

 

映画「君は僕をスキになる」は山田邦子さん、斉藤由貴さん、大江千里さん、加藤雅也さんの4人が繰り広げるラブコメディ作品です。映画館に観に行ったのですがラストシーンとそのシーンで流れる『クリスマス・イブ』がとっても胸キュンでした。

 

▼山田邦子

▼斉藤由貴

 

【1991年】日本レコード大賞のアルバム大賞獲得

 

1991年リリースのアルバム『ARTISAN』は日本レコード大賞のアルバム大賞を獲得しました。

 

日本レコード大賞

1959年に創設された日本で最も有名な音楽の賞。TBSテレビ年末に放送される。

 

アルバムタイトルの「ARTISAN(職人)」は「ARTIST」(芸術家)に対抗してつけられたそう。

 

▼10作目スタジオアルバム『ARTISAN』1991年6月(画像クリックで商品詳細へ。試聴可能)

ちなみに達郎さんは、アーティストと呼ばれることが嫌いなのだそう…。では何て呼べばいいのかとなると、シンガーソングライターになるでしょうか。

一番しっくりくるのは、やはり「音の職人」という言葉だと思います。

 

【コラム】達郎さんがアーティストと呼ばれるのが嫌いな理由

「アーティスト=芸術家。歌手やシンガーソングライターをアーティストと呼ぶこと自体間違った言い方。だから嫌い」だそうです。ちなみに、1980年代半ばぐらいからアイドル、歌謡曲の人たちと、その他の人たちを分けるために「アーティスト」という言葉で呼ばれるようになったと思います。 

 

10作目のスタジオアルバムリリース後は、リリース間隔は大きいもののコンスタントにアルバムをリリース。

他アーティストへの楽曲提供も多く、中でも1997年リリースのKinKi Kidsのデビュー曲『硝子の少年』は大ヒット。『硝子の少年』は世代や時代を超えて今も愛されています。

 

▼シングル『硝子の少年』1997年7月(画像クリックで商品詳細へ)

『硝子の少年』など山下達郎のジャニーズ提供曲は第3章で紹介! 『硝子の少年』など山下達郎のジャニーズ提供曲は第3章で紹介!

 

【2000年代】数多くのタイアップ作品

 

2000年代に入ってからも映画・ドラマ・CMなどのタイアップ作品が数多く発表されました。

 

▼2000年以降のCMタイアップ曲の例

年代 曲名 タイアップ
2000年 君の声に恋してる 「NTTコミュニケーションズ」CM
2001年 (SO MUCH IN LOVE アサヒビール スーパーモルト
2001年 アトムの子 スズキ エスクード ヘリー・ハンセンリミテッド
2002年 夏コイの味 カルピス カルピスウォーター
2004年 さよなら夏の日 ケンタッキーフライドチキン サマーバーレル
風がくれたプロペラ パナソニックカーナビ・Strada
2005年 風の回廊 明治製菓 アーモンドチョコレート
2005年 白いアンブレラ ホンダ ライフ
2006年 JODY アサヒビール アサヒ本生アクアブルー
2007年 クリスマス・イブ -English Version- スズキ シボレーMW
2011年 高気圧ガール アサヒビール アサヒSlat(すらっと)
2012年 希望という名の光 JA共済 3Q訪問活動「安心のかたち」編
2013年 LOVELAND, ISLAND サントリー のんある気分

 

▼2000年以降の映画・ドラマのタイアップ曲一覧

年月 曲名 映画・ドラマ
2000年 JUVENILEのテーマ〜瞳の中のRAINBOW〜 映画「ジュブナイル」
2003年 RIDE ON TIME ドラマ「GOOD LUCK!!」
2003年 2000トンの雨 映画「恋愛寫眞」
2005年 FOREVER MINE 映画「東京タワー」
2009年 僕らの夏の夢 映画「サマーウォーズ」
2010年 街物語 ドラマ「新参者」
2012年 愛を教えて ドラマ「遺留捜査 シリーズ2」
2013年 光と君へのレクイエム 映画「陽だまりの彼女」
2015年 マイ・ガーディアン・エンジェル ドラマ「京都人情捜査ファイル」
2016年 Let It Be Me ドラマ「早子先生結婚するって本当ですか?」
2016年 CHEER UP! THE SUMMER ドラマ「営業部長 吉良奈津子」
2017年 REBORN 映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
2018年 ミライのテーマ 映画「未来のミライ」

 

達郎さんの場合、ドラマや映画などのタイアップ曲は「書き下ろし作品」が多いです。きちんとドラマや映画などへの理解と愛情をもって曲が創られていることがわかります。

だから、作品と曲とがぴったり合っていて、より作品が素晴らしいものになっているのではないかと思います。

(ちなみに私が好きなのが

・ドラマ「誘惑」の主題歌「Endless game」
・朝ドラ「ひまわり」の主題歌「DREAMING GIRL」
・ドラマ「冬のサクラ」の主題歌「愛してるって言えなくたって」
・ドラマ「新参者」の主題歌「街物語」など

です。)

タイアップ曲に関しては、達郎さん自身が我を強く出しすぎず、自分と依頼者との想いを融合させたうえで、きちんと「商業音楽」として成立させているように思います。タイアップ曲を聴けば、自分の創りたいものだけを安直に作っているのとは違う、という事が感じられるのではないでしょうか。

 

タイアップ曲では、1980年にヒットした『RIDE ON TIME』が2003年に木村拓哉さん主演のTBSドラマ「GOOD LUCK!!」の主題歌になり再びヒットします。改めて『RIDE ON TIME』の良さが認識されたのではないでしょうか。

 

▼TBSドラマ「GOOD LUCK!!」DVD(画像クリックで商品詳細へ)

 

【2008年~】ライブツアー

 

2008年からはコンスタントにライブツアーを行い、野外音楽フェスへの参加なども行いました。その圧倒的なパフォーマンスに、若い世代からも感動の声があがっています。

 

▼2008年以降の山下達郎のツアー・ライブ

ツアー・ライブ
2008年 ツアー「PERFORMANCE 2008-2009」
2010年 ツアー「PERFORMANCE 2010」
2010年 フェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZO」野外ステージ出演
2010年 TOKYO FM・FM OSAKA開局40周年記念スペシャル『Souvenir again』竹内まりや LIVE 2010
2011年 ツアー「PERFORMANCE 2011-2012」
2012年 野外フェス「SWEET LOVE SHOWER 2012」
2013年 ライブ「山下達郎 LIVE at Festival Hall」
2013年 ツアー「PERFORMANCE 2013」
2014年 ツアー「Maniac Tour 〜PERFORMANCE 2014〜」
2014年 フェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO」野外ステージ出演
2014年 野外音楽イベント「SWEET LOVE SHOWER 2014」
2014年 ライブ「山下達郎 LIVE at THE BOTTOM LINE」
2015年 ツアー「PERFORMANCE 2015-2016」
2016年 ライブ「難波弘之 鍵盤生活40周年記念ライブ 〜一生鍵命〜」
2016年 ライブ『SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY「40YEARSx40LIVES」』
2017年 ツアー「PERFORMANCE 2017」
2017年 フェス「氣志團万博2017 〜房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ〜」
2017年 ライブ「山下達郎のサンデー・ソングブック25th Anniversaryアコースティック・ライブ&トークショー」

 

近年は若い世代や海外からのファンも増えています。先日66歳となった達郎さんですが、年齢を感じさせない、素晴らしい歌声とパフォーマンス。

 

達郎さんの創り出す音楽は、日常を豊かなものにしてくれます。ぜひ、達郎さんの音楽に触れてみて欲しいと思います。

 

以上、山下達郎さんの歴史でした。

次の章では達郎さんの人柄についてお伝えいたします。テレビに出ない理由や、妻の竹内まりやさんについて知れば達郎さんの魅力とともに人物像を知ることができると思います。

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著者:しあ

40代後半女性。音楽が大好きでJ-POP、K-POP、洋楽、演歌歌謡曲とさまざまな音楽を聴いています。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。全部チケットの半券をとっているのでとても大切な想い出です。音楽はとても生活を豊かにしてくれるもの。私の好きなアーティストの魅力を知っていただければ、と思います。

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山下達郎さんは『クリスマス・イブ』で有名なミュージシャン。達郎さんはテレビに出演しないため、動く姿を観れるのはライブだけ。チケットは入手困難であり「音の職人」と称される達郎さんのライブは「極上の音楽空間」。

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山下達郎とは


By Aurelius2018投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link 

名前 山下 達郎(やました たつろう)
生年月日 1953年(昭和28年)2月4日
出身地 東京都豊島区池袋出身
職業 シンガーソングライター/作曲家/音楽プロデューサー
デビュー曲 1975年に「シュガー・ベイブ」のメンバーとしてシングル『DOWNTOWN』アルバム『ソングス』でデビュー。現在は主にソロで活動を行う。
1983年にリリースされた『クリスマス・イブ』はJR東海のCMに使用されて話題になり、CD売上185万枚を突破。同曲はオリコンチャート30年連続トップ100を記録しギネス世界記録にも認定される。近年は、2009年公開の映画『サマーウォーズ』や2018年公開の映画『未来のミライ』の主題歌を手掛ける。

▼代表曲「クリスマス・イブ」

他アーティストへの楽曲提供も行っており、近藤真彦『ハイティーン・ブギ』(1982年リリース)、KinKi Kidsのデビューシングル『硝子の少年』などヒット曲を数多く手がけている。

 

山下達郎さんは、1953年生まれのシンガーソングライターです。ソロデビュー前のバンド「シュガー・ベイブ」時代を含めると音楽キャリアは40年以上になります。

 

シュガー・ベイブ

1973年~1975年に活動していたバンド。山下達郎氏はボーカル・ギター・コーラスを担当した。伝説のバンドとして語り継がれ、現在ブームの「シティポップ」という音楽ジャンルの先駆けと言える存在。

▼アルバム「SONGS」(画像クリックで視聴可能リンクへ)

 

達郎さんの代表曲と言えば『クリスマス・イブ』が有名ですが、達郎さんの楽曲はバラエティに富んでいて様々なテイストの曲が楽しめます。

また、達郎さんはシンガーソングライターとしての活動のみならず、他アーティストへの楽曲提供もしています。

ジャニーズのアイドルへの提供曲もあり、また達郎さんがセルフカバーをしている曲もあります。

 

山下達郎さんのジャニーズへの提供曲については第4章で紹介! 山下達郎さんのジャニーズへの提供曲については第4章で紹介!

 

奥様であり大人気シンガーソングライターの竹内まりやさんとは、公私にわたるパートナーです。達郎さんはまりやさんの楽曲を多く手がけています。

 

竹内まりや

1955年生まれ。1979年にシングル『SEPTEMBER』で日本レコード大賞新人賞を受賞。1994年に発売された『impressions』は売上300万枚を超える大ヒットとなった。作詞・作曲家としても多くのヒット曲を手掛ける。

▼竹内まりや氏

竹内まりやさんについては第2章で詳しく紹介します。

 

以下では達郎さんのことを理解していただくため

「音の職人」「音楽界の宝」「極上の音楽空間」

という3つのキーワードに分けて達郎さんのことを紹介いたします。

 

山下達郎を理解するための3つのキーワード

① 音の職人

 

達郎さんの音楽創りは緻密で「音の職人」とも称されます。達郎さんの音楽の緻密さは、実際に曲を聴けば伝わるかと思います。

今もライブの1曲目にほぼ必ず披露する『SPARKLE』という曲があります。

一つの曲を構成するものには多くの要素があります。ギター・ブラス・コーラスアレンジ・ボーカル、その他・・・。達郎さんの『SPARKLE』は、それら一つ一つの要素が細部に至るまで心地よく感じるのです。

 

▼『SPARKLE』リンク先で試聴可能

 

また、1980年に発売されたアルバム『ON THE STREET CORNER』では、ボーカルのみならずコーラスも山下達郎さん1人で行っております。

音楽オタクぶりが伺える「アカペラの極み 」と言える音楽になっています。(曲の一部に女性ボーカルの吉田美奈子さんが参加しております。)

 

▼アルバム『ON THE STREET CORNER』(画像クリックで商品詳細へ)

 

② 音楽界の宝

 

達郎さんは「音楽界の宝」とも言える存在だと思えます。

「音楽界の宝」と思えるのは、達郎さんは大御所から若手、多くのアーティストに影響を与えているからです。数々のアーティストに影響を及ぼした達郎さんの音楽は「日本の音楽の礎」を築いたのではないかと思っております。

 

山下達郎さんをリスペクトするアーティスト一覧
スターダスト・レビュー/角松敏生/鈴木雅之/KAN/槇原敬之/ジャンク・フジヤマ/星野源など

 

達郎さんの音楽界に与えた影響や、その音楽の素晴らしさから私は「○○褒章などをもらってもいいのでは」と思っています。

達郎さんはそういったものにこだわっていないだろうし、もちろん私も本当にもらって欲しいと思っているわけではありません。ただ、日本の音楽界においてそのくらいの存在であると思っているのです。

 

「音楽界の宝」であり、神様のような存在とも言える達郎さんには「手の届かない人」のように感じるかもしれません。

ただ、実際の達郎さんは素晴らしい音楽を創りながら決して奢ったところがなく、音楽の中でも特にドゥーワップが好きな生粋の音楽マニアという印象です。

 

ドゥーワップとは

R&Bのコーラスの一種。1950年代半ばから1960年台初頭のアメリカ合衆国で流行した。メロディー以外の旋律は「ドゥーワ」「シュピデゥビ」などハミング風のコーラスを歌う。

下記、代表的なドゥーワップの曲。

▼ The Penguins『Earth Angel』

▼The Platters『Only You』

 

音楽が大好きで、人の曲を聴くことも、音楽を創り自分で歌うことも好きなので、アーティストとリスナーの両方の気持ちがわかるのではないかと思います。

そんな達郎さんが創りだす音楽はカッコよく、素晴らしいです。好き嫌いは別にして音楽に興味がある人なら、誰しもがその実力やすごさを認めるところでしょう。

 

③ ライブは極上の音楽空間

 

「音の職人」である達郎さんのこだわりを堪能できるのはやっぱりライブだと思います。

達郎さんはライブで表現する音に高いクオリティを求めていると思います。

アーティストのライブと言えば「アリーナ」「ドーム」を連想する方も多いと思いますが、達郎さんは音が悪いから「ライブをやる場所じゃない」として、アリーナやドームでのライブを実施しておりません。

 

また、スタジオで作る音と違って、ライブで表現できる音には限界があるので、そのレベルに達していないとライブではやれない曲もあるみたいなのです。(CDの曲をそのままそっくりライブ演奏するわけではありません)

「テレビに出ない」「映像を解禁しない」というこだわりがあるため動く達郎さんを見られるのはライブだけです。ライブは立ち見が出るほどのプラチナチケットとなっています。

 

テレビに出ない理由などは第1章で詳しく解説! テレビに出ない理由などは第1章で詳しく解説!

 

達郎さんのライブは「極上の音楽空間」だと私は思っております。

達郎さんはライブで最高のバンドメンバーと共に、その日のお客さんのためだけに最高のパフォーマンスをします。

ライブは同じツアーでも会場、その日のお客さんによって、全然違うものになります。これは本当に行った人しかわかりません。

私は、今まで色々なアーティストのライブに何百回と行きましたが、達郎さんの創り出すライブは「最高峰」だと思います。

 

 

達郎さんのライブは私の思う「ライブとはこうあってほしい」というようなものが全て詰まったパラダイスみたいなもの。

最高の歌、演奏が聴けて、アーティストの想いが感じられ、観客もそれに応え、アーティストとファンの想いが一つになる、そんな感動と楽しさが詰まったライブとなっていると思います。

 

 

あまりメディアに登場しないので「山下達郎さん自体がどんな人なのか」「どういった活動をしているのか」なんだかつかめない印象もあるかと思います。

このWebonでは、達郎さんのライブの魅力やライブへのこだわり、自他ともにバラエティに富んだ作品などをご紹介したいと思います。

達郎さんをよく知らない方も、現在は少し達郎さんから離れてしまっている方も、ぜひ彼の素晴らしさに触れていただきたいです。そして達郎さんの言う「音楽は人の心に寄り添うことはできる」を感じていただければと思います。

私はアーティストの本質が一番表れるのがライブだと思っております。達郎さん自身、そしてライブの魅力を知って、CDだけでは味わえない達郎さんの魅力を会場で堪能していただきたいと思います。

 

次の章(第1章)では山下達郎さんの歴史についてお伝えいたします。歴史を知ることで山下達郎さんがどのような存在かをより明確に知っていただければと思います。

『山下達郎入門』目次へ  (全14ページ)

目次著者

著者:しあ

40代後半女性。音楽が大好きでJ-POP、K-POP、洋楽、演歌歌謡曲とさまざまな音楽を聴いています。ライブが大好きで今まで行ったライブは数百本。全部チケットの半券をとっているのでとても大切な想い出です。音楽はとても生活を豊かにしてくれるもの。私の好きなアーティストの魅力を知っていただければ、と思います。

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