5分でわかる!ドニー・イェン ~ファンが語る概要・魅力・おすすめ作品~

 

このページでは「宇宙最強」と言われたカンフー映画スター俳優「ドニー・イェン」がどんな人物なのかを大体5分で理解できるよう概要・魅力・おすすめ作品をお伝えします。

もちろんドニー・イェンさんを5分で説明するのは困難ですので、さらに深く知りたい方は『カンフー映画入門』をご覧ください。

※このページはカンフー映画ファン歴27年のHARUKA氏による『カンフー映画入門』の内容をWebon編集部がまとめたものです。

 

▼『カンフー映画入門』(全38ページ)

 

ドニー・イェンとは

photo by Roger Wo [1]https://www.flickr.com/photos/rogerwo/754841756/

生年月日 1963年7月27日
出身 中国広東省
身長 173㎝
代表作 「イップマン」シリーズ(2008~)
現在 俳優として活躍中

 

「宇宙最強」「最後の本格派」

 

「宇宙最強」と呼ばれたカンフー映画スター俳優。

最近の香港では「誰が一番のアクションスター?」と尋ねれば、「ドニー・イェン」と返ってくるほど人気があるそうです(ちなみに、筆者が大阪・日本橋にある中華食材を販売しているお店の中国人青年にも同様に尋ねてみたところ、彼も「ドニー」と答えていました)。

彼の最大の特徴であり武器は、これまでのアクションスターと異なり、キャラクターによってアクションのスタイルを大きく演じ分けられることです。その武術の腕前からは「最後の本格派」と呼ばれています。

 

ドニー・イェンは何で有名になったの?

▲葉問(イップマン)~序章~(画像クリックで商品詳細へ)

 

ドニー氏がブレイクしたきっかけは「イップ・マン」です。

この作品でドニー・イェン氏は名実ともに「宇宙最強」の異名を取りました。そして世界的なアクション俳優として、ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏等の名優と並ぶ名声を得たのです。

「葉問(イップマン)~序章~」は公開されたのは2008年で、当時のドニー氏の年齢は45歳。ドニー氏は「遅咲きのスター」と言われています。

「イップマン 序章」については「カンフー映画初心者入門」で紹介!

 

ドニー・イェン氏は、2000年からハリウッド映画「ハイランダー/最終戦士」への出演をきっかけにハリウッドへも進出し、2015年にはスターウォーズのスピンオフ作品「ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー」にも出演を果たしました。

 

▼ハイランダー/最終戦士(画像クリックで商品詳細へ)

▼ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー(画像クリックで商品詳細へ)

 

 

カンフーマニアから見たらどんな俳優?

 

母親を武術家に持つドニー・イェン氏は昔からブルース・リー氏の大ファンだったそうです。幼い頃から武術に励み17歳で北京へ武術留学をしました。1984年に映画デビュー。そして2008年(公開当時45歳)にイップマンが大ヒット。

遅咲きながらもすごく努力家なアクションスターだと思います。

ヒットに恵まれない時期もありましたが、映画「イップマン」シリーズが大ヒットして本当に良かったです。

ブルース・リー氏を意識しているというだけあり、カンフー以外にもプロレス技、ボクシングや総合格闘技等を自ら研究しており、映画によって様々な武術を使い分けていることに驚きました。

そして今年55歳にも関わらず、キレッキレの動きには脱帽です。ドニー・イェン氏の動きからは、日々の行いを、手を抜かずに取り組むことの大切さを感じます。

これからも第一線で活躍するアクションスターだと思うので、今後の活躍が楽しみです。

 

ドニー・イェン氏出演のおすすめ作品

 

以下ではドニー・イェン氏が出演しているおすすめカンフー映画作品を紹介します。

 

イップ・マン 序章

作品名 イップ・マン 序章
公開年 2008年(日本公開2011年)
主演 ドニー・イェン
監督 ウィルソン・イップ

▼あらすじ

ある武術館の師範との手合せに勝ったイップ・マン(ドニー・イェン氏)は、町一番の武術家として知られるようになります。 そんな時、1937年に日中戦争が勃発。すぐにイップ・マンが済む佛山は日本軍の占領下となってしまいます。 イップ・マンの自宅は日本軍の司令部として没収され、一家は極貧生活を強いられます。家族のために石炭運びの仕事をする中、ある事件をきっかけにイップ・マンは日本兵に中国武術を教えることを強要されてしまいます。 それを拒否したイップ・マンは、中国武術の誇りをかけ、日本武術の名手である日本軍将校三浦(池内博之)と生死をかけた決闘をする・・・というストーリー

 

ブルース・リー氏の唯一の師匠として知られている詠春拳の達人、イップ・マン氏。そんなイップ・マン氏が主人公の物語です。ドニー・イェン氏がイップ・マンを演じています。

ドニー・イェン氏が一躍スーパースターの仲間入りを果たすことができた渾身の作品を見たい方におすすめです。

 

▼実際のイップ・マン氏とブルース・リー氏が修行する様子

 

一見、ドキュメンタリー映画のように見えますが、実在したイップ・マン氏をヒーローに仕立てたエンターテイメント映画です。本作は中国、香港で驚異的大ヒットを記録し、後続にイップ・マンシリーズとして「イップ・マン 葉問(2010)」「イップ・マン 継承(2015)」が製作されました。

 

本作の見どころは、なんといってもドニー・イェン氏のアクションです。ここぞとばかりに肝心な時に現れて、もの凄い説得力のある武術で相手をねじ伏せます。

また、ドニー・イェン氏の演技が、謙虚で穏やかな家族思いの武術家を演じているため、軍事的要素の強い壮絶な時代背景にもかかわらず、荒々しく見えないところも◎。

本作のためにドニー・イェン氏は一から詠春拳を練習したそうで、もともとカンフーの基礎が備わっているだけに、どこから見てもドニー・イェン氏自身も詠春拳の達人のようです(実際に武術の達人ではありますが)。

本作を観て面白いと感じた方は、後続の「イップ・マン 葉問(2010)」「イップ・マン 継承(2015)」もぜひ観てみてください!

 

▼画像クリックで商品詳細へ(どちらもAmazon prime videoで各400円~で視聴可能です※期間限定で見放題の時もあります)

 

▼サービス名クリックorタップで公式サイトへ進めます

サービス名 取り扱い 視聴方法
TSUTAYA TV 見放題ではなく別途有料(税抜400円~)。DVD宅配サービスTSUTAYA DISCASも取り扱いあり(最低1007円(税込)~の会員か530円(税込:送料込)の単品料金で利用可能)
Amazon Prime Video 見放題ではなく200円~で視聴可能
U-NEXT 月額2149円(税込)で見放題会員になれば視聴可能(「葉問」も有り。「継承」は無し)
YouTube 300円~で視聴可能(「葉問」「継承」も有)
DVD(amazon)

 

捜査官X

作品名 捜査官X(原題:武侠)
公開年 2011年
主演 ドニー・イェン&金城武
監督 ピーター・チャン
備考 多くの映画祭に招待された作品

  • 第64回カンヌ国際映画祭特別招待作品
  • 第16回釜山国際映画祭特別招待作品
  • 第7回大阪アジアン映画祭クロージング作品
  • 第55回サンフランシスコ国際映画祭特別招待作品
  • 第2回フランス中国映画祭上映作品
  • 第28回LAアジア太平洋映画祭特別招待作品
  • 第67回エディンバラ国際映画祭特別招待作品
  • 第16回ファンタジア国際映画祭特別招待作品
  • 第11回NYアジアン映画祭特別上映作品

▼あらすじ

1971年、中国雲南省の小さな村で起こった強盗殺人事件をきっかけに物語は始まる。 事件を捜査するため村へ訪れた捜査官シュウ(金城武氏)は、死体を調べるうちに強盗犯人2人が指名手配中の凶悪犯であることを知る。 事件当時、製紙工場に勤める職人リウ(ドニー・イェン氏)が偶然居合わせており、リウが必死に応戦したことにより、強盗犯人2人は打ち所が悪く死亡。 しかし、シュウは入念に検死や現場検証を重ね、リウは偶然に正当防衛できたわけではなく、意図的に致命傷を狙ったのではないかと疑問を抱く。 人間の経脈やツボについての卓越した知識や、豊かな想像力でもって事件解明に挑むシュウは、やがてリウの隠された過去である凶悪な暗殺集団の一味だった事実へと辿りつく・・・

 

ドニー・イェン氏はじめ豪華キャストで撮影されたカンフー映画です。

2000年代において打ち出された古き良きオーソドックスな武侠映画を観たいという方におすすめです。

カンフー映画は原則として身体の技が見どころになるのに対し、武侠映画は主に刀剣を使ったアクションが見どころとなる映画です。(武侠映画の定義はいくつかあります。)

カンフー映画は中華圏で流行っていた武侠映画から発展してきた背景があります。刀や剣で戦うのが中心であった武侠映画で拳を使って戦う「カンフー映画」の土台を作ったのがこの「捜査官X」に出演するジミー・ウォング氏なのです。

▼武侠映画などのカンフー映画の歴史についてはこちらのページで解説!

 

原題はストレートな「武侠」というタイトルですし、ストーリーも1970年代から流行りだした古き良きオーソドックスな「カンフー映画」そのものです。

 

 

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サービス名 取り扱い 視聴方法
TSUTAYA TV 1007円~(税込)の見放題対象。DVD宅配サービスTSUTAYA DISCASも取り扱いあり(最低1007円(税込)~の会員か530円(税込:送料込)の単品料金で利用可能)
Amazon Prime Video 400円(税込)のプライム会員で視聴可能
YouTube 300円~で視聴可能
DVD(amazon)

 

ドニー・イェン主な出演作品・視聴方法

発表年 タイトル
1984 「ドラゴン酔太極拳」
1988 「タイガー刑事」
1990 「タイガーコネクション」
1991 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明」
1995 「精武門」(ドラマシリーズ)
1997 「ドラゴン危機一発‘97」
1998 「ドニー・イェン/COOL
2002 HERO
2005 SPL/狼よ、静かに死ね」
2007 「導火線 FLASH POINT
2008 「イップマン 序章」
2010 「イップマン 葉問」

▼各動画配信サービスの料金とドニー・イェン氏作品の取り揃え数を表した表です!

TSUTAYA TV Amazon Prime Netflix Hulu dTV U-NEXT
料金(税込/月額) 1007円~ 400円 864円~ 1007円~ 540円 2149円
ドニーイェン

※◎・〇:豊富 △:ややあり ×:ほぼ無し

 

以上「ドニー・イェン」の紹介でした。ドニー氏についてさらに詳しく知りたい方は下記のページをご覧くださいませ。

 

また『カンフー映画入門』ではカンフー映画の歴史やスター俳優、そして「カンフーとはどんな拳法か?」ということまでを知ることができます。ぜひともご覧くださいませ。

▼『カンフー映画入門』(全38ページ)

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

Webon紹介目次著者

カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!

「カンフー映画入門 ~観れば観るほど強くなる!?~」はこちらから!

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

お問い合わせはこちらから

 

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

第4章ではおすすめのカンフー映画を13作品ご紹介しています。

このページではドニー・イェン氏と金城武氏がW主演のカンフー映画「捜査官X」をご紹介します。

 

▼紹介するおすすめカンフー映画

名前 公開年 主演
1 燃えよドラゴン 1973年 ブルース・リー
2 片腕カンフー対空飛ぶギロチン 1975年 ジミー・ウォング
3 酔拳 1978年 ジャッキー・チェン
4 豚(とん)だカップル拳 1979年 サモハン(サモ・ハン・キンポー)/ラウ・カーウィン
5 ユン・ピョウinドラ息子カンフー 1981年 ユン・ピョウ
6 少林寺 1982年 ジェット・リー
7 霊幻道士 1985年 ラム・チェンイン
8 プロジェクトA 1983年 ジャッキー・チェン
9 スパルタンX 1984年 ジャッキー・チェン
10 七小福(夢に生きた子供達) 1988年 サモハン(サモ・ハン・キンポー)
11 シティーハンター 1993年 ジャッキー・チェン
12 イップ・マン 序章 2008年 ドニー・イェン
13 捜査官X⇐当ページ 2011年 ドニー・イェン/金城武

 

「捜査官X」(2011年公開/2012年日本公開)

基本情報

作品名 捜査官X(原題:武侠)
公開年 2011年
主演 ドニー・イェン&金城武
監督 ピーター・チャン
備考 多くの映画祭に招待された作品

  • 第64回カンヌ国際映画祭特別招待作品
  • 第16回釜山国際映画祭特別招待作品
  • 第7回大阪アジアン映画祭クロージング作品
  • 第55回サンフランシスコ国際映画祭特別招待作品
  • 第2回フランス中国映画祭上映作品
  • 第28回LAアジア太平洋映画祭特別招待作品
  • 第67回エディンバラ国際映画祭特別招待作品
  • 第16回ファンタジア国際映画祭特別招待作品
  • 第11回NYアジアン映画祭特別上映作品

 

ドニー・イェン氏(1963~)

カンフー以外にもプロレス技、ボクシングや総合格闘技等を自ら研究しており、映画によって様々な武術を使い分けられるカンフー映画スター。現在も第1線で活躍中。

photo by Roger Wo [1]https://www.flickr.com/photos/rogerwo/754841756/

 

金城武 氏(1973~)

父は日本人、母は台湾人、台湾生まれの俳優。日本・中国・香港・台湾で活動を行っている。主な出演映画に「LOVERS」「レッドクリフ」など。

▼金城武 氏

 

あらすじ

1971年、中国雲南省の小さな村で起こった強盗殺人事件をきっかけに物語は始まる。

事件を捜査するため村へ訪れた捜査官シュウ(金城武氏)は、死体を調べるうちに強盗犯人2人が指名手配中の凶悪犯であることを知る。

事件当時、製紙工場に勤める職人リウ(ドニー・イェン氏)が偶然居合わせており、リウが必死に応戦したことにより、強盗犯人2人は打ち所が悪く死亡。

しかし、シュウは入念に検死や現場検証を重ね、リウは偶然に正当防衛できたわけではなく、意図的に致命傷を狙ったのではないかと疑問を抱く。

人間の経脈やツボについての卓越した知識や、豊かな想像力でもって事件解明に挑むシュウは、やがてリウの隠された過去である凶悪な暗殺集団の一味だった事実へと辿りつく・・・

 

こんな人におすすめ!

 

2000年代において打ち出された古き良きオーソドックスな武侠映画を観たいという方におすすめ!

ドニー・イェン氏はじめ豪華キャストで撮影されたカンフー映画です。

 

「武侠映画」について

カンフー映画は原則として身体の技が見どころになるのに対し、武侠映画は主に刀剣を使ったアクションが見どころとなる映画です。※「武術に長け、義理を重んじる主人公の物語」を武侠映画と定義する場合もあります。おそらく今回の映画の「武侠」は後者でしょう。

カンフー映画は中華圏で流行っていた武侠映画から発展してきた背景があります。刀や剣で戦うのが中心であった武侠映画で拳を使って戦う「カンフー映画」の土台を作ったのがこの「捜査官X」に出演するジミー・ウォング氏なのです。

ジミー・ウォング氏についてはこのページの「みどころ」でも紹介しますがカンフー映画の歴史において、とても重要な人物なので知るとカンフー映画がもっと面白く観られます!

カンフー映画の歴史については第1章で紹介しています!

 

「捜査官X」のみどころ!

みどころ1 W主演ドニー・イェン氏&金城武氏、そしてジミー・ウォング氏の出演!

 

原題はストレートな「武侠」というタイトルの通り、ストーリーも1970年代から流行りだした古き良きオーソドックスな「カンフー映画」そのものです。

 

1970年代から流行り出した古き良き「カンフー映画」については第1章で詳しく解説!

 

1971年、中国雲南省の小さな村で起こった強盗殺人事件をきっかけに物語は始まります。

 

 

事件を捜査するため村へ訪れた捜査官シュウ(金城武氏)は、死体を調べるうちに強盗犯人2人が指名手配中の凶悪犯であることを知ります。

事件当時、製紙工場に勤める職人リウ(ドニー・イェン氏)が偶然居合わせており、リウが必死に応戦したことにより、強盗犯人2人は打ち所が悪く死亡していました。

しかし、シュウは入念に検死や現場検証を重ね、リウは偶然に正当防衛できたわけではなく、意図的に致命傷を狙ったのではないかと疑問を抱きます。

人間の経脈やツボについての卓越した知識や、豊かな想像力でもって事件解明に挑むシュウは、やがてリウの隠された過去である凶悪な暗殺集団の一味だった事実へと辿りつきます。

 

 

撮影地もストーリーと同じく中国雲南省の山奥ですが、本作はキャストがとても豪華な映画です。

W主演にドニー・イェン氏と金城武氏。

ラスボス役にはなんと初期カンフー映画ブームを生み出した「片腕ドラゴン」のジミー・ウォング氏!本作は17年ぶりの映画出演ということでした。

 

ジミー・ウォング氏(1943~)

カンフー映画ブームの基礎を作ったパイオニア的存在。ブルース・リー氏などのスターが出る前から活躍していたカンフー映画界のレジェンド。

 

みどころ2 女優クララ・ウェイ氏のアクション!

 

また、日本ではあまり知られていないかもしれませんが、暗殺集団の一味でリウの追手役を女優クララ・ウェイ氏が演じています。

 

クララ・ウェイ氏(1960~)

香港の女優。恵 英紅(ワイ・インホン)またはカラ・ワイとも呼ばれる。多くの香港カンフー映画に出演。香港のアカデミー賞とも言われる香港電影金像奨の主演女優賞を3度受賞している。

▼クララ・ウェイ氏

photo by Geraldshields11 CC 表示-継承 4.0

 

香港映画会社シヨウ・ブラザーズのチャン・ツェー氏監督にジミー・ウォング氏もクララ・ウェイ氏も見出され映画デビューをしました。

 

シヨウ・ブラザーズ

シヨウ・ブラザーズは1958年に企業家ランラン・ショウ氏が立ち上げた香港映画会社。京劇映画という中国の伝統的な音楽劇に見切りをつけ、当時若者に支持され始めていた広東語映画界のカンフー映画に進出し始めた。

チャン・ツェー氏(1923~2002)

香港・台湾の映画監督。カンフー映画などを多く手掛け、2002年に香港のアカデミー賞とも言われる「香港電影金像奨」にて生涯の功績を讃えられ「終身成就賞」を受賞。

 

その後、武術指導で著名なラウ・カーリョン氏に抜擢されて、クララ・ウェイ氏は女性カンフー・スターのひとりとして多くのカンフー映画に出演し、活躍しました。

 

ラウ・カーリョン氏(1934~2013)

香港の著名な俳優・監督。主な監督作品に「少林寺三十六房」など。

 

クララ・ウェイ氏は2000年代に入った頃には体調不良などを訴えていましたが、本作では久しぶりのアクションを披露しています。

特に、リウを家々の屋根の上を飛び越えて走り追いかけるのですが、ワイヤーや安全装置は一切つけずに撮影されたとのことで、衰えを見せることなくキレッキレの動きを見ることができます。

 

みどころ3 ラストシーンにも注目!

 

そして、ドニー・イェン氏を紹介した第2章のページでも少し触れましたが、本作ではスタントコーディネーターとして、日本人の谷垣健治氏が携わっています。

 

谷垣健治氏

日本のアクション映画監督。アクション監督を務めた主な作品に「宮本武蔵」(ドラマ)、「るろうに剣心」など。

ドニー・イェン氏との繋がりが深く、2018年公開予定のドニー・イェン氏主演作「肥龍過江」では監督を務めている。

 

また、スタントコーディネーターだけではなく、なんと、強盗犯のうちの一人を演じています(刀を振り回している方)。

 

また、ラストシーンはカンフー映画通の人でしたら、少し「あ!」と感じるかもしれません。

ラスボスの「片腕ドラゴン」を過去に演じたジミー・ウォング氏相手に、ドニー・イェン氏は片腕で闘いに挑むのです。

ジミー・ウォング氏へのオマージュを感じられる演出です。

 

片腕ドラゴン

ジミー・ウォング氏主演のヒット作品。片腕になった主人公が敵を倒すストーリー。

▼片腕ドラゴン(画像クリックでamazon prime videoへ。300円で視聴可能です)

 

【編集部コラム】実際に観てみました!

実際に「捜査官X」を観てみました!ドニー・イェン氏主演作品を観るのは「イップ・マン 序章」に続いて2作品目。こちらもさすが今回おすすめされているだけあってとても面白かったです!(「イップ・マン 序章」の紹介は一つ前のページで)

捜査官Xのドニー・イェン氏もイップマンを演じた時と同様にとても素敵な人物を演じており、それがとてもドニー・イェン氏にぴったり!もうドニー・イェン氏に惚れてしまいそうです。

序盤から捜査官Xはドニー・イェン氏と強盗犯によるアクションがあるのですが(強盗犯の1人が谷垣健治氏だという事は驚きでしたが)そこからもうこの捜査官Xというカンフー映画に引き込まれました。ドニー・イェン氏が2人の悪役相手に戦う姿は武術の達人そのもの

さらに今作の役では「一般人のふりをして倒す」というものなので「本当に一般人のように、たまたま相手を倒してしまった。けれどどこか武術の達人のようだ。」という演技を見事に演じきっていて「あっぱれ!」でした。

カンフー映画に興味が無かった方もアクション・ストーリー共にとても楽しめる作品なので一度騙されたと思って観てみていただければと思います!

 

この映画のおすすめポイントおさらい!

 

  • W主演ドニー・イェン氏&金城武氏、そしてドニー・イェン氏の出演!

原題はストレートな「武侠」というタイトルの通り、ストーリーも1970年代から流行りだした古き良きオーソドックスな「カンフー映画」そのもの!

  • 女優クララ・ウェイ氏のアクション!

クララ・ウェイ氏は2000年代に入った頃には体調不良などを訴えていましたが、本作では久しぶりのアクションを披露!

  • ラストシーンにも注目!

ラスボスの「片腕ドラゴン」を過去に演じたジミー・ウォング氏相手に、ドニー・イェン氏は片腕で闘いに挑む!

 

「捜査官X」視聴方法

 

<サービス名クリックorタップで公式サイトへ進めます>

サービス名 取り扱い 視聴方法
TSUTAYA TV 1007円~(税込)の見放題対象。DVD宅配サービスTSUTAYA DISCASも取り扱いあり(最低1007円(税込)~の会員か530円(税込:送料込)の単品料金で利用可能)
Amazon Prime Video 400円(税込)のプライム会員で視聴可能
Hulu ×
dTV ×
U-NEXT ×
YouTube 300円~で視聴可能
DVD(amazon)

 

以上、おすすめカンフー映画「捜査官X」でした。

次のページから第5章。第5章ではカンフー映画をより楽しむための寄り道話をご紹介。深くまでカンフー映画を楽しんでいただければと思います!

『カンフー映画入門』目次へ  (全38ページ)

 

【カンフー映画の取り揃えが豊富なのは「TSUTAYA TV」&「TSUTAYA DISCAS」!】

 

目次著者

はじめに

はじめに ~カンフー映画を楽しもう!~

第1章 カンフー映画とは

カンフー映画とは 【カンフー映画の歴史①】

ジミー・ウォング氏の時代 【カンフー映画の歴史②】

ブルース・リー氏の時代 【カンフー映画の歴史③】

ジャッキー・チェン氏の時代「酔拳・蛇拳」 【カンフー映画の歴史④】

ジャッキー・チェン氏の時代「プロジェクトA」 【カンフー映画の歴史⑤】

ジェット・リー氏とドニー・イェン氏の時代 【カンフー映画の歴史⑥】

第2章 カンフー映画スター俳優9選

ジミー・ウォング(王羽) 【カンフー映画スター俳優9選①】

ブルース・リー(李小龍) 【カンフー映画スター俳優9選②】

サモハン(洪金寶、サモ・ハン・キンポー) 【カンフー映画スター俳優9選③】

ジャッキー・チェン(成龍) 【カンフー映画スター俳優9選④】

ユン・ピョウ(元彪) 【カンフー映画スター俳優9選⑤】

ユン・ワー(元華) 【カンフー映画スター俳優9選⑥】

ラム・チェンイン(林正英) 【カンフー映画スター俳優9選⑦】

ジェット・リー(李 連杰) 【カンフー映画スター俳優9選⑧】

ドニー・イェン(甄子丹) 【カンフー映画スター俳優9選⑨】

第3章 カンフー映画を観る方法

カンフー映画を観る方法 【動画配信サービス比較】

第4章 おすすめカンフー映画13選

燃えよドラゴン(1973) 【おすすめカンフー映画13選①】

片腕カンフー対空飛ぶギロチン(1975) 【おすすめカンフー映画13選②】

酔拳(1978) 【おすすめカンフー映画13選③】

豚(とん)だカップル拳(1979) 【おすすめカンフー映画13選④】

ユン・ピョウinドラ息子カンフー(1981) 【おすすめカンフー映画13選⑤】

少林寺(1982) 【おすすめカンフー映画13選⑥】

霊幻道士(1985) 【おすすめカンフー映画13選⑦】

プロジェクトA(1983) 【おすすめカンフー映画13選⑧】

スパルタンX(1984) 【おすすめカンフー映画13選⑨】

七小福(夢に生きた子供達)(1988) 【おすすめカンフー映画13選⑩】

シティーハンター(1993) 【おすすめカンフー映画13選⑪】

イップ・マン 序章(2008) 【おすすめカンフー映画13選⑫】

捜査官X(2011) 【おすすめカンフー映画13選⑬】

第5章 カンフー映画の寄り道話

『七小福』とは 【ジャッキー達の子供時代】

アンジェラ・マオ 【女性カンフー映画スター3選①】

ノラ・ミャオ 【女性カンフー映画スター3選②】

ムーン・リー 【女性カンフー映画スター3選③】

千葉真一 【日本のアクションスター俳優①】

真田広之 【日本のアクションスター俳優②】

第6章 カンフーを習おう!

カンフー(功夫)とは

カンフーの種類 【長拳・南拳・太極拳】

大阪のカンフー教室・カンフー漫画「拳児」

著者:HARUKA

大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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