忍者村と一般企業への就職で迷っていたという筆者・シータ氏。そんなシータ氏が送る忍者から学ぶコミニュケーション力シリーズ!日本の人気者、忍者が実は現代のビジネスマン、特に営業マンに使えるマインドや術を使っていた!?仕事を頑張るあなたも、忍者が好きなあなたも必読のWebonです!!
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はじめに
第1章 忍者マインドで営業成功
第2章 忍術で営業成功
第3章 忍者を見習って営業成功!
著者:シータ
全国忍術大会出場歴有り。忍者好きながらも忍者の如く生きるため周囲には隠して生きる。だが、忍術や忍者に関することを知ってもらいたいという欲をおさえられず、ライターに扮している。普段は人の話を聴くことが多い。
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忍者マインド「逃げるが勝ち」
「逃げるが勝ち」という言葉がある。
日本人は「逃げることは恥」という価値観を持ちやすく、それが故に辛い会社・仕事を辞められなくなることもあるほどだ。
しかし、日本人の中で「逃げるが勝ち」を重要な価値観としていた者が昔から存在していた。
それが「忍者」である。
忍者は任務を達成するために「逃げること」を重視していたのである。
戦国武士の心得を書いた『軍法侍用集』という書には
「忍びに行く人の心得として忍は人から離れて逃げることを恥と思う必要はない」
という内容が書かれており、また忍びの心得を詠んだとされる『義盛百首』には
「敵に見つかれば逃げて帰るのが勝ち」
と書かれている。
忍者にまつわる書物はいくつかあるがその中で共通して書かれていることがある。それは「忍者は主君が戦に勝つために必要な情報収集をすることが第一の職務である」ということ。
忍者の任務遂行にあたっては、敵の城に忍び込み偵察を行ったり、情報を持っている者と接触したりと様々あるが、その任務の基本的な目的は「重要な情報を集め持ち帰ること」である。
任務中には、敵に存在がバレて、敵が情報を持ち帰らせまいと命を狙ってくることもある。
しかし、忍者はそのような時にも基本的に戦いをしない。
逃げることを最優先するのである。
忍術の一種に「虫遁の術(ちゅうとんのじゅつ)」や「人遁の術(じんとんのじゅつ)」といった「遁法(とんぽう)」という類があり、これらは敵の目を欺き逃げるための術である。
敵から逃げるための忍術の種類は多様であり、場面場面で使い分けるのである。
忍者はどうしても逃げ切れなくなった時だけ戦う。
逃げきって情報を持ち帰ることが忍者にとって何より大事で、目的達成こそが勝利なのである。
敵の弱みや状況、作戦などを知り、できる限り自陣の数を減らさず、また労力を使わずに勝つための作戦を立てることに情報は使われる。情報の中には敵国の中で自陣の味方になってくれる人物などの情報もある。
営業に通ずる忍者の「逃げるが勝ち」マインド
忍者の「逃げるが勝ち」というマインドは現代の営業でも通ずるところがあるだろう。
「営業」とは「生命保険」「新聞」「自動車」などの製品やサービスを買ってもらうこと、というのが一般的な認識だ。ただ実質のところ営業がすることはそれだけではない。
もちろん最終的には「買ってもらう」ということが前提ではあるが、「買ってもらう」という目的を達成するまでの過程にはいくつものハードルが存在するのだ。
最終地点に至るまでには、まず「商談先や取引先が抱えているニーズ」や「相手もまだ認識していない課題」という情報を収集しなければいけないのである。
「情報の引き出し」や「課題整理」がないまま「売る」という行為に及ぶと、取り合ってもらえないことや時には怒らせてしまうこともある。
例えば、保険という商品でお客様がお子さんの教育費を貯蓄するために「学資保険」を検討していたとする。そういったお客さんの情報を引き出さずに「生命保険」の説明ばかりしていたら、お客さんも辟易してしまう。
つまり、営業の目的は「買ってもらう」ということであるが、ニーズや課題などの「情報収集」をすることは何かを買ってもらう上で最も重要な手段なのである。
また、飛び込み営業や訪問販売でも、見知らぬ者同士が出会ったその場で商談をすることになるのだが、ここで「逃げる」という技を使うことでうまくいく場合がある。
忍者の「逃げるが勝ち」という言葉には「戦いの構造から逃げる」という意味合いもある。
事前にアポイントをとった商談であっても、飛び込み営業や訪問販売では、相手にとってこちらは基本的に不審者である。警戒心を持って接してくるのが通常であろう。
そのような場面で「私は怪しいものですが、この商品いりませんか?」と言う営業マンはいないであろう。
忍者も敵に向かって「私は忍者です」とは言わない。
要するに「売ろう」という気持ちが全面にあると、対立構造ができてしまい相手は買う行為から身を引きやすくなる。
そのため最初は売りたい気持ちはひた隠しにしておいて、対立構造をさけ、その前に情報収集をすることが大事なのである。
具体的なコミュニケーション方法は後で紹介するが、ここで覚えてもらいたいことは「逃げる」というマインドが、営業にとっては重要だということだ。
忍者の任務と営業との違いは、相手と情報共有するかどうかである。忍者は相手に情報を与えずに情報収集をするが営業では相手に自分の素性を明かして情報収集を行う。
ただ、忍者も営業も得た情報を他者やライバル会社にばれないよう、または重要書類や機密文書を紛失や盗難に合わずに持ち帰る必要がある。
読者の方は容易に想像できることだろうが、これらも忍術から学べることがある。
このように忍者のマインドや術が営業に役立つ、という事がお分かりいただけただろう。引き続き、一緒に忍者から営業を学んでいくでござる・・・いくとしよう。
忍者の第一の任務は情報収集。暗殺などの任務も主君の命によってはあるが、敵方も策を講じているため、暗殺が容易にできたわけではない。忍者はひとつの主君に忠義を尽くすという形で、現代でいうところの専属契約みたいなもの。フリーランスだと裏切者扱いされかねないだろう。
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