忍者村と一般企業への就職で迷っていたという筆者・シータ氏。そんなシータ氏が送る忍者から学ぶコミニュケーション力シリーズ!日本の人気者、忍者が実は現代のビジネスマン、特に営業マンに使えるマインドや術を使っていた!?仕事を頑張るあなたも、忍者が好きなあなたも必読のWebonです!!
『忍者から学ぶ営業の極意』はこちらから!
はじめに
第1章 忍者マインドで営業成功
第2章 忍術で営業成功
第3章 忍者を見習って営業成功!
著者:シータ
全国忍術大会出場歴有り。忍者好きながらも忍者の如く生きるため周囲には隠して生きる。だが、忍術や忍者に関することを知ってもらいたいという欲をおさえられず、ライターに扮している。普段は人の話を聴くことが多い。
お問い合わせはこちらから
『忍者から学ぶ営業の極意』目次へ (全8ページ)
忍者にとって忍術とは、重要な情報を集める任務を果たすために必要なものだ。その忍術には大きく分けて“陽術”と“陰術”があり、情報収集はこれら2種類の忍術を使い分けて行われる。
▼陽術と陰術
陽術 | 陰術 |
人前に出て情報収集 | 人目につかず情報収集 |
陽術
白昼堂々と敵や人の集まるところに紛れこみ情報収集を行う忍者を「陽忍」と呼ぶ。陽忍が主に使う術を「陽術」という。
陽術は人の中に自然に紛れ込み、かつ忍者とばれないで情報収集をする術である。
つまり陽術における肝は、任務完遂まで「忍者とばれない」ことである。
忍者とばれたら、すべてがお終いになる。
会話一つからも怪しまれないように、日々全国の言葉を学んだり、習慣を知るための人脈を広げたりしている。
そして、陽術を身につけるための鍛錬を日々積み重ねている。
陽術の術名としては、「虚無僧」「出家」「山伏」「商人」などに扮する「変装術」、敵地の武家屋敷に味方の女忍者をあらかじめ潜入させておく「くノ一の術」などがある。
ちなみにくノ一の術では女中という形で雇われたり、屋敷の前で「お腹が痛い」などと急患のふりをして助けてもらったりして潜入する。
自分が紛れ込むだけでなく、敵地の人間を味方にして利用する術や、敵の忍者を迎え入れて情報を引き出す術もある。
危険だが「弛弓術(しきゅうじゅつ)」というあえて敵方に捕らえられる術もある。
さらに捕らえられ敵将から二重スパイになるよう勧められたとき、承諾して敵側に寝返る。
しかし、それは偽りの寝返りであり、情報を集めておいて、時が来たらまた元の味方に戻るのである。
つまり陽術と言うのは、その身をさらすことで「相手にとって有益/無害な存在である」というメッセージを伝える技法であり、またそう信じ込ませるための環境づくりだ。
これは、まさしく営業活動そのものと言える。
陽術で営業成功!
忍者と違って現代で身分を隠すことは怪しさ満点の行為でしかなく、営業では、会社名や肩書、部署名などを公にさらして活動する。
ただ、身分をさらしているのは「欲しい情報を手にいれるため」でもある。現代的計略と言える。
営業活動において取引先にしたい会社のイベントや、合同展示イベントなどに参加したり、可能であれば他社と共同で事業展開を行ったり、といったことも広い意味での「営業活動としての陽術」である。
陽術の中に「略本術」といわれる術がある。
略本とは「基本的なことは省略する」こと。つまり略本術とは忍者の基本的な技術・知識として心得ておくべきものなのである。七カ条あるので紹介しよう。
1、敵方の陣地の様子、物頭・奉行・近習・使番などの氏名・住居などをよく調べて、覚えておくこと。
2、敵方にそむいて浪人となった者、出入りの商人、職人、猿楽などに近づき、敵状を調べておくこと。
3、自分の生まれを偽るために、他国の風俗・方言・地勢に関してよく知っておくこと。
4、さまざまな国の城主の偽印・筆跡・花押をならっておくこと。
5、仮妻・仮子をともなって行くこと。
6、味方との連絡方法や合図をよく決めておくこと。敵の合言葉・合印を知りおくこと。
7、胴衣・肩衣などを多数ほど色染めにして持ち歩くこと。
略本術で多く書かれていることは「相手のことをよくよく調べ上げなければならない」ということである。
そして、相手の立場に立ちきれるかが、成功失敗の岐点になるということだろう。
相手の立場に立つには相手の文化や置かれている状況、相手の性格や認識傾向など相手のことを事細かく把握することが必要なのである。
陰術とは
さて、次は陰術である。
人目を避けて塀や壁を超えて忍び込み、ひそかに情報を得る忍者を「陰忍」と呼び、陰忍が使う術を「陰術」という。
陽術に対して陰術は、姿を隠して敵の陣地・屋敷・城郭に忍び込む術であり、一般的な忍者のイメージとしては定着しているであろう。
こちらは、現代においては違法侵入罪で問われてしまう類の技である。
防犯と犯罪の技術が表裏一体であり、あとは使い方次第ということと同じで、その時世によって善悪が変わる。
陰術の伝えでは、敵陣地に忍び込みやすく情報を得やすいタイミングの心得があり、それを「忍び入りの好機」という。
・祝言当日の夜、もしくは翌夜。
・病後の夜。
・遊興の夜。
・隣家に事件があった日の翌夜。
・死者がでて近親者が悲しみにくれた日と、それから二、三日の夜。
・雨風の強い夜。
・騒動のあった日の夜。
このような時を指す。
これらのタイミングが営業にどう活かせるか?
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺の意味に近いものがある。
世間の動きを捉えることで、ある商品が売れたり、ある事業が必要になるタイミングが発生するので、そのタイミングを逃さないように構えておくことが大切ということ。
世間に動きがないように見えているだけで本来この世は常に変化しているので、動きがないように感じる・思える時はその要因を探るのだ。
このように忍者の陰術を使うタイミングから営業マンは学べることがあるのである。是非、忍者に負けないくらいのグッドタイミングで営業をかけてもらえればと思う。
『忍者から学ぶ営業の極意』目次へ (全8ページ)