2.5次元舞台の鑑賞方法 【劇場編① チケット入手方法】

Webon紹介目次著者
2.5次元舞台はアニメやゲームを舞台化した作品であり、近年ブームが起きています。その理由や作品を知ればきっと劇場に足を運びたくなることでしょう。

『2.5次元舞台』入門はこちらから!

著者:ゆうり藍

20代後半女性2.5次元舞台を中心に観劇が大好きなフリーライター。多い時で年間50公演以上観ることも。好きな作品は「ミュージカル テニスの王子様」「刀剣乱舞」「TRUMP」シリーズ「破壊ランナー」など。

お問い合わせはこちらから
twitter【ゆうり藍】https://twitter.com/yuriran1

 



 

2.5次元舞台について説明してきましたが、実際に舞台を観てみることを強くおすすめします。

この章では2.5次元舞台を観る方法について解説していきます。

まずは「チケットを入手する方法」についてお伝えいたします。

 

チケットを入手するには準備が必要

 

2.5次元舞台を劇場で観るために必要なものは何と言ってもチケットです。

チケットさえあれば舞台は観れます。

しかし、観劇に馴染みがないとチケットの購入方法や購入するタイミングがわからないということもあるでしょう。まずは、チケットの取り方について説明します。

 

ちらしなどに書かれているチケットの発売日は一般発売日であることが多いです。しかしながら、2.5次元舞台のチケットは一般発売日の2~3カ月前から先行発売が行われることがほとんどです。

人気の舞台であれば一般発売に回るチケットの枚数も少なく、発売して即完売ということも珍しくありません。そのため、絶対に観に行きたい舞台は先行発売で確保しておくのがポイントです。

このページでは先行発売について詳しく解説していきます。

 

先行発売

チケット代の相場

 

先行発売のチケットの種類について知る前に、まず気になるのはチケット相場ではないでしょうか。

最近は席のランク(前方席とそれ以外の一般席)で金額を分けることが多いです。

前方確約席(プレミア席/スペシャルシート)で9000円~1万円

一般席が7000円~8000円

が相場かなと思います 。

 

先行発売の種類一覧

 

下記は先行発売の種類の一覧になります。詳細についてはこのページで解説しています。基本的にチケットを誰が獲得するかは全て「抽選」によって決定されます。

 

先行発売の種類 チケットの取り方
DVD、Blu-ray、CD購入者先行 シリアルナンバーで申し込み
ゲームユーザー先行 アプリ内から申し込み
ファンサイト、公式サイト先行 有料会員の特典
制作会社、2.5次元ミュージカル協会先行 舞台制作会社、2.5次元ミュージカル協会のサイトに登録
チケットガイド先行 一般発売日の前に申込み

 

チケット入手方法

「DVD」「Blu-ray」「CD」購入者先行

 

シリーズものの舞台によくあるパターンです。

前作のDVD・Blu-rayやCDを購入するとシリアルナンバーが封入されており、シリアルナンバーごとに申込みができるというものです。

チケットが購入できるかどうかは抽選になります。

 

シリアルナンバーごとに申し込むことができるため、人気作のファンになると大量に積む(複数枚のDVDやCDを買うこと)場合もあるようです。

 

シリアルナンバー付き作品の例

・舞台「刀剣乱舞」(序伝再演版、義伝、ジョ伝とシリーズ3作品にシリアルがついていました)

・ミュージカル「刀剣乱舞」(DVDではなくCDに先行のシリアルが封入されています。)2018/11/14発売

「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~結びの響、始まりの音~」にも次回作のシリアルナンバー封入予定です)

・ツキステ。 

 

ゲームユーザー先行

 

原作がアプリゲームの場合などによく行われます。

原作ゲームのユーザー向けの先行で、アプリ内から申込みを行うことができます。

 

チケットが購入できるかは抽選になります。

アプリのダウンロードや登録は必要ですが「ここまでクリアしていないとダメ」ということはまずないので、ゲーム原作の2.5次元舞台を観に行く場合は登録してみてください。

 

▼アプリ先行発売の作品例:あんさんぶるスターズ!

ファンサイト、公式サイト先行


(引用:https://www.tennimu.com/supporters/)

 

ミュージカル「テニスの王子様」ミュージカル「刀剣乱舞」など有料のファンクラブやファンサイトを持っています。そうした作品では有料会員向けの先行発売があります。こちらもチケットの購入は抽選です。

 

また「公式サイト先行」という名前で、先行発売を行う場合があります。

この場合は、申込み期間内であれば、誰でも(有料会員でなくても)公式サイトのリンクから購入できます。公式サイト先行の場合もチケット購入は抽選が多いですが、一部先着順という場合もあります。

 

▼<有料会員サイトの例>ミュージカル「テニスの王子様」の有料ファンクラブ詳細

ファンクラブ名 テニミュサポーターズクラブ
会員特典 ・公演チケット先行販売
・オリジナル会員証
・会報(年2回)
・会員限定イベント
会費 初年度年会費、新規入会費 4,100円(税込) (年会費3,100円+入会費1,000円) ※2年目からは年会費のみ。
リンク https://www.tennimu.com/supporters/

※情報は2018年現在のもの。

 

制作会社による先行


(引用:マーベラス公式ウェブサイト

 

マーベラスやネルケプランニングといった舞台制作会社では会員サイトを持っていて、登録している会員に対して先行発売を行っています。

<会員サイトリンク>
マーベラス公式ウェブサイト
ネルケプランニング公式サイト

 

どちらも登録は無料なので、観に行きたい舞台がある場合は登録しておきましょう。

 

さらに、2.5次元ミュージカル協会でも2.5フレンズという会員専用ページがあり、登録すると先行発売のお知らせがメールで届きます。

こちらも登録は無料なので、是非チェックしてみてください。

チケットの販売は抽選であることが多いです。

▼2.5フレンズの会員専用ページ

(引用:2.5次元ミュージカル協会公式サイト

 

チケットガイド先行

 

2.5次元舞台のチケットはイープラス、ローソンチケット、チケットぴあの3社のいずれか(または複数)が販売することがほとんどです。

 

チケットサイト リンク
イープラス https://eplus.jp/sys/main.jsp
ローソンチケット https://l-tike.com/
チケットぴあ https://t.pia.jp

 

各社ともに一般発売日の前に「プレリクエスト」や「先行抽選」といった名称で申込みを受け付け、抽選でチケットを販売します。

 

作品や制作会社によるところが大きく、必ずしも上記すべての先行発売が行われるわけではありません。

だいたい3~5回程度、一般発売前にチケットを購入するチャンスがあります。

早い先行で確保したチケットほど座席が良い(前方やセンターブロック)とも言われており、可能であれば早い先行から申込みをしたいところです。

 

チケット獲得のための情報収集

 

先行発売の申込み期間をチェックするためにも、舞台を観に行く前の情報収集が欠かせません。

チケットの発売情報は公式サイトのTwitterで告知されることがほとんどなので、Twitterをチェックしておくのが最も確実と言えるでしょう。

 

▼公式Twitterによるチケット情報参考

 

当日券

 

2.5次元舞台では当日券が出ることもほとんどです。枚数は前売りチケットの発売状況などにも左右されますが、平日公演などでは意外と購入できることも。

当日券の発売方法として多いのは、指定時間までに並び、並んだ人数が当日券の枚数より少ない場合はそのまま販売し、多い場合は抽選を行うというものです。

人気作になると数枚のチケットにたいして300人以上の人が詰めかけたケースもあります。

 

<筆者コラム>人気作の例
私の経験ですが、2017年3月のミュージカル「刀剣乱舞 三百年の子守唄」は当日券の整理券番号が300番台でした。(列に並んで整理券を受け取り、時間になったら当日券が買える人の番号が掲示される方式)

最近は当日券に数百人レベルで集まるような作品は、整理券自体を事前発券にするなど会場に人が集まらないようにしていることもあります。 

 

 

【2.5次元舞台作品が豊富なのはdアニメストア!初回31日間無料】



 

2.5次元ミュージカルのブームと今

Webon紹介目次著者
2.5次元舞台はアニメやゲームを舞台化した作品であり、近年ブームが起きています。その理由や作品を知ればきっと劇場に足を運びたくなることでしょう。

『2.5次元舞台』入門はこちらから!

著者:ゆうり藍

20代後半女性2.5次元舞台を中心に観劇が大好きなフリーライター。多い時で年間50公演以上観ることも。好きな作品は「ミュージカル テニスの王子様」「刀剣乱舞」「TRUMP」シリーズ「破壊ランナー」など。

お問い合わせはこちらから
twitter【ゆうり藍】https://twitter.com/yuriran1

 

『2.5次元ミュージカル入門』目次へ  (全14ページ)

 

第1章では2.5次元ミュージカル(舞台)をより楽しむために4ページにわけて基礎知識を解説しています。このページでは2.5次元ミュージカルのブームについて解説していきます。

<第1章のページ>
定義
テニミュ
ブームと今】(当ページ)
俳優

 

2.5次元ミュージカルの作品数

 

2.5次元ミュージカル(舞台)作品の動員数・市場規模は右肩上がりで成長を続けています。

特に2012年以降の伸びは大きく、2012年に65億7700万円だった市場規模は2017年には156億円と2倍以上となっています。

 

(データ参考:https://www.oricon.co.jp/confidence/special/51523/)

 

また、2.5次元ミュージカル(舞台)のタイトル数も2012年までは50本に満たなかったのが、2012年は100本を超え、2017年には171本と増えています。

 


(データ参考:https://www.oricon.co.jp/confidence/special/51523/)

 

このような2.5次元ミュージカルの作品数の増加の背景には2つの理由があると考えられます。

 

1つは「長期シリーズとなる作品が増えた」ことです。

「テニミュ」の愛称で親しまれるミュージカル『テニスの王子様』(2003年初演)をはじめとして、

「弱虫ペダル」(2012年初演)

「薄桜鬼」(2012年初演)

「刀剣乱舞」(ミュージカル版2015年初演)

など、初演から2018年現在に至るまで、長くシリーズ化した舞台が多くなりました。

ファンが多い作品であれば、シリーズ化(続編が作られること)することで長期的に舞台作品も追いかけてくれます。

 

2つ目の理由は「新作が増えた」ことです。

女性をターゲットとしたアニメ・漫画・ゲーム作品では舞台化を念頭においたメディアミックス(=「テレビと漫画」などの異なるメディアが合わさって商品が作られる事)が行われることが多くなりました。

2018年も「文豪ストレイドッグス」や「夢色キャスト」「A3!」など多数の新作が上演されています。

 

▼文豪ストレイドッグス

漫画×舞台

▼夢色キャスト

ゲーム×舞台

▼A3!

ゲーム×舞台

 

以前は舞台化が発表されると不安や疑問の声が多く聞かれましたが、ここ数年で「あの作品は舞台になりそうだったけど、やっぱり舞台化された!」という声や、キャストの発表を楽しみにするファンも増えました。

それだけ特に女性をターゲットとした作品においては、2.5次元ミュージカルは馴染みのあるものになっているということです。

 

 

広がる作品の差

 

作品数の増加とともに人気作とそうではない作品の差も大きく広がりました。

チケットがなかなか取れず、一般発売でもすぐに売り切れという舞台もあれば、なかなかチケットが売れず客席が埋まらない作品もあります。

 

また、質の高い演技や演出が楽しめる作品がある一方で、原作ファンが納得できない舞台化もあります。

 

【コラム】原作ファンが納得できない舞台化って?

・衣装やウィッグの質が悪く、ビジュアルイメージが満足できない

・舞台オリジナルのストーリーだが、原作で受けるキャラクターのイメージとそぐわないストーリーになっている

・新人の役者が多く、演技の面でキャラクターの再現ができていない。また、歌やダンスの技術力不足

納得できない要因として大きいのは一番最後に挙げた役者の技量不足かと筆者は思っています。

作品数が増えたために、作品によってはほぼ初舞台というキャストで上演する作品もあり、お遊戯会と揶揄されることも少なくありません。 

 

2.5次元ミュージカル(舞台)はもともと原作ファンが持つ舞台化への強い抵抗感や拒否感を、作り手側の熱意や工夫によって覆してきたジャンルです。

市場規模が広がった今だからこそ、質の高い作品を制作サイドには求めていっていただきたいと思います。

 

ブームで拡大するターゲット層

男性向け作品

 

ここ2017年~2018年の特徴として、男性に人気がある作品やキャストを起用している2.5次元舞台が増えていることがあります。

「けものフレンズ」や「魔法先生ネギま!」といった女性キャストのみの作品や、女性キャスト中心の作品が上演されました。

 

▼舞台「けものフレンズ」(画像クリックで商品詳細へ)

▼舞台「魔法先生ネギま!」

 

男性向けの舞台化作品は、役者ではなく声優を舞台版キャストに起用するパターンが多いことが特徴的です。

 

また、乃木坂48版「セーラームーン」のようにアイドルグループのメンバーをキャスティングし「原作ファン」よりもむしろ「キャストファン」にたいして訴求力を高めているというケースも見られます。

 

▼乃木坂48版「セーラームーン」

 

一方で、キャストファンにたいして訴求力を高めるのではなく「Fate/Grand Order」のように原作ファンを引きつけ、続編が決まった作品もあります。

 

Fate/Grand Order

スマートフォン専用のRPGゲーム。日本ゲーム大賞2018優秀賞を受賞している。コミック化、アニメ化などメディアミックスを展開している。2017年9月に舞台化。

▼アニメ「Fate/Grand Order」(画像クリックで商品詳細へ)

この作品の解説は第3章でしています。

 

男性向け作品もこれまでの女性向け作品のように原作ファンが足を運ぶのか、2.5次元舞台へのファンが定着するのかは今後注目していきたいところです。

 

 

海外ファンからの支持

 

2.5次元ミュージカルは海外での人気も高まっています。

2015年から上演を続けているミュージカル「刀剣乱舞」は中国やフランスでも上演されており、海外のファンからも支持を受けているのがわかります。

 

刀剣乱舞

DMMゲームスとニトロプラス(ゲームメーカー)が共同製作したPC版ブラウザゲーム。「刀剣男士」として擬人化された名だたる名刀を育成するゲーム。映画は2019年に公開。2015年にはミュージカル、2016年には舞台化された。

▼ミュージカル「刀剣乱舞」映像作品(画像クリックで商品詳細へ)

ミュージカル「刀剣乱舞」については第2章で解説! ミュージカル「刀剣乱舞」については第2章で解説!

 

また、海外公演とまではいかなくてもライブビューイング(舞台公演をリアルタイムで映画館に配信し、映画館で観劇できるイベントのこと)は中国、台湾、香港などを中心に、海外の映画館に向けて配信されることが少なくありません。

 

オリジナル作品

 

2.5次元ミュージカルは「作品ファン」から「キャストファン」になり、さらに他の作品にも足を運ぶという流れが生まれています。

その流れの中で、2.5次元ミュージカルによく出演する若手俳優を起用した原作のないオリジナル舞台の制作も増えています。

 

▼作品ファンからキャストファンになる流れ

 

原作のないオリジナル舞台の制作の例でいえば、2018年に制作された「御茶ノ水ロック」はテレビドラマの放映、ドラマ終了後に同じキャストで舞台版の上演を行いました。

 

▼ドラマ「御茶ノ水ロック」(画像クリックで商品詳細へ)

 

2.5次元ミュージカルにも多く出演するキャスト陣を起用した本作は、2.5次元ミュージカルファンをターゲットにした作品だと考えられます。

ドラマ放送から始まった「御茶ノ水ロック」は、コミカライズ作品やノベライズ(小説)作品が発売され、3次元が2次元化する”逆2.5次元”ともいえる現象が起こりました。

 

【筆者に聞きました!】御茶ノ水ロックは2.5次元ミュージカル?

「御茶ノ水ロック」はコミックもリリースされていますが、テレビドラマが原作となっているので、ドラマのコミカライズ(コミック化)になります。

2.5次元ミュージカル(舞台)の定義としては漫画が原作である作品の舞台化になるので、筆者の考えとしては2.5次元ミュージカル(舞台)ではないと思っています。

ただ、キャストも含め2.5次元ミュージカルファンをメインターゲットにしているように見てえるため、人によっては2.5次元ミュージカル(舞台)にカテゴライズする人もいるのではないかと思います。 

 

2.5次元ミュージカルならではの魅力である原作世界観の表現やキャラクターが目の前にいる感覚が当たり前になってきた今、お馴染みのキャスト陣でのオリジナル作品に新たな需要が生まれているのかもしれません。

 

以上、「2.5次元ミュージカルのブームと今」でした。

次のページでは2.5次元ミュージカルを支える俳優さん達について解説をしていきます。

『2.5次元ミュージカル入門』目次へ  (全14ページ)

 

【2.5次元ミュージカル作品が豊富なのはdアニメストア!初回31日間無料】