『バス釣り初心者入門』目次へ (全15ページ)
このWebonでは、段階的にバス釣りの基礎知識を身に付けていくことで、実際にバス釣りに足を運んでいただくことを目的としています。
ここまで「基礎知識」「釣り場所」について解説してきました。
この第3章では4ページにわたって「バス釣りに使う道具」について解説していきます。
バス釣りに必要な道具
前述したようにバス釣りでは、様々な道具を使いますが、初心者が最低限必要な道具は「ロッド(釣り竿)」「リール(糸を巻く回収機)」「ルアー(疑似餌)」「ライン(釣り糸)」の4種類です。
まず、魚を釣るために「ロッド(釣り竿)」は必須の道具ですよね。
「ライン(糸)」の先端に「ルアー(疑似餌)」をつけて魚をおびき出し、魚が食いついたら「リール(回収機)」を回して、糸を巻き取り魚を釣ります。
魚を釣るまでの流れを見ていくと、これら4種類の道具が必要なのは理解できるところかと思います。
ルアーのシルエット(形)も数えきれないほどの種類がありますから、バス釣りは普通の釣りに比べると多数のタックル(釣り具)を使用するのです。ルアーの投げられる重さに準じたそれぞれのロッド(釣り竿)がある場合もありますので、たくさんのタックルを必要とするのです。
あまり道具の数をたくさん必要としなかった従来の餌釣りと比べて、バス釣りは道具選びもバリエーションに富んでいるので、それだけ楽しみも増えてより多くの人に愛される釣りへと変化してきているんですよ。
バス釣りに必要なな道具「ロッド」「リール」「ルアー」「ライン」についてここから4ページにわたって解説しますが、このページでは「ロッド(釣り竿)」について解説します。
ロッドとは
釣りを始めるうえで重要なアイテムが「ロッド」です。すなわち「釣り竿」です。
世の中には、様々な種類の釣りがあり、それぞれのシチュエーションに応じてロッドの種類も細かく分けられています。
例えば「鯉釣り(こいづり)」用には鯉釣り用のロッドを「海釣り」用には海釣り用のロッドを、という風にジャンル分けされているんですね。
バス釣りに使うロッドも例外ではなく「バス釣り用ロッド」として多くの種類がリリースされています。
これはどういうことかというと、狙う魚やフィールドによって魚の大きさも違えばフィールドの広さも異なるため、同じロッドを使ってしまうと多くの不具合が生じてしまうということなんです。
極端な例ですが、海でマグロのような大きな魚を狙うのに、フナや鯉を釣るための柔らかめの述べ竿(下図参照)ではすぐに折れてしまって全く役に立ちませんよね…。そのため、釣りのジャンルに応じたロッドを使い分ける必要があるのです。
▼述べ竿の例(竿に糸を結んだだけの釣り竿)
ロッドの選び方
バス釣り用のロッドは素材の違う「グラスロッド」「カーボンロッド」の2つに分けることができます。さらに、状況に応じて使い分けられる「スピニングロッド」「ベイトロッド」があります。
「グラスロッド」「カーボンロッド」という素材を決めた後、「スピニングロッド」か「ベイトロット」のどちらにするかを考えます。
その上で、スペック(硬さ、長さなど)の違いを比較して、自分にあったロッドを選びましょう。
ロッドの素材
ロッド選びにおいて「素材」というのは最も重要な要素にあたります。前述しましたがロッドの素材は「グラスロッド」「カーボンロッド」の2種類に分けることができます。
グラスロッド
1つは、ガラス繊維を固めて作ったグラスロッドと呼ばれる釣り竿。
これは、内部がガラス樹脂でできているため、自重(竿の重さ)が重いものの、ゆっくりとしなやかに屈曲する(曲がる)性質があり、魚をバラしにくい(逃げられにくい)といったメリットがあります。
カーボンロッド
もう1つは、カーボンロッドと呼ばれるもので、炭素繊維を樹脂で固めた、軽くて反発力の強い釣り竿。
反発力(=竿がしなった時に元に戻ろうとする力)が強いと軽いルアーなどでも容易に投げることができます。(通常ルアーが軽いと狙いが定まりにくい)
また、素材が軽いがゆえに扱いやすく、食い込み(=針が魚の口に掛かった時の効果)も抜群なので、初心者にも多く使用されています。
昨今ではカーボンロッドが主流となってきていますが、バス釣りにおいては、パワーとトルク※が必要な一部のシーンで、まだまだグラスロッドも根強い人気を誇っているんですよ。
名称 | 素材 | 特徴 |
グラスロッド | ガラス繊維 | 竿が重いがゆっくりとしなやかに曲がる。魚に逃げられにくい。パワーとトルクが必要な一部のシーンで使えるので人気。 |
カーボンロッド | 炭素繊維 | 軽くて反発力が強い。軽いルアーを投げやすい。扱いやすい。昨今では主流となっている。 |
スピニングロッドとベイトロッド
素材を決めたら続いては状況に応じた特徴を持つ2つのタイプから選びます。
バス釣り用のロッドは、フィールド(釣り場)や様々な状況に応じて使い分けられるよう「スピニングロッド」「ベイトロッド」2つのタイプが用意されています。この2つを以下で解説していきます。
ちなみに両者とも対応した「リール(回収機)」があります。
「スピニングロッド」に対応するのは「スピニングリール」です。糸を横に巻き取るタイプのリールです。
「ベイトロッド」に対応するのは「ベイトリール」です。糸を縦に巻き取ります。
リールについては次のページで解説いたしますのでひとまずこれだけ覚えておいてください。
スピニングロッド
「スピニングロッド」は、操作も簡単で初心者にも扱いやすいスピニングリールにセットされるロッドです。(スピニングロッドに対応するスピニングリールは、糸を巻き取る際のトラブルが少なく、初心者でも簡単に使いこなせます。)
特徴として「スピニングロッド」は、比較的ライト(軽い)なタックル(釣り道具)を用いる際に使用されることが多く、より繊細に、警戒心が高くなっているブラックバスなどを狙う場面で多く使われます。
ベイトロッド
もう一方は「ベイトロッド」といって、初心者の方には少し扱い方が難しい「ベイトリール」に装着されるべき中級者向けのロッド。(ベイトリールは巻き取る際に糸が絡んでしまうトラブルが多いです。)
自重(=ルアー自体の重さ)の重いルアーを投げたり「魚がどこにいるのかを判別するのにガンガン探りたい」といったときに多く使われます。
ちなみに魚がどこにいるか判別する方法はルアーをガンガン投げて、反応のあるなしで魚の居所を探していきます。
手当たり次第に釣り歩くような場面では「ベイトロッド」が向いていると言えますね。
使い分け方・特徴違い一覧
キャステイング(=仕掛けを狙ったポイントに投げること)に慣れるまでは、初心者向けの「スピニングロッド」を使い、慣れてきたら中級者向け「ベイトロッド」のランガンスタイルに切り替えるといった使い分けがいいかと思います。
▼ランガンスタイルとは
参考までに、以下に「スピニングロッド」と「ベイトロッド」の特徴や違いを明記しておきますね。
種類 | 対象 | 特徴 | 使い分け方 |
スピニングロッド | 初心者向き | ベイトロッドに比べ、ロッドの径(直径)も細いものが多く、感度も優れている。 | 繊細な釣りや軽めのルアーを用いる際に使用する。 |
ベイトロッド | 中~上級者向き | スピニングロッドよりは太いものが多く、がっしりとしており、トルク(粘り)のある釣りが展開できる。 | 重めのルアーを使ったり、ガンガン狙う攻めの釣りに向いている。 |
スペック(硬さ・長さなど)
素材と使い分けで購入するロッドを絞れたら最後にスペック(硬さ・長さなど)でに最終決定を行います。以下でスペックの表記の見方とスペックによる使い分けの特徴を解説していきます。
表記
購入してみると分かるのですが、バス釣りのロッドには、それぞれにロッドのスペック(仕様)を表すアルファベット表記が記されています。
スペックとはつまり「長さ」「硬さ」などのことです。
つまりそれぞれに性格や性質が異なるという事なんですね。
ロッドの硬さは「絶好の場所でこれしかない!」といったルアーを投げる時にマッチした硬さでないと「思ったところへルアーが飛んで行かない」といったデメリットが生じます。結果、これまた釣れないといった負のスパイラルに陥ります。
釣り方や釣り場の状況に応じて硬さ長さの違うロッドを使い分けることができるのも、この釣りの魅力なんです!
硬さや長さを表した表記は、ロッドを握るグリップの少し上に記されていることが多いので、購入した際は是非1度確認してみてくださいね!
実際の表記は、以下のような感じです!
▼表記例と表記の意味
硬さの表記
上記の表記例では、硬さはML(ミディアムライト)と表記されていますが、バス釣り用のロッドでは、硬さの表記は一般に7種類。
ちなみに「硬さ」とは「ロッドのパワー」と言えます。パワーがあるほど十分な耐久性を持ち、大物との格闘も楽になります。ロッドのパワーがある竿は若干、硬めなのです。
一方で、柔らかいロッドはその分パワーがありません。大物には適さない反面、軽いルアーが投げやすいというメリットがあります。軽いルアーで繊細に攻める際に特に有効です。ロッドのパワーがないといっても、ある程度の大きさの魚を釣るくらいのキャパシティはありますので、フィネス(繊細な)な釣りを展開する際に多く用います。
硬さの種類と呼称、特徴などを以下にご紹介します。
名称 | 特徴 |
UL(ウルトラライト) | おもに超繊細な仕掛け(=軽いルアー)を用いる際に使用するロッド。3グラム以下の軽めのルアーを投げる際に多く使われます。 |
L(ライト) | ULよりは少し硬めの調子(調子=しなり具合)で、5~10グラム前後のルアーやリグ(仕掛け)に対応するライトパワー。繊細に攻めることができ、アタリ(魚が食いつく)を取りやすいのが特徴です。 |
ML(ミディアムライト) | ライトロッドよりも竿調子は硬め。一般的にあらゆるシーンに使えるバーサタイル(=万能)ロッドとして知られており、ほどよい柔らかさと硬さが調和したおすすめのパワーです。 |
M(ミディアム) | ビギナーであれば、まず最初に購入するべき硬さ。繊細な釣りから、ハードルアーを用いた釣りまで全てをこなす中間的な硬さです。 |
MH(ミディアムヘビー) | H(ヘビー)とM(ミディアム)のちょうど中間に位置する硬さで、7グラム前後の軽量ルアーから30グラム前後のハードプラグ(=ハードルアー)までを操れるヘビースペック。ランカーサイズのブラックバスのみに的を絞って狙う際におすすめの硬さです。 |
H(ヘビー) | 葦(あし:水際の背の高いイネ科の植物)やブッシュ(茂み)といった通常狙いにくいポイントから、勢い良く魚を引き抜く際におすすめの硬さ。トルクがあるため、無理やり魚を引っ張り出すことが可能となります。 |
XH(エクストラヘビー) | 硬さの中では、最上級に位置するスペックで、ビッグベイトと呼ばれる大型で重いルアーをストレスなくキャスト(目標に目がけて放つ)できる破壊力ある硬さ。 |
ロッドの硬さや長さは、実際に手に取り、フィールドで握ってみて初めて使いやすさが分かるかと思います。
狙う魚の大きさや使うルアーの重さ、フィールドによって使い分けられるという事だけは知っておいてくださいね!
初心者おすすめロッド3選
ブラックバスを狙うための専用ロッドは、釣り具屋さんなどの量販店で購入することが可能です。
また、初めてのロッド選びの基準としては、軽くて扱いやすく、価格も比較的安く購入できるものを探すこと。
標準的なスペックとしては、10000~13000円くらいのスピニングロッドで、ミディアムクラスの硬さのもの(下リンクのもの)を選ぶとよいです。
▼筆者おすすめ初心者向けロッドを買う
これくらいのものであれば、耐久性もあり、長く使えるのでおすすめです。長さに関しては6フィートから7フィートクラス前半のものが取り回しやすく、使いやすいでしょう。
また、「スピニングロッド」「ベイトロッド」の購入で検討している場合のおすすめも以下に示しておきます。
下の商品をおすすめする理由はどちらも初心者に扱いやすい長さ・クオリティー・バーサタイル(万能)性能である点です。
▼筆者おすすめ初心者向け「スピニングロッド」を買う
▼筆者おすすめ初心者向け「ベイトロッド」を買う
次のページではロッドの次に重要なアイテム「リール」について解説します。
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はじめに
第1章 基礎
第2章 釣り場
第3章 道具
第4章 コツ
著者:お魚店長
バス釣り歴15年。幼少の頃からバス釣りを始め、現在まで魅了され続ける中年バサー。釣りの楽しさや魅力を少しでも多くの方に知ってもらおうと様々な記事を執筆中。お問い合わせはこちらから