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カンフー映画を見たことがありますか?ブルース・リー氏やジャッキー・チェン氏は「俳優が武術をする」というよりは、「武術家が演技をする」と表現したほうがしっくりきます。カンフー映画鑑賞歴27年の著者が語ります!
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著者:HARUKA
大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
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この章(第2章)ではカンフー映画のスター俳優をご紹介。
このページでは中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤーであるカンフー映画スター俳優、ユン・ワー氏を紹介します。
▼紹介する9人のカンフー映画スター俳優
名前 |
人物概要 |
主な出演作品 |
1 ジミー・ウォング |
カンフー映画界のレジェンド |
「片腕必殺剣」 |
2 ブルース・リー |
「本物」のアクションスター |
「燃えよドラゴン」 |
3 サモハン |
カンフー映画界の主要人物 |
「燃えよデブゴン」 |
4 ジャッキー・チェン |
世界のジャッキー |
「酔拳」「プロジェクトA」 |
5 ユン・ピョウ |
カンフー映画アイドルスター |
「ユン・ピョウinドラ息子カンフー」 |
6 ユン・ワー⇐当ページ |
中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー |
「霊幻道士」 |
7 ラム・チェンイン |
詠春拳の達人 |
「霊幻道士」 |
8 ジェット・リー |
少林寺ブームの立役者 |
「少林寺」 |
9 ドニー・イェン |
遅咲きのカンフー映画スター |
「イップマン」 |
ユン・ワー(元華)
▼右上がユン・ワー氏
生年月日 |
1950年9月2日 |
出身 |
香港 |
主な配役 |
師匠・ラスボス・悪役・キョンシー |
スタント |
ブルース・リー氏のスタントを多く務める |
現在 |
俳優として活動中 |
【ユン・ワーってどんな俳優?】
初めは著者も全く知らない存在でした。
後々、カンフー映画を調べるようになって「霊幻道士」という映画のキョンシー役であったり、ブルース・リー氏の専属スタントマンであったり、七小福というチームのメンバーであった事実を知って追うようになりました。
その後、映画「サイクロンZ」などで名悪役としても活躍するユン・ワー氏を観てファンになりました。
主な出演作品
発表年 |
タイトル |
1973 |
「燃えよドラゴン」 |
1978 |
「死亡遊戯」 |
1985 |
「霊幻道士」 |
1987 |
「イースタンコンドル」 |
1988 |
「サイクロンZ」 |
1991 |
「香港魔界大作戦」 |
2004 |
「カンフー・ハッスル」 |
第4章ではユン・ワー氏出演2作品を詳しくご紹介!(現在第2章)
ユン・ワー氏の略歴
映画界へ
母子家庭で育つ。香港映画界、及び中華圏芸能界屈指の名バイプレイヤー。
日本でいうところの大杉漣や遠藤憲一といったバイプレイヤーを思い浮かべてもらえばよいだろう。家庭をとても大切にする人柄で有名。
サモハン氏、ジャッキー氏、ユン・ピョウ氏と同じく中国戯劇学院の「七小福(学内優秀成績者で構成されるグループ)」メンバーの一人。
中国戯劇学院・七小福
中国の京劇役者養成学校。著名な卒業生にジャッキー・チェン氏など。親元を離れた幼い子供が集った全寮制の学院。入学後には身体技を中心に演技力や表現力などかなり厳しい訓練を受けた。
「七小福」とは学院内で優秀な生徒が所属するチーム。
七小福の中でもユン・ワー氏は身体能力が群を抜いて秀でていた。
学院修了後には映画界へ進み、京劇の訓練で培った身体能力を生かし、難易度の高いスタントをこなしていく。
ブルース・リー氏のスタント
ブルース・リー氏ができなかったスタントができた上に、ブルース・リー氏と背格好も似ていたため、ブルース・リー氏に気に入られ、本人直々にスタントの指名を受ける。
▼ブルース・リー氏
中華圏では、「李小龍的御用替身(ブルース・リー氏のご指名専門スタントマン)」として名高い。
そのため、「燃えよドラゴン」(’73)のブルース・リー氏自身ができなかった空中で翻るシーン(バク転やバク宙)は全てユン・ワー氏がスタントを務めた。
▼燃えよドラゴン(画像クリックでDVD詳細へ)
ブルース・リー氏の死後、未完成であった「死亡遊戯」(’78)を完成させるにあたり、映画会社ゴールデン・ハーベストからサモハン氏等と共に起用された。
ゴールデン・ハーベスト社
1970年に設立された映画製作会社。大手香港映画会社ショウ・ブラザーズの制作本部長を務めていたレイモンド・チヨウ氏とプロデューサーのレナード・ホー氏らが設立。
ゴールデン・ハーベスト社について詳しくは第1章で!
▼死亡遊戯(画像クリックでDVD詳細へ)
「死亡遊戯」では、ユン・ピョウ氏もブルース・リー氏の吹き替えスタントを務めているが、メインでのスタントはほぼユン・ワー氏が務めた。
カンフー映画俳優ラム・チェンイン氏等と共に、ブルース・リー氏のお気に入り10人のうちの一人に選ばれ、ブルース・リー氏のプロデュースによってアメリカでのデビューの話が持ち上がるが、1973年7月20日のブルース・リー氏死亡によって話が流れてしまった。
▼真ん中で座っているのがラム・チェンイン氏
キョンシー役でヒット
1970年代は「蛇拳」「酔拳」(どちらもジャッキー・チェン氏主演作品)の監督でも知られるユエン・ウーピン氏率いるアクションチーム「袁家班」にて下積み時代を過し、映画会社シヨウ・ブラザーズと専属契約を結び悪役等で多くの作品に出演した。
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ショウ・ブラザーズ社
1958年に設立された香港映画会社。カンフー映画の基礎を作った会社。ヒット作を多く制作し「東洋のハリウッド」と呼ばれた。
1980年代にはシヨウ・ブラザーズ社を離れ、サモハン氏率いるアクションチーム「洪家班(こうかはん)」の正式メンバーとなり、ゴールデン・ハーベスト社の作品中心に活動する。
日本でも大ヒットしたアクションホラーコメディ映画「霊幻道士」(’85)ではメイクなどでわかりづらいが、中国の妖怪「キョンシー」役を演じた。
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▼キョンシーのイメージ
「イースタンコンドル」(’87)、「サイクロンZ」(’88)ではインパクトの強い悪役を演じ、個性派俳優として一躍脚光を浴びる。
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その後、ユン・ピョウ氏監督・主演「香港魔界大作戦」(’91)の出演を最後にゴールデン・ハーベスト社から離脱する。
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テレビドラマ中心の活動
活躍の場を求めて、香港の放送局であるTVBと契約し、2000年代半ばころまでテレビドラマを中心に活動していた。
▼TVB本部
2004年には有名な映画監督ユエン・ウーピン氏(先述)とサモハン氏が武術指導を務め、チャウ・シンチー氏主演の映画「カンフー・ハッスル」に豚小屋砦と呼ばれるボロアパートの大家役として出演。
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本作品で自身初となる香港電影金像奨(ほんこん でんえい きんぞうしょう)の助演男優賞を受賞する。
香港電影金像奨
日本では香港アカデミー賞ともいわれる中華圏で最も有名な映画賞式典の一つ。1982年より毎年行われている。
2014年には16年間にわたり契約をしていたTVBを離れ、他局である香港電視へ移籍した。
2018年現在も香港をはじめ、中華圏で映画、テレビドラマ、バラエティ番組やCMに出演するなど意欲的に俳優活動を行っているが、ユン・ワー氏出演作品は日本未公開作品である事が多い。
ユン・ワー氏作品の視聴方法
発表年 |
タイトル |
視聴可能動画配信サービス |
1973 |
「燃えよドラゴン」 |
|
1978 |
「死亡遊戯」 |
Hulu |
1985 |
「霊幻道士」 |
Hulu |
1987 |
「イースタンコンドル」 |
|
1988 |
「サイクロンZ」 |
Hulu |
1991 |
「香港魔界大作戦」 |
|
2004 |
「カンフー・ハッスル」 |
|
以上、中華圏屈指の名バイプレイヤー、ユン・ワー氏の紹介でした。
次のページでは詠春拳の達人であるカンフー映画スター俳優、ラム・チェンイン氏を紹介します。
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大阪府出身。趣味はドラム。中国武術は現在見習い中です。好きな映画ジャンルはダントツでカンフー映画!小学生の頃にジャッキー映画にはまり、今に至る。カンフースターは映画「霊幻道士」の道士役ラム・チェンイン氏が一番好きです。多くの人に新旧問わずカンフー映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
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