ミルクグラスのバックスタンプとは ~ブランドと年代の見分け方~

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ミルクグラスは1950年頃のアメリカで誕生したヴィンテージ食器です。ミルクグラスはヴィンテージなのに丈夫でリーズナブル!ハイセンスで可愛くどんな料理にも合わすことができる「日常で使えるヴィンテージ食器」なのです!

『ミルクグラス入門~日常で使えるヴィンテージ食器~』はこちらから!

著者:大柴あまね

30代後半女性。10代の頃からミルクグラスの情報を収集。20代後半から購入しはじめ収集歴は10年程度。現在は定期的に専門店に通い流通をチェックしている。

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ブランドと年代の見分け方

 

ミルクグラスの歴史は意外に長く、その間にガラス製造会社の合併や吸収、分離などが繰り返されました。そのため製造された年代や製造会社の状況で食器に施される刻印が変化しています。

その刻印を見ることで、その食器がいつどこのメーカーによって製造されたか分かるのです。

刻印は主に食器の裏側に刻印されています。裏面の真ん中が基本です。これは「バックスタンプ」と呼ばれています。

 

▼マグカップの裏側に記載されたバックスタンプ


By 黄美智子投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link 

 

ブランド別の刻印例

 

ではブランド別に、基本的なバックスタンプをご紹介します。

 

ファイヤーキング

 

ファイヤーキングはアンカーホッキング社の人気ブランドです。

 

ファイヤーキングの詳しい解説は第2章にて!(現在は第3章) ファイヤーキングの詳しい解説は第2章にて!(現在は第3章)

 

ファイヤーキングの刻印の書体は特徴的で、また、年代によって変化していきます。

 

▼ファイヤーキングのバックスタンプ


By 黄美智子投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link 

 

例えば1940年代の古いものでは、デザイン性はあまりなく「FIRE-KING OVEN GLASS」という3列の刻印だけになっています。

 

▼1940年代のスタンプ

 

しかし50年代に入ると、下記のようにデザイン性のある書体となり、表記の順番は上から「OVEN FIRE-KING WARE MADE IN U.S.A.」と変化しています。

 

▼1950年代中期~1960年代初頭のスタンプ

 

最後の年代である1970年代は、凝った書体からシンプルなアンカーマークへ変更され、丸いデザインが残っています。

 

▼1970年代中後期~1986年のスタンプ

 

パイレックス

 

パイレックスはミルクグラスが生まれるよりも前にスタートした、長い歴史を持つ老舗ブランドです。

ちなみにミルクグラス全盛期の1940年代から1970年代に作られた、パイレックスのミルクグラスを「オールドパイレックス」と呼びます。ここで紹介するのはその「オールドパイレックス」の刻印です。

 

 

パイレックスのバックスタンプはかなりの数があります。メーカーによってバックスタンプの数は1つか2つしかないところもありますが、パイレックスの場合は創業当初の1915年から数えてなんと13種類もあります!

しかも製造された国ごとに刻印が違うため、アメリカを始めカナダ版、オーストラリア版、UK版、フランス版とさまざま。

現在残っているパイレックスが製造したミルクグラスの中でも良く目にするものが1960年代のミルクグラスです。この年代に発行されたスタンプは4種類。前期2種、後期2種です。実に様々ですね!

 

▼パイレックスの刻印。1960年代前期の2種。

 

▼バイレックスの刻印。1960年代後期の2種。

▼パイレックスのバックスタンプ

 

ヘーゼルアトラス

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ヘーゼルアトラス社は1920年代よりクリアグラスの製造を開始しています。そして1936年にミルクグラスの製造を開始しています。

 

ヘーゼルアトラスの詳しい解説は第2章にて!(現在は第3章) ヘーゼルアトラスの詳しい解説は第2章にて!(現在は第3章)

 

生産が終了する70年代までずっと同じバックスタンプで統一していました。「H」と「A」を組み合わせたシンプルなマークです。

 

▼ヘーゼルアトラスのスタンプ

▼ヘーゼルアトラスのバックスタンプ

 

年代の特定は難しいですが、いつ製造されたシリーズか特定すれば良く、「どのブランドか分からない」といった混乱はあまり起こらないでしょう。

いつ製造されたかはカタログやネット検索、お店に尋ねるなどしてお調べくださいませ。

 

フェデラル

 

フェデラルのバックスタンプもヘーゼルアトラス同様に非常にシンプルで、基本的には統一されています。

 

 

▼フェデラルのスタンプ

▼フェデラルのバックスタンプ

 

Fの字を盾のような形で囲んでいるのが基本となりますが、その下に「USA」の文字があるものや盾マークがさらに〇で囲まれたものなどが確認されています。

 

グラスベイク

 

マッキーグラスカンパニー社が製造したガラスブランドが「グラスベイク」です。

 

 

▼グラスベイクのスタンプ

 

年代に関わらずロゴの「Glassbake」と押されたものと、この文字が四角形で囲まれたものと2種類あります。

 

▼四角形で囲まれたもの(画像右下)

 

グラスベイクは製造された食器が少なく、ほとんどがカップです。裏側を見ればすぐに分かりますが、レアなものも多いためグラスベイク自体あまりお目にかかれないかもしれませんね。

 

ジャネット・マッキー

 

買収や合併で複雑な歴史を刻んだこのジャネット社やマッキー社。

 

ジャネット・マッキーの詳しい解説は第2章にて!(現在は第3章) ジャネット・マッキーの詳しい解説は第2章にて!(現在は第3章)

 

製造会社が変わってもスタンプは変化なくこのままの形で残り、年代によって変化することもありませんでした。

しかしこの2種はミルクグラスの生まれた初期の年代のものであることから、残ってはいるもののかなりのレア!

目にするのは難しいかもしれません。

 

▼マッキーのスタンプ

▼ジャネットのスタンプ

 

ノースタンプのもの

 

ミルクグラスはこのようにブランド別で見ることができますが、素材はミルクグラスでもスタンプのないものや、ブランドが不明なデザインのものもあります。

これらは不明というよりもノーブランド品です。それだけ当時は色々なガラス製造会社がミルクグラスを作っていたということなのです。

ノーブランド品はファンもいないため、大事に保管する人もいません。見つけたらある意味レアと言えるでしょう。

スタンプがなくても「ニセモノ?」なんて思わず、ミルクグラス食器として大事にしてください。

 

以上がバックスタンプについての解説でした。

次の章では知ればさらにミルクグラスを楽しめる、マニアックな知識を紹介します。次のページではミルクグラスの歴史を紹介します。

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